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某水族館の魚の解説パネル
その1
その2
いっぽう、ウチの解説パネル
魚の解説パネルは、魚名板(ぎょめいばん)といわれていて、どんな水族館にもたいてい水槽の上や横や外枠に貼られている。だいたい、写真、名前、学名、全長、特徴などが書かれている。そして案外、お客さんは熱心に読んでいない。
なぜ読まないか。それはね、読みたくないからだ。
という結論に達し、1年前くらいに我がオロカサに気がついて恥ずかしくなった我々は、自館の全ての水槽の魚名板を引っぺがして、足で踏みつけて、噛み千切って、お寺で供養して、新しく作り変えた。それが上に載せた写真なのね。
多くの水族館は、業者発注のようなカッコイイものだけど、ビンボー水族館のウチはすべて担当スタッフが写真を撮ってパソコンで作る。製作時間15分。自分で作るので秒殺修正や入れ替えが可能なのが強みである。また、解説も小難しい不愉快な専門用語は全て意図的に排除した。
結果、結構人気で、お客さんは全ての水槽で解説を読まなくちゃいられない衝動になってくる。ではどんな風に専門用語を排除して、みんなが読む魚名板が作りあがっていくのか、先日、いい例が起こったので紹介しましょ!
~ 最近、実習できている専門学生との会話より ~
実習生:「コバヤシさん、カニが死んだっすけど、名前調べます。図鑑に載ってますか?」
コバヤシさん:「知らん。自分で探せ。そんなの絵合わせだから写真見て似てるヤツ探せばそれだ。」
実習生:「おぉ!マジっすね。見つかりました。イチョウガニです。ドンピシャです。」
コバヤシさん:「正解。特徴は?名前だけ知っても何にもならんぞ。」
実習生:「えっと、ん?第一額角が…、、、何て読むんですかねぇ?特徴書いてあります。イチョウの葉っぱ形をしているからイチョウガニです。」
コバヤシさん:「バカ、オマエ、そんな解説ウンコだ。カニを良く見てみろ。ハサミの先っぽが黒いだろ」
実習生:「あ、マジっすね。これ特徴なんですね。」
コバヤシさん:「違う。オシャレだろ!マニュキアしとる。オス・メスはわかるか?」
実習生:「は?マニュキアっすか?オス・メスは~、、、メスっすね!」
コバヤシさん:「オシャレに気を使う女子高生ギャルカニだ。」
実習生:「マジっすか。あ!でもコバヤシさん、こいつスネ毛が濃いです!」
コバヤシさん:「マジか!?剃り忘れたんだな。まだオシャレに磨きがかかってない高校1年生だな。もっと観察してみろ。」
実習生:「コバヤシさん!ヤバイっす!コイツ、胸毛も生えてますよ!!」
コバヤシさん:「マジか!!それはヤバイなぁ!!オシャレはマニュキアだけか。エステに連れていけ!今すぐエステだ!ビューティークリニックだ。」
実習生:「コバヤシさん、こいつ、まさかメスではないんじゃないっすか?」
コバヤシさん:「もしかしたらオスか?ばーか、ちゃんと見てみろ、メスだぞ(カニのオスメスはお腹側の見た目ですぐわかる)。」
実習生:「コバヤシさん、まさか、コイツ、ニューハーフじゃないですか!?」
コバヤシさん:「おぉ!それだ!そのイチョウガニはニューハーフだ!イチョウガニって名前は、イチョウの葉っぱに形が似ているではなくて、胃腸のほうかもしれんぞ。」
実習生:「こうなったら、ニューハーフで胃腸が弱いカニなのかもしれませんね!」
コバヤシさん:「よし、それで解説パネル作れ。」
実習生:「マジっすか!?」
こんな風にして、特徴的なウチの水族館の解説パネルはできあがっていきます。図鑑を見て、図鑑の解説から必要な情報をつまみ出して丸写しの解説は作られることは少ないです。
次回から、そんなウチの水族館で実際、館内で使われている解説パネルをドドドーンと紹介していこうかと思います!