視線を感じる。
やっぱり、、、
こちらが歩くとむこうも歩く。
ああ、もっと大きいのが出て来た!
家の近所のチンタセネーゼの養豚場です。
チンタとは、ベルトという意味で、
お腹にベルトを巻いたように、白い帯のある
シエナ種の豚です。
この豚、歴史は長く、古代ローマの時代にはすでに養豚されていたと言われ、
しかし豚の原種、イノシシにとても近い高級豚です。
こちらに敵意はないと確認すると、
柵の近くまで集まって来て、
まるでそこのドングリを採ってくれと言っているかのように人懐っこい。
豚も可愛いもんですね。
このドロドロの地面、
豚達にはちょうど良いのですが、
私たちには頂けません。
かといって引きこもるのも頂けません。
どうせなら、水つながりで
長女が夏からずっと行きたがっていた「釣り」に。
目指すは海ではなく、こちらの湖。
「もう冷たいよ、、、」とブツブツ言いながらも、
釣り竿を持ってついて来てくれたリーノさん。
今日はキノコではなく、魚について教えてもらいます。
エサは巨大ウジ虫。
ゲー、中でムニュムニュ動いてる〜
なんて言葉は心にとどめておくと、
やはり子供達は全く平気なようです。
強いもんですね。
さあ、釣れるかな?
なんとか釣らせてあげたいと
パチンコで飛ばすのは、トウモロコシの粒。
魚をおびき寄せる作戦です。
しかしその後ろ姿変わらず。
奥で微妙な水面の動きがあったので、
私は一人、コッソリと反対岸へ。
まるで絵画のような世界。
子供達の声から離れ、耳に入るのは
動物の動く音で一斉に飛び立つ鳥の音、
風の音、そして
ミツバチ達の羽音。
水面が動いていたのは実は、
ミツバチが泳いでいました。。。
しかし、なんて贅沢な時間だろうと
一時間くらいボケーとしていたら、
「肉食べないなら釣りなさいよーーー!」
と叫ばれました。
どこでもかあちゃんは
みんなの腹時計にピッタリと合わせてくれるのです。
一旦竿を置いて、
お腹の中から暖まった後はもう一度!!
みんな少しずつ場所を変えて再挑戦!
なのですが、
少し浮きが揺れたような気がする物の
全く釣れる気配なし。。。
辛抱が切れた私は竿を置き、
やっぱり草。
こちら、喉の掃除なんて言われる、
生で食べるとイガイガとする苦い野草。
他にも、タンポポ系のラディッキオ、
菜の花系のラパストレッラなど。
さっと湯がいて酢をきかせると美味しい、苦い野草ばかりです。
正に陰の中に育つ陽です。
さて帰り道、
釣ろうとは思っていなかった私は
釣れない事にイライラし、
ものすごく楽しみに釣りに挑んだ娘達は、
「水の表面は冷たいけど、
下はそうでもないから上がって来ないんだよ。
水温の上がるポイントを探さないとねぇ、、、
難しいけど、いつか必ず釣れる!!」
意味もなく苛ついたかあちゃん、
恥じるばかりです。。。
こちら、オイルになる直前のオリーブ。
綺麗な色〜、、、なんですが、
よーーーく見ると、
虫が入った跡が沢山!!
今年は雨の量が多過ぎて、秋になるまでずーっと気温も上がらず、
全体的に湿度が残ったままでした。
農作物には多大な影響があり、
この湿度によって、
オリーブに集るコバエがいて、それが大漁発生。
なんてことでしょう。。。
作物に虫が入り込むと、作物が自ら、
味を悪くして、実を落としてしまいます。
味や量をキープする為には、農薬を使わないといけないと言う農家も沢山ですが、
それを自分が食べるかと思うと頂けないですね。
どこの農家(自然派)からも、
「今年はオイルがないよ」との声。
そこでかあちゃん、
村はずれの搾油場へ、去年のオイルを分けてもらおうと行きました。
すると搾油場のアレッサンドロさん、
「搾油代金と交換に引き取った、自家用のオイルがあるけど、それにする?
安全だし、品質も保証するよ。ただ、量は限られてるけどね。」
と。
「1年耐えるならそれにする!」
と返事をしました。
1年耐える???
と思われたかもしれませんが、
オリーブオイルは、実を絞って出るジュースのようなものなんですね。
当然、実の品質が悪ければ、
痛みも早く美味しくもありません。
普通に元気な実からのオリーブオイルの賞味期限は2年。
絞った瞬間から酸化が始まり、
2年経つ頃には商品価値はなくなると言う事です。
今年は1年持たないかも、、、と言われる中でも、
木に残った数少ないオリーブから採ったオイルを分けてもらえるのは
とってもラッキーなのです。
ついでなので、
搾油場の見学も。
刈り取られたオリーブは、
そのままこちらへフォークリフトでザザザッと入れられます。
そこから奥の階段が着いたベルトコンベアで運ばれます。
次の部屋へ進むと、
まず葉っぱを吸い上げ、実はジャブジャブと洗浄。
綺麗になった実は、
こちらでゴリゴリと潰されていきます。
潰されたオリーブから絞り出て来た液体は
左が油、右が水分に別れて出て来ます。
先ほど、ジュースのようなものと書きましたが、
実際はオイルがメインで、ジュースは特別廃棄処分となります。
そして完全に油分だけになり、出て来たオイル。
こちらが我が家のお裾分け分15リットル。
さて、お味は??
湿度のせいで、今年は絞り立てでもピリッとはしません。
ですが、絞り立ては必ず
飲みたくなるほどサラッとフレッシュです。
オイルと言うより本当にジュースですね。
湿度が多いとずっと書きましたが、
肝心のキノコの季節には雨がピッタリと止んでしまって、
10月頭には少し採れたキノコも、
それから何度となく森に入れどキノコは見つからず。。。。
「しょうがないから栗を拾う」
と言い出した子供達。
それが、、、
栗まで小さくて、虫に食われていて、、、、、、、
採れたのは少しのザクロとコケモモだけ。
自然相手は、なす術がありませんね。
そんなときに役立つのが!
前に採ったフィンフェルリに
唐辛子にツナやケイパーを詰めたもの、
などのオイル漬け。
味はその時のまま、フレッシュで美味しい!
今週になって雨がまたひどくなって来たのですが、
気温は下がらず。
雨の被害は恐ろしいですが、
上手く行けばこの後キノコが生えるか!?
もし生えなかったら、、、
なすびのソットサーレも開けてしまおう!!
ここ数日は、日中とても温かいのですが、
朝は一面の霧に包まれるブオンコンヴェント。
空き地に雪が積もったかのように白く見えるのは、
蜘蛛の巣に朝露が張りついたもの。
先週、
「古生物学者の友達と、化石を堀りに行く企画をするけど、行く?」
と友達から連絡があり、
2つ返事で参加してきました。
エトルリア人のお墓や建造物が沢山見つかる、
ムルロという小さな街を少し行った所。
車を置いて、各々背中に荷物を背負い3kmほど歩きます。
ここもまた霧でスッポリと覆われています。
霧を透かして届く太陽の光がものすごく幻想的。
「まるで月面着陸したみたいだね」
と、スケールの大きな気分に。
1時間ほど歩く間に、
霧がだんだん上昇して行く様子がまたなんとも言えません。
こちらにも蜘蛛の巣が沢山。
本当に芸術的。
子供達が
「白くなった所を指で触ると透明になるよ」と楽しんでいました。
やっと着いた!
場所を提供してくださった農場主の方、
3千万年前までは海底だったこの土地、
火山の噴火や地震によって、
アフリカ大陸からの押す力によって
海底が盛り上がり、シエナの土地が出来上がった、
という話から、
自身の化石コレクションを紹介してくれます。
ザ、化石。
アンモナイトの跡。
普通は熱によって溶けてしまうのですが、
これは型がきっちりと残った珍しい葉っぱの化石。
自身の土地で見つかった物ではないけれどと、
こちらも珍しい小魚の化石。
トンカチやスコップを手に持ち、
もうワクワク気分が押さえられない子供達。
さあ、いってらっしゃい!!
好きな所を掘って宝を見つけて来て!
30分もしないうちに、
両手一杯に化石を運んでくる子供達。
現代でもよくある貝なんですが、
化石の貝って大きいのはなぜ?と質問してみると、
「今のように、食べられることも少なかったから、
好きなだけ育つ事が出来たんだよ。
牡蠣なんてどこまでも大きくなれるから、
30センチ、50センチの化石だって見つかる」
と古生物学者の答え。
海の底も、その時代は伸び伸びと出来たんでしょうね。
地元の小学生が見つけた、
サメの歯の化石。
3千万年を過ごしたとは思えないほど綺麗です。
私もそろそろジッとはしていられない。
丘を越えたところには大きい物が沢山あるよ!
と子供達から情報を得ていざ、
あった!
でっかい!
こちらはサイズ的には普通ですが、
完璧な形のままの牡蠣!!
シエナ大学で教える古生物学者のイーヴァンさん。
一人一人、取って来た化石が何なのか、
どのように生息していたのかを丁寧に教えてくれました。
それぞれ持って来たお弁当でお昼を済ますと
子供達はまた丘を駆け下りて行きました。
その間、大人達は草の上にゴロリ。
シエナの街から、
ローマへ続くカッシア街道まで一望出来るほどの標高です。
海底だったとは信じられない高さです。
3時を過ぎると
「パンパン!!」と狩猟の音。
子供達は何処に!?
呼び戻さないと!!
と四方八方叫ぶと、
丘の一番下の薮から一人目がヒョコッと。
まるでシカの家族が恐る恐る顔を出すかのように
7人全員がヒョコヒョコと出て来ました。
「何してたの?」
と娘に聞くと
「薮の向こうの一番下に、
すっごい綺麗な川が流れてて、
粘土の塊があったりで、
みんなパンツになって遊んでたから、
呼ばれてもすぐに来れなかった」と。
トムソーヤばりの冒険は
いつだって学校の勉強より遥かに楽しいです。
家に帰ってシャワーを浴びたついでに
取って来た化石も綺麗に磨く、
こんな事はさっさと一生懸命やるんですね。。。
冷夏の今年、
しばらく秋風が吹き、曇り空が続き、
このまま冬に突入か、、、
なんて思っていたのですが、
ぶどうの収穫時期はキッチリと晴れ上がりました!
久しぶりに、モンタルチーノに住んでいた頃に眺めていた景色を楽しみに。
やっぱり遠くの遠くまで見えてきもちイイ〜。
子供達もこれを見て育ったんだなぁと思いながら、
かあちゃん、思う事が。
先日、故スティーヴジョブズ氏が
「子供達にはテクノロジーを制限している。
iPadも使わせていない」
という記事を読みました。
(古い記事ですね)
私もテクノロジーには反対派だったので
この記事によって勇気が沸きました。
テクノロジーを全面的に否定しているわけではないのですが、
「今の時代必要だよーー」
と、なんとなく、
「右向け右」的な考えがちょっと。。。
という私自身も若い頃は
「これがイケテル、あれがイケテル」
とイケテル物探しに触覚を張り巡らせていたのですが、
突然マクロビオティックの世界にどっぷりとハマり、
自分の世界が一新しました。
そこで感じたのは、
「自分に触覚なんてなかった」
なんですね。
一人でひたすら
目に見えるもの、手に取るもの
陰か、陽か、と考えていました。
そしてモンタルチーノに来た頃、
「イケテル=人まね」だったと陥りました。
モード=ファッション最先端、
イタリア語ではモーダ、
本来の意味は
群れをなして同じ事をする、世間に受け入れられる
だそうで。。。
当時のイタリアの田舎は、人もとっても田舎だったのですが、
この14年で子供は変わりました。
テレビにかじりつき、
コンピューターを操作し始めて、
7、8歳からスマートフォンを操り
友達同士でメッセージを送り合い、アプリケーションで遊ぶ。
9歳の娘に
「公園で遊ばないの?」
と尋ねると
「誰も遊ばないよ。バールでジェラートを食べて
携帯で音楽を聴いて、町をブラブラと歩くんだよ」
と返答が。
携帯を持たない娘は大変だろうなと思いつつ、
ガッカリ気分が晴れない私。
幼少期の真似事をして学ぶ段階の後の時期、
学んだ事を発展させて何かを編み出す時期に、
出来上がった物に夢中になるのは、
「触覚が!あなたの触覚削らないでーーー」
と叫びたくなるかあちゃんです。
触覚維持のためには自然は最高!
さあ、目を開いて、感覚を研ぎすませて、
食べられるキノコを探してください!!
登れ!登れ!と煽るかあちゃん。
ところが、後からゼーゼーと登り切った私に
「待ってたよ」と
長女が見つけたタマゴ茸!
色も形も香りも本当に良い!
こんな中から
こんな小さなフィンフェルリを探し出すのですから、
やはり触覚はかあちゃんの負けなようです。
週末のお天気に誘われ海まで。
10月はさすがに寒いだろうと思っていましたが、
あまりの透明感に子供達は
流木をボート代わりに大はしゃぎ。
地元のマウロさんが素潜りで得た獲物に、みんな興味津々。
「タコは頭がいい」なんて話に夢中です。
こちらは大人が建てた流木小屋。
ひたすら穴を掘った後は、
その濡れた砂で
ポルペットーネ(でっかい肉団子)。
楽しい!
人間の触覚って、どれほど維持出来るんでしょうかね。
新学期が始まりました!
新しい学年です。
本を一冊なくしたチビちゃんは、
「行きたくない〜」
なんて言っていたのですが、
学校に着くなり先生に、なくしたことを伝えたそうです。
そしたら、
「先生ね、バカンスのものだから、
もういいよ、って言ってくれたよ!」
とピカピカの笑顔で帰って来ました。
久しぶりに見るクラスメイトに、
2人とも無事に楽しく学校生活が始まりました。
さて、学校が始まるなり始まったサグラ。
sagra val d’arbia in Buonconvento.
ブオンコンヴェントのお祭りです。
戦争で潰れてしまったポルタ ディ ソット、
の、ハリボテ。
こんな風にあったんですね。
街中には写真展があり、
戦後の風景から1900年代まで遡った、町の写真が展示してあります。
が、
空襲により壊れてしまったところ以外は、
全く変わっていないんですね。
私たちの家も、
もちろん今のまま。
本当に何も変わらないんだと、
日本人の私は思わずつぶやいてしまいました。
このままあと何年その姿であるのかはわかりませんが、
二度と人為的には壊されて欲しくないのは皆一緒ですね。
さあ、お祭り最初の催し物は「馬!」
30頭もの馬と馬主の行進です。
かっこいい〜〜、、、と熱い眼差しを送り続ける娘達。
いつかね、いつの日か、、、
娘達は広場にて
乗馬体験に来る人たちのお手伝いを。
ついでに私も馬車に乗せて頂きました。
馬の背中って、思ったよりも高いんですね。
このお祭りの目玉の一つ、
4つの地区が繰り広げる、道ばたレストラン。
夜も更けてだいぶ経った頃、
何やら反対のポルタの外が騒がしい。
仮設野外ライブ場&ディスコテカ!
日が変わって、同じ広場にはこんどはメルカート。
私たちが買ったのは、
オリーブの木で作ったナッツ割り。
クルミ、アーモンド、ヘーゼルナッツがぴったりとはまるように出来ています。
今まで石で叩いていたけど、
こんなハンマーがあると気分も盛り上がります。
ん?
街中がなんだか騒がしい。
サッカーの試合を思わせるほどの騒がしさですが、
4つの地区の、
手作り2輪手押し車の競争でした。
え、、、しょぼい、、、
なんて思わないでください。
全部手作りで、
部品をかき集めてきて、
どうやったら倒れないか、
どうやったら速く走れるか、
どうやったらバランスがいいか、
なんてことを大人と子供が一緒になって考えるよいチャンスです。
勝った地区の、この喜び様!!
この週末には、
町中がメルカートになり、移動遊園地があり、
ファッションショーがあり、
道ばたレストランが全開になります。
さて、私はそんなお祭り騒ぎを一日コッソリと抜け出し、
モンタルチーノへかり出されて来ました。
ヴェンデミア、ぶどう狩りです。
今回はブルネッロ用が、
あともう少し、元気で育ち切れるように
周りのぶどうや葉っぱを切って行く作業、
どれを切るかは、カンが頼りになるので
結構大変です。
だけど雨が多い中、
晴れ上がる空の下にいるのは最高〜。
遊び疲れた子供達はここでお昼寝。。。
刈り取られたぶどうは無駄にはしません。
ロゼワインとなります。
赤ほど待たなくても良いので、
近い先のお楽しみですね!
今朝、起きるとすぐに
「頭がいたーーい」
と言うお姉ちゃん。
「宿題は?あと何ページ?」
と尋ねると
「算数ばっかり19ページ。。。。。。。。」
と言葉に詰まるお姉ちゃん。
頭痛の原因がわかりましたので大丈夫。
今日は夏休み最終日なのです。
今年の夏休みは、
「宿題って言葉は一切言わないで!」
と言われていたので、
本当に9月に入るまでなんにも言わないでいたのです。
私が本当に口出しを我慢すると、
案外上手く行く事の方が多いのですが、
こればっかりはダメでした。
ついでにチビちゃんも
「宿題は終わったけど読まないといけない本が2冊。
しかも1冊見つからない。。。。」
と。
あれま、、、、
こんな調子で夏休み最終日は、
私が小さい頃とあまり変わらない光景となりました。
さて、
夏休み中に行った楽しかった所をご紹介。
ここから海方面へ約80キロ、
モンテペスカリという街の麓にある彫刻家のところへ。
大きな木や粘土を使って作品を作るマルコさん、
気さくで心の底から自由な人です。
「あっち見てごらん。世界の人たちがいるから。日本人もいるよ!」
と言われ降りてみると、
振り返ってギョッとしました。
すべて実在のモデルがいるそうです。
壁から覗いたこちらの馬!
最高じゃないですか?
壁全面、馬の頭にもフサフサとつたっているのはブドウ。
今頃行ったら頭からブドウがぶら下がっているのではないでしょうか。
お昼ご飯をごちそうになった後は陶芸教室。
大人から赤ちゃんまで、
マルコさんが培った技術を惜しみなく披露してくれるのですが、
それより印象に残ったのは、
「いいじゃない〜〜!!もっともっと!!
わああああああああああ素晴らしいーーーー!
思いっきり出して出して!!!!」
と粘土をドンドンと足していく。
とにかく自分の中にあるものに
ストップをかけそうになる瞬間、
この人はドンドンとストップを外して前へと押す、
そんな印象を受けました。
と言う事で、粘土に集中して向き合っていると
なんだか静か、
「畑にイチゴが沢山あるぞ!!!」
と子供達とかご一杯に。
視点や動きの速さが子供達と一緒って、
たったそれだけで
かあちゃんとしては素直にすごいと思いました。
縦も横も2mを超える大作。
筋肉の動きまでわかってしまうような
息を吹き返しそうな作品です。
「これは僕の生徒が8歳のときに書いたんだ」
と。
「なんだろう?体か鳥か、、、」
とつぶやく私に
「かあああああああああ、固まらないでね〜」
と言われてしまったかあちゃん。
横から子供達が思いがけない物を
ポンポンと答えるのにはまた
「素晴らしい!最高!」の連続。
皆さんはなにに見えますか?
「見えてる物だけ見てちゃダメだよーー」
なんて言われても難しいですねぇぇ。
私が今まで生きて来た中で、
鳥とはこうゆう物ですよ、こんな形ですよ、
とインプットされて来た物を
鳥に限らず全部リセットしてみたい
と思った一日でした。
なんて書いている後ろで
お姉ちゃんはまだ
「あと4ページ。やっぱり頭が痛い」
と。
そうりゃそうでしょう。
3ヶ月間、いっぱい楽しい事をしたんだから、
明日からはまた頑張ってね。
一杯勉強しても、
自由な発想は忘れないでいて欲しいと願うかあちゃんです。
近くのビオ菜園で頂いたズッキーニ。
「詰め物をすると美味しいよ」
と言われたので、早速、
くり抜いた中身とツナ、オリーブ、玉葱、パン粉に
オレガノ、バジリコ、タイムなんかを混ぜて叩いて詰めて焼いたところ、
肉厚でとっても美味しかったです。
さて、8月に入ってやっと、
夏らしい暑さになった南トスカーナですが、
時折、秋を感じさせる風がもう吹くんですね〜、残念。
涼しいのを良い事に、我が家の8月はグウタラです。
嫌でも「宿題」の2文字が迫ると、
何もかも嫌になるんでしょうね。。。
これではいけないと
自転車で気分転換!
と出たのですが、緩やかな坂を登り続けていると
後ろでチビちゃん、
「マンマ〜、喉が渇いたよ〜」
と泣き出しました。
「帰ろうよ〜〜」
人気がないのを良い事にワーワー泣き出しました。
「心に溜まった物が出て来たのか?!」
と内心喜ぶかあちゃんですが、
水を持って出なかったのは失敗。
引き返すも、続けるも、同じような距離。
さて、、、、、
ありました!水分!
道々、よーく見るとあるある、
野生のブラックベリー。
ワーワー泣いていたくせに、何粒かパクパク食べると
「もう足も痛くないし喉も乾いてない」
と、
こんな状態に。
もう手も口も真っ黒です。
変な天候で、全部が熟れているわけではなかったのですが、
イバラに手を突っ込んで、
プックリと膨らんだ真っ黒の実を選ぶと本当に甘くて美味しい!
機嫌もよくなりますね。
そんなチビちゃん、この夏、習得した事が2つ。
1つは泳げるようになりました!
泳げるとは言いがたいのですが、
足がつかない所もスイスイ犬掻きで進めるようになったので、
ひとまずかあちゃん安心出来ます。
そしてもう1つ、
ついに馬に乗れるようになりましたー。
最初から言われていた通り、
すべて一人で出来なくてはいけません。
馬のお世話から、
鞍をつけるのも、足置きを調節するのも一人で、
最初は綱を引いてもらって練習していたのですが、
徐々に綱もなし、鞍を外して一人で乗ってみたり、
後ろ向きでバランスを取ったり。
これは馬の繋ぎ方。
ロープの結び方をなんどもなんども、
完全に覚えるまでやっていました。
繋いだ後は、
蹄の掃除。
馬って本当に心を読んでしまうんですね。
体重の軽いチビちゃんが馬の足を持ち上げるのは大変。
「私がやるとなかなか足をあげてくれない。。。」
と言ってしまったもんだから馬もそのつもり、
蹄一つに結構時間がかかりました。
そこで現れたお姉ちゃん、
「こうするねんよ」と、
なんと、自分のお尻でドンと馬を反対側に押しました。
すると自然に反対の足に重心がかかり、
楽々足が持ち上がるんですねぇ。
さすが!
動物相手は良い知恵比べになるなぁと感心したかあちゃんです。
そんな最初は頼りなかったチビちゃんも、
今では「トロット!」とパカパカ乗ってるんです。
いやいや、頼もしい!
「カッコイイ乗馬の世界もあるけどね、
馬と一体になれる感覚もいいもんよ」
と、ここの先生。
カッコイイばかり追い求めるのではなく、
じっくりと付き合い、
関係を良くする事を一生懸命考えるのは
とても大切なことではないでしょうか。
馬の態度によって、こちらの態度を変えてみる、
馬の気持ちを理解しようとする、
一方通行ではなくて、
反応が返って来ると、子供達の目もキラキラしてきます。
そして、
かあちゃんとしても学ぶ事が沢山ありますね〜。
馬にごはんを配り歩くと、
一斉に頭を垂れて、
ゴリゴリゴリゴリと咀嚼の音だけが響きます。
さあ、私たちも帰ってごはん!
焼いた Ombrina (スズキの一種)に
採れたてズッキーニと夏の黒トリュフ。
とうちゃん、ありがとう。
馬
予約をすれば、馬車で田舎道の散歩なども出来ます。
こんなトスカーナのバカンスもいいですよ。
英語、ドイツ語、イタリア語OK。
http://www.equitazionedicampagna.com
そろそろ満開近し、
ジャーン!
写真を撮る私の背中側も、
向こうに見える丘の後ろも、
行けど行けど、どこまでもヒマワリで
気分が上がりまくるブオンコンヴェントです。
一種類の物が一面にあるのは
あまり好きではないのですが、
よく見るとちゃんと、間に雑草の小さな花が咲き乱れているんですよ。
それもまた様々な色で
本当にうっとりとしてしまいます。
さあ、お花畑を抜け、
シエナ、フィレンツェ方面へ車で約40分、
ダンテ アリギエーリが神曲の中で、
「空を響かす木星を脅かす巨人の冠」
と例えた街、
モンテリジョーニで中世のお祭りが
毎年この時期にあります。
14の塔のうちの1つを潜ると、
そこはもう、
中世の時代。
「道を開けよ!」と聞こえたかと思うと
ゾロゾロと騎士の行進が。
広場まで来たとき、
「こっち向いて!」
の一言に一斉にポーズを取ってくれるお茶目な人たち。
道にツラツラと並ぶお店屋さんも
シンプルに木と布で、
手作りのものがたくさん。
ご飯を食べるのも、
木製のフォークにナイフ、
お皿もワインのコップも皆陶器、
プラスチックでは出てきません。
(ちなみにこれ、貰って帰ってもいいんです。
記念にもって帰ってくださいね)
そしてそして、
買い物をしたり、注文をしたりも、
ユーロは使えません。
街の入り口で中世のお金に両替をします。
メニューにもこの通り、
ユーロ表示は一切ありません。
違う広場へ行けば、
自然の染め物たちが。
色が本当にきれい!!
だけど後ろがなんだか騒がしい。
騎士達の剣の戦いが始まっていました。
5ポイント制で反則が認められたら直ちに終了となっていました。
本物の鎧を着て、本物の剣を振り回すのに
どれだけの力がいるんでしょうね。
そばで見ているだけで
重々しい音が響きます。
また別の広場には
子供達が遊べる木のおもちゃが。
当たり前ですが、電子ゲームのように
ワンタッチで元には戻りません。
前へ進ませたら後ろへ戻さないといけないし、
倒したら、また立てないといけない、
飛ばしたゴムも探して拾わないと、、、
こちらのほうが
子供達は夢中になれるとかあちゃんは思っています。
それにしても、
「騎士」は憧れの的だったんでしょうね。
ついでに、
こんなお店もありました。
テンプル騎士団のミステリーショップ。
特別展示室が併設されていて
リアルでゾクゾク感一杯でした。
ブーーーーーーーンンン
と空から古いプロペラ機の音がすると見上げると、
モンテリジョーニのこのお城は今年で800年なのです。
あっちにもこっちにも、
色んなことがありすぎるくらい、
一日中みんな大興奮で、
最後、塔を潜り出て
現世代の自分の車に乗った瞬間
がっくりと疲れが出て子供達は寝てしまいました。
夏の間はいろいろな街で
中世のお祭りが開かれます。
一つ、タイムマシンに乗った気持ちになって
塔を潜ってみてみませんか?
黄色の点々、、、見えますか?
もう一面に黄色の所もあるのですが、
私がいつも通る所は、
まだポツポツしか咲かないヒマワリです。
夕方からいきなりザーーーーッと降る変な雨のせいで、
ちょっと遅いようですね。
今日はトスカーナではなく、
ローマ料理をご紹介。
ヒマワリはまだでも、こちら、
Fiori di Zucca (かぼちゃの花)は満開です。
パスタにしても美味しいのですが、
これを見るとやっぱり
フリット!!です。
まずはガクのヒゲの部分を取っていきます。
ここで普通はメシベも取ってしまうのですが、
私は残したまま、食べます。
詰める具は、
モッツァレラとアンチョビー。
モッツァレラでなくても、
他の柔らかいチーズで良いのですが、
水分があまり出ないチーズがいいです。
花を、
破れないように広げ、
適当に詰めて閉じる。
小麦粉、水、塩の衣にくぐらせ揚げるのですが、
今回、
破れた花が多くて、揚げるのが怖かったのでオーブンへ。
ついでになすびのフリットも。
オーブンでもきれいに出来ました。
アンチョビーの塩気がきいていて
とっても美味しいですよ。
もちろんトスカーナでもよく食べる花ですが、
中身はハムやリコッタチーズ、
ゆで卵を入れたりします。
が、我が家は
アンチョビーの塩気が
キュッと胃に響く、
夏のアンティパストがいいんですよ。
昨日のブオンコンヴェント、
Festa di Trebbiatura(麦の収穫祭)でした。
実際の収穫の祭りではなく、
ほんの何十年前までの収穫の風景を
再現して見せてくれる祭りです。
この赤い大きな機械が
Trebbiatura (脱穀機)。
今は街の美術館にあるのですが、
少し前までは
この大きな機械を順番に動かせて、
地域の人たちがみんな協力し合って作業をしていたんですね。
機械は本当にシンプル。
後ろの石炭のモーターを回すと、
太くて大きなベルトが稼動し、
刈り取られた麦を入れると、
麦穂は下へ落ち、残りは
ベルトコンベアーに乗り、
前方へ落ちます。
女性達は編み物をしながら、
時折ワインボトルとグラスを持って
働く男性陣に配り歩き、
年配の男性達は座って籠を編んだり
靴を修理したり。
和やかな風景です。
作業が終われば、
働いていた人たちもみんな一緒に
広場で大夕食会です。
一般の人も予約をすれば食べれます。
街のかあちゃん達の手料理を
仕事終わりのみなさんと一緒に
歌って騒いで味わうのはいかがでしょうか?
私たちは、夕食はコッソリ抜け出して、
とうちゃんの、
マグロのステーキ、カポナータ添え、
Baccalà(塩漬けのタラ)のフリット、
野菜のピューレわさび風味を頂きました!
この塩漬けのタラは、
カスカスのものも多いのですが、
よく選んで、しっかり塩抜きすれば
フワッと美味しくなりますよ。
去年に引き続き、
暑かったり寒かったり、
いつもより水の量が多いトスカーナの夏ですが、
毎年、
本格的に暑くなると、
何もない丘陵や田舎道の脇を、
この薄い青色の花が、
ほのかにそこだけ涼しげに飾ってくれます。
そしてブオンコンヴェント周辺は、
今年もまた前も後ろも横も、、、
一面のひまわりに囲まれるようです。
お楽しみに!
さて、
ニキ ド サンファルという方はご存知でしょうか?
フレンチアメリカンの芸術家なのですが、
「1955年に、
スペインのガウディが作ったグエル公園を見たときに
私の体は震えが止まらなかった」
と自身が書いています。
そして必ず自分の庭園も造ろうと決心して
24年かけて出来上がったのが、
トスカーナ最南端にある
Il Giardino Dei Tarocchi (タロットガーデン)です。
タロットと言えば、占いと思っていましたが、
イタリアではカード遊びなんですね。
15世紀前半、北イタリアで作られたのが最初のカードだと言われています。
が、ニキは、
タロットの元は、
古代エジプト人達の知恵や生き方、哲学など、
すべてが詰まっていると確信して、
タロットガーデンには、
大アルカナ22枚の巨大な作品が集まっています。
大アルカナ、第三のカード、女帝。
ニキはこれをスフィンクスの形に作り、
なんと中は、
自分の住居にしていました。
これが全面モザイクガラス張りで、
奥にはキッチン、下のバスルームにはヘビのシャワー、
上にベッドルーム、
暖炉もある広いサロン、
直線は一つもない、
楽しくも意味深げな本当に素敵な家でした。
どの作品も、ガラスやタイルのモザイクで
すべて手作業で切って、張ってと繰り返したそうです。
細かい部分まで本当に美しく意味が深いです。
足下には世界中の言葉でタロットカードの哲学があったり、
余すところなく、
周りにある木や草、風景までが芸術の一部のようでした。
車がないとなかなか行きにくい所にありますが、
一度訪れる価値はあるかと思います。
グロッセート県カパルビオ。
http://www.giardinodeitarocchi.it
さあ、観光シーズン真っただ中。
友達ととうちゃんのところへ。
マグロとなすびがゴロゴロ入ったパッケリという大きなパスタ。
トリッパ。
シエナはトマトソースなのですが、
とうちゃんのはモンタルチーノのサフラン仕上げであっさりです。
お腹が膨れた子供達は、
街を囲む muro (壁)の照明を使って
影絵遊び。
なんでも遊べるもんですね。