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2012/07/03

日本バスケットボール協会が昨年の12月より募集しておりました、2013年度の新リーグへの新規参入の審査が終わり、今日無事理事会を通過し、正式に参入が決定しました。参入のために必要なさまざまな資料提出は大変でしたが、心から嬉しいです。

2013年シーズンよりまずはBリーグで活動し、2年後の2015年シーズンから日本のトップリーグで東京ホームタウンの初の完全プロ運営のチームがスタートします。これからたくさんの方々の応援が必要になりますので、よろしくお願いします。

BリーグはこれまでのJBL2を中心に新規参入の東京エクセレンスを加え10チーム、年間32試合予定で、半分をホームゲームで行います。大田区と城南地区を本拠地として活動していきます。全国のファンにも支えられるまったく新しい形のプロチーム運営を目指します。

チームコンセプトは理念共有型のプロスポーツクラブ運営です。スポーツは文化であり、元気・感動・仲間・成長をすべての人に感じてもらう活動。これを理念にし、この理念を共有するスタッフ、チーム、地域、ファン、スポンサーで創られるチームです。まずは運営スタッフの人選から開始です。

チームはわたしが今監督をやっているクラブチーム「エクセレンス」を傘下におく、新しいトッププロチーム「東京エクセレンス」になります。

近いうちに正式にメディアリリースあるいは記者会見を開きたいと思います。HPでもコメントを動画でアップしますのでお待ちください。HPやわたしのフェイスブック、あるいはメルマガをチェックしていてください。

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エミネクロス代表
スポーツドクター 辻秀一

05:54 | tsuji | 新リーグにわたしのプロバスケットボールチーム「東京エクセレンス」が参入決定! はコメントを受け付けていません
2012/06/29

いよいよ独立です。
しかし、実際の生業をどのようにしていくのかの当てもなく始まることになりました。
まず考えた生業の柱は3つです。

1つはスポーツ選手を対象にした、総合的サポートの仕事。
とりあえずスポーツドクターの看板で、メンタルトレーニングを柱にして、スポーツ栄養学や体のケアやトレーニングなどの専門家たちと連携して行うものです。それぞれの専門家のクライアントを共有してアスリートをサポートしていければいいと思いたちました。実際にはアスリートたちは世の中にごまんといますが、生業にしていくのはそう簡単なことではありません。知っているつてを使って、少しずつ口コミをしていくことを目指していました。

おもに大学体育会のチームを中心にサポートが始まりました。大学の体育会の中ではそこそこ私の名前が売れはじめていたからです。ラクロス界と慶應大学体育会が中心でした。

その頃サポートしていたのが、ライフセーバーの佐藤文机子でした。その後彼女は全日本10連覇、世界選手権3位などの輝かしい成績を収めてくれたアスリートの1人です。今は子供ができ一線は退いていますが、ライフセイビング協会にかかわっています。

2つ目の生業は講演会です。
学校やスポーツ関係からの依頼で少しずつ講演会がありました。しかし、営業部隊がいるわけでもなく、待っているだけでしたので、増えることもなく、今の10分の1程度だったように思います。1回の講演単価も今の10分の1でした(笑)。

最後の3つ目の生業のアイディアがユニークでした。
前回登場したクラッシャーこと東野コーチと何か一緒にできないだろうかと考えました。上記2つの活動には関われません。アスリートサポートでは出番はありませんし、講演会はわたしがいれば何とかなります。そこで思いついたアイディアがバスケ好きだし、バスケのキッズのアカデミーをやろうと。

子供のバスケ塾を始めることにしたのです。
バスケ塾といっても、バスケのスキルだけをガンガン教える塾ではなく、バスケを通じて人間性を育むような新しいスポーツ塾です。まず必要なのが体育館。体育館探しからはじまりました。今でも体育館探しには苦労しますが、なかなか見つからず大変苦労したのを思い出します。わたしが医者として唯一関係を保っていた北里研究所に古い体育館があるのを発見し、そこを週1回お借りすることにしたのです。後は子供たちをどのように集めるか・・・・。今ほどソーシャルメディアが発達していない時代でしたから、まずは港区の区報に案内をすることになりました。

そこから、いろいろなドラマが生まれていきます。出会いのドラマやアイディアのドラマ、ビジネスのドラマなどなど。
子供のスポーツ塾の名前は「チームエミネクロス」。

続きは次回をお楽しみに。

10:58 | tsuji | 生業(辻秀一物語第 17回) はコメントを受け付けていません
2012/05/21

フィスブックがNYで上場されました。

ハーバードの天才学生が世界に経済の面でもデビューした瞬間です。ほんと凄いですね。
さて、みなさんはフェイスブックをご利用ですか?フェイスブックをどのように利用されていますか?ミクシーやツイッターも流行りましたが、やや下火になってきました。フェイスブックはどうでしょうか?
わたしは個人的にはフェイスブックですでに友達1200人くらいいますし、ホームページ以外にもフェイスブックページをこの度始めましたが、自分自身はまだ最大活用できていません。ただ、わたしの仕事柄このフェイスブックがとてもいいなと思っている事があります。

わたしは応用スポーツ心理学をベースに、心の状態を揺らがず・とらわれず、余裕のある状態(Flow)に切り替えられるための脳(ライフスキル)を鍛えるのが専門です。朝から晩まで1年365日おかげさまで、ビジネスマンから音楽家、アスリート、経営者までにトレーニングしているのですが、このライフスキルがスキル化するには原則があります。知識・実践・シェアの3原則なんです。特にライフスキルは脳の実践(考える、気づく、選ぶ、決める)によって生じた心の変化や感じをシェアしていくことによって磨かれていくのです。昔の日本はこの分かち合う団らんが比較的あったので、ライフスキルが自然にはぐくまれていたのだと思います。

しかし、現代においてはどの人もスキル化のプロセスで、このシェア、分かち合うことが難しく、このフェイズが弱いように思います。
そこで現代版のシェアの仕組みとしてフェイスブック登場です。
私がもっとも力を入れているトレーニングである年間3回のワークショップの受講生ではこのシェアを仕組みにするためにフェイスブックを利用しています。通常のフェイスブックでは出来事ややったことなどを書き込んでいますが、そうではなく、実際に実践したライフスキルとそれによって感じたことや変化した心の状態を書き込むようにしています。その感情や気分・気持ちを書き込みシェアしながら、敢えてライフスキルを育むレッスンの場としてフェイスブックを活用しています。

コンサルタントの会社“船井総研”ではライフスキルのトレーニングを受けたフローリーダーたちでフェイスブックのコミュニティーを作って日々、実践と体感をシェアするようにしています。講義をしただけの時と、その後もフェイスブックを利用してシェアしている時ではライフスキルのスキル化の度合いやスピードに差があるように思います。

そんなフェイスブックも現代版団らんとして利用価値があるのではないかと個人的には思っています。
フェイスブックは顔が見えるのでこの団らんが作りやすい現代の知恵になる?今後どうなっていくのか楽しみです・・・。

私の公式フェイスブックページがオープンしましたので、ぜひご覧ください。

http://www.facebook.com/sportsdoctor.tsujishuichi

11:29 | tsuji | 【ドクター辻の時代に一言 】 第5回“フェイスブック”に一言 はコメントを受け付けていません
2012/05/21

フィスブックがNYで上場されました。

ハーバードの天才学生が世界に経済の面でもデビューした瞬間です。ほんと凄いですね。
さて、みなさんはフェイスブックをご利用ですか?フェイスブックをどのように利用されていますか?ミクシーやツイッターも流行りましたが、やや下火になってきました。フェイスブックはどうでしょうか?
わたしは個人的にはフェイスブックですでに友達1200人くらいいますし、ホームページ以外にもフェイスブックページをこの度始めましたが、自分自身はまだ最大活用できていません。ただ、わたしの仕事柄このフェイスブックがとてもいいなと思っている事があります。

わたしは応用スポーツ心理学をベースに、心の状態を揺らがず・とらわれず、余裕のある状態(Flow)に切り替えられるための脳(ライフスキル)を鍛えるのが専門です。朝から晩まで1年365日おかげさまで、ビジネスマンから音楽家、アスリート、経営者までにトレーニングしているのですが、このライフスキルがスキル化するには原則があります。知識・実践・シェアの3原則なんです。特にライフスキルは脳の実践(考える、気づく、選ぶ、決める)によって生じた心の変化や感じをシェアしていくことによって磨かれていくのです。昔の日本はこの分かち合う団らんが比較的あったので、ライフスキルが自然にはぐくまれていたのだと思います。

しかし、現代においてはどの人もスキル化のプロセスで、このシェア、分かち合うことが難しく、このフェイズが弱いように思います。
そこで現代版のシェアの仕組みとしてフェイスブック登場です。
私がもっとも力を入れているトレーニングである年間3回のワークショップの受講生ではこのシェアを仕組みにするためにフェイスブックを利用しています。通常のフェイスブックでは出来事ややったことなどを書き込んでいますが、そうではなく、実際に実践したライフスキルとそれによって感じたことや変化した心の状態を書き込むようにしています。その感情や気分・気持ちを書き込みシェアしながら、敢えてライフスキルを育むレッスンの場としてフェイスブックを活用しています。

コンサルタントの会社“船井総研”ではライフスキルのトレーニングを受けたフローリーダーたちでフェイスブックのコミュニティーを作って日々、実践と体感をシェアするようにしています。講義をしただけの時と、その後もフェイスブックを利用してシェアしている時ではライフスキルのスキル化の度合いやスピードに差があるように思います。

そんなフェイスブックも現代版団らんとして利用価値があるのではないかと個人的には思っています。
フェイスブックは顔が見えるのでこの団らんが作りやすい現代の知恵になる?今後どうなっていくのか楽しみです・・・。

11:29 | tsuji | 【ドクター辻の時代に一言 】 第5回“フェイスブック”に一言 はコメントを受け付けていません
2012/04/18

独立を決定づけた出会いはバスケットボールのプロコーチ、東野智弥氏に出会ったこと。慶應バスケのトレーナーをしていた桑井太陽君の紹介で当時は三井生命のアシスタントコーチをしていた通称クラッシャーに渋谷で代々木第2の試合の後あったのです。初めて会いましたが、すぐに意気投合して、バスケの可能性や人とは何なのかとか心の話をしました。

それまで独立して、会社を設立するのか、クリニックを開業したらいいのかなどなど悩んでいましたが、なぜかそんな形式はどうでもいいと思うようになったのはその時にクラッシャーと話してからだと記憶しています。その頃、ユニークな独自のスポーツクリニックをとりあえず開業しようと、トレーナーや栄養士のメンバーと毎晩打ち合わせをしていました。そこにもクラッシャーに参加してもらい、クラッシャーと何か一緒にできることはないかと模索しはじめます。そこで思い立ったのが、スポーツの教育性。スポーツを診るという医療から、「スポーツで診る」という活動に切り替えたのです。スポーツの持つ価値でたくさんの人に役に立ち、パッチアダムスのように人のQOLに貢献できるのではれば、それも広い意味で医療だと確信したのです。そこで会社も立ち上げ、子供たちのためのバスケ塾「チームエミネクロス」を生業の1つとして始めることにしました。スポーツクリニック的な要素とバスケ塾の共存する活動です。わけもわからず無我夢中で始めたように思います。今考えると事業計画などまったくなくやみくもに情熱だけでスタートしました。

その後、コーチクラッシャーは優秀なコーチなので、ブロンコスのヘッドコーチ、トヨタのアシスタントコーチ、レラカムイのヘッドコーチを経て、全日本のアシスタントコーチを今はやっています。早稲田の大学院も卒業して、優秀な卒論が表彰もされているほどです。今はそれぞれの道を歩いていますが、クラッシャーとの出会いがなければ今のわたしはないと言っても過言ではありません。感謝。グラッツェ!

そして、ついに独立して、さらなるいばらの道が始まることになるのです。今思うと苦労の連続がスタートします。その後のストーリーもお楽しみに。

09:35 | tsuji | 出会いその2((辻秀一物語第 16回)) はコメントを受け付けていません
2012/03/30

ロンドンオリンピック代表を逃しました。残念です。

川内選手の素晴らしいところは、一言でいえば内発的動機。たいていの人は外発的動機、すなわち外側にある条件で動いています。お金がもらえるから、コーチが見ているから、試合が近いから、などなどです。

一方、内発的動機で生きている人は、そんな外側にあるような理由や条件は一切お構いなしに、自分の心のために活動・行動を起こすような脳の使い方を常時しています。このような脳をライフスキル脳と云います。
例えば、一生懸命にやることが楽しいからやる。理由などなく、ただただ一生懸命が楽しいから走る。走ることが好きだから走る。理屈などなくただ走ることが好き。新しい発見や変化が楽しいから走る。結果がどうのこうのなどなく、ただただ走ることに動機づけがあるのです。それが川内選手。川内選手こそ内発的動機の権化様のような印象を受けていました。スラムダンクでいえば桜木花道です。

マスコミはじめほとんどの人は外的条件が重視なので、公務員をしながら大丈夫ですかとか、公務員で忙しいですねとか、サポートがなくて大丈夫なのかなどなど、を質問してきますし、それを報道しています。川内君はそんな条件のことなど言われても、すごいとか関係ないなどと全く考えているのではなく、とにかく内発的動機で走っている。ただそれだけなのです。

ところが、東京マラソンのときには、さすがの川内選手もタイムや結果のために走ると、外部条件を初めて大きく口にして大会に臨んだように思います。7分台を出すとか、7分台でないとオリンピックメンバーにはなれないとか、いつもの川内選手らしからぬコメントが多発していました。プロセスを大事にする内発的動機から結果を大事にする外発的動機にシフトチェンジしてしまったのです。外発的動機をエネルギー源にすると、外側の状況に揺らぎととらわれが起きるので、人間のパフォーマンスは低下します。内発的動機で動いていた人から普通の人になってしまったのです。今回、東京マラソンにて2時間7分台で優勝し見事ロンドンオリンピックの代表に輝いた藤原新選手も内発的動機で走っているように感じました。川内選手も今回の大会で初心に戻れば復活すると思います。川内選手はもともと内発的動機で走っていたアスリートだから・・・。

今回東京マラソンで敗れた後、しばらく「みなさん、すいません」の言葉が多く、意識が確実に外側に向いていて、結果重視になっていた証拠です。しかし、それからしばらくしてオリンピック出場が正式に無理だと分かったときのインタビューで、こう答えたのが印象的でした。「最近、すいませんばかり言ってましたが、まずはありがとうって自分のために言わないといけなって気づきました!」と。再び内発的動機で動き出した川内選手のこれからが楽しみです。

01:20 | tsuji | 【ドクター辻の時代に一言 】 第4回“川内優輝選手”に一言 はコメントを受け付けていません
2012/01/25

独立しようと悩んでいたときに、患者さんを診たいわけではないので開業するでもなし、経営して儲けたいわけでもないので起業したいわけでもなく悩んでいました。

そんな時にパッチアダムスの映画を観たのです。ロビンウイリアムスが主演しているのですが、実在する人物のノンフィクション映画です。赤いボールを鼻に付けてたくさんの人たちを笑わすドクターの話です。人は見えないQOLで生きているという強いメッセージのある映画でした。

人は見えるものや数値化できるものばかりに囚われているけれど、本当に大事なのはその人がどんな気持ちで生きているのかということなのだと!QOL(クォリティーオブライフ)という言葉がわたしの心を打ちました。医療の世界でもドクターは患者さんのQOLではなく、コレステロールの数字か病気・症状を診ているだけで、患者さんそのものを診てくれるドクターは少ないと・・・。数字はその人のQOLを反映してないし、患者さんの名前すら知らずに病気と対峙しているのだと主張します。人そのもの、つまり心とか感じることに向き合おうという強烈なメッセージをわたしたちに発しているドクターでした。

しかし、アメリカでもそんなのは医者の仕事ではないとバッシングを受けます。医者は権威の存在で、病気を治すために存在しているのだ。QOLは医療じゃないし、笑いなどもっての他である。患者は友達だというパッチアダムスの主張にも、そんなのは医者じゃないと全否定されていきます。

しかし、そんな社会の中、QOLの大切さを主張し続けるパッチアダムス。次第に彼の理解者が世の中に増えていくのです。今ではウエストバージニアに「お元気で病院」という名前のゲズントハイト・インスティテュートを理解者たちとともに設立して活動されています。全世界に賛同者がいらっしゃいます。

わたしの人生のミッションはこれだと気づいたのです。ドクターとして人や社会のQOLをサポートしていくことをテーマに仕事をしていこうと決めました。開業や企業など形式はどうでもいい、QOLのためにできることをしていこうと!とにかくこのテーマで生きていこうと!

パッチアダムスは笑いが大きな手段でQOLをテーマにされています。わたしも笑いを手段に????そうわたしはパッチアダムスにとっての笑いがスポーツなのだともこの時気づきます。だから、スポーツ心理学なんだ、だからスラムダンクなんだ、などいろいろ整理されていくのです。そして独立を最終的に決断させるある人物との出会いが起こります。

01:56 | tsuji | 出会いその1(辻秀一物語第 15回) はコメントを受け付けていません
2011/12/20

わたしは兼ねてより、すべての仕事は作品で、自分もアーティストだと言って働いている。そんな思いの中、最近かの有名なアップルのスティーブ・ジョブズが亡くなった。スティーブ・ジョブズといえば、まさにアーティストとして働き生きたビジネスマンではないだろうか?彼の伝記をさっそく感銘しながら読んだ。彼は独裁者、鬼才、奇人などいろいろな側面を有する一言では到底語りきれないキャラクターだということがわかるが、間違いなくアーティストだったといえるのではないかと改めて感じた。

この書籍の中で彼自身が語った言葉で印象的なものを紹介する。

まずは30歳の誕生日にプレイボーイ誌へのインタビューに答えたものだ。
『精神に組まれた足場のように、思考はパターンを構成します。実際、科学的なパターンが刻み込まれてゆくのです。ほとんどの人は、レコードの溝のようにこのパターンにとらわれてしまい、そこから出られなくなってしまいます。アーティストとして、創造的な人生を送りたいと思うなら、あまり過去をふり返るのはよくありません。自分がしてきたこと、自分という人間をそのまま受け入れ、それを捨て去らなければならないのです。自分のイメージを強化する外界の圧力が強くなればなるほど、アーティストであり続けることは困難になります。だから、多くのアーティストが「さようなら。もう行かなきゃ。気が狂いそうだからもうやめるわ」と言ってどこかに隠れてしまうのです。』
アーティストとしてのこだわりと、それを貫くことの難しさを主張している。年齢と外界からの圧力により、ほとんどの人はとらわれ、自由な創造性のアーティストから身を引いていくのだという現状をずばりついているのに心から同感せざるをえない。

次にiPodを世の中に出した頃のコメントも素晴らしい!
『僕は、年を取るほど、モチベーションが大事だと思うようになった。通常の仕事のほとんどがお粗末なのは、アップルと違って音楽や芸術を本当には愛していないからだ。アップルが勝ったのは、僕ら一人ひとりが音楽を大好きだったから。みんな、iPodを自分のために作ったんだ。自分のため、あるいは自分の友だちや家族のために努力するなら、適当をかましたりしない。大好きじゃなければ、もう少しだけがんばるなんてできない。もう一週間とがんばれやしない。音楽を大好きな人と同じだけ、現状を何とかしようと努力なんてできないんだ。』
好きな仕事をする。仕事を好きになる。好きを大事にビジネスをする。好きこそがビジネスに必要な条件の1つ。好きでやるものが勝つ。好きの価値は自然と生活や仕事の中で薄れていく。好きを大事に生きることが成功を生むのだという彼の信念に心から同感したい。

ちなみに、わたしが発行しているメールマガジン(http://www.doctor-tsuji.com/mailmaga/)で『すべての人はアーティストとして働く!』というタイトルの作品をつい先日送ったので、それを最後にご紹介する。
『わたしは”わたしのすべての仕事は作品だ”と考えて毎日生きています。 したがって、私はドクターでもありますし、会社の経営者でもありますが、自分をアーティストだと思って日々生きています。

さて、実はわたしはすべての人もアーティスト、すべての仕事はアートだと考えています。
先日ブルーノートにスタッフと訪れた際にそのことを確信しました。素晴らしいギタリストとピアニストの演奏を聴きながら心が豊かになりました。その豊かさにわたしたちはお金を払いました。
演奏家の2人はもちろんアーティストですが、その晩は演奏という仕事をして彼らはお金をもらいました。
彼らの活動は仕事なのでしょうか?アートなのでしょうか?どちらでもありません、区別などないのです。

誰かの心を豊かにするのがアートであり、仕事だと思うのです。
演奏の直前に美味しい食事をすることができたので、厨房にいるコックさんもお給料をもらって働いていますが、彼もアーティストです。演奏の間にお客さんが心地よく聴いたり食べたりできるように気を配っているウエイトレスの女性たちも、だからアーティストだし、汚れたお皿を下げてなくなったグラスにワインを注ぐのも仕事ではなくアート。それによりお客さんの気分は豊かになるのですから。
音楽家だけがアーティストじゃないんです。演奏する2人の音楽家がトイレに行って気持ちよくトイレを済ませることができたのも、結局は誰かに豊かな心をもたらせるために掃除をしてくれたおばさんのアートなのです。
演奏家もコックもウエイトレスも掃除の方もみな人の心を豊かにするために生きているアーティストなのです。そう、すべての人は誰かの心を豊かに気持ちよくするために、生きている、働いているので、それはすべてアートをしているアーティストなのです。
もしかしたら、機嫌よく生きているだけで誰かが喜び心豊かになるならそれだけでアートだと思います。

そして、どの人も自分がアーティストだとわかれば、どうやったらもっと多くの人にあるいはたった一人でももっと喜んでもらうにはどうしたらいいかを考え自分を磨こうとするに違いありません。
誰もがアーティストとして自分を磨いていくこと、それが生きる意味です。そして、自分を磨くことは一生続いていくのです。アーティストとしての価値はどれくらいの対価をもらっているのかではなく、自分が生きることによって誰かの心を豊かにしているのかということで決まります。
それは決して定量化できるものでもありません。アートなのですから。。。すべての人はアーティストとして、生まれてきているのです。それだけで存在価値があるのです。

アーティストして生きましょう。仕事をアートと思いましょう。
お給料の見方も変わるはず。働かされていることなどありません。どんな人も自分のアートを表現しているのですからね。自分を磨き、自分を表現し、自分のできることで、誰かの心の豊かさや気持ちよさを創出して生きる。その”生きる”をすべての人に享受してほしと心から願います。』

以上がメルマガの内容だ。

このJunkStageに投稿するすべてのブロガーはもちろん、読んでいるすべての人がアーティストだということを知ってほしい。

10:20 | tsuji | 【ドクター辻の時代に一言 】 第3回“スティーブ・ジョブズ”に一言 はコメントを受け付けていません
2011/10/13

スラムダンク勝利学が出版されることにもなり、独立をどうやってするのか悩んでいました。大学の研究室では、スラムダンク勝利学の誕生はわたしの個人プレイのように理解されて、先輩からの風当たりがとても強くなってしまったのです。『辻が独立しても大学の名前がバックにないところにはスポーツ選手はもちろん誰も来ない』と言われてしまいました・・・。カチンとも来ましたが、どんな形で独立すればいいのかわたしもわかりませんでした。

そこで少し悩んだのですが、思い切って大学をまず辞めて、そこで本当に自分はどうしたいのかを考えればいいのではないかと再び大学を辞職することにしたのです。長女が小学校の受験をする直前の頃だったので、実は家内にも言えず、数日は大学に行ってくると言って喫茶店で1日中、時間を潰していました。リストラされたサラリーマンのようですね。今思えば・・。やるせない1日でしたが、その頃も喫茶でメントレをしていたのを今でも思い出します。来てくれた選手たちありがとう!

3日後くらいに思い切って家内に辞めてしまったことを伝えると、『また頑張れないいじゃない』と応援してくれ心の底からホットしたことを今でも思い出します。家内には一生頭が上がりません。感謝です。無職はまずいので、父が東海大学医学部の移植免疫学の教授だったので、東海大学に頼んで親父の研究室の研究員として無給で席だけおいてもらうことにして1年間独立の準備にとりかかりました。週末だけ当直に行ったりして食いつないでいました。

しかし、慶應いる頃にはできなかったいろいろな選手たちへのメントレや講演会を目一杯受けることにしました。スポーツ心理学に関する書籍を読みまくりました。この頃の経験がわたしのメントレの知識とアイディアの基礎といっても過言ではありません。結果的にありがたい1年だったのです。スラムダンク勝利学の出版は決まっていましたが、まだ世に出る前の年です。父の研究室は免疫や遺伝子といったことを研究しているのですが、その研究室で1人だけ書籍や講演会の準備の資料つくりをしていた当時のことを思い出します。完璧に研究室では浮いてましたね。当たり前ですが。

独立といっても、会社を作って起業すればいいのか、開業するのか?どうすればいいのかさっぱり分からず悩んでいました。患者さんを診るクリニックをやりたいわけじゃないし、だからといって会社を創って儲けたいわけでもない・・・。イメージはいろいろな人のメンタルサポートとスポーツのよりよい環境づくりみたいなことがしたいんだと。とにかくユニークなスポーツクリニックをやって、そこにくれば元気になってパフォーマーンスがあがるという前例のない施設をはじめようと思いはじめていました。

独立の準備をしているこの1年にわたしの今の人生に影響を与える出会いが2つあり、独立を決心させることになります。次回はその2人の人物との出会いと、独立のころの話をしたいと思います。

ホームページがリニューアルされました。ぜひご覧ください!!
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11:39 | tsuji | 独立前の苦悩の1年(辻秀一物語第 14回) はコメントを受け付けていません
2011/08/15

最近の大きな出来事で言えばまさに「なでしこJAPANの世界一」。これはまさにいい心の状態でパフォーマンスが発揮できた、私のことばで言うとフローだったと思います。

いろんな場面で気づくことがあるかと思いますが、簡単な例で言うと最後のPKのシーンでの日本の雰囲気です。佐々木監督をはじめ、みんなが笑顔で、楽しそうでした。まさにこういう雰囲気がフローです。楽しそうだけどふざけている訳ではなく、“何をするか”がきちんと脳で明確です。上手く認知の脳が働きつつ、楽しいという心の状態、すなわち“揺らがず・とらわれず”(フロー)な感覚を、主に表情というツールを使いながらつくっていました。
自然につくり出したと思うのですが、自然につくり出せるくらい、普段から表情を大事にすることの価値をみんなが体感していたと思うし、楽しいということは決してふざけている時のことだけではなく、自分たちのパフォーマンスを最大に出していく“フロー”、になることを日ごろから大事にしていたのではないかと思います。

最後のシーンになった時に佐々木監督が突然「楽しもうぜ!」と言ったところで出来ないだろうし、選手も「何のことだろう?」と思ってしまうでしょう。しかし普段からそういうことの重要性をわかっていることが、あの場面でも行われた、すなわち心をまず大事にするということ(サッカーの長谷部選手も「心を整える」という本も出していますが、)が象徴されたシーンだと思います。
一方、日本の心エントリーな雰囲気に比べて、アメリカは世界ランキング1位・今まで日本に負けたことがない・勝てる試合で2回も追いつかれている・絶対負けることができないなど、結果エントリーになってしまっており、揺らぎ・とらわれている印象を受けました。その状態だと最高のPKをすることも出来ないし、キーパーも抑えなければ・選手たちも入れなければ、という結果エントリーの思考が揺らぎととらわれを生み、ノンフロー状態で結果を出せなかったのではないでしょうか。

日頃からライフスキルという脳の使い方を磨くことによって、ああいう状況を創りだせるということをイメージできることは、すごく象徴的なシーンだったと思います。

その他、なでしこJAPANからわかるライフスキルは、“好きを大事にする”“今に生きる”“一生懸命を楽しむ”などです。結果を出さなければいけない場面で急にこういった脳の使い方をするのではなく、普段から練習して習慣化していたらこそ、あの場面で発揮されたのではないかと思います。

なでしこJAPANにはなることができませんが、ライフスキルを皆さんも磨けばよいパフォーマンスがあなたにもやってくるでしょう。是非こういう脳の使い方を日ごろから意識していただきたいな、と思います。

11:21 | tsuji | 【ドクター辻の時代に一言 】 第2回 “なでしこJAPAN”に一言 はコメントを受け付けていません

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