2010/08/27

今回は、婚活をアドバイスするコンサルタント会社を起業した、杉田さん(仮名・レズビアン)と中橋との対談です。

中「いろいろとお聞きしたいのですが、まず、婚活アドバイザーとは具体的にどういうことをするのか教えて下さい」

杉「今、空前の婚活ブームですが、思い通りに婚活を成功させる女性は意外と少ないのです。そこで、理想の相手をゲットするために必要なスキルを身につけてもらうようにアドバイスをします」

中「アドバイスの具体的内容はどういったものですか?企業秘密ですかね(焦)」

杉「究極的には一人一人によって異なりますから、その辺の見極めや指導法は企業秘密ですが、大枠をお話しすると、あらゆる『自分磨き』についてアドバイスをし、実践の場を提供して、魅力ある女性になって頂くという事です」

中「自分磨きというのは、お化粧とかエステとか、いわゆる美容に関するものですか?」

杉「もちろんそれもありますが、立ち振る舞いやファッションのセンス、心理学など様々な分野について総合的に身につけてもらうためのアドバイスやレクチャーをします」

中「さながら『自分改造』ですね」

杉「婚活は就活同様、人生をかけた競争ですから、自分にとって足りないものを足りないままにしておいて良い結果が出るわけがありません。努力して補えるものは最大限に補ってもらって、自分自身の価値を高め、良い結果に結びつくようにアドバイスしています」

中「確かに、杉田さんの会社設立の手続きをさせて頂いた際に、様々な事業内容を定款(テイカン・会社の規則)に記載しましたね。まるで何かの学校という感じでした」

杉「まさに学校ですよ。婚活学校!!女性が幸せになるための学校です」

中「杉田さんはなぜ、婚活アドバイザーとして起業されようと思われたのですか?」

杉「私はウエディングプランナーとして会社勤めをしてきました。もともと、イベントの裏方の仕事が好きで、学生時代はそういうアルバイトばかりしていました。卒業後に、運良くウエディングの業界に就職することができ、多くのカップルの結婚式や披露宴をお世話していく中で、とてもやりがいがある半面、結婚という人生の一大イベントをもっと前の段階からお世話することが出来ないだろうかと考えるようになりました」

中「そこで、婚活段階からの裏方を始めようと?」

杉「ハイ(笑)会社で身につけさせてもらったスキルや、あらためて大学で学んだ心理学などの知識を生かせて、女性に総合的に婚活をアドバイスする自信ができたので、思い切って退社して起業しました」

中「なるほど。で、ここからが今日の本題ですが(笑)、この仕事をされるにあたって、ご自身のレズビアンであるというセクシャリティは何か関係していますか?」

杉「う~ん…多分、関係してないと思います。先ほども言いましたが、私は裏方の仕事が好きで、私が準備したものやシナリオの中で、実際に舞台に上がる人が上手に事を進めてくれて、プロジェクトが成功するというのが好きなんです。だから、婚活のコンサルタントにしても、お客様が見事に婚活を成功されるように道筋を立てていく過程が好きなのであって、そこにはセクシャリティの要素は関係ないかなと思います」

中「なるほど。少しひねくれた見方かもしれませんが、男女の結婚とは無関係なレズビアンの方がなぜ男女の結婚に関して携わろうと思われたのか不思議な気がしたのですが、杉田さんのお話しを聞いて、その理由が理解できました」

杉「まあ確かに、自分自身とは無関係な部分が多いから、割り切ったアドバイスができるのかもしれません。男性のハートをゲットするためにというよりも、人間的に魅力のある女性を作り上げようとしているのかもしれませんね。それが結果的に男性にも評価されると」

中「婚活中の女性に対して、自分磨きのアドバイスをするのはわかりましたが、より良い男性の見分け方にみたいなことをアドバイスするのですか?」

杉「もちろんです。女性は自分を磨くわけですから、それに応じたか、それ以上の良い男性をゲットしなくてはなりません。変な男性に騙されないように様々なアドバイスをしますよ(笑)」

中「失礼を承知で質問しますが、レズビアンの杉田さんは、男性との交際経験は無いと伺っていますが、男性の善し悪しを見分けることをどうやって身につけたのですか?」

杉「ハハハ、、厳しい質問ですね。私がしているのは、恋愛アドバイスではなく、婚活アドバイスなんです。恋愛ではなくて、結婚。恋愛過程のドロドロを解決する手段をアドバイスするのではなく、結婚というゴールに向けて突き進む方法論をアドバイスしているのです。結婚後の生活についてアドバイスするわけでもありません」

中「杉田さんのビジネスにとっては『結婚』がゴールなわけですね」

杉「そうです。もちろん、お客様ご本人が理想とする相手に出会うようにコンサルティングするわけですから、その後の結婚生活が円満に進むように願うのは言うまでもありません。しかしまず、その入り口である『結婚』を成功させるのが私のビジネスの目標です。もっと具体的に言うなら、お客様がどの男性にしようかと迷うくらいに、男性からのアプローチが多い女性になって頂くということです」

中「女性にとって、恋愛と結婚は別物なのですね(焦)」

杉「そうですよ。その辺を割り切って活動しているのが、昨今の婚活女性の特徴でしょう。勝つか負けるかなんですよ」

中「そうですか。厳しい世界ですね。男性への婚活アドバイスはしないのですか?」

杉「実は、男性への婚活アドバイス事業も来年度から始める予定で、担当のスタッフや提携先確保を進めている最中です」

中「色々と広がっていきそうなビジネスですね」

杉「ありがとうございます。多くの人に幸せになって頂けるように頑張ります」

中「最後に、杉田さんには私生活上のパートナーはいらっしゃるのですか?」

杉「いますよ♪ 今、アメリカに留学しています。12歳年下です。(写メを見せて頂く)」

中「ラブラブな写真ですね。今は遠距離恋愛なんですね。しかも、一回りも年下で心配ではないですか?」

杉「浮気とかですか?(笑) 大丈夫です!!来夏に帰国して来ますので、そうしたら一緒に暮らして、私の事業も手伝ってもらおうと考えています」

中「私生活も充実していらっしゃるのですね。あと、もう一点ありました(焦) レズビアンであることを仕事関係の方にカミングアウトしていますか?」

杉「私は親兄弟にはカミングアウトしていますが、友人や仕事仲間などには一切カミングアウトしていません。仕事が恋人の猛烈社長と思われていたいです。でも私生活では彼女に甘えます(笑)」

中「なるほどそうですか。お仕事の更なる成功をお祈りします。今回はありがとうございました」

杉「こちらこそありがとうございました」

2010/08/13

会社員のカズオさん(仮名・ゲイ・33歳)の職場に、新しい上司の課長(女性)が赴任して来ました。

総務課で労務管理の仕事をして働くカズオさんは、ほぼ一日中デスクワークをしています。ずっと、課長の目の届く範囲の場所で。。

課長が赴任して間もなく、職場の歓迎会が催されました。
カズオさんも出席して、いつもの飲み会のように楽しく酒を飲んで、職場の仲間と盛り上がっていました。
そこへ課長が少し酔った様子で割り込んできて、カズオさんのことを根掘り葉掘り聞き始めました。
「あなた結婚しているの?」「彼女はいるの?」「なんで結婚しないの?」「いい人紹介しようか?」「お見合いしなさいよ」「私があなたのキューピットになってあげる」などなど…

カズオさんは、ゲイであることを職場の誰にもカミングアウトしていません。
年齢が結婚適齢期であるということもあって、課長はカズオさんに『結婚ネタ』や『縁談ネタ』を激しくふってきます。
歓迎会後も、毎日のように「彼女できた?」「いい子がいるんだけど会ってみない?」と話しかけてきます。
目下婚活中の男性なら、とても有り難いお言葉かもしれません。
しかし、カズオさんにとっては苦痛でしかありませんでした。同性のパートナーもいなかったので、余計に寂しさともどかしさを感じていました。
カズオさんはいつも「今は仕事が恋人です」とか「自分は一生独身でいます」などと言ってかわしていましたが、課長はカズオさんのその考え方は間違っていると説教さえする始末でした。
「人生の伴侶を見つけることはとても重要なことなのよ」「社会人として一人前になるには結婚して家庭を築いてなくてはだめよ」「男として恥ずかしくないの?」といった具合に。

カズオさんは、自分がゲイであることをカミングアウトするかしないか随分と迷ったそうですが、その課長にカミングアウトしたところで到底受け入れてくれそうではなく、むしろ説教されてしまうのではないかと考え、結局カミングアウトはしませんでした。
ゲイという部分は伏せて、会社の同僚に相談したこともありました。しかし、同僚からの返事は「お前もそろそろ身を固めないといけないんじゃない?」というものでした。
今時、ゲイでなくても生涯独身の道を選ぶ人は多くいますが、カズオさんの職場では運の悪い事に、同世代の同僚たちは次々に結婚し、残っているのはカズオさんくらいしかいないといった状況でした。

課長からの結婚攻撃はますます激しくなり「私がこの職場にいる間に結婚させるわ」などと、勝手なことを言われる始末でした。
カズオさんは、こういう課長の発言がセクハラにあたることを知っていました。
しかし、事を荒立てて、職場の雰囲気が悪くなったり、自分がゲイだとバレてしまうことに抵抗があり、じっと耐えていました。
そのうち体調を崩し、会社に行くのが嫌になり、いわゆる出社拒否状態に陥ってしまいました。
無断欠勤はしませんでしたが、この会社で仕事を続けていく自信が無くなったカズオさんは、退職して新しい道に進みたいと考えるようになりました。

そこで目を付けたのは、今までの職場で経験を積んできた労務管理の仕事です。
これを専門にして独立開業し、個人的な事情を誰にも邪魔されずに生きていきたいと考えたのです。
カズオさんは、社会保険労務士の資格を取得することを目標にして、資格試験に合格するまでの間だけ我慢して働こうと、会社に留まって頑張りました。
結婚ネタ攻撃は相変わらず続いていましたが「資格試験に合格したら考えます。今は試験に集中したいのです」という、もっともな口実に、課長は少しずつ結婚攻撃のトーンを下げてきたのでした。

そして、約1年後、カズオさんは見事に社会保険労務士の国家試験に合格しました。
会社からは合格に対して祝い金が支給され、社内で社会保険労務士業務を行う(勤務社労士)ことで、給与に手当てが付くようになりました。
さらに、何と課長が転勤になり、カズオさんは結婚攻撃から突然解放されたのでした。

カズオさんは、会社留まり、好きな仕事を今も続けています。
もし今度、結婚攻撃に遭い、精神的に参ってしまった時には、いつでも退職して独立開業しようと決めています。
1年ちょっとでカズオさんは強くなりました。逆境にある時に、努力して自分のスキルをアップさせることに成功したからでしょう。
カズオさんは今、会社に勤めながら、税理士試験の勉強をしています。さらに強い自分になるために。。

2010/08/13 12:01 | LGBTライフ | No Comments
2010/07/30

ハルキ君(仮名・20代前半)は、地方のホストクラブで働くホストでした。

ハルキ君のセクシャリティは、限りなくゲイに近いバイセクシャルといった感じでした。
ハルキ君は、どこに行ってもモテモテで、恋人作りには困ったことが無いという恵まれた容姿の持ち主でした。

ところが、その容姿を逆手にとって、常にゲイ向けの出会い系サイトで恋人(未満を含む)を募集し、同時に何人と付き合っているのか本人すら分からなくなる状況でした。
ハルキ君と話していると、「付き合う」ということが一体何なのか?という疑問が湧いてきましたが、ハルキ君的には、相手が付き合っていると思えば付き合っているのだそうです。
そして、ハルキ君は、その多くの恋人に必ず『あるお願い』をします。
「今月の携帯代の支払いがヤバイんだよね。ちょっと援助してよ」
「勤務先の給料が遅配になって困ってるから、少し生活費を都合してよ」などなど…
ハルキ君は決して「貸して」とは言わないそうです。
そう、貸してと言うと、返さなければならないからです。
確かに契約は口頭のみでも成立します。ハルキ君にとっては「貸して」は禁句なわけです。
しかし、相手方はそうは思っていないのでは?と聞くと、「返してと言われたことは滅多にない」と言うのです。
貸した人は、あげたつもりで貸しているのだろうと察しがつきます。
そうまでしても自分に振り向いて欲しいと思っているのでしょう。

「恋人が複数いるってのはバレないの?」と聞いてみると、「バレても、責められることはほとんどない」と言います。
やりたい放題のハルキ君、それを受け入れている多くのファン的恋人?達、どっちも普通じゃ考えられません。
ただ、やりたい放題しているハルキ君ですが、金銭面と複数恋愛を除いては、相手に対してとても優しく、一緒にいてもとても楽しい存在だというのです。
『許されてしまう』というその存在。理解できない人も多いと思いますが、本人と話していると何となくわかるような気がしました。
いつか痛い目をみるぞ~!!と言うと、「太く短い人生」がモットーなんで(笑)と無邪気に話していました。

ハルキ君は、仕事柄、お酒をたくさん飲むので体調を崩し、ホストを辞めてしまいました。
次の就職先として選んだのは、ビデオモデルの世界でした。
その仕事をするために、それまでの多くの恋人たちとの縁も切って、地方から大都会に出てきました。
ビデオ会社の寮に入り、モデルの他、編集などもこなすスタッフとしての仕事が始まりました。
ハルキ君出演の作品はとてもよく売れ、スカウトしたビデオ会社も大満足の人材でした。

大都会での生活に慣れ始めた頃、ハルキ君に悲劇が襲いました。
飲み会後に酔って帰宅する途中、歩道で嘔吐していて、立ちくらみが襲い、そのまま道路にフラフラと飛び出して、大型車のタイヤに巻き込まれました。
直ちに救急車で病院に担ぎ込まれましたが、命が危険な状況が2週間続きました。
結果的に一命を取り留めたものの、体の一部を切断し、片目を失明、顔の一部を欠損してしまいました。

顔が変わってしまったのはもちろん、仕事どころか、日常生活を一人でおくるのも困難な体になりました。
事故の責任について、大型車の運転手・保険会社・ハルキ君の見解が一致せず、賠償をめぐってトラブルになりました。
ハルキ君は、訳あって、子供のころから親戚に育てらて、高校生のころから地元で一人暮らしをしていました。
事故に遭い、働けなくなった今、田舎で療養するのが一番ですが、ハルキ君には帰る田舎がありません。
面倒をみてくれる人も居ません。
長い入院生活が終わった後の生活設計は何もできていない状況です。

ハルキ君は言います。
「人生、プラスマイナスゼロって、本当なのかもしれないね」
こういう事態に遭って、彼は達観したのかもしれません。

愛情に飢えて育ち、愛情を求めて彷徨い、それを手に入れ貪り、結局本当の愛情を知らぬままに、全てを失ってしまったのでしょうか。
愛情はもらうばかりではダメです。自ら愛情を注ぐことも忘れてはならないのです。

さて、上記の記事はハルキ君が退院して、落ちついたら掲載するつもりでいました。
ところが、先日、ハルキ君は病院を抜け出して、自ら命を絶ってしまいました。
生前に掲載の許可を頂いていたことを書き添え、心からご冥福をお祈り申し上げます。

ある意味、彼が目指した『太く短い人生』だったのかもしれません。
自殺には賛同できませんが、無茶な人生を駆け抜けようとした若者がいたことを私は忘れません。
誰かが彼に本当の「愛情」を教えてあげていたなら、結果は変わっていたのかもしれません。
家族・恋人・友人・仲間、人と人の間柄は様々ありますが、皆が自分に関わる全ての人に愛情をもって接せられるようになれば、世の中は平和になるのでしょうね。

2010/07/30 12:01 | LGBT事件 | No Comments
2010/07/16

今回は、中橋と会社経営者のAさん(52歳・ゲイ)の対談です。

中「Aさんは社内でカミングアウトをしているのですか?」

A「いいえ、していません。過去に結婚歴がありますので、まさか私がゲイだとは誰も思っていないでしょう(笑)」

中「会社経営に、ご自身のセクシャリティが何か影響することはありますか?」

A「経営自体においては特にないと思います。ただ、私がオーナー社長であるわけですので、私の次の代への事業承継についてそろそろ悩み始めました」

中「事業承継については、セクシャリティの別を問わず、昨今の経営者たちの共通の悩みと言えますね。誰にどのように経営を引き継いでいくのかということは、大変重要なことですね。」

A「私としては、私のセクシャリティは会社の経営には無関係な事柄ではありますが、事業を引き継いでくれる人には、私のセクシャリティを知っておいて欲しいと思っています。」

中「それはなぜですか?」

A「私は創業者として会社を大きくしてきました。私の会社は私にとっては『私そのもの』であり、その事業を引き継ぐということは、私の魂を引き継いでくれることだと思っているからです。」

中「なるほど。創業者の魂をずっと引き継いで欲しいというわけですか。しかし、そうだとしても、セクシャリティを明らかにする必要性まではないような気がしますが?(焦)」

A「重要なのは、私がゲイであるということ自体ではないのです。創業者が実はマイノリティであるにもかかわらず、その逆境を乗り越えて社会に貢献するために事業を興したこと、我が社のモットーである『あらゆる人を大切にする会社』という理念が、マイノリティの立場に立った視点から考え出されたものであるということを理解し、今後も実践して欲しいのです。」

中「なるほど。その理念の根源に共鳴してくれる人に事業を託したいわけですね。」

A「そうです。私には子供がいませんから、いずれは他人に事業を譲ることになります。他人様だからこそ、正確に創業者である私の意思をきちんと理解して引き継いでもらいたいのです。」

中「事業承継に向けた具体的な動きはあるのですか?」

A「具体的にはまだです。ただ、人材を育てるという側面について強く意識し始めました。」

中「事業承継は社内の人材で考えておられるのですか?」

A「そうです。私が元気なうちに承継を終わらせたいです(笑)」

中「いずれは社内でカミングアウトする時が来るというわけですね。」

A「大々的にではなく、後継ぎに対してだけですけどね。」

中「事業承継というと、財務や税務に関する側面を念頭に考えがちですが、今日のお話はとても参考になりました。Aさんの会社の事業承継が成功することをお祈りしております。」

A「こちらこそ、ありがとうございました。」

2010/07/02

つい先日の6月27日、アイスランドのヨハンナ・シグルザルドッティル首相(67)が、同性のパートナーと結婚しました。政治家の中でも国家の首脳が同性結婚をするのは世界初ということです。 
アイスランド国会はつい最近、同性結婚を合法化する法案を可決したばかりで、シグルザルドッティル首相は、この法律が施行された日に長年のパートナーと結婚したそうです。
また、その日は、同性愛者の権利を訴えるキャンペーンが世界的に行われる日でもありました。

世界的にみると、政治家の中でLGBT当事者であることを告白している人は多くいます。
日本では数は少ないですが、地方議員レベルではいらっしゃいます。
そんな中で、ついに、首相が同性結婚をしているという国が誕生したわけです。
この方は、レズビアンであることは公言して首相にまで上り詰めました。そして、法整備をした上で、法に則り同性結婚!
さらに、離婚した元夫との間には、お子さんもおられるとの事。
67歳というお歳ですが、なかなか興味深い人生を送っておられる方のように思えて、興味津々です。

政治家であるという部分を除くと、同じような境遇の方は日本にも多くいらっしゃいます。
もちろん、同性結婚は日本の法律では認められていませんから、それは無理ですが、様々な手続を駆使して、結婚と同じような法的権利をパートナー同士で確保することができます。
さらに、以前は異性と結婚していて、子供をもうけたが、その後離婚するなどして、新たに同性のパートナーを得たという方もいらっしゃるのです。

以前に異性との交際(結婚)経験があるなら、同性愛者ではなくて、バイセクシャルでは?という疑問を持った方もおられるかもしれません。
確かに、バイセクシャルかもしれませんが、この区別を厳格にしようとすることは、実は無意味なことでもあります。
生まれてから死ぬまで、ず~と、セクシャリティが一定の人が圧倒的に多いと思います。しかし、そうでない人がいるという現実があります。
バイセクシャルなのか、それとも、本当の自分のセクシャリティに気付かなかっただけなのか、それは人それぞれでしょう。
あるいは、自分自身でもその区別は付かないものなのかもしれません。

ただ単に『愛する人と結婚する』という発想。「個人」対「個人」の結婚制度。
そう考えると、同性結婚は個人の自由。徹底した個人主義に照らし合わせると、この制度を拒む理由は無いように思えます。

日本の結婚制度はどうでしょう?
書類上は当事者同士(男女)が婚姻届に記入押印して提出すればOKです。実に簡単。
でも、結婚とは「家」対「家」の問題だとよく言われます。

戸籍制度がある国と無い国の違いなのか?
私たち日本人の結婚観は、欧米人のような結婚観とは明らかに違うような気がします。
結婚とは一体何なのか?
その答えが、異性愛のパートナーと、同性愛のパートナーで異なるのか同じなのか、多くにカップルに聞いてみたいです。

2010/06/18

今回は、中橋とレズビアンカップル(瞳さん29歳・沙希さん26歳)の対談です。

中「お二人が付き合うことになったきっかけから教えて下さい」

沙希「3年ほど前に、インターネットで出会いました」

中「いわゆる出会い系ってやつですか?」

瞳「きっかけはそうかもしれませんが、少し違うんです(笑)」

中「どういうこと?」

沙希「私、出会い系で彼女を募集してたんですけど、よく騙されたりして困ってたんです。そこで、どうしたら騙されませんか?っていう相談を掲示板に載せたら、瞳から丁寧なメールがあって(笑)、それが最初のきっかけです」

中「騙されたって、具体的にはどういう被害に遭ったのですか?」

沙希「まず多いのが、男性なのに女性と偽ってメールをしてくる人です。それで実際に会ってみて、ええっ!!って感じで。ほんと多いですよ」

中「何が目的なんでしょうか?」

沙希「メールだけの人はただ単におちょくっているだけかもしれませんが、実際に会おうとする人は、下心見え見えというか…、私はレズビアンだというのに意味不明です。だから男は嫌いです」

中「男性を代表しているわけではありませんが、ごめんなさい(焦)」

瞳「多分、本物のレズビアンに興味があるんでしょうね。男性って、レズビアン物のAVとか観たりするんでしょ?」

中「いや~、それは人それぞれの趣味だと思いますが、レズビアンに性的な興味を持つ男性は少なくないでしょうね(苦笑)。ところで、瞳さんは沙希さんにどのようなメールを送ったのですか?」

瞳「直感的に、この子危ないなぁと思って、出会い系は騙されることを前提に利用するくらいの心構えじゃないとダメだよって。実際に会うまでには時間をかけてとか、写メの交換は安易にしてはダメだよとか」

沙希「瞳のメールは、納得することがいっぱい書いてあって、あぁこの人、大人だなぁとか妙に感心してしまって(笑)」

中「そこからメールのやり取りが始まって、お付き合いするに至ったというわけですか?」

瞳「メールで仲良くはなりましたが、当初は福岡と仙台の遠距離だったので、実際に会うことすらありませんでした。でも、沙希が転職で大阪に行くことになり、同じ西日本ということで、会おうよって話になり(笑)」

沙希「最初に会う時はドキドキでしたよ。また騙されて、男性だったらどうしようとか(笑)」

中「今度は大丈夫だったのですね?」

沙希「はい(笑)会ったその日に付き合う事にしました」

中「よかったですね。それでは今は、以前ほどではない距離ではあるものの、遠距離恋愛なんですね?」

瞳「そうです。会うのは月に1回程度です。たまに長期休暇を合わせて、一緒に数日間旅行をしたりはしますけどね」

沙希「九州っていいですよね。温泉もあるし、食べるものも美味しいし、大好きです」

中「お二人で九州旅行をされるのですか?」

瞳「私は車の運転が好きなので、九州島のドライブデートが多いです」

中「順調に交際を重ねられているのですね」

沙希「おかげさまで(笑)でも、お互いに家族や友人にレズビアンであることは伏せているので、この歳になると何かとうるさくて困っています」

中「何がうるさいのですか?」

瞳「お互いに結婚適齢期の真っただ中なので、やれお見合いだとか、合コンだとか、上司や友人が頼んでもいないのに男性を紹介してこようとしたり(苦笑)」

沙希「私なんて、父に「子供を産む気は無いのか?」なんて聞かれる始末です」

中「なるほど。お二人とも魅力的な女性ですもんね。周りが放っとかないでじょう。で、どう対応しているのですか?」

瞳「今は仕事が恋人です。とか、35歳になったら考えます。とか、私のハードルは高いんです。とか(笑)」

沙希「私は、長年付き合っていた恋人が交通事故で亡くなって、その痛みを未だに引きずっていて…とウルウルして言ったら、かなり防御できるようになりました」

中「それはちょっと不謹慎な気がしますが…」

瞳「私もそう思います(焦)」

沙希「いつも言うわけではないですよ。あまりにしつこい時以外は自重します」

中「もしかして、レズビアンじゃないの?みたいに疑われることはないのですか?」

瞳「私も沙希もそれはないですねぇ。」

中「結婚適齢期のお二人は、しばらくはこの状況から逃れられそうにありませんね」

瞳「今の世の中、レズビアンでなくても、自分の意思で結婚しない女性はたくさん居ます。私も沙希も、仕事も恋も充実していますので、このままの状態でしばらくはいきたいと思っています」

沙希「ある程度の年齢になったら、結婚!結婚!って言われないって聞きますしね(笑)」

中「もし同性婚の制度が出来たら、お二人は利用しようと思いますか?」

瞳「私は両親が生きている間はしないと思います。そういうことに対する理解は無いと思うし、そこは親の期待に添えないことについての罪悪感みたいなものがあって、無理に親の心をかき乱したくないというか、逃げなのかもしれませんけど」

沙希「私も両親が生きている間は無理ですね。理由は瞳と同じです」

中「では、将来的には利用してもいいということ?」

瞳「はい。誰にも遠慮しなくていい環境が整ったら利用したいですね」

沙希「レズビアンであることに対しての罪悪感はありませんが、親に対しては、申し訳ないっていう気持ちが大きくて、やはり、そこはカミングアウトをするのを我慢するのが愛情なのかなと思います」

中「なるほど。確かにカミングアウトをすることが一概に良いことだとは言えない状況もあるかと思います」

瞳「結婚して、子供作って、親に孫を見せてあげてという一連のレールの上に乗っかれないことに対しての焦りみたいなものは正直ありますけどね」

中「子供が欲しいとは思いますか?」

沙希「欲しいです。瞳との間に子供を持てたらどんなに幸せかと思います」

瞳「具体的に計画を進めているわけではありませんが、女性の場合は、自分の体で子供を授かることが可能なわけなので、ウルトラC的な手段を使えのもアリかと」

沙希「でも、出来た子供の父親は誰だ?ってなった時に、外国で人工授精して来ましたとか言えないですしねぇ(苦笑)」

瞳「これは、結局、カミングアウトと連動してしまう問題でもあるので、こういうことをするという時には、もう一大決心なんでしょうね」

中「確かに、ゲイのカップルに比べて、レズビアンのカップルの場合は、子供を持つチャンスに恵まれているのかもしれませんね。もちろん、色々な面での一大決心が必要でしょうが」

瞳「レズビアンカップルの先輩の中には、子供を作って育てているカップルも居ます。そういう人達を見ると、そこには家庭が出来上がっていて、そういう光景は羨ましいと思うんです」

中「なぜ子供が欲しいと思うのですか?」

沙希「本能的にでしょうかね。自分の子供は欲しいです。瞳の受精卵を私のお腹で育てるとか、その逆とか。科学的には可能な世の中じゃないですか」

中「それって、自然の摂理には反していますよね。それでもいいと?」

沙希「レズビアンという存在が自然の摂理的に不自然である以上、理屈では解決できないと思っています。子供を欲しがる感情は、セクシャリティに関係ないのではないでしょうか?」

瞳「科学の力を借りる時点で反則だという人も居ますが、ヘテロセクシャルがやっている不妊治療だって、ある意味神の領域を超えているのだと思います。これをレズビアンに応用するのがダメだというのは、単にセクシャリティに対する差別ではないでしょうか?」

中「生まれてくる子供にとってはどうなのでしょう?」

瞳「周囲とは違う境遇に戸惑うと思います。でも、全てを説明し、理解してもらうしかないですね」

沙希「十分な愛情を注ぎながら、強い子に育てたいです。逆境にも耐えられるような。それが親の責任だと思います」

中「男女であっても、レズビアン・ゲイのカップルであっても、恋愛が成就した次のステップは、家庭を作りたいと思うことかもしれませんね。その中には、子供を作りたいと願うカップルも居て当然なわけですね。難しい問題ですが、すごく考えさせられました。お二人の今後に大きな変化があったらまた教えて下さい。今日はありがとうございました」

瞳・沙希「末永く幸せでいられるように頑張ります。ありがとうございました」

2010/06/18 12:46 | LGBTと恋愛 | No Comments
2010/06/04

今回は、恋愛カテゴリーの話題からは逸れますが、コアな経済情報を掲載します。

LGBT産業の中でも突出して市場の大きいゲイポルノ業界。
ここ数年は、その中でもインターネットを使った動画配信によるゲイポルノ産業が急成長しています。

こうした動画配信事業を開始するには、風俗営業法に従って都道府県公安委員会に届け出る必要があり、地域によっては条例により更なる規制がなされている場合があります。
私は行政書士として、こうした手続についてのご依頼を受けることも多くなってきました。

既存のゲイビデオメーカーが新たに動画配信事業を開始する場合もありますが、アダルトビデオ制作の経験のない法人や個人事業主が動画配信事業に乗り出す場合もあります。
後者の場合は、既存のゲイビデオメーカーなどから販売委託を受けるような形式での動画配信を行っています。

このような状況は、DVDやビデオといった『記録媒体』を販売する業態に大きな打撃を与えています。
若者がCDを買わず、インターネットでダウンロードした楽曲ばかり買っているという状況と似ています。

インターネットを通じて、欲しい情報を直接自分のパソコンの中のハードディスクに取り込むという便利さは、ゲイポルノ業界にも大きな影響を与えています。
とするならば、全ての既存のゲイビデオ会社が動画配信システムを取り入れれば良いではないかと思われるかもしれませんが、そこには設備投資や技術的な壁といった障害が立ちはだかります。
そのため、販売委託を行っている動画配信会社に委託して、自社のメディアを売ってもらうという形式がメジャーになってきました。
また、この販売委託という形式は、極めて小規模のアダルト映像製作事業を活況にさせています。
つまり、個人で撮影したアダルト映像を、こうした動画配信会社に販売委託することで、ヒットすれば大きな儲けになるというものです。
編集やモザイクかけも、動画配信会社が行ってくれる場合が多く、モデルの確保と撮影の労力さえ自分で何とかすれば、他の初期投資が無くても、作品を世に出せるというものです。
これは、動画配信会社にとっても、多くのコンテンツを顧客に提供できるという点でメリットが多く、売れた分だけ映像制作者に支払うという契約であるので、在庫を抱えるようなこともありません(そもそもデータという形式ですし)。
最近は、家庭用のビデオカメラの性能も良くなっており、必ずしも大掛かりな設備が無くても、商品化できるほどの画質を持った映像を撮影することが可能になっています。
加えて、アダルト映像の制作に関しては、許認可は必要ではありませんので、「よし!俺も!」といって参入する個人事業主が増えています。
ただこうした委託販売に関しては、著作権に関する事項や、モデルの年齢確認など、コンプライアンスの観点から注意する項目も多く、そうした契約書の作成や各種確認書類の作成依頼に関して非常に神経を使う分野でもあります。

また、動画配信はそれで留まることはなく、ヒットした作品を今度はDVDにして販売することがあります。
「なぜ、わざわざ売れにくいDVDにするのか?」と思われるかもしれませんが、実はDVDの購買層と動画配信の購買層は異なるという事実があります。
DVDやビデオは昔ほど売れなくなっているのは事実ですが、全く売れないわけではありません。
動画配信でのみ世に出ていた映像を、DVD化することによって、新たな購買層にもアプローチするということが可能なのです。
そしてまた、このことは反対のことも可能にします。つまり、DVDの映像を動画配信するというものです。
この両方の販売形式を上手に両立していくことは、ゲイポルノ業界で生き残っていく強い武器であると言えるでしょう。

ただ、動画配信はいいことずくめではありません。
インターネットによる動画配信という手軽な方法は、データの受け渡しを容易にしている半面、それを不法にコピーして転売するという輩の餌食になってしまっています。
DVDやビデオであっても、そうしたコピー物による著作権侵害の被害は多くあったと思いますが、動画配信においては、映像データの劣化を防いだ形でそれがなされるため、中には正規の販売業者から買っていると錯誤させて売られているような場合もあります。
動画配信業者の中には、顧客の利便性のために、ハードディスクに取り込んだ映像データをDVDなどに焼き付けることに制限をかけていないものもあり、それが違法なコピー犯に好都合となっている場合があります。
動画配信会社もこうした現状に手をこまねいているわけではなく、顧客からの通報や独自の調査で被害が判明した場合には、然るべき措置を取っています。
著作権侵害は立派な犯罪です。犯行がバレてしまった時の代償は大きなものです。

インターネットの発達により、ゲイポルノ業界の市場規模は大きくなったと言われています。
しかしそれは、古くからあった店舗でのゲイポルノ販売には逆の効果をもたらしているのかもしれません。
つい最近、『ipad』が発売されましたね。電子書籍が注目を集めています。
情報の媒体がコンパクトになり、発信元からダイレクトに情報を入手するという流れは、情報の内容がどういう分野のものであれ、変わらないのかもしれません。
そして、人々が欲望を駆り立てられる分野のものほど、先進的に発展を遂げるスピードは速いのかもしれません。
金融、株式、ギャンブル、アダルト、etc…

2010/06/04 12:01 | LGBTビジネス | No Comments
2010/05/21

段々と暖かくなり、時には暑い日もある今日この頃ですが、気温の上昇と共に、レインボーサポートネットの繁忙期がやって来ました。

毎年、何故か寒い時期には相談や依頼が少ないのですが、ゴールデンウィークを明けた頃から、忙しくなりはじめます。

今年も例年通り、気温の上昇と共に、色々な相談が舞い込み始めました。

そんな中で、『困った相談』というものがあります。

これは、相談の難易度が高いという意味で困るのではなく、相談内容そのものにやや難があるようなものです。

Q1:兄がゲイだとわかりました。何とかゲイを卒業させたいのですが、どうすればよいですか?

A1:ゲイというのは卒業云々のものではなく…(かなり長文な回答になります)。ちなみに、この手のご相談は多いです。

Q2:イケメンと出会える出会い系サイトを教えて下さい。

A2:出会い系サイトについては把握しておりません。

Q3:彼氏に元男とバレてしまい、一方的にふられました。どうすれば私のもとに戻ってきてくれるでしょうか?

A3:隠し続けようと思っておられたのでしょうか?誠実に相手に向き合う姿勢が重要なのではないでしょうか。

Q4:レインボーサポートネットに入れてくれませんか?

A4:現在のところ、メンバー募集は行っておりません。

Q5:外国人しか好きになれないレズビアンです。どうすれば日本人を好きになれますか?

A5:日本人を好きになる方法論については承知しておりません。好みの問題は、人それぞれだと思います。

Q6:ニューハーフですが、腕のいい美容整形の先生を教えて下さい。

A6:そのような情報は把握しておりません。

Q7:彼氏を男に寝取られました。仕返しのやり方を教えて下さい。

A7:新しい恋に向かって、前向きに進まれた方が良いのではないでしょうか?

Q8:亡き父の遺品を整理していたら、ゲイビデオが大量に出てきて処分に困っています。引き取って頂けませんか?

A8:そのようなサービスは行っておりません。指定された方法でゴミに出されるか、ゲイビデオ専門の中古買取ショップがありますので、そちらに持ちこまれてはいかがでしょうか。

Q9:姉はレズビアンだと思うのですが、どうやったら確かめられますか?

A9:なぜ確かめたいのでしょうか?(かなり長文な回答になります)

といった具合です。

冷やかしなのか?それとも本当に困って相談されているのか?判断が付かないようなものもあります。

可能な限りお答えしていますが、どうしても無理なものについては丁重にお断りしています。

相談件数が増えると同時に、困った相談の数も増えます。

相談対応をこなしていくにつれて、ある程度、相談をパターン化して考えることができるようになりました。

同じような質問を頂く場合もよくあるので、当初に比べると、対応のスピードも増しました。

これから夏に向かって、相談の内容もより過激になっていくと思われます。

行政書士の業務での相談の枠を超えて、LGBTのよろず相談所として、人生相談的な対応ができるように、スタッフ一同、スキルアップに努めて参ります。

2010/05/21 12:02 | LGBTライフ | No Comments
2010/05/07

理沙さん(仮名・28歳)と真奈美さん(仮名・24歳)は付き合って4年目のレズビアンのカップルです。
理沙さんは、交際当初から真奈美さんの極端な行動に悩まされ続けていました。

二人はレズビアン用のSNSで知り合って交際を始め、当初は関東と関西の遠距離恋愛でしたが、間もなく、真奈美さんが理沙さんの所に転がり込んでくるような形で同棲を始めました。
理沙さんは会社員として平日は毎朝定時に出勤する日々を送り、真奈美さんはバイトをしたりしなかったりと、なかなか仕事が長続きしませんでした。
そのため、真奈美さんは生活の糧を理沙さんに頼るようになり、次第に引きこもるような生活になっていきました。
そういう真奈美さんの状況を良く思わなかった理沙さんは、真奈美さんに仕事を探したり、資格取得などの学校に行ってはどうかと提案しましたが、真奈美さんが行動に移すことはありませんでした。
やがて、理沙さんが真奈美さんの生活態度を注意するたびに、家を飛び出して数日帰ってこなかったり、自宅アパート(2階)の窓から飛び降りたりするようになりました。

次第に理沙さんは真奈美さんに辛く当ることに恐怖を覚えるようになっていきました。
そこで、生活態度などについては面と向かって注意したり、改善を促すような発言はしなくなりました。
ところが、真奈美さんの極端な行動はエスカレートする一方で、腕をカッターナイフで傷つけたり(アームカット)、たばこで根性焼きを作ったりしていました。

ある日、真奈美さんは市販の風邪薬を大量服薬して意識を失い、救急車で病院に運ばれました。
その際に担当した医師から、一度、精神科を受診するように勧められ、後日精神科を受診しました。
精神科では薬による治療とカウンセリングが必要と診断され、真奈美さんは定期的に精神科に通院するようになりました。
その頃、状況は好転するように思われたのですが、そう思われたのも束の間、真奈美さんは自分の体を傷つけるような行為をまた繰り返してしまうのでした。
症状が酷くなり、何度か精神科に入院するようにもなりました。
これは、真奈美さん自身を保護するために必要な措置でした。

真奈美さんは、複雑な家庭の事情のため、保護者となるべき近親者が居ないような状況でした。
理沙さんが一人で家族としての役割を担わなければならないような状況でした。
それでも理沙さんは、真奈美さんを見放すことはなく、真奈美さんの問題行動の度に、きちんと対処していました。
しかし、いくら理沙さんが愛情を注いでも、真奈美さんがそれをきちんと受け止めることはできず、理沙さんのことを振り回す一方でした。

真奈美さんは、精神科で「境界性人格障害」と診断されました。
『正常』と『異常』の境界線上にいる人。
人格障害と名が付いていても、病気ではなく、極端な性格傾向にある人だということでした。
ボーダーライン・パーソナリティー・ディスオーダー(BPD)とも言われます。

「病気ではなくて、性格の偏り。。ということは、治らないということ?」
そういう疑問が真奈美さんをさらに追い詰めることもありました。
酷い自己嫌悪に陥り、自分を傷つける行動を繰り返してしまう日々。
真奈美さんの症状は、薬によって安定する時もありますが、極端に落ち込んでしまう時もありました。
病院から処方された薬を大量服薬してしまうこともあり、治療のためのアイテムが仇になることもしばしばありました。

今、二人はこういう状況の真っただ中に居ながら、何とか生活をしています。
理沙さんは、真奈美さんに平穏が訪れることを心から願いながら寄り添い続けています。
理沙さんの深い愛情が真奈美さんの衝動のブレーキになる日は来るのでしょうか。

2010/05/07 12:09 | LGBTと恋愛 | No Comments
2010/04/23

今回は、中橋とセクシャルマイノリティの方の対談を掲載します。

第6回目の今回は、ゲイのSさん(仮名・45歳)です。

中「Sさんは、Hさんとそのお子さんと3人で暮らしておられるわけですが、そうなるきっかけを教えて下さい」

S「Hは嫁さんとの折り合いが悪く、結婚後3年足らずで離婚して、子供を一人で育てていたんです。そして、その子が高校に入学した時に、私との関係をカミングアウトして、以来3人で遊びに行ったりしながら関係を育てて、高校を卒業したこの春に3人で一緒に暮らし始めました」

中「そもそもSさんとHさんが出会ったきっかけは何だったのですか?」

S「今で言う出会い系みたいな感じで(笑)」

中「Hさんにお子さんがおられることを知ったときはどう思いましたか?」

S「そりゃあ、びっくりしましたよ。しかも、男手一つで育てているっていうからなおさらね」

中「SさんとHさんが出会った時、Hさんのお子さんは何歳だったのですか?」

S「ちょうど小学校を卒業する頃だったから、12歳だと思います」

中「Hさんのお子さんに、お二人の関係をカミングアウトするきっかけは何だったのですか?」

S「HがK子(Hさんのお子さん)が中学校を卒業する直前に、自分のセクシャリティをカミングアウトしたんです。その延長で、私との関係も間もなくカミングアウトしたと」

中「K子さんは、ショックを受けたのでは?(焦)」

S「私も心配しましたが、K子はHのセクシャリティについて早くから気付いていたみたいで、カミングアウトというよりも、K子に促されて告白したみたいな感じだったそうです」

中「そうなんですか。理解のあるお子さんですね」

S「K子は本当にいい子です。こういう子供に恵まれたHはラッキーだと思います」

中「それで、SさんはHさんの彼氏としてK子さんに紹介されたわけですが、その時のK子さんの反応はどうでしたか?」

S「K子とは、Hとの付き合いが始まった当初から、Hの友人として頻繁に会っていました。私が家庭教師みたいな感じで勉強を教えることがよくありました。そういうせいもあってか、K子はむしろ喜んでくれました」

中「何だか理想的な関係ですね」

S「K子にとっては、Hが母親。私が父親的な感じかもしれません」

中「今は3人で暮らしておられるわけですが、どんな感じなのですか?」

S「(笑)K子は、私の母校の大学への進学を望んでいて、残念ながら現役では合格できずに、この春から予備校生になりました。私は仕事の関係もあるので、勉強をみてやるにも限界がありますが、受験生の父親役をしっかり果たそうと思います。K子もそれを望んでいるようです」

中「K子さんには理想的な環境なのでしょうか?」

S「厳しい質問ですね。K子の母親は、K子がまだ赤ん坊の頃に、K子を捨てるように家を出ました。K子は母親のことは何も覚えていないらしく、自分には母親という概念が無いから、母恋しくは無いと言っています。強がりだとは思いますが、K子が私を家族として受け入れてくれていることに本当に感謝しています」

中「Sさんは、K子さんのことを我が子のように思われているのですか?」

S「はい。例え、Hと別れるようなことがあったとしても、K子との親子のような心の絆は永遠だと思っています」

中「三人の家庭を創り上げておられるのですね」

S「以前のレインボーノートで『子はかすがい』という記事がありましたが、まさにそうだと思いますよ(爆)」

中「K子さんの将来が楽しみですね」

S「はい。私の母校へ進学して、私と同じ職業に就きたいと言ってくれているので、尚更楽しみです。一緒に仕事が出来る時が来るかもしれないと思うと、本当に嬉しくて」

中「SさんとHさんとK子さんのご家庭が、末永くお幸せになるように願っています。今日はありがとうございました」

S「こちらこそ」

2010/04/23 12:01 | LGBTライフ | No Comments

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