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JunkStageをご覧の皆さん、こんにちは。
突然ですが、あなたは歯医者さんがお好きですか? わたしは苦手です。あの、きゅいーんという特有の歯を削る音もさることながら、削ることになるまで歯を放置してしまっていた自業自得感がとても嫌なのです。
が、本日取り上げるこの方は、そうならないための「予防」 に重点を置かれる歯医者さん。歯に不安のある方もない方も、ぜひ読んでいただきたいコラムです。
■vol.34 予防歯科医・根本啓行さん
――あなたが自分の歯について「治療」と「リハビリテーション」を混同してしまうことは、あなたの歯にとって致命的であり、今後の人生にきわめて悲惨な結果をもたらすのです。(根本啓行)
歯科医として「歯」の維持や機能、治療に関する正しい考えの啓蒙に務める傍ら、予防歯科医として臨床研修指導医や園医、無料相談なども手がけている。
http://www.junkstage.com/nemoto/
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根本さんは、現在茨城県竜ケ崎市で開業されている歯科医です。
手がけているのはインプラントをはじめ、審美歯科、ホワイトニングなど歯の医療の先端技術。それではさぞ削るのがお好きなのであろう…と思うのですが、それは大きな誤解でした。JunkStageでのコラムタイトルからして「僕は歯を削りたくない」。
歯科嫌いのわたしでもほっとする響きに安心したところで、根本さんの歯科医としてのスタンスを見てみたいと思います。
それは、「歯は治療できない。だからこそ予防をして歯を損ねないようにすることが大事」ということ。
歯科医の根本さんが「歯は治療できない」と断言するのです。その根拠はリンク元の記事をを読んでいただければと思いますが、歯科に対する考え方ががらっと変わる内容に驚かざるを得ません。
それだけでなく、根本さんのコラムには保健所の立ち入り検査の話 や某媒体に掲載された歯科医療に関する記事の検証、過去の治療方法がもたらした歯科的罪、実は歯科の椅子に座っている間にこんなことになっているという恐ろしい話など、この人、こんなに正直に書いちゃって大丈夫なのか…?と思わず勝手に心配してしまう記事、多数。
けれど、時にハラハラしながらもつい読んでしまうのは、ベースとして根本さんが真摯に「歯」そのもののケアを大事にしているという信頼がおけるからなのです。
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根本さんの記事には、分かりやすい表現や図表がたくさん登場してきます。
たとえば、もっとも緊張する初診の際のフローや、インプラントに関する誤解を正す情報提供、見た目ではなく予防に重きを置いた歯科矯正に関するエピソードなど、枚挙にいとまがありません。
また、根本さんのコラムは一般に長文のものが多いのですが(おそらく現時点で1回の記事量としては全ライター中最多!)、それはひとえに、先に挙げたように一度削ってしまった歯はもう二度と再生しないという点の啓蒙を重視されているから。
幼稚園の園医も務める根本さんは、幼少期の口腔ケアがその後の虫歯のなりやすさ・なりにくさに直結することを知っているからこそ、保護者の方への警鐘は厳しいと言ってもいい言葉で繰り返しており、患者側へも「歯」そのものに関する知識と正しい治療方法――この表現も根本さんの言を借りれば、虚言ということになりますが――への理解を要求します。それが、結局は自分の歯人生において大事なことだと語るのです。
距離的制約がある以上、全員が全員、根本さんの歯科を受診できるわけではありません。
しかし、内科的疾患と違い治癒という概念がないということを理解し、自身で知識を集めることによって、受診する病院を選ぶことはできるはず。セカンドオピニオンという概念も定着してきた今だからこそ、歯に関しても正しい理解をして、自分の体を守りたいものです。
そうすればきっと、あの恐ろしい「きゅいーん」という音は聞こえなくなってくるはず…。
全国の歯科嫌いの皆様にこそ、読んでいただきたいコラムの所以です。