今の私が考える、おもてなしの究極のカタチは
”◯◯さんのために”
料理を作ったり、お酒を選んだり、会話をする、こと。
(できているかどうかは、別ですよ!)
開店からもうすぐ二年。
ありがたいことに、お客様の顔が見えて、好みなども少しずつ知る事ができてきたように思います。
(まだまだですが、、)
料理を作るとき、お酒を選ぶとき、
◯◯さんが喜ぶかな、と想像しながら探していくっていうのはとても楽しいです。
(そんなに余裕がもてない日もたくさんあるのですが、、)
何が正解か、誰にも答えはわからないし、
前回と今回はその人の状況が違う。
その時の相手の状況をよく「見る」事。それでしか探せない。
一期一会で究極のかたちをお届けできること。
その場限りで、消えてしまうからよい、ことがあるんだと最近感じています。
そんな風に夫婦で届けられたらよいなぁと。
平成27年9月23日
キンモクセイの香りで心地よい初秋の朝に〜
白金台こばやし
女将 小林 綾子
あと3日で今年の上半期も終わりですね。
また新しい半年のスタートです。
今年の6月に私が掲げたテーマは
「おもてなし」
このキーワードで100冊の本を8月末までに読むことを決めました。
女将としての2年目、まだまだ手探り状態の私。
少しでも先輩たちからヒントを得ようと必死です。
今は30冊目にさしかかろうとしているところなのですが、
これまで読んだ中で感じていることは、
「《ここまで》やったほうがいいのだろうか?」
という考えではなく、
「《ここまで》やるのです。」
ということ
お客様と接していると、わき出てくる《あと一歩》。
その一歩を躊躇なく踏み出せること、
もう一歩お客様に寄り添えることが、
一流のおもてなし人としては当たり前の基準である、
ということを感じました。
一年目の私は、
「もしかしたらやった方がよいのかな」という一歩がありました。
今は少し進んで、
「これをやってみようかな」という段階です。
師匠曰く、これはお客様をよく”見る”ようになったから、
それが気づけるようになったからだ、とのこと。
お客様にとって、非日常である、もしかしたらとっても大事な一日かもしれない、
そんな時間を、こばやしで最大限に楽しんで頂くために、
ちょっとおせっかいかな、とか、やりすぎかな、と思うことにも
あえて、一歩踏み出してみようと。
それが必要か必要でないかは、お客様にゆだねることにします。
最近、板長と一年前を思い出してみると
ふたりとも、恥ずかしくて顔を覆いたくなる思い出ばかりなのですが、
それは成長の証だと自分たちに言い聞かせてます^^;
また来年も顔を覆いたくなるよう、
日々精進しよう、と思うのです。
平成27年6月29日
白金台こばやし
女将 小林 綾子
東京のあちらこちらで桜がきれいに咲いてますね!
お店でも、器の上に桜が咲いています
お酒もうきうきなお酒をご用意して、
一緒にお花見気分です♪
三月は蛤のしんじょうをお届け致しました。
出汁をつかった【お椀料理】は板長の一番の得意料理です。
通常、山芋を使って作るため、少ししっかりめにできるところ、
使わずに卵白を用いて作るため、板長のしんじょうはふわふわで優しいです
まずはしんじょうを箸で割って、
そのしんじょうからでる出汁がお椀にふわっと広がったところを
召し上がって欲しい、とのことです。
出汁を使った料理、そのお店の底力が感じられる一品だと思います。
日本料理店へ足を運ばれた際は、是非、日本ならではの「うまみ」を、じっくりと味わってくださいませ。
平成27年3月31日
白金台こばやし
小林 綾子
いよいよ年の瀬ですね。
本日でこばやしも年内最終営業日を終えました。
明日、大掃除をして新年を迎える準備を致します。
そういえば、
常々思っていたのですが、
板長のお料理がおいしい秘密のひとつは、毎日のお掃除にあると思っています。
毎日お客様が帰られてから、
板長の仕事が終わるのは早くても2時間後くらいです。
次の日の仕込みをすることもありますが、
ほとんどが仕事道具の手入れです。
毎日当たり前に水がはねる場所を、丁寧にしっかりと磨き上げ、
きれいにして次の日を迎えます。
どの道具もとっても大切に長く使い込んでいるものばかりです。
そんな板長はきっと道具にも愛されているのだなぁと感じています。
私も見習わなければ・・・!
今年も一年ありがとうございました。
少しずつの投稿ですが、読んでくださった皆様に感謝致します。
来年もどうぞ宜しくお願い致します。
2014年12月28日
白金台こばやし
女将 小林 綾子
当店一周年を迎えました。
予選突破!というところです^^
この一年で、このお店をしていなかったら出会っていなかった
多くのお客様がいらっしゃることに感謝。
長く愛されるお店作りを目指し、
今後も精進して参ります。
一年前に選んだ器たち。
黄金色の敷き膳
ゴールドのひょうたん形の箸置き
福がたくさんくるようにとふくろうの切り子猪口
益々繁盛の升タワー
ご飯を食べ終わると出てくるひょうたん
お漬け物を食べ終わると出てくる福の文字
随所にお客様の幸福をお祈りして選びました。
関わった方たちが笑顔で帰ってくださるように願いを込めています。
一年前のその想いを忘れずに一日いちにちを積み重ねていこう。
改めて思うこの頃です!
定休日にはふたりでお店めぐりをします。
やっぱりお休みの日も和食が大好きです^^♪♪
諸先輩方のいろんなおもてなしに触れながら、
私たちはどこを目指すのか、
何を大切にするのか、
帰り道にいつも話し合っています。
私は飲食業に関わってやっと一年なので、
わからないことだらけです。
まだまだまだまだ修行中です。
板長がたった一人で一生懸命作るお料理を
私が一生懸命届けることで、
お客様が笑顔になって帰って頂く、
それが役目だと思っています。
板長が悩んでなやんで選んだ今が旬の素材だから、
私たちが生まれ育った故郷から届いた美味しい素材だから、
板長の愛情がたっぷり詰まっている優しい料理だから、
板長がどうやって食べたら一番美味しいかを、考えてかんがえて作った料理だから、
私もしっかり言葉にしてお届けします^^
少しでもその美味しさの秘密が伝わりますように。
ほっといたら何も教えてくれないけど。
聞いたらとっても詳しく教えてくれるので、
これは何?
これはどうして?
なんでも聞くようにしています。
きっとお客様も知りたいはず!と思って。
毎日が勉強です。
今後とも宜しくお願い致します。
2014.11.20
白金台こばやし
女将 小林 綾子
すっかり日が暮れるのも早くなり、一気に寒くましたね。
私の実家の札幌では、もう雪が積もっているようです。
お店でも、お客様への膝掛けをご用意したりお座敷の掘りごたつの足もとに
絨毯を敷いたりと、冬支度をし始めました。
コースの中で、一番季節を感じられるのは「八寸」であると板長は言います。
そこには一つの絵が描けるから、と。
今日は八寸をご紹介致します。
【八寸 (はっすん)】
八種類の数があるから八寸なのかな?
そんな風に思われるお客様もいらっしゃるかと思います。
実はそうではなく、八寸という大きさの器にもっていたことから、
八寸という名がついております。
なので、当店の八寸は、時には10〜11種類くらい載っています。
うーん、板長やりすぎですね♪♪
目と舌で季節を感じながら、
どれも、もっと食べた〜い!と思うほどの量、
ちょこちょこ食べながら、お酒も楽しめる一皿となっています。
「なんでこんなに品数が多いの?」と板長に聞いてみたところ、
「だって色々食べたいから。」とのことでした^^
板長が一番、飲みたくて食べたいようです。。
品数が多くてとっても大変な八寸。
もし訪れたお店で出てきたら、そのお店の料理長の手間を感じながら、
味わってみたらいかがでしょうか^^
2014年11月16日
白金台こばやし
女将 小林 綾子
11月になりました。
また季節が変わり、メニューも変わりました。
板長がエネルギーを使うのは、普段の仕込みもさながら、
その月のおしながき決めです。
基本を重視する板長。その基盤の上に、やりすぎない創作をいつも考えています。
毎晩営業が終わってからも、和食の基礎の本を読み、
研究しています。
そして普段から、いろんなところにヒントを探しています。
時にはイタリアン料理からアイディアをもらうことも。
さて、今回から10品ご用意している当店のメニューに合わせて、
和食をご案内していきたいと思います。
【先付(さきづけ)】
その日最初に出る一品目の先付、
私たちはこれをお客様へのご挨拶だと考えています。
「おっ」と思わせ、同時に「ほっ」とさせる一品かと思います。
これから始まるコースへのプロローグとして、
かなり重要な一品です。
なので板長はいつもこの先付けをとっても大事にしており、
いつも頭を悩ませています。
たとえばトウモロコシの玉子豆腐。
とうもろこしのすり流しと、思いきや、
実は玉子豆腐ととうもろこしのコラボレーション。
ポタージュにはない、まったりとした食感でいながら、
しつこくない味わい。
一品目から今後に期待を持って頂けるように、とご用意致しました。
その店の先付に、その店の想いが込められているのではないでしょうか。
是非ご注目ください。
お店がオープンして10ヶ月が経ちました!
ご無沙汰してしまいましたが、元気にやっています。
まずは2ヶ月後の一年を目指し、
板長とともに、日々励んでいます。
初めての一年、
昨年の冬から始まり、春、夏と初めての季節を過ごしてきました。
女将として過ごす毎日は、
とっても新鮮です。
なんといっても【日本の四季】を大切に感じることができるんです!
日本料理はお皿ひとつとっても、
季節の移り変わりを感じられます。
飾りつけの葉っぱ
旬のお魚
季節のデザート
お店のお花
どんどん移り変わっていき、
終わっていくときはとっても名残惜しく、寂しい気持ちになります。
板長と一緒に、一日いちにちの移り変わりを、
楽しめる今がとってもありがたいです。
いよいよお皿の上は秋本番。
美味しい季節がやってきますね!
JunkStageをご覧の皆様、こんにちは。 いつもJunkStageをご訪問いただき、ありがとうございます。
「女将への道」のライター、日本料理店女将・小林綾子さんですが、現在多忙のため7月末日までこちらの連載を休載とさせて頂いております。
ご愛読頂いております皆様には大変申し訳ございませんが、次回更新の際をお楽しみにお待ちくださいますよう、お願い申しあげます。
(JunkStage編集部)