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ヤラレタ。ついにヤラレタ。
今日の朝(これを「今朝(けさ)という、どーでもいいけど)、オタリア(アシカの仲間でチリからの刺客)に噛まれちゃいました。なかなか痛ぇよ。飼育動物に噛まれるのは6年ぶり2回目。なかなかコーフンした。
1回目はアシカのオスに「テメェのサインは判りずれぇよ!」ということで噛み付かれた。このときはボクは最高のディフェンスで足をホイ!と避けて回避したが、おしくもアシカの歯がジーパンに食い込み、それを左右に振られたからボクの体はよろめき、アッ!という間に腰からクルブシまでエドウィンのジーパンが音を立てて破れてしまい、パンツが丸見えになった。
ボクはMではないので、Sでもないけど、痛いのはキライ。
今度のオタリアは噛まれるのかナァ、痛いだろうナァ、困ったナァと思っていた最近、三重県の水族館の尊敬する方から
「なぁに、そんなのちょっと体に穴が開く程度だと思えばいいんだよ」
という魔法のアドバイスをいただき、そーか、体にちょっと穴があくだけか、そーいえば耳でも鼻でもオシリでも人間にはそこかしこに穴が開いているものだ☆一つや二つ穴が増えてもいいか、と思ってしまっていた。その方は、その昔、初めて日本にやってきたオタリアに数え切れないほど噛まれ、ラッコにも噛まれ、ピラニアには指を食いちぎられかけた方だ。カマキリに噛まれただけで逆上するボクとは天と地のレベル。今も残る手の傷跡を見せてもらったこともある。
なので、今日はフッ切れて、朝からオタリア獣舎に入り、ゴシゴシと元気にブラシで部屋を洗って、フンを洗い流したり水を換えたりした。その間、オタちゃんはおとなしかったので、すこしキモチがゆるんでしまったのかもしれない。
その後のエサも檻の中に入って直接的にあげた。やや余裕で「よーし、ヨーシ!かわいいねぇ~!」などとムツゴロウさん的笑顔でエサをあげたのだった。
オタちゃんはボクが持っているバケツの中にエサがある、もらえる、ということを認識したようで(頭がいい)、バケツについてくるようになったのね。
だからやや広い檻の中で動いて「ホイ、こっちだよ~」「ハイ、今度はコッチにおいで~」などと誘導して、付いてきたらエサをあげる、ということを初めてしてみたのだった。
初めの数回は、付いてきた。ボクは嬉しくなってしまい、ますますムツゴロウ方面に急速に心情が動き笑顔で、コッチですよ~おいで~、を繰り返してしまったのだ。それがいけなかった。初めてのことなので、数回で止めておけばよかったのだ。そこには彼女のペースを無視した自分がいた。
初めてそんなことをして、しかもそれを繰り返すボクに、オタちゃんは不安と怒りをお持ちになったようで、いきなり噛み付いてきたのだった。
<噛み付いたら即座に怒って叱る>
ということはいつも頭に叩き込んでおいたので、大きな声を出して足でグイッ!と彼女を押して威嚇し返してやった。我ながらこれは素早い対応ができた。ここで時間を食ってしまったり、こちらが逆にオビエテしまったり、エサをほっぽって逃げ出してしまったりすると、立場的に相手のほうが有利に動いて逆効果になるようだ。
怒られたオタちゃんはかなり驚いたようでドドドっと後ずさりして、不安げにこちらを見ていた。ボクはそれを意図的に無視する感じで檻の中から出た。残りのエサは抜きにした。
噛まれた足は穴ぼこは開かなかったが、軽く擦りむけてその周りに青アザができた。軽い打撲のような感じ。かなり力があったし、彼女の攻撃の速さのほうが早くてうまく攻撃をよけるディフェンスはできなかったが、マトモには喰らわなかったので不幸中の幸いだがね♪
次のエサの時間までの間、アイツは今部屋の中で反省しているのだろうか?次のエサやりで心を入れかえてくれているだろうか?もしくは根に持って奇襲反撃に来るのだろうか?などいろいろ考えた。
飼育員にとって、担当動物に噛まれると、そもそもの傷の痛みよりも、噛まれたこと、噛んできたこと自体への精神的なショックの傷の方が大きい。
1度噛まれると、考えないようにしてもやはりココロのどこかにこびりついて
「次も噛まれるのではないだろうか」
という思いに襲われ、今度は本格的に噛まれるんじゃないだろうか、頚動脈を噛まれたら…などと考え出し、それは恐怖に変わる。しかし、それを相手に感づかれるのは良くないし、ヒトとしてのプライドも一応あるじゃん?
次のエサの時は、順調だったが、時間が経つにつれなんだか不満そうな顔で明らかにイラついた態度や顔をしてきたので、速やかに檻を出た。
まだまだお互いわかりあえずに苦労している。向こうは向こうでかなり怖いし不安なんだろうなぁ。
本当に早く仲良くなりたい。