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2011/10/29

盛り上った「チビッコ園館長会議」~マンガ喫茶で仮眠をして~、8時半に新橋を脱出した。新橋はサラリーマンの街なので兵隊アリのようにサラリーマンがワサワサ溢れて右左斜めにうごめいていた(当たり前だわね)。出勤時間なのだ。

スーツ着るのは年に1回あればイイほうだし、いつもサンダル通勤だし、10分そこら車で行けば会社についてしまうボクにとっては、満員電車で通勤、スーツ姿、スマホは必須アイテム、日経新聞読んでます、的な方々の集団移動は、なかなか尊敬する風景だ。ごくろうさまです!っと心で叫んで満員の山手線に乗る。

電車の車両もホームも長いこと。それなのに満員。山手線なんかいつも満員だから、グルグル周ってんだし、各駅停車だし、いっそのこと長い電車の頭と尻をつないで山手線内に丸い輪のような電車のスタイルにして運行したらどうか。線路上に電車がいない時はない。問題出まくりですか?

めざすは中華街の近くの「関内」。関東は電車がいっぱいなので、どこへでも行けるのがスバラシイ。車いらんね。

目的は、ここに最近取引を始めて、弱小貧困水族館でありながら構わず、可愛いがってくれている水族館グッズを扱う会社があるのだ。いつも担当してくれる方に会いに行くのだ。挨拶しに行くのだ。バカボンなのだ。

9時到着。ずっとビルの中のマンガ喫茶にいたので知らなかったが、雨が降っていた。

いつも担当してくれるMさんと初対面。Mさんだが、別にムチで打たれたり、ろうそくを垂らされたりするのが好きな人ではない。そしてボクはSさんではない。かと言ってMさんでもない。そんなこと聞いてないですか、はい。

社長秘書だかの方なので、おそらくブタの親分みたいなオババだろう、だから内心食われる前に挨拶して早く帰ろう、と思っていたのだが、これがまた、アンタ、ちょっと聞いてよ、若くて美人な方だったのでビックラこいたがな。オフィスの中は若くて美人な女性しかいなくて、思わず、ここの社長、恐れ入りまする~!どうかお許しくだせぇ~!ご堪忍をぉ~!っと、下座に移動し、ひれ伏して床に頭をこすり付けた(意味不明ですね)。

Mさんが忙しい中、商品の説明やカタログを見せてくれたり、ショールームを案内してくれたりした。お世話になった。これからもどうかウチの水族館をお願いしますだ。

その後、案内してくれたMさんとは別のMさんと東京駅で合流し、行列の出来るうまいラーメンを食って、東京の葛西へ移動。なぜ東京駅の京葉線は乗換えがあんなに遠いのだろうか。地下鉄の一駅ぶんくらい歩くぞ。動く歩道だから田舎モンのワシにとっては都会人気分が味わえて楽しいけど。

葛西で、超水族館ナイトのために一緒時期に東京入りした後輩のSちゃんらと再び合流。昼からは「葛西臨海水族園」の見学。

案内してくれるのは飼育担当のKさん。Kさんはウチに前に来てくださり、ウチのM君と知り合いで、M君に頼んで、Kさんにアポを取ってもらい、案内していただいた。Kさんのほかにも、MさんやYさんにも担当ごとにお世話になり案内していただいた。MさんもYさんも、みんな優しくていい方ばかりだ。このあたり、YやらMやらで、YMCAヤングマンっ!!みたいなイニシャルトークだらけですまんね。

デカ水族館の裏側(バックヤード)を見せていただいた。広い。一同興奮。ヒデキ感激。

ウチの水族館何個分だろう。悲しくなる。水族館も広くてデカイが、裏側スペースもデカイ。通常、展示スペースの倍くらいはどの水族館も裏側スペースがある。機械や設備、予備軍の魚がいたりするからだ。しかし広い。どこかで隠れてサボっていても、見つからなそうだ。ウチはサボっていたらすぐ発見されて拷問の刑にあう。

どの生き物もしっかり飼われている!という印象を受けた。生き物に対する真剣な姿勢は勉強になった。

葛西水族館は独自ルートで全国のどの水族館にもいないブッタマゲ生物が多いのが特徴だ。マニアな方は嬉しくて両手両足を振り回して走り回るだろうに。水槽の数も多い。

ナポレオンフィッシュ

マグロのエサやりも水槽の上から見せていただいた。迫力満点。思わず、 「コレ、死んだら食うんですか?」 と同じ業界人にあるまじき質問をしてしまいそうになった。通常、死んでも食わない。

大きな水族館なので、案内していただいたあとゆっくり展示をみていたら、半分も行かないうちに閉館時間が迫ってしまった。ダッシュで見た。いやしかしスゴイ水族館だこと。

海外のイソギンチャク

他の水族館では見られない生き物のオンパレードだ。

閉館になってしまったので、そのあと一駅だけ京葉線に乗ってココにいった。6時からは安く入れるそうな。

シンデレラ城

夢の国は水族館人にとっても参考になる要素テンコモリなのだ。夢の国が夢の国であるには、その工夫やスタッフの心がけがなければ夢は覚めてしまうのだ。ところでミッキーは実は何匹おるのだ?

パレードはやっぱり思わず息を呑む感動っぷり。完成度の高さに涙が出そうになってしまう。オレも世の中のメンドウなことを忘れて、あのパレード集団の中に入って超笑顔で電球まみれになって踊り、お客さんに笑顔を与えたい。。。なーんてね。。。

メシを食っていたら、どこぞの同業者の某イケメン君が女の子を引き連れて向かい側でメシを食っていたので、おもわずコレも夢か?夢の世界は凄いもんだ、と思っていたら、ミクシィにメールが来ていた。こんなところで会うとは!世界は狭いものだ。お互い内緒にしておこうね。またそちらにも遊びに行きます。

~まだまだ続く。。。

09:08 | kobayashi | 東京③ 超水族館ナイト明け1日目 はコメントを受け付けていません
2011/10/27

江戸川オタリア

江戸川オタリア2

前回の投稿記事はかなり誤字が多かった。すまんすまん。

劇団四季を見て、お台場に向かい、お台場をフラフラして時間になったのでメインイベントの会場である東京カルチャーカルチャーへ。中村元さんの「超水族館ナイト」はメチャンコ人気シリーズなので、会場は満員。その中から、全国から集まってきた若き熱血水族館人を探す。みんな来ていた。トークライブが始まるまで、それぞれ近況を報告。「この前はありがとうございました!」「グソクムシの件、ごめんねぇ」「ウツボに噛まれて爪に穴があいたんですよぉ」など、普段その辺りで話していたら変態扱いされる話を大きな声でできるのがこの集まりの醍醐味でもある。

水族館ナイト

今回はなんと記念すべき10回目!テーマは深海。ゲストは我が母校北里大学の先生でジャムステック(深海研究の番長機関)の三宅先生。ヒゲが生えていて、目に力があり殴り合いのケンカをしたら勝てそうにない顔をしている。しかし笑うとものすごく優しい顔になる。実際、優しくて気さくな先生だ。

始まる前、司会のテリー植田さんと話した。

「おぉ!コバヤシさん、ヤバイよ~、今日はホントにヤバイ。マジにヤバイ。中村さん、マジに段取りも話すことも全くノープランだよぉ。心配すぎるよぉ~」

とかなり怯えていた。

「へ?それ、いつもそぉ言ってるじゃないですか!?」

「いや、今回は本当に今までで一番ヤバイ!」

「だから、それも、いつもそぉ言ってるじゃないですか。」

それでも中村さんは楽しくビールとハイボールを飲みながら軽快におもしろトークをテリーさんと進めていく。今回は水族館人にとって必要なことや考えなければいけないこと、どんな水族館がこの先伸びるのか、などスルドイ話しが爆笑トークと交えてテンコ盛りで、我々若い水族館人にとって、かなり勉強になった。会場に来ていない情熱のある水族館の人はかなり損をして、参加者した水族館人とのレベルの差が開いてしまったハズである。

次回はムリしてでも来たほうがいい。全裸で。

我々にとって勉強になる話、だけど一般の人にとってもこれは変わりなく、かなり面白くて充実したお得な話しでトークをしちゃうのが中村さんのスゴイところ。会場は大盛り上がりだった。

後半から出演したゲストの三宅先生の話や写真・動画は激レアでこれまた会場は感激と驚きの声があがった。なにしろ三宅先生は、小さな潜水艦みたいなカプセル船に乗って海の底の深海まで実際に沈んで行って、深海のヘンテコ生物を捕まえて研究もしているスゴイ人なので話はミラクルな内容ばかりだった。

大盛況でトークライブが終了。そのあと参加者みんなで2次会。じゃんけん大会もあって、中村さんが用意してくれたプレゼントが当たったり、サインをしてもらったり、我々が業界人なのがバレると、一般の方がドンドン話しかけてくれて、ドンドン質問をされて感激されて、ドンドンいろんな話を暴露して、どんどんみんな気分が良くなってしまう、とにかくドンドン型の時間だ。

そのあと、集まった若い水族館人と中村さんで新橋に移動して恒例の「チビッコ園館長会議」

この会議は若い飼育員が中村さんを囲んでスペシャルな話が夜通しできるという若くてやる気のアル水族館人にとっては夢のまた夢の時間なのだ。

会議と言うけど、難しい論争や話し合いはほとんどなくて、その内容は多くは語らないが、例えば「恋人とキスをするタイミングはいつがいいのか」とか「エロい女性はスバラシイ」とか「アイツとアイツが気が合いそうだから席替えしよう」とかそんなことをやっている。この会議からカップルが誕生することも少なくない。結婚したのもいるんだから!!

神奈川のイケメン後輩、元中華街水族館の野球青年、神奈川のウツボ好き、笑顔に悩むイルカの超頑張り屋の熱血お姉さん、三重県で魚・海獣の両刀使いを経て今度は動物園で働いている美人、だれかの彼氏、だれかの彼女、初めて参加した新鮮飼育員など含めて10人くらいが集まった。遠いところは下関からやって来た変態もいる。変態といっても福山雅治に激似のスーパーイケメンのアシカだかイルカだかのショートレーナーである。これらのメンバーにさらに地方の熱血メンバーを加えた20名ほどがチーム中村チビッコ園館長だ。

今回は後輩のSちゃんも参加したので、普段職場では語らない秘密な話もした。でもこれは2人の秘密なのでココでは書かないし職場の人にも話さないという約束なのだ。

イロイロな意味でココでは書けない様々な話で盛り上がり、3時ごろ解散。

中村さんと、誰もが認めるなんだか会うたびに美人でセクシーになっていく奥さんにお礼を言って見送り、10人の全国の若い飼育員は行き場所を失い、毎回恒例の新橋ゾンビ徘徊をする。前回は行き場がなくなり、近くにあった謎の開店前(夜中だから当然閉店している)のラーメン屋の前に並んで腰を下ろし、勝手に開店前から行列の出来るラーメン屋を作ったりした。毎回行き場がなくなりゾンビ徘徊するのに毎回、対策を考えない。バカですね。

第一候補のカラオケは料金が高すぎてビンボー水族人にはキツイ。若手特攻隊2名を選抜して店員との交渉に向かわせたが、あえなく玉砕されて「ダメっす。ココ値段高い」といって帰ってきた。

店の店員の前で

「ココ高けぇよっ!」

「マジ高い!ありえんわ!」

「部屋は入れなくていいから、この受付の前でアカペラで歌うのはどうか。」

「それがいい、座布団とタンバリンだけ貸してもらおう」

など好き勝手なことを吐き捨てて「こっちから願い下げぢゃバーロー」と言って再びゾロゾロとゾンビ徘徊。

居酒屋も夜中の3時だと閉まっている。24時間営業のマクドナルドも清掃時間とかいって追い出されるし、ホームレスの溜まり場化していることもある。

少し徘徊したら別のカラオケがあったので、先発隊を送り込むと「ココ安いですよ!」とのことで、突入。

カラオケの大部屋で好き勝手話したり、くたびれて寝たり、明日というか今日仕事だからイヤだ!とわめいたりして、4時半過ぎにそんな「今日仕事メンバー」が始発で帰り仕事場へ向かうために分散していった。部屋の電話が鳴り時間ですと言われたのでカラオケ屋もほどなく追い出された。5時にマンガ喫茶になだれ込む。毎回使用するマンガ喫茶なので下関から来た人間でもココ(東京・新橋)の会員カードを普通に持っている。

それぞれ部屋に分かれて街が動き出す時間まで2時間ほど仮眠。空が明るくなり、通勤サラリーマンが大勢の時間になると起きて、新橋を出てそれぞれ、せっかく東京に来たんだから!といって関東圏の水族館などにフラフラの体で出陣するのであった。

10:15 | kobayashi | 東京② 超水族館ナイト はコメントを受け付けていません
2011/10/26

お台場の超人気スペシャルトークライブ「中村元の超水族館ナイト」に行くため、仕事を投げ出して東京に飛んで行った。今回は後輩のSちゃんも誘って仕事を投げ出させて連れて行った。

それは夜からの話で、今回の東京行きの内容は絞りたての牛乳よりも、掘り当てた石油よりも濃い。東京に行くならということで、いろいろな場所を田舎者オーラを出してワッシワシと徘徊してきた。

朝の6時に地元を出発して、第一目的地の「江戸川自然動物園」に向かった。

ここは、ウチと同時期に輸入された「オタリア」がいるのだ。ウチの凶悪娘は江戸川自然動物園にいる1頭のカワイ子ちゃんとともに2頭で日本にやってきたのだ。同時期に受け入れて、その時点からメールでお互い情報交換をしていたので、では東京に行くし、会いに行きます!!という次第になったのだ。

公園の中に動物園があり、無料。地域の憩いの場のようで、子供たちがワー!と言って笑顔で、ふれあいコーナーでウサギとかニワトリとかヤギとかを、コネクリまわしていた。みんな楽しそうだ。ウサギやヤギはまり楽しそうではないが。でも親子でみんな笑顔で動物に触れ合えて、楽しい動物園なのだ。

案内してくれたのはKさん。ボクもコバヤシなのでKさんだが。ダブルKさん。ベテラン肌らしく、気さくで優しくて、何でも教えてくれた。姉さん!っ呼ばせてください。

こちらのオタリアちゃんは、導入当初噛み付いてきたが、一度しっかり怒ってやったらそれ以降は全く噛み付かなくなったそうで、非常におりこうさん。オリから出てきて、ボクのほうまで来て、興味シンシンでニオイをかいだりして来た。おりこうさんなのだ。ウチのオタちゃんは、怒ってもさらに激しく噛み付こうとしてくる。好戦的なのだ。

そんな話をしたら「やったぁ~!それじゃぁウチの子は当たりですねぇっ♪」ですって。「交換しましょうよ♪」「イヤです♪」

すでに体をペタペタ触ることもできて、おとなしくておりこうさんなのだ。ウチの子は触ったら噛み付くぞ。サインを出して、お口ア~ン、もできる。ウチの子はサインを口の前でしたら噛み付くぞ。この違いはトレーニングのしかたよりも、どうやらもともとの個体の性格らしい。「やったぁ~ウチはやっぱり当たり♪」「そぉですよ!だから交換しましょうよ!」「イヤです。」

その他、いおいろなお話をして情報交換が出来た。動物園の方とお話しするのは久々だったので新鮮だった。バックヤードの見せてもらって、ときめいた。

昼に動物園にサイナラして、さぁ、昼からどないしまひょか、とアイフォンで調べたら劇団四季の「ライオンキング」の当日券がまだ残っていて売ってひるではなひかっ! 急いでゆりかもめに乗って竹芝の劇団四季の会場に行った。ゆりかもめは運転手がいないのでコワイ。

2階席で、舞台を見下ろす感じ。ライオンキングは、わしゃぁよぉ話の内容は知らんけど、ライオンが出てくるのだろう、と思ってワクワクして観たが、オペラ座の怪人のほうが12倍くらい良かった。上はライオンお面、下は本当の人間の顔、という雪だるま式2重頭人間の役者がやっている様子はハイクオリティの学芸会を見ているようで、なんだか困った。フグの帽子をかぶって奇声で飛び跳ねているおさかなくんのような感じがしてしまった。

話の内容も子供でもわかりやすく、なるほど、見に来ている客にも親子連れが多いし、オメェみたいなもんは見てもわからんだろ?というようなガキまでいて、そーゆー子は劇中もムダ口をたたいて声がうるさかった。小僧の親は決まって注意しないし、そういうヒトはライオンに食われてしまえばいいのだ。

オペラ座の怪人のほうが内容も演出も役作りも個人的には好きだナァ。オペラ座の~は、子供ほぼいなくてうるさくなかったし。

ライオンキングを見てから、なんだか予想と違って個人的にはイマイチだったなぁと思いながら、またゆりかもめの運転手不在自動運転に不信感を抱きながら、お台場にむかった。6時半から超水族館ナイトである。お台場はデートスポットなのでカッポーが多い。平和で良いね。ライオンに食われてしまえばいいのに。

つづく。

08:48 | kobayashi | 東京① オタリア・劇団四季 はコメントを受け付けていません
2011/10/21

「行ってよかった動物園・水族館ランキング」

なるものが、インターネットで発表されている。

http://www.tripadvisor.jp/pages/ZooandAquarium.html

日本人っつーのは何だか「最近は順位をつけるのは良くない!」とかホザいて、運動会では全員一緒にゴールとかして平和に笑っていると思いきや、動物園・水族館にはランキングを付けてしまうのである。まったくもぉ。

水族館や動物園は、日本は特に多くて、動物園なんか1都道府県に1つは必ずあるんじゃなかろうか。水族館も100以上もある。それぞれ特徴があるんだから1位だから最強にスゲェ、っちゅうわけではない、と、信じたい。っと、自分を励ましたい。。。がんばれ、オレ。。。

1位:沖縄 美ら海水族館

こりゃね、模範解答だがね。大きいし、もはや沖縄旅行とセットだから地の利が結構あるように思える。沖縄バンザイ。

「バカヤロウ!美ら海スイゾッカンはジンベザメがいるし、水槽だってデッカイんだぞ!」と叫ぶおとっつぁんがいるだろうが、沖縄にある、という利点は大きい気がする。そもそも人々はそんなに必死にジンベエザメが見たいもんだろうか。わしゃぁ美ら海でジンベエザメを見るより、国際通りで安室奈美恵に遭遇するほうが数億倍トキメク。「そーゆう問題ではない!」と、おとっつぁんはまたワメクだろうか。まぁ、もともと、おとっつぁんはビールについてはウルサイけど、美ら海のことをあーだこーだ言わないだろうね。ジンベエを見るより、家でネコと一緒に寝転がって野球中継でも見ていたほうが幸せに違いない。

ボクは今年初めて美ら海水族館に行ったが、あのデカイ水槽は見せ方に少々問題があることに気が付いて、大きさよりも、そればかり気になってしまった。

それに比べ、水槽の見せ方でウマイ!と思ったのは、神奈川の新江ノ島水族館の相模湾大水槽だ。しかし、20位圏外。意外じゃないか。6位に入っているアクアマリンふくしまの 「上のほうハナダイ、真ん中キンメモドキ、砂からチンアナゴ」 の水槽もステキで、思わず涙が溢れた。この水槽はガラスが真ん中でつなぎ合わせてあるのがマイナスだけど。

2位:大分 うみたまご

この水族館が出来た時、その高評価のウワサはボクが住んでいる愛知にも聞こえてくるほどで、芸術的なセンスのある水族館。うみたまごというネーミングも攻めの姿勢が感じられる。数年前に見に行って勉強になったのを覚えている。

5位の東京 葛西水族館は、イルカやアシカがいないものの、生き物の種類数がハンパない。そして入館料が安い。

注目すべきは、7位 北海道 おたる水族館で、メキメキと進化を遂げている水族館。スタッフがそのウデを認められて困難を乗り越えて写真集を出したり、アザラシショー、ペンギンショーなど発想と好奇心がスゴイ。また野生のトドがトドの展示プールに入ってきちゃうという水族館でもある。友達というか同志というか、同じ考えを持つ仲間の子がいるので、そのはてしない頑張りもいっぱいあるだろうなぁ。まぁ、エラそうに書いているけど、おれ、行ったことないからね。すまん、すまん。いつか必ず行くよ。案内してね。

11位 名古屋港水族館は、「勝手にライバル」だと思っている水族館で、ここも果てしなくデカイ。ココは、彼女との初デートの時、昼過ぎに入館して、お互い緊張をほぐしながら水槽を見て、イルカショーを見て楽しんで夕方に見終わり、周辺で美味しいディナーを食べて、そのあと暗くなった海辺を2人で歩けば、彼女と手をつなげて最後にキスできそうな気がする。いや、そんなことどーでもいいコメントですか。はい。

名古屋港で見事、キスできたら、13位の神奈川 八景島シーパラダイスへいけば、その夜はホテルで合体できそうな気がする。はい、もぉ怒られますか。

19位 三重県 二見シーパラダイスはもっと上位に入って欲しかった!

スゴイのは、17位 高知県 桂浜水族館。ここは大きな水族館ではないが、桂浜と言えば坂本龍馬なので地の利はほんのちょっとあるかもしれない。

が、結構古い水族館で、魚の紹介パネルに特色があるのが水族館界やマニアの間では有名である。魚のパネルに関しては、今後、竹島水族館が新たに進出するが、まだ桂浜の有名さには足元にも及ばないレベルなので、もっと宣伝や高評価の口コミが必要だと思っている。

しっかし、水族館は大きさじゃない!といっているランキング結果の象徴のようでウレシイ。大きけりゃいいってもんじゃないのだ。デカイと入館料高いし、子供は飽きるし、歩きまわって疲れるし、人は多いし、オバァはワメクし、ジジイは倒れるし、悪いところもあるのだ。

竹島水族館は入っていないので、こういったランキングといえども、クヤシイ。いつかブッチギリで入れるようにこれからも努力したい。「ヒソカに選ぶ!一般に知られたくないオススメのおしのびスーパー水族館!」だったら、結構票をいただけそうな気がする。

変わって、動物園では1位の北海道 旭山。9位の井の頭自然文化園っつうのはすごいぞ。小さいけど魚の展示レベルがスゴイぞ。業界では動物園の番長的イメージがある上野動物園がなんと16位。日本動物園水族館協会なんていい加減脱退しようかな、って思うよね。あ、やべっ。

個人的には番外編で目黒の寄生虫博物館に特別賞をあげたい。

11:28 | kobayashi | 行ってよかった水族館ランキング はコメントを受け付けていません
2011/10/11

ハイ、こんばんは。今日も仕事や家事ご苦労様です。

「今年の夏はいろいろ仕事をしていて落ち着いて魚と愛撫できなかったので、落ち着いたことだし魚を採りに行って激しく添い寝して熱い夜を過ごそう」

という話しになって、採集部隊が編成され隣の県の浜名湖に向かった。その前に先発隊のワタクシは、

「うなぎパイファクトリー」

という銘菓「うなぎパイ」の生産工場へ向かった。目的は工場見学である。何年かぶり、2回目の来訪。

カーナビで案内してもらったらなぜか壮大な竹林のある池へ案内されて、びっくらこいた。仕方がないので、iフォンで見ていく。が、あるはずの看板がなくて、やっぱり迷う。台風で看板が吹っ飛んでしもうたらしい。苦戦して到着。

「うなぎパイ」っつーのはね、おばさんがその辺でよく食い散らかしているお菓子の「源氏パイ」に良く似たお菓子で、浜名湖名産のウナギが入っているらしい。うまいお菓子で、名古屋でもお土産人気ナンバー2だそうだ。

コネコネと良く練られたパイ生地が機械の中へ入っていき、長細く成形されてベルトコンベアに流れて焼かれていく。出来上がったうなぎパイは行儀良くならんでヒャホーイとか言いながら笑って猛スピードで袋の中に入り、終点で待っているマスク姿のオッサンがまとめてダンボールに入れて、はい完成、出荷。

その過程を上から眺める。ラインの作業というのは眺めてみると、つくづく大変で、途中でオシッコには行けないし、当然だけど、しくじるとそのライン全てが止まってしまう。チョット手を休めて鼻でもかんでいようものなら、どんどん自分の前に出来上がったうなぎパイがドドドドッ!と流れてきてしまい、ラインは大渋滞、自分の周りは、超うなぎパイ地獄になってしまう。寝ていてもダメだ。オナラをしようものなら、ニオイも同封されてしまいオナラ入りになってしまう。飽き性で同じ事をずっとするのがキライなボクでは、10分で超うなぎパイ地獄になり、怒られてしまいそうだ。

見学を終えて、2階にあるカフェではオリジナルうなぎパイスイーツも食べれて、うまくて泣き叫んでしまう。お土産でうなぎパイハチミツナッツ入りもくれる。ぜひ休日にはご家族、友人、恋人とどおぞ。

で、魚採集。後発部隊の後輩たちと合流して浜名湖のポイントへ。狙うは、チョウチョウウオという魚の仲間でかわいい熱帯魚。魚を採るには、川で掬うのと違って夜に採るのが良く採れる。寝込みを襲うのだ。昼間ではすぐに逃げられてしまい、釣りや巻き網でも使わないとムリだ。

夜の港の岸壁などに沿って寝ている魚にライトを照らし、そおっと起きないように警戒しないうちに静かにアミで掬う。これがなかなか難しい。起きてしまって逃げられたり、もともと半分起きていたりするし、夢中になると転んで海に転落したりする。

岸壁沿いに懐中電灯で照らしながら魚を探していく。起きているヤツは目が合うと、ヤベェ!って感じでスグに逃げていく。

夜の8時から11時ごろまでやって、ハゼの仲間や、セミホウボウ、クロサギ、ブダイ、ゴンズイ、ハオコゼ、カエルアンコウ、フグ、スズメダイの仲間、それにイセエビやウニ、ヒトデ、ウミウシなど、いろんな生き物を捕獲した。本命のチョウチョウウオ類と、でっかいタコには逃げられた。でも面白かった。

採った魚や生き物は、食うわけではない。水族館に持って帰って、検疫後に展示水槽にデビューする。

08:26 | kobayashi | 寝込みを襲うのゴメンナサイネ はコメントを受け付けていません
2011/09/30

テレビの撮影で「イケメン俳優さんが2日間でアシカと友達になってショーに出演する」というのを引き受けた。

TV撮影会社は、どこの水族館に問い合わせ、協力をお願いしても、

「アシカは警戒心が強く、場合によっては噛み付く。しかも2日間で仲良くなってショーに出るなんて絶対ムリだ、できない。」

と言われて、しかたがなくウチの館に連絡をしたらしい。

あ、えっとね、警戒心が強くなくて、場合によらなくても噛みつかなくて、2日でショーに出れるアシカ、ウチ、おるで。

ということで、引き受けた。

できるのは現在ショーで活躍中のアイ(♀、7歳)以外、日本中になかなかいないだろうなぁ、と思った。

カメラや撮影スタッフの人数や、その状況に慣れれば、なんとかイケルかなぁ、と思っていたが、初めから常時7~8人のスタッフに囲まれてカメラを向けられてもアイは全く動じず、むしろ通常よりも動きは良く、いつも目が半分しか開いていなくやる気のない顔なのだが、撮影時はパッチリと目が開いてなんだか、かなり嬉しそうにしている。

1日4回あるショーの合間々々にイケメン俳優と交流させてアシカと関わる上での注意点や種目の練習などを行った。

休みナシでほぼ1日中撮影とショーに出ていたが、なんだかアシカは新鮮らしくてやる気満々である。ステージ上で打ち合わせをしていると、勝手にカメラマンと音声さんの間を通ってプールに入って泳ぎ、出番まちをしていて、段取りが決まって撮影が始まる前に呼ぶとプールから上がってきて、きっちりとスタンバイする。

オマエは女優か。

本来、アシカというのはこんなんじゃないんです。もっと普通の人がかかわるのは気難しく、大変なモンですよ、と必死にスタッフの方へ説明をした。

番組的にスムーズに行きすぎです。予定したスケジュールよりも早すぎです。

と言われた。もっと苦労しないと番組にならないらしい。

2日目も朝からショー出演のための俳優との合同練習と何度も何度も撮影がショーの合間に続いた。

アイは、新鮮だった撮影や俳優とのかかわりに昼ごろからは慣れてしまい飽きてしまったらしく、いつもの半目やる気なし状態に戻ってしまった。ハイハイ、また撮影ね、あれ思ったより面白くないんだよね、疲れるし。めんどくせぇよ。と半分しか開いていない目が言っている。

慣れるの、飽きるの早すぎだろぉ。

アシカによっては、カメラや撮影のため知らない人が何人も来たら怖くて一目散に逃げてしまうか、警戒して部屋から出てこないのが普通だと思う。だからどこの水族館も断ったのだ。

いつもやっているショーの人の服の色が変わるだけでとか、ショーに使う道具が変わるだけで警戒するアシカだって世の中にはいるのだ。

通常のアシカならカメラや撮影に慣らすのに時間がかかるが、アイは慣れるどころか2日目にして状況をすべて把握して飽きてしまった。ウチのアシカのことだから、2日目になれば、よほどか状況や人に慣れて撮影できるだろう、と思って引き受けた仕事だったけど、それは逆で、2日目には完全に飽きてしまったのだ。

それでも2日目の3時からのショーに俳優と出演しなければいけないので、休憩を取りつつ、練習させた。

飽きて機嫌が悪くなったアイの休憩中は「アイさん待ち」の状態になり俳優も撮影スタッフも全員無条件で待たされる。休憩が終わり少しリフレッシュすると「アイさん入りまーす!」とスタッフに言われてエラそうに登場する。

オマエは女優か。

ボクと一緒に普通のいつもやっているショーにも出演しなければいけないので、休む暇があまりなく大変。それでもいつもやっているショーをはさむと、やはり、いつもと違う撮影という状況が新鮮に思えるらしく、今度は何やるの???っと喜んで出てきて撮影が進む。

しかししばらく撮影が続くと飽きて動かなくなる。これは練習したらますます状況を把握してしまって慣れてしまいかえって逆効果になる、新鮮なままいきなり本番にのぞんでしまったほうがうまく行くな、と思った。

本番は、ボクはお客さん側にいて、俳優とアイの2人きりでステージに出て15分ほどのショーをやることにした。ボクが一緒にショーステージにいたらアイはたぶん安心して悪いことを考えるからだ。俳優さんと2人にしておいて緊張感を高めたままかたづけたほうが、いい結果になるかなと思った。

俳優にセリフや段取りを覚えてもらったり、アシカの状態を見極めてエサの量を調節したりで忙しい。

そんなこんなで、イケメン俳優さんとアイちゃんは無事ショーが出来たのか!?

放送は、10月18日の夜7時からフジテレビ系で予定!です。

06:36 | kobayashi | アシカの撮影・全国放送! はコメントを受け付けていません
2011/09/17

明らかに太った。悔しい。

もとの体重に戻すことと、毎日のすこやかなる日々を送るためにボクはベジタリアン宣言をして、野菜を食べている。イイ体つくろうコバヤシのベジタリアン宣言。コレ、数百年後の歴史のテストに出ます。バッタもキリギリスもイモムシも降参するイキオイで野菜を食べるベジタリアンを目指します。

どうでもいいけど、昔、オバタリアンという悪魔オババがいたけど、最近オバタリアンって言葉を聞かないね。絶滅したのだろうか。今はモンスターペアレントにその生息環境を奪われたのだろうか。

ウチの飼育員達は不健康が多いらしく、隊員たちの健康診断の結果は最悪で、痩せすぎ、少し太りかけ、低血圧すぎます、など結果は散々。唯一A判定だった男は皆から「そんなに健康なのはマジメに一生懸命毎日働いていないからだ!」と言われた。

毎日暑くて中止していた自転車通勤も再開した。通勤15分チョット。帰りは海沿いを、フラフラと波や飛んでいるボラなどを眺めながら、この水全部抜いてやりたい、などと思いながら帰るので20分から30分くらい。時々ツタヤにも寄るので、もっと時間がかかる。

余談ダケド、オタリアに関わるようになってから、仕事が終わると自分でも気が付くほど体が獣臭くて、そのままツタヤに行くと、明らかに自分の周りから立ち読み客が減っていく。ツタヤは対立ち読み客用の秘密兵器としてボクを雇用してくれないだろうか。

アシカショー以外のマトモな運動をしていなかったので、大変なのよねぇ、などと、なぜか突然オネェ言葉になって毎日自転車で通勤して、昼は野菜サラダを食っている。

コンビニで野菜サラダを買うようになって驚いたのは、サラダが思いのほか高いのよね。普通に200円オーバーとかする。しかもドレッシングは別売り25円。値段と引き換えに健康を買っている、と思って、チクショウとか、ッザケンナ!とかココロの中で叫んでレジに出している。200円あればマクドナルドでハンバーガーが2個買える。駄菓子なら子供の遠足のオヤツは200円、バナナは含みます!という感じ。地下鉄なら200あれば結構遠くまでいけるよね。

しかも、たいていのコンビニサラダにはトマトが入っている。オレ、トマト食えん。毎回、先にトマトだけ避けて後輩のスダちゃんにあげている。スダちゃんの実家ではトマトを育てている大農園だそうだ。言っておくが、トマトは野菜の歴史上、唯一の失敗作です。

サラダとか野菜っていうのは、言ってみれば草で、草にこんなに金を払うのは悔しい。こんな金を出して草を買って、効果がなくてデブになったら、わしゃ成仏できない。

野菜サラダというのは、そのへんに生えている草と具体的になにがどお違うのか、我々はその実態を知らない。サラダの代わりに、道端の草をちぎってマヨネーズかけて食ったら死ぬのか。

あんなもの、道に生えているか、八百屋に並んでいるかの違いだけだろうに、と思って少し調べてみると、なんだかその辺の草でも食えるものがあるようだ。昔、子供の頃に山に行けば生えてた太い茎のやつは食えたし、タンポポだってコーヒーになるそうだ。

考えてみれば、リクガメやイグアナはその辺の雑草を食う。ヤギだってモリモリ食ってメェ~とかバカみたいに言っている。あれはメェ~じゃなくてもしかしたらウメェ~っと言っているのではないだろうか。

どこかの水族館で観たカピバラというネズミの番長みたいな生き物は完全に雑草を子供の手から食べていた。しかし、これはエサやりイベントで、1回100円だか200円。いい商売である。水族館でネズミのデカイヤツに草を食わせるだけで金がいるのであれば、自分が野菜サラダを食うのに200円以上かかってもしようがないように思える。

まぁ、だからといってその辺の草を食うわけには行かない。おれにだってデリカシーがあるし、市内ではなかなか有名になってきたので世論が許さない。一時、ボーリングのマイボールのように、バックから玉のようなキャベツやレタスを2、3個取り出して毎日ムシャムシャ食べようかと思ったけど、変態に思われるので断念した。

だから仕方がなく毎日コンビニで野菜サラダを買っている。

魚でも野菜を食うのがいて、ハギの仲間などは嬉しそうに水槽の中でレタスを食べている。見習いたい。ジュゴンも海草の専食。生まれ変わったらジュゴンになりたい。

09:24 | kobayashi | ベジタリアン はコメントを受け付けていません
2011/09/08

ヤラレタ。ついにヤラレタ。

今日の朝(これを「今朝(けさ)という、どーでもいいけど)、オタリア(アシカの仲間でチリからの刺客)に噛まれちゃいました。なかなか痛ぇよ。飼育動物に噛まれるのは6年ぶり2回目。なかなかコーフンした。

1回目はアシカのオスに「テメェのサインは判りずれぇよ!」ということで噛み付かれた。このときはボクは最高のディフェンスで足をホイ!と避けて回避したが、おしくもアシカの歯がジーパンに食い込み、それを左右に振られたからボクの体はよろめき、アッ!という間に腰からクルブシまでエドウィンのジーパンが音を立てて破れてしまい、パンツが丸見えになった。

ボクはMではないので、Sでもないけど、痛いのはキライ。

今度のオタリアは噛まれるのかナァ、痛いだろうナァ、困ったナァと思っていた最近、三重県の水族館の尊敬する方から

「なぁに、そんなのちょっと体に穴が開く程度だと思えばいいんだよ」

という魔法のアドバイスをいただき、そーか、体にちょっと穴があくだけか、そーいえば耳でも鼻でもオシリでも人間にはそこかしこに穴が開いているものだ☆一つや二つ穴が増えてもいいか、と思ってしまっていた。その方は、その昔、初めて日本にやってきたオタリアに数え切れないほど噛まれ、ラッコにも噛まれ、ピラニアには指を食いちぎられかけた方だ。カマキリに噛まれただけで逆上するボクとは天と地のレベル。今も残る手の傷跡を見せてもらったこともある。

なので、今日はフッ切れて、朝からオタリア獣舎に入り、ゴシゴシと元気にブラシで部屋を洗って、フンを洗い流したり水を換えたりした。その間、オタちゃんはおとなしかったので、すこしキモチがゆるんでしまったのかもしれない。

その後のエサも檻の中に入って直接的にあげた。やや余裕で「よーし、ヨーシ!かわいいねぇ~!」などとムツゴロウさん的笑顔でエサをあげたのだった。

オタちゃんはボクが持っているバケツの中にエサがある、もらえる、ということを認識したようで(頭がいい)、バケツについてくるようになったのね。

だからやや広い檻の中で動いて「ホイ、こっちだよ~」「ハイ、今度はコッチにおいで~」などと誘導して、付いてきたらエサをあげる、ということを初めてしてみたのだった。

初めの数回は、付いてきた。ボクは嬉しくなってしまい、ますますムツゴロウ方面に急速に心情が動き笑顔で、コッチですよ~おいで~、を繰り返してしまったのだ。それがいけなかった。初めてのことなので、数回で止めておけばよかったのだ。そこには彼女のペースを無視した自分がいた。

初めてそんなことをして、しかもそれを繰り返すボクに、オタちゃんは不安と怒りをお持ちになったようで、いきなり噛み付いてきたのだった。

<噛み付いたら即座に怒って叱る>

ということはいつも頭に叩き込んでおいたので、大きな声を出して足でグイッ!と彼女を押して威嚇し返してやった。我ながらこれは素早い対応ができた。ここで時間を食ってしまったり、こちらが逆にオビエテしまったり、エサをほっぽって逃げ出してしまったりすると、立場的に相手のほうが有利に動いて逆効果になるようだ。

怒られたオタちゃんはかなり驚いたようでドドドっと後ずさりして、不安げにこちらを見ていた。ボクはそれを意図的に無視する感じで檻の中から出た。残りのエサは抜きにした。

噛まれた足は穴ぼこは開かなかったが、軽く擦りむけてその周りに青アザができた。軽い打撲のような感じ。かなり力があったし、彼女の攻撃の速さのほうが早くてうまく攻撃をよけるディフェンスはできなかったが、マトモには喰らわなかったので不幸中の幸いだがね♪

次のエサの時間までの間、アイツは今部屋の中で反省しているのだろうか?次のエサやりで心を入れかえてくれているだろうか?もしくは根に持って奇襲反撃に来るのだろうか?などいろいろ考えた。

飼育員にとって、担当動物に噛まれると、そもそもの傷の痛みよりも、噛まれたこと、噛んできたこと自体への精神的なショックの傷の方が大きい。

1度噛まれると、考えないようにしてもやはりココロのどこかにこびりついて

「次も噛まれるのではないだろうか」

という思いに襲われ、今度は本格的に噛まれるんじゃないだろうか、頚動脈を噛まれたら…などと考え出し、それは恐怖に変わる。しかし、それを相手に感づかれるのは良くないし、ヒトとしてのプライドも一応あるじゃん?

次のエサの時は、順調だったが、時間が経つにつれなんだか不満そうな顔で明らかにイラついた態度や顔をしてきたので、速やかに檻を出た。

まだまだお互いわかりあえずに苦労している。向こうは向こうでかなり怖いし不安なんだろうなぁ。

本当に早く仲良くなりたい。

08:58 | kobayashi | オタリアの逆襲 はコメントを受け付けていません
2011/09/02

台風みなさんのところは大丈夫でしょうか。気をつけてください。海の様子とか興味シンシンで見に行かないように。

オタリアというアシカの仲間の赤ちゃんが来館してから、我が行動はオタちゃん中心にグリングリンと高速で回り始めた。おかげで気を抜いた担当の魚の水槽から病気が出てしまったではないか。反省しております。

オタリアが来て嬉しかったのは、彼女(まだ性別がよくわからん。たぶんメス。いや、メス。いやいやメスでたのんだんだからメスであってほしい)が、ペットとちがって『野生』が溢れているところだった。初めからなついてくれれば楽だし対した問題もないのだが、この子は現段階でやや人間不信だし、気に入らないと簡単に噛み付いてくる。大変なんだけど、なんだか「命!生きてる!自分というものを持っている!」っていう感じがして何でも言うとおりに動くやつよりウレシイ。まぁ噛み付くのでコワイけど。

今、一番欲しい力は動物と会話できるドリトル先生の能力なのだが、話せたところで逆に毎日ケンカになるかもしれんし、むしろ話せないからワクワクするんだろうなぁ。

それにしても、ロケットで宇宙にいけるほどの腕前をもった人類なのに、未だに同じ地球上にいる犬みたいな海の猛獣が目の前で何を考えているのか確実に理解できずにいるというのはフシギなものだ。

まぁ少しでも理解して彼女のヨロコビやカナシミを分かち合うには、噛まれたり噛み付き返したりして、激しく交わっていくしかないんだろうナァ。しかし噛まれたら痛いだろうし、ヤダなぁもぉちくしょう。。。

まぁ勉強するにこしたことはないので、仕事から帰ってスグにお風呂に入ってメシを食って、そこから夜中まで、バイブル書を熟読した。といっても専門書は読まない。バカだから読んでも理解できないし、そんな専門書は我が貧乏水族館には常備されていない。まぁ読む気はないしぃぃぃ。迷わず読んだのは、

我が師匠・中村元さんが書いた「生きる者の哲学~アシカの子育て作戦」(パロル舎)なのじゃ。

生きる者の哲学

悲しいことに、どんなに大きな本屋さんへ行っても「決定版!オタリアの調教ガイドブック」や「はじめてのオタリアショー」だとか「だれでも簡単1日5分オタリアダイエット」などという本は売っていないのである。それにまぁそんな本があったとしても、人間それぞれ性格があるように、オタリアでもアシカでもゾウでもハマチでもそれぞれ性格があるだろうから教科書どおりにはいかないだろう。

その点、中村さんが書いたこの本は、鳥羽水族館時代に書いた本だけど、本質がわかるような感じで勉強になる。なぜか!?それは教えないので買って読んでください。あと、この本はモテル秘訣や男女間の心理のヤリトリや、子供の教育方面なんかも勉強や参考になっちゃうスゴイ本なのです。もちろんアシカ類のあんなことやこんなこと、アシカトレーナーの苦労や快楽もわかる。

アシカの本だけど、普通の人でも楽しく読める。勉強する本ではないので。中村さんの本は読みやすくてわかりやすくて面白くて、だれでも楽しく読めるので、オススメです。明日にでもネット通販とかで2、3冊買ったほうが生活が豊かになるので、迷わず買うように。

それにオタリアのこともいっぱい書いてある。サササ~と夜中まで読んだ。大学の時に買って読んだ本なので、読み返すのは何年かぶりだった。裏表紙には当時書いてもらった中村さんのサインもあるのだ!エッヘン!

それは昨日の話しで、今日はオタリアを飼育している水族館の先輩にメール~電話でいろいろ教えてもらったり、ウチの子と同時に輸入された(今回日本には2頭が輸入、うち1頭が当館)もう1頭がいる動物園に電話をかけて、情報交換をせがんだりした。幸い、電話に受け答えてくれた担当飼育員の方は明るくて親切なお姉さんで、仲良くなれた。そちらではすでに檻の中に入ってエサをあげているそうで、3回くらい噛まれたそうだ。どこかのビビリと違って勇気あるナァ。

そんなこんなの間々でエサをやったり様子を見たり、アシカショーやったり、魚の世話したり、砂を洗ったり、飛んだりはねたりしていた。いつも以上に毎日楽しくなりつつある。

10:56 | kobayashi | オタリアな日々 はコメントを受け付けていません
2011/08/29

ついにチリからオタリアというアシカのような動物がやってきた。

予定日が3回変更になり、ようやくの到着!前日はワクワウしたりドキドキしたりハラハラしたり、不整脈になったり、挙動不審になったり、腕立てしたり、万引きしたり、人の畑のダイコンを猛烈に抜いたり、町内を奇声をあげて5周走り回ったり、心臓が止まったり、まぁ後半は投げやり的適当事項だけど、気が気でなく、いろんなシュチュエーションややってくる子のタイプをいろいろ想定しての段取りや対応や、ようするに妄想ばかりして眠れんかったよ。

チリとは気候が異なるので、涼しい早朝のうちに迎え入れた。痩せたゾウアザラシのメスのような顔の笑顔のステキな動物商の方がワゴン車に乗せて持って来てくれた。

少したってアジの切り身をやると食うではないか!野生の子は環境の変化や人間不信からエサを何週間も食べないこともザラと来ていたので、逆にビックリした。2日目の今日は、ガッツガッツ食べて、もっとよこせよっ!っと言ってくる。ちょっと痩せているけど元気そう。

オタリア2

↑-パパ~!もっとゴハンちょうだいよぅ!おかわり~!!

っと言っている。

文句なしにカワイイ。顔は目がクリクリでおもわず抱きしめて家に拉致したくなるくらいです。カワイイとかいう見かたをするのは本来適切ではないのかもしれないけど、カワイイんだもの。

オタリア4

↑-写真なんていいからさぁ、一緒に遊んでよぉ~!!

っと言っている。

が、気がやたら強い。

むやみに接近すると、グワッ!!っと檻にブチ当たらんばかりに飛び掛かってきて威嚇する。勢いあまって檻の柱に顔をぶつけてもお構いナシだ。

猛獣やんけ。生後1年ちょっとで、知らないところに連れてこられて不安と恐怖だらけだろうに、でも、ちゃんと自分の身は自分で守っている野生の掟に従うところや風格にやたらめったら感動した。

見た目カワイイ、接近しすぎると痛い目に合う。こういうのは人間の女性にもいるなぁ、気をつけねばな、っとアホトレーナーはしみじみ学習した。そういう女性の扱いはワシ苦手やねん。。。優しくて思いやりのある子がいい。。。

もし逆にボクが捕らえられてチリの野性の世界に無理やり連れて行かれたら降伏して泣いて舌を噛み切って死ぬかもしれん。生き抜く覚悟をしたとしても、めいっぱい不審者には抵抗および力の限りの暴力で対抗するだろう。彼女の気持ちはよくわかる。

なので、コワイので、まだ檻の中へは進入せず、檻越しにエサを指先につまんで口元に持っていくと、カウッ!!!っと飛びついてきて指まで食われそう。エサやっていたのに指がなくなったら笑えない。

口はアシカよりもなんだか雑な作りっぽくて子供が描いた絵のような口でキバがスゴイ。映画に出てくる気が狂ったゾンビのような歯をしている。噛まれたらそりゃさぞかし痛ぇだろうなぁ、大変ですネェ、とそこはなんだか人事のように思えた。時々飛んでくるヨダレ的なものが感動的に臭く、顔につくとその日一日のやる気が根こそぎもぎ取られてなくなるのだが、彼女のカワイイ顔を見ると即効で許してしまう。

オタリア1

↑-なに見とんじゃいコラァ!見せモンじゃないでぇ~!!噛み付いたろか!

っと言っている。檻の前に行くといつもこんな感じ。

写真からもわかるように、檻に体を押し付けんばかりに接近してくるので、ビビリつつも檻の下からこちらにハミ出た前脚をつまんでみたら抵抗しないので、脚を軽くつまんでエサをやる、ということをしている。触られたらエサがもらえる、ということを覚えるらしく、2日目の今日は自分から脚を差し出すようになった。どうやらオレより頭がいいらしい。

人が前に来ると檻に体を押し付けて、少し近づくと威嚇的に噛もうとするのか体当たりしようとするのかよくわからん行動をするので、広い部屋なのに最前部の檻から離れず、近すぎて全体写真がなかなか撮れない。

部屋の中へこちらも一緒に入って日中一緒に昼寝をしたり、部屋の掃除をしてあげたいのだが、噛み付かれて血まみれになって名誉の殉職をしてしまいそうなので、まだ2日目だし、勇気もないし、遠慮して檻越しから観察して接している。

ショーにでる新しいスターにしたいので、トレーニングにかなり気を使わねばならない。とくにファーストコンタクトや幼児期のトレーニングはその後を大きく左右するようでものすごく重要。

バカみたいに無知にヘタに接近して噛まれて、噛みグセをつけてしまったり、その他軽率な関わりで問題のある行動や性格になってしまうと、その後の修正が難しく、何十年もそれと付き合わねばならなくなる。

そのため関わる時は、自分のやる行動が相手にとってどうなるのか、相手はどう思うのか、正解なのか間違っているのか、すごく考えながら気を使って接している。行動一つ一つに責任感があってドキドキする。一度失敗したら大変なことになるからね。

普通のヒトから見たら珍しい生物なので、知り合いや他の飼育員や新聞社などが見に来たり、おちょくろうとしたり関わろうとしたりするので、お父ちゃんは気が気でない。ウチの子にヘンなこと教えんといてや!覚えさせんでや!見せんどいてや!っと心で叫んでいる。慣れて性格が落ち着くまでは面会謝絶にしたいくらいだ。

一緒に担当する後輩と2人で情報や行動、観察点をこまめに報告しあって、混乱や事故、あやまちを避け、彼女のリズムにあわせて、ゆっくりジックリ、大切にして、スーパーアイドルに育て上げて人気者にしてあげたい。

オタリア3

↑-スキを見せたらコイツの長靴に噛み付いてやろう、と思っている、のを、上からそっと激写。

12:04 | kobayashi | チリからの使者 はコメントを受け付けていません

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