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前回、こちらの水害について書いたのですが、
今、日本も大変な事になっているとニュースで知り、
早い復興を心から願っています。
さてこちら、9月頭のモンタルチーノ。
よく見ると、地面にブドウが落ちています。
せっかく美しく実ったブドウなんですが、
最高のいくつかに、
味を集中させる為に残りは切り落とされてしまいます。
こちらはワイナリー、Il Palazzone (パラッツォーネ)
同じくモンタルチーノの昨日、
地面には葉っぱも見られます。
ブドウの高さの葉っぱを手で全て摘み取られ、
朝晩の湿気や、雨の後の水分を早く乾かすためです。
遠目から見ると、
まるで緑の中に紫の筋が入った、
巨大なタペストリーを眺めているよう。
収穫の直前にだけみられるタペストリー、
見応えのある風景ですよ〜。
そんなブルネッロのそばで14年も暮らしてきたかあちゃんに、
先日、お隣グロッセート県の同じく赤ワイン、
モレッリーノ ディ スカンサーノの通訳の仕事が舞い込んできました。
行った先は、ワイナリー、Casavyc(カザヴィック)。
ブルネッロ ディ モンタルチーノは
サンジョヴェーゼ グロッソという、1品種のブドウから作られますが、
モレッリーノ ディ スカンサーノは85%までサンジョヴェーセであれば、
後は違う品種を混ぜても良い事になっています。
さて、その15%、
だいたいはカヴェルネ ソーヴィニオンや
メルローを入れるのですが、
こちらのワイナリー、
ご主人がフランスワインの華やかさに魅了されているとあって、
最初からフランス品種ばかりを植えたそうで。
華やかな香り、エレガントさを追求する為に、
収穫の日をずらしたり、
醸造方法も丁寧に丁寧に。
色をつけるだけの品種、
香りを出すだけの品種、
それも必要があれば、だけの為に栽培。
新しい樽で寝かす物もあれば、2年、3年経った樽で寝かすものも、、、
ミックスする事に寄って、
お互いの眠っていた部分を引き出す技。
常に頭に描いた味に近づくよう模索を続ける、
まるで香水の調合師のようなお話が延々と。
こだわって作ったロゼを
シャンパーニュ方式で作ったスプマンテとオーナーのクラウディオさん。
そんな華やかさが大好きなクラウディオさんですが、
対照的に奥様は力強いシラーが大好きだそうで。
しかもこちら、そのシラー100%の1本があります。
サンジョヴェーゼとは色もがらりと変わり、
赤と言うより濃い紫に近い、
いかにも力強そうな。。。
が、さすが!!
女性がみんな気に入ってしまうくらい艶やかで、一押しの1本でした。
最後に、
「サンジョヴェーゼは難しいよ。
色が出なかったり味が出なかったり、
天候にも左右されるし、力強くなりすぎる」
と。
サンジョヴェーゼ一筋のモンタルチーノの外へ出て、
外から眺めた意見を聞くのも、とても興味深い1日でした。
さて、これからモンタルチーノは収穫祭、
ブオンコンヴェントは18日から1週間、
アルビア渓谷のお祭りに入ります。
4つの自治区がそれぞれ街中レストランを出します。
今年はお姉ちゃんもウェイトレスとして働くそうなので、
お客さんになりすまし、食べに行くのが楽しみです!