さて、今ではネイルをしていることは普通です。
「キレイにしているね」という褒め言葉をもらえる時代です。
ネイルサロンに通っている、と聞いてもさして珍しいことではなく
定期的に美容院に通っている、と同じ印象ではないでしょうか。
そんなネイルも、私が趣味として意識し始めた20年ほど前はまったく様子が違っていました。
ネイルといえば、マニキュア。
国内産のものは色も限られました。
ピンクやベージュ、透明と真っ赤。
ベースコートやトップコートの必要性は特に一般には知られていなく
爪に色を塗っているだけでも相当に目立つお洒落でした。
輸入雑貨店にある外国産もメーカーは2~3に限られました。
そちらの方だと色味も豊富になりました。
真っ白や青、はっきりしたピンクなど。
お値段も当時としてはそこそこしたので、1本を買えば何年も何年も使いました。
遊び盛りの年齢だった私は、真っ白など当時としてはちょっと目立つ色を好んでつけました。
そのたびに「派手な爪して!」と周囲に言われたものです。
庶民にとって当時、ネイルは自分でするものでした。
ネイルサロンの存在は知っていましたが、高価であることを知っていたし
地元である横浜にすら近所では見かけませんでした。
東京の一等地でお金持ちの方が行くところ、という認識です。
そのうち輸入品のネイルグッズの種類が増えました。
ネイルシールやネイルチップです。
爪を強化する専用の保護剤も登場し、少しでも長い爪に憧れていた私には魅力でした。
ファッション誌では、好きだったモデルが人工爪を披露し始めました。
自爪では有り得ない長さの爪に、真っ赤なベースカラー、白い水玉模様のアートでした。「なにこれ!」と食い入るように見たのを覚えています。
読み進めると、彼女のお母様が当時としては珍しかったネイリストであることがわかり
プロの技術を初めて目にしたことになります。
その感動が、今思い返せば私のネイルのきっかけかもしれません。
ネイルサロンにも興味が湧いてきました。
調べてみると、その値段の高さに驚愕。
お手入れをして色を塗ってもらうだけで6000円ほど。
モデルのしていた人工爪を扱うサロンはほとんどないものの、
聞くところによると、すれば10本で30000円以上ということでした。
品質も今とは雲泥の差で、1週間から2週間の寿命とのことでした。
とてもとても手の出せる代物ではなく、
私はデザインされたネイルチップを買うことにしました。
両面テープで爪に貼り付け、いそいそと夜遊びに繰り出しました。
会う人に「それ自爪?!」と驚かれるのが嬉しくて、得意になったものです。
アートのデザインも限られていて、ハートとかお花などでした。
それでも満足して楽しかったものです。
今ではマニキュアが黒くてもさほど驚かれませんが、
当時のアートは本当に限られたものだったのです。
それから数年後、徐々に浸透し始めたネイルの世界にいよいよ足を踏み入れるわけですがその頃には横浜にもネイルサロンが登場していました。
雑貨店でのネイルコーナーも種類が豊富になり、
チップではない人工爪(アクリルスカルプチュア)をセルフで作るキットも手に入れました。
憧れだった長い人工爪を初めて作って見ました。
所要時間、おおよそ6時間。
今思えば形なんてあってないものといったお粗末な出来栄えだったに違いないのですが
当時の私は大の大の自己満足。
遊びに繰り出す前にほくほく顔でシャワーを浴びました。
すると、今思い出しても残酷なほどに、ぽろぽろあっという間に取れてしまったのでした。
ますます人工爪に対する憧憬の念が強まったわけです。
ネイルレッスンを習い始めた頃、その材料道具類のほとんどは輸入品でした。
もちろん値段も高く、ひと揃えするのを少し躊躇したほどです。
この頃になるとカリスマネイリストが次々に登場します。
今と違い、外国人が目立っていた記憶があります。
そして黒崎えりこさんという現在でもカリスマ中のカリスマ、日本を代表するネイリストが登場します。
アメリカでの技術であった人工爪を得意とする方でした。
彼女の登場によって日本のネイルの幅が広がりました。
美しく持ちも良い人工爪を作る可能性を与えてくれたのです。
私もその頃には一生懸命人工爪のお勉強をしました。
大手のスクールもすでにあり、入学はキャンセル待ちとの噂も聞きました。
検定試験も開催されていて、受けておいた方が今後のためになるのでは、と
当時指導してくれた先生に薦められていました。
私はマイペース過ぎるほとマイペースでしたし
今でもそれは変わらずただのいちネイリストですが、
当時順調に頑張られていた方々は、現在のネイル業界の中心で活躍されています。
30000円もした人工爪も、今では10000円~20000円。
当時では考えられないような高度なアートを施して、です。
検定試験の普及や技術指導の発展により、持ちも格段に良くなっています。
国産メーカーも増え、今では人気の商品ほとんどが良質な国内産でしょう。
そして、2週間以上は持つことが前提です。
現在主流のジェルネイルに関しては、まったくその市場が今とは異なっています。
当時、ジェルネイルを扱っているサロンはほとんど見かけなかったのです。
そのお話は次回にしようと思います。
ネイルの歴史は決して古くない日本、
ネイルが現在の社会的地位になってからの日はまだ浅いわが国で
なぜその技術やマーケットがここまで広がったのか。
今では、日本のネイル技術産業は世界トップクラスともいえます。
今回は私なりに考察してみたいと思います。
ネイルをお洒落として楽しむ文化の発祥はアメリカです。
上流階級層のみならず大衆文化としてすぐに広まりました。
産業の発達が背景にもあるでしょうが、
プラスお洒落に対する意識(装飾美意識)が発達していたゆえだと考えます。
そして人工爪については、その民族の身体特徴も少なからず影響しているのではないかと思います。
欧米人の爪は、横幅が広い形が多いのです。
優雅な細長い指先への憧れが潜在的にあるのではないでしょうか。
細長い形を手軽に実現させる人工爪が、抵抗感少なく受け入れられたと考えます。
対して私たちアジア人の爪は、縦長に細長いのが特徴です。
人工爪をあえて付ける必要性は低いように感じます。
装飾美意識も欧米のそれに比べると保守的でした。
何より清潔であることを良しとする民族意識がそれを上回っています。
謙虚さが美徳とする観念も手伝い、お洒落はイコール派手であるという意識が高かったのです(まだまだ現在進行形でもあります)。
日本にネイルサロンが登場したのは、もう数十年前になります。
しかし長い間、爪のお洒落は一部の富裕層か特殊なお洒落を要する職業の人、
または派手好みの人(失礼!)がそのターゲットでした。
大衆文化には程遠い扱いでした。
バブル期を通して、お洒落イコール派手という敬遠意識が薄くなり
個性や自由といった今や当たり前の主張を歓迎する傾向が強くなりました。
私の記憶でも、この頃の女性ファッション誌に登場するモデルが人工爪をさりげなく披露していることが多くなっていました。
また、簡単に着脱の出来るネイルチップが輸入雑貨店で多く見かけるようになったのもこの頃だったと思います。
ネイルサロンという存在も都心ではちらほらと見られはじめ、私たち大衆や若い世代(当時です)にも徐々に身近になりつつあったのだと思います。
ただし、その価格はまだまだ高価なもので、とても一般の女性が通えるような存在ではありませんでした。
手に入るマニキュアを除いたネイル商品もほとんどが輸入物でした。
話が少し脱線しかけました。
それから15年ほど。
もうご存知のとおりの発展を遂げています。
時代が変わり、美容文化が発達発展したという背景の他に
日本人の手先の器用さ、クラフトマンシップ的な要素がたぶんに強く働いたのだと考えます。
一概には言い切れないのを前提にしますが、
私たち日本人(も含めアジア人)は繊細で細やかな作業が得意です。
根気よくコツコツと細部にこだわる律儀さも持ち合わせています。
そして、技巧を突き詰めようとする職人気質も強いようです。
色覚に関しても、ニュアンスの違いを認識する能力に長けています。
箸を使う文化とかはっきりした四季の風土とか、
その背景や由来に関しては専門家のご意見に判断を任せるとして…。
作る側のそういった気質、受け入れる側の美意識、時代の移り変わり、
そういった要素が短期間でここまでの発展を叶えたのではないでしょうか。
時代の移り変わりには、不況も含まれているようです。
学歴や大手企業在籍に身を委ねるといったこれまでの職業観念が崩れ、
自分の身は自分で、といういわゆる「手に職」の自立した発想がこれまで以上に広く定着しています。
ネイリストが職業として社会的地位を確立しつつあるのもこういった理由のようです。
いちネイリストとしては嬉しい限りです。
私のようなカリスマでも何でもないただのネイリストだとしても、
これまでの経緯を振り返るとそれなりに発展途上の様子を思い返せます。
今となってはずいぶん変わったものだな、と。
次回は、そんな「あの頃は…」と懐かしいエピソードを少しご紹介していこうかと思っています。
もう2012年も終わろうとしています。
寒い寒い年末ですが、みなさまどうお過ごしでしょうか。
前回はネイルの歴史についてお話しました。
今回はその発展の背景を探ってみようかと予定していましたが
今年最後の記事なので内容を変え、1年を振り返ってのご挨拶にしようと思います。
私の年間スケジュールでは、11月のコンペで1年の締めくくり感があります。
春から秋にかけてが一番ネイル三昧の時期です。
理由は、第一に出場するコンペが集中すること。
第二に本講座とは別に、年2回の大きな検定試験用対策講座を担当すること。
本講座を進めながらも、受験する生徒さんの技術チェックに力を注ぎつつ、
さらには自分の練習も追い込みをかけるという状況です。
そしてもちろん普段はサロンワークもあります。
それほどネイルばかりに集中すると、メンタルはある種のハイ状態になります。
これはこれで気持ちいいのです。
きっと常に交感神経オンなのでしょう。
我ながら挙動言動に切れがあると感じるくらいです(笑)。
(ともするとお粗末な)結果はともあれ、
試験が無事に終わり、コンペも終わり、
本講座も年末に向け徐々にトーンダウンし
スケジュールにもぼちぼちと余裕が出るのが12月です。
まさに今月。
サロンワークは年末年始を迎えるお客様で混み合うのですが
それ以外の時間をプライベートにあてることが出来ます。
ここで一気に大掃除などの主婦業を片付けます。
そんなこんなでようやくやるべき事が終わると…、
体を壊します。
ここ数年は、風邪か腰痛。
去年からは両方。そして今年は、気管支喘息で坐骨神経痛。
数ヶ月無理を続け、不特定多数の人がたくさん集まる場所に出向き
施術では前屈みで目と利き手を酷使する体勢を数時間以上。
交感神経オンのおかげで、筋肉疲労はマックスを超え
整体師が悲鳴をあげるほど。
当然といえば当然の結果なわけです。
やっとのプライベートを満喫するどころか
今年はこの押し迫った年末でさえも
いずれも何となくしか治らず、完治はしていない有様です。
おまけに、ひたすら動けずでも幸か不幸か食欲はあるので、
食べては寝を繰り返しお正月前にすでに太り気味です。
終わりよければすべて良し、という年末に憧れつつ…。
あと数日はあるのでなんとかそう言える新年を迎えたい気持ちです。
そして来年こそは、もう少し余裕をもった年末を迎えたいと早々と願います。
みなさまも良いお年をお迎えください。
来る年が素敵な年となりますように。
今回はちょっとお勉強。
ネイルの歴史をご紹介しようと思います。
*参考文献 JNAテクニカルベーシック
体の一部に彩色を施す化粧の始まりは、古代エジプト時代にさかのぼるといわれます。
植物のヘンナの花の汁を用いて、爪を染める風習があったとされます。
お洒落というより呪術的意味合いによるもののようで、ミイラにそれが確認されています。
その後、ギリシャ・ローマ時代には上流階級の身だしなみとして爪のお手入れが始まります。
マニキュアの語源である「マヌス・キュア」という言葉が生まれました。
ルネッサンス時代になると芸術文化の発達とともにバレエが創作され、舞台演出としてのマニキュア術が発達していきます。
近代19世紀には職業としてのマニキュアリストが登場されたとされ、ひろく女性の身だしなみとして浸透し始めます。
ここまではあくまで自爪をお手入れする健康美としてのお洒落です。
現在のマニキュアが登場するのはつい最近の1932年です。
場所はアメリカ。
それ以前に自動車用の速乾性塗料ラッカーが開発された際の副産物としての誕生です。
マニキュアそれ自体が開発されたわけではなかったのですね。
1970年代には、爪の長さを人工的に作り出すイクステンションが流行ります。
「ネイル」の発祥はアメリカ、という由来です。
では、今やその技術は世界一のレベルと称される日本での歴史はどうでしょうか?
爪のお手入れをする「磨爪術(まそうじゅつ)」が伝わったのは明治時代と古いのですが、
普及したのは昭和に入ってからでした。
以降長くは、簡単なお手入れと薄いピンクや真っ赤などの限られたマニキュアを塗るという技術だけでした。
しかし本場アメリカでの発達に影響を受け、70年代後半にはネイルサロンが登場しています。
飛んで90年代、ネイルムーブメントが巻き起こり2000年に入りジェルネイル(ソフトジェルネイル)の普及により現在のめざましいネイル産業の発展があります。
私がネイルの世界を知った90年代、それでもまだネイルはごく一部の層に支持されている特別なものだったように思います。
ネイルサロンは数も少なく敷居も高く、値段も一般的なものではありませんでした。
メニューも限られていて、気楽に毎月楽しむお洒落とはとても言えないものでした。
ジェルネイルという、取れ難くナチュラルな技術の導入により瞬く間にネイルが広まっていきました。2000年に入ってからのその普及の爆発的な広がりは「あれよあれよという間」でした。
価格競争が起こり、値段も美容院と変わらないものとなり、定期的にメンテナンスとして取り入れることが可能になり現在に至ります。
世界的にみれば古くからあるネイルの文化も、
日本では本当につい最近のお話です。
浅い文化なのになぜ日本のネイルが世界的に誇る繁栄を遂げたのか。
そこには私たちの民族性が深く関わっているように感じます。
そのお話はまた次回に。
ネイルチップを見かける方が多いと思います。
ドラッグストアや雑貨ショップのネイルコーナーには必ずといっていいほど陳列されています。
ネイルサロンへ行かなくても、手軽に華やかなネイルアートが楽しめるのがネイルチップ。
普段はネイルをしないけど、今日だけ明日だけしてみたい、
というような場合にぴったりです。
今回は、ネイルチップの付け方やコツなどをお話します。
まずチップの準備です。
そのままだとサイズが大きかったりする場合が多いですから、
その場合はご自分の爪に合わせるとよりフィット感が増します。
自爪に近いサイズを一通り選びます。
ヤスリを使って自爪からはみ出すチップの部分を削りましょう。
主に甘皮の周りを削ることになると思います。
(事前に甘皮をスティックなどで押し上げておくと、より自爪にぴったりさせることができます)
甘皮のカーブが異なる場合もチップを削りなおしましょう。
両方の横もなるべく指の上にかぶらないよう削ります。
ちょっと手間ですが、この作業をするしないでは装着した際の見た目も変わりますし、
密着具合も変わります。
オリジナルのチップを作るつもりで、丁寧に整えましょう。
次に爪に密着させるステップです。
何を使って装着するか、方法は大きく分けて3通りになります。
・両面シールを使う
・ネイルグルーを使う
・取り外し可能接着剤を使う
いずれもネイル専用のものです。
使用する前には、共通して行なう前準備があります。
それは自爪表面の油分水分除去です。
消毒用エタノール、または除光液でしっかり爪の表面を拭きましょう。
密着を高めるためと衛生面を考慮した準備です。
それでは、それぞれの特徴と方法をご紹介します。
<両面シールを使う>
もっとも手軽で爪にも安心な方法です。
チップに添付されている場合もありますし、単独で売られていることもあります。
ネイル用に薄くそれでも割合にしっかりつくシールです。
台紙からシールを剥がすのにはピンセットを使いましょう。
薄いため剥がし難いことと、手指の油や汚れが付くのを防ぐためです。
チップにシールを貼ったら、自爪にチップを装着します。
密着させるため力を入れてチップを押さえます。
隙間が出来てしまうようなら、シールを重ね貼りして厚みを出しましょう。
シールを使った場合、水に触れることは極力避けます。
乾いた状態を保てば長持ちしますが、入浴などをする場合は外します。
チップを外す場合は、甘皮のそばにスティックなどをそっと差込み、
徐々に滑り込ませるようにすると外れます。
外れ難い場合は、ぬるま湯に指を浸しながら行なうとよいでしょう。
爪の先から上に無理やり剥がすようにすると爪を傷めますからご注意。
<ネイルグルーを使う>
両面シールより爪に強力に密着させることができます。
チップの自爪に付く部分にグルーを垂らし、すばやく自爪に装着します。
数十秒で乾き動かなくなります。
瞬間接着剤の感覚だと思ってください。
問題なく密着しているのであれば、数日はそのままで大丈夫です。
水にも強いので入浴などもそのままできます。
落とす場合は、アセトンという溶剤を使用します。
こちらは一般では入手困難ですが、ネイル商材として購入できます。
またグルーリムーバーという商品名で扱われている場合もあります。
アセトンは、グルーを溶かすことで自爪からチップを外します。
とはいえ、チップも一緒に溶けてしまうので再利用は不可能です。
チップの付いた指をアセトンに浸すか、
アセトンを染み込ませたコットンを爪に乗せ、揮発を防ぐためアルミホイルで巻きます。
数十分放置すると溶け出しますので、スティックなどを使って自爪から取り除きます。
爪の表面が若干ガサガサするようなら、爪磨きなどで軽く表面を整えましょう。
<取り外し可能な接着剤を使う>
爪に優しくチップも再利用できる方法です。
少々手間がかかりますが、最近では最も人気な方法です。
「ワンタッチネイル」などの商品名で販売されています。
専用の接着剤をチップに塗り乾かす、を数回繰り返し、固めのゲル状接着剤にします。
チップを自爪に圧着させれば完了です。
チップの取り外しは、スティックを使い甘皮付近から差し込みます。
接着剤が付くうちは繰り返しチップを使用できますし、
接着剤を剥がしてあらたに付け直すことも出来ます。
お気に入りのチップを長く大切に使うにはこの方法が一番でしょう。
水に強いわけではないのですが、シールよりは耐水性があります。
急なお呼ばれや、サロンへ行くことが出来ない、マニキュアを上手に塗れない、
などの状況では大活躍のネイルチップ。
プロのネイルアートを簡単に楽しめるのも魅力です。
また、ネイルチップのアートを参考にしてセルフネイルを楽しむのもいいですね。
前回お伝えした「ネイルエキスポ」がいよいよ近づいて参りました。
私は、19日の月曜日にコンペティションに参加する予定です。
コンペティターなどという名には到底ふさわしくない拙い技術ではありますが
一応自信のレベルを知り、さらなる向上を図るべく毎年参戦しています。
直前の今日、切羽詰った様子を実況しようと思います
300人~600人が選手として参加し、テーマ毎の技術を限られた時間内で競います。
その時間も相当にタイト。終わらせるのがやっと、という状態です。
全国からプロネイリストが集まり、そのレベルはトップクラス。
技術には果てがないという証でもあります。
私は、数ヶ月前からぼちぼちと練習していますが
それは本当に「ぼちぼち」です。最低限の腕がなまらない程度…といったものです。
一応コンペ(コンペティションの略)を意識しているものの、
協力してくれるモデルさんとの近況報告ばかりに華が咲きます。
練習を始めている自分を、エライんじゃないかなと勘違いしたりもします。
周囲も騒ぎ出しそろそろ本腰を入れないとまずいかな、と
チラッと思うのが2ヶ月~3ヶ月前。
本当にまずいから、練習の日程を週一で設定しようとモデルさんと話し出すのがおよそ1ヶ月前。
もちろん本番の仕上がりには到底及ばない現実を思い知ります。
そして大慌てで毎日練習をするわけです。
今日もお昼過ぎにモデルさんと会い、20時頃まで練習している有様です。
すればするほど自信をなくし、
「どうしてもっと早くからキチンと計画を立てなかったのだろう」と
自分の愚かさを呪ってももう遅いわけです。
そして、こんな無理をするものだから当然心身とも不調になってきます。
寝不足、同じ姿勢を取ることによる肩こり、腰痛、眼精疲労。
正気を保つために、お酒が飲めないストレス。
そして今回は数日前から風邪までひいている始末。
次こそは!と反省の弁を述べると、
長い付き合いのモデルさん(ひと回り以上も年下)から
「去年も言ってた…」との冷ややかなお言葉を頂戴しました。
自分でももちろん覚えております、はい。
実行に移さない自分が情けないです、はい。
常に上位を保つ方々との歴然とした差はここにあるのでしょうね、きっと。
うぅぅ。耳が痛い。心も痛い。
肩も痛いし腰も痛いし、おまけに喉も痛い。
生徒さんに普段偉そうに言っているくせに、と
突っ込まれる前に自分で突っ込みます。
どうしてそこまでしてコンペに出るのか?
私もわかりません。
時々何を何処を目指しているのか考えてみたりしますが
明確な答えは見つからないのです。
あと残すところ数日、もうとにかく出来るところまでやってみるしかありません。
今は自分のためというより、時間を割き忍耐強く付き合ってくれるモデルさんのためという気持ちです。
頑張ります!
ネイルエキスポ、というイベントをご存知でしょうか?
正式名称は「東京ネイルエキスポ」です。
ネイル好きなら楽しみにされている方も多いかもしれませんね。
1年に1度、日本ネイリスト協会が主催するネイル展示会です。
2日間にわたり開催され、来場者数が5万人を超えるという大きなイベントなんです。
11月に東京ビックサイトで行なわれます。
なぜ11月かというと、以前にも記事で触れましたが
11月はネイル月間と謳われているからです。
さてこのネイルエキスポ、どんな内容なのでしょうか?
一言では言い表せないほど盛りだくさんなネイルのお祭り、です。
まずメーカーや商材屋による展示即売。
普段はプロ会員専用として扱われている品々が、
この日は入場すればプロ価格で購入することが可能です。
その割引率は半額に近い場合も。
一般には出回らない物も多数あるので、プロではないネイルファンには嬉しい限りです。
エキスポ限定の商品もたくさんありこれもまたネイル心をくすぐります。
次に目を引くのが、開催中にずっと行なわれている競技大会です。
いわゆるコンペ、コンテストです。
プロはもちろん、スクール生を対象にしたものや
歴代優勝者限定のものなど幅広く行なわれます。
名称は「全日本ネイリスト選手権」、まさにその名にふさわしいコンテストなのです。
華やかなネイルアートや、サロンワークを想定したテーマ、
メンズネイルにベーシックな技術を極める部門、などなど
競技種目も多彩です。
選手(コンペティター)の様子を遠巻きながらも実際に見ることが出来るのも
普段ならなかなか目にする機会のない方にとって新鮮なものでしょう。
その他にも、トップネイリストによる技術指導のクラスや
メーカーエデュケーターによる商品を使い紹介する技術クラス、
最新のネイルアートを紹介するクラスに
次年度のネイルトレンドを発信するショーなどがあり、
常に会場のどこかで何かを行なっています。
そのタイムスケジュールは優先順位が悩ましい、といった具合です。
ネイル雑誌で見かける有名なトップネイリストも大集合しています。
「あ、あの人知ってる!」的な盛り上がりや写真撮影などのシーンをしばしば見かけます。
そして、特筆すべき代表的なショーが
「ネイルクイーン授与式」です。
メディアでも取り上げられるので、こちらをご存知の方が多いのでは。
ネイルを愛する著名人が部門ごとに登場します。
昨年は、西野カナ、はるな愛、益若つばさ、ピンク・レディー、
山本裕典、LiLiCo、武田修宏、なでしこジャパン(敬称略)という豪華な面々でした。
ステージの盛り上がりはこれで最高潮を迎えます。
ちなみに私はこの時間、プロ部門のコンペに出場して必死の真っ最中です。
遠くからのワーとかキャーとかをかすかに聞いている感じです。
(いつかはゆっくり見学してみたい)
様々な盛り上がりを見せたイベントも、
最終日の夕方、全日本ネイリスト選手権の表彰式で幕を閉じます。
その頃には一般の方々はたくさんの戦利品を抱え帰路につき、
技術向上に燃えるプロネイリスト達が様々な思いを胸に終幕を迎えます。
運営スタッフも、主催であるネイリスト協会のスタッフと認定講師達です。
私たちにとっては、いわばお仲間。
「お疲れ様でした!」という気持ちいっぱいになります。
年に一度のネイルのお祭り、東京ネイルエキスポ。
11月18日と19日、東京ビックサイトにてです。
当日券は3000円、前売りや各方面による招待券の抽選もあるようです。
聞いたことはあるけど行ったことはない、という方、
ネイル好きならきっと損はしません。ぜひ今年は足を運んでみてください。
100円ショップやドラッグストアなどでも見かけるネイルグッズ。
「本当に使えるのはどれ?」とのご質問をいただきました。
今回は、本当に使えるプチプラネイルグッズについてのお話です。
正直なところ、私達プロになるとあまりそういった所でネイルグッズを買いません。
使用する材料道具類はすべてプロ会員制の専門商材屋さんで購入するからです。
私も実際にチェックすることすらしません。
プロがお客様に出せるものとして使えるものとは別物だからです。
もちろんお値段も普通の感覚よりはお高めになります。高品質高価格といいましょうか。
ただ今回のご質問をいただき、興味津々でチェックしてみました。
いやぁ、すごいんですねぇ。
いくら素人さん向けとはいえ、その充実ぶりに感心しました。
セルフネイルを楽しむには十分過ぎるほどのラインナップです。
ちょっと器用な人なら、わざわざサロンに行かなくても…と思えるほどでした。
実際のお写真や商品名を出すわけにはいかないので、
文章だけの説明となります。
わかりにくいかな、と心配もありますが、その点はご了承いただきたいと思います。
まず、マニキュア。
もうこれは「お好きな色を」と言うしかありません。
見たところ粗悪なものは少なく、色味も魅力的な物が多数あります。
プロとしては、発色と刷毛の質が気になるところですがセルフで使うのであればまったく問題なさそうです。
共通していえそうなのは、塗る量は多めにすると良さそうです。
一度塗りだと艶や発色がイマイチな感じです。
(ベースコート、トップコートもお忘れなく!)
在庫として長く置きすぎたせいか、
中身が分離して(多少は仕方ない)色が変色しかけているような物は避けましょう。
ラインストーン類もいいですね。ただし、大きさや形に注意です。
大きい物や型抜き(ハートやティアドロップなど)も見かけますが、
これらは爪に乗せると案外に大きかったり、カーブに馴染まず浮き上がったりします。
見た目は可愛いですが、密着や安定が悪いとすぐ取れてしまいます。
シャンプーのたびに髪の毛が引っかかる、なんてことも起こります。
小さなストーンで爪に無理なくフィットさせる方が良いでしょう。
次にシール。
これもたくさんあります。そして案外使えそうな物が多いですね。
おすすめなのは、フレンチラインを縁取るデザイン。
フレンチネイルはセルフでは難しく、なかなか楽しむことができませんが
このシールを先端に活用すれば簡単にフレンチデザインが楽しめます。
何より、ストーンや小さなラメがすでにオンされているので
シールを自爪のカーブやサイズに合わせることが出来れば、それでOKです。
塗ったベースマニキュアの表面が軽く乾いていればそのまま貼れます。
はみ出したりする部分は予めカットして、トップコートを多めに塗りましょう。
(一度にたっぷりというより、乾いたらまた塗っての重ね塗りがお勧めです)
ほかのシールもワンポイントで可愛く使えそうです。
コツはやはり大きすぎず、爪のカーブやサイズに合うものを選ぶことです。
あると便利なグッズは、ウッドスティックとエメリーボード(ネイルファイル)、速乾剤です。
ウッドスティックは、はみ出しをぬぐったりします。
大量のはみ出しには、スティックにコットンを少量巻きつけて除光液を染み込ませ拭い取ります。
その他、甘皮を押し上げたりストーンを取る時に使ったりと大活躍します。
エメリーボードやファイルは、爪を整えるほかにシールがはみ出ているところを削ったりできます。
また、汚れたウッドスティックをファイルで削り綺麗に整えなおすことも出来ます。
速乾剤もあるととても便利です。出来ればスプレータイプが使いやすいでしょう。
ネイルアートをするとどうしても厚塗りになるものです。
自然乾燥は時間もかかるし、その間に傷つけてしまったりとストレスの原因になります。ここでお薬の力を借りて、中から早く乾かす速乾剤をぜひ。
数秒で乾く、というほどのものではありませんが、自然乾燥より確実に早く乾きます。
それでは、逆にあまり必要ないかも、と思われる物も挙げてみましょう。
もちろんこれは私の意見ですから、ご参考の一つとしてお話します。
フレンチネイルを塗るためのシールがあります。
先ほどのデザインされた物とは別物で、
純粋に先端の白いマニキュア塗るガイドラインとなるマスキングテープのような物です。原理としてはその通りなのですが、手順としては手間がかかると思います。
まずガイドテープを貼るためには、ベースのマニキュアが完全に乾いていないとダメという点。
ベースを一晩近く完全に乾かし、テープを貼って白いマニキュアを塗りトップコートを塗る。またそれが乾くまで数時間…。
その手間を惜しまなければ良いと思います。
それから、大きい形のホログラム。ハートや蝶などの型抜きもありますね。
これらは案外に厚みもありフラットなので爪のカーブに合わせるのは難しくなかなか出番がないといことになりそうです。
これらが入ったマニキュアも注意が必要です。
それよりは、細かいラメや小さなホログラムの方が使いやすいと思います。
あくまでセルフネイルはご自分が楽しむものです。
「楽しい!」「キレイに出来た!」と思われればそれで大丈夫です。
サロンとプチプラネイルグッズを上手に掛け合わせるとなお良いかもしれませんね。
せっかくお金を出してサロンで綺麗にしてもらったネイル、
出来るだけ長く楽しみたいですよね。
今回はネイルを長く楽しむためのコツをお話しようと思います。
まずは反対に、ネイルをダメにしてしまいがちな行動を挙げてみます。
・指先ではなく爪の先を使ってしまう(シールをガリガリ剥がすなど)
・サウナやプールに頻繁に通う(週に2~3度)
・家事炊事においてゴム手袋を使う習慣がない
・1日の中でハンドクリームを塗らないこともある
・頻繁に指先にオイル分が付く(オイルマッサージをする職業など)
ネイルの敵は、外的衝撃と乾燥などによる荒れ、過剰な水分・油分です。
このウィークポイントを意識して守ってあげると持ちは格段に良くなると思われます。
・爪を立てる仕草はせず、指の腹や小物を利用する
(缶のプルタブは鍵などを使って開けたりします。面倒なようですが何事も習慣化すれば問題なしです)
・サウナやプール通いの習慣をネイリストに話し、強化した施術をしてもらう
・洗剤はもちろん水洗いでも出来るだけゴム手袋を使うよにする
(ネイルのためだけでなく、合成物のけい皮吸収も防げます。何より手全体が美しくなります)
・冬場でなくてもクリームを塗る習慣をつける
(しっとりした状態が通常であるよう慣らしましょう)
・油分の過剰な与えすぎは逆に剥がれやすくなる原因になるのでほどほどに
(ご職業柄などやむを得ない場合はネイリストに相談してみてください)
コツは「ちょっとしたこと」です。大切なのは、習慣化すること。
それが難しいのよね…というお声が聞こえてきそうですが
自分以外に出来る人はいないですものね。
美しい手とネイルに出会った時の惚れ惚れする気持ちと
人前に出すのをためらう状態の時の恥ずかしい気持ち、
思い出して発起しましょう。
すぐにでも出来る手軽なコツもあります。
1日1回、透明なマニキュアを上から塗ってみてください。
コーティングが重なることで持ちもよくなり、
ストーンなどがある場合は取れ難くなると思います。
爪の先がうっすら剥げかけてきたな…という時には
お手持ちのラメマニキュアを先端や全体に塗ってみましょう。
アラを隠すと同時に剥げ難いのでまたしばらくは楽しめるはずです。
違ったデザインになったようで新鮮味もあります。
ジェルネイルの時も同様です。
上から塗っても構わないので、
次回サロンへ行くまでの応急処置としてこのようにマニキュアを使用しても良いでしょう。
サロンでも気軽にネイリストにコツなどを聞いてみてください。
きっとアドバイスがもらえると思います。
ネイルに色は欠かせません。
お好みや流行の色やデザインで楽しむことが一番ですが、
色の力をもっと効果的に使ってみてはいかがでしょうか。
私はカラーセラピーを学んだことがあります。
きっかけは、色彩心理学をもとにセラピー効果をネイルサービスに交えてみたいと考えたからです。
残念ながら未だにメニューに取り入れるまでには至っていないのですが…(汗)。
とても面白かったので今回はこちらでお話しようと思います。
学んだとはいっても、本格的なお勉強とは程遠いので
あくまでネイリストの知識程度にご紹介します。
色には、心理が表れます。
特に、何となく気になる、という場合は深層心理を色が表現してくれていることが多いそうです。
そして、願望も色で表しモチベーションアップに繋げることが可能です。
その意味を持つ色を身につけることで脳への刺激が心理作用まで及ぶようです。
色がなぜそこまで作用するのか。
占いでもなんでもなく、色とは私たち人間が見ることのできる可視光線であり波動なんです。
色を視ることで、その波動(電磁波)が人体に影響を及ぼすことは科学的な常識のようです。
実際に赤色を身につけると体温が上がり、
青色を感じると副交感神経が優位になりリラックス状態になることはよく知られた事実ですね。
ネイルとして指先に色をつけることは、とても意味があることになります。
選んだ色が持つ意味を知って、ご自分の深層心理に理解を深めたり、
望む心理状態のサポートのために色を選んだり、と
もっとネイルを奥深く楽しんでみましょう。
色別におおまかにその代表的意味と期待できる作用をご紹介します。
色にはポジティブ・ネガティブの両面の意味がありますが
ここではポジティブな面にクローズアップします。
また、ジャンクステージ・ライターの坂本記視美代さん「虹色の魔法」では
プロのカラーセラピストによる興味深いお話がたくさんあります。
そちらもぜひご覧ください!
<ピンク>
女子っぽい色の代表です。お好きな方も多いですね。
女性ホルモンを活発にします。細やかな気配りができる手助けをします。
若返りが期待できますし、ロマンティックな気持ちを盛り上げます。
<ブルー>
理性を表す色です。冷静沈着な気持ちにしてくれます。
コミュニケーション力アップも期待できます。
<レッド>
情熱的で強さを感じさせる色です。頼りになる人、という印象にも繋がります。
<グリーン>
安定感を与えます。感受性の豊かさもアップさせます。
周囲との調和も叶えてくれます。
明るい黄緑は、フレッシュさの表れで新しいことへの挑戦の気持ちをアップします。
<イエロー>
明るく、知的好奇心をアップする色です。前向きな気持ちになれます。
<オレンジ>
陽気で人好きの気持ちを盛り上げます。明るく親しみやすい印象を与えます。
<パープル>
美意識の高さ、芸術性の高い色です。神秘的なイメージを与えます。
<ブラウン>
地に足の着いた安定感を感じる色です。また、身体の緊張を解放する作用もあるようです。
<ホワイト>
清らかで上品な印象を与えます。気位の高い気持ちの表れでもあります。
<ブラック>
ゆるぎない芯の強さを感じさせます。スタイリッシュなイメージです。
身を守る意味もあります。
みなさんがネイルをもっと楽しめますように!
(*上述の説明は私が個人的に知り得た情報をもとにしてます)