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台風みなさんのところは大丈夫でしょうか。気をつけてください。海の様子とか興味シンシンで見に行かないように。
オタリアというアシカの仲間の赤ちゃんが来館してから、我が行動はオタちゃん中心にグリングリンと高速で回り始めた。おかげで気を抜いた担当の魚の水槽から病気が出てしまったではないか。反省しております。
オタリアが来て嬉しかったのは、彼女(まだ性別がよくわからん。たぶんメス。いや、メス。いやいやメスでたのんだんだからメスであってほしい)が、ペットとちがって『野生』が溢れているところだった。初めからなついてくれれば楽だし対した問題もないのだが、この子は現段階でやや人間不信だし、気に入らないと簡単に噛み付いてくる。大変なんだけど、なんだか「命!生きてる!自分というものを持っている!」っていう感じがして何でも言うとおりに動くやつよりウレシイ。まぁ噛み付くのでコワイけど。
今、一番欲しい力は動物と会話できるドリトル先生の能力なのだが、話せたところで逆に毎日ケンカになるかもしれんし、むしろ話せないからワクワクするんだろうなぁ。
それにしても、ロケットで宇宙にいけるほどの腕前をもった人類なのに、未だに同じ地球上にいる犬みたいな海の猛獣が目の前で何を考えているのか確実に理解できずにいるというのはフシギなものだ。
まぁ少しでも理解して彼女のヨロコビやカナシミを分かち合うには、噛まれたり噛み付き返したりして、激しく交わっていくしかないんだろうナァ。しかし噛まれたら痛いだろうし、ヤダなぁもぉちくしょう。。。
まぁ勉強するにこしたことはないので、仕事から帰ってスグにお風呂に入ってメシを食って、そこから夜中まで、バイブル書を熟読した。といっても専門書は読まない。バカだから読んでも理解できないし、そんな専門書は我が貧乏水族館には常備されていない。まぁ読む気はないしぃぃぃ。迷わず読んだのは、
我が師匠・中村元さんが書いた「生きる者の哲学~アシカの子育て作戦」(パロル舎)なのじゃ。
悲しいことに、どんなに大きな本屋さんへ行っても「決定版!オタリアの調教ガイドブック」や「はじめてのオタリアショー」だとか「だれでも簡単1日5分オタリアダイエット」などという本は売っていないのである。それにまぁそんな本があったとしても、人間それぞれ性格があるように、オタリアでもアシカでもゾウでもハマチでもそれぞれ性格があるだろうから教科書どおりにはいかないだろう。
その点、中村さんが書いたこの本は、鳥羽水族館時代に書いた本だけど、本質がわかるような感じで勉強になる。なぜか!?それは教えないので買って読んでください。あと、この本はモテル秘訣や男女間の心理のヤリトリや、子供の教育方面なんかも勉強や参考になっちゃうスゴイ本なのです。もちろんアシカ類のあんなことやこんなこと、アシカトレーナーの苦労や快楽もわかる。
アシカの本だけど、普通の人でも楽しく読める。勉強する本ではないので。中村さんの本は読みやすくてわかりやすくて面白くて、だれでも楽しく読めるので、オススメです。明日にでもネット通販とかで2、3冊買ったほうが生活が豊かになるので、迷わず買うように。
それにオタリアのこともいっぱい書いてある。サササ~と夜中まで読んだ。大学の時に買って読んだ本なので、読み返すのは何年かぶりだった。裏表紙には当時書いてもらった中村さんのサインもあるのだ!エッヘン!
それは昨日の話しで、今日はオタリアを飼育している水族館の先輩にメール~電話でいろいろ教えてもらったり、ウチの子と同時に輸入された(今回日本には2頭が輸入、うち1頭が当館)もう1頭がいる動物園に電話をかけて、情報交換をせがんだりした。幸い、電話に受け答えてくれた担当飼育員の方は明るくて親切なお姉さんで、仲良くなれた。そちらではすでに檻の中に入ってエサをあげているそうで、3回くらい噛まれたそうだ。どこかのビビリと違って勇気あるナァ。
そんなこんなの間々でエサをやったり様子を見たり、アシカショーやったり、魚の世話したり、砂を洗ったり、飛んだりはねたりしていた。いつも以上に毎日楽しくなりつつある。