前回に続き、ボディのお話です。
ボディに限らずですが、
お肌表面だけをいくら整えても、内側をおろそかにしていてはいけません。
ハリだのキメだのツヤだの。
美しく健康なお肌を表現するおきまりの言葉がありますが、
これは支える筋肉やその細胞が元気でなければ生まれてこないのです。
ストレッチと筋トレ、この2つが大切なのはそういう理由からでもあります。
テレビコマーシャルなどを見ていると、ついつい美容効果を劇的に生んでくれるような化粧品に依存してしまいそうな誘惑にかられます。
リフトアップ、なんてエイジングケアラインの化粧品の代名詞です。
かたやストレッチと筋トレというキーワードは、美容というより健康志向のようなイメージを持たれる方も少なくないようです。
「別に筋肉とかいらないし」とか
「筋肉よりこの浮腫みをどうにかしたいの」なんてお言葉も耳にしますが、
そうではないんですね。
美容と健康はセットです。
健康だけが一人歩きすることはあっても美容だけが一人歩きすることはありません。
いっけんそうであったとしても、必ずどこかトラブルを抱えていたりします。
黙っていても代謝が活発な若いうちは気にもなりませんが、
30代を過ぎ代謝が落ち始めると驚愕とともに実感される方も多いはずです。
かくいう私もその一人でした。
お顔の筋肉でさえも鍛えなければ落ちていく、重力に従い垂れ下がっていくわけです。
考えてみれば至極当然です。なにも肌表面の変化だけが原因ではありません。
にっくきホウレイ線や顎まわりのたるみの正体みたり、です。
足を細くしたいなら、
お肉を支える筋肉を鍛えてそのラインを維持する必要があります。
代謝をよくして余分な脂肪が燃えやすく付きにくくする必要があります。
浮腫みも代謝と血行の滞りが原因ですから、やはり運動とストレッチが必要です。
肌表面の潤い不足は表面から栄養を与えて整えます。
せっかく努力しているのだから、相乗効果も期待して食事にも気をつけてみます。
以上のような理屈が腑に落ちて習慣化できれば数ヵ月後に結果はでます。
足のラインが変わる頃、きっとそれ以外のパーツにも変化が起きているはずです。
さらに意識が高じているので、今まで気にならなかったパーツにも気配りが出来るようになるでしょう。
他のパーツも同じ、なんです。もちろんお顔も。
ボディ、お顔、で下地の美容と健康が廻り始めると
次は表面を飾る楽しみが出てきます。
服のサイズが変わり(戻り)着てみてもサマになる。
ファンデーションのノリもよくなり崩れにくくなってくる。
心なしか髪の毛もツヤが出てきた気がする。
手を出したときにネイルが綺麗だと何だか嬉しい。
お洋服、お化粧、ヘアースタイル、ネイル。。。
そう、ファッションです。
モデルさんや女優さんが美しいのは、この関連性に気づいて実行しているからではないでしょうか。
○○だけ、を真似しても総じた美しさには程遠いのです。
完全であることより、完全を目指すその姿勢と意識が
きっと内面からにじみ出る美しさを生んでいるのだと思います。
ボディの美と題しましたが、
美容用語とは別に、すべて(ファッションにいたるまで)を包括する意味でのお話をしてみました。
ネイルを愛する方々が、おおよそ魅力的である理由はこういったことからではないかと
その世界に身をおく者として感じています。
さてさて、今回は体の美容についてです。
「ボディ」です。
私はエステティシャンでも整体師でも医者でもないので
個人的な見解と経験からのお話になります。
それから、
私が神々しい美ボディの持ち主でもありませんことを強く主張いたします。
あくまで大切なのは意識の問題よね、ということで、ひとつよしなに頼みます。
また、病気などが原因の症状には触れておりませんことをご了承ください。
部位部位のお悩みが多いのは世の女性の常ではないでしょうか。
どこかだけにコンプレックスを抱えている、
あるいはトラブルを抱えているということは稀で
トータル的に悩まれている方がほとんどかと思います。
まず痩せたい。
顔も小さくしたいし、お尻も小さくしたい。
このお腹のお肉をどうにかしたいし、セルライトも気になる。
足も細くなりたいし、出来ればバストももう少しボリュームアップで。。。
などなど。
これまで私も色々と悩みを抱えてきました。
もちろん今でも真っ最中です。
ただ、最近になってようやく自分らしい美容法を探し当てた気分でいます。
そのうちの少しをご紹介しようと思います。
若いうちは、手っ取り早く即効性のある美容整形なども視野に入れてました。
「メス」です。
しかしご存知の通りメスを入れることは、必ず何らかの弊害を伴うようで踏み出せませんでした。
結果今となっては正解だったと安心しています。
その次は、エステサロンに通いプロのエステティシャンの手にかかる方法です。
リラクゼーション効果も高くさすがに自分では行き届かない施術、効果もそこそこあります。
しかし何といっても高価です。
大抵はお金が続かず、長期間通うことはかないません。
止めてしまえば元の木阿弥。みるみる通う前の状態に戻ってしまいます。
最終的には、「自分で頑張る」というシンプルなところに落ち着きます。
お金も大してかかりません。通う手間ひまもありません。
が!
みなさんのお声が聞こえるようですが。。。
なかなか出来ないんですよねぇ、コレ。
ついつい面倒になってしまいます。即効性にもかけるし、何というか張り合いがないわけです。
面倒で即効性がない。
ここに実は大切な核心があります。
面倒=こまめにやらないとダメ
即効性がない=それだけ蓄積されたコンプレックスは手ごわい
なわけですから、
こまめにコツコツ続け、少しずつしかし確実に変えていく
ことが出来れば、持続性のある効果が期待できるわけです。
余分なお肉が付いている部位は、マッサージしかありません。
ほぐすこと以外にメスをいれずに無くす方法はないのです。
セルライトや脂肪は、想像以上に頑固です。
マッサージもかなりぐいぐい念入りにやらないとダメです。
ローラーや微弱な電流を流すパットを付けるのもいいですが、
私はアロマオイル(精油)の力を借りています。
アロマオイルは、欧米では医療行為として捉えられているほどその効果は確かなものです。
症状によっては禁忌もあるほど、逆をいえば効くわけなのです。
日本においては、まだまだリラクゼーションの一環くらいにしか位置づけされておらずアロマファンの私としても非常に残念です。
友人にセラピストがいるため、彼女にレシピ(調合)を作ってもらっています。
きちんと勉強をしたセラピストは、我が家ではかかりつけ医のような存在になっています。
美容はもちろん、肌や体のトラブルなども大抵はアロマの力で良くなってしまいます。
(もちろん医療行為ではありません)
マッサージオイルとしては、セサミとヒマワリオイル。
脂肪を分解し代謝を高めるアロマオイルは、ペパーミント、スィートマジョラム、ジェニパーベリー、ローズマリー、サイプレス、ティートゥリー、ブラックペッパー。
以上が調合されいます。
(それぞれの割合が大切なので、ご興味ある方は必ずプロのセラピストにご相談くださいね)
これらのオイルの力を借りれば、むやみに疲れるだけのマッサージから開放されます。
お腹は経皮吸収率が高い場所なので、週に1回程度でも十分だそうです。
腸はお臍を中心に円を描いているので、それを意識してやさしくくるくるとマッサージします。
毎日必要な場所は、足~お尻、二の腕~手、です。
リンパの流れは、簡単にいうと太い骨の側にあるのでそこを集中的にさすります。
ふくらはぎは細長い平目筋の真ん中を。ひざ周りも大切な場所なので丁寧にマッサージ。
これで、老廃物が流れ代謝が高まるので浮腫み解消です。
脂肪も柔らかくなり動いてくれるので、徐々に分解されていきます。
お通じが不規則な方にはなお効果的みたいです。
体全体の流れがよくなったため、始めてまもなく私は「痩せたね!」と言われることが多くなりました。
バストは、ホルモンを活発にして豊かさをアップさせたい場所なので、オイルを変えます。
フランキンセンス、イランイラン、パチュリのように、女性らしさをサポートする効果のあるもの中心です。
バストマッサージに関してはいろいろなやり方があるので、その方のお悩み別に試されるべきでしょう。
毎晩お風呂上りの日課にして、頑張ります。
とはいえ、めげそうになりますよね。。。
そんなときは、
なりたいボディを想像して奮起してみたり、
あるいはなりたくないボディを想像してみたりすると、私の場合は効果的。
やってはいけないのは、「今日くらいはいいだろう」と勝手に言い訳をしてやらないこと。
今日くらい、が明日も明後日もになるのは目に見えています。
私はそんな気持ちがムラムラっと起きたときは、
「今日やって明日は休もう」と思うようにしてます。
そうすれば、結果毎日続きます。
体重が減らないのに、サイズダウンしていたり、周りから「痩せた?」と聞かれたら大成功です。
なにより、血行がよくなってくるのでお肌のトーンも明るくなります。
生足の「まだら模様」的な恥ずかしさとはサヨナラです。
肌色の整ったしっとりした脚になります。
マッサージで体をほぐすことと同じくらい大切なのは、
ストレッチと筋トレです。
わざわざジムに通わなくても、毎日15分程度続ければ十分効果は期待できます。
そのお話はまた次回に。
さて「美」に関して、私なりの見解などを書いてみたいと思います。
(頑張ります、ウッス!)
まずは、ネイリストとして基本中の基本である指先の美から。
美しい指先とはどんなものでしょう?
白魚のような、とよく喩えられますが
確かにキメの細かくしっとりした色白で、スーッと細く長い指は美しいですね。
それは理想形だとしても、お顔同様にお手入れが行き届いているであろう手指は美しいものです。
ではその先にあるお爪はどうでしょう。
短い方が清潔感がありますか?
長い方がさらにスラッとしていて素敵でしょうか?
爪そのものは「どちらでもよい」が正解です。
長かろうか短かろうが、それ自体は関係ありません。
むしろ、その根元の甘皮の周りや爪が問題なのです。
甘皮とは爪を囲む周りの皮膚の部分です。
ささくれがあったり、ゴワゴワカチカチの角質があったり、
爪は欠けたままと伸びたままがごちゃ混ぜのバラバラだったり、
甘皮が伸び放題で爪との境目を曖昧にしていたり。。。
ネイルに興味のない方は、「それが普通」の状態と思われているかもしれませんが
正しくお手入れされた爪周りの美しさを、一度ぜひご覧いただきたいと思います。
まさに「清潔感溢れる」美しい指先です。
お手入れが行き届くことは清潔になること。
いくら爪が短くとも、その短い爪先に得体の知れないカスが入り込み、
変色しているようではむしろ不潔です。
爪が長くとも、ネイルブラシで丹念に爪の裏を洗う習慣のある方がよほど清潔なのです。
また、合成洗剤などに対する無頓着も指先の美しさを損なう大きな要因です。
これは全身の美容にも通ずる観念です。
出来るだけ低刺激の洗剤を使う。
洗い物をするときは必ずゴム手袋をする。
用事が済んだら手を清潔に洗浄する癖をつける。
手が水に触れたらクリームを付ける習慣を徹底する。
就寝前のハンドクリームはたっぷりとつけ、寝ている間のメンテナンスを心がける。
以上が美しく健康で清潔な指先を保つコツです。
マメさと意識の高さが求められます。
そう、これが「美意識」なんですね。
手につけるハンドクリームは特に高価なものである必要はありません。
ドラッグストアで手に入るもので十分です。
大事なのは習慣化させる美意識です。
家事をこなすことで、美意識の欠如を言い訳にせず
むしろ家事もこなすことを自慢できるような指先を保ちたいものです。
美しい手指と家事、この関係においては私もかなり敏感です。
誤解されている方が非常に多く、
ネイルを楽しむ方やネイリストは時としてその偏見の矛先が向けられることも少なくありません。
この件に関しては、十分に一コラムを埋めるであろうフツフツとした思いがありますので
また後ほどのネタとしてとっておこうと思います。
美とは、おそらく、
自己満足であり他者を不愉快にさせないわきまえであり、
総じては第三者からの自分への評価を認識するツールであると私は考えています。
まずは、指先から。
否、指先までもぬかりなくというのが私の考える「指先の美」です。
ふと。
ふとコラムタイトルの紹介文を読み直してみました。
職人として「指先の美容」に拘り続けるネイリストの美に関するコラム。
とあります。
これまでの投稿を見直すと、「美に関する」ことにあまり触れていないことに気づき遅ればせながらあわてている次第です。
私がネイリストであり、ネイルやネイリスト養成に対する情熱は、深度のかなり深い火傷のようにガンガン伝わっているようですが。。。
今回は反省の意味も含め、話題を変えてみます。
シェアリングを通してのお話は早々ではありますが、ちょっとお休みです。
指先はもちろん、全身においての美容もネイリストの得意分野かもしれません。
本当は飾る必要のない爪を飾り立てては悦に浸るネイリスト、
他のパーツをおざなりにすることもないに決まってます。
ネイリスト、特にトップネイリストは、皆さんそれぞれに個性的で素敵です。
良く言えば華やか、悪く言えば派手です(ご、ごめんなさい)。
基本的にお洒落が大好きな人間の集まりで、さらには凝り性という性分も加わっているためその放つオーラは明らかに玄人そのもの。
たとえば、
協会が主催する大きなイベント(検定試験も含む)では、
私たち協会の人間には黒スーツ着用が求められているため集団になるとその雰囲気も目を瞠るものがあります。
黒スーツなのに、決していわゆる会社勤めのそれとは異なります。
みんな決められた枠の中でお洒落に余念がないため、どこぞの高級クラブの幹部集団のような(褒めてます)出で立ちです。
しかし上品さを意識していることと、内部に併せ持つ芯の強さがかもし出されるせいか、「カッコいい」のです。
手前味噌ですみません。
でも、ほんとに。
ネイリストの卵たちはこの姿に憧れたりするものなんです。
(もちろん私もそうでした)
なかには威圧感を感じてしまうくらいのようなんですが…。
ま、目立つわけです。
そして特筆すべきはみなさん揃いもそろって、
年齢不詳の美魔女であることです。
特にイベントの主軸運営を担うトップネイリストの方々は、
ネイリストとしても、人生経験としても、長いキャリアをお持ちの方が多いのですが、
みなさんそれぞれにその実年齢よりは若いのです。
アンチエイジング極めたり、といった感じです。
スタイルが良い方が多いのも特徴かもしれません。
自画自賛のような前振りが長くなりました。
私自身がその中に含まれているかどうかは別として(汗)、
どんな「美」に拘っているのか、少し紹介してみたいと思います。
ただし!
この手の分野は、非常にデリケートかつ細分化されているので
「私が証明です」とどこかで耳にした台詞を吐くつもりは毛頭ございません。
ネイリストという美魔女に囲まれ、その高い美的感覚に触発され微力ながらもちょっと頑張ってみているアラフォー主婦ネイリストの独り言、という感覚でいきますので
どうぞよろしくお願いします。
…えぇ、かなりビビッてます。
だって、この手の世界は美しくも厳しいオネーサマがたくさんいるものですから!
次回に続きます。
前回お話した「シェアリング」。
私自身も、色々なお話を聞くことができて非常に刺激的です。
その純粋な想いに感動することもしばしあります。
お話を伺っていると、共通点として
「私に出来ることを探している」
ことが多いような気がします。
言うまでもなく人は本来それぞれ個性があり「私」です。
ですが、現代社会においてそれを自覚し堂々と主張する(もしくは出来る)ことは一般的ではないようで
そうなるための「自分探し」なる言葉が浸透している事実はご存知かと思います。
ネイリストになろうと何故思ったのか?
この質問にも一番多い答えが、簡略すると「自分探し」のように思います。
お一方の例をご紹介しましょう。小倉さん(仮名)の場合です。
小倉さんは、20代半ばの独身女性。
容姿端麗でパッと目を引くセンスもあり、お洒落好きが高じてネイリストを選択したような印象を私は受けました。
しかしシェアリングの席で彼女の口から発せられた動機はまったく違いました。
「小倉の技術がいい」と言われたい、と彼女は言いました。
自分にしか出来ないことで認められたい、と。
聞けば小倉さんはアルバイトで歯科助手をしていたそうです。
技術を職にしている歯科衛生士さんと一緒に働くうち、その方の技術を評価したうえで名前を覚えられることが多い様子を目の当たりにしました。
小倉さんは初めて、自分が評価される、ということに憧れたそうです。
大勢の中の一人、ではなく「小倉さんがいい」と言われたい。
そう思い立った彼女は色々考えたのち、ネイリストの勉強をするという選択に至ったのでした。
自分という個性の表現ツールにネイルを選んだのです。
私はネイリストで、ネイリストを養成する講師でもあるので、その選択にはとても感慨深い気持ちになります。
ネイルが、「自分探し」のツールであり、
もしかすると到達点にもなり、
その後も表現を続けられる自分のパーツにもなるかもしれないのですから、
それに出会えた彼女に心から成功してもらいたいと願うのです。
実際、お金を稼ぐ職業にもなります。
ネイルでなくとも、
ツールを見つけたい、見つけようというその思い立ちは尊く、
また個性ある人間として本来そうあって欲しいと私は考えます。
その通過点に少しでも関わることが出来て、さらにお手伝いになり得たのなら
まさにネイル講師の本望でもあります。
小倉さんは無事卒業されました。
そのネイルのセンスや技術の吸収力も優秀なものでした。
まだまだ若く、将来ある彼女の傍らにネイルがあり続けること、
出来れば彼女の大切な自己実現の一部として備わり続けることを今も願っています。
小倉さんの例に限らず、このような純粋な動機をシェア(分けて)させてもらうことで
私もネイリストであることを誇らしく思えるのです。
もちろん、その名に恥じないよう精進しなければと気持ちも引き締まります。
…と。
只今、時期的に何かと不安定要素が多く(半年に一度の検定試験直前です)、
仕事や現実の厳しさに打ちのめされている今日この頃、
この記事を書くことで癒されちゃいました。
今週末にいよいよ行われる試験には、そんなネイリストの卵たちがたくさん。
みんなが「私はネイリストです!」と堂々と自己紹介できるようになる登竜門です。
頑張ってほしいです!
私の授業ではクラスの初日に、生徒さんに自己紹介もかねて
ネイリストになろうと思ったきっかけなどを話してもらうようにしています。
また一定のカリキュラム修了後には、それまでの感想や今後のネイルに関しての目標なども話してもらう時間を設けています。
「シェアリング」と私は呼んでいて、この時間を設けてからしばらくが経ちました。
始めたきっかけは、私自身が本気でネイルに携わっていこうと決心したときに、
単に技術や知識の取得だけではなく、精神面での影響も非常に大きいことを実感したからです。
思いや想いを言葉にする。
言霊(ことだま)と謂われるように、言葉には力が宿ります。
スピリチュアル的かと思われがちですが、実際の心理的にも作用することがわかっているようです。
言葉で表現することで、自分自身の気持ちや感情を表層意識にあげることができます。
あらためて自分で確認することで、決意や目標意識を促します。
また、周囲の人の意見に耳を貸すことで共感を得たり刺激を得たりします。
クラスメイトとなる仲間として、最初の互いの認識としてはかなり効果があります。
シェアリングをするのとしないのでは、その後のクラスの雰囲気に大きな違いがあることも確認できています。
私が通う学校では、ネイル専門スクールには珍しく「クラス担任制」を設けているのでクラスメイトとの関係やその雰囲気は非常に大切な要素なのです。
ネイリストを目指すきっかけは本当に色々あり、
また大抵の生徒さんはこれからの受講にあたり多少なりともの不安感を抱いています。
ネイリストが果たして自分に向いているのだろうか?
どんなことを学んでいくのだろうか?
仕事として本当に成り立つのだろうか?
などなど…。
不安を解消すべく、私自身も転職組であることなどを明かします。
苦労話と成功話も織り交ぜ、しかし最後には必ず「ネイリストになって本当に良かったと思っている」ことで締めくくります。
オイシイことだけではなく、むしろ案外大変なこともあるけれど、
自分の可能性を自分で広げていく醍醐味がネイリストにはあります。
何もかもが「自分次第」なのです。
それは、成功も失敗も。
運も関係してくるでしょう。
それすらも自分の中で消化していくことを教えてくれるのもネイルです。
今の私は、ネイリストしてはそこそこではあるものの、
それでもこれまでの自分自身としては上出来な人生を歩んでいると思っています。
そしてこれは、ネイルを選択しなければ成し得なかったこと。
だからこそ、ネイルを選択しようと岐路を通り越し進んできた生徒さんにはぜひ成功してもらいたいのです。
シェアリングを行うたび、私の思いは確信をし熱くなっていくのでした。
これまで聞いたお話は、どれも私の心に残っています。
その中でも特に印象的だったお話を、次回から少しご紹介していこうと思います。
私には忘れられない、爪ヤスリがありました。
それは、とあるネイルメーカーさんからいただいた携帯用の折りたたみ式ステンレスのヤスリで、
ネイリストのたしなみとしていつもコスメポーチに入れて持ち歩いていました。
数年前、突如死の病に倒れた実父の看病で通院していた時のことです。
もうずいぶん衰弱してしまった父が、私がベッドのそばに来たのを見計らったようにつぶやきました。
「爪が伸びちゃったなぁ」
いつもいつも大声で話す父の小さな声。自分の爪を見つめるその姿を今でも思い出します。
「削ってあげるよ」と、いつものようにわざと素っ気なく応え、その携帯ヤスリで父の爪を時間をかけて削りました。
その後に入れ違いで来た妹に嬉しそうに「今日、お姉ちゃんに爪を切ってもらった」って話したそうです。
「パチン、パチンって」と付け足したのは、ネイリストとして聞き捨てならない気持ちでしたが(笑)。
あっという間に、父は亡くなりました。
骨になってしまって、その骨もお墓に入ってしまった父の一部が、確実にそのヤスリには残っていました。
私はもうそのヤスリを使わず、大事に辛い気持ちと共に持ち歩きました。
時々その表面を眺め、この世に残った父の存在をかみ締めました。
プライベートもネイリストとしても、今思えば一番辛く苦しい頃です。
一周忌がすんだ後、
母と妹と私の3人で旅行をし、宿泊先のホテルでそのヤスリが無いことに気づきました。
生前、父が菩提寺の総本山として行きたがっていた永平寺を訪ねた直後のことでした。
どこを探してもない。
コスメポーチの奥に収まっていたのに、出した覚えもないのに、ない。
心臓がキュッとなるほど、慌てました。
でも、たぶん。
父が私に踏ん切りをつけさせたのだと思い諦めました。
いつまでも父の死に囚われ、自分や生きる意味さえも見失いかけ、
ヤスリを出しては呆然としていた私を父は見ていたのでしょう。
済んでしまったことに拘ることをひどく嫌った父らしい叱咤の方法です、きっと。
父は、私がネイリストになったことを自慢していたという話を、お葬式で何度か聞かされました。
「俺は死んだけどお前は生きてるんだぞ」
そんな父の言葉が聞こえたようでした。
いつか、あの世なんてとこがあって、
私も天寿を全うしたとして。
お父さんに会えたら。
たくさん自慢話が出来るネイリストに私はなります。
日本を歓喜させた「なでしこジャパン」。
強いだけでなく、女性らしさも忘れていない彼女達にふさわしい名前です。
お気づきの方も多いかと思いますが、
ネイルアートをしていることもクローズアップされました。
澤選手にいたっては、ご自分でなさるそう!
さらにはチームメイトのネイルもしてあげるんですって!
2008年のネイルクイーンにも選ばれているんです。
そんな素敵な「姉貴」澤選手のネイルがこちら。
トレンドをしっかり意識してます。
どんなトレンドかって?
ブルーが数本、ゴールドのラメが数本の一見バラバラなネイルに表れているんです。
かつてネイルアートといえば、10本キチンと揃えることが常でした。
こんな感じです。
もちろん、今でもこの統一感あるアートを好まれる方も多いです。
しかしここ最近、アートはずいぶん自由になりました。
ネイル情報誌いわく、「ちぐはぐネイル」だそうです。
私のサロンでも流行を越えて、定番になりつつもあります。
こんな感じ。
わざと揃えず、ポイントになる指には違うアートやカラーを選びます。
確かに「ちぐはぐ」。
しかしここはセンスの見せ所。
本当にちぐはぐにするのではなく、ちぐはぐというまとまり感を出すわけです。
なんとも粋な話じゃないですか。
このハイセンスな技を、その道のプロでないのにしっかりモノにしてしまうあたり
やはり只者ではない澤選手です。
ビッグになる人は、色んなアンテナを張り巡らせているものなんですね。
今後の活躍とそのネイルが楽しみです。
今回、予定していたネタではなくリアルタイムでの思いをぶちまけてみます。
この時期になると、講師業の難しさを痛感します。
なぜかというと。
半年に一度、日本ネイリスト協会主催の検定試験が行われます。
プロの登竜門である2級と1級、その合格率は平均4割程度。きることもザラです。
半数は落ちてしまうという案外に難しく厳しい試験なのです。
しかも、その難易度は回数を重ねるごとに増すばかり。
飛び級受験も出来ないので、それはそれは気合が入る一大イベントなのです。
その試験の数ヶ月前、私が受け持つスクールでは対策講座が始まるのが常です。
ただいま夏前より始まった講座真っ最中です。
対策講座というからには「受かるため」の講座です。
試験の科目だけに内容が絞られ、実際に協会の試験管でもある我々講師がポイントなどを指導していきます。
最後には模擬試験も用意され本番に備えるわけです。
で、私はその対策講座を1級・2級とも担当させてもらっています。
受験生のレベルも様々、モチベーションも様々です。
しかし「対策講座」と謳い料金もいただくわけですから、結果を求められます。
公には出ませんが内部では合否率を把握しています。
イコール講師の評価、イコールスクールの質、という秤の目安ともいえます。
これはどのスクールでも行われることだと思います。
もちろん、生徒さんの状況把握としてのツールでもあります。
どんなに講師が頑張っても、最終的には生徒さんに委ねられるのが試験です。
私もかつてそうであったように、
受験生の立場にある時はプレッシャーから現実逃避してしまう傾向がどうしてもあります。
実際に放り出してしまうことはしなくても、
「練習しなきゃいけないのはわかってるけど…」のプチ現実逃避です。
(ネイルに限らず人生の所々で顔を出す出来事かもしれませんね)
これ、実際に生徒さんが思う以上に良くないことなんです。
しなきゃいけないときにしない、ということは思う以上に遅れを取るんです。
技術的にも、モチベーション的にも。
そしてこのモチベーションを下げるということが、予想以上に命取りなんです。
このことに気づかず(気づかない振りも)、プチ現実逃避を続けた結果は後悔しか残しません。
「あの時どうしてちゃんとやらなかったんだろう」の、反省ではなく後悔です。
もったいない。すごく勿体無いです。
誰のため?
誰がやるの?
誰が決めたことなの?
答えはもちろん「自分」。
そこには私たち「講師」は出てこないんです。
かたや、しっかり現実と対峙してきた場合は心持が違うものです。
完全を目指す気持ちからの心配や不安は拭えないものの、本番を前にしたら「もうやることはやってきた」と腹をくくることができます。
不完全な要素がないからです。自分の中でベストだからです。
総合的に見ても、こうした生徒さんは大抵結果を出します。
試験に限らずなんでもそうかもしれません。
試験が近づき(この時期、約1ヶ月前です)、対策も終盤に差し掛かると私が毎度感じる思いです。
受験を決めてお金を出して講座を受ける生徒さん皆に受かってもらいたい、そんな思いも切実さを増してきます。
生徒さんをやる気にさせるのも講師の仕事。
それもよーくわかってます。
「やる気にさせる指導術」やコーチング本なども読んでみました。
講師同士でガイドラインを決めてみたりもしています。
上司にあたるトップネイリストの先生に相談してもみました。
自分の講師としての評価と結果、それももちろん気にはなるけど、
そんなことより不完全燃焼気味のみんなが心配だし悔しいんです。
でも、十人十色、本当に生徒さんはそれぞれです。
それぞれ、受験に対しては真摯な気持ちを持っていると思うのに。。。
私も受験に失敗した経験を持っています。
多くの先生がそうでしょう。
今、手際よく施術をしているネイリストだって、その技術を認められず悔しい思いをした経験を経ています。
向き不向きの一言で終わらせるべきなのか、と悩むときもあります。
なんで練習してこないの!と怒鳴りたくなるときもあります。
家まで無理やり付いて帰って一緒に練習したい!と本気で思うときもあります。
でも、みんなそれぞれに一生懸命なんだろうな。。。。
そんな思いで言葉を飲み込みます。
後悔だけはしないで欲しい。
頑張れば出来るんだから、指導していて確信しているんだから頑張ってみて欲しい。
今の頑張り以上に、頑張れる自分に気づいて欲しい。
人は超本気になったとき、乗り越えられないことなんてないんだよ。
たとえ結果が予想と違っても、超本気だったら後悔はしないものだよ。ちょっと落ち込んで反省してまた頑張れる。
人生って、みんなが思うほどずっと時間が続くわけじゃないんだよ。
少しは年長で経験もしてきた私が言うから、これは本当。
通じてるかな?
ウザイって思われてるかな?
わたしの努力を先生はちっともわかってくれないって思ってるかな?
しばらくは、こんな鬱屈した気持ちが続く季節到来です。
私も、頑張れ!!
ネイリストにとって、永遠の課題があります。
それは、
絶対中心・左右対称
です。
下のネイル画像をご覧ください。
フレンチスカルプチュアと呼ばれる技法です。
一般の方がご覧になれば「きれい~」とおっしゃっることでしょう。
しかし私たちネイリストが見れば、その感想は大まかに次に分かれるのではないかと思われます。
①「これは誰の作品?」(そう、私たちにとっては「作品」です)
②「はぁぁ…」
③「ぅわ!まじすごい」
④「へぇ」
それぞれの反応から窺えるネイリスト像を、私の独断と偏見に基づきご紹介してみましょう。
まず①。
この反応をする方、結構いろいろな素晴らしい作品を見てますね!
技術だからこその作品には個性がでます。
「誰の?」と思われるのは、その個性を見る目もお持ちということ。
美しいのは当然の前提、その先に好き嫌いなど好みもあります。
②。
この反応をする方は、着実に正しいネイル道を歩んでいると思われます。
ここまでに到達することの難しさ、この作品が放つ数々の難問をクリアした完成度を理解されているからゆえのため息です。
それは羨望をベースに、各々のレベルを再認識しているため息でもあります。
この後に続くフレーズで、ネイリストとして目指しているところがわかりそうです。
③。
②にも近いのですが、おそらくもう少しスクール生のレベルにいる方かもしれません。
とにかくキレイ。これってすごく難しいんだって、スクールの先生が言ってた。
授業で少しやったけど、ぜんぜん出来なくてあり得なかった。まじすげぇ。
…と、私の脳内では20代の若い生徒さんが喋ってます。
さて④。
このリアクションは…。
トップもトップ、もしかすると過去に競技大会において優勝などの受賞歴をもたれる方ではないでしょうか?!
切磋琢磨でご自分の技術を磨き上げ、するどくジャッジする目を養い、「フレンチ」と聞いたら料理の種類ではなく白とピンクの爪がまず思い浮かび、私の理想のフォルムは…とイメージトレーニングを開始してしまうレベルとお見受けします。
ちなみに私自身のレベルはというと。
②です、はい。頑張ってます。
きれいなお爪、で一括りに出来ないのがプロから見たネイルなんです。
その指先を最大限に美しくするのも、本来の魅力を半減させてしまうのもネイリストの技量次第です。
さて、ここで紹介した「フレンチスカルプチュア」とは。。。
アクリルのリキッドとパウダーを混ぜて、柔らかいうちに筆を使って造形する人工爪の技法のひとつです。
フレンチとは、爪の先端に色をつけ、ツートーンルックにするデザインです。
ピンクやクリアのベースにホワイトの先端がベーシックスタイルです。
注目すべきは、その境目である「スマイルライン」。
微笑んでいる口元を真似てのネーミングです。
このラインが左右対称、絶対中心も守らなければなりません。
爪によってそのカーブはさまざま、指も真っ直ぐとは言い切れません。
自分の目と腕がどれだけ正確にこの絶対中心左右対称のラインを見極め作れるか。
しかも作り上げる形もすべて同じ、その指先にフィットする繊細な完成度も必要です。
先の作品なんて、紙のような薄さで出来上がっているんですよ。
これがフレンチネイルの醍醐味であり、ネイリスト泣かせでもあります。
しかも、固まってスムースに動かなくなるまでの時間はおおよそ3分ほど。
限られた時間で、10本を同じに作るにはかなりの集中力と高い技術力が求められます。
人間の集中力の限界は90分といわれますが、ネイリストのそれはそんな短時間ではありません。
120分~150分なんてザラです。
この、ある種超人的ともいえる技術を磨き上げようと、世のネイリスト達は日々切磋琢磨しているのです。
美しさの価値と技術力には終わりがありません。
トップになっても、上を見ればきりがないのです。
精神力がその腕に大きく関わってくるのも必然です。
年に数回、全国の各地で開催される競技大会(コンペティション)では、そんな自分に厳しいコンペティター達が集合します。
その数はざっと数千人。
その一人一人に、熱い思いがあるんです。
実は、ビバ!体育会系、なノリの一面もトップネイリストにはあるのでした。
ちなみに、紹介した画像は2年前に行われたコンペの総合優勝を果たした方の作品です。
練習モデルとして私が手をお貸しした際の写真です。
そりゃもう、ネイリストだったら涎が出るほどの素晴らしい機会に恵まれた私はテンションあがっちゃって、夜中だというのに目をランランとさせて帰宅したのでした。
絶対中心左右対称。
ドキドキしちゃう響きの言葉です。