竹島水族館の魚の解説パネル紹介その1
その1 「見た目からではわからないことを書いてます編」
○「金色の魚なので金魚といいます」、「ジンベエザメのジンベエは甚平の模様だからです」、はたまた「この模様は敵から身を守るためのものです。自然界は厳しい弱肉強食の世界です」といった見た目からわかることとは、全く違うことを書いたタイプ。
カサゴ
お魚から一言:「自分、すごくうまいっす。和食でも洋食でもいけるっす。1度食べてみて欲しいっす。」
これは、ウチの館では昔からやっていた「味」についての解説。日本人は魚食人であり、魚は食べることが一番接する機会であるが、普段食べている魚の本当の泳いでいる姿を見てもらいたい、と思う水族館職員のあまり、逆に味についてのことには触れないことが多い。また、大事に飼っている魚を食べるだなんてダメだ!と思っているかもしれない。
ウチの館では昔からコレはウマイ、コレはマズイ、焼くとウマイ、などという解説を普通にやっていて人気があった。水槽の前で、おいしそぉ!っと言っている子供に近寄り、それはマズイよ、コッチのほうがウマイよ、などと教えてあげることも日常的にある。
こういうパターンの解説は、パネルを改善してからは少なくなってきたので、また増やしていきたい。ちなみに、なぜかカサゴの口調が後輩チックなのもなんだか注目。
アジアアロワナ
お魚から一言:「超高級なワタシたちは、お金持ちじゃないと飼えないのよ♪庶民の魚ではないのよ、オホホ~」
これは、読み手より魚のほうが立場的に上に立ってモノを言っているパターン。どうぞ、見てください、ではなく、庶民よ、ひれ伏せ!頭が高い!我こそはアジアアロワナ様であるぞ!!っと言っている。グッチ、シャネル、ベンツ、、、高級なものに人々は飛びつく。見た目はジンベエザメのほうがインパクトはあるだろうが、高級なアジアアロワナ様の解説を読んで、人々は必ず魚を二度見する。
クモウツボ
お魚から一言:「おれ、たけすい(注・竹島水族館の略)の裏側で飼育員さんにひっそりとお世話してもらってたけど、ついに展示デビューだぜ!」
この例はもはや、魚の生態や特徴などに触れずにそういった解説を一切無視してしまった場外ホームラン的な例。展示裏の予備水槽で光も当たらず、ひっそりと暮らしていたウツボ君が展示にデビューできた本人(本魚?)のヨロコビと感動をその少ない解説文字数の全文に書きあらわしました。どうぞ、ウチの子を見てやってください!立派な子です!やればできる子です!というもの。
この解説では、読むと、このクモウツボという魚の特徴は何一つとしてわからないのであるが、何だか見たほうも感動して、そうか、そうか、やっと展示に出てこれたんだナァ、苦労したナァ、もう二度とあんな暗くて狭い予備水槽なんかに戻るんじゃないぞ、これからはマジメに働くんだぞ、と刑務所の監視員のような気持ちになって見つめてしまうのである。見つめているうちに、あ、コイツニョロニョロでキモチ悪いな、とかキバがすごいな、とか自分で生態や特徴を見つけてください、という人まかせな例。
まだまだ特徴的解説パネルはあるので、続きます。。。