突然かもしれませんが、このコラムは今回でお終いとなります。
初回がちょうど3年前の8月でした。
あっという間の3年間、飽き性の私がよく続けられたと我ながら感心している次第です。
読んでいただいているという感謝と責任感、運営スタッフ方々の温かいご支援、
そして何よりネイルに対する私の思いが原動力だったように思います。
そして最近思うのは、もう大方の引き出しは空けてしまったということ。
まだまだ未熟なくせに生意気なようですが、
これまでの私と現在の私が大方満足しているようなのです。
あれも伝えた、これも伝えた、と。
記事を定期的に書くことの厳しさ、伝えたいことを文章にする難しさ、
自分の文章に対する力量の狭さに落胆しつつ、
他ライター様の記事を読んでは感心しつつ、
たくさんのことを学んだ貴重な3年間でした。
この先も私はまだしばらくネイリストであることでしょう。
そして、一人の主婦であり、女性であり、人です。
一度きりの人生というありきたりの言葉を、最近はとても大切に掲げるようになりました。
過去を作り出す毎日が、未来を創ることに繋がると実感しています。
転がる石は苔むさないことを信じつつ。
角も取れてきっとツヤツヤになるであろうと期待しつつ。
出来ることなら、触れ合う人々から笑顔を頂戴しつつ。
JunkStageも、JunkStageに携わる皆様も、
そしてこれを読んでくださったネイルを愛する方々も、
ますます輝かれることをお祈りいたします。
みなさま、本当にありがとうございました。
御機嫌よう、さようなら。
うっかり更新が遅れました。
申し訳ありません。トホホでございます。
さて、今回のトピックは「王道ネイル」です。
ネイルは日常の中にしっかりと位置付き、
ネイルをしていることはもはや普通のことになりました。
ジェルネイル、スカルプチュアネイル、自爪派と、
選択肢の自由も定着してきましたね。
シンプルなネイルも、ポップなネイルも、
その長さで日常生活が送れる器用さに感心してしまうようなロングネイルも、
その方の個性として自然に受け止められるようになったと感じます。
では、そんななか「王道ネイル」とはどんなものでしょう?
私が思うに、ずばり、白フレンチまたは白グラデではないかと。
ネイル歴が長いベテランさんほどシンプルなアートにたどり着く傾向があります。
当初はとにかく凝ったデザインや主張の強いアートをなさっていても、
10年近くずっとネイルをされていると、
ネイルをしていることがあまりに自然なことになるようで、
シーンを選ばず、しかし上質さを失わない雰囲気のネイルこそ生き残るようで
それこそがシンプルな白フレンチや白グラデのようです。
(どちらかというと白フレンチ)
松田聖子さんやIKKOさんのお手元こそ、それです。
常にネイルを綺麗にされていても、ダントツで王道ネイルになさっていることが多いです。
特に王道アイドルに君臨し続ける聖子ちゃんのチョイスはやはり素晴らしいと
個人的に憧れる私として感激してしまうのです。
次点は、赤1色塗り。
和田アキ子さん、研ナオコさんがその代表格です。
どちらにも共通点があります。
シンプルであり、かつ高い技術が求められるということです。
素人さんからは「シンプル=簡単」との誤解をしばしば受けますが
実はその反対です。
たびたび記事にもする通り、その証拠にいずれも試験や競技課題なのです。
私は彼女達に、高い技術者にネイルを任せている達人であるという余裕すら感じます。
今年の春夏のテーマカラーは「白」。
ぜひ未体験の方は、この夏その王道ネイルに挑戦されてみてください。
その魅力をきっと感じとっていただけることと思います。
何やら禍々しいタイトルなのですが。
決して犯罪を煽る内容ではありません。
ネイルのような技術職の場合、優れた技術を持つ方のデモンストレーションを見て学ぶ機会も多いと思います。
今回は、そんなデモを見る際のコツなどをお話ししようと思います。
その華麗かつ的確な技術に思わず見とれてしまうものですが、
せっかくのチャンスです。
しっかり頭の中にインプットしてイメージトレーニングの糧にしましょう。
手元をアップで見ることが出来る、モニターなどであれば問題ないのですが
直にそのテーブルに集まって見る際などは、立ち位置から意識すべきです。
デモンストレーターの利き手とは反対に立つ、のがおすすめです。
右利きの方の場合は、その方の左手です。
ベストは真横。その次はやや後方斜めからが良いです。
遮るものが少なく、動きが良く見えるのがこの位置なのです。
(利き手側は手で筆先などが隠れます)
真正面がベストかと思われがちですが、実は筆の角度など見える範囲が限られているのです。
ネイルの技術は「何を使ってるのか」も大切ですが、
「何をどう使っているのか」がより重要です。
筆の動かし方や当てる角度、回数や強弱などをまとめて「ブラシワーク」といい、
実はこれが技術の要だったりするのです。
よく学校の生徒さんから、
「先生と同じ物にしたけど上手に出来ない」との質問を受けます。
道具材料は同じでも、使い方(手順ではなく)が異なれば結果も異なります。
真似るべきは手元の動きなのです。
ですから、良い立ち位置を確保できたら手元の動きをしっかり観察しましょう。
自分と違う動きを発見できれば、上達の一歩を進んだようなものです。
自分のレベルにより理解や発見が異なるのが技術。
壁にぶつかるたびに、自分が憧れる技術のデモンストレーションを何度も見てみましょう。
何気なく見過ごしていた発見は常にあるものです。
最近では、トップネイリストの技術をまとめてDVDや動画もあります。
身近な勉強材料は周りに溢れている時代です。
これを活用しない手はないですね。
また、ひたすら練習ももちろん良いのですが、
質の良い練習をすることも大切です。
イメージトレーニングの効果はさまざまな分野で検証されていて、
ネイルのトレーニングもその例外ではありません。
「技術は盗むもの」とはよく言ったものだとつくづく思います。
盗んでも罪に問われないので安心して盗み、上手になりましょう!
たらしこみ、ルブタン、隠れミッキー。
これらの言葉、全部いま流行りのネイルアート用語なんです。
今回はまさに旬のアートを解説しようと思います。
本当は画像があればわかりやすいのですが、
あいにくオリジナルが用意できず残念です。
百聞は一見にしかず、この記事を読んで興味をお持ちになったら
ぜひ検索してみてください。
それぞれの言葉に「ネイル」を付け足すと、たくさんの画像が見られることでしょう。
それではまず、「たらしこみ」からご紹介。
なんともインパクトのある言葉です。
しかしそのアートは繊細そのもの。
水をたくさん含んだ水彩絵の具をたらしたかのようなアートを指します。
モノトーンで行えば水墨画のような、シックな印象です。
パステルカラーならイノセントな優しい印象になります。
ネイリストには技法が求められるアートですが、
とても凝った仕上がりのため人気継続中です。
つぎに、「ルブタン」。
こちらのワードの由来はハイブランドの名前からです。
ヒールとソール部分に目立つ色が付けられている個性的なハイヒールで有名なブランドです。
ネイルでどう「ルブタン」にするのでしょうか。
想像がつきにくいですね。
長さを人工的に出したネイルの裏側もアートするのです。
表面と爪の裏側2種類の顔を持つネイルアートです。
とはいえ爪の裏側(正確な表現は、フリーエッジの裏、といいます)のスペースは
とても限られているので、条件を絞られるアートになります。
しかし手を動かす時にチラッと裏側から違う色やアートが覗く様子はかなり印象的です。
普通のナチュラルなジェルネイルでは残念ながら出来難いアートの一つかもしれません。
さて、最後は「隠れミッキー」です。
これはネイルに限らず耳にするのではないでしょうか。
そのものズバリではなく、よく見てみるとミッキーっぽい。
これが隠れミッキーです。
たくさんのハートの中に紛れていたり、スパンコールの水玉の中に隠れいたり。
丸が3つあれば出来るアートなのでアレンジもしやすく、とても人気なアートです。
隠れシリーズはミッキーに限りません。
「隠れハート」もその一つで、豹柄の一部がこっそりハート、というアートも定番になりつつあります。
次々と新しいアートが飛び出し、楽しく嬉しい反面、ネイリストとしては技術を覚える苦労があったりします。
無限に広がるネイルアート、進化し続ける世界です。
私事ですが。
今年は登山なぞを始めようと決めまして、
もともと山男だった主人の指示のもと
密かにトレーニングを積んだり山グッズを揃えたりと、
山ガールならぬ山オンナに進化中でおります。
そういえば、小さい子供のころにアスレチックが大好きで、
とくに池ポチャンやら高所やらのやや危険を伴う場所にワクワクする性質なのでした。
そんな忘れていた部分がムズムズ、
山もどうやらトレッキングもクライミングも好きかもしれないのです。
(体力ありあまる年齢でもないので限られた範囲ではあります)
そんな手先を石やら岩やらと仲良くしなくてはならないこの先、
私にとって大きな壁が一つ。
そう、ネイルです。
長い爪なんて山では当然ご法度。
危険すぎますし、装備やら準備の段階で折れてしまうこと確実です。
また手先指先を酷使する環境では、
自ずと節くれだった指になることも容易に想像できます。
以前なら爪に支障がある状況(ボーリングとか)は極力避けていた私。
しかし今回は山が勝っているようで、爪はギリギリまで短く、
負担の少ないジェルポリッシュにしています。
でも長年、爪を立て力を集中させる仕草から遠のいているので
なかなか握力を活かし切れない問題も発生中です。
山とネイル。
この関係をどう両立させるか、楽しみな課題なのです。
山ネイリスト誕生となるでしょうか。
さて、前回触れた「ジェルポリッシュ」について今回はお話します。
欧米発のメーカーを中心に、様々な商品名でジェルポリッシュは登場しています。
見た目での特徴は、ベースジェルもトップジェルも、カラージェルもすべてポリッシュ(マニキュア)のような容器であることです。
ご存じない方からすれば、マニキュアだと思ってしまうかもしれません。
このようなタイプを「ブラッシュオンタイプ」といい、
刷毛で手軽に塗れることを特徴とします。
通常主流のジェルは、ジャーと呼ばれる蓋つき容器に入っていて、
ネイリストが専用のジェル筆で必要量を取り塗っています。
ブラッシュオンタイプについては、プロにとっては賛否両論なのですが
何しろ手軽という点と、ポリッシュを意識させる点ではコンセプトに適っていると私は思います。
お値段も、ポリッシュとジェルの中間くらい。
どちらかというとジェルに近い値段設定ではありますから、
セルフネイルを目的にする場合は決して安いものではないかもしれませんね。
ある程度のジェル道具を持っている方なら、手ごろに感じるかもしれません。
施術の手順はジェルとまったく同じです。
ベースジェルを塗り、硬化。
次にカラージェルを塗り、硬化(必要に応じてカラージェルは数回繰り返し)。
最後にトップジェルを塗り、硬化。
未硬化ジェルという固まらない表面のジェルを拭き取って完成です。
硬化時間はメーカーによって違いますので、要確認となります。
仕上がりもほぼ通常のジェルと同じ。
艶などの質感もジェルそのものです。
では、ここで(やっと)本題です。
何が普通のジェルと違うのか?
どうしてダメージ爪におすすめなのか?
違いとしては、ジェルを乗せる前の自爪の処理がほとんどいらないということです。
この自爪の処理というのはサンディングを指します。
サンディングとは、ジェルのつきを良くするため前もって自爪の表面を傷つけることをいいます。
専用のファイルやスポンジファイルを使い、爪表面をこすり軽く削るのです。
ジェルメーカーによっては「サンディングはほとんど不要」を謳うものもありますが、
現場ではほとんど必ず行う行為です。
こうしないと持ちに不安が生じ、すぐ取れてしまったというクレームになる可能性があるからです。
お客様にしても、お金を払ってしてもらうジェルネイルがすぐ取れては困るだろうからです。
ジェルポリッシュに関しては、このサンディングは本当に不要です。
もちろん爪表面のコンディション次第では部分的に表面処理のようなことをするかもしれませんが、
通常のサンディングまではいかないレベルです。
そして、オフする際にも違いがあります。
ジェルはあらかじめ表面をファイルで削り、
アセトンを染み込ませたコットンを巻き、
アルミで指全体を包み浸透させて溶かし落とします。
染み込ませる時間は約15分から30分。
ジェルポリッシュの場合、まず表面削りが不要です。
放置する時間も10分から15分程度で十分です。ツルンとスムースに取り除くことが可能です。
アセトンを巻く時間が短いことは何よりダメージ軽減につながります。
自爪を前もって傷つけず、オフの際もスムースに落とせる。
ということは、自爪の負担軽減とともに
ジェルのつきに関しては元々甘目である、ということです。
通常のジェルがもちの期間を2週間から3週間を目安にしているのに対し、
ジェルポリッシュは10日前後となることが多く、
もちに関しても違いがあります。
(当然ながら個人差があります。)
これらの違いをどう受け取るかの選択はお客様にあります。
私がお客様に提案する際は、
デメリットとしては、もちは悪くなるのでご来店頻度は増えてしまうかもしれないこと、メリットとしては、自爪を健康に回復させながらもネイルを楽しめることと、
1回あたりのお値段が若干お安くなること、
の両方を説明します。
数名のお客様が実際にお試しをなさりましたが、
反応は本当にそれぞれです。
ただし、長くネイルを楽しまれてきたご常連様ほど、
自爪の健康を重視し継続される方が多いようです。
また、予想以上にもちが悪くなく、デメリットが気にならないと
喜ばれる方もいらっしゃいます。
自爪が健康になれば、徐々にネイルのもちも良くなり、
また思う存分にネイルを楽しめるというまさに理想的なサイクルを生み出すためのジェルポリッシュ。
正しい知識とネイリストとのコミュニケーションをふまえ、
自爪のダメージでお困りの方にはぜひお試しいただきたいと思います。
今回は、ネイルを続けて自爪が傷んでしまった場合のお話です。
以前もネイルをすることによるデメリットとして、
比較的優しいといわれているジェルネイルでのダメージについて書きました。
どんなに上手な技術をもってしても、
数か月、数年もジェルネイルなどサロンで行う本格的なネイルを楽しめば
自爪が傷んでしまいます。
自爪のダメージが酷くなると、上に乗っているマテリアル(ジェル、アクリル、マニキュア)の持ちも悪くなります。
持ちが悪くなると、頻繁に取り外すことになり、
新しくまた付け替えることになります。
取り外して新たに付けることを「オフ・オン」といい、
このサイクルが狭くなると爪への負担も増すことになります。
悪循環になってしまうわけです。
金銭的にも困りますね。
例えば、これまで8,000円で1か月持っていたのに、
3週間くらいでダメになり、サロンに通う頻度が増えてしまう…。
これでは定期的な出費も増えてしまいます。
こうなった場合、ネイリストに相談すると提案されるのは
「しばらくお休みしてお爪を休ませましょうか」
ということになると思います。
でも、傷んだ自爪はすぐに亀裂が入ったり、と
日常生活上も見た目も気分が良いものではなくなります。
少しでも爪が伸びて指先から出ると、そこが欠ける、亀裂が入る。
学校の風紀検査(今もあるのかしら?)で合格をもらえるような
短い爪でいるしかなくなってしまいます。
上から補強も兼ねてマニキュアを塗るようにアドバイスされるけど、
それも先端からすぐ剥げてしまって、
というお声もよく聞きますし、実際その通りです。
綺麗を保ち、ネイルを楽しむために
出費も惜しまずきたのに、
爪は不健康、サロンには通わずにいられなくなる、
なんだか溜息が聞こえてきそうです。
どうしたら良いか、と悩みながら通われる方も多く
実際私のお客様にもいらしたりして、私も悩んでおりました。
やはりネイリストとしては、
「前回のネイル、すごく持ちが良かったよ!」
とお褒めいただきたいものなのです。
実は最近、そんなジレンマを解消するご提案があるのです。
それは「ジェルポリッシュ」。
最近といっても数年前から存在しているのでご存じの方もいらっしゃるかも。
扱うメーカーや商品もジワジワ増え、
メニューにのせているサロンも増え始めました。
その名の通り、ジェルとポリッシュ(マニキュア)の間に
立ち位置を置く商品です。
このジェルポリッシュについて次回では詳しくお話ししたいと思います。
いよいよ今週末から春期ネイリスト技能検定試験が始まります。
19日は1級、20日は2級。
26日と27日は3級です。
全国各地で開催されます。
この試験のために、私の生徒さんも含めたくさんのネイリストの卵が頑張ってきたはず。
私は会場で試験のお手伝いをしながら皆さんの健闘を見守ります。
この記事を読んでくださっている方のなかにも、
受験を控えている方がいるかもしれません。
今回は、そんな方のお役に少しでも立てる記事にしようと思います。
練習は前日まで出来ますね。
「練習は本番のつもりで、本番は練習のつもりで」
という言葉があるとおり、集中した練習をあきらめず油断せず続けてください。
前日にはモデルさんと会って最後の準備と仕込み。
そして翌日への準備で忙しいと思います。
モデルさんの手を入念にチェック、イメージトレーニングをしましょう。
忘れ物をしないため、持ち物をよく点検してください。
練習後でダストなどの汚れも溜まっているかもしれませんから、
点検がてらクリーニングもしましょう。
受験票と筆記用具も忘れずに。
準備が終わったら、前夜はしっかり休んでいただきたいです。
徹夜で最後の追い込みをしたい気持ちは本当によくわかります。
でも、もう数時間で実力はそう変わらないと思います。
これまでの実力を落ち着いて集中して発揮するためにも
しっかり休息をとった方がきっと良いです。
当日、本番ではいつも通りの練習のつもりで臨んでください。
とはいえあまり悠長に構えて、万一タイムオーバーということは避けたいので
タイマーはしっかり確認しながら作業を行ってください。
緊張のし過ぎは実力発揮の邪魔になりますから、
深呼吸をたくさんして落ち着いていきましょう。
私たち認定講師も皆さんと同じように緊張しています。
無事に試験を済ませ実力もしくはそれ以上の力を皆さんが
発揮できるよう、祈るような気持ちでいます。
頑張っているとは思いますが、
あともう少し頑張っていただきたいと思います!!
ネイルサロンのテーブルと椅子のお話です。
通常は、対面式でテーブルを挟んでネイリストとお客様が向き合います。
このときお客様は両手を真っ直ぐに差し出すことが多いのですが、
長時間のこの姿勢は案外に疲れるもの。
両肘を軽くハの字に開くと楽なのです。
そしてもう一つ多く見受けられるのは、リクライニング式。
リクライニングチェアに腰掛け、両手をそれぞれサイドのアームレストに置くタイプです。
高級志向のサロンではこのタイプが多いようです。
ネイリストは左右に移動しながらサービスを行ないます。
フットサービスも通常の椅子ではないくこのリクライニングを取り入れていることも少なくありません。
一見、お客様がゆったり過ごせるような印象がありますが、
実は意外にも「かえって疲れる」という声を聞くのです。
私も最初は意外に感じて驚きました。
が、お話を聞くと納得。立場になって経験すればなお納得です。
サービス中、大抵のお客様は施術の様子が気になったり、
ネイリストとの会話に気を使ったりして、背もたれから背中を浮かせているようです。
ハンドの場合には両手を揃えて出すこともたまにあり、
その場合は胸の前で左右どちらかに腕をひねった状態になります。
フットでは足の伸ばし具合が掴めず、膝に負担がかかることも。
せっかくのリクライニングチェアが仇になってしまっては悲しいですね。
こんな場合のアドバイスは、
「ふんぞり返る」です。
背中をゆったり背もたれに委ねてしまうと楽です。
施術に不具合がある場合は、きっとネイリストがその旨を伝えると思います。
そうでなければのんびり、ゆったり、が楽チンです。
ネイリストの手元は見え難くなりますが、出来上がってのお楽しみ、というのも一つの楽しみ方ではないでしょうか。
お客様のことを考えたサービスを、ぜひ存分に味わっていただければ
ネイリスト側としても嬉しいことだと思います。
ちょっと今回はネイルの技術などから外れたトピックにしたいと思います。
ネイルサービスで使用する物は、化学物質ばかりです。
そのキツイ臭いからも安易に想像できるとおり、体に良い影響を与えるわけはありません。
呼吸からの摂取、手先からの経皮吸収と、ネイリストの体はかなり過酷な試練を与えられている状態です。
つい先日、整体師さんとお話をしていて気になることがありました。
私はいつも肩凝りから始まり全身もバキバキに凝っているのですが、
そういう方は呼吸も浅い傾向にあるそうです。
人間は緊張(交感神経が優位の状態)すると呼吸が浅くなります。
確かに細かい仕事やサービス業はそうなりやすいかもしれません。
ここまでの情報は、これまでも耳にして知っていました。
さて次が新しい見解の登場です。
「化学物質を吸いたくないから無意識に呼吸が浅いのかなぁ」。
どうなんでしょう?
仕事中の手元にはズラリと並ぶ化学物質類。
スクールやサロンでは大人数が同時に使うので、空気もきっと汚染された状態かもしれません。
マスクをしているとはいえ、深呼吸をしたくなる状況では確かにありません。
真偽のほどは置いておいて、個人的には妙に納得してしまった一言でした。
私は爪に関してはかなりケミカルまみれなのですが、
食事や基礎化粧品などその他身体に直接付ける物に関しては、アンチケミカルです。
特にその関係性を意識したわけではなかったのですが
もしかすると無意識にバランスを取ろうとしていたのかもしれないですね。
ネイルの新商品を興味津々で眺めつつ、
手作り化粧品用のアロマ精油などをチェックするという、
ともすると矛盾を感じる自分の行動を俯瞰で考える良い機会となりました。