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2013/04/30

一昔前はイントラになるのに、日本国内のダイブショップ、現地サービスもしくは海外で働きながら(修業)しながらイントラになるか、または大学サークルでもまれてイントラになっていくという大まかに2つしか無かった感じでした。教わるといってもある程度は教えられますが、大半は自分自身で努力や考えて一段一段進んでいったものでその時はそれが一番良いとされてきたのですが、その当時はスキルに長けているとか体力があるなど一握りのものしかなれない世界でもあり、ダイビング人口を増やしていくためにはある程度の基準を緩めてトレーニング内容を細かくマニュアル化したトレーニングを行うようしていくことで、狭き門から多くのダイバーたちがイントラ試験を受けられるようにすることがダイビング人口増加に欠かせないと各指導団体が考えてきて、現在の形になってきました。その影響かイントラ試験の内容などかなりマニュアル化されてしまい、それを身につけたインストラクターの中には、実際の現場で刻々変わる環境やゲスト達を前にしてしまうとなかなか持っているスキルが出せなく、リタイアしてしまう者なども出ているのが今の姿だと思います。時代がどう変わろうとインストラクターとしての成長をさせるためには、昔から続けてきている少し過酷な訓練もやはり必要不可欠なのではと考えます。

今、現在も現役な先人たちもまだまだ多く活動していますが、その続いていってくれる者たちがさらに多く育ってもらうことを願うばかりです。

今回の魚:クダゴンベ

ウミウチワ類に生息している種で、体の柄も綺麗なのでフォト派から人気のある種でもあります。

11:07 | nihei | ダイビングインストラクター はコメントを受け付けていません
2013/03/30

魚と話というか意志の疎通が出来るというとかなりオタクでやばい人のように聞こえるかもしれませんが、仕事上毎日水中にいる方が長く、相棒になるのが魚なので長いことガイドをしていると手に取るように解り合えてきます。

初めの頃は姿を追いかけ回すだけでしたが、だんだん慣れてくると目を見ているだけでどんなことを考えているのか判るようになります。その感覚が解ってくるとお互いに会話があり、「こっちに来るなよ」と言いながら牽制したり威嚇してきたり、または「あんたは誰だ〜〜」と奥の方から恐る恐る覗いていたり、まるで本当に人間の感覚のように接してきたりします。こちらも「すみません、写真撮らせてもらいます」とか「もう少し近寄ってもいいですかね」などなど言いながら接したり、捜し物が見つからないときなどは「どこに隠れた〜、お願いだから出てきて〜」などとぶつぶつ言いながら探していると「はい、ここに居ますよ」と姿を現して答えてくれたりもすることがあるので、こちらはすごく助かっていたりもしています。

このようなスタイルでのダイビングをメインで続けていると普通に水中で良く聞こえるように喋ることが出来たりするので、見せている生物をライトで照らしながら話しかけているとゲストにもよく聞こえたりるようでその場で笑われたり、頷かれたりと面白いリアクションがあったりするので、気をつけているのですが、癖になっていることはそう簡単に止められないみたいです。

皆さんも水族館など行かれたときには良く見ていると話しかけている魚がいたりしますよ。

今回の魚:アカネダルマハゼ

エダサンゴ類の奥の方に生息している種で、奥から覗いている姿が何ともいえません。

11:06 | nihei | 魚と対話 はコメントを受け付けていません
2013/01/23

バリアフリーダイビングと言う世界があります。障害のある方がスクーバダイビングを楽しむために作られてきたダイビングの一つの方法がバリアフリーダイビングと言う世界になります。セブにもここ数年、バリアフリーダイビングを行っているダイビングショップツアーが来られて皆さん各々ダイビングを楽しまれています。バリアフリーの方々を初めて受け入れるときは、ちょっと戸惑いと経験したことがないためかなり躊躇した記憶がありますが、来られた方々と接していてダイビングしている姿や表情を見て心から楽しまれていて心の奥から笑っている姿などを間近で接していると今まで閉鎖的に考えていたと思い知らされました。

ハンデをお持ちの方とのダイビングは、全てにおいて細心の注意が必要になり、またサポートするためのダイバーもハンデの状態によって増えたりするためコミュニケーションが水中で多々必要になることもあり、それは大変なことなのですが、その方々が楽しまれている姿を見ているとイントラ取得時の誰でも楽しませられることを目標と掲げた初心を思い出させてくれます。

しかし現実的に人員やリスクなど多くの問題があるため、バリアフリーを行っているショップはまだそれほど多くはなく希望される方々の受け入れはまだまだ足りないのが現状で、規模を大きくさせるためにはどうすればよいかとか、日本の海での受け入れ体制などの話やなぜ始めたのかなどの話などをしていると海を楽しみたい人は誰でも楽しめるのが一番というポリシーが多くのショップオーナーに共通している点だと感じます。 ダイビングをしてみたい全ての方が楽しめられる世界をこれからも継続して続けて行き、さらに広がって行くことがこの業界で働く意義なのでしょう。

これからもがんばりましょう。

 

今回の写真 ソラスズメダイ

まだ小さい個体で、体が綺麗な空色の子です。

生息場所も浅い所なので誰でも見ることが出来る種です。

12:09 | nihei | 海は誰でも楽しめる はコメントを受け付けていません
2012/12/04

海の中には多くのゴミが投げ捨てられていて年3〜4回程度、日本人ダイブショップが集まりゴミ拾いをしています。ゴミの中で一番多いのはテグスなど漁やボートに使っているもので毎回、かなりの量が取れます。漁の場合は釣り針が根掛かりで切れてしまう場合が多く、そのまま月日が経ってしまうと珊瑚や海綿などが付着して取るのも大変なことや魚などが引っかかってしまいそのまま死んでしまうなど見てられない場面もあったりします。

次はビニール袋などのビニール製品が水中を漂っていたりします。これは海辺に住む人たちが捨ててしまうことや、ボートから投棄されたもので間違って魚などが食べてしまうと消化系で障害が起き死んでしまうなど生物系にとってはかなり深刻な問題もあります。

遙か昔から行われてきた習慣で、海や川、陸地などにゴミとして捨ててきた物たちも文明の進化で、簡単にゴミとして捨ててしまうことによって環境にダメージを与えかねない物ばかりになってきている物が多くなり、全ての人たちに教育して理解してもらわなければ本当に大変なことになる一歩手前まですでに来ているような気がしてなりません。

今回の写真 イロカエルアンコウ

生まれて間もない小さい個体です。元気に大きくなる育ってくれると

うれしいのですが。

02:39 | nihei | 水中清掃 はコメントを受け付けていません
2012/10/23

秋に入り台風も頻繁に発生している時期を迎えています。大半の台風はフィリピン沖合でできるため、セブでの影響はそれほどではありませんが、小笠原からグアム沖で発生して発達しながらフィリピンに向かってくる台風はその進路によっては甚大な被害を起こすほどの影響を与えることもあります。

災害をもたらす台風は出来れば近寄って来てもらいたくないと大半の方は思うのでしょうが、海にとってはすごく恩恵をもたらしてくれるため、一年に最低でも海中の活性化のため一度は来てもらわないとなりません。

海の恵みの大半は他の海からは台風と一緒にやってくるプランクトンなど生物たちに欠かせない資源が運ばれてきて、それによってさらに豊かな海を形成することや海が荒れることにより水中が攪拌され、深い場所の栄養が上がって来ることにより生物達の生きる糧となるため必要な自然現象なのでしょう。

また、生物たちが生息分布を広げる手段のひとつにもなっていて、グアムや小笠原沖合からフィリピンに運ばれてきた卵が成長して新たなコロニーを作り、またフィリピンで生まれた卵などが台風や黒潮などで沖縄に運ばれ、新たなコロニーを形成して広がり続けています。これが毎年繰り広げられ日本でもフィリピンでも見られる同じ種などはその海に長い年月をかけ築け適応してきて分布図を広げてきたのだと思っています。

 

今回の写真

オウモンカエルアンコウ

体長5mm程度のまだ生まれて間もない子どもです。このまま大きくなれることを願うばかりです。

06:49 | nihei | 台風の贈り物 はコメントを受け付けていません
2012/08/24

今、海の中は多くの種が産卵を行っていてそれはカラフルな色合いの卵などが見られます。それらが孵化して新しいコロニーを形成し生態系を維持していくのでしょう。多くの種は小型のためその生まれた卵達は他の魚などのエサになるため、親たちはいろいろなカモフラージュを駆使して子孫を残す努力をしています。生まれてしまうと子ども達は自分の力で生き延びなければならないため、自分の身を守る術を生まれながら持っているすごい生物でもあります。

この時期ぐらいから生まれて間もない子ども達を見ることが出来るのですが、小さいながらも自分の家を持ち、それを守りながら生きている姿を見るとついつい勝手に親心が出てきて壊れないようにサンゴの欠片などで補強などの余計なお世話をしてしまうのですが、それが気に入らないのか数日後に確認しに行って見ると補強用のサンゴなどが排除されていて最初の姿に戻っていることがよくよくあります。

こちらの感覚で、見た目的にも対外敵に見ても無防備に見えてしまうので、また手を出してしまうというただの嫌がらせになってしまっているような感じですが、気になると見にいってしまう悲しい自分がいます。

今回の写真

キンセンイシモチ

孵化するまで口の中で保育するすばらしい親

02:05 | nihei | 親の気持ち はコメントを受け付けていません
2012/06/11

日本では沖縄をはじめ深刻な問題となっているオニヒトデの異常な大量発生ですが、ここセブでも毎年頭を抱える問題の一つで、サンゴの被害は毎年多くなってきているように感じています。気候のせいなのかまた水温が高いためなのか判りませんが、このオニヒトデ動きが思っている以上に速く一日の移動距離はかなりのもので、前日に発見しても駆除しに次の日に潜っても大半は姿を消しているため全てを捕獲することが困難で周りに拡散していっているのが最近の現状です。

オニヒトデ自体は海の生物全体から考えても必要な種なのでしょうが、いなくてはいけない生息数より、その一度大量に発生すると数百倍にもふくれあがるのでそれだけで人間の手によって汚染されていくスピードよりも数倍も早く海全体にダメージを与えていきます。

 

これまでの駆除方法は海から引き上げて陸に揚げて地中に埋めるか乾燥させて燃やすなどしかなく、人員もお金も悪臭も掛かる人泣かせの生き物ですが、最近研究が進み酢酸を体内に注射すると2〜3日で動きが止まり徐々に溶けていくということが判ってきました。この方法は沖縄などでは実際に使われ始めているみたいで成果もこれからフィードバックされてくるのでしょう。

しかし個人的に気になる所があるのですが、それは注射されたオニヒトデはそのまま放置されて溶けていくのを待つため、発生数によっては溶けるまでオニヒトデがそこら中に存在することや間違ってゲストが触ってしまう危険などなど、まだまだ多くの問題が山積みになっていることですが、今年中にはセブでも注射による駆除をスタートさせたいと考え中です。その後も処理についても、、、。

 

今回の写真

引き上げたオニヒトデ

クマドリカエルアンコウ ブラックカラーバージョン

オニヒトデのみ写真では味気なく綺麗な色合いの魚を入れました。

10:08 | nihei | オニヒトデ問題 はコメントを受け付けていません
2012/05/03

去年からセブ島の南側に位置するオスロブ市が有名になっていています。その有名になったことはジンベイザメの餌付けです。この餌付けによってスノーケリングでもダイビングでも必ず目の前でジンベイさんが優雅に泳ぎ、大きな口でエサを食べる行為が繰り広げられ、まるで水族館にある巨大な水槽の中にいるような自然の環境では考えられない日常が繰り広げられています。ダイバーにとって水中で見たい生物ナンバー3に入るジンベイなので毎日多くのダイバーが押し寄せています。水中ガイドとしては自然な環境に生息している姿の生物を見せるのが普通なのですが、ここのジンベイザメはそれに相反する見せ方になり複雑な気持ちになります。

セブ市から見ると田舎のオスロブ市は、いまでは金でも発掘したような騒ぎで市一丸となって事業展開中なのですが、自然に住むジンベイがいつまで居続けてくれるかは不透明で、しかも餌付けになれたものが自然に戻れるのかも不明な点があるだけに、ゲストを連れて潜りに行くことはこの事業に参加している事になると思うと行くたびにいろいろと考えてしまいます。

今回の写真:ジンベイザメ エサに夢中なジンベイザメを足で押さえる現地エサあげボートマン。

12:40 | nihei | 最近の考えてしまうこと はコメントを受け付けていません
2012/04/02

カメラの進化でデジタル化した一眼カメラが一般となって来た今、撮ろうと思えばメモリーが大きいものだと300枚もシャッターが切れるすごくうれしい事なのですが、私がダイビングを始めた頃はまだフィルムカメラしかなく、一台で最大36枚しか撮れないため、1ダイブ60分間の時間では厳選しながらシャッターを切らないといけない時代でした。1ダイブで見られる生物体は多いときには50種を超えるや、珍しい行動をしている時など36枚ではすぐに撮り終わってしまうことがやや多くあったりしてフィルム数の少なさに悲しく思い、2台3台とダイビングのときに持って潜る台数が増えていった事が懐かしく思い出されます。またデジタルカメラも変わらないのですが撮りたいものによって使用するレンズも変わるのですが、レンズが変わるとレンズに合ったハウジングの前に付ける部分も変わるのですが、これは水中では交換することが出来ないのであれこれと撮りたい被写体が違えばそれに合わせてセッティングしたカメラハウジングを持ってダイビングをするわけですが、一眼カメラをセットしたハウジングはストロボなどを付けた完璧な状態で重いものだと陸上で20Kgとなる代物でこれを2台3台両手に引っかけての水の中の移動は滑稽な姿になります。

フィルムの時の一番良かった事と言えばカメラの操作はフルマニュアルのため、ちゃんと撮るために各自の好きな色合いなどを出すため基本なデータが必要なります。同じカメラを使って同じ被写体を何人かで写した場合、出来上がった写真は必ず同じように撮れないのでそこがすごく面白い所だった気がします。フィルムから初めてデジタル一眼に変えて撮った時はその違いがあまりにもありすぎてお粗末な写真を大量生産してきている今現在でこれからもデジタルと格闘して行くのでしょう、いつかは満足出来る写真が撮れる日を夢見て。

今回の写真:オオモンカエルアンコウ

10:00 | nihei | フィルム時代 はコメントを受け付けていません
2012/03/08

フィリピン・セブは観光資源でほぼ成り立っている場所で、そのほとんどが海でのアクティビティになります。自分も含めてですが、ダイビングに携わっている者として海を大事に守りながら仕事をしていかなければならないのですが、ここ数年、水中の景色が激変している場所が増えてきています。多くのダイバーが海に入る事によって起こることや、心ない者による破壊などによる多くは人間によるものです。ポイントによっては、入海料が設定されて様々な制限を設けている所も増えてきてなんとか保全に取り組んでいますがそれもごく一部なので、これからさらに増えて行けば良いかと考えています。

今、フィリピンのあちこちでジンベイザメウォッチングが出来るポイントが増えてきて、観光の目玉として過熱していますが、それぞれに現れるジンベイザメは自然の現象で集まるため、見る制限も厳しいものがあり長く続けていけると思うのですが、まったく異なる形で集まるポイントがここセブにも出来たのです。それは餌付けによって集めた感じでなにか自然からかけ離れたものに感じられてしまい、これを観光の目玉として扱って良いのか考えてしまいます。観光業で生きている自分たちにとっては、目玉が出来る事はうれしいのですが海を守るという言葉からは道が外れてしまっているようで考え深い問題です。

今回の写真:ハナミノカサ

11:50 | nihei | 考えること はコメントを受け付けていません

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