先日、チニジャーノと言う小さな村の、
ぶどう祭りへ出掛けてきました。
本当に小さな村ですが、
ここもやはり地域対抗がありまして、
それがこちらの「カーロ」と呼ばれる山車を作り、
審査員の前で、
「善と悪」というような内容で劇を披露して戦います。
小さな村の、若者や子供達の劇なんですが、
侮れません。
しっかり演じきっている姿に思わず、
「悪の誘惑には簡単に落ちるもんだなぁ」
なんて考えさせられました。
我が家の長女、
9月から中学生になりました。
「スモッグを脱いだら(小学生はスモッグ着用)蛹が蝶になるよ!」
なんて他のお母さんから聞かされていましたが、
言ってもまだ10歳。
それほど反抗的でもなければやる気がガタっと落ちた訳でもなし、
やっぱりまだ子供なんだなぁなんて思っていたのは少し前。
なんだか最近、
あれ?
あれ、あれ???
と思う事が何度か。
突然何が変わった訳でもないけど、
なんだか気に食わない。(母として)
「わ〜い!」と喜ぶ姿も「ふん、いいんじゃない?」になり、
ちょっとした事に簡単に機嫌が悪くなる。
「わー、これが思春期のはじまりなんだな!」
なんて余裕があったのは最初だけ。
今夜はついに、
「あんた何様よ!全部全部当たり前だと思ってるでしょう!?
人の気持ちも考えてよ!」
なんて大きな声を出しても
シラーーーッとした態度の長女にさらに興奮するかあちゃん。
どうして我が子にはこう熱くなってしまうんでしょう?
結局、
シラッとした態度は、
思春期入り口のどう言葉にしてよいのかわからないのと、
日本語力の足りなさになにも言えなかったとわかり、
私も、
悪に陥るんじゃないかと勝手に思い込んだ恐怖だとわかり、
お互い「ごめんなさい」と言うはめに。
はぁ〜、、、
まだまだこれから始まる思春期に、
かあちゃんは同じように成長出来るのでしょうか。
大人の親への試練、始まりですね。。。
さて、そんなかあちゃんとは関係なく調子の良いとうちゃん、
先日はモンタルチーノのワイナリー、クパーノ(Cupano)へ呼ばれてきました。
ご主人のリオネルさんのお誕生日会を奥様が企画。
買い物先を指定されるほどオーガニックに徹底。
そしてご依頼は、
「リオネルが家の前で撃ったイノシシを外でグリルにするから、
その前に日本食を作って欲しい」でした。
とうちゃん、日本食は専門ではないですが、
外国人が好む味は熟知しています。
卵焼きや
鳥の南蛮漬け、
マグロのタタキ丼にたこのサラダ、、、
普段とは違う物をテーブル一杯に並べると、
みんな大喜びで食べてくれたそうです。
親族一同がテーブルを囲み笑顔でお祝い、
かあちゃんもケンカしている場合じゃないなと
大反省している所です。。。
先週末はヴェスパ倶楽部が街中をビービー鳴らしながら走り去り、
広場にはマーケットが立ち並び、
街の至る所で、
街のおばちゃん達が手打ちパスタを打ち、
大鍋で地元の味自慢を料理する。
1週間続くアルビア祭り、街中総出で休む暇無しでした。
だいたいこの辺の、サグラと呼ばれる地元の祭りには、
アーチェリーや馬のレースがメインに行われるのですが、
ここは「手押し2輪車レース」です。
元々農業の街なので、いかに早く力強く
藁や農作物を運べるかがベースになっているのでしょうね。
人を1人乗せた上で、
重さや大きさの指定範囲内、
車は2輪、各チーム4人で
砂地や丸太乗り越えなどの障害物リレーです。
馬やアーチェリーのように、
憧れや格好よさは落ちますが、
みんなでデザインを考え、部品をかき集め、
速く、押しやすく、目立ちながら走れるように設計して、と、
仕事や学校帰りにコツコツと作り上げました。
いざスタートを切ると
タイヤが緩んでまっすぐ走らなかったり、
障害物を超える時に部品が落ちてしまったり。
これが盛り上がるんですよ!
運動会のノリですね。
馬のレースは敵対意識が強く、
馬も骨を折ったり怪我をしたり、
その後殺されてしまったりなんてあるのですが、
これは誰も傷つきません。
対抗意識より、笑えて楽しくて応援に盛り上がります。
勝ったチームはもちろん、
負けたチームも達成感でまた嬉しいので平和ですね。
さあ街中に戻ります。
この祭りのメイン中のメイン、
街中レストランです。
こんな看板、テーブルクロスやワインに至るまで、
年に1回の為に用意されます。
2輪車を全力で押していたお兄さんも、
地区の子供達もみんなで働きます。
今年はうちのお姉ちゃんも参加し、
「今日はお昼だけでお客さん533人も来たんだよ!!」と、
疲れながらもお客さんから頂くチップ稼ぎに大喜びでした。
おばちゃん達が打った手打ちパスタのピーチ、
料理自慢のおじさんおばさんが
こってりと煮込んだラグーソースとしっかり絡み、
最高に美味しいんですよ!!
メインは鴨の煮込み、
うさぎのアロマが利いた蒸し焼き、
ローストポーク、
バッカラ(干しダラ)のトマト煮など、
どれもこれも伝統的な味わいに赤ワインも進みます。
働いたお姉ちゃんはすべて味見をし、
「付け添えのポテトまでカリッと美味しいんだよ〜〜〜」と。
アンティパストからドルチェまで、
ワインも水も込みで18ユーロ。
お得で美味しくて楽しくて、
並んででも食べたいと押し寄せるのも納得です。
さて、初めてお金を稼いだお姉ちゃん、
仕事の後はまっすぐなんて帰らず、
反対側の広場に出来た仮設遊園地の中にある、
「マッキニーナ スコントロ」
ゴムチューブがついたゴーカートで体当たり。
昔のローラースケート場のようなDJやスモークが入り、
魅惑的な場所ですよね〜。
「不健全な!」
なんて言うお母さんもいますが、
それがどっこい、一回乗るとみんな大笑いでぶつかり合い、
ついつい2回、3回と、、、
稼ぎは半分なくなりましたが、
初めての自分のお金で遊んだ経験には
お姉ちゃんも、とうちゃんもかあちゃんも大満足でした。
は〜、
夜中まで続いた音楽も今日からはなくなり、
やっと眠れる我が家です。
前回、こちらの水害について書いたのですが、
今、日本も大変な事になっているとニュースで知り、
早い復興を心から願っています。
さてこちら、9月頭のモンタルチーノ。
よく見ると、地面にブドウが落ちています。
せっかく美しく実ったブドウなんですが、
最高のいくつかに、
味を集中させる為に残りは切り落とされてしまいます。
こちらはワイナリー、Il Palazzone (パラッツォーネ)
同じくモンタルチーノの昨日、
地面には葉っぱも見られます。
ブドウの高さの葉っぱを手で全て摘み取られ、
朝晩の湿気や、雨の後の水分を早く乾かすためです。
遠目から見ると、
まるで緑の中に紫の筋が入った、
巨大なタペストリーを眺めているよう。
収穫の直前にだけみられるタペストリー、
見応えのある風景ですよ〜。
そんなブルネッロのそばで14年も暮らしてきたかあちゃんに、
先日、お隣グロッセート県の同じく赤ワイン、
モレッリーノ ディ スカンサーノの通訳の仕事が舞い込んできました。
行った先は、ワイナリー、Casavyc(カザヴィック)。
ブルネッロ ディ モンタルチーノは
サンジョヴェーゼ グロッソという、1品種のブドウから作られますが、
モレッリーノ ディ スカンサーノは85%までサンジョヴェーセであれば、
後は違う品種を混ぜても良い事になっています。
さて、その15%、
だいたいはカヴェルネ ソーヴィニオンや
メルローを入れるのですが、
こちらのワイナリー、
ご主人がフランスワインの華やかさに魅了されているとあって、
最初からフランス品種ばかりを植えたそうで。
華やかな香り、エレガントさを追求する為に、
収穫の日をずらしたり、
醸造方法も丁寧に丁寧に。
色をつけるだけの品種、
香りを出すだけの品種、
それも必要があれば、だけの為に栽培。
新しい樽で寝かす物もあれば、2年、3年経った樽で寝かすものも、、、
ミックスする事に寄って、
お互いの眠っていた部分を引き出す技。
常に頭に描いた味に近づくよう模索を続ける、
まるで香水の調合師のようなお話が延々と。
こだわって作ったロゼを
シャンパーニュ方式で作ったスプマンテとオーナーのクラウディオさん。
そんな華やかさが大好きなクラウディオさんですが、
対照的に奥様は力強いシラーが大好きだそうで。
しかもこちら、そのシラー100%の1本があります。
サンジョヴェーゼとは色もがらりと変わり、
赤と言うより濃い紫に近い、
いかにも力強そうな。。。
が、さすが!!
女性がみんな気に入ってしまうくらい艶やかで、一押しの1本でした。
最後に、
「サンジョヴェーゼは難しいよ。
色が出なかったり味が出なかったり、
天候にも左右されるし、力強くなりすぎる」
と。
サンジョヴェーゼ一筋のモンタルチーノの外へ出て、
外から眺めた意見を聞くのも、とても興味深い1日でした。
さて、これからモンタルチーノは収穫祭、
ブオンコンヴェントは18日から1週間、
アルビア渓谷のお祭りに入ります。
4つの自治区がそれぞれ街中レストランを出します。
今年はお姉ちゃんもウェイトレスとして働くそうなので、
お客さんになりすまし、食べに行くのが楽しみです!
残暑が残るオルチャ渓谷、
どこを見渡しても、
見惚れるばかり、、、
なのですが、
この景色と打って変わって、
またまた起きた大洪水!
ここブオンコンヴェントは、
オルチャ渓谷からアルビア渓谷へ入った所なのですが、
アルビアとは、
キャンティ地方から流れてくる水が水路を作り、
それがまたオンブローネ川へと流れ込む、
その水路のような川のようなもので、
独特のクレーテセネーゼと呼ばれる丘陵を作り出すのですが、
普段はカラカラ。
雨が降らない限りカラカラなんですが、
大雨が降るとこんな事に。。。
それも以前は60年前だとか言われていたのに、
今回は2年後。
地球が変わってきている感じがします。
24日の朝5時半、
「雨が降って来たから閉めたんだよ!」
と長女が子供部屋の天窓を自分で閉めたと朝起きた時に言われ、
全然気がつかなかったよ〜なんて言っていたのですが、
そのまま雨が、大量の雨が降り続き、
15時半、下へ降りてみるとこの状態!
幸か不幸か2年前の経験上、
地元の土木関係の兄弟が
すぐに砂を買って来てくれて、
若者総出で袋詰め、各入り口に積み上げていました。
お陰で我が家のパラッツォにも水が入る事なく、
前より作業がスムーズに行ったのですが、
問題なのはまだ8月。
雨の季節はこれからが本番。
住民はみんな焦りますが、
ここもまた行政と戦う事になりそうです。
さて、こんな事が起こるとはつゆ知らず、
洪水の2日前には
「お昼用意して待ってるから馬が終わったらおいでよ〜」
と呼ばれたのはグロッセート県モンテジョーヴィ。
アミアータ山の麓ですが、
そこから少し行った、アルチドッソと言う地域に、
モンテラッブロという聖地があります。
トレッキングなどで有名な土地なのですが、
ここのてっぺんには
ダヴィデ ラッツァレッティという宗教家が眠っています。
キリスト教なのですが、
先見の明があると多くの人たちに慕われ、
新たなユートピアな世界を作り上げようとしていた所、
力が大きくなりすぎたようです。
政府からも宗教からも反発を受け、殺されてしまいました。
しかし今でも、
彼の思想を慕い、訪れ、
崩れてそのままの石を積み上げたりする人たちの聖地なのです。
てっぺんのお墓の上。
おてんばな友達の子供が
「大丈夫だよ」
とふちに座り、みんなで
「やめてよ!危ないから!!」
と言っているところ。
確かに、
景色は最高です。
「ここにはスピリチャルなものを求める人だけが来るんだよ」
と友達が言ったのは、
久しぶりに会ったため、
思いっきり話し込んだ後の帰り道。。。
「先に言ってよ!!」
と言う事で、
目を閉じて
静かに瞑想をするのはまた今度となりました。。。
今の季節、ちょうどこれ!
田舎道を歩く機会があれば、
道ばたのブラックベリーを是非とも味わってください。
プックリと膨らんだものは最高に甘い〜
採るときはソーッと。
そうじゃないと手も口も真っ黒になりますからね。
今年の夏は、
6月にキャンプに行っただけで、
バカンスというバカンスはない私たちですが、
とうちゃんが呼ばれる先に一緒について行ったりすると、
こんなのとか、
あんなのとか、
個人宅にこの数の馬小屋。。。
あるものですね〜、隠れた所にプライベートプールに遊び場。
とうちゃんが仕事中、
私たちは色んなプールを楽しめるバカンスです。
先日も呼ばれた、カスティリオン デル ボスコ。
一つ一つのヴィッラにプールがあり、景色があり、
「トスカーナ、最高!!!」
と叫びたくなるような夢のような所。
呼んで頂いたのは、
何年も、必ずとうちゃんを探して食べに来てくれるグループ。
今年からプライベートシェフを始めた事をお知らせしていなかったのですが、
ブオンコンヴェントへついてすぐに
「ヒロはどこだ?」と探して頂きました!
嬉しいです。
こうやって丁寧にダシをとったりしている甲斐があります。
今まで食べた物の中から
「あれがもう一度食べたい、これも食べたい」と
すべて覚えていてくれている。
味をわかって貰えるとは、調理師として冥利に尽きますね。
今回も、
ズッキーニの花に詰め物をしたフリット、
ルーコラのペストのパスタ、シーフードのパスタ、
オッソブーコ、子羊の足にバルサミコソース、、、、、
いろいろと味わって頂きました。
オリジナルがチャイニーズのこのお客様達、
とうちゃんが最初にお伺いした時に、
思わず手に取ってマジマジと見ていたものが。
「懐かしいんでしょう?」
と頂いたのは卵焼きフライパン。
ついでに手作りの餃子まで!
誰かが作ってくれた餃子を味わったのは何年ぶりだったでしょうか!
美味しかったーーー。
他にも出発前には
「もういらないから」と、
干しアワビ、昆布だし、かつおぶし、台湾の干豆腐、いろいろなスパイス、、、
ダシの味がわかる訳ですね〜。
思いがけないオリエンタル同士の思いやり、
何となく通じ合う物を感じ、
郷心が溢れかえるかあちゃんでした。
有り難うございます!
さて、話は変わりますが、
今年は猛暑続き。。。
38度なんて気温が一ヶ月以上も続くのですからたまりません。
時々、嵐のようなゲリラ雨に突風が夕方に突然きますが、
それが去り、太陽が出るとまた35度くらいまで。
「寒」を求めて、近くのアミアータ山へ先日行ってきました。
お昼を食べて、本を読んで、
うかうか眠ってしまったら寒くて寒くて。
これは大変と帰りに寄ったのが、
ここ、バーニョ サンフィリッポ、温泉です。
こうやって湧き出ている温泉はとっても熱いので、
流れる川の水と合わさった、
自分にちょうど良い温度のところを探します。
気持ちいいですよ〜。
そしてここもね、
温泉に入りながらブラックベリーが食べ放題なんですよっ!!
先週は、
スイスから友達家族が来ていたので、
泊まっているアグリツーリズモ、モンテカプリッリのプールへ毎日お邪魔しに。
ここ、ジャンプ台もあって深さも十分、
頭からでも回転でも、
飛びまくって大人も子供も大はしゃぎ出来ますよ〜。
土曜日には
夜7時を過ぎてから、冷たい温泉へ。
崖を見ると、登らざるを得ないんでしょうか?????
は〜、やっと降りて来た。。。
違う意味でヒヤリとしましたが、
何かと水を求めないと過ごしていられないくらい、
連日38度の南トスカーナです。
さて今週、
月曜日の朝、まだ暑い。
と言うか、朝なのにもう暑い。
だけど車の調子が悪いので、どうしても車屋さんへ行かないと、、、
と家を出た途端、私の携帯へメッセージが。
「今週また違うグループでサマーキャンプをするけど、
子供達、手伝いに来たくないかな?」
と馬の先生から。
読み上げた瞬間、家へ着替えに戻る子供達。
馬の事なら馬小屋の掃除でもなんでもやりたいのです。
実は7月の頭に、
1週間のサマーキャンプにもう参加していたし、
今週は予約も支払いもしていない、
一応確認の電話を、、、
「今週は人が少ないし、手が足りないの。
馬を出して来たり、洗ったり、
他の子のレッスンにつき合うと馬にも乗れるし、どお?」
と。
いや〜、めちゃくちゃ嬉しいお誘いです。
簡単に言えば、労働した分お金ではなく、
乗馬で払ってくれるという素敵なオファー。
子供達も大喜び!
クタクタになって帰ってきた月曜日の夜、長女は、
「今日から私はアルドールって馬を、
これからずーーっと観るようにって先生が言ってた。」
と。。。
実は長女、
7月頭のサマーキャンプ中に、
乗っていた馬が暴走し始めて、
コントロールしきれず派手に落馬、
そしてなんと、馬に踏まれたのでした。
少しずれていたら、大変な事になっていたのですが、
かあちゃんには突っ張って、
「大丈夫!痛くない!怖くない!!」
と言っていたのです。
後で先生から
「今ひとつ信頼関係が築けていなかったと言うか、
意思をハッキリと伝えきれなかったと言うか、、、
迷いがあると馬はどうして良いのか、わからないからね。」
と言われました。
なるほど、
今までは、10頭ほどの馬のお世話を、
先生の指示に従ってやっていたのですが、
これからは、
今まで通り+1頭につきっきりになり、
責任持って馬とのコミュニケーションを深めていく、、、
現在10歳半の少々反抗期。
反抗するくらい意思がハッキリしてきたと言う事でしょうか。
親からではなく他人から、
揺れ動き始めた思春期心を刺激してくれるのは
かあちゃんとして、
とても有り難いです。
ちなみにこちらは低学年用のポニー。
「ポニーってね、
知らない人が乗っても全然動かないんだよ!
だから私がいなくちゃいけないの。」
と、動かない馬に
迷いなく「喝」を入れる次女。
先生が見ていないか、
ヒヤヒヤするかあちゃんです。。。
イエーイ!
本当は子供達が体験するはずが、ギリギリになって
「やっぱり刺されたら怖い」
との言葉にとうちゃん嬉しそうです。
またまたアグリツーリズモアンドレイーニのモニカさんに
「ハチミツ採るよ〜」
と言われ行ってきました。
こちらが用意された道具。
どう使うのでしょうか、
見慣れない道具を見るだけで楽しみになります。
さあ、行ってらっしゃい〜
と、子供達はハチが来ない安全な上から。
麻布に火をつけ、
フカフカと空気ポンプを押して、
ハチを燻し追いやるのは、とうちゃんの役目。
ですがなるべく刺激しないように、、、
取れた!
蜜蝋で固まっているので、巣箱の蓋も巣板もなかなか外れません。
そ〜っと優しく、刷毛で残ったハチを取っていき、
蓋つきの箱へ収めていきます。
この、表面がキッチリと蜜蝋で覆われていると採り頃で、
これが覆われていないうちに採取すると、
ハチミツでも腐ったりするそうです。
自然の除菌膜ですね。
ハチミツ採取は、
一枚一枚の巣板をこの作業の繰り返しで取っていきます。
暑い暑いと2人が防護服を脱いでいる間に、
子供達を放っておくとこんな事になります。。。
「いい匂い〜〜〜」と、
ポタポタと垂れてくるハチミツは最高の味でしょう。
次の作業は、
金櫛で表面の蜜蝋を剥いでいきます。
これを取らないと蜜が出て来ないので、丁寧に丁寧に、
子供達も順番に真剣です。
遠心分離機にかけて
最初はゆっくり、そして一気にグルグル。
ここは男の力で!と、
モニカさんの長男も張り切ります!
そして下の蓋を開けると、
とろ〜りと出てきました!!
先ほどの剥がした蜜蝋も一緒にザルの上に置き、
トロトロトロトロと、8キロものハチミツがーー。
小さなハチが小さな花の蜜を少しずつ吸い持ち帰った物がこんなに、、、
と思うと感動です。
ところで、
ミツバチってとっても繊細って知っていました?
ちょっとした事ですぐに病気になったり、
死んでしまったりするので、
オーガニックのハチミツでも、
許されている抗生物質があるそうです。
でもこちらではそれも使いません。
周りの環境に気を使い、
どうしてもと言うときは、
薬になる草木で対処するそうです。
すっかり蜜が無くなった巣板は、
また巣箱へ戻されミツバチに頑張ってもらいます。
「人間ってずるいよね〜」
と言いながらの作業でしたが、
その場でパンにつけて頂いたハチミツは
味も香りも最高でした。
当たり前ですが、
本当にトロリと甘い!
アグリツーリズモの朝食でももちろん味わえますが、
すぐに瓶詰めされた物を直販売もしているので、
お土産にいかがでしょうか?
いつまでこんな風に手をつないで歩いてくれるのかなぁ〜?
なんて思いながら、
2人の陰を写すだけでケラケラと笑うチビちゃん。
こうやって外へ出ると、
草選びが始まり、
茎の部分を頭にひっかけて、ピュンっと飛ばす。
これの繰り返しで前に進めません、、、
でもなんだか懐かしくって、ほっこりさせられるので
思わず一緒に遊んでしまします。
「夏休みなんだから遊ばなくっちゃ!どこへ行こう?」
色々考えて、結局近場の川へ。
川と言っても、
夏場はほとんど水がなくなり、
水の中に座ったり寝転んだりなんですが、
子供達には最高の遊び場です。
自然はいつでも冒険心をくすぐるし、
まるで図鑑の中のよう!
羽のないイトトンボのようなのがフワフワ飛んでいたり、
ヤゴ、オタマジャクシ、アメンボ、川魚、、、
これくらいしか私にはわかりませんが、
急にカエルが騒ぎだしたり、
ヘビがいたり。
しばらくすると、
「マンマーーー、マンマーーー!!」
と、
綺麗なトンボ!!
これをお姉ちゃん、
捕ってみたいけど捕れないーーー
と、呼ばれたのですね。
「マンマはやだよ〜」と言うと、
本当にギリギリまで近づいているのに、
「あ〜〜〜、出来ないーーーーー!!!!!!」
30分以上この状態で、
頭の中では、
捕ってやる!でも怖いし捕られたくないだろうし、、、
なんて感情がグルグルしていたんでしょうね。
しばらくすると、
「ワーーーーーーー!!!!ハートになったーーーーーー!」
との声に近づくと、
何かが始まったようですね。
二匹の身体がぐるっと巻き込んでハートの形になっています。
申し訳ないけど、このままジッと観察させて頂きました。
とうちゃんは炒めた野菜で簡単にパニーノを作ってくれて、
食べた後は私たち、
ゴロンと寝転がって、そのまま眠ってしまいました。
カエルの響き渡る声で起きると
子供達の声が聞こえない。
あれ?
と起き上がると、
こんどはじっと黙って魚を狙っていました。
この魚、いっっっっっっぱいいるのですが、ものすごく速い!
あんまりいるので、
かあちゃんもちょっと触ってみたいと思っても、
人間の手や足が入ると、
サーーーーッと遠回り。
人間の何かを感じ取るならと、
籠を編んでみるも、
草には近づいても引き上げるのはダメ。
夕方18時半まで粘って、
次回は網を買って来る事にしました。
3ヶ月の夏休み、
まだ始まったばかりです。
さあ、いつかは捕まえられるかな?
はあ〜〜〜、、、
やっと一段落。
この週末は、
土曜日にここブオンコンヴェントで、
日曜日はソヴィチッレというシエナの近くの小さな街で
ピアノと歌の発表会を行ったのですが、
お姉ちゃん、
初めて失敗しました!
最後の数日まで、
楽譜の変更が繰り返されたので、
練習が大変だったのはわかりますが、
それより、
お友達と出掛ける事が多くなり、仕上がらなかったのです。
土曜日の失敗後の日曜日の朝も、
リハーサルの後にお友達と出掛けると言いだした長女に、
「ちょっと帰っておいで」
と私。
帰るなり、
「なんで帰らないといけないの!!」
と声を荒げる長女に、
「何をしなくちゃいけないの?」
と尋ねると、、、
小さな声で
「練習。」
とピアノに向かいました。
「そんな年頃なんだよ」
と周りに言われ「そうなのか」と思ったりもしますが、
本人は自分の失敗を消化していない様子。
これはマズイんじゃないかと思いました。
一緒に出演するお友達は、
出掛けた後には美容院で髪のセットをしたり衣装を選んだりですが、
長女は出発まで、細かなリズムのズレなどを
家で一人で一生懸命練習しました。
結局、一人での演奏ではないので、
全体的にはそこそこの出来だったのですが、
お姉ちゃんの伴奏で歌う子を「歌わせる」事が出来たので、
それはそれでニッコリ。
そしてコッソリ私に、
「次からは仲良しじゃなくて、もっと練習するグループにしてもらう」と。
よかっっっったーーーー!!!!!
と叫びたい気持ちをグッとこらえ、
「そうだね、その方が楽しめるね」
とニンマリしたかあちゃんです。
さて、そんなお姉ちゃんのパスポート更新のため、
みんなでローマへ行ってきました。
どこをどう歩いても、
歴史的建造物がバンバン目に飛び込んで来るローマ。
ちょうど古代ローマなど歴史の勉強をして来たお姉ちゃん、
こんな看板を通るだけで、
「ディオクレツィアーノ知ってる!
宗教改革した人だよ!!」
と。
ワクワクしながら今回の目的地の一つ、
パンテオンまでぶらぶらと歩きました。
「アウグストゥスって知ってる?」
と尋ねると
「知ってるよ!初代ローマ皇帝!」
と即答。
頭の中がスッポリとその時代に入ったかのような顔に、
一夜漬けの歴史音痴のかあちゃんは不要なようで、
中に入ります。
うおおお、
本当に穴が開いている!
あまりの大きな空間に圧倒されつつも、
雨が降ったらどうするのかな???と、
いつも雨が降り出すと、
我が家の天窓を走って閉めまくるかあちゃんは
生活感タップリに思ってしまいましたが、
穴の真下に排水口がちゃんとありました。
でもちっちゃいよね?
ドーム型の空気の流れによって、
それほど雨が降り込まないような構造になっているそうで。
素晴らしい計算!
だけど一度は大雨の日に見てみたいと思ってしまいます。
お次ぎはコロッセオ。
小さい時になんども見ているけれど、
勉強してから観に来るのはまた違うものを観るようですね。
「ここで何してたか知ってる?」
と聞くと、
「うん、この時代に産まれなくてよかったよ。」
同感です。
目を横にずらすと
「コスタンティーノ!それぞれの宗教を認めた皇帝だよ!」
と、まるでアモーレを語るかのごとく喋りだす長女。
もういい、かあちゃんは口を閉じ、
長女のガイドについて行くことにします。
暑い中2日間、チビちゃんを含め歩き続け、
最後に友人達との食事会場まで乗せてもらった友人のタクシーは
ピカピカでクーラーがきいていて天国のようでした。
トスカーナへ帰りの車の中で、
ローマの感想を聞くと、
「色んな物食べれたし観れたし、すっごい楽しかった。
でも、道で寝てる人がいたり、怖い人がいたり、
それと、空気が臭かったよ」
と。
家の近くまで来るとみんな窓を開け、
「あ〜〜〜、いい匂い!」
だそうです。
ローマでお世話になったワオローマ。
ローマテルミニ駅前にあるB&Bで便利!
私たちもここを拠点に歩き回りました。
そして天国を味わったタクシーはジミーツアー。
どちらも日本語が使えて安心です。
一旦は暑くなったトスカーナですが、
またまた冷たい風が吹き、
せっかく洗った上着を引っ張りだしているところです。
しかし、季節は確実に変わり、
サンブーコ(にわとこ)の花も満開。
これでまたシロップをウキウキ作っていたところ、、、
「ワインセラーを新しく建て替えたから、お祝いをしたい。
プライベートシェフとして来てくれる?」
と電話があったのは、
初代からずっと家族経営の代々モンタルチーノ人のワイナリー、サンカルロ。
私が14年前にモンタルチーノへ来た時、
イタリア語もわからず、バスの乗り方もわからずまま、
シエナ大学へイタリア語を学びに行っていたときに、
一緒にバスで宿題のみならず、
いろいろな事を手伝ってくれていたのがここのジェンマさん。
朝、1時間ほどバスに揺られるのですが、
まあ、言葉もわからない外国人によくつき合ってくれたなぁと思います。
とうちゃんはずっと仕事だったので、
度々家族とのご飯に呼ばれたり、海に行ったり、
ちょっとした時間に、地元の人しか通らない獣道へ散歩に出掛けたり。
私が畑の作り方を一から教わったのも、
ジェンマのお父さんのジャンカルロさんと言う、
次女が産まれるくらいまで、何かと一緒にいた友達なのですが、
そこからお互いの生活が忙しくなり、
しばらくの間、誕生日のお祝いくらいしか連絡がなくなっていました。
なのでなので、
「喜んで!!」
と、
行って参りました。
モンタルチーノ、人口5000人と言われていますが、
そのうちの200人くらいが集まると言われ、
地元のお祭りに使う鍋や外のコンロを借りて来ての仕込みです。
手前の大鍋、ライスサラダ200人前。。。
連日の雨と風で、実際には200人は来なかったでしょうが、
懐かしい面々が。
パンはパン屋さんからですが、
チビちゃんが一生懸命折ってくれた折り紙が華やかにしてくれました。
外でビュッフェをする予定が、
雨の心配があったため、急遽すべてをセラーの中へ。
盛り上がる横では、
眠っているブルネッロも盛んに息をしています。
ここからの夕日も最高です。
こちらが建て直したセラー。
敷地を出来る限りブドウ畑にしてしまう所もありますが、
こちらは自然環境と、
美を失わないために、必要な部分以外は
元の森のままに残してあります。
色んな種類のスモモ、ジュニパー、
スグリ、コケモモ、、、、、
人間が入る前からずっとそこに生き続けていた木々や花々が今もそこに。
そんな環境で育ったブルネッロ、
美味しくない訳がないですね!
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