去年からセブ島の南側に位置するオスロブ市が有名になっていています。その有名になったことはジンベイザメの餌付けです。この餌付けによってスノーケリングでもダイビングでも必ず目の前でジンベイさんが優雅に泳ぎ、大きな口でエサを食べる行為が繰り広げられ、まるで水族館にある巨大な水槽の中にいるような自然の環境では考えられない日常が繰り広げられています。ダイバーにとって水中で見たい生物ナンバー3に入るジンベイなので毎日多くのダイバーが押し寄せています。水中ガイドとしては自然な環境に生息している姿の生物を見せるのが普通なのですが、ここのジンベイザメはそれに相反する見せ方になり複雑な気持ちになります。
セブ市から見ると田舎のオスロブ市は、いまでは金でも発掘したような騒ぎで市一丸となって事業展開中なのですが、自然に住むジンベイがいつまで居続けてくれるかは不透明で、しかも餌付けになれたものが自然に戻れるのかも不明な点があるだけに、ゲストを連れて潜りに行くことはこの事業に参加している事になると思うと行くたびにいろいろと考えてしまいます。
今回の写真:ジンベイザメ エサに夢中なジンベイザメを足で押さえる現地エサあげボートマン。
カメラの進化でデジタル化した一眼カメラが一般となって来た今、撮ろうと思えばメモリーが大きいものだと300枚もシャッターが切れるすごくうれしい事なのですが、私がダイビングを始めた頃はまだフィルムカメラしかなく、一台で最大36枚しか撮れないため、1ダイブ60分間の時間では厳選しながらシャッターを切らないといけない時代でした。1ダイブで見られる生物体は多いときには50種を超えるや、珍しい行動をしている時など36枚ではすぐに撮り終わってしまうことがやや多くあったりしてフィルム数の少なさに悲しく思い、2台3台とダイビングのときに持って潜る台数が増えていった事が懐かしく思い出されます。またデジタルカメラも変わらないのですが撮りたいものによって使用するレンズも変わるのですが、レンズが変わるとレンズに合ったハウジングの前に付ける部分も変わるのですが、これは水中では交換することが出来ないのであれこれと撮りたい被写体が違えばそれに合わせてセッティングしたカメラハウジングを持ってダイビングをするわけですが、一眼カメラをセットしたハウジングはストロボなどを付けた完璧な状態で重いものだと陸上で20Kgとなる代物でこれを2台3台両手に引っかけての水の中の移動は滑稽な姿になります。
フィルムの時の一番良かった事と言えばカメラの操作はフルマニュアルのため、ちゃんと撮るために各自の好きな色合いなどを出すため基本なデータが必要なります。同じカメラを使って同じ被写体を何人かで写した場合、出来上がった写真は必ず同じように撮れないのでそこがすごく面白い所だった気がします。フィルムから初めてデジタル一眼に変えて撮った時はその違いがあまりにもありすぎてお粗末な写真を大量生産してきている今現在でこれからもデジタルと格闘して行くのでしょう、いつかは満足出来る写真が撮れる日を夢見て。
今回の写真:オオモンカエルアンコウ
フィリピン・セブは観光資源でほぼ成り立っている場所で、そのほとんどが海でのアクティビティになります。自分も含めてですが、ダイビングに携わっている者として海を大事に守りながら仕事をしていかなければならないのですが、ここ数年、水中の景色が激変している場所が増えてきています。多くのダイバーが海に入る事によって起こることや、心ない者による破壊などによる多くは人間によるものです。ポイントによっては、入海料が設定されて様々な制限を設けている所も増えてきてなんとか保全に取り組んでいますがそれもごく一部なので、これからさらに増えて行けば良いかと考えています。
今、フィリピンのあちこちでジンベイザメウォッチングが出来るポイントが増えてきて、観光の目玉として過熱していますが、それぞれに現れるジンベイザメは自然の現象で集まるため、見る制限も厳しいものがあり長く続けていけると思うのですが、まったく異なる形で集まるポイントがここセブにも出来たのです。それは餌付けによって集めた感じでなにか自然からかけ離れたものに感じられてしまい、これを観光の目玉として扱って良いのか考えてしまいます。観光業で生きている自分たちにとっては、目玉が出来る事はうれしいのですが海を守るという言葉からは道が外れてしまっているようで考え深い問題です。
今回の写真:ハナミノカサ
セブで年末年始を迎えるもの15年が過ぎ、毎年慌ただしくあっという間に1月後半に突入しているので、新年らしいことなどまったく行わないので毎年変わらない日々ですが、皆さんにとってはさらに良い年を迎えてください。
新年を迎えたセブの海中も相変わらず賑やかな状態が続いていて、毎年の事ですが珍しい生物たちが見られるようになり、海から毎年お年玉をもらっているような感じです。
ここ最近、ふと思うところがあるのですが、海の生物たちの中でも小さな生物たちは本当に必要な生き物ばかりなのか??という疑問が頭をよぎるのですが、全ての海において生きている生き物は、海を形成する上で必要または不必要と大雑把に区別するとある生物は絶対に必要かなと観ていて思うのですが、希にこれは本当に必要なのか??と感じさせてくれる生物も存在します。水質や砂地、藻場、サンゴなどを活性化するものたちなどは良いのですが、それらに全く関わっていないように感じる生物たちも存在しているように思ってしまい、陸上の昆虫などと比べて自分勝手に解釈して納得している日々です。たとえば害虫といわれる昆虫類など人間にとっては不必要ですが、地球的には必要な生物の一つなのでしょう。不必要な生き物などこの地球上に存在するわけがないと個人的に考えています。それを毎日、観察していても答えは出てこないのが今現在で混乱するばかりなのですが、どうしてもそれらしい答えを求めて毎日観察している日々がこれからも相変わらず続くのでしょう。
今回の写真:ピグミーシーホース 辰年にちなんだものです。
Tropical Reef-Fishes Of The Philippines Sea
あっという間に11月に突入で、今年も終わりが近づいて来ています。
10月31日はハロウィンで、ここセブでもあちらこちらでパーティが行われて騒がしいのですが、この時期フィリピンでは日本で言うお盆のような墓参りが行われる時期で、日本とちょっと違うところは墓地で一夜を過ごすという恐がりな人からするととても考えられない習慣があります。日本は火葬なので気にならないかもしれないのですが、ここではほとんど土葬になるのであらぬ気をつかってしまうかもしれません。こちらのお墓は一体一体棺に入れられて土に埋められるかコンクリートの棺に置かれるのですが、コンクリートの場合は徐々に積み重なれる場所もあり、見た目的にはまるで塔のような感じです。しかもミイラ化していると思うと、、、、。
自分的にはさすがに一夜は勘弁していただきたいところです。
ダイビングという仕事を通して毎日、海という自然を相手にしています。ここ数年の自然の猛威も多くあり、ここセブの海の環境も変化を見せてきています。
環境の変化によってクラゲやオニヒトデの大量発生などサンゴなどにとっては死活問題になる事も年々増えてきているのは事実です。この自然と向き合って今の現状をなるべく維持して、これ以上悪くならないようにしていくことがこれからの自分たちがしていかなければならない課題だと思います。
その一つにオニヒトデ退治もあるのですが、個人的解釈からすると全てのオニヒトデを駆除してしまうことがはたして環境にとって良いことになるのか?と考えてしまう毎日なのです。この地球上に不必要な生き物などなく、それぞれがそれぞれの役割があるから存在するもので、人間の解釈によって悪とされるもの全て駆除の対象にするのはかなり身勝手な考えではないのでしょうか。
海に潜るのもとしてどこを見ても不必要なものなど感じられなく、なにかのサインを自然が出しているのではないのかと思う今日この頃です。
今回の写真:海に映ったボートの舳先
映画で主役にもなりニモとも言われるクマノミの仲間もセブにも多く生息しています。
魚の多くは性転換するのですが、クマノミたちは雄性先熟といってオスからメスになります。一つのイソギンチャクに住んでいるクマノミの中で一番大きい個体がメスで他の個体は全てオスになります。メスは辻に大きい個体のオスを今より大きくならないように威嚇や攻撃を仕掛けたりもしますし、他のオスたちも自分より大きくならないように他のオスたちに威嚇をしている姿を見ることが出来ます。もしメスが死んでしまった場合は、次に大きい個体がオスからメスに変わりますが、このような世代交代がない限りはいつまでも子どものままなのです。
一見、一つのイソギンチャクに住み着いているクマノミたちは血の繋がりのある家族のように見えるのですが、実際には全く血の繋がりのない家族になります。クマノミの卵は孵化したあと、海を漂い成長しながら住居となるイソギンチャクに落ち着きます。このため同じ遺伝子を持つもの同士が同じイソギンチャクにたどり着く可能性は無に等しいのです。
見た目には家族のようにイソギンチャクに寄り添い合う姿ですが、他人同士仲良く暮らすクマノミたちを見ていると考えさせられるものがあります。
今回の写真:スパインチークアネモネフィッシュ
日本にはいないタイプのクマノミの種になります。小さい個体は綺麗な色合いを持っていて綺麗ですよ。
Tropical Reef-Fishes Of The Philippines Sea
水母と書いてクラゲと読む。水の母とはすごいイメージが湧きそうな字ですが、最近は観賞用としてアクアリウムでも人気で、綺麗なクラゲはなかなか幻想的で癒してくれる生き物だと思うのですが、実際ダイビングではかなりやっかいな生物です。
クラゲの構造は傘、口腕、触手からなっていますが、触手に少しでも触れてしまうと棘胞が発射されれば、絡まった場所は痛がゆい何ともいえない症状など出ます。刺されてもそれほどでもないタイプのクラゲも射ますが、中にはかなり危険なものもいるので注意が必要なほど。
観賞用になるタイプのクラゲは遠くからでも見たらすぐに判るのですが、全く見つけられない小さいのもから触手が長く傘の部分が小さいタイプのものなど、セブの海にもクラゲは多く生息していて、いきなり刺されたりすることが多く刺されるとやり場のない嫌な気持ちだけが残るので、ダイバーからするとお近づきになりたくない生き物ですが、魚の種によってはクラゲを住み家として生活する魚もいます。しかし、クラゲの種類によっては命がけの生活で触手に触れないようにしながら日々を過ごしている種もいるのですが、他の天敵などからは襲われないですむので、ゆりかごと言ってよいのでしょう。
今回の写真:ハナビラウオ
イボクラゲなど大型のクラゲを住み家にしている魚です。写真を撮るときは触手に注意が必要になります。
Tropical Reef-Fishes Of The Philippines Sea
現在知られている海水魚類の中で、ハゼという魚がもっとも種類が多く生息数も多い魚になり、その大半の大きさが10cmほどのサイズでさらに小さいものでは2cm以下の種も存在して、生息場所もほぼ全世界に分布するこのハゼ科の仲間たちは、生息場所もサンゴ礁や砂底、岩礁、藻場、マングローブ、干潟といったあらゆる環境や淡水域までも適応して拡散しています。
そのハゼがはじめて出現した時期は、イギリスで始新世後期の3540〜3860万年前の地層からハゼ科の骨格の化石が見つかって、これがハゼとわかる最初の化石とされハゼの起源といわれています。
多くのハゼの繁殖は雄雌ペアで孵化するまで世話を行います。卵は大体、沈性付着卵で付着糸によって生み付けられることが多いです。孵化した稚魚は一定期間の浮遊生活後、適当な場所で定着して生活していきます。浮遊時期に海流に乗って日本に流れていく物も多く、ここセブで見られるハゼが日本近海でも生息し、さらにそこで生まれた稚魚が水温の冷たい北の環境まで流れ着いて、そこの環境に適応しさらに進化していき、その環境でのみしか見られない種などもいたりかなり奥の深い世界なのです。
ダイバーになじみの深いハゼ類は、ハゼとテッポウエビが同じ巣に共生で生活するタイプで、お互いメリットデメリットをうまく利用して生きている姿はなかなか面白いもので、エビは一生懸命巣穴の拡張のため、穴の中からハサミの部分を使って砂を外に運び出していますが、エビは盲目であるため外敵が来たとしても気が付かないのをハゼがカバーする役目を負っています。エビが穴から出てくる時は必ずハゼの体に触角をつけています。もし外敵が巣穴に近づいたりした時にはハゼは体を震わせてエビに教えてお互いに巣穴の中に逃げ込みます。ところが、お互いの性格もあるのかもしれないのですが、ハゼのことなどお構いなしにハゼを退けてまで外に出てくるエビやエビよりも先に逃げ込むハゼなどなかなか楽しませてくれる世界です。
この共生生活もちょっと変わっている面もあります。全ての生物は子孫を残すことに懸命です。エビは子孫を残すために相手と出会うまで巣穴を広げていきます。出会えたら巣穴を広げることは終わり、巣の修復のみになります。その時にハゼも一緒に出会えればお互い問題はなく共生生活を続けていきますが、出会えないときには、それまでの巣穴を捨てて新しい巣穴を探しに行ってしまい、今までの巣穴はエビのみとなる時もあります。ハゼ、エビの種類によって共生出来るタイプもあるらしく、大半は同じ種類のもの同士がペアになっています。この広い海の中で10cmほどの生物が、よくペアになれるのが不思議な世界です。
今回の写真:レッドマージンシュリンプゴビー
海外では多くみられるハゼでハゼ観察入門編にはもってこいの種です。
The Gobioid Fishes of Philippines
一般的にフィリピンは6月から11月まで雨期のシーズンに入ります。でも、ここセブ島は一年を通して明確な雨期はないのですが、雨が多く降りやすい天気になります。雨といっても南国らしく、バケツをひっくり返したような降り方で、時には雷を伴って降ってもきます。
一度スコールが降ると、下水などしっかり作られていない場所では、道路が冠水して車などが通れなくなることも多くなるので、生活するのに不便になることもあるほどです。
この雨期シーズンは雨の影響で水中の視界が普段よりさらに悪くなるのですが、海にとっては恵みの雨とも言えるので必要なサイクルなのでしょう。陸の栄養素が雨によって海まで運ばれて、それがやがて海の生物たちの生きる糧に変わっていくのでしょう。
しかし、年々自然の変化や気候の変化によって雨期の時期に降るスコールの降り方や降水量なども変わって来ていて、それに合わせて生物たちも少しづつ変化してきているような気が最近しています。
今回の写真:イロブダイ
幼魚は個体数が少なく、今のシーズンに見られます。白地にオレンジ色で尾っぽを丸めている姿がかわいい魚です。
Tropical Reef-Fishes Of The Philippines Sea


















