こんにちは、トンガの鈴木です。
前回の「同性愛と宗教と国家」で、トンガでは同性愛に対する反発運動が今激しく展開中です。この問題を絡めて、国連の「女性差別撤廃条約 (CEDAW) 」へのトンガ加盟の反対運動も激しく行われております。女性差別撤廃に反対?なんで?と思った所、どうもこの条約の中に同性愛を含めるセクシュアルマイノリティの問題も含まれているそうです。なので、現在トンガでCEDAWは、結構危険思想に近い位置づけにあるみたいですね。
と、思っていた所、つい先日「カトリックが同性愛者を容認する…」的な決定事項ではないらしいのですが、そういう動きがというネットニュースを目にしました。CEDAWは同性愛、同性結婚が問題で、「カトリック」がメインになって反対運動を起こしているというのに、そのカトリックのトップ司教団会議で、容認の動きにあるとは、全く驚きものです。英語のページで申し訳ありませんが、興味のある方はこちらをどうぞ。
さて、前述が長くなってしまいましたが、こちらがこの記事の本論。
楽器講師、はじめました@トンガ
私のプロフィールに「2013年帰国、現在は楽器店にて音楽講師を勤める。」とありますが、楽器店でトランペット講師の内定は取ったものの、サインのために状況した歳、現在のノニジュース工場長の職が急遽決まったため、講師経験はなかったのです。元々音楽教師なので、学校のブラスバンド指導等の経験はありましたが。
で、近くの専門学校(に相当するのかな?)で、音楽コースが開設され、それに伴って夕方、希望者(年齢性別を問わず)に音楽教室も開かれることになり、僕が抜擢されました。こちらとしては、まぁ、軽いお小遣い稼ぎ程度ですが。そして、担当楽器は…
木管楽器(笑)
あの~、元トランペット専攻生なんですが…。というか、木管楽器って範囲広すぎ…。
ここでは、以前幾つか書きましたが、私、個人ではフルートを吹いて遊んでます。以前はバイオリンも遊んでました。あと、クラリネットも持ってますが、そちらはもっと触ってないです。昨年末の帰国の際、遊べるかなと思って持って帰ってきたばかり。ということを音楽担当者が知って、そのまま木管楽器経験者扱いになってしまい、そのままフルートとクラリネット講師になっちゃいました(笑)。ありえませんよね。でも、そのありえなさが、トンガっぽいのです。日本語教師も日本人だという理由でやっていましたが。
実は将来的に、小編成のオーケストラを結成したいそうで、金管楽器はまぁ問題無いとして、弦楽器と木管楽器を始めるようです。ちなみに、多分、ここでバイオリン教えてる人、多分僕と同じくらい初心者です(笑)。なので、バイオリン講師の可能性もあった。あと、オーボエという楽器も2本購入しているそうですが、リードが入ってなかったらしく、そちらは完全保留。実はオーボエもちょっとだけかじったことありまして、リードがあれば、オーボエ講師にもなっちゃうところでした。
で、実際に教えることになった生徒さんはフルート(小学生2人、中学生(かな?)1人、専門学校生1人)、クラリネット(小学生1人、専門学校生1人)です。メインは小学生たちなので、専門学校生は半分通訳がてらの扱いです。
問題は、わたくし…。完全なる独学なため、人に習ったことないので、さっぱり指導方法がわからない。というか、小学生体が小さすぎて、きっと指届かないんじゃね?とまずは楽器の構え方で躓いております。まさか、ここで躓くとは思っていませんでした。それでも、なんとなく音が出ることが楽しいらしく、楽しくやっております。将来的にアンサンブルできるようになるといいんですけどねぇ。まだ数年先の話になりそうです。楽器が嫌になって辞めた…という子が出ないことを祈りつつ…。
僕は楽器に関しては、浅く広く、比較的マルチプレイヤーっぽいのですが、どの楽器もやり始めると面白くて、ついつい夢中になってしまいます。やっぱり楽器は楽しいです。
楽器経験者のみなさん、トンガで即採用ですよ~。
最近、トンガで妙に耳にすることが多い単語が「Gay(同性愛)」「sexual orientation(性的傾向)」。僕が行くカヴァクラブでもそういう話が出るし、日曜日のテレビの宗教指導者の説教などでもバシバシ出ます。なんで急に…、と思ったら、同性愛者の権利を主張するコンフェレンスが行われた模様です。ファカレティの人権確保と同性愛の容認を求めて。
ここです。←英文の記事で申し訳ありませんが、読めない方は自動翻訳などを参考によろしくお願いします。
ニュージーランドのweb新聞の記事ですが、「Go back your country with your immorality. Tonga do not want you evil people (お前らの不道徳と共に自分の国に帰れ!トンガにお前らのような悪人はいらない)」という横断幕を掲げた写真が掲載されております。かなり過激な言葉です。トンガに住んで8年目になりますが、ここまで激しい言葉で抗議するところを初めてみました。
御存知の通り、トンガはかなり保守的なキリスト教国でありまして、当然ながら「キリスト教」という宗教としては同性愛を認めてはおりません。ただ、先天的もしくは後天的にそういう傾向にある人がいるのも確かだし、そうだという理由だけで排斥しないようにという動きも「キリスト教」には当然ながらあります。ただ認めてはいないけど、存在を否定、拒否することはない。
そして、かなり前の自分の記事で、トンガのオカマちゃん(以下ファカレティ)のことを書きましたが、トンガはかなりファカレティに対して寛大な国だと思っておりました。実際に日本で目にするより、圧倒的に多いですよ。でも、実はいろいろと細かいいじめがあったり、社会的に受け入れられてなかったりということがあったようです。先の自分の記事がいかに表面的かがわかりました。確かにファカレティのいる職場はファカレティが沢山いるし、基本ファカレティ単位で行動している気がする。結局、いる意味群れてないといじめ等の対象になるんでしょうね。
私自身は、個人的に沈黙の立場。自分がそうであるとか、そうでないとかそういうのでなく、実際そういう性的傾向と言うのは存在するのは知っていますし、だからといって排斥されてはいけないとおもう。異性に興味のある人に「同性愛者になれ」と言ってもなれないと同じように、恐らく同性愛者にとって、恋愛対象が同性であったんでしょうね。仕方がないと思います。自分は小さいころ、男の子の友達より、女の子の友達の方が多かったというか、遊びにしても女の子っぽい遊びのほうが好きだったりしたし、男の子だったら興味を持つであろうことに、幼稚園、小学校と全然興味なかったし。例えば、車とか、ロボットとか、格闘技とか…。周りにそういう人がいたら、自分ももしかして、そういう方向性に行った可能性もあるわけでして…、はい。
こういうことを書くと、熱心なキリスト教徒から攻撃されそうですが、キリスト教ってそういう人にも開かれているべきだと思われます。国家もそうだと思います。もしそういう理由で排斥するとします。そうなると恐らく、次は別の理由で、別の誰かが排斥され…ときっとドンドンと排他的になっていく気がします。
今、ISISが世界的に問題になっていますけど、きっと彼らは世界中一人残らずイスラム教徒にすることが最終目的で、そのためには武力行使も厭わない。つまりイスラム教以外を徹底的に排斥していこうという動きだと思います。もっともISIS=イスラム教だとは思っていませんが。キリスト教や国家が「同性愛だから」という理由で排斥した場合、それはISISと変わらないんじゃないか?同性愛であれ、異国人であれ、異教徒であれ、身障者であれ、社会的弱者にこそ、手は差し伸べられるべきだと思います。かと言ってそれを逆手に取って、権利のみを主張しまくるのもどうかと思いますが。
トンガはフレンドリーアイランドとも呼ばれ、ファカレティにも優しい国というイメージでしたが、ちょっと「んんん」と思ってしまいました。男女間の性的交渉の話題は、「お前ら、恥じらいを持て!!」と言いたくなるほど、日常的に話題を振ってくるんですけどね、男女問わず…。
(と言うか、トンガってだれでも両手を広げて大歓迎するけど、その後放置プレーというのが基本なんですよねぇ~。そういうところも日本と似てたり。なので、図々しくなく、親しげに、グイグイっと中に「空気を読みながら」入っていくのがコツです。)
あぁ、この件に関しては沈黙とか言いながら、思いっきり反対している自分がいたりします。やはりトンガは「かなり」伝統的で保守的な国なんだなぁ…。
すべての人に優しい国家、環境ができることを祈りつつ。
もうすぐ、5月ですね。桜が終わり、各種様々な花が咲き乱れる大好きな季節ですが、そういう記憶も、もう10年前のもの。こちらは朝晩が冷え込んで、日中との温度差が10度以上出てくるようになりました。今朝8時、自分の部屋の温度計は18.9度を示していました。ひんやりよく眠れます。
前回、半分グチ気味な投稿でしたが、そこで書いたオイルプレスマシン、無事香港から到着致しました。
到着を待っていた日は、ひたすらククイナッツに紙やすりかけてました。結局一つ完成するまで8時間以上ですね。最近、金属工具のヤスリバー(?)を購入しまして、そちらを使うと3時間ちょっとで出来上がりました。感動的な速さでしたが、やはり3時間はかかりますね。最初の一つを紙やすりのみでやったというのは、結構根性ものです。
さて、オイルプレスマシンが到着した翌日、組み立てて、ククイナッツを30個ほどハンマーで叩き割って、中身をほじくりだして、オイルを絞ってみました。構造的には金属の筒の中に、螺旋状のスクリューがあり、そこにナッツ類を入れ込むと、スクリューに絡まって、筒の中の方に潰されながら押し込まれていき、その先が行き止まりとなり、押し込まれるナッツ類は圧縮され、オイル成分が絞り出されるという構造。そして、その筒の下にはアルコールランプが設置されて、暖められながらオイルが抽出されるというもの。
今どき、「超」不親切な取説(図解なしの、組み立て方法、手順なしの中国語と英語)を見ながら、組み立てて、アルコールランプに火をつけて、ククイナッツを入れ、スクリューを回してみる。そうすると、茶色いオイルがポタポタと。これ、明らかに火力強いよな…。香ばしすぎる香りが室内に充満。スクリューは重くなり、その先から絞り粕が出てくる穴があるにはあるが、明らかにふさがってしまってる。これ、欠陥品じゃね?ま、中国だし、しょうがね。
頑張って絞った結果出来上がったオイルというものは、ズバリ「廃油」。使えぇね…。取説にある通り5mmほどランプの芯を出してとあったのに、明らかな火力オーバー。ま、一回目に失敗はつきもの。次回を期待しましょう。
という訳で、マシンの温度が下がってから分解掃除。
そうです、圧縮されたククイナッツを除去しなければならないんですが、それがまた五寸釘が折れ曲がるくらいカチンコチンに固まって、その作業はまさに鉱物発掘作業状態。あぁ、炭素を高温で高圧力を加えるとダイヤモンドが生成されるって、こういうことを言うんだなぁ…と妙に納得しながら、強いられた納得出来ない作業を続ける羽目になりました。ククイナッツをハンマーで叩き割って、中身を取り出すの、超めんどくせーと思ってましたが、まさかそれ以上に面倒くさい作業が待っているとは…。
そして、本日、同じくククイナッツを叩き割って、ほじくりだし、加熱すると面倒なことになるので、今回は非加熱でオイルを絞って見ました。過熱することで成分が変わるので、やはり非加熱がいいよね。きっと高圧力がかかっても、常温なので、問題ないはず…。
結果は、オイルとは程遠い産物…。オイルというか、潰されたククイナッツの液状化がほんの少し。そして、後始末は、やはりカチンコチンとまでには行きませんが、かなりカッチリ圧縮されたものを取り出すのに、五寸釘にハンマー必須。しかも、加熱してない分、蒸発もなく、もうそこら中オイルまみれで、こっちの作業工程も最悪…。ココナツオイルを自分で作って…と思ったんですが、買ったほうがよっぽど確実です。
という訳で、オイル生成はしばらくお預けします。もしくは、他の方法を探ります。大量に余ったククイナッツは時間のあるときにゴリゴリシコシコ削って磨いて行こうと思います。ネックレスに至るまで半年覚悟で。
昨日に引き続きの連投です。
この間、ネット販売で香港からハンディータイプのオイルプレスマシンを購入しました。オイルを搾る機械です。品物代にDHLでの送料プラストンガでの関税を加えると、そちらの方が品物代を超えてしまいました。郵便小包だと個人宛ての小包には関税はかからないんですが…。
で、昨日その支払を終え、本日通関手続きを行って、午後デリバリーすると言っていたのに来ませんね、やはり。さすがトンガです。「明日」という意味は「明後日以降」とほぼ同意語です(笑)。
今日デリバリーすると言っていたので、本日仕事が暇こいてまして、デリバリーされたオイルプレスマシンを使ってオイルを生成してみようと思いまして、前々から道端で売られているTuitui(ククイナッツのことです)を一袋5パアンガ(約300円)を二袋買ってきました。ククイナッツのオイルはハワイとかでも人気のオイルだそうで、石鹸にも使えるとのことなんですが、こちらのココナツオイルを作っている所に、以前「Tuituiでオイル作れないか?」と聞いてみたところ、手間暇がべらぼうにかかるので、値段が半端無く跳ね上がるけど…と言われ、諦めた過去があります。実際値段を聞いて目が飛び出そうでした(笑)。だったら自分で作ろうと。で、ハンマーで叩き割って、中身をくり抜くわけですが、そのサイズはクルミより一回り小さく、クルミより数倍硬い。こりゃ、確かに手間暇かかるわ…。20個ほど繰り抜きまして、デリバリーを待ってましたが来ませんでしたので、お預け。
このTuitui、ハワイとかで黒や茶色っぽい数珠のようなレイ、ネックレスをしている人見たことありませんか?
ネットで拾ってきた写真ですが、こう言うネックレス。これがククイナッツなんですが、こんなに綺麗でなくて、ボコボコなもの紙やすりやグラインダーなどで削っていくと、中の殻の部分が現れて、それを続けながら整形していくものなんです。今日は時間があったので、試しに一つ紙やすりをかけてみました。
2時間削った結果、ネックレスを作れるほどまでには到底たどり着けませんでした。ものすごく根気のいって、手間暇かかる作業ですね。これ、多分マニュアルでやったら一日8時間かけて一つ作れるか作れないかですね。毎日8時間、週5日で1ヶ月で一本ってところですか。月給並みですね。ま、実際には商売している人で、昔ながらの紙やすりでやってる人はいないでしょうけど、やはり時間と手間はかかります。
ここで、一言。
先進国でない国を旅する醍醐味として、露店での民芸品などを値段交渉し、値切るというのがありますが、あまり「派手な値切りはやめて欲しい」というのが地元民的感覚です。露店とか出だされている民芸品などは、結構手作業なものが殆どです。つまり、上記のような手間暇をかけて作り上げたものなんですが、そうなると当然値段も上がります。材料費自体は安いですよ。でも、支払うべきなのは、その手間暇。なので、観光でこういう国に行かれた場合はお金を落としていってください。この間日本からクルーズ船が来た時の日本人が「こういうところに来たら半額ぐらいまで値切って当たり前だ!」と言い放っておりましたが、こちらからすると最悪な客です。「超」上から目線。数百万の乗船費をポンと出しておきながら、数百円、数十円を値切るのはどうなんでしょう?露店の人からの評判も正直なところ、最悪でしたよ。日本のように最高級品ばかり見慣れてると、こちらのものは例え天然素材であっても、形、大きさにばらつきがあります。そういうものだと思ってください。基本、家内制手工業なんですから。そういうもんだと思って買い物や露天商とのやりとりを楽しんで貰いたいし、お金も落としてもらいたいです。
と、後半愚痴になりましたが、実際にククイナッツ割って中身を取り出したり、一つを2時間ばかし磨いただけですけど、民芸品の手間暇を垣間見た気がします。さて、今週中にオイルプレスマシンがデリバリーされてくると思うので、ククイナッツオイルや今話題のヴァージンココナッツオイルを自分で作ってみようと思います。アボガドオイルとかピーナッツオイルもできるかなぁ。ちょっとイロイロと楽しみです。基本石鹸目的ですけど、食用にもできそうだなぁ。あ、ククイナッツは消化が非常に悪いそうで、便秘に効くそうです。ピンクの小粒コー○ックよりも効くらしいです、インターネット情報ですが(笑)
では、また。
こんにちは。トンガの鈴木です。どうでもいいことですが、トンガでの教員生活時代に大いに活躍してもらった、私の超ミニノートPC(画面サイズ7インチ)、XPのままかなり酷使しまして、教員生活最後の年に、トンガでデスクトップPCを組み立ててもらい、メインがそちらに移りました。もう、さすがにXPは辛いですね。XPが辛いというか、ノートのスペックが…。で、しばらく寝てもらいましたが、再生利用ができないかというわけで、Windows XPをぶっ飛ばして、DebianというLinuxOSをインストールして見ました。これが予想以上に機能してくれまして、立ち上がりもXP時代より数倍速い体感速度。こちらではメインの作業をしないので、いろいろ実験して遊んでます。ただ、7インチサイズのPCで、同じサイズに収まるキーボードは、あまりにも狭すぎて、タイプミスが多発します。今、そのPCで入力しているのですが、よくもまぁ、こんな小さなPCで今まで作業してきたなぁと、自分に関心してます。これで、ブラスバンドの編曲を始め、学校の授業プリント、試験問題作成、自分のソロ演奏のためのカラオケ伴奏などなど、使っていたんですが。
さて、タイトルですが、先週木曜日にノニ果実の買い付けを行いました。ノニジュース製造の過程はワインとほぼ同じで、実をバケツやタンクに詰め込み密閉し、発酵させる(約2,3ヶ月)。その後差苦渋して低温殺菌して、製品化するのですが、温度が30度程度が適温らしく、バケツの保存場所は炎天下。当然プラスチック製のバケツは劣化するわけで、破損したものは次々に外されます。買い付けの時の一時保管用に使います。空気が入ると発酵せず、腐ったり、カビが生えたりするので。
で、こちらでノニ製造が始まって10年経ちまして、バケツもだんだんと少なくなって来てまして、その数に合うように買い付けしなければいけないんですが、買い付けは村人に収穫してもらい、それを工場で買うという仕組みなので、彼らが来て初めて収穫量が把握されることになる。今回はバケツやタンクの総量からマックス18トン。それを超えないでほしい…。と、そんな憶測で準備をしてましたが、蓋を開けてみると、18トンなどは予定時間の半分近くでオーバーしてしまい、結局23.5t。ホントに最悪な想定は24tだったので、かろうじて収まる感じ。
助かった〜
でも、助かってなかったんです。バケツの他、3tタンクが一つ、6tタンクが2つ、仕込みに使ったのですが、3tとか6tとかって、純粋に液体を入れた場合なんですよね。これが果実など個体の場合、ざっと計算して6割。
全然足りないじゃん…
という事を、最後の最後に気づいて軽くパニック。一番経験のあるトンガ人ワーカー君といろいろ考えて、一つの緊急避難対策が立ち上がり、なんとか仕込み終了…
と、通常16:30に仕事が終わるのですが、買い付け日と翌日の仕込み、2日連続22:00終了と、恐ろしくハードな二日間でした。
買い付けは木曜日だけでしたが、当然金曜日も買い付けをやってると勘違いするトンガ人が跡を絶たず、その都度断る。そして、週明けした今日もすでに数人がノニを収穫して持ってくる…。もう現状で緊急対策なわけで、断るしかないのですが、せめて収穫する前に、買い付けしてるかしてないかの確認してくれたらなぁ。
とりあえず嵐は去り、通常業務に戻りました。
さて、このノニたちはどのように成長してくれるでしょうか?楽しみです。
トンガ産のノニジュースを飲んでみたい方は、こちらパシフィックインターナショナル株式会社のHPからオーダーできますので、試してみてください。
それでは、また。
夜が長くなってきました。今までは夜7時半まで明るかったのですが、最近の7時はもう暗いですね。夜から朝にかけては、もう半袖では肌寒くなってきました。長袖シャツで寝れますけどね。
さて、勝手に商品開発ですが、本社の方から「売らないでね」と釘刺されてしまいました(笑)。石鹸ですので、やはり、何かがあった場合、大変な責任問題になりますから。という訳で、個人使用とお土産目的になりますね。
昨年内は、いろんなオイルを考えてましたけど、やっぱりどうせなら、100%トンガ産を目指せ!ということで、トンガで取れるものだけを使って石鹸を最近、時々作っております。
となると、ベースとなるオイルは、やはり、100%ヴァージンココナツオイル。最近こればかりですね。年末の帰国の際は、オリーブオイル、米ぬかオイル、ココナツオイルというパターンと、ココナツオイルでも、ココナツオイルのみ、ノニジュース入り、トンガ産コーヒー入り…と幾つか種類を作りました。
で、この間、アボガドをミキサーでドロドロにしたものを入れてみました。アボガドオイルの石鹸があるくらいですので、まるごとでもいけるんじゃないかなって(笑)。結果、とりあえず、問題なく使えました。
後は香りづけ?どうやらバニラエッセンスの類は、あっという間に香料が消え去ってしまって、全く意味をなさないとのことで、どうやらアロマセラピーなどでも使われるエッセンシャルオイルで香りづけするそうです。さて、トンガでそんなの入手できるの????日本にいる妹が、多少詳しいみたいなので、送ってもらおうか…。なんて考えながら、しばらくそっち方面は放置プレーしておきましたが、3週間ほど前、原因不明の下痢を起こしてしまい、クリニックに行き、処方箋を書いてもらい、薬局で薬を購入して、会計待ちの間、展示薬品を眺めていたら「ユーカリエッセンシャルオイル」なるものを発見!そうか、薬局かぁ!!完全なる盲点。なので、会計時にエッセンシャルオイルって、ユーカリの他にある?と聞くと、ラベンダーが奥の棚から。賞味期限切れだそうで、4割引きほどでもらいました。あと、ユーカリは定価で。
で、早速、ココナツオイル石鹸に混ぜてみました。
ん~、若干残るかなぁ…。でも、1ヶ月の石鹸乾燥の間に、匂いは殆ど消えてしまいそう…。そういうものなんですかね?あまり期待せず、待ってみます。
ちなみに、日頃は私自身で消費しております。頭の天辺からつま先まで、石鹸一本です。とりあえず、自分には問題出てませんね。イロイロ試してみます。
それではまた。
夜がこの一週間で、急に冷え込んで参りました。23度位。快適に眠れます。日本は桜ですね。桜はインターネットで見るものです!!!(あぁ、寂しい…)
昨日の日曜日(3月29日)は、教会の暦の上ではパームサンデー(枝の主日)という日で、イースターの一週間前の日曜日でした。イエスキリストという人が、処刑される5日前に人々から大歓迎されながらエルサレムに入城する日を祝うます。祝いと言ってもこれから、このエルサレム入城からは最終的に弟子に裏切られ、人々からはじかれ、処刑される受難の道の始まりとも言えます。なので、この日を別名「受難の主日」とも言います。ちなみに主日とはキリスト教の中では日曜日のことを言いますので。そして、この受難の主日からの一週間を「聖週間」といい、イエスが歩む受難の道に心を馳せる、そんな一週間になります。
そんな日曜日、僕は何をしていたかというと、やはり教会でラッパを吹いてました。いや、「コルネット」を吹いてました。僕自身はキリスト教でもカトリックを信奉しておりますが、昨日参列した教会はプロテスタント教会。時々ブラスバンド要員で呼ばれるのですが、今回呼び出された団体さんは、またよくお世話になっているトンガ警察。トンガ警察が一年に一度業務シフトに入っていない警官全員で参加する日でした。僕はコルネットですが、ソプラノコルネットという、例の最高音域のパートのヘルプ。警察官には担当者がいますが、なんとも情けなく、頼りなく…。そうなると僕が呼ばれます(笑)。
呼び出されたのが木曜日の晩に行われた、いわゆるゲネプロ(ゲネラルプローベと言って、プログラムの通りに行う通し練習)のその場。楽譜もそこで初めて目を通す。曲目はモーツァルトの「レクイエム」から「Rex tremendae(恐るべき御稜威の王)」「Dies irae(怒りの日)」にポール・ロヴァット・クーパーの「Where eagles sing」の3曲と、あとは礼拝の音楽。どれも吹いたことない。レクイエムに関しては、このために警官の一人がオーケストラから金管バンドに編曲した物なので、初めてなのは当たり前。Where eagles singはブラスバンドの世界では有名な曲ですけど、僕は吹いたことがない。超カッコイイので、是非お聞きください。モーツァルトは個人的になかなか触手の伸びない作曲家で、実はあまり聞いたことがなかったりするし、この有名なレクイエムでさえ、実は知らなかったりします(音楽学と言って、音楽を研究する場に一時は身を置いていたくせに、なんとも恥ずかしい限り…)。初見ゲネプロで、二回目が本番。いつも綱渡りですね、自分。
で、レクイエムの方は、声楽曲で、当然合唱が加わる(というか、合唱の伴奏がオーケストラといった方が正しいかな?)わけですが、その合唱団が100%トンガ警察官。これがまた、なんで君たちそんなにうまいの?と「時々」思わせるうまさ。トンガ人と特徴で、誰かのあとに続く主体性の無さのお陰で、イロイロとあまい所があるんですが。特に出だしは必ずコンマ数秒遅れます。しかし、演奏タイミングを考えると、このコンマ数秒が、気になってしょうがない…と思ってるのは僕一人のようです。基本的にはうまいと思いますよ。そして、歌詞はちゃんとトンガ語が当てられています。きちんとした翻訳なのか、曲に合わせてテキトーに歌詞を当てはめたものかはわかりませんが。
そのブラスバンド伴奏で僕に振り分けられたパートは…
「音、高すぎだろ!!!!!」
そんな絶叫パートでした。僕、実はそんなにハイトーンヒッターではなく、どちらかと言うと、下でハモる方が好きなんですが、トンガの中で、正直なところ、ソプラノのヘルプは鈴木を呼んでこい!という感じになってるっぽいです。まぁ、目立つし、休みが比較的多いし、かっこいいので好きなことは好きなんですが、ハイトーン過ぎてしんどいのです…。
トランペットで言うと「低いド」「真ん中のド」「高いド」と3オクターブ、通常の教則本などでは掲載されています。チューニングは真ん中のド。五線譜上で説明すると低いドは五線の下加線にあるド。真ん中の土は第3間と言って、上から2つ目のスペースにあるド、高いドは五線を上にはみ出して、加線二本追加するところにあるド。大体この音域で、音を出すことができれば、大抵の曲は演奏可能です。音域上。通常は五線譜内に収まってくれていて、はみ出すと「高い」という認識が生まれる人が多いようです。
なんですが、今回の渡された楽譜をトランペット(もしくはコルネット)に書き換えると、高いところでは、上の方に加線4本ほど追加しなければいけない位。高ぇよ!!!。通常のトランペットの譜面じゃないです。ソプラノは4度低く書かれているので、譜面上は普通に高いかなぁ…程度の譜面ですが、実際は「メッチャ高っ!!!」。昨日は僕自身の調子も良かったので、そんなに大きく外すこともなく演奏出来ましたが。調子の善し悪しで、出るか出ないかの音域は、実用的とは言えませんね。自分、まだまだです。ロヴァット・クーパーの曲なんかは、決まると超かっこいいんですよ。
と、そんな礼拝を終えた後、警官たちは集合写真。当然僕は入りませんが。そして、そこから警察署まで10分ほどですが、パレード。演奏曲目は僕には知らされておらず、吹き始めてから「あ、この曲ね」という感じ。ちなみにトンガの日曜日は、キリスト教以外の音楽は「認めてられていない」ので、このパレードもテンポの良い賛美歌で。久々に歩きながら演奏した。しかし、当然楽器ケース等は教会に置きっぱなしなのと、フルメンバーのブラスバンド編成だったため、長椅子のアレンジをしたため、その片付け等で引き戻す(笑)。引き返しは警官の乗用車の後部座席に乗せてもらいました。こういう時、僕は「必ず」真ん中シート。昨日の両サイドは120kg君に130kg君。気分的には二人がけシートに3人座る感じ?メッチャ狭いし、彼ら肩幅あるから大変なんです…。前二人も似たような連中だったので、既に重量オーバーなんじゃね????横からの衝撃がクッションになるか、その体重が凶器になるかはその時の運次第…。
ちなみにその礼拝にはテレビが入っておりまして、ライブ中継されてました。ラジオも。今までこういう状況がちょくちょくありまして、自分がテレビにでいてるのを見たことがない。でも、この演奏に関しては自分でも気になったので、見たかった。で、その日の夕方、「もしかして録画放送してるかも」と、普段見ないテレビを、恐らく半年ぶりくらいにスイッチを入れるとちょうど再放送しておりましたが、礼拝最後の国歌吹奏…。しゅ~りょ~。その国歌を聞く限り、自分の音、思ったより飛んでないというか、全然予想以上に聞こえてないことが発覚。となると、苦労して、調子のいい時にしか当たらない音域を頑張ったのに、実は全然聞こえてなかったりするのか?一応教会内だし、ヘルプなんで、自己主張はしなかったつもりなんですが、それでももっと聞こえていると思ってたので、これにはがっくりです。もっと、遠慮せずに、ブイブイと吹いていいのかな?
そんな日曜日でした。(なんの話だ、これ?)
こんにちは。日本は桜のシーズンが始まったようですね。2004年に三重県四日市市で見た桜が、僕にとっては最後の桜。あとは、テレビやインターネットで見るものとなっております。ソロモン諸島のガダルカナル島には、桜そっくりな木が2本生えておりました。木と花は桜そのもの、でも、葉っぱは全然違う…。当然花見をする人などいませんでしたね。そういう桜もどきでいいから見たいものです。
さて、一度でっかいトンガ人を挿入しましたが、トランペットの話に戻します。多分、これで終わるかな?
トランペットの仲間たちで、トランペットとコルネットとフリューゲルホルンは仲間じゃない、ということを書きましたが、今回はそのコルネットとフリューゲルホルンの仲間たちのお話です。
彼らは通称「サクソルン属」と呼ばれる楽器たちなのですが、トランペットと演奏原理は全く同じですが、パイプの8割が円錐形になっているというのが特徴です。
このサクソルンと言うのは、19世紀のアドルフ・サックスという人が考案し、特許を取得した楽器で、同じような形体で様々なサイズを揃え、音質を均一化しようという発送のもので作られた金管楽器なんです。同じく、名前からもわかるように、通称サックス、サキソフォンの考案者でもあります。同じ仕組で、同じ素材で、サイズを揃えて、低音から高音まで均一な音質を狙った金属製の木管楽器ですね。ジャズや吹奏楽でよく使われます。このアドルフ・サックスさん、かなりぶっ飛んでいる人みたいなので、興味があればググっていただくと、面白い逸話がいろいろ出てきます。でも、この人がいなければ、サックスも現在の金管楽器も存在しなかったんですよね。サックスさん、感謝。
さて、サクソルンに戻ります。サックスさんが考案したサクソルンは小さいものから大きなものまで7種類ありますが、現在殆ど使われておりません。一般的には廃れた楽器という認識なんじゃないかなと思います。ただ、「バス」と呼ばれる仲間(ユーフォニウムとほぼ同じサイズ)は、フランスでは細々と生き延びているらしい。そして、このサクソルンから派生した楽器が「サクソルン属」と呼ばれているようです。
コルネットはちょっと別の発出のようですが、サックスさんが考案し、特許をとったピストン機構を取り入れて、一気に完成度が上がった楽器です。そして、このピストン付きのコルネットが出てきて、アーバンという人が演奏法を本にまとめ、それがなんと、現在まで金管楽器のバイブルとして、生き残っています。当然、僕も勉強しました。多分、世の中のトランペット吹き(特にクラシック)に、「アーバンなんて知らない…」という人はいないと思います。そして、そのアーバンさんは、コルネットを使って、フルートの超絶技巧の曲目をサラッと吹いて、当時の人達の度胆を抜いたとのことです。そして、その超絶技巧を聞いたフランスの作曲家ベルリオーズは、彼の代表作になる「幻想交響曲」の第二楽章で、最初は何も書かれてなかったのですが、アーバンのために、コルネットの長いソロが「オプションで」挿入されたという話は「その筋」で有名です。いずれにせよ、サックスさんが考案しなければ、トランペットは「ド・ミ・ソ」に毛が生えた程度の音しか出ない時代がしばらく続いたと思います。このコルネットでの成功を元に、トランペットにも同じピストン機構を付けて、今のようなトランペットになっていきます。
現在の英国式ブラスバンドの編成のほとんどがこのサクソルン属の楽器によるもので、音質が均一で、ベル(朝顔)が上を向いている楽器が多いためか、「音が天井から降ってくるような」とか、「動くパイプオルガン」とか形容されたりしております。20年ほど前の「ブラス」という映画があるのですが、イギリスの炭鉱所属のブラスバンドがフューチャリングされており、炭鉱の存続に関する経営者と労働者の対立と、そのいわゆる部活動ですね、のブラスバンドのお話ですが、そこで演奏されている形態が英国式ブラスバンド。演奏はグライムソープ・コリアリー・バンドですが、実はまさにこの話の元ネタとなった団体さんで、炭鉱閉鎖の年、100点満点中99点というブラスバンドのコンクールでは驚異的なスコアで優勝し、その後も名門中の名門として居続けています。(吹奏楽のように木管楽器は一切使われておりません。ので、吹奏楽のことを「ブラバン」と呼ばないでください。)この英国式ブラスバンドで、高音域を担当するのがコルネットです。更に一人だけソプラノコルネットという更に小さい楽器で最高音域を担当してます。
映画「ブラス!!」のコンテストでのロッシーニのウイリアム・テル序曲が演奏されます。こちら。金管バンドでこんなこともできるんですよ。この曲のほか、クラシックで有名な楽曲の殆どは、既に編曲され、演奏されています。交響曲と言ったレベルの楽曲でさえ、金管楽器で演奏してしまします。ちなみにトンガでのブラスバンドもこのスタイルです。あまり見かけない楽器が多くあると思いますが、トロンボーン以外は、サクソルン属の楽器となります。
この英国式ブラスバンドの他に、「ファンファーレバンド」という形態もあります。これは、サクソルン属にサックス属を加えた形態。まさに、サックスさんのための編成。これがまた、なかなかゴージャスな響きでかっこいいんです。日本では殆どありませんが、ヨーロッパでは確立した編成として認識されているし、楽曲も作曲されています。日本では洗足学園音楽大学が、日本で初めて音楽大学に英国式ブラスバンドを導入し、後年ファンファーレバンドも教育の一環として導入しております。この編成では、コルネットよりフリューゲルホルンがメインです。フリューゲルホルンは、サクソルンの高音楽器ソプラノ・サクソルン(Eb管)とコントラルト・サクソルン(Bb管)から派生したという話なので、コルネットでなく、フリューゲルホルンをメインにおいているのだと思います。
と、興味のない人にとってはどうでもいい話を長々と語ってしまいました。同族の楽器とのアンサンブルやセッションと言うのは、音が綺麗に混ざり合うと、鳥肌が立つような衝撃があります。逆にオーケストラや吹奏楽というのは、むしろ異種格闘技戦かも。大人数で一つの音楽を演奏するのは、意外といろんな駆け引きがあったりして面白いのです。
では、次はトンガの話に戻しますので、またよろしくお願いします。
こんにちは。トンガの鈴木です。ここ一週間ほどいい天気が続いております。気温も暑すぎない程度で、少しずつ快適な気候に向かいつつあるようです。
最近楽器のことばかり書いておりましたが、一旦中断してトンガのことを。
相当前ですが、ビックリサイズのトンガ 〜巨人伝説は実在する?〜 という記事を書かせていただきました。リンクを張っておきますので、よろしければそちらの方も。
で、今回は、そんな巨人トンガンの写真紹介。言葉だけでは想像してもらえにくいので。比較対象は165cm*75kgです。どうぞお楽しみください。みんながみんなこういうサイズではないですけど、こういう人も結構出くわします。
この人は、高校の音楽教師。自分が音楽教師をしている時、トンガの音楽教師協会の会長をしておりました。
こちらは、消防士二人組。夜、”カヴァ”というあまり美味しくはないんですが、木の根っ子を煎じた漢方薬のような飲み物のお茶会みたいなものが消防署でも行われて、知人に誘われて行ったのをきっかけに、ちょくちょく行っています。
こちらも消防士さん。
こちらは、隣の職場のおじさん。最近見かけなくなりました。写真撮ってもらったトンガ人青年も背が高かったので、なおさら自分がチビに見える…。
で、こちらもトンガの音楽教師。音楽教師の面々って、何故かデカい人多いんですよねぇ。僕くらいのも数人いますけど。
こちらは元ラガーマン。日本でプレーしてまして、日本代表にも選ばれた人です。最近見かけないなぁ…。
そして、デカ足 その一。比較対象は25.5cm
デカ足 その二
トンガ人の軍団に日本人が囲まれると、大抵こういう状況になります。ちなみに警察音楽隊ですね、彼らは。
と、こんなふうに写真を羅列してみました。トンガ(サモアもきっと同じような状況)に来ましたら、現地人と物理的なケンカだけは避けて行動してください(笑)。まず負けます。何かいちゃもん付けられたら、とりあえず日本人アピールすると、まぁ、収まります。大抵、某漢字大国人と間違われるケースによるいちゃっもんなので。
以上、デカイ人がうじゃうじゃいる小さい国トンガからでした。
最近、楽器の話が多くなって、トンガとは全く関係なくなってきてますが、ご了承ください。
今回はトランペットの調子のことを。調子と言っても「今日は絶好調だぜ~!」「だめ、最悪…orz」と言った調子ではありませんのでご了承を。
トランペットはB(ベー)管と呼ばれるトランペットが最も一般的な楽器でして、そのB管で「♪ド~」と吹くと、ピアノの「シの♭(フラット)」の音が出ます。日本では音名をドイツ語で呼ぶ慣習があるので、ドイツ語でシのフラットのことをB(ベー)と呼ぶことから、B管トランペットと呼ばてれます。英語でB♭(ビーフラット)管でも、日本語で変ロ調でも構わないんですが、普通ベー管ですね。
ちなみにドレミ~をドイツ語ではC(ツェー)D(デー)E(エー)F(エフ)G(ゲー)A(アー)H(ハー)C(ツェー)と呼び、フラットがつくとCes、Des、Es…という風に-esが付き、シャープだと-isが付き、Cis、Dis、Eis…という風になります。
実はトランペットにはC管もあれば、D管もあります。ちょっと特殊管扱いになってしまいますが。D、Es、F管辺は比較的、「その筋」では見かけます。B管と同じように、例えばD管で「♪ド~」と吹くと、ピアノでは「♪レ~」なんです。僕の知っている限りをあげてみますと、A管、B管、Ces管、C管、D管、Es管、(E管)、F管、G管という存在は知っています。何でこんなにあるんですかね???
理由はその昔、楽器の単純な作りで、ピストン機巧が施されていなかったから。ナチュラル・トランペットという、管を巻いただけの楽器です。トランペットを始めとする金管楽器と言うのは唇や舌、息のスピード、圧力と言った要素を駆使して、「倍音」という周波数上のツボみたいなところがありまして、そこを当てて複数の違った音を吹き分けています。なので、そのツボから外れた音は出ない、もしくは楽音として使えません。
倍音を列挙してみますと、基音がドとしますと、一オクターブ上のド(通常ここから金管楽器の範疇)、その上のソ、更にオクターブ上のド、ミ、ソ、シ♭、そしてその上のド(通常はここまで出せれば、大抵の楽曲は音域的に演奏可能)、レ、ミ、ファ♯、ソ、ラ、シ♭、シ♮、そして更にその上のド…以下延々と続く来ます。
という訳で、結構音が飛び飛びなんですね。もしピストンがなくて、音階的な楽曲が吹きたければ、ものすごく超音波みたいな音域で吹かないといけなくなってしまう…。僕には無理です。
なので、オーケストラで一般的にトランペットが登場してくるのが18世紀のバロック時代ですが、19世紀半ばのピストン付きの金管楽器が発明されるまで、ナチュラル・トランペットがオーケストラでは使われておりました。
トランペットがド、ソ、ド、ミ、ソ、シ♭しか音が出ないから、すべての曲をハ長調で作曲するしかないか…、作曲家が妥協してくれるわけでもなく、ハ長調の曲もあれば、イ長調もあれば、ヘ短調もある。でも、トランペットは使いたい…。どうすれば…。
「楽器の長さ調整して、ラ、ド♯、ミが出る楽器作って、お願い。今度そんな曲吹かないといけないんだけどさ…」
と楽器職人さんにお願いする羽目になります。もっとも、フルートなどの木管楽器でも似たような状況はありましたで、それが一般的だったようです。なければ作る。
そんな感じでいろんな調の楽器が出現します。楽曲に合わせて。
で、もっと細かい音程を出せないか?ということで、楽器を大きくして(管を伸ばして)、基音を低くすることによって、だいぶ可能に。
更に、この楽章はハ調だけど、次の楽章はへ調、次の曲はト調…となった場合はそれぞれの長さの楽器を準備する必要があったわけです。持ち運び大変そうですねぇ。というか、僕なら、途中で間違った調の楽器を演奏してしまいそうですが。いや、絶対そういうミスした人はたくさんいるはず。
なので、ロマン派までのオーケストラ曲のトランペットとホルンのパートは、楽譜の中で「ここはB管で」「ここはEs管で」「ここはD管で」という指示が出され、楽譜上はド・ミ・ソだったりします。ちなみにトロンボーンは、トランペットで言うピストンの組み合わせを、スライドで網羅できてしまうため、調の指定はありません。
なので、わかってたことなんですけど、一昨年日本の地元でアマチュアオーケストラに参加して、もらった楽譜が殆どド・ミ・ソだけ(笑)。こりゃ、ティンパニの和音構成員だな、と言わんばかりに。
というわけで、3本のピストンの発明で、一本の金管楽器で半音階が、それほど問題なく演奏が可能になったと言うのは、かなり画期的な発明なんですね。19世紀のフランス人楽器職人さん、ありがとう。
そんな流れで、使いやすい調や流行り(?)から、現在はほぼB管に集約されてしまったというお話です。ただ、ピストンと倍音の関係上どうしても音程を殺してしまう側面も残り、やはり開放管を使いたいということで、コンチェルトや、ソロでは、殆ど見かけない特殊管を使ったりもします。オリジナルに近いですから。
現在、ほぼB管、あとオーケストラではC管の二本に淘汰されてしまいましたが、残る問題は演奏者の移調演奏技術。僕はB管しか持ってませんでしたので、オケでは「ここはF管のド・ミ・ソは実音でファ・ラ・ドだから、B管でソ・シ・レ…」とか、「えっ!?いつの間にD管指定???」「A管指定ををB管で吹くと、半音下げか、超めんどうくせぇ…」と言った演奏者泣かせになります。E管、F管は上から読んでも移調しても、下から移調しても、中途半端に面倒くさい…。20世紀以降は大抵F、B、Cのどれか、第二次大戦後はほぼBかCに作曲者が特殊管を要求しなくなりましたので、助かりますが、時々恐ろしい演奏技術を要求してくるので、ありがたくないです。オケではBとCの二本準備して、指使いの関係から♭系はB管で、♯系はC管で…と持ち帰る人が結構いますが、僕はB一本で、時に死にそうで、これは無理と判断した曲はPCで楽譜を書き直したりしてました。音大出てるくせに…。
音大のオーケストラスタディーの授業で、各調子のリストを紙に書いて、それを参考にしながら演奏してましたら、トランペットの教授に見つかって「こんなの使っちゃダメだよ~」とビリビリに破かれたのを思い出しました。
そんなわけで、いろんな調子のトランペットのお話でした。