こんにちは。根本齒科室の根本です。
ついさっき、歯磨きは食後30分がいい説についてのコラム『蘇る重層最強伝説?~』の図のグラフを修正しました。
結論から言えば、食後すぐで構わない、ということです。
今年も猛暑かと思いきや、急激に涼しくなり「戻り梅雨」~ゲリラ豪雨と、天候が優れません。
山陰地方など、大雨で被災された方々には、心よりお見舞い申し上げますとともに、一日も早い復旧をお祈り申し上げます。
また無断キャンセルが増えてきました・・
最近、思います。
歯科医院は受身である
情報を発信できてない
(痛くならないと歯医者に来ない。彼らは一体何を思っているのだろう)
無断キャンセルに憤慨してばかりでも仕方ないので、彼らの気持ちを慮ってみました。
ふと考えました。
変な話、もし「痛み」が一切発生しなかったら、何人の人が歯医者に来るだろうか。
とくに●歯科からの転院の方々は、少し気になっています。
こちらはネット経由の方と異なり、こちらからの情報発信を経ないで来院しています。
また、患者番号が若い番号の方も、いろいろスムーズに行かないことも多々あります。
この方々は、開業直後に新患登録された方であり、全員ではないのですが、以前まで通っていた古い歯科医院の方針が頭の中に強く入っているように思います。
当歯科室も、当時は今とくらべると予防や情報発信の面が非常に脆弱で、周囲の目には「ただ単にそこに新しい歯科医院があった」というだけだったのでしょう。
ですから、従来型の
今の所(痛い所/取れた所/途中の所)以外や生活習慣・食習慣には問題がない
そこをふさいだり付ければ、「治」った
人工物であっても、実質的に「可逆的」な結果が得られる
このあたりが固定観念として頭に入っていたし、いるのだと思われます。
この壁を何とか壊すのが、とても大変なのです。
ひとつには、ただでさえ億劫な歯医者で、あらたに面倒くさい話を押し付けられることには、強い抵抗があるだろう、ということです。
これは心情的によく理解できるのですが、もうひとつは、ご自身の考え、というか歯科観を変えることにとても抵抗感が強いようなのです。
「歯医者はこういうもんだ」
「ただでさえ億劫なのに余計なことは考えたくない」
逆にネット経由や、優良な経過をたどった方の紹介患者の方の場合は、ある程度下調べの形で、本コラムや公式HP、スタッフやDrから情報を得ています。
情報そのものというよりも、医院の考え方や視点をある程度把握してから来院しているので、それはそれはもう、圧倒的に話がしやすい。
興味深いのは、従来型の固定観念(発想)が、ケガや病気などの医科一般の疾患に対する発想と同じことです。
医科一般であれば、原則的に、主訴以外のところには問題がない前提で受診するでしょうし、ガンとか慢性疾患でもないかぎり「可逆的」なので、元のように「治」ることも織り込み済みで来院することでしょう。
ですから一般の人が、むし歯やダツリ、歯周病などの歯の問題を、歯のケガや病気だと思うのは無理もないところではあります。。
「医者も歯医者も同じようなものだ」
「歯医者は歯の医者だ」
こんなときだけ、そんな風に思う、というより、これが日本でのコンセンサスなんでしょう。
しかし、その成り立ちや性質はまったく逆でしたね。
たとえば急に歯が痛くなった場合、その原因は、むし歯だけに限らず、歯周病だったり、打撲(咬合性外傷)だったり、慢性炎症の急性化だったり、知覚過敏だったりするわけです。
また、何も原因がないのに起こる歯痛も、案外あるものです。
当人としては『痛い』のを何とかして欲しいところでしょうねえ・・・
我々としては、それもありますが、当然、痛みの裏にある根本原因やその除去・回避に目が行きます。
それは、残念ながら、歯医者はそれしかできないからです。
フィリピンの心霊治療ではないので、「痛み」を直接認識・目視したり除去したりできません。
これだけでも、出だしから大きなミスマッチかもしれない。。
とすると、変な話、もし「痛み」が一切発生しなかったら、何人の人が歯医者に来るか。
むし歯になっても痛くない。
歯周病になっても痛くない
知覚過敏もない。
親知らずなどが脹れても痛くない
歯が折れても痛くない
・・・!
おそらく10人中9人、いや100人中99人は、歯医者なんかに来ないと思います。
一部の、目立つ部分が崩壊してみっともないとか、欠けた部分が舌などにすれて痛いとか、そのような「不便」を感じている人は別ですが、それ以外は来ないでしょう。
仮に奥歯のほうが数本崩壊しても、どうせ目立たないし、どうせ痛くならないなら、わざわざ歯医者に通ったりする人はいませんよね。
私ももし歯科医師でなければ、生来の面倒くさがりだし、行かないだろうなぁ。
そうすれば、必然的にむし歯や歯周病は進行し、40代以降になれば、半分程度の方の歯は崩壊しかかっているか崩壊していることでしょう。
芸能人とかモデルとか、人前に出るショービジネスの人は、歯の管理も大事なので審美修復とかにお金を使うかもしれません。
しかし、なにしろ痛くないのだから、歯の治療事態に喫緊の必要性も生まれず、不要不急の処置となり「おしゃれ」「ぜいたく」の範疇になることでしょう。
なぜそのように思えるか?それは、こういう理由です。
◆ 「ハゲ」の範疇の方々に見る社会的認知の問題
昔からポパイやホットドッグプレスなどの若者向け雑誌に繰り返し書かれていた、モテない代名詞?!「ハゲ デブ チビ」のハゲ(以下「禿髪」と記す)・・
今のところ、加齢による禿髪は非可逆的な状態だと思われています。まだ確たる治療法はありません。
(肥満は当然可逆的、低身長は、一定の基準を満たせば仮骨延長法による長身治療が可能)
むしろ堂々と禿髪を隠さずにしていたほうが男らしい、という意見も根強いですよね。
「最終的には中身だ」
いいですよね、山田勉さんとか、ジャック・ニコルソンとか、故マイク・ベルナルドとか。
周囲の雰囲気や、見ている方の気持ちまで明るくなってきます。
いっぽう、禿髪そのものを治す治療は今のところ、ほとんど確立していません。
私が高校の頃、もう4半世紀も前になりますか?中国で「101」という、へバンドのようなものを併用した育毛剤が開発されたという話になり、男性の先生方が大挙中国旅行に押しかけたことがありました。
しかし、その後芳しい結果が出た先生は、いなかったようでした。。
そのあと流行った、例の「痩せる石けん」も、ダメでしたねぇ。。
ですから結果として、禿髪は禿髪のままになるか、かつらを購入することになります。
とりわけ男性は、堂々と人前に晒してもまったく問題ないというのが世界のコンセンサスです。
そしてここが大事なところですが、禿髪は「病気」扱いされていません。
同じように、近視・遠視・乱視なども「病気」扱いされていませんね。
「何を当たり前な」という声が聞こえてきそうですが、これは歯でも全く同じことが言えませんか?
今でも、ドキュメンタリーやインタビューで、国内外を問わず農村部などの高齢者を見ると、歯が何本か欠けている人や、差し歯丸出しの人も少なくないですよね。
しかも最近はテレビの画質も飛躍的に向上したので、目立つこと目立つことw
私も仕事柄、どうしても話の内容そのものよりも、まず口元と顎顔面骨格に目が行ってしまいます。
◆ 対米追従
「歯をしっかりしていないのは、米国的 国際的には自己管理がなってない証拠だ」
「歯をしっかりしていないのは、米国的 国際的にはマナー違反/エチケット違反」
いつからか、こんなことがまことしやかにささやかれ、メタボとむし歯は肩身が狭くなっていきました。
20年前くらいからだと思います。
「朝まで生テレビ」がまだ黎明期でした。田原総一郎さんの髪の毛が黒々としており、西部邁、枡添要一、栗本慎一郎などの士々斉々が非常に若々しかった頃です。
今では『グローバル化』と呼んでおりますが、当時は『国際化』と呼んでおりました。
その頃も移民による単純労働の問題が取り沙汰されておりました。今のような長引くデフレに象徴される「低血圧の日本」とは異なり、バブルの余熱が十分に感じられる「高血圧の日本」でした。
そういう意味では、需要>供給、だったので、規制緩和やサプライサイドの改革、消費税は時宜にも合っていたのかもしれません(今みたいな需要<供給のデフレ期に、サプライサイドの改革なんてとんでもないと思いますが・・)。
あるとき、著書『労働鎖国のすすめ』で有名な西尾幹二先生が、一人で単純労働移民に反対の論陣を張り、一対他全部、みたいなとんでもない回がありました。
記憶では、高市早苗政調会長(現)が、前髪ありのピンク(だったと思う)のワンレンボディコンというモロにバブルっぽい出で立ちで、やれ自由化だ国際化だと、キンキンとまくし立てて関西弁で西尾先生を痛々しく罵倒していたのを懐かしく思い出します。
このときに、私は初めて、(日本とアメリカは根本的なところが違うんだ)と実感しました。
自由化に伴って枕詞の用についてくる単語。
「自己責任」
ホント、どうとでも取れる、いやらしい言葉ですね。
少なくとも、基本的に政治で使っていい言葉じゃないですよ。
セクハラブームwwwもそうですが、アメリカで流行って何年かたつと同じことが日本でも流行るといわれ続けてきました。
アメリカも、現在でこそ格差社会といわれているが、戦中戦後などは「分厚い中間層」などと言われて、日本以上に格差の少ない社会だったと知ったときは本当に驚いたものです。
そうそう、例の日銀異次元緩和「黒田バズーカ」も、バーナンキのQE1-2-3のマネ、とも言えるかもしれません。
先般はじめて逆転現象が起きました。
夕張市に遅れを取ること6年、ついにデトロイト市が破産しました。
時代の潮目は変わってきているのかもしれない。
「ロゴフ・ラインハート論文」の誤りに象徴されるような思いですが、国の借金(内債)が危険だというのもほとんどウソであることが示されてしまい、EUも、もうダメでしょう。
産業革命・大航海時代に端を発する新自由主義やグローバリズムも、今までのようにはいかなくなる感じがしています。TPP交渉も、ずいぶんグダグだな感じのようだし、中野剛志先生や柴山啓太先生が言うようなリショアリング(国境が意識される時代)へのゆり戻しなのかもしれません。
その水先案内人となるのが、まさに新自由主義やグローバリズムの申し子のような
TCP/IPプロトコルというのも皮肉なものだ。
もともと米軍の軍事用通信技術だったものが、メール、インターネット、と爆発的に普及し
ブログ、SNS(ツイッター、フェイスブック、ラインなどが代表的)などのより双方向的な
ツールの拡充によって、触れずして手軽に世界を知り、感じることができるようになり。
結果として、1%と99%の相克、規制メディアとそれによるコントロール力の減殺が生じた。
「日本はもう敗戦国のままでは嫌だ」
このような主張が、倉山満先生だけでなく多くの人たちの心の中に広がってきたのも
敗戦から時間がたったということもあるが、それらの情報ツールの役割も大きい。
それはもちろんかつての帝国主義のような野心的な挑戦を志すということではない。
TCP/IPという情報ツールは、理想像を「普通の国」の範疇にとどめおくにも、一定の
抑制的役割を担い得るだろう。
かつて朝日新聞が戦争(というか敗戦革命)を煽ったような、メディア主導の大ブレは、
もうほぼないだろう。
日本では「芸能人は歯が命」というCMも流行し、松田聖子の再婚も話題になりました。
彼も『米国で』審美歯科を勉強したとのふれこみで、「審美歯科」ということばが一躍脚光を浴びました。
ところで、芸能人はそうだとしても
「一般人は○○が命」
と考えてみたら、今は○○の中に入る単語は何でしょう?
雇用 生活 家族 スマホ 安心 安全 金 健康 アベノミクス第二の矢
・・・
いろいろあるものの、少なくとも分かることは、どうがんばっても○○の中に「歯」は入ってこないですよね。
であれば、一般人は歯が命ではないのだから、禿髪や肥満と同様、少々乱れて(むし歯や歯周病など)も堂々と放っておけ、ということになるのが自然の流れでしょう。
さきほど、グローバル化の時代が終わりを告げつつあり、リショアリングのきざしが、と言いかけました。
歯についての『自由化・国際化(グローバリズム)』を考えると、おそらくインプラントや審美歯科のような、まさに”自由”診療中心主義の流れがそれだったようにも思います。
その流れを踏まえてのリショアリングがあるならば、予防や、食習慣・生活習慣を中心においた、メンテナンス主義の方向に進んでいって欲しいものです。
間違っても、昭和時代の「治療中心主義」の方向に逆戻りしないことを祈っています。
【今回のまとめ】
「痛い」は医療の強い動機のひとつだが、歯科にそのまま適用するのは強く疑問である。
こんにちは。根本齒科室の根本です。
前回の続きです。
◇ Part1 治療費のカラクリ
この辺からは、各論に入っていきますので、だんだん毒は薄まっていきます。
ただ、前項でも申しましたが、歯科医療は、保険の部分は公定価格が決まっていますが、我々は民間です。公務員ではありません。
民業として診療所を経営する以上、当然「固定費」「変動費」などにも十分目配りが必要です。慈善事業ではないのですから、下手な原価率を設定したら、即生活の危機に直結します。
保険診療も同じです。前回のコラムでも書いた「広く薄くの負担と給付」の意味もありますが、慈善事業ではないのですから、下手な回転率を設定したら、即生活の危機に直結します。
こちらを見ても分かる通り、原価率3割を下回ったら、仕事になりません。格安インプラントのほうは、かなり極端な例だと思いますが、原価率1割ですね(私がこんな治療をしようとは絶対に思いませんが)。
気になるのは、「不信感で市場縮小」という、小さいグラフのタイトルです。
『不信感』・・・ここ、ちょっとやっつけ仕事の単語のにおいがするような。
まず3つのことに目が行きます。
[ 2008年 ]
ひとつは2008年から急激に減少していることです。何と言ってもこの年は前年にインプラントの死亡事故という、きわめて稀ながら残念な事故がありました。これは雑誌にもありますし、NHKについてコメントした回にも書きましたが、『オールオン4』という、特殊で難易度の高い方法です。
そして、『あの』リーマンショックの年でもあります。内定取り消し・リストラ・減給など世の中が一気に不況に見舞われ、民主党の跳梁跋扈を許してしまいました。せっかく麻生さんが財政出動頑張ったのに、白川が思い切りお札を刷り負けた(対FRB&ECB)せいで、先進国の中で日本だけマイナス成長が続いてしまいました。
[ 2012年 ]
くわえて、2012年が何か変な落ち方をしています。矢印の部分です。これは私も過去に書きましたが、国民生活センターの警告~NHKクローズアップ現代の報道に至る一連のバッシングが年頭にあった年です。
残念なことに、その年だけで「TVで見て怖かったからインプラントをやめる」とおっしゃった方が、2~3人ではすみませんでした。つい先日も「先生の言うことはわかるけど、TVで怖いと言っていたから」という方がまだいらして、つくづく地上波の悪弊?!を思い知らされています。
[ 先進国では ]
不信感も当然あると思います。しかし、昨今の欧米先進国では、どこも埋入本数が減少傾向にあります。
①おもに中高年などの、欠損のある人には、ほぼインプラント治療が完了してしまっており
②これからの若い世代は予防歯科に熱心なので、そもそも歯が欠損しない
という2つの理由から、先進国では今後は需要が減少することが予測されています。
逆に今後市場として伸びそうなのが、人口の多い新興国です。ブラジルやインドネシアなどは展望のあるマーケットだといわれています。ただ最近は、アベノミクスやQE3など日米が好調な反面、インドやブラジル、中国などの不調が目立ちますので、確たることは言えません。
中国の場合は、どうでしょう?理財商品、シャドーバンキング、金融引き締め、裸官。。
バブル崩壊も時間の問題のような気もします。ハイパーインフレが先か、デフレが先か。。
人民も経済格差が大きすぎて、普及という面ではどうなんでしょう??そもそもあそこはPばっかでCがないお国柄だから、その(マーケティング的な)意味でもインプラント向きではないかも・・
いっぽう、マスコミ大好き「たった2カ国だけなのに特定アジア諸国」のもうひとつ韓国ですが、逆に日本よりもそのような先進医療には積極的なお国柄のせいか、すでにあらかた「治療完了」状態だそうです。顎の骨を含む整形手術やレーシックも非常に盛んなのはご案内のとおりです。
インプラントそのものの減少があるとすれば、目先の不信感よりも、バックにあるこのような潮流が主な原因と考えます。
ところで、歯科が民業であり、個人事業主主体であること、必然的に一部の大きくはみ出した感じの歯医者が目立ち、業界全体に対する不信感がつのりやすいことも先ほど書きました。
こんな時に、一般人の考え付きやすい手っ取り早い解決法は『権威のお墨付き』です。NHKのときは『大学』、週刊ダイヤモンドの場合は『学会』でした。
これらの『大学』『学会』のことは、自分なりに存じておりますが、基本的に、認定医取得のためには専攻生や医員で長く大学に残って症例を重ねる必要があります。また開業医向けに資格取得のための100時間コースなどの民間講習などもあるようですが、聞くところでは費用7ケタが普通のようです。。。
くわえて、大学では信頼できるベテランや麻酔科や病棟、医科歯科大学の場合は何かあれば医学部もついていますので、その意味ではやる方もやられる方も非常に安心です。しかし同じことを診療所で出来るかといえば、私から見れば非常に度胸がいるように思います。
簡単なケースややや発展的なケースくらいなら、問題なくこなすと思いますが、術式が大掛かりになったり、難易度が上がったりすればするほど、万一の時の対処が大変です。
「やっていた」と「やれる」の間には、初期投資や万一の連携体制なども含めて、大きな差があります。
私から見て、これなら安心できるかな、と思われるのは、当該ケースに似たケースをたくさん扱った経験があり、それをレントゲンや写真などで説明してくれるところかな、と思います。こう言っては身も蓋もないですが、たぶん自分が患者の立場だったら、腕自慢や設備自慢よりも、そうされたときに一番安心できるかな、と思うからです。
◇ Part2 インプラントにだまされない
なんだか、半分くらい、上に書いてしまいました。
ここのコーナーは、題名からして「さて、屠ってやるから首を洗って待ってろ!」みたいな感じなのでちょっと警戒して読みましたが、意外や意外、私見でも、結構公正な記述だと思います。
冒頭、気になったところを記します。
[ 引用 ]急にひどい頭痛に襲われるようになったのだ。そのうちに、インプラントの歯がぐらつき始めて、ついに抜けてしまった。あわてて歯医者に駆け込むが、歯医者は「治療は成功している。脱落したのは、別の理由だ」と取り合ってくれない。他の歯医者に行ってわかったのは、丸山さん(仮名。根本註)はひどい歯周病にかかっており、インプラント治療を受けるべき状態ではなかったということ。また頭痛も、かみ合わせが適合していなかったのが原因と判明した。
歯周病とインプラントには密接な関係があります。咬合ももちろんそうです。
(ちなみにむし歯には関係ありませんが)
驚いたのは、歯医者Aの「治療は成功している」のひとことです。
いくら準委任契約だから瑕疵担保責任は問われないとはいえ、最善の努力義務は当然の必要条件です。
デメリット面の事前説明も当然あるべきですが、インプラントの費用は、何十年も長く機能する率が非常に高いからこそのプレミアム価格なのであり、健康への長期投資ともいえるのです。
「取れたのは別の原因」というのは、何でしょう?後で取れそうな感じといえば、症例選択が不適切であったとか、まさかの骨火傷とか、プランがずさんだったとかインテグレーションが甘かったとか、荷重が早過ぎたとか、側方の干渉がトラウマチックに働いたとか、そもそもかみ合わせが高すぎたとか、メンテナンスの時に咬合確認してなかったとか、etc
いずれにしても、私見ですが、この手のトラブルは、たいてい歯科医師の見立てにほぼ全部の問題が集約されるものです。
しかし、再治療を担当した歯医者Bとしても、複雑な心境だと思います。
こういう脱落などのトラブル時に一番大事なことは、いかにリカバリーできるか、ということです。
「ご心配をおかけしますが、大丈夫です。○○が原因だったと思われるので、□□の方法で改めてやり直すことができます。お時間がその分少しかかってしまいますが、費用の心配はいりませんよ。」
最低でもこのくらいはしないと、高額な料金を払った患者様はことさら不安に思うことでしょう。
私も、上顎前歯で、まれにそのような経験をしたことがあります。しかし、恥ずかしいことを言いますが、万一取れてしまったことがあっても、責任を持って原因究明とリカバリーできて、その後それを長期に保存させることができれば、一応の誠意は果たせているのではと思います。
[ 引用 ]この神経まひ、上顎洞炎などは、気が付いた時点ですぐに対処すれば重大な後遺症を残さないで済む可能性が高い。ほとんどのケースでは神経まひや炎症の原因であるインプラントを撤去することになるが、それを残念がってはいけない。撤去が早いほど回復も早いので、異常を感じたら歯医者に相談すべきだ。
ここは、良いことを言ってくれたと思います。NHKクローズアップ現代の冒頭に出てきた衝撃的なシーン(下唇の慢性的しびれ)に恐怖感を抱く方が本当に多いものですから、ほとんどの状況では迅速な対応で十分にリカバリー(症状消退・再治療)可能であることは事実として知ってはおいていただきたい点です。
もうひとつ、非常にいいことが書いてありますので、ぜひ紹介させていただきたいと思います。
[ 引用 ]加えて、抜歯するときに重要なのは、「その理由を把握して、きちんと対策すること」(武田孝之 東京医科大学インプラント科臨床教授)だ。歯の喪失には虫歯、歯周病、歯のかみ過ぎという3大要因がある。原因を絶たないと、どんな治療をしても再び喪失することになりかねない。
これはインプラント治療に限らず、すべての歯科疾患に言える、本当に大事なことです。
歯はその人とナリを残酷なまでに顕わします。「フタをすればいい」「つなげておけばいい」という部品のようなわけにはいきません。
言い方を変えれば、歯の治療はじつは治療ではなく、「どうしてこうなった?」の治療こそが真の治療です。
「どうしてこうなった?」こそ最も大事な出発点です。
◇ Part3 歯を守る技術最新事情
ここが、一番患者・国民側の視点に立てるはずのコーナーだったのですが、ちょっと残念な仕上がりです。
後でもういちど書きます。
◇ Part4 いい歯医者悪い歯医者
・・・「インプラント対応医療機関一覧」 (ノA`)ア0ャー
「典型的なステマ、じゃなくて『マ(ーケティング)』」
20ページも、こんな一覧に紙面を費やして・・・フォント半分で5ページ位に収まるからw
しかもたとえば栃木県や群馬県で5件、足立区や新宿区で2人しか載ってないというのは、むしろこの資格が全然普及していないことを物語ってるような気もします。
私の知ってる達人クラス(本を書けるレベル)も全然出てこないし、この収載方法にはに強い偏りを感じます。これだけを信用するのは、どうでしょうか。。
こりゃ、面白がって見るのは、同業者メインだと思うのですがw
あ、龍ヶ崎市のところで、大澤先生のところが載っていました。フムフム・・
◇ Part5 歯医者・歯科大の末路
・・・ここは、結論が難しいですよね。
「患者が減少」「自由診療が減少」「技工業界の苦悩」「歯学部定員割れ」
じゃぁ、どうする?という話です。
この特集の一番最後は、このような文で締めくくられています。
[ 引用 ]こうした問題を抱えながらも、歯学部は年間約2400人の学生を入学させ続け、歯医者の需給ギャップは埋まらない。歯科を取り巻く府のスパイラルを断ち切る鍵のひとつが、歯医者の蛇口である歯学部の淘汰・再編にあることは分かりきっている。
たしかに、歯学部にセイの法則が通じないのは明らかです。
まず「供給が需要を生む」という発想自体、消費者にとって、上から目線で大変失礼な考えです。これを多くの経済学者が常識と考えているということを知ったときは、大変驚きました。。
貯蓄や在庫、歯科的な情報や知識が広がってきた成熟市場では、イノベーション(この言葉自体、あまり好きではないのですが)や、価値の転換による潜在需要の掘り起こしが先だと、自然に思います。
それで、歯学部を減らしてどうするのでしょうか?減らせばすべて解決でしょうか?
私は早い段階から、歯学部→医学部への転部を軸にニーズのマッチングを図るべき、と主張してきました。
上にも書きましたが、OECD基準で見るとほぼ平均的な数で、別に歯科医師過剰でも何でもありません。
ただ日本独自の現行制度を維持しようとすると、必然的に歯科医師一人当たりの患者回転率を、他国に比べて非常に高いレベルで求められます。
とうぜん歯科医師数に割り当て(過剰)が生じてしまいます。また、経営を考えても、この診療報酬で歯科のワークシェアリングを考えても、単なる縮小再配分になってしまいます。
日本歯科医師会の大久保満男会長がP84のコラムで次のように語っています。
[ 引用 ]虫歯を減らすためにわれわれ歯医者は予防活動に力を注いできた。それが自分たちの首を絞めることになるとわかっていてもだ。今や幼稚園では虫歯を持つ子供を見つけるほうが難しい。医科に比べて歯科の予防技術は完璧なものになっている。むし歯をどうすれば減らせるかと言う技術もツールもそろっている。予防を徹底して高齢になっても自分の歯が保てれば、介護を必要としない健康寿命は長くなり、認知症の危険度も低いことがわかってきた。しかし、予防への努力を続けても報酬はつかない。
国の公的医療のあり方が、疾病保険である以上、これは仕方がないことかもしれません。
歯医者側は、やはり、分かっています。
そして、開業医を代表する立場としては、診療報酬や公的保険制度を守る立ち位置からしか語ることができないのもまた事実です。
しかし、歯医者側や制度をこのままにしておくと、どうしても国民がそちらに誘導されてしまい、従前の削って詰める、抜いて入れ歯、の方向に流されっぱなしになってしまいます。
大久保会長は、予防=知識の提供で、時間がかかるので、評価が難しいと語っておられます。
それは一面の真理ですが、だからこそ(個別具体的な各論は置いておき)総論的な部分は、政府やメディアが率先して啓蒙して欲しい、いや、してくれないで個人の努力任せにしていると、伝わるものもなかなか伝わらないと思います。
そして、知識の啓蒙だけでなく、海外の事例も参考にしながら、診療報酬として評価する枠組みを同時に導入しないと、「分かっちゃいるけど」で終わってしまいます。
私は、歯科の場合は未病者に対するケアが一番大切だと思っていますが、予算の総額をあまり拡大させずに、中長期的な結果を出していくには、国民に対する啓蒙・教育と『同時に』制度改革を進める必要があります。
その改革の方向性としては、現在からではなく、理想とする未来像から逆算してロードマップを引いてくる必要があります。その未来像とロードマップがないうちは、たぶん何をやってもうまくいかないと思います。
『同時』といえば、最近のアベノミクスにまつわる議論をきいていて、
おかしいと思うことがあります。とくに3月以降です。
もともとは、迅速なデフレ脱却がすべての根本であり、それには第一の矢(金融緩和)
第二の矢(財政出動)を同時にふかすことが学問的にも理にかなっていることは
ノーベル経済学賞のクルーグマン、スティグリッツ両氏の弁を待つまでもありません。
しかし、第三の矢(成長戦略)は、生産性を上げる改革なので、需要と供給でいうと、
供給を増やして需要を動かさないので、かえってデフレ(供給>需要)を促進して
しまいます。
もともとは、
第一の矢「白川日銀には何もできなかった。インフレ期待の喚起が重要」
第二の矢「回復を待っているいとまはありませんから」
第三の矢「いつまでも借金を続けるわけには行かないので~」
と選挙演説でも言っていたのに、「政権を取ったら一~『三』を同時にやるのが大事」、
とか「一番大事なのは第『三』の矢」などと、主張の根本が変わってしまっています。
とくに甘利大臣と産業競争力会議がひどい!
そして増税ですが、「デフレを脱却した後」と安倍さんも麻生さんも繰り返し
言ってきて、3党合意でも附則18条にその旨を書き足したのに、今は「民主党時代は
マイナスだったのが、自民党になったらプラス3.5パーセントになった」などと
盛んに宣伝しています。
このプラスは「実質GDP」です。肝心の「名目GDP」はプラス1.5パーセント程度
なので、まだ名実逆転はなおっておらず、つまりデフレは継続しています。
第『三』の矢は、本質的にデフレ促進策なので、じつはデフレ脱却後名目成長が
安定するまで、実施を待たなければいけないのです。
今忘れてはいけないのは
コアコアCPI(物価指数)がプラス2%
GDPデフレーターが名実逆転解消
という必要条件と
「名目」GDP (百歩譲って「名目」GNIでも可)
という単語です。
なぜ盛んに成長を宣伝しながら名目と実質をわざとはぐらかしているかといえば
財務省の事務次官がリフレ派の真砂靖氏から増税派の木下康司氏に変わることに
なった影響が大きいからだと思います(と倉山満先生が言っていました)。
勝栄二郎や木下次官は、デフレ脱却しなくても税収が結果的に減ってもとにかく増税
という、かなり危ない思想の持ち主といわれています。
まさに国益より省益、アベノミクスの意義を踏まえ猛省を促したいところです。
まずは、予防歯科で大きな戦力になる歯科衛生士の充実が急務と考えます。
具体的には教育機関(専門学校)の拡充、再復職支援、そして規制(歯科医の監督)緩和です。
レントゲンのボタン、浸潤麻酔、歯型、かみ合わせetc。
規制している法規の根拠自体が不明かつ古色蒼然としている部分もたくさんあります。
以前、新藤総務大臣がうまいことを言いました。規制緩和は、総論反対・各論賛成なのです。
また、一部の私大歯学部では、定員の半分程度を歯学部⇒医学部に転部・変更することも
社会のニーズに非常にマッチすると思われます。
「むし歯や歯周病にならない日本」一刻も早く実現したいものです。
◇ Part3 歯を守る技術最新事情 Vol.2
本当は、今上に書いたようなことをもう少し掘り下げて論じていただければとても良かったのですが、残念ながらここの章は、小手先の技術論やメニュー紹介に終始してしまい、せっかくの挽回のチャンスを逸してしまった感が否めません。
また、技術論にしても、特定の歯科医師個人の発言のみを頼りに記述している部分がこのパートに限らず全体的に目立ち、気になります。
「縦に割れた歯の根を、口の外で接着剤で着けてから戻す方法」の部分が典型的です。
これは日本では眞坂信夫先生という、歯医者なら知らないものはないくらいの大家がおられたのですが、その大家をもってしても必ずしも成功率の高い方法ではありません。
まず歯が縦に割れるということは、割れるなりの原因(圧力が強すぎ、芯棒の形が悪いetc)があるから割れるのです。
その原因に目をつぶって、単に接着剤でつけて戻しただけでは、たとえ生着しても次はもっと早く割れてきます。
レーザーのむし歯判定機「ダイアグノデント」のところも乱暴です。基本的にコレは、穴になる前のむし歯になりかけの歯を判定するために作られたものですが、記述では
う蝕検知液の場合は、染まった部分だけを削り取る。ダイアグノデントは、ペン型の短針部分を歯に接触させてレーザー光で虫歯の状態を計測する。数値は最大99まで示され、30以上ならば処置の対象となる。う蝕検知液で染まった部分を切削し、ダイアグノデントで計測すれして確認すれば、より確実にということになる。
となっています。これは二重の意味で変です。
まずは、この記述だと、むし歯のエナメル質と象牙質を削って、う蝕検知液で染まらなくなった象牙質(エナメル質にはもともと検知液の意味が無い)の部分を、更に削り足りないか見るためにダイアグノデントで確認する、と理解できますが、寡聞にして、基本的にダイアグノデントでそういう使い方をすると聞いたことがありません。
また、「30以上は処置の対象になる」などと乱暴に言い切ってしまっていますが、そんなことをしたらどこもかしこもピーピー反応しまくりで処置(削って詰める)だらけになってしまい、オーバートリートメントの片棒を担ぐことになってしまいます。
マニュアルにも「*上記数値はあくまでも目安ですので、測定値だけでなく患者さんのカリエスリスクを考慮して診断してください」といしっかり書いてあります。
それどころか、私も購入時に、マニュアル写真の右下の「ご使用いただいている先生方の測定値の目安」と、右上の「ダイアグノデント 測定値の目安」があまりにも違い過ぎるのに、非常に驚きました。
(ダメじゃんKAVO(カルテンバッハ)。ご使用いただいている先生方の言うこと聞かないとwwwwww)
私は、微妙なシミなどについて30ちょい超え以上の値が出た場合に、患者様との2人3脚で進行しないように予防を頑張りましょう、という意味で使用するのが、ダイアグノデントの一番本質的な使い方だと思います。バンバン削るためにダイアグノデントを使うのは、根本がちがうのではないかと思います。
電動歯ブラシ『頂上決戦』なんてのも、どこかのラーメン屋さんみたいで、何だかなぁ・・
正直、スクラビング法の基本を抑えていれば、ほとんどの人は数千円の安い奴で良いです。
あと、あまり大きな声で言うと怒られますが、歯みがき粉も、とりあえず好きなので良いです。
あってもなくても。。
<終わりに>
読んでみて一番感じたのは、これだけネットが普及したのに、ニュアンスとして正しい方向性が、まだまだ全然一般に伝わってないな、と感じました。
これはネット上でもそうです。
歯科の場合は、個人差や各論が複雑すぎて一概にものを言いにくいのですが、総論的な部分だけでも、全然認識されていない感想を持っています。
たとえば、某アフィリエイトサイト「安心ちゃんねる」のような、医療系の話題を扱った掲示板などでも、治療を受ける側の認識としては相変わらず「歯医者は高い/回数がかかって金儲け/痛くないのに行きたくない/保険と自費は材料以外は同じだ」のような感じです。
また、「歯」と入れてGoogleニュース検索をかけて引っかかってくるサイトも、おしなべて皮相的な方法論に終わっている物がほとんどです。
まだまだ時間がかかると思います。私もあせらず頑張っていきたいと思っています。
【今回のまとめ】
ネットでもリアルでも、歯科イメージの中心は治療メインで完結しており予防部分が手薄
こんにちは。根本齒科室の根本です。
先日、何気なく取手駅のくまざわ書店の雑誌コーナーをふらついていて、びっくりしました。
「また何と分かりやすい歯医者叩きか」「こりゃいかん!何かコメントしないと」
慌てて一部購入し、持ち帰って目を通した結果wwwwwwww
(まぁ43野や超勉強法を持ち上げてるようなデフレ増税マンセーな所だから仕方ないか)
結論から言えば、読者・国民にとって一番大事なものを書き忘れています。
この執筆陣の理想とする歯科臨床・歯科環境が全く提示されていません。
(というか、彼ら編集部にはそれを書く実力や理解力がないからなのでしょう)
だから、一応場を繕うために出してきた解決策が、ぜんぜん解決策になっていません。
ふと以前、商業出版を試みてボツになったことを思い出しました。
<総論>
そのときは、たまたまS新聞出版社の方に、企画書の段階で興味を持っていただき、
いろいろお話をさせていただいたことがありました。
残念ながら、ボツになったわけですが、その方が話された内容がとても印象的だったのを覚えています。
「編集会議での意見なのですが、どうしても、当社は報道系の出版社なので、このような啓蒙的な実用書路線よりは、何か現場でしか分からない歯医者の裏側とか、スキャンダルなんかを好む傾向があるんです。私はこの(ボツになった)企画は面白いとは思うんですが(これはリップサービスでしょう)、会議では私の一存ではどうにもならないところもありまして・・・」
まぁ、そんなに簡単に本なんか出せるわけがない、とは思ってはいましたがw
「たとえば、こういう企画なんかだと・・・」
とその方がカバンから出して示してきたのは、週刊朝日の「特集!『インプラント使い回し』事件」の記事でした
・・・
(なぜ報道会社は、王道でなくてスキャンダルが好きなんだろう?)
(そんな目線では、かえって世のため人のためにならないと思うのに)
(そんな有害無益な姿勢なのは、じつは一般市民を嫌いだからだろうか?)
そのようなことを非常に強く考えさせられました。
本題に戻ります。
昔は、このような雑誌の特集やTV特集(クローズアップ現代など)があると、私たちは
「そうだ、そうだ」「権威ある○○社がいうんだからそうだ」と思うしかできませんでした。
情報源が一方通行で、かつ非常に数が少なかったからです。
私などは、もうハナから目も通さないのですが、複数ソースを容易に検索・比較検討できるネットが発達したおかげで、手元に既存メディアがなくても何も困ることがなくなりました。
ネットの発達は、本当に民主主義にとってよかった出来事だったと思っています。
ただ、その副作用として、一部SNSなどでの乱暴な発言やなりすまし、炎上なども問題になってきています。貴重なネット媒体を有効に活用するためにも、適切なメディアリテラシーの普及は欠かせません。
こんな感じの “異質な” 特集があるときは、基本眉唾で見るもんだと思っています。
むしろ、主張の反対側の立場から見るくらいで、ちょうど釣り合いが取れるかなと思います。
<さっそく>
まず冒頭でかでかと、この調子ですw
ちなみに、デザインは表紙も冒頭も、ヒビが入った歯の影が「¥(円マーク)」
アンチビジネスですよねぇ。。デフレ派の所だし。43野や超勉強法の所だし。
見開き2ページの頭書き(傍線は根本による註です)からもう
「(患者)争奪は激化」して「過度なもうけ主義に走る」歯医者に「だまされずに」「いい『歯医者』と『治療法』へたどり着ける」
題名が『Prologue 歯医者の泥沼』
その下のチャートが、でかでかと・・・
ひどいでしょう
歯医者過剰
↓
経営悪化
↓
患者争奪・歯学部劣化
うわー、ヤル気まんまんだ、宣戦布告じゃん
・・・
と思いきや、じつはちゃんと叩き切れてないかな、というのが、その意味での直感です。
ひとつ、随所に「金儲け」という言葉が出てくるのが、非常に気持ち悪さを感じます。
これ、マスコミの好きな「官僚叩き」「族議員叩き」「既得権益叩き」などと同根の発想でしょう。十派一からげに「歯医者は金儲け主義」と印象操作してしまったほうが、「見るほうも」「発行する方も」頭を使わなくていいから楽なんだと思います。
ただ、、総論や冒頭で一生懸命悪口や罵倒を並べて方向付けをしようとしているのですが、各論や細部に行けばいくほど「悪くないニュアンス」の内容が増えて、罵倒が減っていきます。
問題は、肝心の「悪くないニュアンス」の方向性に確たる芯がないのです。これだけじゃ読者困るだろうなぁ、という点が一番懸念です。
私は、とりあえず良さそうな歯医者の一覧だけ載せて、という方法には決して与しません。
まず第一に差別的ですし、読者の間で「いい歯医者は安心だが悪い歯医者は心配だ」という分裂意識や不安を持たせこそすれ、読者の自立や行動改変に資するとは思えません。
「いい歯医者を探して行けるから良いではないか」という意見もあります。
しかし考えてください。
それは(修復)治療のために行くところです。
己の不始末の尻拭いの場合もあるかもしれません。または、過去の潮流で現在の基準ではオーバートリートメントであったり低精度であったりする修復のやり直しなのかもしれません。
これらは、飽くまでも「『後始末』のすすめ」であり、私が真に必要だと考える、お口の自己防衛や強靭化の方向には決して進んでいません。
深く読み込めばたしかに一理あることもたくさん散見されます。しかしそれぞれにまとまりがないので、これではなかなか中身や趣旨が読者に伝わらず、冒頭や出だしのイメージに引きずられて
「何やようわからへんけど、とりあえず歯医者=悪やねんで」
で終わってしまいます。
一応見出しと寸評を。
◇ Prologue 歯医者の泥沼
ここまで客観的事実を出して、まだ歯医者叩きに持ってくとか、冷たい編集部だな
◇ Part1 治療費のカラクリ
先進国インプラント出荷本数の減少は「不信感」でなく「治療終了・欠損減少」が主因
P37歯周病たたきはイヤラシイ(素人目にわかりにくいと思うけど)
◇ Part2 インプラントにだまされない
叩くならNHKをもっと見習ってwハリボテ資格より類似症例の資料説明
入れ歯でステーキ、矯正でゴルフ上達は、基本期待しないでください
(ひとつ、すごく重要なことがさらっと書いてあります)
◇ Part3 歯を守る技術最新事情
歯周病はP37とP52で言ってるニュアンスが真逆。混乱の元
セルフケア(日々の歯みがき)はプロが関与しないとほぼ無意味
◇ Part4 いい歯医者悪い歯医者
「独り善がりの歯医者は避ける」?逆だろ逆。理を説く力は理ではない信頼感。
ここで20ページも使って全国の歯医者さん一覧?意味不明。
◇ Part5 歯医者・歯科大の末路
「供給が需要を生む」セイの法則?逆でしょ逆!潜在需要の喚起が鍵。時代はケインズw
「供給が需要を生む」がおかしいのは、私大乱立を見ても明らか。早く医学部に転換を
保険技工は正直厳しい。最大の原因は治療費が安すぎること(残念ですが)
以下、それぞれについての詳細なコメントを書き蟲って逝きます。
◇ Prologue 歯医者の泥沼
その前の見開きから説明していきます。
黄色や赤の傍線部の文の出だしに「明らかな供給過剰である」とありますが、これは日本の特殊な国情を加味すると供給過剰ともいえますが、OECDの20か国でいうと平均的な数です(日本の歯科医療の数値データをちょっぴり・・)。
結構「歯科医師過剰」はミスリードの出だしに使われることの多い単語なので気を付けてください。
上記リンクは私の書いた過去記事ですが、平先生の力作のおかげで結構まとまっています。お時間のある方は合わせてお目通しください。
ではPrologueに行きます。
[ 引用 ]都内の男性歯医者は勤務していた歯科診療所を退職した。「なぜ今の患者の歯を削らなかったんだ」「なぜ抜かなかったんだ」。院長から叱咤され続けてきた。(中略)しかし、削ったり、抜いたりしなければ診療報酬にはつながらない。院長が求めるのは、金を生む歯医者だった。
たぶん、金儲け=削る、という抜きがたいニュアンスがあるのでしょう。この頭が古い。
安易に削るのが良くないのは、当然ですが歯は自然治癒しないので、削る行為そのものが非可逆的行為だからです。一回削った歯は二度と戻らないし、境界線が再度よりハイリスクになるからです。
Part3にも出てきますが、一般的な傾向として、残す治療・削らない治療のほうが「若干」保険よりは高めです。
ざっくり言って、一般的な自由診療の差し歯(5~10万)の、ゼロが1つ少ないイメージです。
むしろ、日々身を削って、国民医療費の抑制に大いに貢献している歯科医師に、感謝とは言いませんが労いや同情の言葉のひとつくらいあってもいいのではないでしょうか。ココ(口腔de強靭化?!)でも書きましたが、医療費には昔から
3×8=24(さんぱにじゅうし) の法則
というものがあり、国民医療費がだいたい30兆、歯科医療費はその8%で2兆4千億と、ほぼ決まっています。
最近は医科医療費と薬価が伸びていて少し増えていますが、全体としては大きく変わっていません。とくに歯科はほぼ完全な横ばいです。
[ 引用 ]国民医療費全体が膨らんで国の財政を圧迫する中、歯科の医療費は厳しく抑制されており年間2兆5000億円前後の横ばい。他の先進国がそうであるように虫歯予防の意識が高まるにつれ、虫歯の数は減っている
そりゃ、日本以外では高い(修復)治療から身を守るため、必死になって安上がりの予防に励むからです。
逆に、(修復)治療に依存してしまって、自助努力が頭の中で消えてしまっていたのがかつての日本です。
この部分を描いた人の頭が、完全に事前的モラルハザードですね。
[ 引用 ]市場規模は変わらないというのに
もう立ち位置がド素人。そっち(安上がりのバンバン削る治療)の方向に市場開拓を進めたらダメだってさっきから言ってるのに、これですから。
[ 引用 ]歯医者の頭数は増えるのだから、取り分は減る。総じて歯科診療所の経営は悪化した。稼ぎを確保したい歯医者たちは、患者が全額を自己負担する自由診療に群がった。中でもインプラント市場にこぞって参入し、
何という下品で卑しい言葉の数々なのでしょう!これではほとんど容疑者の素行の記述です。
まるで「小沢新聞日刊ゲンダイ」の自民叩きを読んでいるようです。
しかも、公党であれば政策の違いがあるので批判に対処たり説明したりするのも大事な仕事のうちなんでしょうが、ここで叩いているのは、ほとんど何のバックボーンもないので叩きやすい零細個人事業主です。たまたま免許があるというだけで、犯罪者でもない個人を、全国誌の紙面を使って罵るというのは、公正性やフェアネスに照らして、どうなんでしょう。
とか言ってる割には、「自由診療に走る」棒グラフを見ても、全然走ってない走ってないw横ばい横ばい。
(2枚目の図の左上の棒グラフ)
アレですよ。ここ2~3ヵ月の株価の乱高下を見て「安倍バブル終了」などと言っているのといっしょですよ。
1年前なんか、民主党と白川のせいで、日経平均8000円台だったんですから。
株が上がれば「物価高で生活苦」株が下がれば「日本終了」こういうのを下種の勘繰りというのです。
どっちにしても叩きたいだけ。
[ 引用 ]歯医者の技術不足や強引な営業によってトラブルが多発した。歯科医療に対する国民の不信感が生まれ、自由診療の市場も患者離れで伸び悩み、歯科診療所経営はますます悪化していく。
これについては、<総論>の冒頭で書いた、出版社の方が出した記事「インプラント使いまわし事件」が思い出されます。
あと、アレだ、野田(佳彦)さんの後援会長だった元歯医者とか、やっぱり、一部の豪勢な面々が目立つというのはありますね。
個人事業の場合は、大きな組織と比較した弱点として、コンプライアンス面や内部統治の包括的な担保が構造的に困難だという面があります。
そこで、どうしても一部に大きくはみ出した感じの人が出てきてしまいます。
同時に、読者の方々には、このような報道が出たときに、(どうして歯医者はみんな開業してるのか?)(なぜいい安定的な勤務先が拡充しないのか?)ということにも思いを馳せていただきたいのです。
もちろん院の臨床スタイルや提供プログラムも大事ですが、修復治療は下は詰め物から上はインプラントまで、結局はすべて職人芸的な面が非常に大きいので、患者様が何に付いていくかというと先生とか個人に付いていくんです。だから、規模の経済がとても利きにくいのです。
ちなみに私のところは、予防と自由診療は伸びていますが、保険診療の伸び悩み(と無断or突発キャンセル)に真剣に悩んでいます。インプラントは症例を選んで慎重にお話ししているので、あまり伸びていません。年間100本もだいぶ先です。。
残りは次回。
【今回のまとめ】
この雑誌は歯医者を叩きたいのか叩きたくないのか不明。結論は持ってないことが判明
こんにちは。根本齒科室の根本です。
今日は、ものすごく表現しにくいニュアンスについて語ってみます。
ストレートに書くといろいろ角が立つので、婉曲な表現になりますが、ご理解ください。
歯医者の問診票に[今回はここだけでいい/全体的に見て欲しい]という欄があります。
ここは、割とチェックすることが多いですね。でも[全体的に]にマルがついていても
(この人にとっての[全体的に]って、どういうニュアンスなんだろう・・・)
鵜呑みにはできません。
その他に気にして見る部分は、「その他何かありましたらお書きください」の空欄です。
ここに「久しぶりなので歯石も取っておいて欲しい」等と書いてあることが最近多いです。
見ると、割合初期の段階であるものの、かくれ歯石(縁下歯石)があるせいか、または
ブラッシングが甘いせいか、歯肉縁が、とくに内側(舌側)の歯と歯の間(歯間乳頭部)
を中心に赤紫に充血している部分が散見されるようです。
「歯石を取って欲しい」の言葉の裏は、何を意味するのだろう?悩みます。
(まさか、ただ取りゃイイ!とか今日全部とれ!ってワケじゃないだろう・・・でも)
問診票にわざわざ書くくらいなので、かなり「歯石」についてのこだわりは強そう。
とりあえず取る(上の方だけ取ったふりでも?!)と口にするだけでも、安心するかも。
(ううむ、1回では終わらなさそうだ)
さて、[治療系][歯石系]どちらが先になるでしょうか?
いろいろな意見がありますが、私の理想的には
「[歯石]が先」
です。
(強い痛みや主訴がある場合は別。当然そちらの応急処置優先)
説明します。
建物を建てるときでも、まず区画内の地盤がしっかりしていることが大事です。
元沼地とか、地震のたびにゆるゆる液状化しているところでは不安です。
原発も、最近活断層がどうのと言われていますが、丈夫な岩盤の上でないと
たてられません(もちろん、セシウムなどで汚染しているようでは困ります)。
その安定した地盤の上で、基礎をしっかりと作ります。
最近は、さまざまな『免震構造』なども注目を集めているようです。
それから初めて上部構造(家屋)が立ちます。
いっぺん家を建ててしまってから「しまった!扉が・・」では遅いですよね。
ここのコラムでも書きましたが、初診の口腔内で真っ先に見る物は何か。
◇ 歯周病の傾向が強いか、弱いか
◇ むし歯の傾向が強いか、弱いか
◇ かむ力の傾向が強いか、弱いか
の判断です。
それぞれに[強い]~[弱い]の傾向があると、最初に3通りに分けて目星をつけます。
Aさんは、むし歯の傾向が強いが、歯周病の傾向や力の傾向が弱い
Bさんは、むし歯も歯周病もなりにくいが、力の傾向が非常に強い
などなど、です。
◇ 歯周病の傾向が強いか、弱いか
歯石を取るということは、どういう意味があるのでしょうか?
歯周病菌は「通性嫌気性」です。ざっくりと言うと、歯周ポケットの奥とか、隙間の奥のほうが
酸素が少なく快適なので、そちらに向かって進みやすい性質です。
奥のほうが”快適なので”、奥に向かって進む。
奥のほうが”快適なので”、歯石も硬くなる
↓
白血球などの免疫が、歯石を排除しようとして失敗する
↓
歯石と免疫の戦いのとばっちりで、骨が吸収する
↓
歯がゆるくなる
これらの流れを止めるために、原因である歯石を手で取る必要があります。
白血球や免疫に、あのゴリゴリした歯石を除去できるわけがないからです。
ところで、歯ブラシ指導をすることは、どういう意味があるのでしょうか?
歯石 = プラーク(=菌) + カルシウム
です。
どちらかがなければ、上で書いたような歯周病がどうの、などということは
起こりません。
しかし、カルシウムイオンは唾液の中に豊富に含まれています。
これをなくすことはできません・・
そうすると、歯石の発生を抑えるには、プラーク(=菌)の増殖を常に低いレベルに抑え込む
ということになります。
この、低いレベルに抑え込むというのが、プラークコントロールの意味です。
プラーク(=菌)の増殖を抑えないと、必然的に、どんどん唾液中のカルシウムを取り込んで
固まろうとする性質があります。
そして、コイツは(むし歯菌もそうなのですが) 「通性嫌気性”」といい、酸素が少ないほど元気になるという基本性質がありました。
つまり、フローリングでいう目地の隅のような、奥に奥に行きたがるんでしたね。
たとえば、中程度の歯周病の人が、きちんと歯石を取ると、このようになります。
ちょっと引き締まった分、歯の露出が少し長くなってしまいますが、歯周組織の健全性は
回復した状態です。
しかし、歯の汚れは他人任せで、自分ではプラークコントロール = 抑え込み の
改善努力を全くしない、というのでは、菌の性質「通性嫌気性」「カルシウムイオン親和性
(俺的造語)」からして、このようになります。
一見赤味も引いて、改善したかのような錯覚に陥りますが、ポケット底部の位置や状況が
術前と変わっていないのは明らかです。
むしろ、こちらのほうが、気付かずに進行するガンの転移に似ていて、余計たちが悪いのかもしれません。
だから、少なくとも、ある程度歯周病リスクがありそうな人は、ただ歯石を取るだけでなく
歯ブラシの指導や、効果的なプラークコントロールを身につけること、またそれを
定期的に歯科医院でフォローすることが、前提として非常に大事なのです。
基本的にバイキンだらけ、口腔内ドロドロみたいな状態で、機械的に無理に歯石を除去しても
菌には「通性嫌気性」という性質があるので、むしろ逆効果です。
だから、ただ歯石を取るだけではダメです。
また、歯石を除去する前に、ポケットの深さや炎症の状態をしっかり把握しておくことが大事なのはいうまでもありません。
単純に、カンだけで取っていくと、間違いなく底のほうに取り残しが起こります。
いきなり、
の状態の再現になってしまいます。
中には「さっぱりする」「すっきりする」「歯をみがいても出血しなくなる」
などの個人的(愁訴的)な理由で定期的に歯石を取ると思っている方もいます。
結構な話ですが、それには「上記の問題点に合致しない」必要があります。
そして、そのような “幸運” な方々も、上記のしくみを理解して、早い時期に
他人任せ⇒二人三脚へスタンスを脱却していただきたいと思っています。
◇ むし歯の傾向が強いか、弱いか
さきほどの[歯周病][むし歯][かむ力]の傾向の中の[むし歯]の傾向がない、というケースもあります。
不思議なことに、大陸アジア系の方に、この傾向が強いです。
私のところでも、中国人や内外モンゴル人、その他アジア系の方の患者さまが見えますが
おしなべてむし歯がきわめて少ないか、全くないのが特徴です。
多くは、全体のうち、数本がセラミックが入っていたりするのですが、逆に
「そこまでする必要があったのか」と疑問に思うような感じです。
むしろ、いじったところほど侵襲が大きく、神経を取られていたり全部被覆冠になっている
反面、ほとんどの、いじっていない他のところは無傷なのです。つくづく罪深い治療
なのかもしれません。
そのかわり、ぶっちゃけ歯石(牙結石)はべったりです。
一番すごかったのは「今まで生まれてこのかた歯医者に通ったことがない」という
中国人の方でした。
結構歯石が熟成していて硬く、取るのが大変だったのを覚えています。加油洗牙!
(その後、日本人の方で一名、同様の方が見えました。こちらも歯石はべったりでした)
上記の例とは別に、日本人の方の場合には、むし歯の傾向が少ない患者様、
というのはほぼいらっしゃいませんね。
なさそうでも、大抵歯と歯の接点の下とか、上の奥の外側のコーナーなどに
何かしらあるものです。
しかし、歯石については、ほぼ見られない方もかなりおられます。
その辺の[歯周病][むし歯][かむ力]の3つのパラメーターに気をつけながら
処置を進めていく形になります。
むし歯の傾向が強い人には、まずは応急処置後の予防的処置として、食事指導や
歯ブラシ指導をしたり、場合によっては除菌や薬物塗布を進めたりするほうが
メインになってきます。
ただ、先ほども言いましたが、むし歯と歯周病の両方の傾向がある場合には、
歯周病の解決が先になります。
むし歯(実質欠損)の処置には修復を必ず伴います。しかも歯頚部とか歯肉縁ぎりぎり、
場合によっては歯肉縁下の処置がほとんどなのです。
歯周病の解決がされていないと、出血によって充填物の接着力が阻害されたり、
血液のせいで取った歯型が変形したりずれたりします。
また、歯石を取った後に歯肉縁の位置が下がることがあるので。。
とくに審美的部位の前歯では、修復は慎重に行う必要があります。
もちろん歯周病の傾向が強い人には、少しまめにメンテナンスを計画したり、
歯ブラシ指導や初期治療(縁上・縁下の歯石除去)に力を入れることを第一に
考えていきます。
最終修復は、歯周組織が安定してから、それからです。
◇ かむ力の傾向が強いか、弱いか
上記のいずれの傾向とも独立して、[かむ力]の方も見ていく必要があります。
この傾向は、あまり歯科医院で語られることが多くありませんが、ある意味
歯科疾患を象徴している面もあります。
「歯はその人とナリを現す」
歯には生活習慣や食習慣、習癖などが如実にあらわれますが、この[かむ力]こそが
その際たるものだからです。
力の傾向が強い人には、生活指導をていねいに行うことが重要です。
(といってもウチでは必要そうな人にコレ(PDF)を配っているだけですが)
↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓
まず「歯は使わない時は咬まない」「歯は普段は咬まない方が普通」というように、
意識を変えていただくことが最優先です。
このカテゴリーの人は、常日頃からコレを理解しておいてもらわないと
せっかくの修復物がどんどん自分のかみしめの圧力でダメになってしまいます。
また、知覚過敏や歯周病、顎関節症の憎悪因子、とりわけ知覚過敏の主因でもあります。
修復との兼ね合いもありますが、場合によってはマウスピースの話をすることもあります。
個人差も大きいのですが、夜間の歯ぎしり・くいしばりが想定外にタフなときは、その力で
歯や歯周組織をいためてしまうからです。
これらのようなことは、まだ原始人や縄文人の頃は、生物学的にも想定されていませんでした。そんなことが問題になる前に、マンモスに襲われたり、疫病になったりして、20年前後で
すぐ死んでしまうからです。
今は医学も文明も発達し、日本人、とくに女性の寿命は世界最高になりました。
歯は自然治癒も新陳代謝もしないので、数十年ほど大幅に伸びた寿命の間も
末永く歯を使えるように、大事に大事に使っていくことが必要です。
◇ これらが通用しないパターン
一応私としては、自分が患者として受診した場合に、何が利益になるだろうか、という考えを
ベースにしながら臨床を組み立てていき、説明をすることが “一般的” です。
こんな私も、開業後、何回か考えが変わったりしたこともありました。が、今は一応
(だいたいこの辺だろうなあ)、というところに落ち着いてきてはいます。
多くの方には、趣旨をおおむねご理解いただいているところではあり、ありがたいのですが、
まだまだ中にはそうではない方も少なからずいらっしゃいます。
当院の来院動機はおもに「通りがかり」「紹介」「ネット」なのですが、大雑把に見て
今書いた順に、「理解されない」確率は上がります。
とくに「通りがかり」の場合は、私の方針よりも前医の方針を是としている場合が大半であり
その辺の説明に苦労することが多いです。
その場合、たいていはこちらの話に異論を感じていたりするので、説明をすればするほど
怪訝な顔になったり、困惑の表情をあらわにしたりします。
さらに、「最初から」非常に面倒くさそうな感じの方もいます。
なかなかご理解を得にくいパターンを見ていると、おおむね2つ(+α)あります。
▲ 私の方針よりも『前医の方針』を是としている
▲ 仕事などが忙しく、歯医者や健康は後回し
▼ 性格がかなり攻撃的or懐疑的
初診とか2回目あたりで、この2つ(+α)を見ていて、万が一、一定程度以上キビシイ感じであれば、残念ですがそれ以上の信頼関係の構築は困難ですので、ていねいな対応はあきらめざるをえないところです。
逆にネットを見てこられた方の場合は、むしろ予習や先走りが過ぎて「アレして欲しい」「これして欲しい」というパターンで苦労することが多いです。
情強なのは結構ですが、それが過ぎて顔や態度にもろ出しになってしまい、評論家や市民運動化、野党議員のような表情になってしまうと、対応や説明にも時間がかかってしまいます。
なかなか歯科の場合は個別のケースで一般論が通用しないことも多いので、対応や説明もワンパターンというわけには行きません。
▲ 私の方針よりも『自己検索の結果』を是としている
▲ 仕事などが忙しく、歯医者や健康は後回し
▼ 性格がかなり攻撃的or懐疑的
・・・割とパターン似てるかも
あまり声を大にして言いたくはないのですが、このように信頼関係の構築が難しく、ていねいな対応を断念せざるをえない場合には、もう右から左に、機械的に流すような処置以上のことはできません。
そして、定期健診の話などおくびにも出さず、さっさと終了して、(自分の中で)なかったことにしてしまうしかありません。
それをご本人も望んでおられるのですから・・
でも、世の中、何が正しいとか妥当なのかは分かりません。
そもそも、正しいとか妥当だという概念すら、哲学的にけっこうあいまいですし。
逆に、
○ 善意や自己検索よりも私の方針を是としている
○ 時間的余裕があり、歯医者や健康意識が高い
◎ 性格がかなり融和的and穏健的
が嵩じて、世間一般でいう、騙されやす「そう」に見える方もいらっしゃいます。
話しているこちらも、何でもハイハイおっしゃるので、ちょっとこちらが勝手に心配になったりすることもあります。
(この人は変な宗教とか変なサークルでは、いろいろお困りなのではないか)
まぁ、そのような歯科に関係ない点については、私の取り越し苦労でしょう。
でも、そのような人こそ、私たちは絶対に裏切ってはいけません。
そして、総じて治療も予防も、よい結果が出ていたりするのです。
飽くまでも歯科的な面については、よい結果が出ていることを素直にうれしく思います。
私も、患者様に口から出まかせを言っているわけでは、もちろんありません。
心から、この人にはこの説明が必要だと思ったことを説明しているつもりです。
少しづつでも、理解が浸透すればいいなぁ、と思いながら毎日仕事しています。
【今回のまとめ】
治療や予防における妥当な考えをご理解いただくのには、内容以上に信頼関係が大事
(おまけ)
先日、週刊ダイヤモンドがヤラかしたようなので、近日中にうp予定です
(‘A`)<’A`>(‘ハ`)
こんにちは。根本齒科室の根本です。
この間、神田昌典氏の本を久しぶりに見つけました。しかもなぜか平積み。
『非常識な成功法則』院内新聞の書評には無理がある感じですね。
「やりたいこと/やりたくないことを紙に書く」
「自分のミッションを決める」
・・・そうだ、そんなことを書いてあったっけ
懐かしさのあまり、10年ぶり位に買ってしまいました。
(紙に書いてみる・・・やってみようか)
◇「やりたいこと」を明確化するために「やりたくないこと」をまず決める
うわ~、一方的に出てきますね!
*支払いで苦労したくない
*業者に気を使いたくない
*生活にプレッシャーを感じたくない
*キャンセル・無断キャンセルに悩みたくない
etc
ほとんどが金がらみの話ばっかりw何だよ?
で、やりたい方のこと
*金持ちになりたい ←またかよ
*愛情に満ちた家庭を持ちたい
*予防歯科や、自分の哲学を広めたい
*自費やインプラントをもっと伸ばしたい
*商業出版したい
*できればセミリタイアしたい(かも)
etc
ふと思ったのは、いわゆるbe動詞が多いですね。
「○○したい」よりも「○○でありたい」が圧倒的に多い。
商業出版くらいですかね、「○○したい」系は?
◇「自分のミッションを決める」
これはもう、決まっているので、概略程度にとどめます。
予防の原理
それを伝える
この仕事をしていると、非常に強く感じることがあります。
それは、なかなか自分の思っていることが、地域や周囲に伝わらないことです。
(ぐう広告費を使える潤沢な会社は別だと思いますが)
今だに「通りがかりに医院を見つけた」「取れたので付けてほしい」「今回はそこだけ」
などという方もなかなか後を絶たないのが現実です。
いくら自分が「○○がいい」と思っていても、現在の日本では現実には法規が邪魔する
部分が大きいのも事実です。
・・・
なぜだろう?もう一度自分で考え直してみました。
◇ 「保険」の哲学
哲学?保険診療に哲学もくそもあるのか?と思いつつも、自分が患者さんになった時の立場も考えたりしながらいろいろ考えてみました。
私も、急に病気になったり怪我したときに、やっぱり保険で診てもらえると安心します。
「日本人なら保険で診てもらえる」この安心感が、やはり多くの人に共通の感覚かもしれない。
TPPで保険制度を輸出、などと観測気球の報道がなされたこともありました。絶対無理だと思うけど。
そして、当たり前の事実に気が付きました。
『保険制度は全国民の税(保険料)で広く薄く賄われている』
北は北海道、南は九州沖縄、尖閣諸島に至るまで、津々浦々の日本国民全員が少しづつ
広く負担しているわけです。
そして、またまた当たり前ですが、必然的に次のような結論に達します。
『保険制度は全国民に広く薄く給付されなければならない』
現実には老人医療や命に係わる問題に重点的に配分されてしまいますし、
根本的な問題としては財源問題がボトルネックはなってきます。
しかしそれは置いておいたとしても、なるべく公平に治療しなければいけません。
それはイコールなるべく大勢に治療しなければならない、というのと同義です。
非常に簡単な例を挙げます。
むし歯が2本ある人が4人いたとします。
1本15分で治療が終わるとします。
この場合、当然ですが、制度の趣旨を考えたら、1本15分で4人治療すべきなのです。
1人30分とって、2人を2本づつ行うのは、公平性の趣旨に反するのです。
それは、同じ条件で保険料を負担している残りの2人に不公平だからです。
よく、歯医者に対する批判で
「待たされる」
「回数がかかる」
「再診料で儲けている」
というのがありますよね。
しかし、保険診療は私たちに言わせれば、国際相場を見ても、半分ボランティアのようなものです。当然ですが保険診療は、窓口では3割負担だけであり、残りの7割を足して10割で考えてもなお世界標準の相場の数分の一の医療費にしかならない、低廉な診療単価であることは有名です。
医院経営全体を考えても、再診料(42点)で稼げるなど、論理的にありえない話です。
で、この安い診療単価の理由は、何か?
結局のところ
「より公平に」→「より広く(=より多くの人数に)」
だからであると私は考えました。
もちろん、負担者全員に究極の処置を給付することは不可能ですよね。
回数がかかるのは、なるべく平等に広く薄くしようとするからだと、ご理解ください。
処置内容もおのずと最大公約数的、必要最小限的なものになるし、むしろそれでいいと思います。
しかし、そこで出てくるのが、例のチャートです
医科(グループC)は自然治癒するので、本質的に急性期の処置はシンプルです。
「治癒力を引き出す」「治癒力を阻害しない」ことに集中するからです。
いわゆる “歯科治療(グループB)” は全く逆です。
「痛みを取る」「腫れを取る」
この後が『本番』です。
自然治癒しないので、処置がえらく複雑になるのは当然です。
とくに根管治療(神経や根の治療)とりわけ大臼歯部の治療は煩雑です。
そして入れ歯の調整も、症例にもよりますが、大きなトラブルのもとになることが多いようです。
入れ歯は、自然治癒とは全く逆の方向を向いた処置です。
医科でたとえると、義足、義手、顔面プロテーゼ、などの範疇であり、医療ではなくてリハビリです。
当然、「より快適な○○」「生活の質を取り戻す○○」となります。
すぐれて個人の間隔・感情面により大きく深くコミットする内容になるわけです。
この点については、残念ながら現在の日本の保険制度ではまったく考慮されていません。
◇ 「自費」の哲学
いっぽう、特定の個人との随意契約で、集中的に療養を給付しようとするのが「自費(自由診療)」です。
保険診療とは、ベクトルが真逆です
先ほどの4人の治療の例で言うと、4人の中で随意契約を結んだ個人1人に集中的に治療し
30分でむし歯を2本治療して、残り30分で歯の掃除や研磨、他の問題の対処を行う感じです。
その間、当然残りの3人は待っていただく形になります。
「より快適な○○」「生活の質を取り戻す○○」な内容、より個人の感覚・感情面に大きく深くコミットする内容になればなるほど、
自由診療の保険診療に対するアドバンテージはより明らかになってきます。
しかも規模が大きくなればなるほど、その差は歴然としてくるのも当然です。
なぜか?
「自然治癒しない」からです。
何らかのモノを『体内』に積極的に残さざるを得ない、すぐれてリハビリ的内容である歯科治療では機能や形態、耐久性を天然の歯、以前の歯に対していかに近づけていくかが勝負です。
しかしそれでも、「自然治癒しない」という束縛からは逃れられないのです。
処置をすればするほど、もともとの天然歯の目減りは避けられない。
私は、自費(自由診療)の治療を行うときには、擬似的にでも構わないので、トータルに
時間を止める
時間を少し巻き戻す
結果を生み出せるように努力します。
もっとも分かりやすいのが、ベストセメントです。
むし歯になる前の時間までは巻き戻せませんが、現存するむし歯をそのまま再利用できますので
むし歯になってから半分くらいは時間を巻き戻したのと同じ効果が得られます。
また、擬似的ではありますが、グラディアダイレクトによる直接修復も気に入っています。
患者様も大変喜ばれます。
そして、何といっても、矯正歯科やインプラントです。
矯正治療の2年間は、その後の人生の何十年分もの価値があります。
インプラントは、正しい治療が行われれば、擬似的にではありますが、歯が悪くなり始めた段階まで
一気に時間を巻き戻してしまうのと同じ結果を生み出すことができます。
△ 他院では・・・
じつは、少し前に、諸事情で近所の●歯科医院が閉院になりました。
その医院のことはほとんど存じないのですが、「●歯科に通っていた」
という方がときどきこちらにもやってくるようになりました。
何かちょっと、いやスゲー、雰囲気が違います。
とにかく、こことここが壊れたのでやってほしい、という感じで
こちらの話に耳を傾ける感じが、極端に乏しい感じです。
なんだか、話しかけづらい、とか、非常に何事かを提案しづらい雰囲気なのです。
紹介やネット経由、あるいは通りがかりなどで普通に新患で見えた方々とは
明らかに話しかけやすさが違います。
彼らが●歯科医院に求めていたもの、なのか、●歯科医院が彼らに求めていたのか
分かりませんが、それらの一端が垣間見えてきて、とても複雑な気持ちです。
こちらのミッションが伝わらないと、なかなか患者様の意識も上がるきっかけがありません。
患者様がとりあえずそうしてほしいこと?!まあ、姑息的な修復で終了したいということですね。
それは必要条件ではあっても十分条件ではない、何度もそのことはここでも書いてきました。
歯科で最大公約数的、必要最小限的な内容で広く国民に利益をもたらすとすれば、
公的医療費の有効な使途は予防の普及以外にない。
私はそう思うのですが・・
【今回のまとめ】
保険制度の目的は平等に広く薄く給付すること。歯科「治療」には適当な考えとは言い難い。
*追伸;文中、グループBとグループCが逆になっていたので書き直しました(2013/06/03)
(おまけ)
保険制度の療養をなるべく平等に広く薄く給付する(=時短)には作業の効率化も欠かせません。しかし変な方向に手を抜くと、あまり清潔でない感じになります。
特に根治。
バーやファイルを消毒液につけただけで、滅菌をしない医院もかなりあるようです。。。
それはどうかと思うのですが、1回分に小分けして滅菌するのもしんどい。
便利なケースを求めて、秋葉原の裏のほうに行ってきました。
歯科関係者なら、この写真を見て何をしようと企んでいるのか分かるかもしれません。
テイシン電機㈱
TB-4B(基板ケース)TB-20(ユニバーサル基板)
こんにちは。根本齒科室の根本です。
だめですよ、●●に「尖閣」とか「憲法」とか入れてはw
前回申し上げた通りですが、いつものように、院内新聞のネタ探しで「歯」でぐぐっていたら、意外なサイトで予防歯科について載っていたので、(少し遅くなってしまいましたが)ご紹介することにしました。
今回の引用が、歯の予防の全体像をとらえたい人、小さなお子様をお持ちの方、これからお子様を考えている方にとって
「核 心 的 利 益」
になることを祈っております。無理かな?
ではさっそくサーチナから行きます。
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2013&d=0410&f=column_0410_013.shtml
赤ちゃんの歯のお手入れ方法と虫歯の防ぎ方
【コラム】 2013/04/10(水) 08:37
最近は歯が早く生えてくる赤ちゃんも多いようです。上下の前歯が生えそろったら、そろそろ歯のお手入れを始めましょう。ここでは赤ちゃんの歯のお手入れ方法と、虫歯の防ぎ方をご紹介します。
これは、と思い、さっそく近所のドラッグストアー「ウェルシア」に覗きに行ってきました。
乳幼児用の歯科用品は、歯科用品売り場でなく、乳幼児用品売り場にあります。
(離乳食などと並んでいる)
で、買い物ついでに堂々とこっそり写真を撮ってきました。
*クリックで別タブで拡大表示になります。
■歯が生える時期
個人差がありますが、乳歯は生後6カ月くらいから生え始めます。下の前歯、上の前歯と生え始め、1歳の頃には上下8本くらい、1歳2~4カ月頃には奥歯(臼歯)が生え始めてきます。
上下そろうのは2歳半から3歳頃。その後、6歳頃になると、かむ力の強い6歳臼歯が生え、12~13歳頃には永久歯になります。
付け加えると、市の保健センターの検診でお子様たちを見ていますと、1歳6か月検診では
だいたい上下左右A~Dまでの16本、という子が多いです。2歳6か月~3歳5か月検診では
A~Eまでの20本になりますね。
園医をしている幼稚園の検診を見ていると、5歳くらいになると早い子では6歳臼歯(第一大臼歯)が生えています。
これは永久歯です。
まとめますね。
一応の目安として参考にしてください。
◆6M 萌出開始
◆1Y 2本x上下左右
◆1M6Y 4本x上下左右
◆3Y~ 5本x上下左右
◆5Y~ 永久歯(第一大臼歯)萌出開始
■赤ちゃんの歯のお手入れ方法
◎1歳まで
食後や寝る前には湯冷ましなどを飲ませるだけでも効果があります。1日度1くらいは、食後に湿らせたガーゼで歯を拭いてあげるといいでしょう。
ここで、先ほどの写真をもう一度ご覧下さい。
仕上げ磨きというと、真っ先に思い浮かぶのは①の部分でしょう。
「はみがきめんぼう」の隣の子供用ブラシ(一番左はゴムブラシですが)のはそれぞれ対象年齢が
「6~8ヵ月」「8~12ヵ月」「1歳2カ月~1歳6ヵ月」「1歳6ヵ月~3歳」となっています。
(左2本は大人の使用する仕上げ専用歯ブラシです)
最初は「6~8ヵ月」のゴムブラシでいいと思いますが、1歳までは、子供が嫌がる場合は
食後に湿らせたガーゼで歯を拭く、ということですので、仕上げ磨きの代用として
②「歯みがきナップ」「にこピカ歯みがきシート」を使用して拭くとよいと思います。
余談ですが、出生時にごくまれに下顎乳前歯が生えていることがあり、先天歯と呼ばれます。
これがあると、授乳の障害になったり、傷ついて口内炎(リガフェーデ病)になったりするので、研磨したり抜いたりしろとWikipediaに書いてあります。
しかし、先日初めて下顎の1-1欠損のお子様を拝見しました。口腔内には下顎のA-Aのみが生え変わらずに残っているのです。
それ自体は特に問題はないのですが、もし先天歯と1-1欠損が併発したら、結構ナーバスな場面になっていたのかもしれません。
A-A研磨ならともかく、研磨のし過ぎで歯根長が短縮したり、抜去なんてことになった場合は・・・
最近は永久歯胚の先天欠損や癒合歯胚も以前より増えてきている感じなので、若干心配ではあります。
◎1歳になったら
1歳になるころには、歯ブラシにも慣れさせておきましょう。お母さんが歯磨きするときに、子ども用の歯ブラシを持たせるのもおすすめです。子ども用の歯ブラシもいろいろありますから、握りやすいものを選ぶといいでしょう。
とありますので、子供が”自分で”棒状の物で”あそぶ”ことは習慣化しておく方がいいと思います。
1歳を過ぎるころには「乳歯ブラシ」もナイロン起毛の立派な感じになってきます。
しかし、これも「ナイロン起毛に慣れさせる」ことが主な目的です。
まさかこれで、子供が十分にプラークコントロールできるなどと勘違いしないでください。
食後や寝る前に、子供が数分”あそぶ”習慣を定着させる、程度のものであり、あくまでも予防歯科の主体は大人による仕上げ磨きです。
ここは取り違えないでください。
◎歯磨きのやり方
ひざの上に子どもの頭を乗せると頭が安定しやすくなります。歯ブラシは1~2本の歯に当てて、小刻みに動かしながら磨きましょう。夕食後、1日1度でもきちんと汚れを落とすことが大切です。
簡単に言うと、「12時の位置」です。
顔面を時計になぞらえ、左口角の位置を3時、オトガイの位置を6時、右口角を9時、額を12時と見立てます。
仕上げ磨きは12時の位置からのアプローチが基本です。
正座または(パパなら?!)あぐらで、子供の頭がおなかのところに来て、足がむこうに伸びて寝てる感じです。
■虫歯を防ぐ方法
乳歯が虫歯でも、「永久歯に生え変わるから」と気にしないお母さんもいるようですが、乳歯の虫歯によって永久歯の歯並びが悪くなったり、歯の質が悪くなることもあるようです。小さい頃から歯磨きの習慣をつけ、虫歯を防ぎましょう。
以前も書きましたが、その人のむし歯のなりやすさは、17~31ヵ月(1歳半~3歳)のケアが勝負です。
ここでのミュータンス菌(むし歯菌)の定着を許さなければ、ほぼ生涯にわたって、ミュータンス菌の少ない(『その他の常在菌』が大多数のシェアを占める)口腔内になることが知られております。
逆に、ここを外してしまうと、なかなか一定の比率で定着したミュータンス菌のシェアを下げることが困難になってきます。
つまり「むし歯になりやすい人間」になってしまうのです。
よく
「外来種の○○が生態系の中で増殖して、固有種とのバランスが云々」
などとニュースでやっていましたよね。
一般的に、一定のシェアを一定の系(空間内)で獲得すると、なかなか一掃は難しいものです。
非常に大切な時期です。
◎虫歯を防ぐ方法
小さな子どもの場合、歯にフッ素をぬって虫歯予防する方法もあります。フッ素をぬると、歯のエナメル質にフッ素が作用し、フッ素カルシウムに変化します。フッ素カルシウムは虫歯を作る酸に抵抗力があります。
☆歯磨きを怠れば意味がありません。
あれっ?
「フッ素カルシウム」?日本語でおk wwwww
フッ素は
低濃度では「フッ化アパタイト」
高濃度では「フッ化カルシウム」
になります。
フッ化アパタイトは、むし歯の酸蝕に抵抗性があります。
いっぽうフッ化カルシウムはきわめて力学的にもろく、まさに崩壊そのものです。
ヲイどっちだよ?Which one is correct?哪一個是正確的?
(まぁ置いといて、フッ化アパタイトだろうと好意的に解釈して進みます)
フッ素は、おもに萌出直後~3年程度の幼弱歯に作用して、その歯を丈夫にするものです。
4歳~程度の、「ぶくぶくうがい」ができるお子様では、ミラノールなどの「フッ化物洗口法」が有効です。
歯科医院で処方してくれますが、最近は幼稚園や小学校などの公教育の場で実施されることも増えてきました。
■おわりに
歯は一生ものですから、しっかりお手入れしてあげましょう。
(著:こそだて編集:nanapi編集部 写真:PresenPic)(情報提供:ナナピ)
いかがでしょうか?
では次に、大人?!の予防歯科についてのまとめに行きたいと思います。
トレンド・フォーカス
30~40代は歯の曲がり角!――知って役立つ歯の最新治療
2013年04月02日
※この記事は日経ヘルス for MEN「筋トレで腹を凹ます」をもとに再構成しました。
???腹を凹ます??? まぁ、次に行きましょう。
ゆるい図が、どことなく見る者をほのぼのとさせてくれる、癒し系記事です。
まずはリンクをまとめます。
◇虫歯
http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/pickup/20130322/1048264/
◇歯周病
http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/pickup/20130322/1048264/?P=2
◇インプラント
http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/pickup/20130322/1048264/?P=3
◇歯のメンテ
http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/pickup/20130322/1048264/?P=4
では最初から見ていきましょう。
◇虫歯
http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/pickup/20130322/1048264/
|働き盛り、歯はどんどん悪くなる!
こんな人は、当院の患者様でも、そうそうはいません。さすがに脅しだと思います。
|加齢とともに歯は黄ばみ歯ぐきもやせる
歯そのものの色は、大きく変わるわけではありません。70代80代の方でも、白い方は大勢います。また、ボロボロなのに、歯そのものの色は白くてきれいな方も少なくありません。
「30~40代になると紅茶やコーヒー、赤ワイン、タバコなどによる着色汚れが進む。エナメル質も摩耗によって薄くなり、奥の象牙質が透けて歯が黄ばんで見える。また、磨き残しがプラークとして定着すると歯周病になるし、歯肉がやせることで露出した歯の根っこ部分の虫歯も増えてくる」と話すのは、鶴見大学歯学部保存修復学講座の(ry
歯が黄ばんだ感じになる、というのは、このように奥の象牙質が透けて、あるいはダイレクトに見えてくるからです。
ちなみに文章中にあるような「紅茶やコーヒー、赤ワイン、タバコなどによる着色汚れ」など、機械的歯面清掃でほぼ瞬時に取ることができます。
しかし、通常、エナメル質が全体的に摩耗してくるというのは、形成不全などの先天疾患や、酸関係のToothWear(過食嘔吐や化学工場勤務など)でもないかぎり、なかなかお目にかかれません。
圧倒的に多いのは、歯ぎしり・くいしばり・かみしめ癖などにより、歯頚部がたわむことによって欠けてしまい(楔状欠損)、知覚過敏を引き起こし、そこから慢性的に欠けが大きくなって象牙質が露出していくパターンです。英語ではAbfractionといいます。
原因は物理的な圧力なので、一時的にそれ(楔状欠損)を接着性レジンなどで埋めても、すぐに再発したり、レジンが欠けてしまいます。
大切なことは、「食べるとき」「踏ん張るとき」以外には極力、歯を”休める”ことです。
詳細は、下の夏目漱石のお札をクリックしてください(PDF注意)
結構これを歯医者で言わないことが多いので、ぜひ落としてプリントアウトしておいてください。
さて、治療そのものについてですが、
ここまでステマ丸出しの表情ですっぱり割り切れるものではありません。
う蝕部分を赤く染色し、染まった部分のみを専用の器具を使って除去。健康な歯の部分は削らず神経も極力温存するため、治療後も歯の本来の働きを維持することができる
という解説もあります。これは「カリソルブ」という、むし歯だけを溶かして健康な歯の部分を残して充填する薬液のことで、少し前にはやったのを覚えています。
ただ、チェアサイドでは正確性に欠けるとされ、永久歯に積極的に用いるのには若干の抵抗を感じたことを覚えています。
もっと言えば、これ以上に「削らない」ことにこだわったのが、ベストセメントです。
虫歯 Q&A
Q 「神経を抜く」のは悪いこと?
神経はできるだけ抜かないのが最新の考え方。「神経を取ると、象牙質が乾燥してもろくなり、ひびが入ることも。細菌への抵抗力が下がり、歯の寿命を縮めてしまう」と桃井教授。ただし、神経が通る歯髄にまで虫歯が到達すると、何もしなくても痛みが起こる「自発痛」が起こる。こうなると神経を取る必要がある。「虫歯になった象牙質を意図的に残し、虫歯の穴をきっちり封鎖。歯髄の働きで無菌化する歯髄温存療法という治療法もある」(桃井教授)。
し、歯髄温存療法ですか・・・
これは、シールドレストレーションというやり方で、完全に密封できればむし歯は進まない、という理論で、「カラーアトラス 治癒の歯内療法(クインテッセンス出版)」でちょっと触れていましたが、あまり肯定的には書かれていませんでした。
試しにそのとおりに何例かやってみたことが昔ありましたが、すべて神経が痛みもなく壊死を起こしてしまいました。
当たり前です。むし歯菌は嫌気性なので、封をして酸素分圧を下げたら基本的に元気になります。
また、過酷な口腔内で、不完全な歯質に依存して「虫歯の穴をきっちり封鎖(完全密封)」、などということがそもそも不可能です。
一時的にわざとむし歯を残して仮に珪酸セメント(グセ+水カル)などで封をして、数か月したらまた外して、あらかじめ残しておいたむし歯を削りなおして詰める、というやり方(間接歯髄覆罩)は、しばしば行いました。
神経があわてて、内側に修復象牙質という壁を作るので、壁ができる数か月後などに、改めてむし歯を削りなおすというものです。
シールドレストレーションよりはましでしたが、それでも神経までギリギリだったりすると、なかなか「痛みもなく壊死」とか「強い痛みが出て神経を取るしかない」などでうまくいきません。
それに、「そこまで手間をかけるくらいなら、とりあえず普通につめて、問題があったらそのとき神経を取ってくれ」と患者様の方が言い出してしまいます。
今のところ、一番安全なのがベストセメントのような気がします(強い自発痛がない場合)。
次のページに行きます。
◇歯周病
http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/pickup/20130322/1048264/?P=2
・・・
申し訳ありません。ちょっとここの絵では、あまりにも意味が不明だと思います。ゆるけりゃイイってもんでもないと思いますので、普段はあまりこのような手前味噌のことはしないのですが、
うちの公式HPのリンクを貼りますので、そちらでイメージをつかんでください。
その後でもう一度日経トレンディのページを見ると、かなり焦点があいまいであり、やっつけ仕事であることがわかると思います。
僭越ですが、このページに対する評価は、なしとします。
次逝きましょ!
◇インプラント
http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/pickup/20130322/1048264/?P=3
いや~、いいですねぇwwwww
こりゃ、商売がやりやすくて助かります(冗談です)
インプラント Q&A
Q 治療費の相場は?
健康保険が適用されない自費診療になるので、歯科医院によって治療費は異なる。フィクスチャーや人工歯などの材料費に、診察代、検査代、手術代が上乗せされて、相場は1本当たり30万~40万円の所が多い。見積もりを出してもらい、内訳について説明を受けて検討しよう。万一、インプラントに不具合が生じたときの保証内容についても確認しておこう。医院によっては、保証料を上乗せしたり、独自の保証制度を設けている所もある。
Q 「インプラント治療の医師」の選び方は?
インターネットでは「安い」「早い」を宣伝文句にしている治療機関もあるが、それだけにつられて選ぶのは良くない。信頼できるかかりつけ医がいるならまず相談した方がいいし、実際にインプラント治療を受けた人に話を聞くのもいいだろう。「リスクについてもきちんと説明し、入れ歯やブリッジの選択肢など、総合的に判断してくれる医師がいいだろう。治療後のかみ合わせなどメンテナンスについても、どんどん質問してみるといい」(吉岡理事長)。
読者の皆様は、これをご覧になると、確かに良さそうな感じはするものの、なぜこのように高額なのか?いくら保険外とはいえ、あまりにも格差がありすぎるのでは?というのが正直なところでしょう。
じつは、私たちの天然歯1本の値段は、現在は、非常に高いのです。
映画「レ・ミゼラブル」では、歯を抜いて売っている場面がありましたが、今こんなことをやったら・・・
実際に、誤抜歯でも、損害賠償で数百万~1000万近くの判例が数多く出ています。
治療そのものが日本の保険で数千円のことが多くても、歯そのものの価値が数千円、などということは絶対にないのです。
そして、インプラントは「歯のない所」に入れる物です。
歯牙修復と欠損補綴。概念としては似て非なるものです。
(とりあえず一旦ここまでであげます。その後で加筆修正します。)
また、欠損というからには、「廃用性萎縮」という概念を忘れることはできません。
以前、NHKクローズアップ現代での”ネガキャン事件”について本コラムで触れたことがありました。
その時の冒頭の図をもう一度出します。
日経トレンディの図を出して、顎堤の形態の比較をしてみましょう。
お分かりいただけたでしょうか?
土手の高さが全然違いますね。後者の方がモリモリと土手が盛り上がっていますね。
また、もっとも注意すべき「下歯槽神経」が省略されていますね。
実際の臨床ではこんな甘い顎堤などありません。
事前の診断は死命を制する重要なポイントです。
「廃用性萎縮」。
使わない土手は痩せていきます。下顎の顎堤は下がり、上顎の顎堤は含気化(副鼻腔が押し迫って薄くなる)します。含気化すると、
このような、副鼻腔に落としたり、後から取れてしまったりするトラブルが発生しやすくなります。
日経トレンディの絵だけを見ていると、いかにもインプラントは簡単にできそうな気がしてきませんか?だから
いや~、いいですねぇwwwww
こりゃ、商売がやりやすくて助かります
と、現場の人間としては、軽口の一つも叩きたくなる、というものです。
(私は政治家ではないので、麻生さんや猪瀬さんのような心配をしなくてもよいので楽です)
ところで、インプラントの結構重要なポイントについて、さらっとですが書いてあったので、
もう少し詳しく説明します。
「体の中で最も硬い物質を入れることになるから、その機能をどう永続的に維持していくかを見ていくことも大事」(吉岡理事長)。通常の歯は、土台に「歯根膜」というクッションがあり、衝撃を適度に吸収して周囲の組織を守ってくれるが、「インプラントは骨に直接歯を打ちこむため、かむ力を微調整することができないのが解決すべき課題となっている」(吉岡理事長)。
そうです、そのおかげで、天然歯はかみしめ時に平均30マイクロのアソビがありますが、インプラントは平均3マイクロしかありません。
骨に癒着しているのですから当然です。「解決すべき課題」と書いてありますが、解剖学的には解決しないでしょう。
そうすると、模型上で天然歯と同じ高さで作ると、軽くかんだときはいいのですが、かみしめ時に沈まないインプラントだけが相対的に高くなるのです。
それを踏まえて、インプラント部分は、天然歯と比べて、ほんの少し低めに調整して入れるのが一般的です。
また中長期的にも、天然歯よりも高くなりがちな傾向があるので、ときどき咬み合わせを確認・微調整する必要があります。
そして、隣の天然歯と連結することも原則的にはできません。
インプラントが動かないので、連結された天然歯の方が叩かれて、セメントが取れてきてしまうからです(仮固定に使うくらいは、たまにやりますが) 。
相手の歯の状態も大事です。
相手の歯が歯周病になって弱っていたりすると、やはり、対天然歯よりも、対インプラントの方が”ケンカ”に負ける確率が高くなるので、アタリを調節したり、相手側の歯周病の対策を補強工事として行ったり、いろいろな可能性を考えて進める必要があります。
ここに書いたことも、ほんの一部です。
しかし、咀嚼能率や耐久性もそうですが、隣在歯に対する保護作用という面で圧倒的に優れているのも、インプラントです。
まさに「お口の中の国土強靭化」です。
では、最後のページに行きましょう。
◇歯のメンテ
http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/pickup/20130322/1048264/?P=4
おや?
「歯をしっかり磨いて、というと強い力をこめて磨いてしまう人が多い。ホウキで掃除するのをイメージして。ブラシの先でサッサッと掃くでしょう? それと同じで、ブラシの先をサッサッと動かすのがいい」
・・・
「ボールを良く見て、グッと踏みこんで、腰でバァーンと打つ。バァーンと。」
何だか、こんな名セリフを髣髴とさせる文面ですね。
少なくとも私はそれだけでは球を打ち返すことはできません。
多分、スクラビング法のことを言っているんだと思いますので、私なりの解釈として、こちらのコラム(1) (2) も参考にしていただければと思います。
「塩水うがい」で菌を殺菌しよう
それなら重曹の方がいいと思います。
一般論ですが、塩水うがいとか、塩水で歯みがき、というのは、よけいなSDS(発泡剤)が入っていないのですっきり引き締まる、とか、直接よく毛先が当たる、というのがセールストークだったと記憶しています。
しかし、化学的には、口腔内(歯肉外)の[Na+]や[Cl-]のイオン濃度(≒浸透圧)を上げることにより、歯肉内の水分が歯肉外に移行することで、一時的な収斂作用を見るにすぎません。
この一時的な収斂作用は、各種「生薬」配合の「歯”槽膿漏”予防歯みがき粉」や「リステリン」等の含嗽材も同じことです。
当然ながら、とくに歯周病は、原因は、歯肉内のプラークや縁下歯石ですので、これらを除去しない限り、必ず再発を繰り返すのは当然の理です。
そして炎症の再発を繰り返すと、歯槽骨の吸収(消失)⇒歯周病菌のさらなる侵入⇒(以下無限ループ)となり・・・
また、むし歯予防と[Na+][Cl-]aqの間には、寡聞にして何の因果関係のエビデンスも聞きません。
むしろ「食後30分の歯みがき」などのような問題も重曹で解決するし、(飲用するレベルで摂取するわけではないので)無害です。
さらに、重曹の良いところは、1リットル当たり大さじ1杯混ぜてパスタをゆでると、大勝軒のもりそば(つけ麺)にきわめて似た麺に変身するところです。
ウェルシアには、通称「デフレパスタ」と呼ばれる、500g98円という、とんでもない大変有難いパスタがあります。ちなみにメイドイン・ギリシャです。
もうだいぶ、つけ麺に化けています。
早くギリシャもユーロを脱退して、ドラクマに戻してくれたら、さらなる爆裂値下げ間違いなしでしょう(これでは”デフレの輸入”になってしまい、安倍美楠に反するので我慢しますが)。
ときどき鏡でチェック。磨き残しはないか確認を
いいことが書いてあります。
「(前略)奥歯のつきあたりは、口を閉じ気味にイーッとして、ブラシを奥に回りこませるのがコツ」(桃井教授)。
これは私も常日頃患者様に申し上げているところです。
分からずに歯をみがこうとすると、10人が10人、大口を開けて歯ブラシをしようとします。
これでは口角に引っかかって外側はみがけません。
ぜひ参考にしてみてください。
少し付け加えます。
◆(上下とも)右の犬歯の付近は要注意
◆臼歯部は、上は外側、下は内側
右の犬歯のところは、右利きの人の場合、歯ブラシを持ち変えるエリアと一致します。
そしてそこから奥は、逆手にして歯をみがいています。
その順手と逆手の境界部分が、おろそかになりがちなので注意してください。
臼歯部ですが、「上は外側」は、さきほどの桃井教授のおっしゃるように、口を閉じ気味にイーッとしてみがくとよいでしょう。
「下は内側」は、舌根部が邪魔するのです。
舌尖部とことなり、舌根部は不随意筋です。
引っ込めようとしても勝手に出っ張ってしまったりします。
そして嘔吐反射も起きやすい部位なので、ついついなおざりになりがちです。
また、とくに現代人は小顔の人が多く、大臼歯部が舌側に内傾斜しているケースも少なくありません。
そうするとどうしても角度的な入りにくさも増します。
ためしに、下の大臼歯の歯頚部付近を真面目にブラッシングしてみてください。慣れないと本当にやりにくいと思います。
そのような訓練を幼少時に受けていない場合は、オエッとなりがちですが、これは習慣と意識で耐久時間がどんどん伸びます。
3秒が5秒に、10秒に、といった感じです。
嘔吐反射にたじろがず、せっかくなので、耐久時間をどんどん伸ばしていきましょう。
家でできるホワイトニング
何度も言いますが、薬事の規制で、歯科医院でしか行えないことになっています。
重ねて、くどいですが、TPPで、フッ素洗口液とともに自由化される可能性を秘めている二大薬物の一つだと踏んでいます。
しかし、ホームホワイトニングの最大のボトルネックは、マウスピース(歯型・石膏模型・加圧加工)です。
ここを歯科医院が押さえてしまっているので、非常に敷居が高いものになっています。
もうひとつは、人種間の歯質の差です。
東洋人はエナメル質が薄いので、白人や黒人のような、過酸化尿素35%のような高濃度のものは無理です。
しみ過ぎて&痛過ぎて、拷問のような感じになってしまいます。
(個人輸入の通販をご検討の方は、くれぐれも濃度にご注意ください)
20%でもかなり厳しく、15%程度が平均値です。
当歯科室では、それでもしみるといって、11%で行う方も少なくないほどです。
その辺の管理は、利権云々は別として、やはり慣れた専門家がアドバイスできる方がいい気もします。
エナメル質が薄いということは、それだけ効果が薄いことも意味します。
ホワイトニングは歯のエナメル質が染まるだけで、内側の象牙質は染まらないからです。
この辺も、我田引水パート2ですが、当院公式HP(あまり煮詰まっていませんが)をご参考にしてください。
以上です。
(あ、これは使えそうだ)と思ってネタとして取っておいたのですが、いざよく見てみたら、あまり使えなさそうな部分もあり、また新しい発見もあり、自分としても勉強になりました。
歯は何と言っても、自然治癒しません。目減りしたらそれまでです。
医科一般と真逆の性質です。
ですから、「何かあったら歯医者があるさ」ではなく「歯医者にヤラれないにはどうするか」でないといけません。
(「ヤラれない」とは、従来的な治療のことです。健診、PMTCなど予防処置は含みません)
そして戦い?!は、1歳になる前から始まっているのです・・
各自、ご高配ください。
【今回のまとめ】
時期に、また、範疇に応じた予防知識で武装しよう&重曹でゆでるつけ麺は大変おいしい
こんにちは。根本齒科室の根本です。
TPPはやはり、(応援してたのにw)NZやカナダの突っ張りも空しく
どうでもいい感じになってきましたね。交渉力≒名目GDPかよ?
やっぱり要注意はアメリカの並行協議(日米EPA?)のようです。
こうなったら、並行協議で「寝っころがって梃子でも動かない(古賀茂明氏談)」で
極力何も決めないことで、TPPをかき回して骨抜きにしていく方針しかないですね。
それはそうと、この間のことです。
ランニングして900Kcalも消費したし、寝酒でも買いに行こうか
などと思い、トレーニングウェアのまま自転車に跨って、近所の「ウェルシア」に向かいました。
(時間も遅く、24時の閉店まで後30分程度。急がないと)
などと思っていたら、ウェルシアの手前で男性の声がしました。
「すいません、誰か人いますか?」
暗がりの中を目を凝らして見ると、夜中に道に迷った人のようでした
自転車にまたがっていた私は「あ、はい」と返事しました。
次の言葉は、私の想像をはるかに超えたものでした。
「私目が見えないので、ずいぶん道に迷って。
○丁目△-□、分かりますか?」
こんな夜中に!見ると、小ぎれいとは言い難い60代くらいの方が、白い杖の代わりに傘で地面をぱちぱち叩いています。
暗がりの中にその方の目元を見ると、確かに盲人のような瞳孔の白変を認めます。
(何と言うことだ!危ない!)
○丁目△-□の位置は私も分かりませんでしたが、近所のセブンまで行けば大丈夫との事。
セブンなら、ここからも数百メートルの距離です。
「分かりました。セブンに行きましょう」
自転車にまたがったままでしたが、その方の手を取ってゆっくりセブンの方に歩き始めました。
道中
「ここが旧若柴街道とメインストリートの交差点です」
「次の信号がセブンですが、少しだけ道が左にカーブしているので気をつけて」
「そこ段差があるので足元気をつけて下さい」
などと話しながら、何とかセブンの入口の扉のところまで案内して
「これが扉です」
と、手動で開閉する扉に手を触らせるところまで、ようやくたどり着きました。
その様子を見て、店員の人がすぐに出てきた様子だったで、私はそこで失礼しました。
その後も、まさかの展開に驚きっぱなしだったのは当然です。
なぜこのような視覚障碍者がこんな深夜に独りで道に迷っているんだろう?
乱暴な運転の車がいても、避けられないだろう、危なくないか?
日常生活をケアする人はいないのだろうか?
雰囲気から言って一人暮らしのような感じだが大丈夫だろうか?
行政の手当てはどうなってるんだろう?
しかも白い杖でなくて、傘だったのはなぜ?
他人のお手伝いをした、と言う思いよりも、それらのほうがはるかに大きな心配でした
(なお、寝酒を飲むほうがより大事wだったので、ただちに閉店間際ウェルシアに急いだ模様)。
・・・ちょっと、そのままセブンで買うのも照れくさい感じだったし・・・
しまった!また飲みすぎてしまった(明日の分まで)orz
最近ひとつ学んだはずでした。
「アルコールは『エンプティーカロリー』である」「酒は太らない」という真の意味を。
×「アルコールは燃焼(代謝)されない」
○「アルコールが先に燃焼(代謝)代謝され、肴の燃焼が後回し」
「おかしい、痩せない!」
走っているのに、なかなか体重計に反映されないwwwww
つまみも、イカとか梅とか豆腐とか、カロリーを菅変゙えているはずなのに
どうしたことか。安倍美楠(あべの みくす)は俺の腹にはやって来ないのか・・・
いろいろ原因を考えた挙句、たどり着いたのは、
「酒」そのもの
でした。
ご多分に漏れず、私もストレス発散や晩酌などで、ついつい手が伸びる口です。
「エンプティカロリー」「太るのはつまみのせい」などいう単語をうのみにして、
いかにも太らないイメージのまま、「エンプティ」の基本的な意味を誤解していました。
エタノール(M=46)に換算して1g(≒1ml強)あたり7Kcal。
これは何と、脂肪とほぼ同じ値。
エタノール100g(100ml強)なら、油100g(100ml強)と熱量は同じ700Kcal。
ちなみに、ごはん1合半に匹敵します。
酒を飲むと、そのとき胃に入っている食べ物や口にしている、あるいは口にする予定のツマミは
消化が後回しになり、アルコールが優先的にエネルギーになります。
さんざん酒の分解で痛めつけられた肝臓を待っているのは、
乾き物とか煮物とかフライとか、結構消化に時間がかかりそうな奴らです。
そしてとどめは、〆のお茶漬けorうどんorぞうすいorラーメン等です。
小腸から吸収されたこの方々は、門脈を通じて、疲れた肝臓に直行です。
そりゃあ、内臓脂肪や脂肪肝にもなるってもんです。
また、見てると、1回に飲む量は人によって大体決まっていることが多いですね。
私も、350mlの缶1本などという微量では、むしろ「心苦しく」なってしまいます。
そんなことするくらいなら、むしろその日はやめて、後日まとめて飲みたい口です。
ちなみに、ワイン1本や日本酒4合(15度×720ml)くらい飲んでしまいます。
エタノール換算だと、0.15×720=108ml(≒2.35モル(C2H5OH;M≒46))
エタノールの燃焼熱は1gあたり7.1Kcalなので、その108倍は766.8Kcal。
エタノール換算100ml以上いくと、少し気分が悪くなってきたり、寝たことに気づかなくなってきだすことも経験則で分かっています。
ちなみに、タカラ缶酎ハイ「ドライ(糖類ゼロ)」(7度×500ml)
エタノール換算だと、0.07×500=35ml 3本飲むと105ml。
缶酎ハイ3本のエタノール換算量はワイン1本や日本酒4合とほぼ同じ。105ml 7.1倍して、745.5Kcal。
「ドライ」「糖類ゼロ」
などと聞くと、いかにも太らないイメージがある。
確かに通風にはならないかもしれないが、危ない、危ない!
・・・などということを、頭では分かっていたつもりだったのに
また3缶(1500ml~745.5Kcal)も飲んでしまった。
走って減らした分のかなりが、チャラになってしまった(‘A`)
「これがどう歯に関係あるんだ?」
という声が聞こえてきそうなので、ここから得意技の?牽強付会モードで強引に〆ます。
視覚障碍者の持つ感覚や世界観、生活支援などについては、全くの門外漢なので
本当に最大公約数的なところでしか分かりません。
それに、仕事柄でもなければ、そのような知識を日常求められるわけでもありません。
これに対して、アルコールの件については、若干ちがいます。
過剰な飲酒は、肝臓を傷めたり、種類によっては通風の原因になったり、
メタボリックシンドロームを通じて、糖尿病や腎疾患の原因にもなります。
「声なき内臓」の悲鳴。あなたは耳を傾けていますか?
こういうことは、「ある程度把握している『つもり』」であることも多いです。
しかし、少し調べてみると、根本的なことを誤解していることも多いものです。
そして、歯も、基本的に全く見ることのできない臓器のひとつです。
前歯の唇側が見えるので、ついつい「見える」と誤解しがちですが
奥の角や上顎の口蓋側は、一人ではよほど工夫しないと見えません。
杖の触覚のみを頼りに感覚を把握する視覚障碍者ではありませんが
本来そのくらいの慎重さがあってもいいのではと思います。
痛い(or困った)とき歯医者に行く
この概念をなるべく脱して欲しい
いつも私はこのことを言っています。
歯科は医科一般と反対の性質があるのもそうですし、
なによりも私たち自身が、歯とか口の正確なところもほとんど分かっていない。
私は?と言っても、基本的に、そのときそのときに「妥当だ」と思われていて
エビデンスの確立した処置法や衛生概念に従っているだけです。
それが後年「妥当性を大きく欠く」「誤りである」とされることもままあります。
廃れるどころか、アマルガムのように「健康に良くない」「二次被害(掌蹠膿疱)の元」
としてやり玉に挙がってしまうものもあります。
それも、間違いなく、その当時の良心ではあったはずなのですが。。
逆に、カッパーセメントのように、あらぬ風評で廃れて数十年たってから
近年にわかに「ベストセメント」として脚光を浴びる、などという例もあります。
科学技術とは一般にそのようなものなのかもしれませんが、こと人体相手の仕事です。
しかも歯は自然治癒しません。
生活習慣の鏡みたいなものです。
やはり、極力無駄な”工事”を避ける”ために努力する”に越したことはありません。
これらの話に関連して、なぜか「サーチナ」と「日経トレンディ」に興味深い記事がありましたので
近く、解説を交えて紹介したいと思います。
(コレで今月もノルマの2稿に何とか到達かw)
【今回のまとめ】
酒は太る (たまには無理やりの稿があってもいいのではないか)。
あ、忘れ物
先日のG20(ワシントン)後の麻生財相の会見で「水道の民営化」に言及していて驚いた。
それでなくても中華資本などが水源地などを次々と買収していると昨今報道されているのに、どうしたことか。(牽制?観測気球?)わざとか?
スエズ・エンバイロメント社のように、南米における家庭の水道の蛇口にカード読み取り機をつけて、プリペイドカードを通さないと水が出ない、などのようにしてしまうのか?
あ、そうだ
今後、そんな話が出てきたら「あぁ、水道の民営化?それってこういうののことですよねw地元の中小零細のための事務組合ですよね。じゃなきゃ冗談じゃない!外資?1億2000万回氏根」って言うことにしよう。
社会インフラ・・・歯科も”水”商売だしな・・・
こんにちは。根本齒科室の根本です。
またまた月末恒例の?!駆け込みコラムで恐縮です。
今回は、最近マスコミで喧しい『歯みがきは食後30分たってから説』についての私見です。
ががが・・
一昨日、なんとキャベツスライサーで小指をケガしてしまいました。
仕事は大丈夫ですが、ストレス発散のための電子ピアノに触れません。
(今嵌ってるジェリーロールモートンは内声付オクターブ~9度10度が多く、話にならない)
その他、このところ、靴紐が切れたり。医院の看板が落ちたり、
外付HDDが読み込めなくなったり、デニムの尻が破けたり・・・
トラブル続きで凹んでいます。
予見できないトラブルは、きついですね。
先日、ようやく院内新聞を書き終えました。
面倒だったので、大部分がTPPの話www(とラーメン屋の紹介)になってしまいました。
要は、ここで書いたことの焼き直し、ですかね。
ところで、毎回院内新聞の中に必ず取り入れている内容があります。
それは「歯に関連するニュース」です。
歯は、政治経済社会に比べて、圧倒的に露出が少ないので、ネタ集めには少々骨が折れます。
歯のニュース についてのネタ帳ですが、大体この辺りをさっと見ます。
Googleニュース検索に「歯」を入れる
手っ取り早い
SmileUSのサイト
通販サイトのサービス
http://www.smile-us.com/
安心ちゃんねる
2チャンネルのまとめサイト。結構掘り出し物も
http://x2chx.blog82.fc2.com/
中には、新聞やテレビにはなかなか出てこないものの、役に立つ情報も結構あります。
今回も、そんな感じで探していたら、こんなのがありました。
(手を使わずに歯みがきできるブラシ????????だそうです)
これはダメな例ですねwww
プラークを歯頚部(歯と歯肉の間 歯と歯の間)に逆に押し込めることになってしまいます。
(AAで見る、音波歯ブラシ「実践篇」)
そもそも、別の目的 のような気がするのは私だけではないですよね?
さて、本題です。
今回は歯周病の話はひとまず置いておきます。むし歯の話しかしません。
患者様の口を診ていて、しばしば(もったいないなぁ)と思います。
「こことこことここのむし歯は、できなくてもよかったはずなのに・・・」
中には私に内緒で、札付きの甘党だったり、歯ブラシの習慣が●●な感じの方もいるかもしれません。
しかし、そうでもなさそうで、性格も真面目そうな方でも、結構ぽつぽつ残念な感じになってしまっている例も目立ちます。
もしかしたら、ご本人もお悩みかもしれません。
(どうしたらむし歯の発生を抑えることができるんだろう?)
「アレがいい」「コレがいい」いろいろCMで言っています。
グリチルリチン酸次カリウムとか、トラネキサム酸とか、何とか生薬とか・・・
これでは聞くほうも迷ってしまいます。
そのような方々を念頭に置いて、少し私なりに『むし歯予防関連』の各アイテムを、敵味方合わせて?!主なキャラごとに整理して考えてみました。
こちらになります。
◆菌(むし歯菌)
◆フッ素
◆唾液
◆重曹
◆歯ブラシ
◆キシリトール
それぞれがどんな作用があるのかを見極めると、官僚ではありませんが、うまい使いこなし方のヒントが見えてくるかもしれません。
《注意》
むし歯のできる「理屈」は、以下に書くとおりですが、根本的な「原因」は、残念ながら
「食習慣」「生活習慣」です。
そこは人として外さないようにお願いします。万能薬はないのです。
◆菌(むし歯菌)
これは、歯をみがかないと表面にひっついてくる、白いオカラ(プラーク)です。
生きてます。
当然ですが。
放っておくと、細胞分裂してどんどん増えます。
水に溶けません。
だからゆすいでも取れません。
むし歯菌は、自分たちの周りをプロテオグリカンという不溶性の物質で
ガードしています(このような守りの堅い積もった状態をプラークと呼ぶ)。
こすって落とすしかありません。
酸でカルシウムを溶かします。
むし歯菌の栄養素は、砂糖(ショ糖)です。
これをを代謝・分解して、「酸」を出します。
これでカルシウムが抜けて(イオン交換)スカスカになります。
そこにむし歯菌がさらに侵入して・・・(以下無限ループ)
◆フッ素
歯を「強く」します。
歯の表面のエナメル質はほとんどが「ハイドロキシアパタイト」
という分子でできています。
この分子の一部が、フッ素と置き換わると、酸に対して抵抗性が高まります。
水に溶けます。
むし歯菌(プラーク)は水に溶けません。
むし歯菌がこびりついている上からフッ素を塗っても、ダメです。
再石灰化の促進とは関係ありません
フッ素が水に溶けるとイオン化して[F-]になります。
カルシウムの場合は、同様に[Ca++]です。
◆唾液
それ自体、中性です。
「緩衝能」というものがあり、周囲を中性に保ちます
中を湿潤な状態に保ち、汚れや菌を洗い流します。
(いわゆる「ウォータースライダー効果」) ←さっき俺が作った造語w
◆重曹
それ自体、弱アルカリ性です。
「緩衝能」というものがあり、周囲を弱アルカリ性に保ちます
歯を「強く」しません
◆歯ブラシ
プラーク(=バイオフィルム、菌のこびりつき)を物理的に落とします。
原始的であり、不完全性をはらみながらも、実質最強アイテムなのは疑念の余地がありません。
◆キシリトール
むし歯菌の栄養(代謝・分解)にならず、菌を疲弊させます。
キシリトールが分解されても、酸を出しません
人間でいうと、こんにゃくのようなものです。
人間はこんにゃくを分解できないので、利用できません(ダイエットにはなります)。
(ちなみに、ヤギは紙を分解できる酵素(セルラーゼ)を持っているようです)
歯を「強く」しません
フッ素は、菌が酸を出す前の状態に対応します。
重曹は、菌が酸を出した後の状態に対応します。
「守り」のアイテムです。
フッ素は歯を「強く」します。
重曹は、周囲を弱アルカリ性にすることで、菌の作用を無効化します。
いっぽう、歯ブラシとキシリトールは、菌に対して直接作用します。
歯ブラシは直接攻撃、キシリトールは兵糧攻め。
いずれも「攻め」のアイテムですが、完全ではありません。
以上を踏まえて、『食後30分たってから歯をみがいた方がいい』を考えてみます。
「すぐみがくと歯が黄色に?」などという恫喝のような文言も流布しており、気になります。
<前 提>
すでに菌と食渣(たべかす)が歯にこびりついています。
表面的なプラーク(菌)は食物繊維(もやしなど)でそれなりに落ちています。
プラークが落ちない部位
不潔域(接点の下)・歯頚部(生え際)など
不働歯(ふどうし;相手がいなかったりそっぽを向いたりして咬んでいない歯)
食渣自体が通常酸性である。非常に残念な現実です。
調理や味付けで酸性になってしまうので、どうしようもないですよね。
「食品 酸性」でGoogle画像検索すると、ほぼ絶望的です。
菌が食渣中の糖分を分解してさらに酸を出す
↓
『歯の表面は、酸の存在(pH5.5以下)で”軟らかく”なっている。こすりたくない』
しかしこれを逆に言うと、こうなります。
『中性以上(pH5.5以上)にすると歯の表面が”硬く”なる。こすっても大丈夫』
◆ 食後30分
すでに菌と食残が歯にこびりついています。
中性に戻っている(歯が”硬い”)~下図の赤い点々よりも上
酸性時間は長い。
◆ 食後すぐ歯みがき
すでに菌と食残が歯にこびりついてます。
酸性のまま(歯が”軟らかい”)~下図の赤い点々よりも下
酸性時間はやや短い。
◆ 食後すぐに重曹うがい&歯みがき
(重曹うがい⇒歯ブラシ⇒重曹うがい~おおむねコップ1杯に小さじ1杯程度
すでに菌と食残が歯にこびりついています。
一瞬で弱アルカリ性(歯が”硬い”)~下図の赤い点々よりも上
酸性時間は短い
考えてみれば、これが一番歯や日常生活にとって一番合理的かもしれません。
ためしに、概念図をグラフにしてみます。
ちなみに重曹でうがいしたままにしておくと・・
一瞬で弱アルカリ性になります。
徐々に洗い流されて唾液に置換されます。
徐々に唾液の力で中性に戻ります。
ことに唾液分泌低下のケースには大変有効と思われます。
常備してもいいかもしれません。
シェーグレン症候群
リウマチ
一部の高齢者
etc
これらの唾液分泌低下ケースにおいては、プラークが唾液に流されない、つまり「ウォータースライダー効果」が発揮されないことが、他の方と大きく異なる点です。
要は、水分が少ないと、プラークが流されずにこびりつきやすいのです。
だから危険なのです。
「ウォータースライダー効果」が発揮されないことで、高濃度のプラーク集積、高濃度の酸性になりやすく、結果として小中規模のむし歯が広範囲に発生しやすいのです。
そしてこれらが、一気に(汎発的に)重篤化するリスクが高いのです。
食後の(重曹うがい⇒歯ブラシ⇒重曹うがい)は、こんなところにも有効と思われます。
以上、流布している風説を基に考えてみました。
結論としては、重曹は日常生活において、非常に強力な武器になる可能性が高い、となります。
◆ ほかの薬剤との併用の許容範囲が高い
◆ 無害・安全
◆ 安い(デフレ下では特に重要w)
でも掃除用の流用はオススメしません
ここでし一点、疑念があります。
プラークです。
水に溶けません。
だからゆすいでも取れません。
むし歯菌は、自分たちの周りをプロテオグリカンという不溶性の物質で
ガードしています。
こすって落とすしかありません。
「プラークの内側は外側とどう違うのだろう?」
今までの図やグラフは、すべて「プラークの外側」の話です。
つまり、もやしなどの食物繊維で、プラークがあらかた剥がれ落ちている部分です。
ここって、エナメル質もかなり厚い部分なので、その意味でも、あまり意味がないかもしれません。
プラークの内側は、重曹でうがいしても、ただちに弱アルカリ性になったりしません。
強固な防御壁「プロテオグリカン」に守られ、局所は酸性のままです。
こすって落とすしかありません。
もう一丁、疑念です。
歯みがき粉です。
「発泡剤のSDS(ドデシル硫酸ナトリウム/ラウリル硫酸ナトリウム)は弱アルカリ性でしょ?
重曹いらなくない?」
えー、SDS、毒です。
<結 論>
歯の表面はプラークが少ない
プラークの多い隅々(歯頚部、歯間部etc)は、どっちにしろこすらないと取れない。
こする所の下は重曹でうがいしてもしなくても酸性なので、意味ない。
唾液分泌低下などの、齲蝕感受性の高い状況に効は有効と思われる。
【今回のまとめ】
歯みがきの『食後30分説』は、かなり疑念が多い。今までどおり、すぐ歯みがきで問題ないと思う。重曹のうがいは、唾液分泌低下などの、齲蝕感受性の高い状況には有効と思われる。
こんにちは。根本齒科室の根本です。
先日で、ついに震災から2年になりますね。
停電、断水、物不足、ガソリン不足、鉄道運休(線路陥没)、液状化現象。
私の住まいの周りでも、いろいろなことがいっぺんに起きました。
生まれて初めての給水車体験も、鮮烈な思い出です。
そして、(私ではありませんが)避難所生活。
仮に家が残っていても、電気/水道/ガス のどれかが止まると、住めない。
スタッフからのメールでこのことを初めて知ったときは、大変衝撃的でした。
身内の話ですが、先代根本歯科医院のあった北茨城では、避難所生活が2週間程にも及んだとのこと。
しかも、津波が自宅の500m手前まで押し寄せた、という話は、にわかには信じられませんでした。
計画停電、そして原発事故は言うまでもありません。
茨城ですらこれですから、東北の方々のご苦労は、まさに計り知れません。
あのころ、真剣に自●を考えたのを、今は懐かしく思い出します。
そして、何とか再開した院に訪れる患者様を見て、あることに驚きました。
(おまけ、本日付のTPP観について文末で軽く触れます)
あることに驚いた結果、撒いた折込チラシが、これです。
折込チラシ「がんばろう佐貫」(PDF2M注意)
繰り返しですが、直後は「取れた」「欠けた」「知覚過敏」の方が急増しました。
ストレス⇒物理的力⇒歯のトラブル
の関連を、「これ程までとは」というほど思い知らされました。
原発が爆発した時は、本当にショックでした。
シーベルトとかベクレルとか、急に単位に詳しくなったものです。
セシウムは半減期が30年、プルトニウムは2万4千年とか聞いて、途方もない気分になりました。
(ヨウ素は半減期が8日ですぐなくなるから、ひとまず安心)
などと考えかけて、思いとどまりました。
なぜ児玉龍彦先生は、除染に言及してもヨウ素に言及しないんだろう・・・?
もしかしたら、何か言えないやばいことでもあるのか?
同じ量だけあったら、セシウムは365日×30年÷8日=1370倍も反応が遅い。
ヨウ素は逆に早い。そしたら、1370倍くらい多く放射線が出て・・・Σ(゚д゚;)ハッ
これは、セシウムは遅くて少しずつだから何とかなりそうだけど、ヨウ素は早くて一気にだから
原発の爆発前や爆発の瞬間に対策を取れなかったら、アウトじゃん。
(その意味では、あやつらときたらよくも確信犯的にSPEEDIデータを隠してくれたもんだ・・)
ということは、あらかじめ事前にヨウ素の対策をしておいて、セシウムは除染で後から
(なるべく早めに)対応が、合理的な形になるのかなぁ。
同じ放射性物質でも、性質によって、対応が分かれるのか。
・・・もしかして、この考えは、問題解決一般に応用できないか?
どういうときに事前対応で、どういうときに事後対応か?
この頃、原発関連で唯一のまともなガバナンスだったのは、武田邦彦先生でした。
「御用学者」「御用一般人」という言葉が流行ったりもしました。
たまたま先生が医療と医師に対するコメントをブログでおこなっており、
(歯科は違うだろ)と疑問に思ったことを思い出し、あぁ、と納得できました。
「ヨウ素とセシウムへの対応が違うのは、歯科と医科が違うのと、同じだ!」
こちらのページの、一番上の表です。
性質が反対なら、対応も反対ということで、表にしたものがこちらのページの、下から3番目の表です。
歯科臨床に対する疑日々の大きな疑問が、するすると溶けた瞬間でもあります。
歯は自然治癒しない。ということは、むし歯や歯周病などで
目減りした分は、人工物を接着剤でつけて、一生それを背負っていく
つまり歯科は医科と対応が逆なので、ヨウ素と同じで予防(=事前防災)必須になるわけです。
仮にもし歯に自然治癒力が備わっていたら?
具体的には、削ってフタをしておけば、自然に神経は自然に復活し、歯は盛り上がるなら?
歯医者の仕事なんて、これほど楽なものはない。
そうであればそもそも、歯科なんて職業はなかった(整形外科の範疇)。
これらの逆性の性質を、国民も行政も理解しなかったり、理解したくなかったりすることが
すべての問題の根本の原因だという信念は、ますます強くなっています。
・・・
今までずっと同じことを言ってきた感じですね。
こういうことが頭の中に浮かぶと、治療行為そのものに対する興味やモチベーションが
正直、やや既存されたり減殺されたりするのも事実です。
困っている人を頑張って助けることが本質的な正義ではなく
困っている人を発生させないようにすることが正義である故
国民は、地域住民は、どう思っているのだろう?
やはり、当座のトラブルを何とかしてくれることを期待しているに違いありません。
しかし「なぜそのトラブルが起こったか」に視点を当てないのでは、
真の問題は全く解決されず、より悪化して再び立ちふさがることも間違いありません。
しかし、そのような深い命題を、当座のトラブルを何とかしてくれることを期待して来院した
一般市民の方にすべておしつけるのも、酷というものです。
もちろん患者様にもそのような話はしますが(聞く耳持たなさそうな感じの人には後回し)
遠回りでも、地道にひとつひとつ伝えていくしかありません。
そのような意味からも、歯科医師側の技術至上主義やパターナリズムは、実態に即して
百害あって一利なし、と言わざるを得ません。
ある名医が「私が治療すれば完全に治り、再発しない」と言ったとします。
そこに門下生(歯科医師)が押し寄せたとします。
ありがちなスタディーグループのパターンでもあります。
しかし、どう考えても、門下生のうちのほとんどは、参考程度にはなっても、大して上達しません。まして定例会や総会に出たくらいでは、何をか況(いわん)やです。
また、ほとんど荒唐無稽な前提条件ですが、ある名医が仮に完全な技術継承が可能だとしても、その人数はごくごく少数、多く見積もって数十名でしょうね。
いっぽう、日本には歯科医院が7万軒、歯科医師が10万人もいるわけです。
当然ながらほとんどの先生は、○○先生の門下生にならないし、治療技術も急に上がらない。にもかかわらず
「あの○○先生も『しっかり治療すれば再発しない』といったから」などと発言を免罪符にして、むしろ技術至上主義やパターナリズムが固定化してしまう。
大多数の凡医やヤブ医者が、方向転換の機会を失ってしまったり、または自ら放棄してしまう。
これが一番まずいんです。
だから、名医が名医ぶりを誇張する”風潮”に対しては、”予防”歯科医として、断固反対なわけです。
本質が本質なだけに、どんなに優れた治療も、天然歯にはかなわないのは言うまでもありません。
確かに、当座は必要に迫られて、より侵襲の少ない方法、より機能回復に効果的な方法論を
常に模索はしていますよ。
だからベストセメントも導入したわけです。
しかし、それ以上に、いつも治療中(どうしたらこの人はこうならずにすんでいただろう)と
強く強く、考えているんです。
また、そういう方法論を自分なりに勉強していても
(興味深い手法だが、将来はこういうのは減っていくんだろうなあ)
(興味深い手法だが、将来はこういうのは減っていかなきゃいけないよなあ)
という心は、片時も心の中から離れることが、ないんです。
そんなことは今の私ひとりで解決できる問題ではないし、時間を巻き戻したりはできませんが
現状臨床や仕事の在り方を顧みて(今のままではいけない)と思っておられる先生は、
潜在的に少なくないとも感じるところもあります。
治療技術を極める、ということは、歯医者一人としては到達感があるのかもしれません。
しかし先に述べたとおり、国民全体の口腔の健康、という観点で考えるとマイナスになってしまう。
まさに『合成の誤謬』の典型例です。
そういう意味では、TPPではないが、99%ではなく私たち1%に理があるのではと思います。
やはり大事な点なので、表現や視点を変えながらも、何度も繰り返して訴えていくしかないし、
それがベストだと思います。
そして、できることなら、このような視点で1冊、商業出版で一般向けに書籍を出版したい、というのが、いつわらざる欲求です。
歯の本というと、本屋でも奥の方の「健康コーナー」の、さらに端の方にちょこっとあるだけです。それも「○○法は良い」「インプラント」「歯周病」などといった、世俗的な各論に終始していて、歯科の本質について「哲学的に」論じた書籍に出会えないのは、私としてもつまらないです。
そのような一石を投じる機会は、無いものだろうか・・・
ここでのコラムも、途中までは、「ネタが被る」とかカッコつけていたのが偽らざるチキンハートでした。しかし、私の尊敬する三橋貴明先生や三橋貴明先生が
「正しいと信ずることは何度でも言う」
とブログでおっしゃっていました。これを見て私も非常に、気持ちが楽になりました。
確かに歯科はほとんど世の中の話題になることもないのが実情ですが、今では臆面もなく
ネタの使いまわしに奔走する有様です。
【今回のまとめ】
正しいことは繰り返し言及すべき&本出したい!本出したい!HONDA-CITYから本出して良い?
(おまけ)TPP
やはり、前々回のエントリー「盛大にTPPをぶち壊し」は継続している感じ。
安倍さんはやばい顔をしていた。たぶん命を捨ている感じ。ほとんど対米宣戦布告。
見え見えの嘘(内向き志向な日本etc)をついてまで、やりたくない仕事をする覚悟。
わかっていて、多数派の反対派を「いったん」敵に回している。
会見前半は杓子定規で官僚の作文の無味乾燥な読書。後半に行くに従って宣戦布告。
三橋貴明先生や「コレキヨの恋文」に敬意を表して表現すれば、安倍さんは
TPP(当初の毒だらけの協定)
↓
TPN(日本が加わって日米で握って盛大にぶち壊した人畜無害の友好協定)
を狙っている。
自分はTPPなら絶対反対だが、日米の国益を最大限に忖度した人畜無害のTPNなら我慢の限界の範囲内。
9分30秒~
「すでに合意されたルールがあれば、遅れて参加した日本が、それを「ひっくり返す」ことが難しいのは厳然たる事実です」
「難しい」とはいっても「不可能」とは言っていない。
「ひっくり返す」という攻撃的な単語も出現。●る気満々。
★自民公約6条件(と決議文)
★オバマとの「共同文書(聖域)」
この2枚が安倍さんの武器
★そして圧倒的な国力(名目GDP比(ggrlks世界銀行))
たしかに、日本抜きでこうなってくれれば一番良かったけれど。。
でも、米がいなけりゃ、このとおり。大日本帝國なめんじゃねぇぞw
オバマのジレンマ
権限(TPA/ファストトラック)なし ちなみにUSTRも権限なし
もともと99%側の出自
来年11月に下院中間選挙~99%に配慮
雇用を増やさないといけない。金融で儲けても意味がない
ワシントンポスト(≒99%)TPP反対
NAFTAは企業に有利、国民に不利
メキシコ人労働者に雇用が奪われた(99%に不利)
ISDいちゃもんで外貨稼ぎ(1%に有利)
プラマイ相殺も、99%(国民)に二重に不利
アメリカ~民主主義が売られた国
国民(99%)
↓
政治家 ← 「国民(99%)」と「グローバル資本(1%)」で取り合い
↑
ロビイスト
↑
グローバル資本(1%)
↓
USTRと600人の仲間たち
これは厳しい2正面(ザコ、アメ)作戦の安倍さん
①ザコ同士のたわごとを呑む
②国民との約束(自民鈎約6条件)を大事にする は排反。
(カメ(加・墨)←ザコ)議論を蒸し返さない
ザコ同士の念書←安倍さんにとっては所詮紙切れ、況や小浜に於てヲヤ
雑「念書ガー」
日「あぁ?なめんなよゴルァ!小渕は抄読だー」←途中段階の念書に国際法的根拠なし
亀「「念書ガー」だって」
日「あぁ?じゃあ一緒に小渕は抄読だーしようぜ」
円グラフ見ての通り、アメリカがいなければこんなもんでしょ。
米「おい、お前なぁ( ´_⊃`)」
日「オマエモナ-( ´∀`)(公約/共同文書)(一定の工業製品ガー)」
細「・・・」
結局は日米FTA・・・
ここは米99%(国民とリベラルメディア)と手を結ぶのが吉。
→ザコ&カメ
盛大なちゃぶ台返し
恫喝(ODA引き揚げ、懲罰的規制、敵対的資本破壊etc)
飴(購買力)
圧倒的なGDP比(グラフで書いた通り)
TPPを実質破壊するか、日本が蹴られて脱退
→アメリカ
周到な根回し・手打ち
米国の雇用(↑)~リニア提供・オスプレイ購入などの土産
毒素3悪(ネガティブ/ラチェット/ISD)の骨抜き・手打ち
アメリカ(一定の工業製品)がTPPから締め出される可能性も
アメリカ(99%)自体がTPPで不利(農産品←豪乳)(自動車←日本)(雇用←雑亀)
アメリカ(99%)は雇用の増大を一番喜ぶ。
金融や投資は、雇用を生まない。
リニアのライセンス販売は非常に良い
圧倒的な雇用を生み出す~東1本西1本
圧倒的な経済効果、沿線の発展に資する
圧倒的な観光資源にもなる
アムトラック(下)と各航空・バス会社連合(上)の上下分離にすれば文句は出ない
日本もパテント料や融資利息でそれなりに儲かる
日本のリニアの実験線の代わりになる
これらから、現時点の可能性としては
ザコには盛大なちゃぶ台返し
米には根回しと毒抜き、手打ち
と思われる。
半分民主党(菅直人)のしりぬぐい、
半分第二次太平洋戦争。
米と手打ち成功して、ザコを抑え込めれば勝ち。
米をザコに取られて、骨抜きに失敗したら負け。
そして、真の敵は、アメリカではなくアメリカの1%
いわば、日本vs雑魚による、米の取り合い
しかし難しい戦いではある。会見の表情を見ても。
これに安倍さんが失敗したら、参院選敗北=急速なデフレで日本終了。
その覚悟はあるはず。
ぜひ、松岡さんや中川酒さんみたいに本当に支那無いようにと祈るばかり。
きっちりTPPの骨を抜いてほしい。
何よりも、外需拡大・自由化や増税などのインフレ対策系政策はなるべく先送りの方向で。
もう一点、
国民や反対派など多くを巻き込んで気を持たせるのが上手
詰将棋がうまい。油断しているとひそかにはしごを外されることも。
売国奴(TPPはマスト、6条件はTPPの趣旨に反するetc)ホイホイ
小泉新自由さん(仮名)「最後はまとまるのが自民党の良さ」
↑
この言葉で最後の最後で売国奴ホイホイに引っかからずに、首の皮一枚つながった
まとまる=「自民公約6条件」「決議」を認める=護国精神
売国奴 =毒素3悪(ネガティブ/ラチェット/ISD)で日本弱体化を推進
古賀や三木谷、米倉みたいなことを口走っていたら政治生命終了していた。
会見でも、日本(=全参加国)の国民(=99%)に「丁寧に情報提供」するといっている。
このような見方もある。
そして99%の意向といえば、このとおり。いうまでもなくTPP大反対。
やはり、国民や米99%など多くを巻き込んで気を持たせるのが上手
安倍さんは、でも日本国民に助けを求めている。
飼い殺しにしたはずのケケφや元重に手を咬まれては元も子もない。
反対派の国民がブレることなく、支援のつもり?!で
「自民公約6条件遵守」
「毒素3悪(ネガ/ラチ/ISD)徹底破壊」
を首相や党に突き付け続けることで、初めて「盛大なちゃぶ台返し」が実現可能。
反対派の支援(=上記2項の訴え)が途絶えたときが、ケケφや元重に日本を破壊されるとき
まったく個人的な感覚
○コメ
たぶん大丈夫。栽培に多量の水を必要とするので、作れるところが少ない。
○生鮮食品
大きく変わるところはなさそう
○皆保険
医科はたぶん大丈夫。歯科とか柔整などは捨てられるかも・・
○単純労働
日本語という非関税障壁があるので多分ヤバいことにはならない。
○公共事業(政府調達)
ベクテルが地震国で何ができるのか?
○ISD
米としっかり握って手打ちするはず。
(ex審査官は第三国or日本から、3審制公開性、判断基準の多様化などの提案)
△水源
米としっかり握って手打ちすべき。見返りの淡水化事業協力も有効
△金融
要注意。黒田さん、岩田教授にかかってる&米に雇用重視(米TPPの本来の目標)を訴える
リニア、リニア!(よければオスプレイもF35も)(ついでに新幹線も)
△サービス
日本語の壁。寝技に持ち込んでグダグダにすべし。ザコには物を言わせるな
△ネガティブ・ラチェット
交渉継続項目化、定期見直し化するなど、グダグダにすべし。
◎マスコミ
忘れてたw即時完全開放
(特殊指定×、電波オークション、犬は民国分割、つべダウソ完全自由化www)
こんにちは。根本齒科室の根本です。
昨今、つくづく思います。日本は修羅の国です。
シンガポールやマレーシアなどとEPAを結んでいるにもかかわらず、
誰も医師が日本で働きたがりません。
前回も書きましたが、日本には、日本語の壁以外に、何か特殊事情があるのかもしれません。
この間は、安倍さんがやけに紅潮して記者会見していました。
涙目の小浜さん、このまま引き下がるわけにはいきませんが・・・
ちょっと、私が危惧しているストーリーがあります。
**********(仮 説)**********
ある日、マ●ーシア(マレーシアとは限りません)人材省の高官が述べました。
「日本の診療報酬(保険点数)は不当に安い。医師の労働環境を意図的に劣悪な状況下におくことで、外国人医師の就労機会を奪っている。これが被保険者の過剰な保護、利権構造にもつながっており、まさに非関税障壁である。経済連携協定の理念に反する」
日本は言い返します。
「 途上国のクセにちょこざいな えっ、小浜さんは皆保険おkっていってたけど」
マ●ーシアは言い返します。
「制度の是非ではない。TPP参加国中で、対一人当たりGDPの診療単価が他国に比べて低すぎることを指摘している。これが外国人医師の雇用の自由化や人的ぱあとなあしっぷの理念の妨げになっている。これらを促進するためにも、皆保険制度の運用改善をして、他国並みの診療単価に近づけるべきだ」
日本はイラッときました。
「えーでも、ザイゲンガー とか クニノシャッキンガー とか フンダララ」
マ●ーシア
「財源が不足なら構造改革や営利化すべきだ」
「それでも不足なら窓口負担を上げるべきだ。そもそも皆保険制度が始まった当初は家族窓口は5割負担だったではないか」
「TPPぁあとなあしっぷの理念に合わせて制度の運用改善をすべきだ。」
これを横で聞いていた小浜さん、しめたとばかりに軽い腰を重そうに上げて言いました。
「日本の皆保険制度は尊重されるべきだ。シンゾー エイブにもそう伝えた。ただ実態が閉鎖的で、運用改善は非常に意義が大きい」
・・・!(言いそう、コイツ)
シメタ!とばかり、多くの国々が、小浜さんの見解に賛意を表明しました。
今やすっかり左傾化したKKK新聞(仮)、小浜さんの提灯記事が紙面に踊ります。
いわく「日本の医療界は改革wが足りない」(’A`)
そしてすっかり流行通信と化したあry、小浜さんの提灯記事が紙面に踊ります。
いわく「日本の医療界は改革wが足りない」 ( `ハ´ )
**********(仮説終)**********
いやー、もちろん絶対そうなるとは言いませんが、交渉事なので、一応こういう系のリスクもあると、頭の片隅に入れておかないと、いざというときに適切な陳情ができないかもしれません。
歯科については、気になるところをちょっと具体的に書いてみます。
◇ リスク~歯科の非保険化
前回、安倍さんがTPPを骨抜きしてきたかもしれない、と言いました。
また、自民公約6条件の遵守、毒素3悪(ラチェット、ネガティブ、ISD)にNo! とも書きました。
しかし逆を考えれば、自民公約6条項もどう骨抜きにされるかわかりません。
皆保険なんて、正直、「運用改善」でどうにでもなってしまいそうな気がします。
おそらくアメリカの狙いは「金融」「保険」がメインで、「自動車」などはフェイントでしょう。
その時に私が恐ろしいと思っているのが、他分野の取引材料としての妥協案での
「歯科の非保険化」
です。
医科を守るために、妥協案として歯科(とか柔整など)をエサにして切り売りする。
説得力ある実例としては、カナダの医療制度がそのような体制になっているからです。
ちなみにカナダは医療費は無料ですが、歯科医療費は全く保険がききません。
カナダが交渉参加しているということは、歯科の非保険化のハードルが非常に低いということも意味します。
また、カナダばかりではありません。
英連邦の一員でもあるシンガポール、マレーシア、ブルネイあたりが妥協案として
「保険制度の英国NHS型化」
を言い出す可能性も否定できません。
NHSは、イギリスの国民健康保険ですが、ちょっとした治療予約でも数ヵ月待ちとかザラで、非常に使い勝手が悪いです。
しかも、たとえば歯科の治療でいうと、日本のような細かな「出来高払い」ではなく、超大ざっぱな「どんぶり勘定」です。
システムを非常に大まかに説明すると
日本(1本につき)
麻酔 ○点
削合 ○点
処理 ○点
充填 ○点
イギリス
3本まで ○ポンド
4-6本 ○ポンド
こんな感じです(イギリスの数字は、例えであり、正確なものではありません)。
こうすると、日本型の「出来高払い」の場合は、やればやるほどもうかります。
いっぽう、イギリス型の「どんぶり勘定」だと、やればやるほど損をします。
その証拠に、日本の場合は
治療していない歯まで治療したことにしたりとか(付け増し請求)
簡単な治療なのに複雑な治療をしたことにしたりとか(不正請求)
自由診療で治療したのに保険でもレセプトを出したり(二重請求)
することが以前から問題になってきました。
そこまで悪の道に染まっていない先生は、ひたすら削ろう、抜こうとしてきました。
それは、出来高払い制度のインセンティブが濃厚治療の方向に強く働くからです。
いっぽう、イギリス型のどんぶり勘定です。
1本でも3本でも同一料金。3本一気に歯の治療をやった日には、大赤字です。
先生は、なんだかんだ言い訳して、何とか1本だけで済まそうとします。
「3本一気に治療しなければならない義務はない」
「丁寧な治療ガー ウンタラカンタラ~」
orz
患者としては、できれば3本いっぺんにやってほしいのに、不便だし時間も金ももかかる。
「えーい、時間がもったいない!近所の自由診療のところで一気にやっちゃえ!」
ということになります。
「えーでも、ザイゲンガー とか クニノシャッキンガー とか フンダララ」
なんて下手なこと言うと、何を言い出されるか分かったものではありません。
「じゃあ「どんぶり勘定」(英国NHS型)にしろよ。予算が浮くぞ」
「もちろん医療特区アリアリな」
などと各国から異論が噴出し、満を持して、横で聞いていた小浜さんが軽い腰を重そうに上げて
「日本の皆保険制度は尊重されるべきだ。ただ各国の運用改善の提案は非常に意義が大きい」
などと知った口を叩く可能性は、否定できません。
もう一点、気になる点があります。
◇ リスク(かは私は分からない)~歯科治療規制の緩和
2009年の菅直人内閣時代に、TTPP交渉に参加していた8か国は
シンガポール、ブルネイ、チリ、ニュージーランド
アメリカ、オーストラリア、ベトナム、ペルー
です(後日カナダ・メキシコが交渉参加を表明しました)。
ニュージーランド、オーストラリアには「デンチュリスト」「デンタルセラピスト」といった、日本にはない資格があります。(Wikipediaの英語版”Dental Therapist”から日本語リンクをたどると何故か”歯科衛生士”に行きます)
これらの国々では、歯科技工士が一定の就業年限とデンチュリスト認定資格を得ると、義歯など一定の歯の治療が行えます。
また、歯科衛生士も一定のカリキュラムとセラピスト認定資格を得ると、乳歯や小児など一定の歯の治療が行えます。
こんな話を聞くと、驚く人も多いでしょう。
「えっ、衛生士や技工士が歯を削るの?」
はい。それどころか、麻酔はするわ、レントゲンのスイッチは押すわ、乳歯の抜歯もします。
多分、初耳の方も多いかと思います。
一例ですが、このようなページもあります(出てくるかなぁ)。
ttp://webuyhousesinaustralia.com/forum/topic.php?id=15901
↓↓↓
近年では、改革派の小さな動きでは、ソリューションの周りに結集しました。アイデアは “中間レベルのプロバイダ” – 看護実践、基本的には、現場に出て動作することができ、歯と歯茎の世界のための軍団とプライベート歯科医師の国の制度を補完することです。それは、テストされていない概念ではありません。カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、イギリスを含む、少なくとも54カ国では、素晴らしい結果と、これらのいわゆるデンタルセラピストと労働力を拡大してきました。
????
まぁ、そういうような感じのことです。
同様の資格は、マレーシアにもあることが、アジア歯科事情という本に記されています。
若干古い本ではありますが、資料としてはたいへん興味深い本です。
このような、いわゆる「准歯科医」制度がある国は、おもに
1)予防歯科が進展して、治療の必要性が減少した、北欧など先進国
2)歯科医師の絶対数が不足している発展途上国
の2つに分かれます。
やっている処置内容は、いずれも簡単な治療であり、大体同じです。
私は個人的にですが、昭和30年代、歯科が国民皆保険に入った時に、2)のタイプのデンタルセラピスト制度を導入しておかなかったのは、失敗だったかもしれないと思っています。
当時は「患者の洪水」と呼ばれる時代で、どこも歯医者は大忙しの時代です。
しかし、歯科医師法の制約で、歯科医師以外は一切治療行為を行うことができません。
押し寄せる「患者の洪水」にもがき苦しみながら・・・
「型を取っておいてほしい」
「レントゲンを撮っておいてほしい」
(できれば麻酔しておいてほしい)
(できれば削っておいてほしい)
(できれば神経を取っておいてほしい)
しかし、それは「」も()も、日本ではやってはいけないことになっています。
当時は歯科医師1人当たり患者数1日100人など当たり前のようになった時代です。
おそらく、半分くらいは治療中の記憶が飛んでるだろう、と思うようなキツさだと想像します。
このときに無理せずにデンタルセラピストを導入できていれば、その後の歯科大学乱立、歯科医院乱立の問題もなかったでしょう。
また、当初は 2)型のセラピストとして養成し、予防歯科の発展に伴って、段階的に 1)型の
セラピストに移行していくような、柔軟なかじ取りもできたと思うと、大変残念ではあります。
TPP参加国には、このように、「デンチュリスト」「デンタルセラピスト」を抱えている国が大勢あります。医科を守るため、妥協案として歯科が 草刈り場 取引材料にされた場合におこりそうな話のひとつは、こうです。 ←何だか東田剛さんみたいな言い方だな
**********(仮 説)**********
ある日、マ●ーシア(マレーシアとは限りません)人材省の女性高官が、また述べるかもしれません。
「日本の歯科界では、ハイジニスト(衛生士)やテクニシャン(技工士)などのパラデンタルスタッフが国内法で不当に業務範囲や権限の制約を受けている。パラデンタルスタッフの労働環境を意図的に劣悪な状況下におくことで、外国人スタッフの就労機会を奪っている。これry」
以下、TPPの理念だ、(歯科医師)既得権益の打破だ、運用改善だ、規制緩和だ、特区だ、世界標準だetc が始まって、まるで
小泉 自由’n一郎さん(仮名)や
小泉 新自由さん(仮名)の顔が
浮かんできそうな展開になって、デフレ脱却もどこ吹く風で、痛みを伴えだの米百俵だの人生いろいろだの、「アベノミクス第3の矢の成長戦略は、産業政策でなくて構造改革だ特区だ」などというすぐバレる嘘だのetc と国内のマスコミが一斉に●●を始め・・・
で、満を持して小浜さんが軽い腰を重そうに上げて意義がオッキして
みたいな、一目で予想できる展開になって・・・
**********(仮説終)**********
だいぶ端折って書きました。
ただ、私は、短期的にはともかく、中長期的な視点で見ると、「歯科治療規制の緩和」そのものについては、自然にそちらの方向に行く公算が高いと思っています。
それは、やはり歯科の特性上の話であり、歯科が
の表でグループBであり、グループCである医科一般と逆の性質があるから、という理由です。
歯科の場合は、医科よりも基盤がぜい弱でなので、政治や交渉のオモチャにされるリスクが格段に高い恐れがあります。
そのようなことを考えても、「歯科はグループBだ」「歯科と医科一般は性質が逆だ」という意識を常に忘れず、平素から歯を大切にしていくことがなにより重要なのは、言うまでもありません。
【今回のまとめ】
歯科は医科よりも政治リスクが高い恐れがあり、普段から自助や予防を心がけるべき
おまけ~TPPでおきるかもしれない「良さそうなこと」
一応、公平性を欠くので、こちらにも触れておきます。
◇ (高濃度)フッ素タブレットなどの解禁
◇ (家庭用)ホワイトニングジェルの解禁
あたりは、さっと浮かんできます。
薬事系の規制は、アベノミクスの主要な課題の一つでもあるので、iPSに限らず、各分野でそうとう緩和される公算が高いからです。
これらは、今のところ薬事法の規制で、歯科医院でないと処方できないことになっています。
ただ、国際的にみると、規制そのものの意義に「?」を感じます。
フッ素は、水道水フロリデーションを行わない以上、教育現場でどこまで洗口が浸透するかにもよりますが、そこを各自が注意しないとオーバードーズのリスクもないわけではありません。
まあ、海外では高濃度のタブレットを普通に市販の薬店で入手できます。
また、ホワイトニングジェルは、過酸化尿素や過酸化水素のジェルになると思いますが、これらも海外では簡単に入手できます。
それに現在では、ネット通販の個人輸入を利用すれば、ほとんど何でも手に入ってしまう状況ですし、規制の意義自体が疑義を感じる点もあります。
しかし、ホワイトニングジェルは、知覚過敏など個人差が大きいので、まずは歯科医院で相談したほうが、個人的には安心だとは思います。