こちらかあちゃんの、
化石やエトルリア人の墓探しに一緒に行く友達、モニカさん。
「料理を担当していたお母さんの調子が良くないから、
手伝いに来てー!」
と言われ、ちょくちょく行っている
サイトは英語かイタリア語なので読みにくいかも知れませんが、
ここ、野菜、肉、オイル、ワイン、ハチミツ、、、
すべて自家製なんです。
でもそのはずが、
「あれ?スーパーで買い物したの?」
と尋ねると、
「割高になるけど、足りないときはここのスーパーで買うの。
卸している人が地元の人で、どう育てたか知ってるし」
との答え。
さすが!
とうちゃん、早速キッチンへ。
時間がかかる、スペッツァティーノ(肉の煮込み)と
ラグーソース、そして豆を炊くのから取りかかり。
私は外へ。
まだ朝が早いので霧が晴れませんが、
緑は十分生き生きしています。
キッチンへ戻ると、
こんがりトーストされたアーモンドのいい香り!
さて、何に使うのでしょうか?
「リボリータの野菜が足りないよー」
と、とうちゃんから。
小さなナイフを持って外へ。
こちらはアグリツーリズモ用に栽培したフダンソウですが、
周りには、いくらでも生えている有り難い草なんですね。
はい、タップリ入りました。
このリボリータ、トスカーナの伝統(農民)料理なのですが、
白インゲンと野菜をこうやって煮込んでおいて、
食べる時には、カリカリのパンを敷いた上に、
もう一度ボッリータ(沸騰)させてから、
熱々を頂きます。
その時点ではもうドロドロとなっているのですが、
旨味がギュッと出て美味しいんですよ。
「ちょっと豆の様子を見に行こうよ」
とまた外へ。
これはエンドウ豆。
まだもう一息かな〜?
で、その奥に。
「わあーーー、ちょうどいい!美味しい!!最高だね!」
と、
かあちゃん今となっては、
カフェでお茶しながらではなく、
畑でもぎり食べしながらしばしの女子会です。
戻ると肉が良い感じになっていました。
ここからみじん切りの野菜と
自家製のトマトソースと赤ワインが入り、また煮込みます。
オーブンから出て来たのはなんでしょう?
こうなればわかりますか?
これもトスカーナの伝統お菓子、
カントゥッチです。
最初のアーモンドが出て来ましたね。
ここからまた乾燥させてザクザクの食感にして、
ヴィンサントという甘い食後ワインに浸して頂きます。
これだけ丁寧に一から育てられ、
守り継がれた伝統料理は、
「美味しい」以上の「満足感」が得られますね。
車があれば、ここからシエナ、モンタルチーノやオルチャ渓谷見物、
川湯温泉やサンガルガーノ修道院、ヤギチーズの見学などが楽しめます。
まるでエトルリアの時代のような、
現実から離れたバカンスはいかがですか?
イースターも終わり、
そろそろ観光シーズンに入ったトスカーナです。
近年、
こうゆう風に、馬で旅をする人が増えているように思います。
車でビュンと過ぎると、
同じような景色に飽きてしまうけど、
ゆっくり過ぎる景色は、
風、音、匂い、光と、五感を存分に刺激し、
この上ない贅沢な気持ちにさせてくれます。
「馬?乗れない」と諦めないで、
馬車を借りるという手もあります。
クレーテ セネーズィと呼ばれるシエナの青みがかったグレーの地、
それが一面、黄色になり、赤になり、緑になり、小麦色に変わり、
花の香り、草を刈った匂い、
世界遺産にもなるオルチャ渓谷を眺め、、、
と、写真には写りきらない旅もいいですよ。
そして一日疲れたら、
地元のもので最高の料理に最高のワイン!
とうちゃん、呼んで下さいね〜。
さて、今回は南イタリアのパスタ、オレッキエッテです。
オレッキオが「耳」
エッテと変わるのは小さいという意味になり、
そのまま、小さい耳の形のパスタ。
いきますよ!
粉 500g
(強力粉、中力粉、全粒粉、混ぜたりします。
全粒粉は水を多く吸うので、水分を多めに。)
水 250g
オリーブオイル 20ml
またシンプルです。
全部を混ぜて、捏ねて捏ねて、
1時間ほど蓋をして休ませます。
そして棒状に伸ばしたら、スケッパーでパッパッパッと切る。
手のひらで直径2センチほどに丸める。
指でムニュッと台に押し付けて真ん中をくぼませる。
パスタの準備はこれだけです。
簡単で楽しいですよ〜。
今回は、菜の花のような、
Cima Di Rapa (チーマディラーパ)を使います。
オレッキエッテと言えばこのチーマディラーパやブロッコリー、
今の季節のブロッコレッティと呼ばれる、
ブロッコリーの一番花を摘んだ後に脇からドンドンと出て来る
小さなブロッコリーやその周りの葉っぱをよく使います。
カブの葉っぱでもいいですね。
パスタを茹でるお湯(塩たっぷり)で、葉を茹でる。
横でフライパンに潰したニンニク、一カケのペペロンチーノ、
アンチョビーを2、3枚、(なくてもいいです)
オリーブオイルたっぷり入れてから火をつけます。
ゆで上がった葉をフライパンで炒める。
中華料理のようにフライパンを熱くはしないです。
じんわりゆっくり香りが出て、ニンニクに色をつけない!
そこへ同じお湯で湯がいたパスタを入れ、絡める。
うまく出来ましたか?
簡単でしょう?
手打ちパスタは乾燥パスタとは全然違う食感、
モチモチ感が最高に美味しい!!
これも家族、友達とワイワイと作ってみてくださいね。
サイトも出来た、
Facebookのファンページも作った、
Private Chef Hiro Facebook (Facebookページ)
これで一段落!
なんて思った矢先、
地元に住むイギリス人の友達から、
「見たよ、でも写真がね〜、、、、」
と。
彼女はプロのカメラマン。
ガックリ来たかあちゃんですが、
「一回撮らせてよ!」
との一言に行ってきました。
「色」にこだわる彼女ですから、
とうちゃんも「色」を意識した3品を。
こちらのカボチャ、
火を入れると崩れるので気をつけなければなりません。
左でグツグツいっているのは
小さな新タマネギのブルネッロ煮。
対照的なのが右のミニキャベツとアスパラガス。
こちらはゆっくりとジワジワ火を入れ
色を残しています。
そして真ん中の黄色がひよこ豆。
ちょうど赤、黄、緑と本当に綺麗。
さて、
仕上がりはどんな「色」に?
そしてどんな御料理に??
パッサートディチェーチ、
漉したひよこ豆とタリオリーニパスタ、
上には野生のアスパラガスとフェンネルのフリット。
西洋カボチャのリゾット。
子牛のフィレステーキ、ブルネッロソース。
本当に贅沢なソース、
色も香りも最高です。
そして先ほどのミニキャベツ、アスパラガス、新タマネギが出て来ましたね。
私、横で自分のカメラで撮っていたのですが、
全部暗く写るのです。
プロはフラッシュをたいている訳ではないのに、
どれも明るく、色が全然違いました。
これ、コッソリ撮った撮影風景。
ね、暗いでしょ?
写真の違いは歴然ですね。
この後は、みんなで試食会。
このタマネギ、美味しかった〜!
出来ましたよ!
http://privatechefmontalcino.com/
ずっと手ほどきを受けていた友人に
最後のチェックをしてもらい、
いろいろな箇所のサイズ調整を行いやっと開けました。
ウェブサイトって、
そんなちょっとした事でガラッと表情が変わるのですね。
まるで素顔とプロのメイク後のようで、
自分の顔なのに、いつの間にか商品のような見栄えに驚く!
(自分なりの評価ですが。。。)
ただただ感謝です。
英語だけですが、覗いてみてください。
今日はとうちゃん、
ヴィーガン料理教室を頼まれ行ってきました。
本当は、肉や魚の方が得意なのですが、
20年もレストランで働いていると、
必ずヴィーガンやベジタリアン、
アレルギーなどの方達の対応をしなくてはいけません。
そしてここ数年、
ヴィーガンとまではいかなくても、
ヴェジタリアンメニューを好む方が格段に増えています。
こちら、
Podere Salicotto (ポデーレ サリコット)
のオーナーのシルヴィアさんも、
「ヴィーガンを始めたけどレパートリーが少な過ぎて、違うものが食べたい」
と言う事で、
本来ミートソースのパスタにベシャメルソースを合わせ、
チーズをタッブリかけてオーブンで焼き直す、
「パスタアルフォルノ」という料理を、
すべて植物性の食材で作りました。
これなら肉がなくとも、
ドッシリと満足感が得られます。
ベシャメルソースを上に塗っているとうちゃんの向こう側、
窓からの景色が素晴らしくないですか!?
キッチンは広々、どこを振り向いても大きな窓から
景色が一面に望めます。
28ヘクタールのこちらの敷地は、
オーガニックの穀物を栽培していて、
ついでに自家用の畑から、
芥子菜のつぼみを採って来て天ぷらにしたり、
豆腐と野菜のミルフィーユを作ったり。
とっても楽しい2時間でした。
ここ、シルヴィアさんの声かけで、
宿泊客のみなさんで食事会をしたりするんです。
その時はとうちゃんが料理をするので、
是非とも味わいに来てくださいね。
ところでかあちゃん、
最近密かに嬉しい事が。
12月の誕生日まで、
「みんな持ってるんだよ!携帯買って〜!!」
と散々言っていたお姉ちゃん、
ここ数ヶ月、そんなダダ捏ねはピタリと止まり、
なんと、少し離れた友達と文通を始めました。
考えましたね〜
今ではチビちゃんもこんな調子!
毎日、郵便ポストを開けるのが楽しみで楽しみでたまらない様子です。
ほんの数行の携帯メッセージではなく、
何枚も何枚も、
書いては消してを繰り返す手書き、
そして返事を何日でも待つ。
気持ちの入り方が全然違いますね。
なんだかこちらの心までホッコリです。
ウェブサイトはまだ開かないのか?!
なんて言わないでくださいね。。。
周りの人たちからも、
「早く宣伝しないと!サイトもチラシも目につくように!」
と言われるのですが、
実はもう動いています。
早速モンタルチーノのアグリツーリズモからお声がかかり、
出張してきました。
とうちゃん、仕事中は楽しそうですね〜。
久しぶりにトスカーナへ戻って来られたお客様だったので、
とうちゃんのトスカーナ料理を堪能して頂きました。
このお客様、
モンタルチーノのレストラン時代からのお客様なので、
また夏に戻られるのが楽しみです。
さて、最近の私たちは、
近辺のアグリツーリズモへ出掛ける毎日です。
そして、
息を飲むような景色に
改めて驚かされています。
こんな景色に空気にワインに料理、
満腹になったらそのままベッドへ。
贅沢なバカンスじゃないですか?
こちらはキャニーナ牛の飼育も行う、
アグリツーリズモ アンドレイーニ。
4月からはとうちゃんを呼んで、
キャニーナ牛、グリル&バーガー祭りを定期的に行う予定です。
他にも、
ブルネッロ解禁祭へ出掛けた際に、
ワイナリーから声がかかったり、
友達からパーティー用のケーキを頼まれたり、
他何軒かのアグリツーリズモからも週一で来て欲しいと言われたり、
スケジュール調整に頭を捻るかあちゃんです。
ちなみにこの木曜日には、
ここブオンコンヴェントのリストランテ ダ マリオにて
「インド料理の夜」を行います。
なんだか自由になって楽しいです。
とうちゃん、
1月いっぱいでレストランを辞めました。
そして出張料理人を始めました!!!
以前からリクエストがあれど、
レストラン勤務は営業中動けません。
いろいろな法律をくぐり抜けるには、、、
自由になるしかない!
はい、20年以上の勤務体制から自由になりました。
自由になった分、会社がすべて用意してくれるわけではありません。
会計士、税理士と足を運んで慣れない作業をしております。
慣れないと言うと、ウェブサイトも。
かあちゃん、イタリアから大阪の友人の力を借りて、
というか、指示に従って、
目をショボショボさせてがんばって制作しております。
この友人を始め、周りの人の力がなければ行動出来なかったと思うと、
人の力は素晴らしいと感謝に感謝です。
ブオンコンヴェント、モンタルチーノ周辺には
最高の景色のある美しいアグリツーリズモが沢山あります。
逆にホテルが少ないんですね。
レストランへ食事に出かけるのもよいですが、
せっかくのロケーション、
そこがそのまま自分だけのレストランになるって素敵じゃないですか?
せっかく買ったブルネッロ、
アテもなく開けるより、
これに合わせて料理を作って欲しい、
記念日に合わせて料理やケーキを用意して欲しい、
レストランの味を、この景色と味わいたい、
サクサクのグリッシーニの作り方を教えて欲しい、
などなど、素敵なバカンスを思いっきり味わって頂きたいと思っています。
昨日は相談を兼ねて、
税理士の友人宅へ。
大人が話し込んでいる間に子供達は?
2ヘクタールもある敷地を走り回り転がり回り。
この敷地もこの春からは、
馬も一緒に駆け回る馬宿となるそうです。
子供達を眺め、家に戻ると、
とうちゃん、さっそくプライベートシェフとして
天ぷらを頼まれました。
奥にあるのはカボチャのスープ。
地元のワインとある物でササッと素敵な夕食、
楽しい仲間とワイワイと。
そんな「時間」が贅沢ですね。
ウェブサイトを手伝ってくれている友人の
くだらないブログ(本人談)
http://shinooo.tumblr.com/
彼女にしても、とうちゃんにしても、
「仕事が速い」というのが
プロフェッショナルなんでしょうね。
プロではないかあちゃんのウェブ作業はまだ
coming soon….ですが、
メールは開いています。
info@privatechefmontalcino.com
相変わらず、
風が吹こうが、寒かろうが、
鼻水が垂れようが、ダルくて学校は休みそうでも
土曜日の朝の馬は、朝からシャッキリと行く娘達。
週に一回、思う存分動物と戯れるのも悪くないな、、、
と思うかあちゃんなんですが、
実際のところ、
普段とは違う友達と、
何でもない事でキャーキャーと遊ぶのが楽しいんですね〜。
もちろん、馬、犬、ネコ、羊、ヤギ、、、
みんな巻き込んでですが。
「帰るよ〜」と迎えに行くと姿を消す娘達ですが、
かあちゃん、彼女達の秘密基地を発見してしまいました!
こんな風に語り合う時間って、
一生の宝物になるんでしょうね。
娘達が馬や友達と戯れている間、私は
お決まり、食料、日用品の調達です。
色がたまらなく美しい!!
さて、どう調理しようか!?
と胸を躍らすかあちゃんですが、
娘達はすでに、休暇に入ったとうちゃんと
ピーチを作る約束をつけていたようです。
ピーチ、トスカーナの手打ちパスタ、
うどんのような歯ごたえのあるパスタなんですが、
作る段階の生地はうどんのように硬くなく、
どちらかというとフワフワなんです。
さあ、いきますよ。
粉 1kg
水 530g
オリーブオイル 50g
これを捏ねて捏ねてひとまとめに。
少し落ち着かせたら小さく切り、
手を前後させながら紐状に伸ばしていく。
手や台に油をひくとやり易いですよ。
この作業、楽しくて子供達も大好きです。
と言うのも、
太さが少々いびつになってもかまいません。
長さも適当でいいのです。
そして今回、
二女の得意料理(?)
アリオーネ。
イタリア語でニンニクの事を
aglio アーリオ、
語尾がオーネとなっているのは、
大きいという意味になるのですが、
この場合、トマトソースベースに
ニンニクがとってもきいているとなります。
娘の作り方は簡単簡単。
鍋にオリーブオイルをタップリ。
ここがポイント、本当にタップリですよ。
そこへトマトソースもタップリ入れて、
こちらのニンニク潰しで2、3カケのニンニクをギューっと潰し
少々の塩を入れる。
それを火にかけ、ゆで上がったパスタを入れて絡めるだけ!
「ニンニク炒めないの?」
と思われました?
本来は炒めるのですが、炒め方が違います。
日本ではよく、
「ニンニクはこんがり、香りが出るまで」とありますが、
イタリア料理ではニンニクは最後まで色をつけません。
焦がすなんてとんでもなく失敗なのです。
なのでこれでOK!
チビちゃん自慢の一品は、
簡単で美味しい、最高の一品です。
休みの日、何作ろうかなぁ?と悩むお母さんお父さん、
子供達と一緒に
簡単トスカーナの味はいかがでしょうか?
元旦の朝の空。
良い感じ。
なかなか起きないチビちゃんを急かして登る登る。
そして、
ヤッター!!
今年はニューイヤーの喧噪を避けて
初の試み、
初日の出を拝みに行きました。
前夜12時までにキッチリ魚のコースを出し終わり、
12時にスプマンテで乾杯、
そしてドルチェを出し終えたとうちゃんも翌朝がんばって参加。
日が昇る前からの空の、地面の、
色の移り変わり楽しむ美しい幕開けとなりました。
みなさん、
明けましておめでとうございます。
本年もどうぞ宜しくお願い致します。
イタリアのクリスマスの締めくくりは
6日のエピファニアに終わります。
正月を新しく迎える日本人からは変な感じがしますが、
クリスマスツリーもこの日まで出しておきます。
そしてクリスマスではなく、
6日の為に、暖炉に靴下をぶら下げ、
よい子にはお菓子を、
悪い子には炭をベファーナと呼ばれる魔女が運んできます。
ちゃんと炭の形のお菓子も売っているので
子供達の反応がおかしいですね。
エピファニアは冬休み最終日でもあります。
天気は最高!
と言う事で、ピクニック&トレッキングに友達と出掛けました。
ブオンコンヴェントの近くのラ ベファと言う村から出発。
元々鉱山で、鉱山鉄道が走っていました。
が今は跡形もなく、壊れて封鎖された橋が苔だらけになっていたり、
列車が走っていたトンネルを潜ったり。
「抜けると湯婆婆が出そうだね」
なんて言いながらこの辺はまだ軽い気持ち。
歩き始めて5分で子供達はすでに泥だらけ。。。
まるで猿山のようですが甲羅干し。
しばらく歩いて、
「ちょっと荷物を軽くしない?」と。
さすがイタリア人。
どんな状況でも食べる事は諦めません。
この後も自家製のパンにトリュフ入りのサラミ、
作り立てのフレッシュなソーセージから
しっかりと干したソーセージにサラダ、
フリッタータ(オムレツ)、フルーツにドルチェ、
そしてワインにチーズもしっかりと。
ああ、皆満腹満足!
だけど冒険はここからがはじまりです。
山道の地図を片手に友達の一人が、
「元鉱山までは行けるだろう。
だけど帰りは同じ道は通らないよ。」
ははは、
とりあえず歩き始めます。
よい天気、まだ道はあります。
自然が作り出す造形は何よりも美しい。
日が当たらない場所には苔がビッシリ。
土壌にはミネラルがタップリなので、
この辺の草木は色が鮮やかです。
ガレストロという土壌も多く、
少しの衝撃でガラスのようにパラパラと崩れるのです。
さあ、2本目の橋。
こちらは作り直してあるので安心!
と思いきや、、、
ひゃーーーーー、
下が丸見え!!
子供達はもうすでに川で水遊びをしていたので、
私たちはこの橋でゴロンと寝転がり、
空中遊泳気分で一休憩。
立つより寝転がる方が怖くないんですね。
さあ、それからも歩き続け、
川は飛び石を投げながら渡って、
やっと折り返し地点。
「ずっと下ったから登らないとね」
はい、川まで下りましたからね。
でもって、そんな一気に登らなくても、、、
下はガレストロ。
泥よりマシですが、
踏みどころが悪いとザザザッと崩れ落ちます。
みんな無言になって登り続け、
やっと頂上近く。
もうゼーゼーです。
「あっちにモンタルチーノが見えるから南、
あの教会は西にあたるからこっちの方角だろう」
などと言いながら森を抜け、、、
やっとたどり着いた目的地にはとうちゃんが待っていました!
森の中って必ず、
「このまま出れなくなったらどうしよう?」
と不安がつきまとうのですが、
そんな中、人間の建造物を見つけた瞬間、
希望の光が射すんですね。
大げさなようですが、
サバイバル感満載です。
みんなよく歩いたよねーーー。
またテーブルクロスを広げ、
おやつを食べているとバッチリ夕日が!
本当にクタクタになりましたが良い締めくくり。
お陰で早寝早起きのリズムに戻る事が出来ました!
歩きながら
「明日から学校行きたくない〜」
と言っていた子供達ですが、
行ったら行ったで楽しいんですよね。
まあ、適当に。。。
休みになったらまた歩こう!
ここ2、3日でやっと、
0度前後のパリッと寒い冬になった南トスカーナです。
キリッと冷えた風が吹くと同時に、
今までの生温くジメジメしていた空気が一掃され、
久しぶりに青空が!!
あ〜、やっぱりイタリアにいるんだから、
こうじゃなくっちゃ!って思います。
天気に誘われ外へ出ると、
ジメジメ生温い天気が続いたお陰で
春まで待つはずの草達が、
太陽に向かって目一杯の力でピカピカです。
採るのが申し訳ないくらい、、、
と思いつつも、
学校がないと時間にも追われず、
草採りにも夢中になれる、
ああ、いいなぁと時間を噛み締めております。
さて、太陽が出るとどうして外へ出たくなるのでしょうか?
どれだけ冷たい風が吹いていても、
太陽の下を歩くと寒さを感じないんですね。
(まあ、そこまで寒い環境ではないですが。)
体の表面から中へ中へと暖かみが伝わると言うか、
これが赤外線の力なのでしょうか。
とても気持ちがいいです。
そして家に帰ると、
この、暖炉の火。
暖房では味わえないこの温もり〜。
そしてどうしてなのか、
食べ物がすべて美味しく出来上がるのですね。
子供達は
「暖炉のお湯は喉にスルスル入っていく」なんて言います。
こちら、一度父ちゃんのスープで紹介したのですがもう一度。
チチェルキアという豆。
古代エジプト人達はすでに栽培していたという、
豆の中でも、一番古い歴史を持つのではないかと言われています。
栄養価も高く、
日照りが続こうが食料飢饉に陥ろうが、
どんな条件でも育ち続ける事が出来るこの豆、
現在ではほとんど見かけない、聞かないんですね。
マルケの方が有名なので、そちらへ行けばあるのかも知れませんが、
現代、
大豆、レンズ豆、ひよこ豆、インゲン豆、エンドウ豆、、、
のように、世界中どこへ行っても、
大概あるじゃないですか?
でも、チチェルキアはあまり。。。
多食すると毒性もあるのですが、
イタリアで言われるその理由は、
「飢えで苦しんだ思い出から見たくないから」
なんだそうで。
よーく見ると、
形はそら豆、大きさは枝豆くらい。
乾燥したものしか手に入らないので、
水を含ませるのにかなり時間がかかります。
硬い皮もついたままです。
やっぱり豆、
茹でるのに時間がかかります。
圧力鍋だと、時間を間違え
皮だけ残って触ると豆が崩れるなんて事はしょっちゅうあるかあちゃんですが、
これを暖炉へ。
鋳物の鍋に入れて丸一日暖炉の中へ入れてしまいます。
温度管理もせず放ったらかし。
一日経って少しの塩を足すだけで後はなにもいらない。
完全に美味しいスープが出来上がります。
チチェルキアの味はそら豆に近いですね。
特徴としては、
何処から出るのか「ダシ」がきいているのです。
本当に塩だけで最高に美味しいんですよ!!
正しく「喉へスルスル通っていく」なんですね。
美味しい物はそうでなくっちゃいけません。
暖炉の火の力で皮は硬くなく邪魔になりません。
豆は崩れることなく柔らかく、
キリッと冷えた中を散歩した後には最高です。
日本で暖炉は少ないかもしれませんが、
バーベキューのときなど、
炭を使わずに枯れ木から火を熾してみるのもいいかもしれませんね。
今日はまたひよこ豆。
ニンニク、ローズマリー、ドライトマトのオイル漬けを一緒に入れてみました。
後は重い蓋をして
一日待つだけ。。。
年末は何かと忙しいのですが、
こうやって手抜きをするかあちゃんです。
今年も一年、読んで頂きありがとうございました。
来年も、とうちゃんの料理をはじめ、
私の田舎話にもお付き合い頂ければ嬉しく思います。
良いお年を!!
ずーっと雨が続く中、
ほんの数日間、こんな晴れ間が差し
雲と一緒に自分の気分もサーーーッと晴れ上がった!
はずなのですが、、、
少し前までは、
「ご飯にしよっかー」
の一言で
「何食べるの?何作るの?」
と来ていた子供達。
が、ここ最近は、
ギリギリまで遊んで返事もしない。
長女は私の雰囲気を読み取り、来るには来るけど
何をしてよいのか?なんて素振り。
二女は全く来ようともしない。
頭が一杯になると、
行動がバラバラになってしまうんですね〜。
来週末の音楽の発表会に向けて
学校が終わっても音合わせに出たり入ったりで
昨日の夜も、
揃って食べ始めたのが20時過ぎ。
全部揃った所へ来てガツガツと食べる子供達。
ああ、お腹空いてたんだろうなぁと思いつつも、、、
そう思いつつも、、、
「ねえ、何食べてるかわかってる??」
と口を開いたのがもうおしまい。。。
「生きる為に一番大切な物は何よ!?
息吸って水飲んで食べないと、
音楽も勉強も、遊ぶ事も出来ないよ!!
一番大切な事を軽く観るんじゃないよ!!!!!!」
と声を荒げてしまいました。
はい、我が家のルール、
「起きた時、食べる時、寝る前は気分良く」
を自ら破りました。
ここで怒っても意味がないと解りつつも
流されている時間にたまらなくなってしまったかあちゃんでした。
「食べる」とは、
ただ単にお腹を膨らます欲求を満たすだけではないのですね。
自分の命を続けさせる行為なので、
命を頂くのだと思っています。
子供とは本当に神秘な生き物で、
何にでも興味を持つ。
昔、長女が小さかった時、
テーブルに盛られたフルーツやトマトを嫌がっていました。
が、育つ段階を観察すると違うんですね。
自分で植えたトマトが育ち、
花が咲き、枯れて緑の小さな玉が出来、
段々大きくなって黄色に変わり赤になる。
売ってるトマトはツルツルだけど、
植えたトマトには毛が生えてる。
赤くなった時、自分でもぎ取って食べてみる。
パリポリと音がし、口の中で弾ける。
「美味しい」
ついでに黄色いのも食べてみる。
「酸っぱい」
こうゆうときの子供の表情を観るのが大好きでした。
なんと言うか、ハッと息をのむ瞬間ってあるじゃないですか?
脳みそがフル回転してるんでしょうね。
もうそんな小さな子供ではなくなったけれど、
その、
「ハッ!」
を、いつまでも大切にして欲しいと願うかあちゃんです。
さて、人生折り返し地点も過ぎたかあちゃんですが、
先日私にも「ハッ!」がありました。
姉の住むオランダに母が来たので
私たちも合流してきたのです。
綺麗な街並、大きな窓から見える家の中まで
息を飲むほど美しい。
のですが、
私が「ハッ!」としたのは、
母が揚げてくれた天ぷらでした。
我が家の天ぷらは切り方が大きいので見た目ですぐにわかります。
一口食べて、
「あああああああああ、この味!
お母さん〜!!」
見て「ハッ!」食べて「ハッ!」
とした瞬間でした。
味って、細胞の中にしっかりと残るんですね。
あまり沈んでいても仕方がないので、
今日は久しぶりに私も天ぷらを揚げてみようかな、
人参の葉っぱもあるし!
さあ、来週末は発表会。
子供達に新たな「ハッ!」があるといいなぁ。。。