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2012/04/24

茶髪細マユゲ、上下紺色蛍光オレンジ線入りジャージの若い男がタバコを吸って、ダッシュボードに足を乗せてふんぞり返り助手席に座り、女性に運転をさせている光景を見ることほどハラの立つことはない。

男のほうは、コイツが運転して当たり前、オレ疲れてるからさ、ちょっと飲んじゃったし。という顔をしている。

こういう車をみると、即座にその車に火炎瓶を投げたくなる。あいにく、わが国にはどこのご家庭にも火炎瓶はないし、コンビニで気軽に手に入ることもないので、わたしは黙ってコラムを書いている。

運転している女性は20代。ストレートのロングヘア。化粧がうまいが、もともとの顔もそれほど悪くない。たまにワガママな一面も見せるが普段は優しくて笑顔がステキな美人系。

なぜ彼女はこんあアホ男と付き合ってしまったのだろうか。もしくは、なにかの罰ゲームなのか、しかるべき機関の研究実験なのだろうか。

動物本能的に考えると、メスは自分の子孫を残すべくオスを選び、その基準は強くて丈夫な子が産める優秀な遺伝子を持ったオスというところが第一である。助手席男はただ健康なだけであとは世の中に迷惑をかけるし、アホなだけだと思うので、女性の男性選定本能というのは現代社会の暗黒の渦に揉まれてくるってしまておるのではないか、と考え、夜も眠れなくなる。

 

まぁ、だまされているのだろう、と思って寝てしまうのだが、こういうカップルがそのままデキチャッタ結婚なんかをして親不孝的に暮らし始めるとその早期離婚率は高い。その理由は以下に述べる説(小林 2012)が有力だ。

アホ男は20代。女性は20代前半。女性の名前はヨシエという。ヨシエは23の時にアホ男の子供が出来て結婚。初めは幸せだったが、最近夫の愛を感じない。昔は家のことも手伝ってくれたが、最近は仕事から帰ってきても靴下を脱ぎ捨てビールを飲んで寝てしまう。子供の面倒も見ない。休日はパチンコに行き、ムダ銭ばかり使っている。

しかし、こんなもんだ結婚なんて。私の救いは3歳になる息子だけだわ。この子のおかげで私は幸せ。ヨシエはそう思ってあきらめているが、最近夫が浮気しているように思える。まだ30歳にもならない夫。他の女性に目が行くのもうなずける。

そんな疑惑を持ちつつもヨシエは日々家のことやママ友お食事会などをして暮らす。しかしある日ママ友経由で夫の浮気が発覚。問い詰めると大喧嘩になり夫は暴力を振るうようになり、晴れて離婚成立。以上簡単ながら離婚への経緯と変えさせていただきます。ご清聴ありがとうございました。

             

まぁ、離婚しないにしても、アホ夫のほうはアホなりに鉄鋼場などに勤め、景気のいい鉄鋼場なもんだからそこそこの稼ぎはある。ある日、工場長に「オマエ、バカだけどなかなか手先が器用だな、オレが教えてやっから、明日から研磨のほうで主任やれ」「エ、マジっすか、あざーす!」

などといわれ、給料アップ。お祝いに家族で外食に行く。しかしバカだからマナーが悪くて頼んだチューハイに対して「コレ、アルコール薄くね?シャレにナンネーヨ!」とか命令口調で店員を困らせる。5歳になった息子はすでに茶髪で後ろ髪を伸ばし、ヤンキーの素質がたっぷり。そいつはテーブルの上に乗ったり、イスの下を汚したりでやりたい放題だ。しまいには仮面ライダーのまねをしてコップをひっくり返して、テーブルは大惨事。

てめぇ!いい加減にしろ!殺すぞボケェ!!

っと、アホ夫が怒り狂って大きな声を出し、息子の頭を殴る。周りの客はビックリしている。隣の席のオババなんかは、さっきからずっとしかめっ面だ。しかしそんなこと息子にとっては日常的なこと。メシを食ったりションベンをするのと同じ感覚なので、殴られてもケロリとした表情で、泣きもせず反省もしない。

わが国の崩壊をリアルタイムで見ているようで悲しくなる。いっそのこと日本全て海に沈んで一国総消滅でもして他の諸国にお詫びしたいキモチだ。

ではアホ夫ではなく、頭のいいエリート夫はどうか。こーいう人って割とブサイクと結婚してブサイクな子供を生み落とすことが多い傾向にある。しかし、息子あるいは娘は幼少の頃から、いい大学に入りいい企業に入るため習い事漬け。マニュアル詰め込みで、いざ大変なときになにも出来ないオロオロ人間になる。通常時は人の気持ちや痛みを感じることが出来ない目先の自分の利益最優先型の人間。やはりわが国を滅ぼす。

                                     

そんなことを考え、2階のレンタルDVDで洋画を借りて、そのまま1階の本屋で本を買ったら、本をレジに出す時に、本ではなく2階で借りたDVDのほうをレジに出してしまったではないか!

「あ、えっと、そちらの本のほうでは?」

っと店員のオバサンに言われた。はずかしかった。

店員が車を運転していた美人系女子だったら、恥ずかしすぎて本屋もろとも火炎瓶を投げつけて燃やしてやるところだった。

おれもこうして日本をダメにしているのだろうか。。。

02:13 | kobayashi | おろかな若者 はコメントを受け付けていません
2012/04/18

最近すごく良くて、みなさんにぜひオススメしたい映画を見つけましてね、

「タイタニック」

ってご存知ですか?

                    

っとまぁ、どこかの漫才師(←おれ結構ファンですきなんだよね)のような始まりですが、タイタニックの3Dを見てきた。いい映画っすね。

タイタニックが上映されたのはボクは大学か高校生の頃だったと思う。トゲトゲシイ生活を送っていた多感なころだったので、こんな恋愛モノ見てたまるか!と思って映画館には見に行かなかったことを覚えている。一緒に見に行く相手もいなかったことを思い出す(涙)

タイタニックを見たのはずっと後のレンタルが始まってから。当時はまだDVDではなく2本組みのビデオをレンタルしてきて見た気がする。実はボクらグループは本家「タイタニック」よりも先に友人のS君がどこからか闇のルートで入手した「パイパニック」のほうを楽しみに見ていた気がする…、いや、多感な時期だったからね。。。

んで、3Dでやってるっつーもんだから昨日行ってきたっつーわけです。メガネをかけて。デカプリオが好青年で、相手のネエチャンも美人だった。

若い頃よりオノレは成長しているので、いろいろな目でタイタニックを見れて、昔とは違うぞ、昨日の我は今日の我にあらず、みたいな気分になった。よくできた映画ですね。上から目線ですまないが、良い演出だね。

見終わった後、自分が船に乗っていて、沈没して寒くて冷たい海に放り出されたらどうするか、という話しになった。同行者は、怖いし苦しいから早く死にたいと言った。同行者は海が好きで、元水泳選手なのに、海で泳ぐのはゼッタイキライ。海は足が付かなくて怖いからだそうだ。

わかる気がする。タイタニックの演出に一役かっているのが、海の広大さと怖さです。広くて深い海を前にして一人の人間など何もできない。

水族館での水槽の見せ方(魅せ方)で注目なのはこの海の広大さがある。と師匠に教わった。

(写真:たぶんアクアマリンふくしまの水槽)大きな水槽にドデン、と魚を泳がすスタイルから本格的に海をココロにぶつけて感じさせるスタイルを本格的に使用したのは神奈川の新江ノ島水族館の相模湾水槽だと思う。

(写真:新江ノ島水族館の水槽)

初めて見たとき、その深さ(実際にはそれほど深くない)や怖さ(実際にはそんなに怖くない)や、そう感じさせる技法に思考回路が止まり、しばらくボーっ眺めていた。

この水槽のコンセプトやネライはまさにその通りで海の怖さを知らしめるような水槽。深くて底が見えない海(川もそうだよね、淵とか。)っつーのは下に海坊主やカッパなどのモノノケ魑魅魍魎物体が潜んでいて、足をつかまれたら終わり、という感情に恐れオノノク。そのような恐れなどから神話が生まれアミニズムの文化が生まれるのだという。

(写真:アクアマリンふくしま)

海の偉大さ、怖さ、神秘、美しさを感じさせる水槽ってのは人々を魅了し惹きつけます。

(写真:サンシャイン水族館)

これを作る最高級の技法や知恵をもっているのは我々の師匠なので、門下生達はその技を伝授してもらうのに必死です。これを「水塊」という。「水塊」を感じる水槽は、人々を魅了し、心にメッセージを伝えることができるベストオブ水槽。

(写真:八景島)

海を感じさせる水槽ってのは写真のような大きな水槽が基本なので、ボクは今、100~300リットルくらいの小さな水槽で海や水の世界をバスバス感じさせられる水槽を作るにはどうすればいいか、てことを毎日考えて館内をフラフラしています。お客さんから見たらヒマで歩いている飼育員にしか見えんでしょうけど、悩んで考えているのだ。

「タテジマキンチャクダイはサンゴ礁付近に生息し、幼魚と成魚ではその体色が著しく異なります」

という水族館の感じ方よりも、

「うぉ!すげぇ!キレイだなぁ、みんな楽しそうに泳いでる、おれも泳ぎたいナァ、水泳始めようかな、あんなふうに泳げたら気分いいよね、よし、明日からいろいろがんばろ!」

って思える水族館のほうがいいでしょ?そこには水を様々な感覚で感じさせる水槽マジックが必要なのです。そのマジックやトリックをいっぱい身につけて、人々を釘付けにする水槽が作りたい、と日々考えている所在であります候。

 

そんなことをタイタニックを見て思った。いや、ちゃんと映画の感想もあるよ。いや~映画ってホントにいいもんですね。サイナラ、サイナラ、サイナラ~。

10:35 | kobayashi | 海への恐れ はコメントを受け付けていません
2012/04/14

お魚解説パネル By竹島水族館 その2

「方言や言い方を使ってなんとなくごまかしている?編」

・セルフィンプレコ

わしゃ水槽のお掃除屋さんだがね。吸盤のような口でモゾモゾとコケや汚れを食べるだぎゃぁね。

セルフィンプレコはアマゾンのジャングルを流れる河に住んでいて、コケや沈木を食べるベジタリアン。ベジタリアンは草食性、と書くのが普通だが、「草食性」という表記は面白くない。かといって「ベジタリアン」という言葉を使っての解説は他の魚で使われている。同じように「草食系なの、おとなしいのよ」というのも他のパネルで使われている。その結果、名古屋弁表記へと活路が導かれた。

べつにアマゾンは名古屋弁というわけではない。

・オジサン

まいど~!!わてオジサンいいまんねん。おもろいやろ?ま、メスでもオジサンやねんけどなッ!

オジサン、とういう魚が存在する。その辺のおじさんのようにあごの下にヒゲがある。

オジサンというイメージからオヤジがよく言いそうな言葉、「まいど~~!!」を表記。しかしその後、なにも特徴は浮かんでこず、オジサンいいまんねん、とまずは自己紹介。このとき、突如として関西弁になっている。その後、自分でおもろいやろ?っと言ってしまい、そのあとは流れでメスはオバサンではなく、メスでもオジサンだ、と畳み込んで終了。流れのまま倒しにかかり終わらせる、押さえ込み一本型手法。ウケが非常に良いパネルのひとつ。

・ミノカサゴ、ハナミノカサゴ

その姿から2匹ともドレスを着たように見える。しかしスリムな体型ではなく少し丸っこいので、ドレスを着たお姉さんではなく、太っちょ貴婦人オババ路線を選択。結果、「ざます口調」。ミノカサゴとハナミノカサゴを上下で掲示して貴婦人オババの対決。

・ヒメ

ワラワは姫じゃ。どうじゃ、赤くてキレイな着物が美しいであろう?そなたもそう思うであろう??

深海魚でなかなか展示は珍しい種類。ヒメという名前がどういう由来で付いたのかわからないが、赤がキレイなので着物をまとった姫であろう。おまえこの着物がキレイに見えるだろ?え?そうだろ?キレイって言えよ、良く見ろよ。と言っている。

先のミノカサゴ、ハナミノカサゴとともに、このヒメにも「?」が使われている。解説というのはそもそも解説なのだから、「~である。」や「~です。」、「~ます。」という断定口調なのだが、「~だろ???」という「そう思わないかい???」という疑問投げかけ型を使っているのは他にはない特徴です。

~???と言われれば、読み手は、え?そうなの?とか、そうかなぁ?と思って確認するために対象の魚を見てしまう。結果、解説板も見るし、読むし、魚も見る。書いてあるとおりだと横にいる人に教えたくなる。盛り上る。

08:40 | kobayashi | 魚名板列伝 その2 はコメントを受け付けていません
2012/04/11

解説パネル列伝は1回お休み。次に書きます。

                                         

このコラムサイトのSさんから、話題が届いた。ホットな話題水族館の池袋のサンシャイン水族館でペンギンの選挙をやっているらしい。

http://ikebukuro.keizai.biz/headline/440

サンシャイン水族館は日本一のケープペンギンの飼育数らしく、50匹中から人気投票をするとな。50匹もペンギンがいるのなら5匹くらい分けて欲しい。

50匹もペンギンがいて、どいつがどいつなのかわかるのか!?選挙っていったって、いったい見分けがつかないやつらの誰に投票すればいいのだ!?そこのところ、代表者だか担当者!ちゃんと弁解の余地があるのか!?えぇ!?あぁん!?

と、その辺のオジサンはワンカップ大関を飲みながらゴマシオ頭で言うのだろうが、おっさんよ、心配ご無用なんだ。水族館のペンギンは腕輪をしていて、その数や色の組み合わせで見分けることが出来る。

世の中には水族館オタクなんて人もいて、よく来ているから腕輪で名前を覚えてしまっているらしい。ホラ、アノ子、今プールに飛び込んだ子、黄色に緑の腕輪、あれはペン子ちゃんよ。ちょっと気が強いけどかわいいの!ウヒャヒャ。ボクのオススメのペンギン!その隣の青に黄色の腕輪の子がペン太郎よ。アノ子もハンサムだよね!ウヒョヒョヒョヒョぇ~!水族館って楽しいよね!エヘヘへェ~♪♪♪

…キモチが悪いではないか。

そういう現象がおこらないようにするのが世界の平和だと思ったからなのか、北海道のおたる水族館のペンギンは色ではなく、ちゃんと名前の書いた腕輪をしているらしい。保育園のようだ。名札ならぬ名輪。

水族館の担当のお姉さんとかは、別に腕輪の色などを見なくても、毎日世話をしていると誰が誰なのかわかるという。ホントだろうか?顔が違うのか?

これを「個体識別」という。生き物の個体識別ができる飼育員さんというのは、なんとなくスゴイ、エライ、エバっていい、というような雰囲気がある。人間ですら誰だか忘れてしまい、机の上に過去にもらった名刺を何枚も並べて苦しんでいるボクにはムリな話だ。

動物園のサル山のサルは、体の一部にタトゥーがしてあって、それで個体識別する、というのをどこかで聞いたことがあるが本当かどうかわからない。

生き物選挙は南知多ビーチランドでもやっていたりして、今人気みたいだけど、あんね、ブームを起こしたのはウチの水族館なんだかんな。

ずっと前、KARAのメンバーの名前を覚えるのに必死で、AKB48ブームに完全に乗り遅れたボクは、世の中で騒がれている人気のAKB48をインターネットでヒソカに勉強して選挙制があるということを知った。これはイケル!と思って、休憩時間にスタッフにウチも総選挙しよう、といったのだ!竹島水族館なのでAKBっぽく TKS(竹島水族館=タケスイ)として、展示生物が480種類くらいいたので、ちょうどAKBの48から位をあげて480とした。この企画は後輩の須田ちゃんが名乗りを上げて担当してくれてTKS480総選挙という企画をして、大成功だった。

水族館でやる選挙大会は、選挙企画をきっかけに、水族館の生き物にもっとお客さんが興味を持ってくれたら!という思いがある。

おもしろいのは、当館でやったTKS480はスタッフに投票でもOKで、ボクは480種類の生き物中、ランキング16位くらいだったぞ。常連のオバサンさんたち(これを竹島水族館エンジェルスという)がボクに投票してくれたのだ。投票がない某スタッフはたまたま取材に来た地元のケーブルテレビの人に、ボクの名前を書いて投票してください、お願いします、と言って無理やり同情票を書かせるという選挙違反が発覚してモメたりもした。

サンシャイン水族館のペンギン選挙はなぜ48匹ではなく50匹なのか不明だが、普通の人から見たら、ペンギンは全部ペンギンだろうからどれがペン子でどいつがペン吉なのかわからんからね。よーく観察しないと見分けがつかないから投票は大変そうだ。そのぶんお客さんはペンギンをよく見るので、効果がありそうです。

二本足で立って両手を合わせて仏様にお参りするようなポーズでエサをねだるペンギンとかが1位かもしれない。それは牧場のクマか。

 

 

 

09:26 | kobayashi | 生き物選挙。 はコメントを受け付けていません
2012/04/07

竹島水族館の魚の解説パネル紹介その1 

その1 「見た目からではわからないことを書いてます編」

○「金色の魚なので金魚といいます」、「ジンベエザメのジンベエは甚平の模様だからです」、はたまた「この模様は敵から身を守るためのものです。自然界は厳しい弱肉強食の世界です」といった見た目からわかることとは、全く違うことを書いたタイプ。

カサゴ

お魚から一言:「自分、すごくうまいっす。和食でも洋食でもいけるっす。1度食べてみて欲しいっす。」

これは、ウチの館では昔からやっていた「味」についての解説。日本人は魚食人であり、魚は食べることが一番接する機会であるが、普段食べている魚の本当の泳いでいる姿を見てもらいたい、と思う水族館職員のあまり、逆に味についてのことには触れないことが多い。また、大事に飼っている魚を食べるだなんてダメだ!と思っているかもしれない。

ウチの館では昔からコレはウマイ、コレはマズイ、焼くとウマイ、などという解説を普通にやっていて人気があった。水槽の前で、おいしそぉ!っと言っている子供に近寄り、それはマズイよ、コッチのほうがウマイよ、などと教えてあげることも日常的にある。

こういうパターンの解説は、パネルを改善してからは少なくなってきたので、また増やしていきたい。ちなみに、なぜかカサゴの口調が後輩チックなのもなんだか注目。

アジアアロワナ

お魚から一言:「超高級なワタシたちは、お金持ちじゃないと飼えないのよ♪庶民の魚ではないのよ、オホホ~」

これは、読み手より魚のほうが立場的に上に立ってモノを言っているパターン。どうぞ、見てください、ではなく、庶民よ、ひれ伏せ!頭が高い!我こそはアジアアロワナ様であるぞ!!っと言っている。グッチ、シャネル、ベンツ、、、高級なものに人々は飛びつく。見た目はジンベエザメのほうがインパクトはあるだろうが、高級なアジアアロワナ様の解説を読んで、人々は必ず魚を二度見する。

クモウツボ

お魚から一言:「おれ、たけすい(注・竹島水族館の略)の裏側で飼育員さんにひっそりとお世話してもらってたけど、ついに展示デビューだぜ!」

この例はもはや、魚の生態や特徴などに触れずにそういった解説を一切無視してしまった場外ホームラン的な例。展示裏の予備水槽で光も当たらず、ひっそりと暮らしていたウツボ君が展示にデビューできた本人(本魚?)のヨロコビと感動をその少ない解説文字数の全文に書きあらわしました。どうぞ、ウチの子を見てやってください!立派な子です!やればできる子です!というもの。

この解説では、読むと、このクモウツボという魚の特徴は何一つとしてわからないのであるが、何だか見たほうも感動して、そうか、そうか、やっと展示に出てこれたんだナァ、苦労したナァ、もう二度とあんな暗くて狭い予備水槽なんかに戻るんじゃないぞ、これからはマジメに働くんだぞ、と刑務所の監視員のような気持ちになって見つめてしまうのである。見つめているうちに、あ、コイツニョロニョロでキモチ悪いな、とかキバがすごいな、とか自分で生態や特徴を見つけてください、という人まかせな例。

                                                 

まだまだ特徴的解説パネルはあるので、続きます。。。

08:38 | kobayashi | 魚名板列伝 その1 はコメントを受け付けていません
2012/04/05

某水族館の魚の解説パネル

その1

その2

いっぽう、ウチの解説パネル

魚の解説パネルは、魚名板(ぎょめいばん)といわれていて、どんな水族館にもたいてい水槽の上や横や外枠に貼られている。だいたい、写真、名前、学名、全長、特徴などが書かれている。そして案外、お客さんは熱心に読んでいない。

なぜ読まないか。それはね、読みたくないからだ。

という結論に達し、1年前くらいに我がオロカサに気がついて恥ずかしくなった我々は、自館の全ての水槽の魚名板を引っぺがして、足で踏みつけて、噛み千切って、お寺で供養して、新しく作り変えた。それが上に載せた写真なのね。

多くの水族館は、業者発注のようなカッコイイものだけど、ビンボー水族館のウチはすべて担当スタッフが写真を撮ってパソコンで作る。製作時間15分。自分で作るので秒殺修正や入れ替えが可能なのが強みである。また、解説も小難しい不愉快な専門用語は全て意図的に排除した。

結果、結構人気で、お客さんは全ての水槽で解説を読まなくちゃいられない衝動になってくる。ではどんな風に専門用語を排除して、みんなが読む魚名板が作りあがっていくのか、先日、いい例が起こったので紹介しましょ!

            

~ 最近、実習できている専門学生との会話より ~

実習生:「コバヤシさん、カニが死んだっすけど、名前調べます。図鑑に載ってますか?」

コバヤシさん:「知らん。自分で探せ。そんなの絵合わせだから写真見て似てるヤツ探せばそれだ。」

実習生:「おぉ!マジっすね。見つかりました。イチョウガニです。ドンピシャです。」

コバヤシさん:「正解。特徴は?名前だけ知っても何にもならんぞ。」

実習生:「えっと、ん?第一額角が…、、、何て読むんですかねぇ?特徴書いてあります。イチョウの葉っぱ形をしているからイチョウガニです。」

コバヤシさん:「バカ、オマエ、そんな解説ウンコだ。カニを良く見てみろ。ハサミの先っぽが黒いだろ」

実習生:「あ、マジっすね。これ特徴なんですね。」

コバヤシさん:「違う。オシャレだろ!マニュキアしとる。オス・メスはわかるか?」

実習生:「は?マニュキアっすか?オス・メスは~、、、メスっすね!」

コバヤシさん:「オシャレに気を使う女子高生ギャルカニだ。」

実習生:「マジっすか。あ!でもコバヤシさん、こいつスネ毛が濃いです!」

コバヤシさん:「マジか!?剃り忘れたんだな。まだオシャレに磨きがかかってない高校1年生だな。もっと観察してみろ。」

実習生:「コバヤシさん!ヤバイっす!コイツ、胸毛も生えてますよ!!」

コバヤシさん:「マジか!!それはヤバイなぁ!!オシャレはマニュキアだけか。エステに連れていけ!今すぐエステだ!ビューティークリニックだ。」

実習生:「コバヤシさん、こいつ、まさかメスではないんじゃないっすか?」

コバヤシさん:「もしかしたらオスか?ばーか、ちゃんと見てみろ、メスだぞ(カニのオスメスはお腹側の見た目ですぐわかる)。」

実習生:「コバヤシさん、まさか、コイツ、ニューハーフじゃないですか!?」

コバヤシさん:「おぉ!それだ!そのイチョウガニはニューハーフだ!イチョウガニって名前は、イチョウの葉っぱに形が似ているではなくて、胃腸のほうかもしれんぞ。」

実習生:「こうなったら、ニューハーフで胃腸が弱いカニなのかもしれませんね!」

コバヤシさん:「よし、それで解説パネル作れ。」

実習生:「マジっすか!?」

 

                       

こんな風にして、特徴的なウチの水族館の解説パネルはできあがっていきます。図鑑を見て、図鑑の解説から必要な情報をつまみ出して丸写しの解説は作られることは少ないです。

次回から、そんなウチの水族館で実際、館内で使われている解説パネルをドドドーンと紹介していこうかと思います!

 

10:01 | kobayashi | 解説パネルはこうして生まれた。 はコメントを受け付けていません
2012/04/01

千葉に行った。

地元の観賞魚屋のK村とっつぁんと、観賞用海水魚メーカー大手のレッドシーさんのハカライで幕張メッセでやっていたペット業界のブース式出展祭「ジャパンペットフェア」に招待されたのだ。

「フェア」なんてものに行くのは初めてであった。「ミュージックフェア」、「春のブライダルフェア」、「癒しのまくらお買い得フェア」、「高齢者住宅分譲フェア」など、フェアというとナンだか華やかでワクワクするお祭り雰囲気じゃないか。

にもかかわらず、東京からの京葉線は強風のため頑固として全面停止。電車なんて動かなければ鉄の箱でしかないわい。めんどくさそうな駅員さんに聞いて総武線というやつで大回りして幕張本郷駅からさらにバスに乗ってたどり着いた。みな同じ路線で京葉線回避するので大混雑だ。バスはココゾとばかりに連発発車していて20秒おきに発車するマシンガンのような体制のバスというのを初めて見た。ウチのほうじゃバスは1時間に1本、奇跡的にあるかないかだ。

ジャパンペットフェアっつーのは、初めて来たのだけどどんなものかというと、ペット業界の業者が個々にブースを開いて自社製品の紹介をしているもので、高校や大学の文化祭のような感じに見えた。

普段は自分が使うペットの用品というのは、ペットショップやホームセンターで買うのにたいして、ここでは直接製品を販売している業者の方に話が聞けるので、情報が確か。

観賞魚業界というのは総じてショップ店員がいいかげんなことばかりデマカセで言って、常連客を困らせるというパターンが多く、その度合いは地方に行くほどひどくなる傾向がある。ボクが行っていた地元の店は完全に「知らん」と断言して、店の人よりも、周りの客のほうが様々なことに詳しく、「へ~、そんな器具が新しく出たの!?すげぇじゃん」とか言って、器具用品の情報は主に常連客から仕入れていた。唯一、オレはこの町のパチンコ事情は誰にも負けないぜ、と自負していた。

会場ではサンプル品もたくさん配っているので、フラフラ歩いているといろんなものをたくさんもらえる。

ペット同伴可能なので、そこらを犬を連れたオッサンオバチャンが大量に移動している。フラフラしていたら犬とぶつかって噛み付かれそうだ。

全員が「ウチのワンコは宇宙で一番かわいい」、と思っているから、みんなそれぞれ堂々と歩いている。こいつらは様々なブースで試供品のドックフードをもらって、そこらじゅうで食い歩きしている。デパチカの試食オバサンみたいだ。

レッドシー社で案内してくれたのはK田さん。聞くと、やっぱり自分も家で魚を飼っているそうだ。

ウチの水族館は小さな水槽が多いので、水族館用特注器具でなくとも、家庭用の観賞魚器具で間に合ってしまうので、このレッドシー社の製品を多く使用している。性能が確かで評判がよいメーカーだ。水族館の器具よりもデザインはいいし、性能も勝っているものも多い。実際、最近新しく出来た水族館ではレッドシー社の製品の大型の物を設置して、水換えを少なくする飼育システムを作り上げている。だいぶ儲かったそうな。

照明についていろいろ聞いた。日本ではLEDが主流になりつつあるが、ヨーロッパではT5蛍光管が主流だそうだ。今度、新しく作る当館の水槽にもT5蛍光灯を導入する。

震災後、大きな水槽を家に置く人は衰退して、現在は数十リットルの小型水槽が流行りだそうだ。特にマンションの方などは地震で水槽の水がこぼれると下の階の方に迷惑だし、水槽がひっくり返ったら大変だ。

「ペットフェア」なので、ボクのメインの観賞魚のほかにも、犬猫業界、ウサギモルモットやハムスターの小動物、鳥方面、カメヘビトカゲカメレオンメーカー、カブトムシ業界からスズムシまで、家で飼える生き物メーカーは勢ぞろい。

ガイコクスーパートゲトゲカブト。家に虫かごをたくさん並べて、こういうプロレスラーみたいな風貌のカブトムシを飼っている人もたくさんいるんだなぁ。

さかな君のトークショーや、ワンちゃんの虫歯と歯磨きの問題についての講演などもあった。ヘビやカメレオンやタランチュラ(毒グモ)のブースも盛り上っていて、こーいうのを喜んで飼う人もたくさんいるんだなぁ、と感心する。それこそ地震で逃げたらどーすんだぁ。

自社製品を使って、実際の使用例をディスプレイしているので、魚方面のブースではキレイな水槽が多くあり、犬も足を止めて見とれていた。

試供品や最新カタログもたくさんもらって、荷物が重くなってしまった。

その日は夜、自分の水族館に帰らねばいかんかったので、本当は10時半に付いて、昼飯食ったら退散してサンシャイン水族館か、井の頭自然文化園か、目黒寄生虫博物館に寄ってから帰ろうかと思っていたけど、京葉線が動かんので、着いたのは昼過ぎで、帰りも動かないので、3時に会場を後にしてトンボ帰りで愛知に帰った。おのれ強風め。

水族館よりも、家庭観賞魚飼育者のほうが、自分の魚を殺したくないし、お父さんなんかキレイな水槽を置いて家庭内での市民権を得るためにもよく勉強していていろいろなことを知っている、要求が高いので、水族館エライ、家庭趣味飼育者は下等、ということは全然ない。実際、サンゴの飼育なんか趣味でやってる人たちのほうがはるかにレベルが高い。恥ずかしながら水族館が逆に教わる技術は様々な方面で無数にある。

 

 

09:27 | kobayashi | ジャパンペットフェア はコメントを受け付けていません
2012/03/29

ウナギが減っている。このままいくとアナタの孫はウナギを食えないかもしれないらしい。ヘタすると、「オジィの若い頃はウナギという魚がいてなぁ、焼いて食うとたいそう美味かったもんじゃぁ」と言っているかも知れない。

ウナギは食うと美味いのでいっぱい食ってしまう、水槽内で親から卵を得て生まれた子供を育てて親にして子供を得る、という養殖形態が確立されていないので、天然資源にたよるばかりだ。完全的な養殖は現在少しずつ出来上がりつつあるが、現段階ではコストがかかりすぎて、得た卵から親にして出荷できる確率が低すぎるようです。

そのため、人々は海で生まれて成長するために川を遡る子供ウナギを河口で待ち構えて一網打尽にして、その子供を親まで育てて出荷して食う、という事をしている。数減少、未来暗黒、絶滅危惧。

ウナギっつうのは、海川両用のサケみたいな暮らしができて、知らない人に聞くと「え?ウナギって川魚なの???」と言う人と「え?ウナギって海にいるんじゃないの???」と言う人と2通りいる。川で育って海へ下り、外国のすごく深い深海まで行って卵を産むそうな。生まれた卵は海流に乗って子供は川を上るそうな。実際にはほとんどが川に上る前に人間に捕獲される。

疑問なのは、その辺の川にも結構いる「幼少期の人間の捕獲から逃れたウナギ」たちが川を下って「深海で卵を産む」と言うことだ。そして産卵地は限られた場所であるということだ。日本中のウナギが川を下って外国の深海の産卵場で卵を産むのか?信じれん。だいたいあんな細くて小さな生き物が、この忙しいのに凄まじい距離を移動してニュルコンニュルコンとわざわざ深海にまで行って卵を産むのだろうか。ウサンクサイ。外国の深海に行くまでに毒キバアンコウとか、大食いザメとかに食われるはずだ。きっとその辺の漁港とかでプリッっと産んでいるに違いない、と思っているのだが、研究者よるとそうではないらしいと言うのだ。ちなみに、ウナギはすごい魚で、以前水族館で飼っていたウナギは1年間まったくエサを食わずに生き続けた。

                                                         

 

ウナギのみならず、ほとんどの魚自体があと50年もするとほとんど食えなくなる、という説もある。

多くの人々は「わしゃあと50年も生きないから別に50年後に魚がいなくなっても構わない、ついでに花粉も無くなってしまえばいい」とか思っているだろうが、ちょっと問題だ。

ウナギは現在、店で食べると2000円前後くらいするだろうか。そのうち、大トロよりも高くなり超高級魚になるでしょう。金持ちしか食えない、というのもシャクではないか?

そこでボクは「希少食物摂取資格」という免許制にしたらいい、とかねてから思っている。

キャビアでもフカヒレでも希少な食い物と言うのは総じて値段が高い。イコール庶民は食えない。食えるのは金持ちである。

将来を想像して欲しい。毎日汗水たらして安い月給でアシカショーなんかもやりながら人々に魚の魅力を伝えようと努力している青年Aよりも、毎日サボッて悪いことばかり考えている自己中オヤジの政治家のほうがザギン(銀座)の高級料亭でギーウナ(ウナギ)を、ぱいいつ(いっぱい)食ってガハハと笑っているのである。

アホオヤジの孫なども同席しており、「オジーチャン、これウナギっていうの?ナマズとどこが違うの?カバヤキっていうからカバなのかと思った!ボク、カバが食べたいからもぉいらなーい!」などといってウナギを食わずに半分以上も残してしまう。「この子ったらしょうがねぇなぁ、ガハハハハ!」と政治家、なんてね。。。

これでは食の不平等である!だから「希少食物摂取資格」検定である!!運転免許や潜水士のように勉強して試験を受けて資格を持っているものしか食ってはいけないのである!ただ金だけあって知識のないオヤジは食えない。食うと、無免許摂食罪で禁固5年執行猶予3年。トキなんか無免許で食おうモンなら死刑。

試験問題は、しかるべき生物研究機関が作り、定期的な試験による更新制度。5級から師範代まであり、5級だとせいぜいワニの肉程度しか食えない。初段でフグ。3段あたりまでいくとやっとマグロやウナギが食える。師範代ともなると、クワガタでもサルでもピラニアでもなんでも食える。4級なのにマグロなんか食ってしまって見つかると免停となり罰金300万、講習(5万円)を受け、免許を再発行してしてもらう。食わせた店にも罰金。同乗者、じゃなかった同席者にも罰金。免許の偽造をしたら即刻祖国に送り返す。祖国ってどこだ?

試験問題は、その生物の生活史はもちろん、分布、歴史的背景、食う以外の利用方法、将来の展望とその課題、対策、もちろん学名もラテン語で綴りを間違えずに書けないといけない。

試験は筆記と実技がある。実技は、マグロなら1本釣り、3枚おろし、食い方などだ。1本釣りで船酔いなどしようものなら、その時点で正座させられ漁港に送り返される。

実食試験では食べ残した骨にまだ身がたくさん付いていようものなら不合格。「ごちそうさまでした」を言い忘れても不合格だ。クチャクチャ音をたてて食べても減点対象となる。反対に、これまでに試験対象生物の研究や保護活動にたずさわって所属機関長の推薦状がある場合は、筆記試験を免除される。

このように、資格を持ったものだけが食べれるようにして、真剣にその希少生物の将来を考え、未来永劫その生物が存在できるよう配慮しながら食べたらどうか。

 

09:47 | kobayashi | 希少食物摂取認定試験 はコメントを受け付けていません
2012/03/23

イキドオリ立って伊勢・志摩方面へ突入した。しかしイキドオリ立つ、という状況は何なのかわからず、たいして意味もないので、安全運転で伊勢自動車道を進んだ。

道中は、同行者と「生き物の鳴き声しりとり」をしてみた。つまり「ニャー」と言えば「ネコ」なので次は「コンドル」で「ピーヒョロロ」と言う。つまり動物の名前を言わず、泣き声で判断してしりとりをする。やってみると、以外に人というのは動物の鳴き声を知らず、ウサギやシマウマは鳴くのか、キリンは「キリン!キリーン!ビール!」と鳴きます。とか強引に言って進めることが多かった。ちなみにヒマな時しりとりをするけど、ボクはこの同行者(元美容師・一般の方)に「魚の名前だけでしりとり」で負けている。

伊勢志摩ではなく、本当は、どこぞにできた新しい水族館に行く予定だったけど、それなら二条城も行きたい、清水寺も行きたい。八橋も食べたい。しかし、その水族館は入館に2時間の列を作っているらしく、まだ寒さの残るこの時期にそれはイヤだ。なんだかどこかで見た展示の寄せ集めが多い、というウワサも耳にしているので、もう少し様子を伺ってから、そうだ、京都に行こう、と思うことにした。

伊勢志摩では2つの水族館行った。結果的には、伊勢神宮は最近行ったし、イチゴ狩りは見当たらないし、志摩スペイン村はジェットコースターが怖くて、観光で行くところがなくなってしまって鳥羽水族館さんに大変お世話になった。あとは岬の灯台に行って海を見つめ、ついでに今後のオノレの人生も見つめ迷走して後悔したりして、そうしているうちに辺りは暗くなって犬のウンコを踏みそうになってタヌキ2匹に笑われたので鉄砲で撃って煮て焼いて食って、、、

何を言っているんだ。

三重県と言うのは愛知県と一緒で水族館が密集していて、激戦区。まぁ日本そのものが水族館が多くて激戦国です。わが愛知県は某ジャンボ水族館が白黒のパンダみたいなのの公開が始まるので、我々は策を練らねば困ってしまう。町の総合デパートがさらに大きな事をした、と言う感じで、我々弱小商店街の雑貨屋的水族館は重い年貢と家計のやりくり、財政状況に苦しみ、病床のおとっつぁんの薬さえ買えやしない。この世の中が憎い。裕福な人が憎い。我が暮らしぶりが情けない。金さん、助けて。

何を言っているんだ。

昨日、テレビでマクドナルドのボスみたいな方が、自社の成績の悪さを周りの状況や景気のせいにしてはいけない、ということを言っていた。まさにその通りだナァと思う。とてもタメになった。今日の昼はマックで食べた。

                                                           

ビジネス書をたくさん読んでいる。最近は魚や生き物の本は立ち読みで済ませ、寝る前に読む本は全部ビジネス書だ。スゴイ人というのは世の中にたくさんいるもので、みんな強い志を持って奮闘している。

ウチの周りでは小さな本屋しかないので、最近はアマゾンで頼んでいる。仕事でもアマゾンの魚を扱い、本もアマゾン。まぁこの意味は違う。いつかアマゾンに行ってヘンテコ魚をつかんでみたいとも思っている。豊橋アマゾン、という熱帯魚屋さんにもいつもお世話になっている。ライダーアマゾン世代ではない。

何を言っているんだ。

本のアマゾンから頼んだ本がいっぱい来た。3冊ビジネス書。ビジネス書を読んだところで、我が頭脳ではたちまちスゴイ水族館が作れて、カンブリア宮殿にゲストで出演する、ということはできないがそれでも参考にはなる。モチベーションは上がる。犬は喜び庭駆け回る。ネコはコタツで丸くなる。

何を言っているんだ。

                              

 

頼んだ本のうちの1冊は唯一魚の本だ。

「AQUA LOG」という熱帯性淡水魚のスーパー図鑑だ。前述の豊橋アマゾンのN君に教えてもらって入手した。洋書。

このアクア・ログは、いろんなジャンルごとに作成された図鑑で、種類ごとに魚を集めた傑作版図鑑である。ボクが入手したのは、熱帯性の卵ではなく直接子供を生むメダカだけがズラリと載っている大変マニアックで、知らない人にとっては3年前の少年ジャンプよりも興味関心購読意欲がゼロの本である。

洋書なので入手した本人も何が書いてあるのだかわからないし、辞書を片手に読破する根気も持ち合わせていないのですが、ペラペラめくって写真だけ見ていても日本の観賞魚図鑑には載っていない珍種がバンバン載っていて、この世は面白い魅力魚で溢れているんだナァ、と感心してしまう。英語はまったくわからない宇宙語というわけではないし、魚の学名(世界共通名)は少しはわかるので見ていて少しは理解できる。正確には理解したフリをしている。

そんなこんなで今日に至る。

11:20 | kobayashi | 何を言っているんだ。 はコメントを受け付けていません
2012/03/16

実習生が来ている。専門学校から。2人。女子。

昔は静岡の海洋大学が水族館就職への一番の近道だ、業界内は石を投げればたいていその大学出身者に当たるくらいだ。と代々語り継がれてきたが、今では全国各地にあるマンモス専門学校の水族館コースみたいなのが大きな勢力を誇ってきている。ボクはバカだったので、静岡の大学には入れなかった。というか、正式には試験は受けずに自粛した。正しい判断でした、はい。

専門学校つーのは、大学行くほどやる気もないし、働くのもめんどーだし、つー子がタワムレて何やら怪しいヒメゴトをおこなっている、という個人的感じだったのですが、そーゆー人ばかりではなく、真剣な子もたくさんいる。あたりまえか。

今来ているのは、名古屋と大阪の同系列の専門学校水族館系コースの女子だが、なんと!19歳と20歳。水族館に入りたい!だから実地勉強したい!ということらしい。まったく若いのにご苦労様なことである。

19歳のころ自分が何をしていたかというと、大学に入って神奈川県の相模原にいた。初めて東急ハンズに同じように地方から来た友人と一緒に行って感動して3日連続で行ったり、川でコイを釣ったり、駅前でギターを弾いて歌ったり、自転車でそこらを走り回ったり、大家さんとケンカしたりしていた。鼻水をたらしてトンボを追いかけていた。ようするに、たいしたことはしていなかった。

19歳の女子なんて言ったら、高校の校則(拘束?)からやっと解放されて、髪は金髪にできるし、ピアスはあけ放題だし、原付バイクも乗り放題だし、化粧を磨き、男ももてあそび放題じゃんかよ。

寝ずに遊びなさい!キミらはこんなところで黒い髪の毛をしてマジメに魚の世話を勉強していてはいかん!!と、激しく言い放ったけれど、本人達は「いやぁ、ははは」と言うだけでいたってマジメである。

まったく。ロクな大人にならんな。

実習生の教育は、水族館人1年目の後輩が一挙に担当してくれている。この子も女子なので、妹子分ができたみたいにドラクエ的に実習生を引き連れて、作業をしている。感心するのは、ついほんの前まで実習生と同じように水族館にモーレツに憧れて努力していた子が、1年も経たないうちに、今度は以前の自分と同じ思いの子たちを連れて、しっかり教えているところだ。見ていて感動する。この子がウチに入ってくれて本当に良かった。飲み込みが早く、やる気も満々。なりたかった職業だからグングン自分の力になって実力が伸びているんだろうなぁ。ステキなことです。すばらしい。

縁側で、ひなたぼっこしながらオジーチャンは目頭を熱くしてその光景を遠くから眺めていた(←オレのことね。)

今ではいなくては困る存在。逆にチョット力の落ちている隊員には徴兵制度を導入して、近いうちにスパルタ武者修行の旅に出てもらうことにした。オジーチャンの政権はキビシイのだ。

まぁ実習生でも、学校に言われたからメンドクセェけど来たよ、単位もとらなきゃいかんしよ、で、何すりゃいいの?的態度のヤツもいて、自主性積極性ゼロの不良中学生の職場体験みたいな感じの子もいて、そんな子にはオジーチャンは激しく怒り、ゲートボールのステッキでおしりを3万回くらい殴る。

やる気のある、熱血の子なら大学生だろうが専門学生だろうが、オジーチャンだろうが、どんどん業界に入ってバンバン水族館を回してくれると、結果的にお客さんの幸せになるのでしょうね。そーいえば、ボクの卒業した大学からも最近メキメキ頭角を現し、水族館に就職を決める子たちが多くなりウレシイ。

ウチの大学は、水中生物を学ぶ学部があり、だけども入学と同時に勉強は教えてはくれない。「オメーラのようなバカタレはまず中学高校のおさらいからだ!」と神奈川県の相模原で一般教養を教えられる。それが一番の難関と言われる。

みんな専門教科を夢見て1年を過ごし、合格すると岩手県に集団移動して2年目からやっと専門教科の勉強をする。ただし「オメーラみてーなバカタレは真剣にやらなきゃダメだ!」といわれて、大学の周辺に若者が遊べる場所は全くない。間接的な缶詰め状態。

大学周辺には海と山があるだけで、漁師とシカとクマしかいない。神奈川で実家通いだった都会派の女の子なんか、イキナリの田舎での一人暮らしにカルチャーショックを受けてウツになることすらある。大学の駐車場を天然記念物のシカが嬉しそうに横切ったりする。釣りでもするかと渓流に入るとクマがでる。

マクドナルド、映画館まで山道を2時間。冬は道路が凍結して行くのは困難。暖かいうちにみんなでマクドナルドへ行き、ハンバーガーを一人20個注文して店員を困らせる。20個のハンバーガーは下宿の冷凍庫ですべて冷凍して、なにかのご褒美や記念日にだけ少しずつレンジで解凍して食べる。

そんな場所で日々助け合い励ましあいながらたくましく純粋に自然と激しく交じり合いながら勉強してきた我々は、水族館に向いている。悪いやつはいない。

だが、今は東日本大震災で大学は閉鎖、全員また神奈川に戻って授業をしている。はやく岩手キャンパスに帰れるといい。北里大学から熱血水族館人がいっぱい出てくれるといい。

09:25 | kobayashi | 25までは遊びなさい。 はコメントを受け付けていません

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