Home > 新着記事 > kagami

2013/06/13

マレーシアの子供達に日本の文化を知ってもらうイベントで、焼きそばを作るワークショップをすることになった。

イベント数日前に問題がおきた。

それは、マレー人の言った何気ない疑問だった。

「焼きそばで使うソースはもちろんHalalだよね?」

関係者一同、ただ呆然。

 

マレーシアには沢山の日本食レストランがあって、和民や一風堂、武蔵、山頭火などのラーメン屋、お寿司、焼き鳥、お好み焼き、たこ焼き・・・驚くほどに日本の食べ物が受け入れられている。

 

だから、ソースについて全く心配はなかったし、ソースに「Halalマーク」が付いているかどうかなんて気にしなかった。

けれど、イスラム教徒にとって「Halalマーク」のないものを口にすることは、大きな心配事となる。

 

みんなでジャスコに駆け込んで、ソース売り場の全てのソースの裏側を見た。

結局、「Halalマーク」はなかったけれど、動物を使っていないので大丈夫だということで落ち着いた。

 

この「Halalマーク」。イスラム国家に行けば必ず目にする。

マクドナルド、スターバックス・・・おなじみのお店にも必ず「Halalマーク」が掲げてある。

イスラム教徒にとって、お酒や豚は禁忌。

けれど、それ以外の動物に対しても一定の加工や調理法が決まっている。

例えば、動物の解体においては、イスラム教徒がお祈りを唱えながら殺し、血を全て抜いてから解体処理をしなくてはいけない。

お菓子、飲料水、卵、ヨーグルト、牛乳、油、化粧品、洋服、シャンプー、歯磨き粉・・・日常で触れるあるあらゆるものに「Halalマーク」が付いている。

イスラム教徒ではない私にとっては、全く気にならないこのマーク。

でも、イスラム教徒にとっては絶対に必要なマークなのだ。

 

マレー人を自宅に招く時には、豚肉やお酒を使った調理器具や食器を使わない、豚肉が入っている冷蔵庫から食品を取り出して提供しない・・・イスラム教徒に対する配慮はとても大切。

それは、宗教の下で禁止されることがない日本人にとっては、本当に不思議で、そこまでしなくてもいいんじゃない?と思ってしまうこともある。

 

アジアに進出している日系企業も例外ではない。

日清食品のラーメンやキューピーのマヨネーズ、花王の日用品など、巨大なイスラム圏の市場向けに「Halalマーク」を取得して製品を出している。

 

日本人にとっては馴染みのないイスラム教徒の文化。

世界を見渡せば、世界人口の4分の1の120億人がイスラム教徒なわけで、この「Halalマーク」の後ろに広がる市場は莫大なもの。

「Halalマーク」の市場は60兆円を越えるとされていて、世界に進出しようとする日系企業も無視できないのが現実。

 

たかが一つの宗教の決まりごと。

けれど、その宗教の掟は巨大市場を生んでいる。

馴染みのないイスラムの文化がこうして身近なものになっていき、そんな市場で戦う日系企業を見ると、宗教の影響力というものを考えさせられる。

 

 

 

 

07:44 | kagami | ハラールという掟 はコメントを受け付けていません
2013/06/06

インド人街の生地屋さん。

インド人もマレー人も中国人もお洋服をオーダーする文化があるため、沢山の生地屋さんがある。

日本人駐在員もお洋服をオーダーする。だから頻繁にインド人街に行く。

生地屋さんでお洋服の生地を選んでいる夫婦を見かけた。

奥さんの生地選びにずっと付き添う旦那様。

日本人の男性だったら、お店の外でつまらなそうに立っているだろうなと思ってしまった。

男女の地位が平等ではないイスラム教のこの国では、夫を連れ立ってショッピングしている女性をよく見かける。

 

イスラム教は、4人まで妻を持つことができる一夫多妻制。

日本人には馴染みのない一夫多妻制。

夫が複数の妻を持つ・・・残念ながら私には全くリアリティがないし、イメージすらできない。

アラブから赴任してきた方と一夫多妻制のお話をしていて、とても興味深い視点を知った。

「イスラムにおける一夫多妻は、全ての妻に平等にしなくてはいけないから、大変なのは夫の方よ。

例えば4人も妻を持っている人は、4人の妻を養えるほどの財産がなくてないけないの。それに、4人の女性の買い物に付き合うわけだし、プレゼントも4人分。常に夫として4人の人に気を配るということは大変なことだと思うよ。」

 

女性の私は、ついつい妻側の視点で考えて、「自分以外に3人も妻がいたらどんなに嫌か・・・」に興味を持ってしまう。

 

複数の妻を持つ男性にはそれなりの苦労や気配りや財力が必要なわけで、意外にも男性側も楽しいことばかりではないのかもしれない。

 

アラブから赴任してきた方が話してくれた女性の気持ちもまた面白かった。

「あの黒いベールに包まれている女性たちは、中はとってもおしゃれな服を着ているし、金のネックレスやイヤリングもつけて、たぶん日本人よりオシャレしているし、お金かけてると思うよ。

アラブの国では女性一人で外出できないから、買い物には夫が付き合わなくてはいけないし、妻を養うことは男性の義務だから、妻が望むオシャレは全部させてあげる。

それに、食材の買出しだって妻が一人で行けないわけだから、夫が一人で食材の買出しだって行く。たぶん、日本の男性よりも女性に決め細やかな気遣いをしていると思うよ。」

 

マレーシアはアラブ諸国よりもゆるいイスラム文化だけれど、一夫多妻制は適用されている。

最近は複数の妻を持つ人が少なくなっているそうだけど・・・。

マレー人の女性は一夫多妻制にどんな思いを抱いているんだろうと思って聞いてみた。

「やっぱり夫が他の女性を妻にするって言われたらショック。自分が妻として至らないから他にも女性を持つんだろうって思うから。でももし夫がもう一人妻を持つことになったら、私は今まで以上に大切にされるだろうし、私のワガママだって今まで以上に聞いてくれると思うわ。」

彼女が話してくれた気持ちはとても新鮮だった。

 

女性が男性と同格に扱われないイスラム教。

女性の人権問題という問題もあるのは事実。

だから、イスラム教の女性は全員恵まれない境遇にあってかわいそうだという印象を持つ。

けれどそれは、男女平等が注目されている文化で育った国の人の意見なのかもしれない。

 

イスラム教の価値観で生活している女性たちが、何を考え何を思っているのか・・・。

異なった価値観だから理解出来ないこともあるけれど、異なる価値観を知るということはとにかく楽しい。

自分の価値観とは違う世界があるんだということをこの国から日々学んでいる気がする。

 

 

02:58 | kagami | 私の知らない一夫多妻 はコメントを受け付けていません
2013/06/01

 

マレーシアの公用語はマレー語。

けれど、この国の人はほとんどが英語を話す。

だから外国人にとってはとても住みやすく、7年連続移住したい国No1.になったり、親子留学として英語留学をしてくる人も多い。

 

英語を話せるという裏側には、他国に占領された歴史が大きく影響している。

 

マレーシアは、ポルトガル、オランダ、イギリス、日本に占領された過去を持つ。

だから今でも街中に異国文化の香りのする建物が沢山ある。

 

 

 

他国に占領されたことで、奴隷としてやってきた中国人やインド人がこの国にたくさん住むことになり、やがて多民族国家になっていく。

昔から貿易の拠点として重要な役割だったペナン、マラッカ、シンガポールを海峡植民地として統治したイギリス。

ポルトガルが占領したことで、マラッカからザビエルは日本に出発し、鉄砲が日本に伝来されることになる。

こうして見ると、歴史は繋がっていて、そこに根付く人の価値観や文化にも大きく影響を及ぼす。

 

他国に占領された歴史を持つマレーシアは、多民族国家になり英語を話し、建物も経済も文化も宗教までも様々な国の色をミックスさせて成り立っている。

 

マレーシアを感じる時、「融合」という言葉がいつでもピッタリくる気がする。

 

 

 

09:59 | kagami | 植民地という歴史 はコメントを受け付けていません
2013/05/24

家族がマレーシアにやってきた。
2ヶ月に1回のペースで一人で海外旅行に出掛ける母。海外大好きな兄。海外嫌いの父。
まさにデコボココンビ。
両親二人じゃ不安だからという事で、兄は休みを取って保護者役&お財布係として一緒にやってきた。

初めて見る多国籍国家に感動してくれる家族を見ていて、新しい発見があってとても刺激的な日々。

ヒンドゥー教のお寺で結婚式を見て、インド人の派手さにみんなが感動!!

先日出席したマレーシア人の結婚式も派手だった。
テーマカラーがあって、ドレスも会場も出席する人もそのテーマカラーを意識していて、とにかくカラフル!

 
日本の純白一色で形式ばった結婚式とは全く違って何ともフランクなのも面白い。

フラッとやって来て、お祝いの言葉を言って、ご飯を食べて、フラッと帰る。
半日くらい結婚式をやっていて、みんなのんびりご飯食べて歌って祈って幸せそう。

 

普段のお洋服も派手なマレー人、インド人、中国人。
この派手な人たちの中にいると、日本人は何と地味な国民なんだろうっと思えてくる。

マレー人にそんなことを話したらこんなことを言った。
「だってカラフルじゃなくちゃ、人生楽しくならないじゃない。黒色なんて着てられないわよ。ハッピーな色を着ていれば、誰だってハッピーな顔で暮らせるんだから、やっぱりカラフルじゃなくちゃ!!」

青い空と太陽の似合うこの国の人たちは、洋服の色だって眩しいハッピーカラー。

幸せそうなこの国の雰囲気を家族は気に入ってくれたらしい。
派手なシャツを買ってご機嫌な父とこれまた派手なシャツを買った母。
夫婦仲良くウキウキと帰っていく背中を見つめながら、マレーシアの派手さがたまらなく好きになった。

05:34 | kagami | 派手じゃなくちゃ! はコメントを受け付けていません
2013/05/16

雨季が明けて乾季になったマレーシア。

年中常夏のこの国にも一応気温の変化というものがある。

雨季は、雨が多く比較的涼しい。乾季は、太陽が顔を出す日中は痛いほどに日差しが眩しいけれど、夕方になればスコールがやってきて涼しくなる。

南国のスコールはすごい。初めて目にした時は、とても楽しくてスコールに遭遇するたびにワクワクした。
慣れとは怖いもので、今やスコールに遭遇しても何とも思わない。「今日もこれね。はいはい。」と冷めた感じで迷わず雨宿りにカフェに入る。

たった15分ほどでこの通り。雨の量が多すぎて排水溝が溢れてしまうのでこのありさま。

いかにも南国らしいこの光景が好き。

そんな南国アジアの日本人の日々の食材の買出しは伊勢丹かジャスコ。

だから日常生活の買い物でアジアらしさを感じることは少ない。

そんな私達を心配して、マレー語の先生がローカルの人々が集う市場に連れて行ってくれた。
そこはまさにアジアらしい空気が流れていた。

 

 

新鮮な野菜に果物、スパイス、そして魚や鳥や豚や牛。

昔の日本もそうだったのかもしれないけれど、私達世代にはこういう市場は何とも新鮮。

 
 

そこには満面の笑みと威勢の良いエネルギーが共存していて、今日という日を生きている人々が沢山いた。

元気と懐かしい温かさが溢れるそこは、まさにアジア。

日本が忘れてしまった何かが「アジアらしさ」というものの中にきっとある。そんな気がする。

 

 

10:16 | kagami | アジアらしさ はコメントを受け付けていません
2013/05/09

日本の持つ文化は、他の国から見たらとても興味があるらしい。

日本にいた頃は、個性がなくてどこか元気のない日本を感じていたけれど・・・。

異国の人の目から見る日本は、とても個性的で他にはない面白さがあるらしい。

そういうわけで、みんな日本に興味津々。

なぜか週3でお昼は日本食レストランに行き、放課後もみんなのリクエストで箸が使えるお店に行く。

日本人の私には理解できないのだけれど、箸の使い方を日本人から教えてもらって上手に使えるというのは誇りになるらしい。

何とも不思議な気持ちになる日々です。

そして、日本人の私では気がつかない難しい質問をされる。

先日驚いたのは”ませ”

日本食レストランに行くと、店員さんが「いらっしゃいませ」と言う。
マレーシアの店員さんは日本の若いアルバイトのお兄ちゃんのように「いらっしゃい ませ~」というので、「ませ~」だけが大きく聞こえる。

そして質問された。

ロシア人:「”いっらしゃいませ” って ”welcome” のことでしょ?」

私:「そうだよ」

スイス人:「でも、”いらっしゃい” も “welcome” でしょ?」

私:「そうだよ。”いらっしゃいませ”は丁寧な言い方なの。 “いらっしゃい” でもいいけど、”ませ” をつけると丁寧になるの。」

タイ人:「じゃぁ、”ませ”って何?他にどうやって使うの? ”ます” とは違うの?」

私:「・・・・・・・・・・。うーん。。。。”make yourself at home “の意味で “おくつろぎくださいませ” って使うこともあるよ。でも”おくつろぎください”って言うこともある。」

一同:「????????よくわかんない。」

こういう質問って、何気なく日本語を使っているネイティブには説明するのが難しいものだなっと思いました。
日本語教師をされている方は本当に凄いなと思います。

 

そしてもう一つ面白いことが “Karaoke”

先生:「Tomoko, Will you go to “Karaoke”?」

私:「….go to……Where?」

先生:「”Karaoke”」

私:「…..”KARAOKE”?」

先生:「No, “Karaoke”!」

私:「Ok. “Karaoke” right?」

何とも不可思議なやり取りでした。

日本人が使うカラオケは、英語の発音で言うと”Kalaoke” に近いんですね。
でも外国人が文字通り発音すると”kæriˈoʊki / kærəˈoʊki” なんです。

日本人の私には、”Kalaoke” も”Karaoke”も一緒ですが、外国人にとっては”Karaoke”は「kæriˈoʊki / kærəˈoʊki」の音で発音するんですよね。
しかもイントネーションが日本人仕様ではなくて、外国人特有のイントネーション。

彼の発音する”Karaoke( kærəˈoʊki )” と私の頭の中にある「カラオケ(kaɽaoke)」が結びつくのに時間がかかりました。
そして彼には日本人の「カラオケ(kaɽaoke)」は何とも奇妙な発音らしく、ずっと”Karaoke( kærəˈoʊki)”が正しいと主張していました。

日本発祥の文化が海外に受け入れられて、言葉が普通に使われているのは嬉しいものです。

日本にいたら気がつかなかったこんな些細な発見が私の日常を楽しくしています。

10:09 | kagami | ”ませ”と”KARAOKE” はコメントを受け付けていません
2013/05/02

マレーシアは移住したい国7年連続No.1。
だから日本人は駐在員も移住者も沢山いる。
そんなマレーシア暮らしは、とても快適で友達も多い。

でも、ここはまるで日本。
海外にいても他の国の人と出会うことは少ない。

せっかく海外にいるのだから・・・ということで通い始めた語学学校。
様々な国の人との出会いがあって、久しぶりの学生という身分は楽しくてたまらない。

仲良しのクラスメイトが二人学校を終了して、タイに帰って行った。

二人は従兄妹で仲良くタイからやってきた。
まだ16歳と17歳の彼らは、学校のホリデーを利用して2ヶ月間マレーシアにやってきた。

朝から夕方までいつも一緒に勉強して、放課後もお出掛けして・・・本当に楽しくて素敵な時間だった。

私が日本人だと知ると、ニコニコと話しかけてくれて、私たちは初対面で仲良くなった。

一日ひとつお互いの母国語を教えあって、日本のことやタイのことを教えあって、毎日二人のおかげで楽しく過ごせた。

自分の妹や弟のように感じてとにかく可愛かった。
年齢や国籍をこえて友達になれて、毎日共に過ごして、とにかく素敵な時間だった。

さよならは言わない。
共に学び、共に笑いあった時間は消えないし、これからもずっと友達。

久しぶりの学生という身分は、若かった頃を思い出させてくれる。

出会いと別れがあって寂しいけれど、だから人生は味わい深くおもしろい。

出逢うことと別れること。
どちらも大切にしたい。

そして、奇跡的な偶然で出会った縁は消えることがない。
「またね」と再会を楽しみに出来る友が世界にいることはとても嬉しい。

そうやって人生という旅を続けていきたいなと思う。

これからも、新たな環境に身を置くことを恐れていたくないし、新たな出逢いにワクワクしていたいし、別れも素直に味わえる人でありたい。

仲良しだったお友達が転校していく時と同じ気持ちで、しんみりと寂しさがいっぱいだけど・・・
同じ空の下、二人のこれからの人生が楽しみだし、またいつか笑顔で再会したい!
I won’t say “bye”.
See you again!

10:52 | kagami | さよならは言わない はコメントを受け付けていません
2013/04/26

語学学校に通っていると、毎日色々な文化に触れて、世界は広いんだなって実感する。

先日、課外授業でモスクに行った。

UAE、カタール、パキスタン、ウズベキスタン、カザフスタン、ロシア、中国、韓国、タイ、日本人でイスラム教のモスクに行くというのは何とも不思議な感じがした。

もちろん、UAE、カタール、パキスタン、ウズベキスタン、カザフスタン人はイスラム教徒なので彼らにとっては何の新鮮味もない。
ただ、まだ16~18歳くらいの彼らは女性と一緒にモスクに行くということが新鮮なんだそうだ。

そして、普段肌を露出して髪の毛を出している女性が、アラブの女性のように全身を隠してモスクに入るのは嬉しいことなのだそうだ。

マレーシアは、どのモスクに行っても観光客は入り口で写真のような服を借りて全身を隠さなくてはいけない。
男性も短パンの場合はしっかり足を隠さないといけない。

モスクが好きなので何度も行ったことがあるけれど、ムスリムと行くのは初めて。
 

みんなでモスクの中で写真を撮ってはしゃいでいたら、あるクラスメートが女性陣のスカーフの被り方を気にしだした。

「髪の毛出てるよ」

何度も女性陣に注意する。

たったこれだけのことだけど、私にはとても新鮮な出来事だった。

ムスリムにとって女性の髪の毛は魅力を示すもの。

少しでも髪の毛が出ているということは彼らにとってはとても不思議で、モスクの中ではなおさら奇妙なこと。

帰り道。彼と色々な話をした。

「イスラム教以外の女性が髪の毛を出しているのは文化の違いとして理解できるけど・・・ボーイフレンドや旦那さんは心配じゃないのかなって思う。
女性が魅力的な髪の毛をなびかせて、時には男性と話しながら髪の毛をかき上げていて、そんなに外で魅力をアピールしたら他の人にとられちゃうんじゃないかと不安になる。
ボクにとって、大切な女性の魅力を隠すことは譲れないこと。」

彼のこの意見は何とも新鮮だった。

そして彼はこんなことを尋ねてきた。
「日本人にとって譲れないものってある?」

この質問には困った。

譲れないもの・・・。
強い信仰心もなく、単一国家の日本がどうしても譲れないものって何なんだろう。

色々考えて、
「ご飯を食べる前と後にあいさつをすること」
と答えた。

私にとって唯一譲れないことは、「いただきます」と「ごちそうさま」を言うことだけかもしれない。

ロシア人がニコニコしながらこう言った。

「日本人にとって譲れないことは、頭をさげてSorryって言うことじゃないの?日本人は電話してるときも見えない相手にお辞儀してるよ。」

私たち日本人にとって譲れないことって何だろう。

帰り道、ずっと考えていたけど・・・私にはまだ答えが出ない。

10:26 | kagami | 日本人の譲れないもの はコメントを受け付けていません
2013/04/18

朝から夕方まで語学学校に通っているので、ずっと英語漬け。

学校には2人しか日本人がいないし、学校では日本語を使わないことにしてるので日本人同士で会話する時も英語。

段々と学校の外でも英語で思考するようになってきて、それはそれで面白い。

昨日は夢の中でも英語をしゃべっていて何だか笑えてくる。

久しぶりの学生はそれはそれは面白い。

カタール、カザフスタン、イエメン、UAE、パキスタン、ロシア、タイ、中国・・・色々な国からやってきた留学生達は異なる文化を持っていて刺激的。

休み時間も昼休みも放課後もお互いの国の文化や言葉を教えあって大盛り上がり。

お互いの国の言葉をノートに書いて、それを真似してホワイトボードに書くという至ってシンプルな遊びで休み時間はあっという間に過ぎてしまう。

様々な国から見た日本を知るのも面白い。
共通しているのは、やっぱり日本は面白い文化を持っていて、日本の文化や言葉などを意外にどの国の人も知っているということ。

「Kawaii」という単語はタイやロシアでは若者に普通に使われている言葉らしいし、ほとんどの国の人たちが「Arigato」を知っている。

外から見た日本はとても個性的で興味のある国なんだそうだ。

放課後もみんなでお出掛け。

興味を持つお土産物だって全然違うし、驚くポイントも全然違う。
でも、そんな時こそ世界は一つなんだということを知る。

お互いの国のことを知ろうとしたり、どこが違うのかわかろうとしたり、文化の違いを面白いと感じたり、ちょっとした歩み寄りで私たちは同じ人間なんだと思える。

肌の色も宗教も年齢も母国語も違うけれど、みんな地球で暮らしている人間には変わりはない。

それぞれの違いを知ることで、日本人としてのアイデンティティーを実感させられるのも面白い。

みんな違って、みんな良い。
日々そんなことを思う。

それは日本人同士にも言えることで、大切な家族も友達も。
みんな違って、みんな良い。

だから人生は楽しいし、だから世界は温かいんだと思うわけです。

10:18 | kagami | 教室は人種のるつぼ はコメントを受け付けていません
2013/04/11

明るいうちからワインを開けて、のんびりおしゃべりしながら飲み明かす。

これぞ至福の休日。

マレーシアはイスラム国家。

ご存知の通りイスラム教徒(ムスリム)は、豚肉を食べない・お酒を飲まない。

こちらで生活するようになって一番驚いたことは、やはりこの「豚肉」と「お酒」。

スーパーでも「豚肉」と「お酒」の売り場は隔離されていて、会計ももちろん別。
理由はいたってシンプルで、ムスリムのレジ係が「豚肉」や「お酒」に触れることを避けるため。

そしてお酒好きには悲しいことにお酒の値段が高い!!
そんなわけで、私たち日本人を含めて外国人は家でお酒を飲むことが多い。

 

先日マレー人にこんなことを聞かれた。
「お酒で酔うってどんな感じなの?」

敬虔なムスリムは、お菓子やお料理にお酒が使われているものも口にしない。

ムスリムはお酒を飲んだことがないから、お酒の味も知らないし、酔うということ自体が想像できないんだそう。

酔ったときの気分を伝えてはみたものの、体験したことがない人にお酒で酔うということを伝えるのは難しい。
マレー人の友人は終始「?????」っていう顔をしていた。

楽しそうな顔をしてお酒を飲んでいる外国人を見るたびに、お酒は何のために飲むのか不思議なんだとか。

小さい頃からイスラム教徒として生きてきて、しっかりと教育をされているムスリムにとって「お酒」は未知なる飲み物。

「お酒を飲んで楽しい気分で食事をすれば会話も弾むんだ」って伝えたら、「お酒がないと会話が弾まないの?」という返答が・・・。

いつでもどこでも甘いコーヒーか紅茶があれば何時間だってずっと話してられる陽気なマレー人にとっては、お酒の魅力はよくわからないんだそう。

ムスリムにとってお酒は禁断の果実のように誘惑的なものだと思いきや、意外にもそんなことはないようだ。
食事と甘い飲み物があればマレーシアの人たちはいつだって楽しい幸せな気分になれるようだ。

色々な戒律があって大変そうだと思っていたムスリムだけど、小さい頃からそれが当たり前で育った彼らにとってはごくごく普通の決まりごとに過ぎないんだということを学んだ。

11:04 | kagami | 豚肉とお酒から学ぶこと はコメントを受け付けていません

« Previous | Next »