2016/01/04

復活一発目の投稿をしてから、ずいぶん月日が経ってしまいましたすみません。。みなさまどのようなお正月をお過ごしでしょうか。
私は今一時的に住んでいるヨーロッパの西の果てにて、まったくお正月ムードが無いので普段は進んでは観ない紅白が無性に観たくなり実家の両親にFaceTimeでテレビ画面を映してもらってパソコンで鑑賞しながら(画質悪くてアKBとか誰が誰かわからへん)おせち作りの大晦日に、生後4週間の赤ちゃんのいる友人宅に子連れで上がり込んでカウントダウンの年越しでございました。

さて、たいそうにネガティブな話題が続きそうな終わり方をした前回(数ヶ月前。汗)でしたが、とりあえず今回は”スポーツに比べてクラシック音楽への注目度が低すぎる”という事に嘆いてみたいと思います。

昨年の秋、ピアノの世界のオリンピックのようなコンクールが開催されました。5年に一度なのでオリンピック以上かもしれません。
その名も、ショパンコンクール。

近頃は、世界規模で注目度の大きなコンクールは一次審査からネットでLIVE配信され、youtubeなどを通じてどこでも見る事ができます。世界の最高峰規模のコンクールでは、一次審査とは言っても、その時点で世界中から我こそはと応募してくる若者たちから音源審査(DVD審査)を通過した上に現地で行われる予備審査を通過した人達ですから、レベルは高いです。 幽白の暗黒武術会が日本音コン(日本国内のコンクールとして最高峰の権威を誇り登竜門的な存在)ならショパンコンクール級のコンクールは魔界トーナメントみたいなもんです。戸愚呂弟すごすぎみたいに思ってたらB級妖怪やったみたいな感じで、世界中の国々の屈指の芸大やら音楽院やらで、こいつはダンっっトツ弾けるッ!みたいな人がウワア〜っと百何十人も集まって、一番ショパン上手いのは誰だ!?とか一番ロシア物うまいのは誰だ!?って決めるんです。
10月は、このライブ配信を最大音量でつけっぱなしにして、キッチンの換気扇にも洗濯機のスピンのガタガタにも子供の雄叫びやテレビの音にも負けず耳をそばだてて家事をしておりました。

ショパンコンクールほどの歴史と規模と注目度を持ったコンクールは世界中にいくつかあり、それぞれのコンクールは3〜5年に一回程度ですので、毎年ひとつずつぐらいはヨーロッパとアジアのどこかで大きなコンクールがある、みたいな感じです。昨年はピアノでは、第17回ショパンコンクールがポーランドのワルシャワ交響楽団コンサートホールにて、第9回浜松国際ピアノコンクールが浜松のアクトシティ浜松にて行われていました。

ここで、思うのが、
この規模で!このレベルで!このコンテスタント達の命の賭け具合でっ!!

テレビ中継ぐらい無いんかいっ!?

という事です。前述のようにLIVEネット配信はあります。けど、そんなんここ10年くらい?やっとです。スポーツでいうなら、世界選手権とかワールドカップに相当するイベントが、まったくテレビ中継とかされず、もし日本人が優勝しても、ちょろっと夕方のニュースで流れる程度です。 スポーツなら特番が組まれて夜のニュースの後のゴールデンまったりタイムに大々的に生中継されたり専門の評論家が解説したりですが、ショパンコンクール特番なんて有り得ません。クラシカルなジャンルで、かろうじてテレビ中継があるのは私の知る限りではローザンヌ国際バレエ・コンクールぐらいです。
金メダルを取ったら国や各スポーツの連盟や団体からも報奨金が出るらしいですが、コンクールで優勝して帰国しても誰もそんなんくれません。

原因は、なんなんでしょうね。。スポーツも芸術も、やっている人は命をかけてやってるんですが、観聴衆からは娯楽であるという事は一緒だと思います。 スポーツのように勝ち負けのはっきりしているもの(個人的にフィギュアスケートは少し芸術的な要素が入るので、あまりはっきりとは見えない場合もあると思いますが)に対して、芸術は、判りにくい、大衆に理解してもらいにくい(=見てて楽しく無い…んでしょうなあ。涙)というのも勿論あるでしょう、それと同等に、クラシック音楽が企業や世の中の資本主義さと密接では無いという事も原因かと思います。それだけ付随して動くものの範囲が小さいんしょうね。
クラシックの音楽家が企業に就職してコマーシャルなどに出演し生活を保障されながら日々練習しレッスンを受けてコンクールを受けるなんて事は、私の知る限り有りえません。外見やタレント性重視で活動している極々一部の演奏家で、事務所に籍を置き芸能人と同じように活動している方もいますが、日々切磋琢磨してコンクールを受けたりはしないし、実力は二の次なのが現状です(さらりとやっかんでみる)。

アジアは西洋クラシック音楽が自国の文化では無いので、馴染みの薄い人が大半、国が保護に積極的で無いのも仕方の無いことなのかもしれませんが、ヨーロッパでもクラシック音楽離れが加速しているといいます。 嘆く〜〜嘆きたい〜〜嘆かざるを得ませんっ!! でも何ができるかって?子持ち主婦には親子コンサートをして少しでも小さい頃から生演奏に親しんでもらう、、ぐらいしかできない。。

2016/01/04 06:11 | 未分類 | No Comments
2015/09/02

こんにちは、ジャンクステージ読者のみなさま、お久しぶりでございます。と言っても、あまりに最初の連載期間が短く休載が長かったので、初めましての方がほとんどかと思います。

私は主婦です。日々2匹の乳幼児(あえて、人とは言わず匹です、まだ半人前ですからね)の面倒を見、旦那の稼ぎで暮らしています。ただ、毎日鍵盤を触ることだけは欠かさず、たまーに演奏会を開いたり、何方かの伴奏で舞台に上がったりいたします。今は一時的に海外に住んでいるため演奏活動は事実上休止状態で、子供らの昼寝中やテレビに夢中時間を使って毎日1〜2時間練習する以外は、完全に専業主婦状態です。

このジャンクステージには、私以外にもクラシック音楽や他のジャンルの音楽のライターさんが居られます。私よりも第一線で活躍し、日々演奏や指導の機会を持たれている方ばかりです。そこに何故、私のような兼業主婦なんちゃってピアニストが居るのか、日々ステージを熟しアグレッシブに活動を続け、熱く後進の指導にあたっている音楽家では無い私が、何をお伝えできるのか、を考えた時に、一つの結論に至りました。食えない音楽家の実態をぶっちゃけてみよう、と。

ジャンクステージのトップページから若葉マークをクリックしたら飛ぶページにも書いてあります。
「私たちは、有用な“情報”を、ほかのサイトにまかせたいと思います。JunkStageのライターたちは、その道のベテランから見れば考え方が甘かったり実績に乏しかったり、情報として不十分だったりするかもしれません。しかしJunkStageは、自らの好きなものへと対時する人としての「情熱」をなによりも注視し、可視化していく、心のあるメディアでありたいと考えます。」
よしゃ、誰がこんな情報知りたいか、て内容でもいいんやな?ぬへへへ。

というわけで、食えない音楽家の様々な心境、苦しみやら開き直りやら嫉妬心やら、、なにやら危険な内容になりそうですが、その実、ただの主婦の戯言です。生ぬるい目で多めに見ながらお付合い頂ければと思います。

2015/09/02 10:59 | 未分類 | No Comments
2009/09/20

JunkStageをご覧の皆様、こんばんは。
いつもJunkStageをご訪問いただき、ありがとうございます。
腐女子系ピアニスト・森口綾子の「萌ゆらば楽し我が音色」更新についてのお知らせです。
現在、森口が私事多忙のため、こちらの連載を一時休載とさせていただいております。
連載再開は11月を予定しております。
御愛読くださっている皆様にはご不便をおかけいたしますが、復帰をお楽しみにお待ちくださいますよう、心よりお願い申しあげます。

2009/09/20 02:06 | 未分類 | No Comments
2009/03/27

ご無沙汰しておりました、たいへん申し訳ありません…森口です。
なぜこんなにご無沙汰になったかという理由を軽く申し上げますと、昨年11月から3月にかけて3Kに忙殺されておったのです。

3Kを軽くご説明させていただきますと。。

ひとつめのKはコンサートです。プロ中のプロなら三日に一回本番というサイクルも当たり前だそうですが、私は一か月に二個くらいでもひーこらで、ありがたくもそのような状態が続いておりました。

ふたつめのKはコンクールです。コンサートというのは点数はつきません。稀に何かの賞の審査の入るコンサートなどもありますが、お客様に喜んでいただくのが一番の目的です。よって自分の考えに基づいた自分の個性のたっぷり含まれた演奏をしてもなんの問題も無いし、少しの指のもつれなどもご愛敬というか、そういったテクニック方面も大切ですがそれ以上の音楽的な感動をお届けするのが重要だと私は考えています。

しかしコンクールとなると少し話が違います。点数がつく!点数をつける相手(審査員)が目の前にいる!!というプレッシャーの中でできるだけテクニック的な問題を最小限にすることを常に頭の片隅に置きながら適度に自分の個性と一般的な解釈を織り交ぜた演奏をしなければならないのです。ちょっと指が転がった~と思ったところで客席の方からカサっと紙をめくるような音とかがしたらもう生きた心地がしません。一瞬にして沸き起こる「いまのアクションは何故おこされました?何か書きました?-0.5点とかデスカ…?」というようなことを一生懸命アタマの中から追い出しつつ、次の音のことや今弾いてるパッセージのことを考え、けどさっきのカサ音が気になるじょーという葛藤にさいなまれながらなんとか止まらず最大限綺麗な音と無難な音楽性(にしてるつもり)で最後まで弾ききるのです。
ようするに私はコンクールが嫌いです…きらいではありますが、大好きなエリーザたん(モーツァルト@マドモワゼルモーツァルト)がテーマのコンクールだったので、挑戦してみました。結果は2位という…うれしいんだか悔しいんだか…苦笑。とりあえずおでこに大きなニキビが悪化してもはや怪我になったものの跡が二つ増えました。すとれす…。

三つめのKは婚約です。世の中タデ喰う虫も好き好きですホンマ。。自分で言うのもなんですが、一生に何か月かの事なんでどうかおおめに見てやってくださいまし、と言わなければならんような口を開けば惚気のような時期であります。アホです。かような人生の春めいた時期に、先に述べたコンクルでモーツァルトのアダージオK540というテンションおかしいくらい下がりまくりの世の中すべての悲しみを代弁したような曲が課題に出ていてなんとか感情移入して表現しなくてはならないというorz。。。JunkStageでおなじみの柳樂さんよりCDをお借りしたワルタークリーン先生の淡々とした拍感が見事に悲壮感を倍増させている演奏をカンバスに、なんとかヒューズを失ったときの大佐(*1)の心境を塗りこめて形にしました(ちなみに私はヒュロイベースのハボロイ(*2)派)。

というわけで、軽くのつもりが…ただの近況報告で一更新分になってしまいました。

(*1)ヒューズを失ったときの大佐・・・
鋼の錬金術師第四巻、士官学校時代からの恋人親友マース・ヒューズ中佐を電話が微妙につながってる状態で失うロイ・マスタング大佐・・・マジ切ない。いつも大胆不敵なふるまいのロイロイが目を見開いて受話器に向かって叫び続ける様はもう涎垂モノ・・・アレ?

(*2)ヒュロイベースのハボロイ・・・
マース・ヒューズの結婚を機にロイ・マスタングとマース・ヒューズの関係は不倫に変わってしまう。そこへロイの東部移動辞令・・・心も体も少しづつ離れ離れになる二人。東部で見つけた忠犬ジャン・ハボック准尉(当時)からの熱烈な求愛に次第にほだされていくロイ・マスタング(総受)、しかしいつでも一番大切な人と言われて心に浮かぶのはマースであった。そして中央移動直前に殉職し二階級特進してしまったヒューズ准将。永遠に帰らぬ者を想い続けるにはハボックの求愛は激しすぎた。罪悪感を感じつつもハボックの愛に自分のすべてを委ね始めるロイ。その居心地の良(長くなりそうなので強制終了)

2008/11/22

今回は、おパリの学校に入学したときに発生したある疑問の話をしたいと思います。

私がおパリの学校でついていた先生は、おホモの紳士?淑女?ようわからんけど素敵な壮年のレバノン人でした。ピアノ科というと普通9割以上が女の人なんですが、うちの門下は9割が男の子でした。しかも各種美少年揃い…!鼻息!!ハリポタ系とか、頭ツンツンでズボンちょっとずらして穿いてるような子とか、神聖ローマ帝国とか(彫像のようなお顔の背の高い青年です)ナヨっとしていつもシャツの二つめのボタンくらいまで留めてないくせに何故かいつも赤い襟巻き巻いてる子とか、清楚な丸メガネのベトナム系とか…いやもちろんみんなピアノの腕もなかなかですが。とにかく彼らと先生の織り成すレッスンを傍から、オバサン眼福よぉ~と思わずじゅるじゅる涎をすすってしまいそうに…基本私ってニ次元しか萌えへん筈なのに、ヨーロッパ人やと三次元おっけーですかソーデスカ…とか思いながら見てますた。そして、先生はあまり女性の門下生はお取りにならないらしいのに、どうして見ず知らずの私を生徒に取ったのかを不思議に思っていました。

しばらくして、入学試験のときの服装が功を奏したのではないかと思い当りました。
日本では音大や芸大の受験というと、けっこう綺麗な、そして少し黒っぽい格好をしていくのが普通です。審査する先生方の目や記憶にとまるようにあえて色ものを着ていく人もいますが、学校の制服以外ではサテンとかそういうテロンとした黒のワンピや膝より下まで丈のあるスカートが一般的だと思います。が、ここは自由の都パリ。いち外国人である東洋系の小娘がどんな格好で受験に行こうが誰もかまわないだろうと思い、ていうか実は日本から送った船便が届くのが思ったより遅れて黒っぽい服に他に選択肢が無かったのが事実だったような気もするのですが、とにかく私はリラックス出来る何の変哲もない某衣服量販店の黒いジーパンと一週間ほど前にノミの市で買ったえらく暖かい紺色のとっくり(巷ではタートルネックというのでしょうか)を着て、黒の皮靴を履いて音楽院に向かいました。それが後の私の運命をだいぶ変える要因になる(?)とも知らず…。
なんというか、まぁ要するに、受験の演奏のとき、先生は、私を…男の子だと…思ったのではないかと…あ、ちょっときゃわゆい(ヒー!!)東洋人の男の子キター!みたいな…。
東洋人の名前なんて男か女か分からんし、ズボン履いてるし、髪短いし、うちの家系は悲しいかな胸ナイン(ボインの反対)やし、腕は異様に筋肉質やし、妙に爆音やし…あああ事実を並べていくうちに悲しくなってくる自分がいる…。

先生はとても親切で人間的にとても温かみの有る方で、英語サッパリ仏語もイマイチの私に簡単なフランス語で奥の深いレッスンをしてくださり、とても感謝しています。けど、あまりの語学の才能の無さに言葉によるコミュニケーションを最低限に留めていたために先生が何故私を門下に入れたのかは二年半ずっと訊けずじまいでした。ほんまに男の子と思われてたんやったらちょっと…微妙ですわ…。

2008/10/27

今日は、ショパンのバラードの2番、というものを私的に紐解いてみたいと思います。
この曲は、昔大雨か洪水か呪いかで沈んだお城の物語を水の精がうたうだかなんだか、そんな内容で、テクニックはそんなに(って言うには難しいけど…)なんですが、なんとも精神面で難しい曲です。

バラードってのは物語性がある曲のことなので、それゆえ暗黒面が漂う曲が多いんですが、ショパンのバラ2はクラシック界に数あるバラードの中でも最も諦めの境地的なダークさが際立った曲だと思います。私としては、水の精オンディーヌのうたう悲しい城の物語よりも、空を歩く人アナキン(*1)が、ダースベイダーになるまでの物語、エピソード2と3あたりが浮かびます。曲の中に穏やかな部分と激しくとげとげしい部分が有るのですが、穏やかな部分もダーク。棘トゲしいところもずっとダーク。弾き手も自分の暗黒面を見つめなおし、それを曲に込めて表に出さないと、なかなか感動的な演奏になりません。現代日本社会に揉まれながら生きるオトナであれば、誰でも多かれ少なかれ暗黒面はお持ちだと思うのですが、それを最大限に極端化して精神的露出狂にならなければならないのです。
感情を振り切って狂ったような感じ、というともうダースベイダー化が完了しててちょっとシューマン入ってきてしまうので(シューマンのソナタ2番は、私的にクラシック界ナンバー1の狂気の沙汰の曲です)、あくまで、普通の状態で、でも普通の状態だからこそ耐えられないくらいの深い悲しみやら妬みやら羨望やら、それら全てを諦めたり、はーもーどーでもええわ疲れたわ…的な絶望の境地とか、諦めたときに出てくる妙な安心感など、とにかく暗黒面。小品とはいえなかなかに壮大な曲があっけなく終焉を迎える最後のフレーズでは、アナキン…辛かったね苦しかったね…これでやっと暗黒面に身を委ねられるね、たとえそれが一時のそして間違った形の安息だとしても…と涙してしまうのです(…)。

ちなみにルークたん(*2)な曲は、まだピンと来たことがありません。ルークたんは、映画では真の英雄、フォースの世界に新たな秩序と安定を与えた伝説のジェダイとして終わっていますが、原作?小説の続きでは結局暗黒面に落ちたり妹に最強ジェダイの座を奪われたり幽霊とかスパイとか変な人ばっか好きになってなかなか結婚出来なかったりいろいろ踏んだり蹴ったりなので、なんだかあまりに情けなくていやまたそのヘタレさが最高に受け受けしくて好いんだけど!

そんな踏んだり蹴ったりな曲には今のところ出会っておりませんで。。。

今週の萌

*1 空を歩く人アナキン

ご存じSW史上もっとも愛し合った(お互いに叫びあってたからな)師弟の弟子の方の人。

*2 ルークたん

SW史上最強最大(いや最少か)の受。EP5でソロ船長と見つめあったあの数秒間は伝説。ビバ公認CP!公式身長170センチらしい。スピルバーグ監督の構想段階では女性だったらしい。ぜひ女体化(女性化では無く)も見てみた(強制終了)

2008/10/06

今日は、腐女子系とはあまり関係のない、どうにもこう聞こえてしまって仕方が無いメロディーのお話をしたいと思います。
ショパンの2番のソナタの序奏の後の第1テーマが、愛ってなに?愛ってなに?愛ってナニィイイ愛ってナニっ!?とか、スケルツォ2番のアタマが、う~トコロテンっトコロテン・・ニッポォーーン文化国家!トコロテンっトコロテン・・なのは周知の事実ですが、他にもたくさんそういうメロディーを持つ曲があるのでご紹介します。クラシックになじみの少ない方には何のことやらかもしれませんが、できる限り曲名に動画をリンクさせておきますので、併せてご覧くださるとうれしいです。

まず、前出のショパンの2番ですが、わたしには、ラリっちゃダメ、ラリっちゃダメ、ラリっちゃダメぇぇえラリっちゃ駄目っ!にも聞こえます。薬物撲滅キャンペーン曲。
同じくショパンの練習曲作品25-3、最初は、のび太、のび太、のび太・・で、リンクの動画の13秒目あたりから、野比のび太、野比のび太、野比のび太・・名字まで。。
またまたショパンの英雄ポロネーズ、動画の3分12秒あたりから、左手の♪ミレドシがずっとブタキムブタキムぶたきむブタキム・・Es-durに転調しても更に激しくブタキム・・どんなけブタキムを渇望しているのか・・。
なんだかちょぴんばかりなので他の作曲家のも。。
ベートーベンの交響曲第九番の二楽章、動画の57秒あたりから、♪ク~ラリネットチョンボチョンボ☆フ~ルゥト~もチョンボチョンボ、は、まぁ有名です。
サンサーンスの交響曲第三番オルガン付き。オーケストラにピアノとパイプオルガン付きという、もう荘厳で壮大で大好きな曲なんですが、動画4分22秒くらいから、♪そーふぁーそーみーふぁーそー・・が、ア~コ~ヤ~が~い~がぁつーれーたぁあツレターツレターツレターツレター(アコヤ貝が釣れた!感動のあまりバックコーラス付き)。

単に音感と言葉の抑揚が一致しただけで意味も何もないんで、だからなに?と言われたらお終いなんですが、その単純さ故か、いったんそう聞こえたが最後、そうにしか聞こえなくなってしまうので、ご紹介した曲を演奏される機会がお有りの方は要注意ですって最後に書いても。。

2008/09/20

今回は、ピアノと萌えがディープに絡み合った場合のお話をさせていただきたいと思います。

これは、じつは今までにまだ一度しか体験したことはありません。あるマンガにハマったのがきっかけで、萌えがピアノに直結し、すさまじいエネルギーを供給してくれました。
福山庸治さんのマドモアゼル・モーツァルトというマンガで、まぁそのまんまヴォルフガング。アマデウス・モーツァルトのお話です。ただ、激チビだったとか色白だったとか言われてますが(むはーなんて受け受けしいっ!)皆様知ってらっしゃるとおりモーツアルトさんは立派な男性なんですが、このマンガの中では女の子なのです。それを知らない宿敵サリエリさん(*1)がモーツァルトは男だと思っているのに何故か惹かれていく、マンガの世界の人たちにはホモカップリングに見えるのにモーツァルトがマドモアゼルだと知ってる読者である三次元人間たちにはノーマルカップリングと認識されるというややこしい事態に陥る設定が、なんとも、ノーマルカップリングが得意でない私にもヒットし、ダダハマりしました。日本に一時帰国中に大阪梅田の某おたくの薄っぺらい本(*2)も扱ってる古本屋さんで見つけ、ものすごい勢いで萌えがほとばしり、その頃ちょうどイタリアに小さなコンクールを受けに行く計画をしていて本選の課題曲がモーツァルトのコンチェルト13番だったので、パリにもどってから、男社会の昔の貴族階級の中で女であることを隠しながら懸命に体力の続く限り作曲するヴォルフガングことエリーザたんを思い浮かべながら譜読みし、エリーザたんが汗だくになりながら楽しそうに指揮している姿を思い浮かべながら曲想を練り、エリーザたぁぁぁあああん!!と脳内で雄叫びをあげながら練習に励み、パリの町並みを歩きながらサリエリ×モーツァルトの見た目ホモカップリングのあれやこれやを妄想し伊吹を感じ、と過ごしていた結果、譜読みの激遅い私が二週間で完全インテンポで全楽章レッスンに持っていき、しかも先生に、ほとんど言うこと無いよ。そのまま持っといて。とっても良いよ♪とベタ褒め頂いたのです(なんかちょっと自慢っぽくてスミマセン…汗)。

この状態が全ての作曲家や曲に当てはまれば、今頃わたしは世界中の有名コンクールを総ナメしてピアニスト界の頂点に君臨してたことでしょう(…?)。
残念ながら一回ぽっきりで終わってしまいましたが・・・モーツァルトは子守唄を歌わないは絵面が狙い過ぎで全然萌えへんかってんよな…ベートーベン萌え来たら結構便利やったと思うけど…。

今回の記事までが、ピアノと萌えが私の脳内でどういう風に存在しているのかを書くことで、 自己紹介をしているつもりで書いておりました。読んで頂いて、ありがとうございました。

次回からはクラシックの曲の紹介や留学中の生活などを、脳内世界を織り交ぜて綴っていきたいと思います。
今週の萌え

*1 宿敵サリエリさん
…モーツァルトと同時代の作曲家。映画アマデウスではモーツァルトを毒殺した犯人となっている。近年の研究により学術的にはサリエリ毒殺説は下火だが、そういうことをしてもおかしくないくらい敵視し、また執着していたらしい。なんで?天才への嫉妬心だけじゃなくて、なんか他にも要因があるんでねぇの?と腐女子心をくすぐる歴史上の人物である。

*2 薄っぺらい本
…二次創作物の紙媒体による自費出版、平たく言えば同人誌。薄っぺらいけど高い、けどクラシックの楽譜よりはマシ。自分の好みの萌え方をしてる作家さんの薄っぺらい本は腐女子には家宝にも値する。

2008/09/08

今回は、ピアノと萌えがさらりと交差したときの話をさせていただきたいと思います。

これはどういう事かというと、ある曲が何かのマンガの一場面にぴったりだと思ったり、マンガを読んでるうちにこのキャラにぴったりな曲はあれだな、と思ったりして、その曲を練習してる間中、マンガのいろんな場面が頭の中を駆け巡ったり、何か練習以外の日常生活を営んでいるときでも頭の中にイメージ映像とともにその曲が絶えず流れて仕方ないような状態になる事です。

ファイブスター物語(FSS)といういつになったら終わるのか、作者が老衰でお亡くなりになるまでにすべて描き切れるのか不明なほど、スケールの大きく、作者様が激遅筆のマンガがあって、まぁこの漫画に関しては恐ろしく壮大な作者様脳内年表に基づいた恐ろしく複雑怪奇なストーリーを、恐ろしく細部まで把握してる恐ろしくコアなファンが多数いらっしゃいますので詳しい説明は割愛させていただきますが、それにジュノーって惑星のコーラス王朝というのが出てきて、ある日この王朝のテーマソングとして私の脳内でモーリス・ラベル作曲の鏡というピアノの組曲の中の「道化師の朝の歌」という曲がヒットしました。私が持つコーラスのなんか無国籍というか多国籍というかアジアラビアッパ(アジア+アラビア+ヨーロッパ)な印象とマッチして止まらなくなり、朗々とした歌の部分を練習してると頭の中でコーラス三世がジュノーンに乗ってる(*1)よう、四度のグリッサンド(指を鍵盤につけて滑らせる奏法)を弾いてたらクローソー(*2)めんこいよう可哀そうだよう、ソの連打でイラついてるとソープ主人公かもしれんけどちょっとウザいようと色々なイメージが飛び交うようになりました。一度結びついたものはなかなか離れません。私の中でFSS萌えは過去のものとなった今でも、道化師の朝の歌を聴いたり弾いたりすると頭の中にバババーっとジュノーンの悲劇がよみがえるのです。

最近では、このところ練習してるフランクのバイオリンソナタというバイオリンとピアノの曲で、四楽章の最高潮の盛り上がりでハ長調になる部分が、ゴーストインザシェルの素子さんがバトーさんの必死の努力にも関わらず(バト素(*3)は私が脳内妄想できる数少ないノーマルカップリング(*4)の一つなのです。)変なオジサン(人形遣い)に誘われるまま更なる上部構造にシフトした瞬間にマッチしました。大変な苦悩を抱えながら突き進み、急に解決なんて次元ではない何か新しい世界が降ってきて涙する、今までの日常と同じものがこれからも続くが今までと同じには見えない。そういう感じが四楽章の後半部分とリンクしました。

次回は、ピアノと萌えがディープに絡み合った状態のお話をさせていただきたいと思います。

今週の萌え

*1 ジュノーンに乗ってる
…ジュノーのコーラス朝の皇族のMH(モーターヘッド、星団歴980年に完成した人型戦闘兵器、言ってしまえばガンダムのようなもの)が、ジュノーンという名前。

*2 クローソー
…MHを駆るのに必要な、ファティマという人造コンピューター人間(若い娘さん仕様)のうちの一人。サラサラの紺色の長髪がめんこい。

*3 バト素
…バトー×素子、攻殻機動隊世界における最重要かつ公認のカップル。

*4 ノーマルカップリング
妄想する対象が男同士のカップルでは無く男×女のカップルである場合に、腐女子はカップリングすなわち男同士という常識なのでソレと区別するためにこう呼ぶ。一般的に、男同士のカップリングで妄想するのがライフワークな人の場合はノーマルカップリングを妄想するのは苦手、その逆も同じである。

2008/08/31

前回の最後の方の内容:幕末、日本の行く末に命をかける男たちの足音を感じる京都に激しく後ろ髪を引かれながら三種の神器を携え留学先の巴里へと関空から飛び立ちました。

そんな精神状態(沖田さんと土方さんの息吹を感じたい70%、これから留学だーどうしよー30%)で始まった留学生活でしたが、まぁパリに到着してみると…まず人づてにピアノの弾ける物件を探しまくり、先生を決めるために(それすら決めてなかった・・普通は留学する何年か前から夏のバカンスの時期にヨーロッパ各地で、または日本でも多少は行われる講習会に参加し、お気に入りの先生を見つけ、日本に帰ってその先生とコミュニケーションをなんとか取れるほどの語学力をつけつつメールなどでコンタクトをとり続け、門下生の人数枠に空きが出たときに先生のいらっしゃる学校を受験するというのがだいたいの物の順序なのですが・・。)初めて講習会なるものに参加し、せっかく決まったピアノの弾ける物件が階段が狭すぎてピアノが通らなという絶体絶命の危機に陥ったので受験直前まで生フランス語に翻弄されながらなんとか練習場所を確保するのに奔走し、滞在許可に関する様々な事項をクリアするべく不慣れなメトロでぐるぐるとパリじゅうを回って、沢山の人達のご支援やホンマに運が良かった・・てな事の運びが重なり学校の受験や滞在許可の申請がどうにか無事済んでも、駆け出し留学生に余計な時間があるはずも無く日々ヘトヘトで、せっかく日本から持参した三種の神器は一度サラッサラの髪たなびく楊ぜんさん(*1)が三尖刀(*2)をかまえてらっしゃる絵を描いたときに使ったのみで、放置プレイを重ねたサイトは間もなく閉鎖いたしましたが・・・。

このように、ピアノはいつも本気で(練習は嫌いなんですが人前で弾くのは好き・・我ながら困った人種であります・・)、でもその横にいつもこれマタかんなり本気で萌が鎮座まします精神状態がべストのピアノ弾きであります。次回は、ピアノと萌がさらりと交差したり、ディープに絡まった状態に陥ったときのお話をさせていただきます。

<今週の萌え>
*1 楊ぜん……藤崎竜によって漫画化された中国のお話『封神演義』に出てくる軍師補佐の天才道士。超絶美形で自信家。

*2 三尖刀……楊ぜんの武器。サラサラヘアの痩身美形が操る長くて硬質な異形の刀…じゅるり。

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