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2015/09/16

前回、こちらの水害について書いたのですが、

今、日本も大変な事になっているとニュースで知り、

早い復興を心から願っています。

 

 

ブルネッロ

 

さてこちら、9月頭のモンタルチーノ。

よく見ると、地面にブドウが落ちています。

せっかく美しく実ったブドウなんですが、

最高のいくつかに、

味を集中させる為に残りは切り落とされてしまいます。

 

パラッツォーネ

 

こちらはワイナリー、Il Palazzone (パラッツォーネ)

同じくモンタルチーノの昨日、

地面には葉っぱも見られます。

ブドウの高さの葉っぱを手で全て摘み取られ、

朝晩の湿気や、雨の後の水分を早く乾かすためです。

遠目から見ると、

まるで緑の中に紫の筋が入った、

巨大なタペストリーを眺めているよう。

 

収穫の直前にだけみられるタペストリー、

見応えのある風景ですよ〜。

 

そんなブルネッロのそばで14年も暮らしてきたかあちゃんに、

先日、お隣グロッセート県の同じく赤ワイン、

モレッリーノ ディ スカンサーノの通訳の仕事が舞い込んできました。

行った先は、ワイナリー、Casavyc(カザヴィック)。

 

ブルネッロ ディ モンタルチーノは

サンジョヴェーゼ グロッソという、1品種のブドウから作られますが、

モレッリーノ ディ スカンサーノは85%までサンジョヴェーセであれば、

後は違う品種を混ぜても良い事になっています。

さて、その15%、

だいたいはカヴェルネ ソーヴィニオンや

メルローを入れるのですが、

こちらのワイナリー、

ご主人がフランスワインの華やかさに魅了されているとあって、

最初からフランス品種ばかりを植えたそうで。

 

スカンサーノ

 

華やかな香り、エレガントさを追求する為に、

収穫の日をずらしたり、

醸造方法も丁寧に丁寧に。

色をつけるだけの品種、

香りを出すだけの品種、

それも必要があれば、だけの為に栽培。

新しい樽で寝かす物もあれば、2年、3年経った樽で寝かすものも、、、

ミックスする事に寄って、

お互いの眠っていた部分を引き出す技。

常に頭に描いた味に近づくよう模索を続ける、

まるで香水の調合師のようなお話が延々と。

 

 

 

スカンサーノ

 

こだわって作ったロゼを

シャンパーニュ方式で作ったスプマンテとオーナーのクラウディオさん。

 

そんな華やかさが大好きなクラウディオさんですが、

対照的に奥様は力強いシラーが大好きだそうで。

しかもこちら、そのシラー100%の1本があります。

サンジョヴェーゼとは色もがらりと変わり、

赤と言うより濃い紫に近い、

いかにも力強そうな。。。

が、さすが!!

女性がみんな気に入ってしまうくらい艶やかで、一押しの1本でした。

最後に、

「サンジョヴェーゼは難しいよ。

色が出なかったり味が出なかったり、

天候にも左右されるし、力強くなりすぎる」

と。

サンジョヴェーゼ一筋のモンタルチーノの外へ出て、

外から眺めた意見を聞くのも、とても興味深い1日でした。

 

さて、これからモンタルチーノは収穫祭、

ブオンコンヴェントは18日から1週間、

アルビア渓谷のお祭りに入ります。

4つの自治区がそれぞれ街中レストランを出します。

今年はお姉ちゃんもウェイトレスとして働くそうなので、

お客さんになりすまし、食べに行くのが楽しみです!

 

 

 

 

2015/09/16 05:56 | emiko | No Comments