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語学学校に通っていると、毎日色々な文化に触れて、世界は広いんだなって実感する。
UAE、カタール、パキスタン、ウズベキスタン、カザフスタン、ロシア、中国、韓国、タイ、日本人でイスラム教のモスクに行くというのは何とも不思議な感じがした。
もちろん、UAE、カタール、パキスタン、ウズベキスタン、カザフスタン人はイスラム教徒なので彼らにとっては何の新鮮味もない。
ただ、まだ16~18歳くらいの彼らは女性と一緒にモスクに行くということが新鮮なんだそうだ。
そして、普段肌を露出して髪の毛を出している女性が、アラブの女性のように全身を隠してモスクに入るのは嬉しいことなのだそうだ。
マレーシアは、どのモスクに行っても観光客は入り口で写真のような服を借りて全身を隠さなくてはいけない。
男性も短パンの場合はしっかり足を隠さないといけない。
モスクが好きなので何度も行ったことがあるけれど、ムスリムと行くのは初めて。
みんなでモスクの中で写真を撮ってはしゃいでいたら、あるクラスメートが女性陣のスカーフの被り方を気にしだした。
「髪の毛出てるよ」
何度も女性陣に注意する。
たったこれだけのことだけど、私にはとても新鮮な出来事だった。
ムスリムにとって女性の髪の毛は魅力を示すもの。
少しでも髪の毛が出ているということは彼らにとってはとても不思議で、モスクの中ではなおさら奇妙なこと。
帰り道。彼と色々な話をした。
「イスラム教以外の女性が髪の毛を出しているのは文化の違いとして理解できるけど・・・ボーイフレンドや旦那さんは心配じゃないのかなって思う。
女性が魅力的な髪の毛をなびかせて、時には男性と話しながら髪の毛をかき上げていて、そんなに外で魅力をアピールしたら他の人にとられちゃうんじゃないかと不安になる。
ボクにとって、大切な女性の魅力を隠すことは譲れないこと。」
彼のこの意見は何とも新鮮だった。
そして彼はこんなことを尋ねてきた。
「日本人にとって譲れないものってある?」
この質問には困った。
譲れないもの・・・。
強い信仰心もなく、単一国家の日本がどうしても譲れないものって何なんだろう。
色々考えて、
「ご飯を食べる前と後にあいさつをすること」
と答えた。
私にとって唯一譲れないことは、「いただきます」と「ごちそうさま」を言うことだけかもしれない。
ロシア人がニコニコしながらこう言った。
「日本人にとって譲れないことは、頭をさげてSorryって言うことじゃないの?日本人は電話してるときも見えない相手にお辞儀してるよ。」
私たち日本人にとって譲れないことって何だろう。
帰り道、ずっと考えていたけど・・・私にはまだ答えが出ない。