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インド人街の生地屋さん。
インド人もマレー人も中国人もお洋服をオーダーする文化があるため、沢山の生地屋さんがある。
日本人駐在員もお洋服をオーダーする。だから頻繁にインド人街に行く。
生地屋さんでお洋服の生地を選んでいる夫婦を見かけた。
奥さんの生地選びにずっと付き添う旦那様。
日本人の男性だったら、お店の外でつまらなそうに立っているだろうなと思ってしまった。
男女の地位が平等ではないイスラム教のこの国では、夫を連れ立ってショッピングしている女性をよく見かける。
イスラム教は、4人まで妻を持つことができる一夫多妻制。
日本人には馴染みのない一夫多妻制。
夫が複数の妻を持つ・・・残念ながら私には全くリアリティがないし、イメージすらできない。
アラブから赴任してきた方と一夫多妻制のお話をしていて、とても興味深い視点を知った。
「イスラムにおける一夫多妻は、全ての妻に平等にしなくてはいけないから、大変なのは夫の方よ。
例えば4人も妻を持っている人は、4人の妻を養えるほどの財産がなくてないけないの。それに、4人の女性の買い物に付き合うわけだし、プレゼントも4人分。常に夫として4人の人に気を配るということは大変なことだと思うよ。」
女性の私は、ついつい妻側の視点で考えて、「自分以外に3人も妻がいたらどんなに嫌か・・・」に興味を持ってしまう。
複数の妻を持つ男性にはそれなりの苦労や気配りや財力が必要なわけで、意外にも男性側も楽しいことばかりではないのかもしれない。
アラブから赴任してきた方が話してくれた女性の気持ちもまた面白かった。
「あの黒いベールに包まれている女性たちは、中はとってもおしゃれな服を着ているし、金のネックレスやイヤリングもつけて、たぶん日本人よりオシャレしているし、お金かけてると思うよ。
アラブの国では女性一人で外出できないから、買い物には夫が付き合わなくてはいけないし、妻を養うことは男性の義務だから、妻が望むオシャレは全部させてあげる。
それに、食材の買出しだって妻が一人で行けないわけだから、夫が一人で食材の買出しだって行く。たぶん、日本の男性よりも女性に決め細やかな気遣いをしていると思うよ。」
マレーシアはアラブ諸国よりもゆるいイスラム文化だけれど、一夫多妻制は適用されている。
最近は複数の妻を持つ人が少なくなっているそうだけど・・・。
マレー人の女性は一夫多妻制にどんな思いを抱いているんだろうと思って聞いてみた。
「やっぱり夫が他の女性を妻にするって言われたらショック。自分が妻として至らないから他にも女性を持つんだろうって思うから。でももし夫がもう一人妻を持つことになったら、私は今まで以上に大切にされるだろうし、私のワガママだって今まで以上に聞いてくれると思うわ。」
彼女が話してくれた気持ちはとても新鮮だった。
女性が男性と同格に扱われないイスラム教。
女性の人権問題という問題もあるのは事実。
だから、イスラム教の女性は全員恵まれない境遇にあってかわいそうだという印象を持つ。
けれどそれは、男女平等が注目されている文化で育った国の人の意見なのかもしれない。
イスラム教の価値観で生活している女性たちが、何を考え何を思っているのか・・・。
異なった価値観だから理解出来ないこともあるけれど、異なる価値観を知るということはとにかく楽しい。
自分の価値観とは違う世界があるんだということをこの国から日々学んでいる気がする。