お魚解説パネル By竹島水族館 その2
「方言や言い方を使ってなんとなくごまかしている?編」
・セルフィンプレコ
わしゃ水槽のお掃除屋さんだがね。吸盤のような口でモゾモゾとコケや汚れを食べるだぎゃぁね。
セルフィンプレコはアマゾンのジャングルを流れる河に住んでいて、コケや沈木を食べるベジタリアン。ベジタリアンは草食性、と書くのが普通だが、「草食性」という表記は面白くない。かといって「ベジタリアン」という言葉を使っての解説は他の魚で使われている。同じように「草食系なの、おとなしいのよ」というのも他のパネルで使われている。その結果、名古屋弁表記へと活路が導かれた。
べつにアマゾンは名古屋弁というわけではない。
・オジサン
まいど~!!わてオジサンいいまんねん。おもろいやろ?ま、メスでもオジサンやねんけどなッ!
オジサン、とういう魚が存在する。その辺のおじさんのようにあごの下にヒゲがある。
オジサンというイメージからオヤジがよく言いそうな言葉、「まいど~~!!」を表記。しかしその後、なにも特徴は浮かんでこず、オジサンいいまんねん、とまずは自己紹介。このとき、突如として関西弁になっている。その後、自分でおもろいやろ?っと言ってしまい、そのあとは流れでメスはオバサンではなく、メスでもオジサンだ、と畳み込んで終了。流れのまま倒しにかかり終わらせる、押さえ込み一本型手法。ウケが非常に良いパネルのひとつ。
・ミノカサゴ、ハナミノカサゴ
その姿から2匹ともドレスを着たように見える。しかしスリムな体型ではなく少し丸っこいので、ドレスを着たお姉さんではなく、太っちょ貴婦人オババ路線を選択。結果、「ざます口調」。ミノカサゴとハナミノカサゴを上下で掲示して貴婦人オババの対決。
・ヒメ
ワラワは姫じゃ。どうじゃ、赤くてキレイな着物が美しいであろう?そなたもそう思うであろう??
深海魚でなかなか展示は珍しい種類。ヒメという名前がどういう由来で付いたのかわからないが、赤がキレイなので着物をまとった姫であろう。おまえこの着物がキレイに見えるだろ?え?そうだろ?キレイって言えよ、良く見ろよ。と言っている。
先のミノカサゴ、ハナミノカサゴとともに、このヒメにも「?」が使われている。解説というのはそもそも解説なのだから、「~である。」や「~です。」、「~ます。」という断定口調なのだが、「~だろ???」という「そう思わないかい???」という疑問投げかけ型を使っているのは他にはない特徴です。
~???と言われれば、読み手は、え?そうなの?とか、そうかなぁ?と思って確認するために対象の魚を見てしまう。結果、解説板も見るし、読むし、魚も見る。書いてあるとおりだと横にいる人に教えたくなる。盛り上る。