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2013/02/26

こんにちは。根本齒科室の根本です。

どうやら安倍さんが盛大にTPPをぶち壊してきてくれたらしく、
小浜涙目とのこと。ならば慶賀に堪えません。

とかコレとかソレとかアレのような見方もあります。
(個人的には「アレ」のパターン2かと思っています)

とにかく
 自民公約6条件の遵守
 毒素3悪の完全拒否
  ラチェット
(条項) ネガティブ(リスト) ISD(条項) にNo!
は必要最低条件です。
 

TPPを歯科から見た感想については、次回に投稿します。

気が付けば もうすぐJunkStage歴2年。

元来飽きっぽい性格で、結果的にみるとよく続いたと思う今日この頃です。
開業していると、時間のたつのが極端に短く感じられますが、気がつけば世の中も
いろいろ変わったようです。
開業当初は第一次安倍内閣。そして民主党時代や3.11を経て、現在は第二次安倍内閣。

一応立ち位置の確認をしておきたいと思います。
コラムを書く際に気を付けてきたこととしては

 なるべく自医院の宣伝にならないようにすること。
 なるべく治療法の宣伝にならないようにすること。
 とくに我田引水とか腕自慢にならないようにする。
 ・・・なることもあるけど

とりわけ世間一般にある歯科の治療観、臨床観と、自分なりの治療観、臨床観
そのなかで今まであまり取り上げられていない側面や考えかたを伝えたいと考えてきました。

とくに3.11を経験してからは、2つのことを中心に、さまざまに視点を変えながら
お伝えしていくことが、公益性に資すると考えてきました。

① 歯は「自然治癒しない」「予防が必要かつ有効」
② 過剰な力は歯に悪い

この2点については(ステマではありませんが)当歯科室のHPや院内新聞においても、
もちろんJunkStageでも、繰り返し述べてきました。
本来なら政府が公式にステートメントを発してほしいとすら思っていますが・・・
(まぁ、歯科医師会の手前、あまり声を大にしては言えないでしょう)


そう、歯科はグループBでしたね。医科一般はグループC、難病はグループDでした。
私の場合は、自分や自院だけでないのはもちろん、歯科医院側に限らず、なるべく
多くのお立場の方、多くの場合に共通する内容であることにも気を配ってきました。

たとえば歯科医師でも、自前でブログや記事を書いている方はおられると思います。
自分も昔書いていましたし(すぐに挫折した)。

 ただ最近はTwitterで「●●日の●時にキャンセルが入った」などとつぶやいて
 予約事故対策を行ったり、Facebookでまめに活動報告して認知の強化をはかる
 のも流行っている模様です。

 また、院長ブログ、スタッフブログで親近感を演出して集客につなげる
 手法も推奨されています。

 しかしそれらは、完全に私的なもの、であり、営業・ステマの域を出ません。

発言の場が、自前の土俵と異なり、非営利・公的プラットフォームであるJunkStageである
という事実自体が、発言内容に対する公益性、十分なガバナンスの担保にもなるわけです。

業種にもよると思いますが、まあ歯医者がこんなところで自院の営業やステマを連発したら、
やはり公益性に反するし、大いに顰蹙を買うのは当然でしょう。

しかし、そんな大見得を切りつつも、更新もなかなか覚束ないことも少なくないのが現実です。
心の中に湧き上がる意見や見解が、なくなるわけではないのですが。しかし・・・

◇ 日々のストレスが大きい

個人での日常の仕事は、うれしいことよりも、つらいことのほうが圧倒的に多いです。
しかも、臨床そのものよりも、経営や売り上げ、支払、集客など、そちらのほうで
つらい思いをすることが非常に多いです。

月に何十万~百万単位の支出が連発し、大きく入って大きく出て、差引が少ない。
これは、勤務医時代には一切感じたことのなかった、ものすごいプレッシャーです。

そのあまりのストレスから、(・・・いいや今日は。今度今度)などと、投稿を断念、先送り
したことも正直多いですね。

たとえると、勤務医時代は、小額かつほぼ定額の収入毎月定期的に入金があり、
つつましいながらも支出をコントロールして計画的な生活が送りやすいものです。

いっぽう開業すると、高額かつ予測のつきにくい出費が大量にあり、入金も不安定。
大企業のように潤沢な内部留保もありませんし。
短中期的に支出をコントロールして、などという甘いことはほとんど不可能であって
計画的な生活とは完全に無縁になるので、生活防衛上さらにつつましくせざるを得ない。

勤務医をパチンコの玉としたら、開業医はさしずめビーンボールの玉です。
または、株に例えると、現物買いと、信用二階建ての一発勝負の空売りの違いともいえると思います。

◇ 集まるネタが具体的すぎる

実はネタはいろいろ浮かびはします。
しかし、守秘義務に照らし合わせて、表に出せなさそうなものばかりが多いのが実情です。
この仕事をしていると、毎日患者様と接するわけなので、とくに「実例」には事欠きません。
「○○さんがああ言った、こう言った、気に入らない、理解力が乏しいetc」
そんなネタばかり山のようにあつまります。酒も進むわけです。

しかし、このような商圏の狭い地場産業で、実例紹介系に走ると、いうまでもなく
文面は真っ黒になり、他の患者様や地域の信頼を大きく損ねる。。

また、コレはいいと思って裏を取ろうと思ったものの、結果的にあまり妥当な見解ではなく
自分の中でボツになってしまうものも少なくありません。

 たとえば、「歯科医院国営化」について以前書いてみたときは、非常に悩みました。
 どう見ても過激だからです。

 一応他の分野の例を挙げると、明治時代、鉄道国有法というものがありました。
 おもに国策として鉄道プラットフォームの一元化を推進し、結果として、現在の鉄道インフラの
 優れた利便性の礎になった面もあります。
 また、戦時中は、改正陸運統制令によって、数多くの私鉄を戦時買収していました。
 たとえば、先日一部開通した仙石線も、途中までほぼ東北本線と併走しており
 (これどうなのかなぁ)と子供心に思ったこともありますが、そういうことです。

 とくに佐貫在住の身としては、なぜ国は関東鉄道を接収しておかなかったのかと
 悔しい限りですw

 ですので、過激とはいえ、民間インフラの国有化は全く前例のないことではありません。

 ただ、予算委員会で問題になったJAL再上場詐欺問題やNHKの水ぶくれ、売国の問題、
 日本郵政の郵便と金融の関係の問題など、半官半民のものが一番扱いがデリケートです。

 別の例ですが、私は、NHKは国営部門と民間部門に分けて(国・民分割)、国営部分は
 受信料ではなく税金で運営し、内容もスリム化、人件費も国公並みにと、つねに思っています。
 しかし、ここまで水ぶくれ
、売国になってしまった以上、ひとおもいに革命的切捨て
 のようなハードランディングは、溜飲は大いに下がりますが、ダメージも大きい。厄介です。


長くなりましたが、このような「日々のストレスが大きい」「集まるネタが具体的すぎる」などの
どう見ても言い訳としか思えないような理由で、私のコラムの更新は遅々として進まないわけですw

さて、私は、国民レベルでは自由や民主主義、法の支配というのは大変重要だと思いますが
国家レベルでは、過剰な自由(新自由主義、コーポラティズム、ショックドクトリンetc)が進みすぎ
大企業ばかり優遇して、結果として国民の便益を損ねることには慎重な立場です。

それは予防歯科を推進する立場からもそういえます。
何よりも予防歯科は公衆衛生や疫学、社会保障と密接に関連するので、フランス革命で言う

「自由 平等 友愛 博愛

では平等が一番大事だと考えるからです。

ちなみに「博愛」が誤訳であるのは有名ですね。
友愛、すなわち自分の意見と同じ人(=友)ばかり優遇して、異なる意見の人は排除する、という姿勢は平等精神に反すると思いますし、公衆衛生や疫学、社会保障の理念にもなじみません。

先日、映画『レ・ミゼラブル』を見ました。
俳優の生き生きとした演技に比較して、画面の中の建物や風景の汚さにさらに驚きました。
衣装・メーク・セットなども、全般を通じてことさら汚れっぽく不潔じみていて、当時のフランスに対するイメージを覆され、強い違和感を感じました。
アン・ハサウェイなんか坊主だし、歯まで換金性商品として抜かれるしw

当時のフランスのグダグダ加減には、映像で見てさらにおどろきました。
しょせん「自由」って、フランス革命にかぶれた落ちこぼれが、新大陸で大英帝国に抵抗する
抗弁のためにでっちあげたプロパガンダに過ぎません。
ただ、「自由」って、抗弁のために看板に掲げるには「便利」ですよね。
だから「自由」の看板の取り合いが、いつも官僚や大企業や中小企業や消費者の間で
取り合いになるんですね。それこそ政治なのかもしれません。

フランスがアメリカのことをいつも鼻で笑っているのも分かる気がします。

それに、フランス革命自体がエドマンド・バークや、アレクシ・ド・トクヴィルの名前を出すまでもなく、物事がなかなか奇麗事では進まない典型であったと思います。
ルイ16世だって、殺さなくても良かったのに、なんて、日本人だから思うのでしょうか??

【今回のまとめ】省略

02:44 | nemoto | 公益性と、根本の立ち位置の確認 はコメントを受け付けていません
2013/02/09

こんにちは。根本齒科室の根本です。

予算委員会、YouTubeで見ましたが、初日から面白かったですね。

 レーダー照射の報告が遅れた ← 民主政権時代は公表せず政治判断で隠蔽?
 グーグルアースで船が分かる ← 船は動いてるんですが何か?
 日銀の独立性がそこなわれる ← 「外債を買え」と日銀に言ったその口で?

さっそくのブーメラン連発、野党になって本来の切れ味を取り戻したというか
大いに楽しませてもらいました。
ここ数日、鼻の調子が苦しいというのにw

  あ      べの        み      くす

安 倍 美 楠


あまりにも時宜に合致しすぎて、逆に追及ネタに苦しむ野党に、ある意味同情します。
「足りぬ足りぬは工夫が足りぬ」「欲しがりません長妻では」うん、企業努力ですね。
ところで、

「日銀の独立性」最近この言葉をよく耳にします。
「手段の独立」同じくらいこの言葉も耳にします。
「ガバナンス」さらに多くこの言葉も耳にします。

歯医者の立場で、この言葉を聞くと、若干「どきっ」とするところがあります。

それは歯科治療自体がブラックボックスな面を大きく持っているからです。
時たまそれに気づくのは、こんな時です。

《ケース1 (古い)自民党型『無謀系』》

根「今日はどうされましたか?」
患「ここが痛いので、○○してください」
 「ここをこう削ってください」
 「ここを抜いて入れ歯にしてください」

根「(えっ「○○してください」?ちょっとまった) はぁ・・・」

(あぁ、歯科治療って、こんなにも透明性・互換性が高いものだと思われてるのか)
継続通院中の方よりも、新患の方とか、久しぶりの来院の方で目立ちます。

たとえば、非常にシンプルなので「差し歯が取れたのでつけて欲しい」というのがあります。
そんなときでも私は

根「はい。じゃあつけますね」

とは絶対に答えないのです。

根「はい、じゃあちょっと診てみますね

が正解です。
こんなに簡単に見えることでも、まったく要望に応えられないことも多々あるのです。
診てみたら

 断面がむし歯だった
 神経を取った後の防腐処置がない
 歯にひびが入っている
 適合が合わないので入らない
 歯肉がおおいかぶさっているので入らない
 放置したので周囲の歯が動いて、入らない
 ・・・etc

ざっと並べるだけでも、「そのままつけられない」多くのリスク要因があります。

患者様のご要望はご要望です。
しかし、必要な結果は以下のように多岐にわたります。

 断面がむし歯だった
  →むし歯を除去して再接着or新製
 神経を取った後の防腐処置がない
  →同意を得て、防腐処置(感染根管治療)後に新製
 歯にひびが入っている
  →長期保存が不可能だと説明して、経過観察か欠損補綴
   (インプラント、ブリッジ等)
 適合が合わないので入らない
  →調整して再接着or新製
 歯肉がおおいかぶさっているので入らない
  →同意を得て、歯肉整形(局所麻酔)後に再接着or新製
 放置したので周囲の歯が動いて、入らない
  →人工歯or周囲を調整して再接着or部分矯正して新製
 ・・・etc

このように、大枠の方向性が「2%物価目標」「機能と形態の復旧」「雇用最大化」でも、
具体的手法が専門的で多岐に渡るときは、「手段の独立」が欠かせません。

こう考えると、「○○チーフエコノミスト/チーフストラテジスト」などの旧御用系学者が、
未だに信頼性に乏しい硬直した意見しか出せないのもうなづけます。
何と言っても、具体的なごちゃごちゃした内情に接しないで書いているのですから。

「元日銀」「元財務省」などの「元○○」も、非常に??です。そもそも視点が古くて狭そうだし。
「超ナントカ」とか、法王じゃない方の白川さんとかw
こういう輩に限って、分かっていそうで一番勘所が分かっていないのかもしれません。
たとえば「元歯医者→現健康評論家」とか、考えるだけでも最高に怪しいでしょwwwwwwww

だから
患「ここが痛いので、○○してください」
への答えは
根「はい。じゃあつけますね」
ではなく
根「はい、じゃあちょっと診てみますね」

が正解なのです。これが「手段」の独立性の第一歩なのです。

いっぽう、「目的」については、主権者の代表である政治との対話・協調が大事です。
そのためには、十分な専門的な知識や具体的な内情の『共有』つまり「ガバナンス」が欠かせません。
それは、日本は民主主義の国で、主権者は国民だからです。

とうぜん同じことは国民の電波と視聴料に依るNHKにも言えます(視聴者のみなさまと語る会)。
「民は之由らしむ可し知らしむ可からず」を曲解して安心しているようではダメです。

もうこのネットの時代、昔のように新聞・テレビ・旧御用系学者の
 報道しない自由
 ポジショントーク
は通用しません。

歯の場合は、さらに肉眼で見えにくく、各症例を診るときに一般論がほとんど通用しませんので患者様ごとの、専門的な知識や具体的な状況の共有は、さらに重要です。
そうしないと、治療ゴール(=「目的」)の妥当性がそこなわれ、結果として不利益になるからです。

 まだいますよね、海の向こうの指令を受けて-0.5%程度のデフレ持続が良いなどと言っている
 旧御用系か工作員か何かが何匹か(’A`)

「手段の独立」「目的の共有」「ガバナンス」おろそかにできませんね。
このあたりの構造は、住宅の設計の、建築士や工務店との関係にも似ていますね。

逆に、歯科治療において歯医者が「目的の独立」も頑迷に守ろうとすると、これも困ります。極端な話

▲ 何でも抜いてインプラントor入れ歯
▲ どんどん削ってセラミック

などの、いわゆる(前回)「維新(=保存修復)なのにグレートリセット」系の過剰治療が横行してしまいます。これはこれで問題です。

「目的」は、「主権者である国民である患者様」に、よく説明した上で、同じ方向や着地点を模索していくことが大事です。

《ケース2 民主党型『無策系』》

「目的の独立」の話になりましたので、逆の面で困る話をひとつ。

 与党時代→何でも忘却
 野党時代→何でも反対

さすが民主党(というか社会主義協会)。旧社会党時代からまったくブレません。
おかげで震災復興は遅々として進まず、デフレは加速し、安全保障も脅かされてきた昨今です。
「やらない」ことに関して、これほどまでにこだわりを持つ集団の存在意義も、どうかと思います。

・・・いや、「議会は拒否権で決まる」「国政は参議院で決まる」という政治の負の現実に
   忠実なだけなのかもしれません。
   つい、このような
「拒否権」主義を政治家だけ叩きたくなるのですが、選んだのは国民です。
   日常の面倒を
「拒否権」主義の下でなるべく避けたい無責任な気持ちが有権者にあるから
   国政でもそれが反映されて、結果、体たらくだった、と理解すべきでしょう。

「やらない」、別の言い方だと「逃げ回る」という現象は、歯科でもしばしば目にします。
一番わかりやすいのは「痛いけど歯医者は嫌だから我慢した(ら悪化した)」という奴です。
まぁ、今までの歯科界の現状を考えれば、お気持ちは十分理解するところではありますが・・・

たまにあるのですが、いくらこちらが

 歯は自然治癒しない
 自力のみの予防は不可能

などと説明しても、頑として聞き入れていただけないことがあります。

歯は正直です。その人の、とくに生活習慣・生活状況における苦労や悩みを明確に表します。
そのような壊れ方をしてくるものです。

そして私たちも、神様ではありません。
『生活習慣・生活状況における苦労や悩みは、お口の環境をさらに過酷にしていく』
この「絶対法則」を無視できるようなすばらしい治療は、存在しません。
(おそらくエントロピー増大の法則と同じくらい固いと思います)

いわゆる「分からず屋 りたくない」系の人は、このような「生活→歯」のような因果関係を
無視できるような”すばらしい”治療を求めたくて仕方がないのかもしれません。

それは、自分が自分の体の管理に責任を持ちたくないからでしょう、おそらく・・・
・・・
確かに、歯科の知識については複雑で、各症例を見るときに一般論がほとんど通用しませんから
自力のみで的確な状況分析や解決策を見出すのは困難だと思います。
しかし、原因があって結果があるのですから、そこを避けて通ることはできません。だから

患「・・・でも仕事が不規則だし、人間関係もよくない感じだしetc」
というときに
根「○○ですけど、仕事柄(や生活状況から)、仕方ありませんね」
と答えてあげたらよいのか
根「○○は仕事柄(や生活状況から)、仕方ない面もあるけど、改善していきましょう」
と答えてあげたらよいのか、いつも悩みます。

それは、まぁ10人いたら7人は、前者のように答えてほしい雰囲気が満々だからです。
そういう人に割と共通してみられる、はっきりとした特徴があります。

それは、適切な「手段の独立」「目的の共有」を踏まえ、専門的かつ妥当と思われる見地から
丁寧に説明した時に

「でも○○」

と、かならず言い訳するのです。

(あ、来た・・・)こちらもピンときます。
たとえば経済状況の面とか、転勤・転居・勤務時間など、現実問題として動かしがたい
ハンディキャップは、大なり小なり、どの方にもあります。

そこから『交渉』に入り、『妥協点』を妥当なところに持っていくのも重要な仕事です。
何とか日常の中で改善可能な点を見い出していきたいのが人情ですよね・・・

“でも”その部分のほとんどが「でも○○」で固まった方の歯は、残念ですが、治りません。
患者様も私も含めて、どなたも「絶対法則」には逆らえないからです。

このようなケースで、いちばんかわいそうなのは、子供がむし歯が多いパターンです。
昭和時代ならいざ知らず、現在は「子供の歯は親や周囲の大人が守る」というのは
すでにコンセンサスとなって久しいはずです。

・・・残念ながら、まだ、いるんですよね。

 仕上げみがきは子供が泣くからやらない。
 お菓子を与えるとぐずるのをやめるから無分別に与える
 子供が自分で歯みがきをしているので仕上げみがきしなくていい

今となっては明らかに間違った考えですが、ひとつひとつ説明しても、親が

「でも○○」

が始まってしまいます。
「手段の独立」「目的の共有」「『交渉』に入り、『妥協点』を妥当なところに持っていく」
すべて子供の患者様の場合は、親とのやり取りになります。
継続的な交渉窓口が存在しない(まるで某国みたいですね)と、やり取りが適切に進みません。

 充填したところが次々に二次齲蝕になって、また駆け込む。
 むし歯菌がマジョリティーとして着実に口腔内に定着する。

もちろん体罰は慎まなければいけませんが、泣いたりぐずったりしても、長期的な点で考えれば
「根本齒科室  気」をもってしっかりお子様に対応することが大切だと思います。
そのような親の熱意や根気は問わず語りに必ず子供に伝わり、学習成果を理屈でなく行動で
示してくれることでしょう。

先の予算委員会でも、教育改革について
「社会教育」←「学校教育」←「家庭教育」
の中の「家庭教育」の部分が今の日本で欠落している、と、どなたかの質問がありました。

非常に耳に痛いですが、避けて通れない視点ですね。

「でも○○」 以て他山の石とすべしと、私自身も常に反省しています。

【今回のまとめ】

「拒否権」に振り回されないためにも「手段の独立」「目的の共有」「「でも○○」対策」が重要。

02:15 | nemoto | 歯科での適切な「手段の独立」「目的の共有」を考えた結果w はコメントを受け付けていません
2013/01/24

こんにちは。根本齒科室の根本です。
本年もよろしくお願いいたします。

ご案内のとおり、今年は、伊勢神宮で20年ぶりの式年遷宮が行われます。
一説によると、遷宮に合わせて社会・政治・経済の大きな流れが変わる節目になる
ことが多いとも言います。
パワースポットとしても人気の伊勢神宮、参拝者数も増加傾向と仄聞します。

昨年末は衆院選の結果、3年3ヶ月の民主党政権から安倍政権に移行しました。
選挙が『風(≒新聞・テレビ)』と真逆の結果に終わったのも、象徴的でした。
争点となったデフレ脱却(金融緩和・財政出動)は、完全にネット発のムーブです。

また、日本維「新」の会という、デフレ期に構造「改革」・新自由主義を謳うという
珍しい政党が出現しました。
この党を、なぜか新聞・テレビが一生懸命記事にして、認知活動に協力しています。

維「新」・・・なぜ、違和感が拭えないんだろう?

維新と言えば、やはり私たちのイメージに強いのは「明治維新」です。
(昭和維新とか維新政党新風という単語は、やはり比較的マイナーです)

歴史の教科書を思い出すと、ペリーが代表的ですが、英・露などが来襲したり、徳川家が将軍を辞めたりと、大きな激動の時代に感じます。

教科書はこれを「鎖国」⇒「開国」と説明するので、改革・革命的な感じがします。とくに戦後は進歩主義が跳梁しましたので、つい無意識に「過去は悪」「未来は善」と考えがちです。

ただ実態は、外圧に対抗するため「(各藩の)地方分権」⇒「(天皇の)中央集権」に『戻』した、ということで大方(たいほう)の意見は一致しています。

朱子学(というか井沢元彦史観)的な見方によると、権力者には徳で治める「王者」と、力でのし上がった「覇者」の2種類がいて、本来国を治めるべきは覇者でなく王者である、という前提だそうです。
日本の場合は王者は天皇になるので、朱子学的には天皇が本来治めるべきですがが、徳川松平家は覇者なので、王者である天皇から統治権を「借りて」来たという体裁をとっていたとのことです。
くわえて、周囲から王者っぽく思われたいという思惑からか、「徳」川と苗字も変えた・・・らすぃ
そこで、それを256年前に『戻して』大政奉還したわけですね。

維新を英語でなんと言うのか、調べてみました。何と・・・!

× Meiji Revolution
○ Meiji Restoration

・・・えっ?Restoration?レストレーション?レスト(●●の略語)?

一般の方はご存じないと思いますが、レストレーションといえば、歯科業界では

むし歯を削って詰める

という意味です。基本中の基本で、大学3年生で習います。
他の分野でも、Restorationには、復旧という意味があるようです。
(火災にあった韓国の南大門の復旧などが代表的です)。

Restorationのことを、現場では略して充填とか即処(以前)とか言ったりもしますし、
保険用語としてすすんでRestorationに即処とか充形とか修形とか単治とか覆罩(ふくとう)
とか仇名がつけられています(P-CapとかDPCとかCRとかローマ字系は煩雑なので省略)。

当然ですが、Restoration(むし歯治療)でもっとも大事なことは、削り過ぎないことです。
Minimal Interbention。いわば、グレートリセットの真逆です。

我々はその領域の学問のことを専門用語で『保存修復』と呼んでいます。つまり

維新=保存修復=むし歯を削って詰める

なんですよ。。

 レストとは、保存修復学の医局の略称のひとつ(充填とか一保存とかとも呼んでいた)です。
 ちなみに、入れ歯のバネについている沈下防止用の短い爪も別の意味でレストと呼びます。

だから明治維新は、明治『保存修復』という意味になるわけですね。

 じゃあ、大阪のアレは、『大阪を保存修復する会』っていう意味か?
 要は大阪の平松行政の(朽ちた部署・個人)を除去して、『平松orそれ以前の状態に戻す』
 という意味になりますね。何をどういう感じに戻すのでしょうか?・・・

◇ 保存修復とグレートリセット

『日本を保存修復する会』と名前を変え、主に地元の地方議員の尽力と有権者のアレもあり
このたびの衆院選で大きく飛躍。まさに議席数も含め民主党と同じ感じに成長しました。
まだまだ、いや『保存修復』するのかと思いきや、さらに喧しく

1)官僚制の打破
2)規制の撤廃
3)グレートリセット

とか言っています。
ということは、昔に戻すのではなく・・・

ちょっと、歯にたとえて言うと、とても恐ろしいことになります!
順を追って、説明します。
(新聞の社説のように胡散臭く書きますので、大雑把にニュアンスが分かれば結構です)

1)官僚制の打破

すなわち、保険医療行政に伴う点数制度・回数/素材制限・疑義解釈などのさまざまな『規制』を取り払い、技官-中医協-基金によるトロイカ体制の打破こそが正義である。
そのために、民間の活力、とりわけ経験豊富で導入も容易なアメリカのAIGなどの民間保険会社を中心に民-民同士の損保契約の拡大と言う形で、官の負担を大胆に取り払う。
それにより、「パラジウム合金」「レジン床クラスプ義歯」「プラスチック冠(HJKHJC)」などの制度や耐久性、生体親和性に劣る修復物をわが国から大胆に一掃することが可能になる。
償還払い(一旦全額払いで保険料後払い)や会社間のサービス格差などの問題もあるが、それらのデメリットを補って余りあるメリットを鑑みて、抜本的に推進すべきである。


(まとめ) 保険制度は体に悪いので廃止しろ。自由診療+『国民皆(TPP民間)保険』で十分だ

2)規制の撤廃

人間の顎口腔系の機能と形態の本来あるべき姿は、学理に基づいた個性正常咬合である。
反対咬合、交差咬合、鋏状咬合、開咬などによる顎運動時の正しい前方・側方誘導に対する『規制』、叢生や傾斜歯、不働歯(働かない歯)、捻転、過剰なSPEEなどによる口腔衛生上の『規制』は、正常な口腔機能を通じた文明社会における市民が享受しうるべき基本的人権を大きく損なうものである。
あまつさえ、従前の保険診療思想における自覚症状中心主義に基づいた応急的な修復の積み重ねは中長期的にはかえって障害を拡大する。
すべての歯科治療は長期的な観点から、原則論として個性正常咬合をゴールに据えたトップダウントリートメントに基づいた治療プラン設計が欠かせない。
その実現のためには戦略的(≒積極的な)抜歯や抜髄(神経を取る)、LOTやMTM(部分矯正)も含めた歯牙移動も躊躇せず、むしろ積極的に実施すべきである。


(まとめ) お前らの歯が間違っている。俺様が正しい。お前が困ってなくても俺が困るので、教科書に合わせて全部治す

3)グレートリセット

少数歯残存の遊離端義歯においては鉤歯の側方負荷および咬合圧はおよそ生体の許容範囲に収まるものではない。とりわけ保険義歯クラスプデンチャーにおいてはそのダメージが顕著である。
いっぽう、アタッチメントとくに磁性体の併用や残根上処置により荷重ポイントを下げることで歯根に対する回転・側方圧は大幅に緩和され、結果として残存歯の延命にも寄与する。
また少数残存歯の叢生や傾斜、捻転などにより、対合歯列との顎間関係が不良化し、『干渉』『規制』の原因になる場合は、長期的な観点に基づいて、天然歯といえどもその悪影響を排して、補綴物による、咬合理論に基づいた上下歯列の咬合再構成により機能の安定化を図るべきである。
けだし、機能的にも衛生管理の面においても、時に残存天然歯保護の観点からも、条件が許せばインプラントによる圧負担が圧倒的に有利である。
顧みるに、従前の保険診療思想における応急修復至上主義もさることながら、昨今の予防ブームから派生したミニマルインターベンション思想に端を発する、過度な非抜歯・歯髄保存・削除量減少への傾倒が、結果としてトップダウントリートメントの構造的な障壁になり、補綴物の長期安定性を損ねる結果となっている。
ミクロ視点における一本の歯の保存可能性に必ずしも拘泥せず、マクロ視点でトータルバランスとしての顎口腔系の機能性・耐久性を主として考えることこそが結果的に患者利益につながる。


(まとめ) チビた歯を無理に残そうとするから将来不安のもと。抜いてインプラントが一番

・・・
小難しく書いてみたものの、見るからにイヤな結論ですねぇ!
「保険制度は悪」「お前らの歯が間違い」「さっさと抜いてインプラント」
私が患者でも、ちょっと引きますねぇ。
なんという教条主義・設計主義・俺様目線の権化っぷりなのでしょうか。

でも、何となく感じていた違和感の意味が、自分なりに分かりました。

まあ、しかし大阪府市民の方にはまことにお気の毒ですが、『風(≒新聞・テレビ)』に煽られてかどうかは知りませんが自己責任で投票したのですから、現在さまざま報じられている、多くのトラブルは、最終的には責任を持って甘受せざるを得ないのではないでしょうか。

◇ まじめに勉強をすればするほど・・・

しかしおそらく、歯科に限らず、大学や研究所、スタディーグループで真面目に研鑽をつめば積むほど、このような一見強圧的な結論にいきがちなのかもしれません。
また、たとえば原発も含め、どの分野もそうだと思いますが、このような人間不在、排外的とすら思える教条主義・設計主義を何度も通過していかないと、学問としての発展につながらない部分もあるのも、一面の真理です。

ですからどうしても、専門誌や論文は、そのような論調に流されがちなのでしょう。
実際、さっきのほど過激ではありませんが、「追試や反証の可能性があり、普遍的で蓄積可能な性質を持つ学問体系」では、どうしてもそのような一見排外的・教条的な論調を含みがちなのは織り込んだうえで考えるべきだと思います。

◇ 実際の現場は・・・

そのうえで、進歩的価値観と、実際の人間の現場の状況との衝突は、毎日のように起こっています。

そういえば、私がこちらにコラムを書こうと思った最大の理由は、一般の方・患者様と自分との間で、歯科に対する意識のギャップが大きいと思ったからでした。

その意識は、今でも変わっていません。
「何とか正しい(と思われる)知識・意識の普及を」

もちろん、どう客観的に見ても「これはまずい」と思うようなケースもあります。

そして、私のような仕事は、歯科医療を通じてしか、国民のトラブル解消や健康増進・安寧を図ることができないのも当然です。

あくまでも理想論としてですが、ついつい

1)官僚制の打破
2)規制の撤廃
3)グレートリセット

のようあことが頭をよぎることが、ないではありません。
また、ある程度、芯としてこのような理想に基づいた経営方針がないと、院内のモラルはたちまちぐちゃぐちゃになってしまいます。

しかし今回、『保存修復の会』が出てきてしまったことで、改めて考えさせられました。

「国民(患者様)の幸せ」
「国民(患者様)の利益」

雑談を含めて、よくお話を聞いていくと、必ずしも「官僚制の打破」「規制の撤廃」「グレートリセット」には限らない場所にも、国民(患者様)の幸せや利益があることも少なくありません。

もちろん、こちらから十分な情報提供を行ったうえで、の話です。

たとえばインプラントや矯正を含め、大幅に形態を変えていく話になりますと、期間的にもコスト的にもそれなりの話になっていきますので、全員一律の解決というわけにもいきません。

しかし、「歯やお口とはこういうものだ」「長期的な機能・形態の維持にはこんな意識が必要だ」という情報については、お話しする個人個人の状態によっても若干内容が異なりますが、辛抱強くお伝えしていかなければいけないと思っています。

その上で、たとえば詰め物ひとつにしても、さまざまなバリエーションが出てきます。

先日遭遇した例ですが、ひとつ。
内側性の窩洞の型を取って詰める「インレー」という詰め物があります。

一般論としては、審美性や金属アレルギーを無視すれば、機能や耐久性では圧倒的にゴールドなどの貴金属が有利で、それらを勘案すれば、総合的にセラミックのインレーが有利であると、我々は教わります。また、セラミックは反応性に乏しく化学的に安定で、生体親和性に優れている、とも教科書にあります。

しかしその方が言うには、ゴールドが体に合わず、セラミックも体に合わず、首や肩がこって仕方なかったとのこと。
結局直接充填のハイブリッドセラミックというセラミックとプラスチックの相の子のような方法に落ち着きました。

「やっと肩のコリが取れた」
その方がしみじみおっしゃいましたが、どうにも再現性や追試可能性に乏しいケースです・・・

最近でこそ出回り始めましたが、自信のある先生ほど、そのようなことを嫌がります。
「耐久性に乏しい」「適応が狭い」というのが、その理由のようです。
彼らはやはり、ゴールドやセラミックを好みます。

でも、どう考えても「モノ」よりも「ヒト」のほうが大事です。
「日本円」よりも「国家国民」のほうが大事なのと同じです。
そこで、このような結果になることもあります。

理屈は理屈としてありますが、そこを取り違えて、患者様のトラブルに対して「私のやったことに非はない」などと言い放ってってしまうのは、やはり行き過ぎのように思います。
(そもそも歯科治療行為自体が非破壊的な範囲では反証可能性のないブラックボックスである)

供給と需要、という面においても、需要があるところに供給があるのであって、逆はありません。
だからこそ、その需要を見越したり潜在需要を掘り起こす経営努力は必要ですが、「官僚制の打破」「規制の撤廃」「グレートリセット」に代表されるような、供給サイドのアンバランスな勝ち越しはいただけません。

もともと朱子学には、貴穀賤金(きこくせんきん)といって、商売や名目成長をさげすみ清貧や緊縮財政を好む思想があります(上念司先生)。おそらく江戸幕府も社会安定化を狙って積極的に取り入れたのでしょう。
昔から日本のエスタブリッシュメントの多くは、改革が大好きなようです。教科書でも、財政再建に一定の成果を残したした荻原重秀(~元禄)や田沼意次(~化政)を嫌い、財政再建に失敗した松平や松平定信を「改革」だといって尊びますが、江戸時代についた癖のようですね。

そう、例の「スローライフ」なんてのも、貴穀賤金や農本思想の亜流のようです。

これらの「改革」の旗印の下では、為政者や指導層などのエスタブリッシュメントは格好良く見えますが、等しく停滞・清貧を押し付けられる「民」はキツイですよね。。
まぁ、軍でも何でも、昔から、日本は「上に行くほどダメになる」と言われていますし。

現場では、学理を重視しながらも、なるべく「民」の利益を考えながら仕事をしています。
おのずと、「歯科医院の外」での生活習慣や食習慣についてのあり方に言及する場面は増えていきます。

「歯は歯医者で治すもんだろ」

・・・まぁ、そうおっしゃらずに、お察しください。

【今回のまとめ】

維新=保存修復。理屈も現場も大事。自分の歯やお口がグレートリセットしないように、日々の生活習慣が大事。

 


おまけ~身の回りの「式年遷宮」

《歯科》
 ↓
~4歳
歯科皆保険
抜いて入れ歯

4歳~
 早期発見早期治療
 歯医者=削る
 予防概念なし

24歳~
 (やっと日本で)インプラントの普及
 審美歯科の普及(松田聖子旦那/2001年パラジウム暴騰)
 予防に気がつき始める

44歳~
 予防⇒発病回避
 むし歯予防⇒歯周病予防⇒「力」(故 筒井昌秀先生ら)
 生活習慣にコミット

《自分》
 ↓
4歳~
 「鉄」電車大好き
 親に無理やり習い事をさせられた
 剣道
 ピアノはやめてしまった(13歳)
 勉強はできなかった(授業中の仇名→寝る本寝る行)

24歳~
 21歳~医科歯科大学に入学
 運動をしなくなった(27歳~)
 電子ピアノを買った

44歳~
 38歳~開業
 (今後の展望)
 医院の規模を広げたい
  治療中心主義⇒テクニックセンシティブなので、回転率が抑制される
   ベストセメントでも⇒硬化時間や防湿の手間
  予防中心主義⇒薄利多売型・Win-Win型
 本を出してみたい(商業出版)
 家庭を築きたい
  跡継ぎに歯科医院をやらせるかは未定
  孫はあきらめたかも・・

12:38 | nemoto | 維「新」と歯医者 はコメントを受け付けていません
2012/12/24

こんにちは。根本齒科室の根本です。

ちょっとバタバタしましたが、一応仕上がりました。
いよいよ、実践編?!です。

「安全保障」・・・
やはり、丸腰で相手に突っ込むのは、危険です。理論『武装』が必要です。
歯医者に9条は通じません。

また、今回書くことは、知人同士のクチコミで歯科医院の情報交換をしたりする中で、抑えておきたい質問事項でもあります。
「あそこいいわよ」
「やさしくて痛くなくて、先生は逝面で、治療もすぐ終わるのよ」
これだけ聞くと、すごくよさそうに見えますね。

そんなあなたのための、実践篇です。
今回のキーワードは、『心の準備』です。

◇ 初診前

院外を見られれば観察してみましょう。一見して
 古臭い感じ
 閑古鳥・怪しい感じ
ならパスしたほうがいいかもしれません。
医院の歯科に対する考え方が古い(治療中心主義)可能性が高いからです。
医院の歯科に対する考え方が古いと、説明なしにいきなり削られたりするかもしれません。

上記の感じでも、HPで明らかに「予防中心」「衛生士多数」を謳っているような感じであれば、電話してみる価値はあるかもしれません。

ただ、最近はおしゃれな歯科医院も増えてきているので見た目のよさだけではわからない面もあります。若手の先生でも、治療中心主義とか腕自慢の先生は存在するからです。

腕自慢でも、たとえば自由診療の修復やインプラントにこだわりや一家言を持っている、などの場合は、高くついて怖そうですが逆に安心です。これらの技術は必ず予防管理下において初めて成り立つものだからです。

逆に怖いのが
 込みすぎ
 全年代・全世代にこびすぎ
の歯科医院です。

中身を良く見ていないので何とも言えないのですが、光速治療や代診間の技術差による、診療の質のバラつきや、待ち時間の延長が心配です。

(全てとは言いませんが)動植物の名前があるところなどは、媚び系かも・・・

この段階では、強い主訴がある場合を除き、まだ「インプラントが上手な歯医者」「入れ歯が上手」「根管治療ガー」など、個別の項目にはそれほどとらわれなくていいと思います。
もちろん、そのようにみえても、非常に質の高い医院もあります。

◇ 予約の枠

(消毒とか経過観察、抜糸などは別とします)
30分くらいあれば、まず安心だと思います。せめて20分。
いつも15分枠だと、内容にもよりますが、やはり短いように感じます。
ただ、治療は15分でも、予防的な歯周病治療などで30分以上とっているようであれば何とか合格点かもしれません。
逆に60分とか長い場合は、安心は安心でしょうが、明らかに保険診療の損益分岐点を越えていますので、高額な出費も気になるところです。

以上の時間は、あくまで平均点であり、15分のときもあれば30分のときもあります。

また、いくらこちらで工夫して予約をとっても、「キャンセル」「急患」はつきものです。
その分のしわ寄せは、すべて後の患者様に行きます。
歯科医院の場合、院内に活気があればいい、というものでもありません。

気になるときは
患「治療時間は、何分くらいなんですか?」
とたずねてみましょう。

◇ 予約

予約のときの口実としては、
患「チェック(確認)して欲しい」
患「歯石や汚れなども取って欲しい」
としましょう。
また、安全なところで、犬歯の後ろあたりのむし歯ではなさそうなところについて
患「横の歯が、ときどき冷たい水でしみる」
というのもアリです。
(「歯石」については後述しますが、せかしてはいけません)

患「~、治療して欲しい」
というニュアンスがメインで伝わると、おそらく(善意で)いきなり削られる可能性が高いです。非常に強い痛みがある場合は別ですが、たとえ、痛いところ、穴のあるところがあっても
患「『痛い/穴がある』ので『そこ』を診て欲しい」
とは、最初は言わないほうがいいと思います。
黙っていても向こうから指摘してくると思うので、その際も、非常に強い痛みがなければ
患「そう、ときどき痛いし、気にはなるんですよね」
などと返せばいいと思います。
多分向こうは、レントゲンを撮って説明しながら、さっそく治療しましょう、みたいなことを言ってくると思います。
その際は、言い方としては
患「(痛い/不便な点がある時) とりあえず仮のフタとか応急的に何とかして欲しい」
患「(強い痛みがなければ)その後は、急がないので、全体的に点検して欲しい」
という感じでしょうか。

何らかの理由で削られそうになった場合は、そうです。
患「今日は心の準備ができていないので、ドリルで削るのは後日でお願いできますか?」
患「今は我慢できないほど痛くないので、ドリル(ry)
と言ってしまいましょう。

もちろん、患者様が嫌がっているのに無理やり削ったりしたら、当然傷害罪です。

歯石の件についてですが
先「少し回数がかかるかも知れない」
と言われるかもしれないが、あまり相手を急かさない方が吉です。

なぜか?

初日にいきなり
患「歯石や汚れなども、今日取って欲しい」
とやってしまうと、医院側は
先「この人はとにかくさっさと終わらせたいのかな、意識が低いのかも」
と思って、サービス内容?!が低下したり、見える縁上歯石だけ取って(見えない縁下歯石の処置のほうが大事なのに)おしまいにされたりする可能性があるのです。

事実、保険診療でも
 Sc(スケーリング)~見える縁上歯石の除去
 SRP(スryアンドルートプレーニング)~見えない(肉の下の)縁下歯石の除去
という2カテゴリーがあります。
さらにそれぞれの行為の前に検査が義務付けられています。
歯石の除去も、炎症の原因の切り分けや事前消炎の意味から、保険制度上も、二段階でという規定になっています。あまりせかしたり、
患「前の所では1日で全部やってもらったので」
などというと、心の中で
先(この人はSRPしたほうがいいけど、希望していない。説明しても鵜呑みだ。
  困ったなぁ。あまり無理を言わずに、スルーするか)

先(前の先生は前の先生、私は私)
となってしまいます。
こんな感じで「ハイ終わりました」といって、肝心な部分が手付かずになる危険性もあるのです。
もうひとつ、定期検診の時には1日で終わりにすることが多くても、診たことない方を初回に診るときは、予想外のこともあるので、しっかり自分で検査しないと、計画自体が前に進みません。

◇基本路線「『心の準備』ガー」

この言葉は、患者様が自己防衛のために用いるのにも有効ですが、逆の目線で考えると、先生に対しても「心の準備」を促す意味もあります。

削るのが好きな先生、なるべく手早くなるべく多くの患者様を診たい先生には、思惑を外した、若干失望を誘う言葉でもあります。
たとえて言うと、ちょっと日銀の白川法王の政策決定会合のような感じです。
(あ~、面倒だなぁ)
時間がかかり、面倒そうですが、まぁ、歯は先生の物ではなくて患者様の体の一部ですし、ここは、ちょっと考え直して、相手の話をよく聞いて、じっくり診ていきたいものです。
その意味では、先生にも心の準備がいる、とも言えます。

しかし、じっくりと長期的に診ていきたい先生や、歯科衛生士や予防に重点を置いた臨床をしている先生などの場合は、この言葉が特に気になることもありません。
先「はい、じゃあこの機にしっかり 日銀法改正 点検していきましょう」
むしろ、説明が楽になるので、歓迎かもしれません。

この辺の反応の差などで、その先生の雰囲気の感じとか、合う合わないも判断できると思います。

◇ 受付に電話してみる

まぁ、
受「予約制ではないので、いつでもいいですよ」
等という場合は、治療中心主義なので、
患「そうですか、じゃ、今日時間が空いていたら行きます」
といって、一旦切ります。もちろんその場で終了。
ここでは、「強靭(安定)化」という果実は、得られそうもありませんね。ひきつづき
受「何時ごろ来られそうですか」
と言われても、
患「そうですね、夕方5時くらいに時間が空きそうだったら・・」
などといなして、とりあえず電話を切る方向で検討します。

受付の電話の感じが悪い場合、気遣いが少なそうな不安を感じる場合も、スルーでいいでしょう。
受付は、治療や処置の期間を通じて、またメンテナンスのたびごとにお世話になる、いわば患者側と医院側の主要な接点でもあります。
この接点が十分機能しないようでは、通院の意義も半減してしまいます。

◇ 歯科医院の門をくぐる

とりあえず治療しないつもりなのに、歯科医院の門をくぐってしまいました。

1)主訴「痛い、穴etc」がある場合

先ほどもお口の「強靭(安定)化」を考えるなら、応急処置にとどめ、治療の仕上げの前に「強靭化対策」をすべきです。
応急処置としては、仮の詰め物、洗浄、消毒、膿を抜く、接着剤でとめるetcです。
いっぽう、「強靭(安定)化」の具体的なものとしては、歯ブラシ指導、生活習慣・食習慣の見直し、専門的クリーニングetcがあります。

治療の仕上げが先行してしまうと、つい患者様も先生も「終わった」と思いがちです。
しかし、お口の「強靭(安定)化」の前に治療を終了すると、再発率がより高くなります。

2)主訴「痛い、穴etc」がない場合

・・・
そうですね、無難なところで、先ほど言ったような
患「右上の横のあたりがときどき冷たいものでしみる」 ← まず塗り薬だけで終わりにできる
患「全体的に点検とか、歯石をとったりしてほしい」
あたりにしときましょうか。

◇ 歯科医院の門をくぐった

受付の対応、しぐさ、雰囲気。院内の雰囲気、清潔さ。他の患者様の様子。内装etc
当然いろいろ気になります。

その中でも特に受付は、先ほど申しました「つねに利用する患者側と医院側の主要な接点」ですから、長く接していけるかどうかは重要です。
判断基準は、とりあえずは感覚的なもので十分だと思います。

受付がしっかりしているところは、内部統治はほぼ間違いありません。
(ただ、診療ポリシーが、善意で治療中心のままの医院もあり、まだ安心できない)

◇ 問診以降

1)歯式・むし歯検査

保険医療機関の義務で、必ずこれを1号用紙(カルテの表紙)に記入しないといけません。
「右上7番C1」「どこどこ欠損」「どこどこFMC」など、各歯の状況を確認していく作業です。

オプションで、レーザー診断器(ダイアグノデント)で、微妙なむし歯の進行度合いを判断する医院もあります。
もちろんこれは義務ではないです。また角度によって数字にバラツキが出たりすることもあります。
当歯科室では希望者に対して全体検査を2100円で行っています。

2)パノラマX線写真
通常は[1)歯式・むし歯検査]のほかに、全体的なパノラマX線写真を撮影して、お口の診察の一助とします。
そのほかに、主訴(痛い/穴etc)があれば、局所の小さいレントゲン(デンタルX線写真)を撮ります。
ここで、大きな写真1枚ではなく、小さい写真10枚(10枚法)~14枚(14枚法)を撮る医院もあります。
被曝量や費用は、ほぼ大差ありません(若干高い)。

2’)10枚法/14枚法

[2’)10枚法/14枚法]は、小さいレントゲンなので、歯や歯の近傍の骨がよりクリアに写ります。いっぽう、全体的な顎骨、神経、副鼻腔などの俯瞰には向いていません。
さらに10回/14回ボタンを押すので、医院側も患者側も手間がかかります。

両方やるような医院は、かなり専門的に歯周治療に力を入れている可能性があり、悪いことではないと思います。

時間的余裕がない場合は、やるにしても後日に回してもらったほうがいいでしょう。

ちなみに、被曝量は、パノラマX線写真が20~40[マイクロシーベルト/時]
デンタルX線写真が1~5[マイクロシーベルト/時]が、およその目安。
空間線量の高い地域のお子様~若い方は、(1年1ミリ(=1年1000マイクロ)以内)、厳しい場合は(平均して10年10ミリ以内)など、少し意識したほうがいいでしょう。
茨城県南でも最近は、昨年ほどシビアな状況ではなくなってきており、デメリットよりもメリットを中心に考えられる状況に戻ってきつつあるのかな、と個人的には感じます。

ちなみに最近は歯科医院でもコーンビームCTを自前で備えているところもあります。
これは被曝量が高く、[ミリシーベルト/時]です。ミリはマイクロの1000倍です。
若い人の場合は、慎重に考えてもいいのかもしれません。

3)歯周ポケット測定(歯周組織検査)

また、担当の衛生士を付けて、その日のうちに歯周ポケットも全部測定する歯科医院もあるようです。時間的にはプラス30分程度はかかります。
同時に、色素での染め出し検査(よくCMでやってるやつ)もすることもあります。
その後に会合などある時は別ですが、これは簡単かつ「強靭(安定)化」の基本でもあるので、ぜひ定期的にやっておいたほうがいいと思います。

歯周ポケットの測定は、どうせやるなら1点法(1歯1ヵ所)でなく6点法(1歯6ヵ所)のほうがいいでしょう(それか、全くやらないか)。
患者様によっては、歯周病で外側の骨のほうがやられやすいor内側がやられやすい、などの癖があることもあり、せめて4点法以上でやったほうがいいと思います。
4点法以上は、プラス200点(3割負担の人でプラス600円)。時間もプラス15~分。
ただ、これは「強靭(安定)化」にはかなり意義があり、この600円はケチってはいけない金だと思います。

その日のうちにポケット測定まで行うかどうかは、時間的余裕があるかにもよります。
時間的余裕がない場合は、やるにしても後日に回してもらったほうがいいでしょう。ですが、一度はやって、測定結果を説明してもらっておくことをお勧めしたいです。

今まで書いた中の[1)歯式・むし歯検査]以外のことを一切やらず、主訴をすぐ治療したがる、甚だしい場合は説明すら省略して、いきなり
先「ここにむし歯があるから治療しますね」
みたいな医院も、残念ながらまだまだけっこうあります。

ヤバイ、と思ったら、とりあえず逃げ帰りましょう。さっきのアレ
患「今日は心の準備ができていないので、ドリルで削るのは後日でお願いできますか?」
です。

注意一秒穴一生です。
大事な言葉なので繰り返します。
注意一秒穴一生です。

4)歯科衛生士

歯周ポケット検査や口腔内診査をするときに、女性のスタッフが代わって行うことがあります。
女性スタッフには「歯科衛生士」「歯科助手」の2とおりあり、「歯科衛生士」は国家資格を持ち、口腔内に直接触ることができる人です。
もし女性が出てきて、お口の中を診査しはじめたら、
患「担当の衛生士さんですか?お世話になります」
などと話しかけてみましょう。
衛「ありがとうございます。担当の衛生士の○○です。よろしくお願いします」
だったら文句なしですね。

医院によっては、衛生士が担当制でなく、毎回変わるところもあります。
担当制でも、都合により代わりの衛生士が診ることもありますが、基本的には担当制の方が圧倒的に安心です

まあ、小規模医院で、衛生士が1名であれば、その心配はないのですが・・

以上になります。
割合長々と語ってきましたが、ある程度、患者様のほうでペースを把握しながら、なるべくていねいな処置を受けられるように、ということを念頭においてみました。

さっさと治療(修復)を急げばいいというものでもありません。

とくに今回のような持って行き方だと、予防やメンテナンスを重視する医院や、他人の話をよく聞く先生に当たりやすいと思います。
逆に、このようなアプローチで、露骨にめんどくさそうな顔をする先生や受付の医院は、あまりあなたのお口の「強靭(安定)化」の役には立たないと思います。
もちろん、患者様が嫌がっているのに無理やり削ったりしたら、当然傷害罪です。

ちゃんと「今日のところは、すみません」と告げることも、「強靭(安定)化」の一環です。

【今回のまとめ】

ためになる良い医院を見つけるには患医双方の『心の準備』が『安全保障』である。

 


おまけ(総選挙)~時計の針が3分進んでた

面白い総選挙でした。
全般的に熱気や “風()” がまったく感じられない消極的な選挙だったと思います。
小選挙区であれだけの勝利を収めた自民党が、比例ダメでした。

「民主はNO!」これは全国民の一致するところでしょう。
しかし、いわゆる「無党派層」が入れたいところがなくなってしまったようです。

 自民=マスコミがダメだといっている
 未来=どう見ても小沢党
 維新=旧太陽系が分裂寸前
 みん=TPP賛成の新自由主義で入れにくい
 諸派=マック赤坂は邪魔だった
・・・

これらから、いわゆる「無党派層」の正体は

 中道左派~左派で安心
 プロ嫌い~素人・若手好き
 老舗嫌い~新党好き
 検索嫌い~新聞テレビ「依存」好き
 現場嫌い~「イデオロギー(設計主義)」好き

なプロファイリングになりそうです。
何だか投げやりな感じもします。少なくともこれでは歯医者は務まらないでしょう。
みんなマスコミが推し進めてきた、いや「無党派層」こそマスコミが作り出した産物そのものです。

新自由クラブに始まり、山が動いたや細川政権、郵政選挙、政権交代。
イデオロギー原理主義の風こそ、彼らが望むものです。
社会主義・共産主義も新自由主義も、反対に見えますが、どちらもイデオロギー主導と言う意味で共通であり、設計主義の範疇です。
また、国家以外の枠組み(道州や国際主義)にこだわりを見せる点も似ています。

仕方なく「無党派層」の一部が選んだのが、「みんな」「維新」でした。
(くしくも金融緩和・日銀法改正で一致しました)

「無党派層」の残りは、普段は「日本新党」とか「民主党」とかに入れたいのに出足をくじかれてしまい、選挙に行けなかったのでしょう。

「小選挙区比例代表並立制」の欠点も、今回はっきりしました。
死票の山、風がなくても勝てば300負ければ100
(今回は前2回と異なりメディアの逆を行った選挙でした)。
日本には英米型の二大政党制はなじまない、いやむしろ、責任政党が自民党ひとつしかなかったという、辛い現実は、日本国民には心底こたえたのではないでしょうか。何といっても、

「ファシズムの定義」=「一国一党」

です。それだけは信じたくなかったけど、実質的にそうとしか言えない日本。
(これは、与党よりも野党第一党の資質こそが民主主義の命綱である(by倉山満)とも言えます)
何か、昔のような中選挙区の時代の方が幸せだったような気がします。
あるいは、英米型よりも、大陸欧州型のほうが肌に合うとも言えるかもしれません。

とにかく、今はこうなった以上、デフレ脱却と被災地復興が最優先課題です。憲法とか国防軍とかは、とりあえず景気が十分よくなってからじっくり考えればいいと思います。
7月の参院選に自民党が信任されるには、安全運転の上でひたすら景気回復するしかありません。

突然安倍たたきを始めるマスコミの公平性監視について、興味深い動画をひとつ。
www.youtube.com/watch?v=G9IUrq-KtFE&#t=16m5s
・・・おお、黒い!

<キーワード>

16:05~22:30
民法→ISO 26000「再発防止はどのようにしてもらえますか」
NHK →経営委員会「視聴者のみなさまと語る会」

38:55~
藤井教授の、このような哲学も、併せて大事だと思いました。

01:43 | nemoto | 歯医者に『特攻』2~実践篇;特攻なのに安全保障 はコメントを受け付けていません
2012/12/11

こんにちは。根本齒科室の根本です。

まずは、笹子トンネル崩落事故の犠牲者の方に、心よりお悔やみ申し上げます。
そして、よりによって私の誕生日にM7.3の地震が!
先日も、上越新幹線も停電でストップしたようです・・・

このようなことを今後繰り返してはならない、と思い、期日前投票(5日~)に早速出向き、
『国土強靭化&デフレ脱却』に1票を投じてきました。
(ちなみに、最高裁判事の国民審査開始は5日でなくて9日からなんですね。知らなんだorz)

今回なぜこのような惨事につながってしまったのか。

前回申し上げた「歯医者への『特攻』」について考えを整理していましたが、この事故を受けて、思うところがあり、まずはそれを「ポイント篇」として簡単にお話したいと思います。
具体的な部分は、つづきで次回に書きます。
(半分以上書き終わっているので、早めに投稿できると思います)

ご案内の通り、コンクリートのインフラの寿命は、一般的に50~60年。
道路や橋、トンネルなど、放っておくと、どんどん劣化=脆弱化します。
日本全国には、高度成長時期に作られた多くの道路・橋などのインフラがあり、それらがちょうど50~60年、第1回目の更新時期を迎えています。

笹子トンネルは27年目で(しかも震度0で!)壊れてしまいました。
専門家の間でもやはり、危ない危ない、と言われていたようです。

政権与党では「仕分けはしていない」と言っていますが、民主党政権以降、NEXCOの予算が大幅に減らされていることが判明しています。
しかし、本当に3.11の東日本大震災までは、なべて「ムダは削減だ」「公共事業は悪だ、バラマキだ」と言う意見がマスコミを中心に支配的でした。橋本(龍)六大改革~小泉構造改革時代から、族議員をたたいたり、道路特定財源を取り上げたりしたことを、私たちはさも戦果のようにとらえていました。いかがしょう。

3.11~大洪水~停電~トンネルetc。そのツケがこのような形で回ってきたんですね。

ひとたび大きく崩壊すれば、復旧にも手間がかかり、なにより人命に直結します。
コンクリートもメンテナンスは『予防原則』で適切に行う必要があるのでしょう。
そのほうが、結果として安く上がります。

その他、日本の場合(国土と日本人/大石久和 中公新書 による)は、

◇ 地震が非常に多い(M6以上の地震の20%が日本)
◇ 火山が非常に多い(温泉が非常に多い、ともいえます)
◇ 地層構造が非常に複雑
◇ 台風・降水量が多い
◇ 川の流れが急で、氾濫が多い(欧米の川は水位が変化しない)
◇ 日本海側、北海道東北は積雪が非常に多い

など、欧米に比べて国土の条件が大変悪く、インフラのコストがかかる土地柄です。


だから単純に欧米と比較できないのですが、この点を下敷きにせず「公共事業は悪だ」「バラマキ」「土建国家の古い政治」「角栄」「既得権益」と、不勉強な報道を鵜呑みにして安易に溜飲を下げる向きが後を絶たず、自然災害が起こるたびに、いつも気になります。

<「治療」→「予防」を結ぶ「強靭化」>

このような厳しい条件の国土にもめげず、首都直下型とか南海トラフなどの地震・津波対策や補修・張替え以外にも、一極集中を是正するための、

◇ 第二国土軸の整備(リニア新幹線、日本海側・中四国新幹線、高速道路網)
◇ 産業・投資の地方分『散』

が強靭化の観点から大切だと、指摘されています。
(ここでは、財政効果によるデフレ脱却面には触れないでおきます)

「剛」だけでは強くない。
そのために分散型ネットワークで「すみずみ」まで手が回るようにしたり、冗長性を確保したりすることで「丈夫」になる。
京都大学の藤井聡先生は、「柳のしなやかさ」「柔よく剛を制す」に例えました。
皆様も「CRC 巡回冗長検査エラー」という嫌な単語を思い出せば、ピンと皮膚感覚で腑に落ちるのではないでしょうか。

(かなり牽強付会に聞こえる物言いですが)たとえば歯ブラシで、前歯の表面ばかりみがいていて、キレイになったつもりになっていたり、穴が開いたら補修すればいい、などの、治療という「外圧」だのみの姿勢だったりするのが、従来型の考え方なのでしょう。
この状態では歯は「脆弱」な状態ですが、他力本願の悲観論であり「治療」中心主義の世界観といえます。

いっぽう、当たりにくい下の奥歯の内側、上の奥歯の外側なども含めてしっかりすみずみまで道具が当たっている、歯の衛生がプロの管理下にある、生活習慣や食習慣にも気を配る、というのが、口としては「強靭(というか安定)」な状態、すなわち「予防」中心主義の世界観と言えるでしょう。

この二者を結び、「脆弱」→「強靭(安定)」の矢印に当たる部分こそが、「強靭化(読んで字のごとくですが)」なのでしょう。

お口の場合に、強靭な状態というのは、疾患が進行せず安定して機能する状態と言っていいと思います。

< 強靭なお口を手に入れる >

お口を覗き込まれて「あ~、むし歯があるから治療しますね~」と言われる。
おもむろにガンガン削られる。時には神経を取られる。そして銀歯を詰められる。

こうすると、治療前よりも感受性が上がり、逆に歯は脆弱化してしまいます。
次は、もっとむし歯になりやすくなってしまうのです。

確かに、最終的には、欠損部位や疾患部位は処置しなければいけません。
そこでは、ときに削ったり、神経を取ったり、充填したりもあるでしょう。

ただ、私たちが本当に得るべき果実は、「強靭(安定)化」でしたね。端的に言うと、患者様と医院側の二人三脚で、むし歯や歯周病に「なりにくく」する、ということです。

よく「治療」と「予防」が対比されます。ですが、考えてみると、治療と予防は、方向性も状態もまったくことなる別のカテゴリーです。
「治療」の状態から「予防」の状態に一足飛びに移動するのは、なかなか困難です。

◇ あまり痛くないときに電話する

ですから、基本路線としては、「あまり痛くない」すなわち、そんなに悪いと感じないレベルの段階で、歯科医院とコンタクトを取るのが大前提です。
せめて「若干しみる」程度の段階で電話したいものです。

なぜなら、歯科医院で “第一に” 得たい果実は、治療ではなく、「強靭(安定)化」だからです。
「穴」レベルでの初診だと、「ヤリましょう」といわれてしまう可能性が高いからです。
もちろんそのときは「今日は心の準備ができていないので、後日で」とことわるべきですが、まとめると

「治療(中心主義)」→「強靭(安定)化」→「予防(中心主義)」

こんな感じです。
この橋渡しを手助けしてくれる医院こそが、あなたにとって利用価値の高い医院です。

◇ ホームページの確認(参考)

ホームページは出しているところと出していないところがあります。立派なものを出していても、看板に偽りありなことも少なくありません。
ただ、各歯科医院のホームページの比較は、慣れていないと分かりにくいものです。
また、そもそも歯科に限らず「ホームページの比較」自体、普段あまりしませんね。

そんな方は、まず歯科医院はさておき、別の業種で練習しましょう。

<番外篇>

私からのオススメ練習は、何といっても「温泉旅館」のホームページです。
便利なページとして「貸切温泉どっとこむ」「じゃらん」「Googleマップ」の併用がオススメです。

まずはいくつかのシチュエーションを考えます。

 ときどき一緒に旅行する3~4名の同性の友人
 久しぶりに家族で水入らずの旅行(全員成人と想定)
 彼氏・彼女や夫婦で、思い出作り
 不倫や、ナイショの関係で、刺激作り
 etc・・・

あたりの想定が無難かと思います。想定なのであまりに複雑でなくて結構です。
つぎに、いろいろな条件を考えます。

泉質
源泉掛け流し・循環
 ~健康目的ならば気になります。にごり湯なら露天も恥ずかしくありません。
客室露天か、最低でも内湯の有無
~汗っかきの人、大浴場が苦手な人は、気になります。
~客室露天が展望か庭園か半露天かは、好みですね
雰囲気(和風or和モダンor洋風)
 ~ベッドか布団か、最近はコテージ風の温泉宿もありますね。洋風は安めです。
  ベッドなら、ツインなら気の置けない友人、キングサイズならとっておきの人?!
  食事の部屋出しは、やや割高のことが多いようです。
  むしろ、食事外出し&仲居に勝手に布団を畳まれない形式も、案外アリです。
貸切露天(有料無料、時間制限)
 ~貸切風呂は思い出に残ります。できれば浴槽が大きく、岩露天ガー ←個人的好み
離れ、別邸
 遅くまで大きな声を出しても大丈夫な状況かどうか、の判断はとても大事です。
旅館規模(客室数)の大小
 こじんまりした空間、落ち着く空間というのもぜいたくのひとつです。
 宴会を考えるのであれば逆で、ある程度の規模があるほうが安心です。
周辺観光
 ケースバイケースなので、何とも言えません。
 旅館周辺の風呂めぐりも、楽しみのひとつです(混浴マニアとかいますよね)。
などなど・・・

日本は火山が多く地層が複雑なので、わりと満遍なく温泉があります。
そのなかでもとりわけ温泉宿が多いのは

 北海道、福島、栃木、群馬、長野、静岡(伊豆箱根)、兵庫、大分

あたりでしょうか。
母集団が多いほうが、目的に沿った温泉宿を見つけるのも簡単です。

いい旅館があったら
 じゃらん「基本情報」で規模その他を確認する
 住所をGoogleマップに入れて航空写真、可能ならストリートビューを確認
も必須です。

「公式」ホームページでは得られない情報もたくさんあります。総客室数とか、バストイレ、風呂の貸切条件など、むしろじゃらん「基本情報」「フォトギャラリー」のほうがまとまっています。
内湯原理主義
(どんなに良い貸切露天があってもアウトバスはパス、の意)である根本にとっては、きわめて大事なステップです。

また、いかにもひなびた里山の離れ宿にみえても、Googleマップから見ると、すぐ近くに工場や団地があったりして「???」なこともあります。
「公式」で美しい玄関に見えたものが、Googleストリートビューで見ると、がさつで汚らしいものだったりすることも多々あります。
夢を膨らますばかりでなく、同時平行的な確認・注意も必要です。

遊びに行くのも、イオンモールばかりにいくのではなく(都会の人は別です)、たまには「温泉」「京都」などなどにも足を運び、和を堪能したいものです。

<番外篇おしまい>

温泉の検索・比較で慣れれば、歯科医院のほうは、もっと簡単でしょう。

以下は、次回に続きます。

【今回のまとめ】

歯科医院でもっとも得たい果実は、治療よりも、お口の「強靭(安定)化」のノウハウである

 

おまけ

龍ヶ崎市佐貫・馴柴界隈の皆様に朗報です。
ココでも書きましたが、ついに「ウェルシア」で、T字型(Y字型)フロスが発売されました!

奥歯に非常に便利です!佐貫・馴柴の皆様はぜひダッシュ!!
(ついでに、根本歯科が「いいね!」してたと、店員さんにつぶやいていただけると・・・)

07:34 | nemoto | 歯医者に『特攻』~あなたも私も「強靭化」 はコメントを受け付けていません
2012/11/08

こんにちは。根本齒科室の根本です。

最近、ちょいちょい走っています(ジョギング)。
超チンタラ走りですが・・

なぜ走り始めたのかは、そのきっかけはちょっと覚えていません。
何か「自分の生命の灯がまだ燈っている実感」を感じたかったんだと思います。

気がつけばもう、1ヵ月近くになります。
毎日はさすがに無理ですが、2~3日に1度は走るようにしています。
時間は夜10時。コースは以下ご紹介しますが、9キロ強を1時間強かけてます。
(ちょっとスローペースかな)

また、面倒なジョギングをすることによって、今まで気づかなかったことをあらためて
再認識した(「再」×2?!)点もありました。

これがコースです。

①平台の信号
②三井のスタンド
③中根台のセブンの交差点
④ヨーカドー
⑤牛尾病院

佐貫駅のそばに「根本齒科室」と、その非常に近くに自宅があります。
そこでプライバシー保護の観点から便宜的に「根本齒科室」基点で示しました。

まず、スタート直後、約4キロの直線が控えます。
水田以外何もない、ただただだだっ広い空間をただひたすら走ります。
夜なのでオリオン座がきれいです。成田に近いので、飛行機も数多くみられます。
先般は、幸運なことに、流星群を一瞬垣間見ることができました。

当座の目標は①です。何もない殺風景な空間に信号だけが光るので、すぐ着きそうな感じがします。しかしこれが、くやしいことに、いつまでたっても一向に近づいてきません。
当初は非常に心理的なダメージが強かったです。

①を過ぎると、次の信号は②のはずでした。
しかし、知らない間に最近、①と②の中間地点にファミマ&信号が勝手にできやがりました。
こっちは、そんなこと知らないじゃないですか。しかも夜だし。
「おー、もう②三井のスタンドだ」
疲労困憊ながらもほっとしながら、よく見たらなんとコンビニじゃないですか・・
しかも遠くで②の看板があざ笑うかのように、点のように小さく燦然と光り輝いている。

初回は、これだけでほとんどパニックでした。「いつできやがった」「も、もう無理」
残念なことに、②の時点で精根尽き果て、あとは~③④⑤歩いて帰りました (‘A`)

以下、何とか走れるようになるまでと、走ってみて気がついた2つの点についてお話します。
2つの点にあえて表題をつけるなら
【ミクロ視点】
【強い孤独感】
といったあたりでしょうか。

【ミクロ視点】

走って初めて気がついたのですが、己のチョロイ肉体というミクロ視点、微視的な視点に
否が応にも強制的に注視させられざるを得ないのがジョギングです。

 残念なオヤジ足は、走り出してすぐに筋肉痛のようにビキビキに痛み出します。
 ふくらはぎ、ヒザ、公ストリングetc 場合によっては、脂肪たっぷりの脇腹まで・・・
 いっぽう、肺に悪い嗜好品が手放せないストレスフルな人生に付き合わされている呼吸器は
 ⑤左下の県道のマークのあたりですでに大政翼賛会もとい態勢抑惨戒のような状態です。
 「昭和維新」も「革新官僚」も「昭和研究会」も「近衛内閣末期」もないはずなのに・・・

 初回のダサい顛末は屋上屋になるので「(ry」とします。
 「次こそは、もうちょっとだけw頑張ろう」などとぬるい反省をして、
 2回目は、やっぱり、もうちょっとだけwしか頑張りませんでした。
 ②~うp~ダウソ~でギブアップ。

 3回目は、③中根台のセブンイレブンまでは走ったったった。
 「体が資本だから無理しないように」一応、スタッフ複数からくぎを刺されていたので
 それを言い訳に「体が資本だから無理しないことにしよう」←嗚呼、なんと自分に甘いこと

 そのとき、偶然下りはうまく走ると体力を消耗しないことを発見しました。
 まるで、自動走行モードのようです。まぁ、単に超脱力走なだけですが。

 2度目のうpのところで、いい作戦を思いつきました。
 自分だけで頑張ろうと思うから、いっぱいいっぱいになってしまう。
 妄想で、ここはM子ちゃん(仮名;前回エントリー「作曲」モチーフの低学年の少女)
 「おじさん、がんばれ!」とかいいながら伴奏して応援してくれている誇大妄想イメージで
 いけばいい!
 これが功を奏して、何とか乗り切りました。

 4回目はついに全部走っちゃいました。
 「おじさん、がんばれ!」は、まだ必要でした。

 5回目は、調子に乗ってペースを上げたら、後半バテて、結局トータルのタイムは同じくらいで
 いたくガッカリしました。。
 何事も(焦っても仕方がない)とまさに「痛」感した次第です。
 ただ、2度目のうpの「おじさん、がんばれ!」は半分卒業できたかもしれません。

 ③まで来ると、もう半分以上来た気がして、慣れたせいもあってか、気が楽になります。
 要注意ポイントは、③④中間の「北海道ラーメン『ひむろ』」の所の交差点です。
 つい対抗右折車に気がつかなくて、1回氏にかけました。
 気分的に楽でも、肉体はとっさのときに言うことを聞いてくれないものですね。

 ケーズデンキ~④ヨーカドーまで来ると、イメージ上のゴールはもうすぐそばです。
 長いダウソを経て、⑤牛尾病院が見えてくると、ゴール地点が目視できます。
 心臓破りの長旅?!も、あと一歩(実際は大体1000歩)です。

走るということは、きわめて孤独な作業です。
全然いうことを聞かない肉体や足という物理的、生理学的現実に直面せざるをえません。

いつもは、GoogleマップやGoogleアースを見ながら、全体的、俯瞰的な視点が大事だ、
なんて思っていました。
「ニコシア、小さいじゃん。やっちめぇ、こんなの」
「北朝鮮、これでよく頑張るなぁ。ここが収容所か」
なんて。
エルトゥールル号~イラン出航の親睦も忘れて、ギリシャに肩入れしていた自分が偏ってました。
ありゃ、ヤバい。もう少し生産性を意識しましょう。

このような全体的、俯瞰的な視点を否定するわけではありませんが、とりあえず1回走ったら
なんだか世界観が徹底的に打ちのめされた感じでした。
なんて自分は小さいんだろう!
なんて自分は弱いんだろう!

今でも、予定日の出発時間(午後10時)前になると「いやだな、面倒だな」という慢心が
頭をもたげるのを否定できません。
「今日はタコろうか、面倒だもんだで・・」

そんな薄弱な意思を翻弄する感情に打ち勝つには

・・(意志/グー)<(感情/パー)<(行動/チョキ)<(意志/グー)<(感情/パー)<(行動/チョキ)<・・

の「グーチョキパーの法則」に従うしかない。

意志と感情では感情に負けるので、悪い感情に克つためには適切な行動が必要です。

「グーチョキパーの法則」これを極端に推し進めて、
ジョギングの前は毎回同じようなストレッチとかをしてから同じようにスタートする。
気がつけば、感情が「いやだな、面倒だな」と思う頃には、すでに半分近く走っていて、
そんなことより、何とか無事に戻ってシャワーを浴びよう、という考えが優先されます。

これは学生時代の剣道の試合の時の「蹲踞(そんきょ)」にも言えることでした。
対戦相手が強いと、非常に弱気に襲われて(わざと負けて、さっさと逃げ帰ってこようか)
などと不安な気持ちになるのです。
「うそだろ!何て根本は軟弱なんだ」
そう思う方もいらっしゃると思いますが、それは修羅場にしっかり立ってない方の見解です。
どうやって試合に集中するか?

そんなときは、とりあえずの戦略を立てたら、いつもどおりに屈伸・伸脚・四股など
準備運動をして、順番になったら、いつもどおりに

「とりあえずピシッと礼をしてピシッと蹲踞する」ことだけに徹底的にこだわる。
ホント、それだけです。
「とりあえずピシッと礼をしてピシッと蹲踞する」

ピシッと蹲踞をすると、気が付けば試合は勝手に始まってくれる。
「イャ~~!」「ヲリャ~!」などと声を出せば、ある程度心はまぎれる。
(結果の向上につながるかはわからないが、そうでもしないと剣道なんてやってられない)

「相手も同じように辛いんだ」などとしたり顔で訓示を垂れる輩もいますが、そのような凡庸な訓示でチキンな心が癒されるはずがない。

「辛いのは俺だけだ!相手は強そうだし調子よさそうだから楽勝のはずにちがいない!自分は非常に理不尽な立場だ」
軟弱な感情は、そう訴えてやみません。
それを抑え込むのが、「とりあえずピシッと礼をしてピシッと蹲踞する」すなわち行動です。

もっと言えば、麻生太郎元総理や武田邦彦先生が、フランスの哲学者アランの言葉を引用して
「悲観主義は感情に属し、楽観主義は意志に属する」
とおっしゃっていましたが、前述の内容から、これに対して一つ敷衍が可能です。

それは、この言葉だけでは、意志が感情に勝つすべを見出すことは困難で、まだまだ結果として
悲観主義に流されやすいからです。
しかしそこは、ご案内の通り「グーチョキパーの法則」強さでいえば

 ・・>(行動/チョキ)>「悲観(感情/パー)」>「楽観(意志/グー)」>(行動/チョキ)>・・

「楽観(意志/グー)」を貫徹しやすくするには、自分(意志/グー)より弱い(行動/チョキ)を従えて
(行動/チョキ)の力を使って(感情/パー)の翻弄に打ち勝つようにするのが近道です。

ストレッチでも、蹲踞でも、そんな感じがしました。

【強い孤独感】

「国の借金ガー」「土建国家の軍クツの足音ガー」「少子高齢化でデフレガー」「カツカレーガー」
ヲイヲイどこのバカどもだ、と、いつも思っていたし、確かに今でも思っています。
しかし、徹底的にミクロな視点、孤独感を感じてみて初めて分かったことがあります。

彼らの視点は徹底的に微視(ミクロ)的で、孤独なのだと。

だから、間違った集合意識であるマスコミやTVのコメンテーターの不勉強(なのか意図的な流布なのかは分からない)な視点に右に左にとひきずられて、新自由クラブに投票し、日本新党に投票し、小泉改革に投票し、民主党に投票し、格差社会に我慢させられ、デフレ下の増税に我慢させられ、今度は維新とか生活に投票する『ように仕向けられる』のだろう。
さらに、物を考えるのが怖くなったら、「とりあえず共産党」という安パイもある。
(新自由主義も共産主義も「設計主義」「反プラグマティズム」で同類項なのに)

つまり、自分の狭い了見から一歩を踏み出していない。

「いや、踏み出さない『自由』、愚[考]権も、基本的人権の内だ」
こういって憚らない、どうしようもない大●●も後を絶ちません。
『自由』『人権』現状すべて実質的に「設計主義者」「反プラグマティズム主義=全体主義者」の
大衆支配のツールでしかないのに!
TPP騒動で、まだ気がつかないのでしょうか。『自由』『自由』いったい誰の自由か?
決して庶民の自由ではありません!むしろ庶民の便益が阻害される話だというのに。
トクヴィルやバークが「中間組織」と一生懸命力説していたのに、一体何を聞いてたのでしょう?

自由←責任、権利←義務、と捉えていれば、そうはならないはずです。

これを肉体で例えれば「そうだ、走ろう」とかのようなプル型の方法論に到達していない、
またはその努力や意志に欠く、ということでしょうか。

もっといえば、「寄らば大樹=新聞・TV」とばかりに、何か守旧的権威に依存して安心し
上念司先生曰く「御用一般人」「変態御用一般人」に堕ちてしまうのでしょう。

彼らは、元々悪い人ではないのですが、それは精神的に堕落しきった姿だと思います。

情報についていえば、努力の必要のない受動型(プッシュ型)サービスである新聞・TVの
垂れ流しにあぐらをかいて安堵していては、覚束ないと言わざるを得ません。
新聞・TVもただではあぐらをかいて安堵させてくれるわけではありません。代償は甚大です。
彼らの後ろには「広告代理店(とその後ろの金主)」「記者クラブ(既得権益)」などがあって
そのバックの金主に都合のいい立場でしか報道しません。
そして真のコーナーストーンとなるような重要な情報については、伝家の宝刀「報道しない自由」が炸裂し、結果として日本国民が先進民主主義国として恥ずかしいリテラシーレベルに堕とされてしまいます。
こんなのを鵜呑みにしていたのでは、期待したい公正公平な情報からかえって自分自身を
遠ざけてしまいます。

「活字媒体(有料)」「ネット(無料)」という能動型(プル型)サービスを横断的に比較検証して
はじめて何らかの正解に、辿り着くとは言わずとも、近づくことができるのではないでしょうか。

また肉体に例えますが、一般論として、食事制限のみという、甘えに翻弄されやすい受動型の方法論にたよるだけでは、はなはだ非効率であり、運動したり、コストをかけるという能動型の方法論を併用してはじめて合目的的なパフォーマンスを得ることができる。こういうことでしょうか。

この一歩を踏み出さないと、何事もなかなか自由になれないし、バランス感覚も見えてこないと思います。ちょっと厳しいことを言うようですが。

【患者視点の秘密】

【ミクロ視点】【孤独感】と考えて、もうひとつ、大きな疑問を抱きました。
これらはすなわち、歯科の患者の視点に他ならないのではないでしょうか。

なにしろ、私でさえ「良い歯医者の選び方」の確立した方法論が分からない有様です
(唯一確実なのは「治療を希望しない特攻」)。
非専門の方々が安心して適切な歯科医院を選択できるわけがないではありませんか。

そして「安心できない」という点にこそ、真の問題点が集約されているのではないでしょうか?

たとえば命がかかっているガンの手術や重症などでは、安心できないのは仕方がありませんが
ちょっと転んだ、おなかが痛い、目が痛い、○○が痛い、程度なら、お医者さんにかかるのが
「安心できない」からかかりたくない、とは、ふつうは思わないはず。
それなのになぜ歯科だけ、命にかかわらないはずなのに「安心できない」のか?

そもそも安心できないのは、サービス体系、ひいては疾患の体系への理解そのものが誤っているからであり、そこを非専門の立場ながら無意識的に直観で感じ取っているから、「○○歯科」「根本齒科室」を問わず、いわゆる歯医者に安心してかかることができない。

ここも本来は、受動型サービス(看板、タウンページ、紹介など)を超えて能動型サービス(口コミ、ホームページなど)に一歩踏み出す勇気が大事な点は変わらないとは思います。考えたり、一歩踏み出すことが面倒なばかりに「早く安心したい」と思って調査努力・施行努力をおざなりにせずに、がんばって、事の本質に近づく努力が大事なのでしょう。

「治療の本質とは?」「歯科の本質とは?」「歯の本質とは?」「口の本質とは?」

いうまでもなく、歯科はグループBですね。
すこしよく考えれば、歯科は治療より予防だと分かるはずだし、唯一確実な歯科医院判別法が
「治療を希望しない特攻」だと私が言った真意も伝わると思うのです。

「治療を希望しない特攻」については、近く別稿にて述べたいと思います。

【今回のまとめ】

日常から一歩踏み出し、今までの無意識なミクロ視点と孤独に改めて気づいて、初めて自由になれる。

 

おまけ

やっぱり財金協調デフレ脱却の安倍氏なら、消費税は『成長なくして増税なし』の証拠動画です。
ほぼ満点の内容です。新聞・TVには、一切こんなこと書いてなかったのではないでしょうか?
(10分5秒より前は、民主党の体たらくについてなので、途中から)

01:24 | nemoto | 最近、ちょいちょい走っています。 はコメントを受け付けていません
2012/10/22

こんにちは。根本齒科室の根本です。

茨城県南では目下、医大阿見病院(東京医科大茨城医療センター)の
保険取り消し問題で、かなりあわただしいことになっています。
その件についてグダグダ書いてみます。今日は長めです。ごめんなさい・・・

で、あ、あのー、作曲しました

じゃーん(’A`)

[Fixture Margin] さん → 「 根   本 」じゃんよぉ orz
以前懇意にしていた、とある母娘をイメージして作曲しました。

作曲なんて、小学校2年の頃に、通っていた剣道場の”道場の歌”を作って以来です。
このコラムもそうですが、アウトプットのネタを搾り出すのは、難しいですね。

「指切りげんまん」
「シューベルトの子守唄」
「ジェリー・ロール・モートン風ダダダダダ」
「t42(ナット・キング・コールVer.)風1人ベースライン」
もうみんなブチ込んだら、相当ベタな感じになってしまいました。
(期せずして”カプースチンを狙って空振りしたような感じ”になっちゃって面目ない)

A1-B1-C-B2-A2形式です。
Aが全体像、B1がちょっぴりオイタして遊ぶ子供、Cがオイタして叱られるシーン
~指きりげんまん、B2がお行儀よく遊ぶ子供、A2が全体像と就寝前のイメージです。
楽譜はココにおいておきます(PDF2.5M)

*2012/11/09 楽譜を一部添削修正しました。


あ、本題です。

保険医療機関の指定取り消しは、じつはしばしば起こっています。

【最近の大きな取り消し事案】

①東京医科大茨城医療センター

12月1日付で保険医療機関指定取り消しになることはお伝えしたとおりですが、「県知事」は、早期の再指定を要望することを視野に、厚生労働省「関東信越厚生局」と月内に協議を開始する方針とのことです。

②ホスピタル坂東

茨城県南部の坂東(ばんどう)市のホスピタル坂東も保健医療機関指定取り消しになりましたが、他者に「経営権を譲渡」することで、患者様の不利益を回避しました。

『患者不利益』がひとつのキーワードです。

③藤枝市立総合病院

2007年の出来事ですが、静岡県の話題だったので、結構周囲の人に言われました。折衝の結果、処分期間が5年から1ヵ月に軽減されたことで話題になりました。

ところで、③の藤枝病院ですが、そもそも取り消しのきっかけになったのが、
院内の歯科でした。
インプラントの術前手術として事前に土手の骨を増やしておく「顎堤形成術」
を保険で行っていたの
ですが、お上に「一連のインプラント治療」に含まれる、
解釈されて、自由診療を保険請求して二重取りした「二重請求」名目の不正
と看做された一件です。

保険診療の場合は、治療費の大部分を「お上」が払う建前です。
自由診療したところを、保険請求するということは、患者様から自費の治療費をいただき、
「お上(保険者)」からも保険で治療費(診療報酬)を請求するので、2回お金が入ります。
だから「『二重』請求」といいます。

意図的にやれば当然詐欺ですが、上記のように判断に迷う例も出てきます。
「一連の治療」の「一連」の範囲、とは?
憲法の解釈運用ではありませんが、拡大解釈すればするほどイイカゲンになります。

藤枝病院は、地域の基幹病院でもありました。
しかし制度上、保険医療機関指定取り消しになると、歯科だけでなく、外科内科なども
まとめて全部取り消しになってしまいます。

「それでは影響が大きい」ということで、歯科を再開しないことを条件に
異例のスピード再指定につながった、と仄聞します。

免許(医道審議会)保険(地方厚生局)

医療機関に対する厚生労働省の行政処分については、ほとんどイメージのない方が
大多数だと思います。
少しあっても、まるで「CIA出先機関 東京地検特捜部」のような正義の味方が
悪徳金儲け病院を叩きのめす勧善懲悪
のような感覚が一般的なのではないでしょうか?

たとえて言うと、自営業者や社長さんにはおなじみの概念で、

 「指導」 ≦ 税務調査
 「監査」 ≒ 査察
 「処分」 ≧ 追徴課税

こんなイメージで大体いいのではないかと思います。
保険医療機関取り消し処分は、建前上ではありますが、国税庁の査察や追徴課税
よりも、処置としては重い内容だと思います。それは、その内容にあります。

医師免許や営業許可証(開設許可証)はそのままだが、
 <保険の患者>を<保険診療>することを禁ずる」

日本は世界に冠たる皆保険の国です。<保険の患者> = 全国民です。
こんなことをされたら、「5年間の営業停止処分」と実質的にまったく同じです。
わざわざ保険の利かない医院を選んで行く人など、誰もいるわけがありません。
おそらくその医院は即座につぶれるでしょう。
マルサですら、追徴課税はしますが、営業停止処分の権限まではありません。

その意味では、きわめて強力で重い決定権を握っていると言えます。

逆に、指導は、モノにもよりますが、集団系とか高点数系は、税務調査ほど
きびしくはありません(俗に言う若干の「お土産」が必要なことが多い模様)。
いっぽう、患者通報による個別指導の場合は、結構ギチギチいくようです。

私は「新規集団指導(千葉/茨城)」「新規個別指導(茨城)」しか経験がありません
(要領や内容も県によってちがいます)が、これらは、悪事を働いたからではなく、
新規開業や分院の新規立ち上げのときに、必ず来る指導です。

また「指導対策」と称して、出入りの御用聞きさん(材料商などの営業)の
「知り合いの知り合いetc」を通じて、カルテ清書とか口裏合わせなどを
専門に指導する「コンサルタント会社?!」も、蛇の道は蛇ではありませんが
存在することを確認しています。

「指導」「監査」「処分」の詳細については、

指導・監査・処分取り消し訴訟支援ネット

が詳しいので、一度目を通していただけると、ずいぶんちがう世界が見えてくる
のではないかと思います。

とはいえ、③の藤枝病院の例ですが、「5年」とか一度決定しておきながら、
「地域に悪影響」「患者不利益」などと交渉されて、「1月」とかに大幅短縮
されるのであれば、この「取り消し処分」の意義そのものがあやしく感じます。
②ホスピタル坂東 のように、経営権の譲渡で乗り切れるなら、なおさら、
何のための処分なのかと、制度のあり方自体に疑問を禁じざるを得ません。

少なくとも、大病院については、実質的に空洞化・骨抜き状態かもしれません。
穿って見れば「小医院はつぶせ、大病院は残せ」とも見えなくもありません。
「地域に悪影響」「患者不利益」の名の下、叩きやすい所ばかり叩いていたら
・・・

ところで、今までのお話は、「保険診療」に限ったお話です。

いっぽう、「医師免許」そのものについても、行政処分があります。
ときどき、わいせつ行為や事故・犯罪などで逮捕され、新聞をにぎわせたりする
事案があります。

そうすると、どこからともなく?!「医道審議会」というものが開催されます。

そこで、「人品に悖る」とされると、医師の免許を取り消したり、停止したり
ということになってしまいます。

 この医師は微罪だし、新聞が騒ぎ立てているだけだ。半年くらいか。
 この医師は死亡事故に関与している。免許は取り上げ。
 etc

などなど。
これらを大臣に答申し、まぁ、大臣はそのまま判を押すことになります。

「地方厚生局」「医道審議会」
気になったので、厚生労働省のホームページで、組織図を見てみました。
http://www.mhlw.go.jp/wp/publish/pdf/p04.pdf
非常に複雑な各種の局・課がありますが、樹形図の中を探してもありません。
・・・や、ありました。すごい下のほうですwww

地方厚生局も医道審議会も、非常にシンプルで、他の部局と全く関連のない、
影響を受けないところに位置しています。

「他の影響を受けない」これではコンプライアンスやガバナンスを考えると
疑念が残ります。日銀を見れば分かるとおりです。

【不正請求と根絶】

(なぜ『わざわざ』民間に保険診療をやらせるのだろうか?)
やはり、いつも不思議に思います。

国で「病院」とは別の、一次医療中心の「診療センター」をつくり、医師を待機させ、
准公務員として固定給で雇う形を検討できないだろうか?
つまり、施設の経営権(開設管理)を医師個人から国家(厚労省)に移管する形です。

また言っていますけど・・
その方が、診療の質の面でも、患者便益の面でも有利だと思います。

そもそも街中のあちこちに規格の揃わない数十坪単位の零細小規模診療所が
乱立
しているほうが、不便だし効率性が悪いのは明らかです。
(今はデフレなので、一般論として、あまり非効率性を叩く時期ではないのですが)
また、いわゆる休日当番も、順番で行うことにより、むしろ便益の向上に
資するのではないでしょうか。

話は変わりますが、現在、産科(婦人科は別)と小児科が、なり手が少なくて
とくに地方の外来では厳しい状況になっています。
時間を問わない診療科の特質性もありますし、小さい声で言いますが、
「訴訟リスク」で民事責任をすべて医師「個人」に帰結させるシステム自体が、
医師を敬遠させる大きな要因
に見えます。

このような科を見ると、こういうハイリスクな分野ほど、国家が前に出て
先回りして杞憂を除去し、人材確保を側面からもサポートべきではないか?
こう感じます(もちろん十二分の患者保護への配慮は論ずるまでもない)。

ただ、三大都市などのごく一部大都市を除いて地方自治体は軒並み赤字で
疲弊しています。

地方政府には「通貨発行権」がないので、債務不履行になると夕張の二の前です。
「通貨発行権」のある中央政府でないと、なかなかできないと思います。

また、経済合理性から見ても、明らかにこちらの方が有利です。

規格の揃わない小規模施設が乱立すればするほど、当然ムダが多くなります。
その中で、院長や理事長は、自分の給料や経費(固定費・変動費etc)、借金返済
その他のやりくりをそれぞれの医院で独自に行っている形です。
院長がいくら給料で抜くか、バランスシート(B/S、P/L)はきれいか、その他
いろいろ各医院によって全くちがいます。

たとえば、そんな各医院(診療所)が、平均月100万点として700万振り込まれ場合、
(ただし振込は2ヵ月遅配です)窓口が300万なので、合計収入は1000万になります。
そこでたとえば、医師2人で400万抜いたとすると、残りで600万です。

 残りの600万円で、経費(固定費・変動費etc)、借金返済その他のやりくりをします。

この部分が、各医院で非常に内情が異なるのは、説明するまでもないでしょう。
600だと十分余裕があるから、もっと院長が取るか、というところもあれば、
600で収められなくはないけど、良い臨床のために人材投資したい医院もあるし、
600だと全然足りない、経費削減だor商工会に相談or銀行に相談etc・・・

てんでんばらばらです。

そして、その700万振込の原資になるのが、レセプト(診療報酬請求書)です。
窓口で3割の場合は、振込が7割になります。

このレセプトを、出来高払いの利得者である院長が書いて請求する形こそが、
根本的に間違っています。

上記のように、中小さまざまの診療所で、思惑は全くちがいます。
大多数は良心的ですが、それなりに一部残念なイカサマの発生土壌になります。
なかには経営に苦しい医院もあるかもしれません。
臨床よりも金、みたいな輩もいるかもしれません。
(少しくらいなら水増ししても、バレなければ・・・)

 病院に来てない日に治療をしたことにしたり(℡再診や未来院請求を除く)
 治療していない部分も治療したりしたことにしたり
 すでに亡くなった人に治療をしたことにしたり

「うそだろ!」と思うような事例も、無いわけではありません。
ごく一部ですが、「事実は小説よりも奇なり」の世界がリアルに存在します。

個人に任せると、どうしても一定程度こうなってしまいます。
それを取り締まるのは、ほとんど濡れ手で粟をつかむようなものがあります。
右手で出来高払いの利得者にレセプト請求書を書かせて、左手で後から取り締まる。
どう見ても、明らかにムダなマッチポンプです。
>

だったら、「出来高払いの利得者」をなくしてしまえばいいのです。
国営の「診療センター」である程度の集約化を図り、准公務員として
固定給で雇用すれば、「医師が」レセプトを書いて提出する必要がありません。


つまり、「医師の」不正請求が根絶します!

結局、個別にやらせると、院長の給料や医院の経費(固定費・変動費etc)など
てんでんばらばらで、不正の温床にもなってしまいます。
お上(保険者)は、どこかで責任を持って、まとめて面倒を見ないとまずい
のではないでしょうか。

今のように、バラバラの個人に責任を押し付けて、医師会や民医連などの
業界団体しか身を守る物がない、というのは、営利目的であればわかりますが
公益性の高い医療では、まずいと思います。

「「診療センター」は、行くのが不便そう」
そんな声もあろうかと思います。
そこで、「診療センター」に、いくつかのインセンティブを与えます。

①窓口負担の割引

一般開業医であれば2割~3割負担のところを、たとえば「診療センター」を
受診することで一律5分(5%)窓口負担を引く。
こうすれば、患者様はきそって診療センターに行くようになるでしょう。

②ゾロ(ジェネリック薬品)による薬価の格安化

投薬でどのような薬を選択するかは、医院によってかなりまちまちです。
十分に後発医薬品が開発されている、評価の定まった薬については
原則ジェネリック薬品とすることで、かなり内科系の節約になると思います。

こうして「診療センター」をみていくと、基本的に
 ◇ 入 院
 ◇ 大手術(全身麻酔)
のない、やや規模の大きい公的な外来センターのような姿が思い浮かびます。

【問題】

とはいえ、上記の仮説にはいくつかの問題をはらんでいます。

① 既存の医院の設備の活用

すでに開業している診療所のなかでも、整形外科や眼科、耳鼻科などは、
かなりの高額な設備投資を行っています。
これらの設備を活用できれば良いのですが、なかには、すでに減価償却を
終えてしまったものもあるかもしれません。

適正な買取価格をどの程度にするか?中古品としての価値判断は、課題です。
中古機器関連の薬事法などは、適宜付則等を改正すればよいと思います。

「うちは代々医者の家系だ。そんな診療センターなんて、けしからん」

それは、心情としてはよく分かります。
医者の家系と言うより、開業医の家系ですかね??
(もしかしてその前は、香具師?野巫?藤内?・・・)
ただ、個人開業意がどうしても個人事業主を続けなければならない社会的要請は
ま っ た く な い と思います。

② 自由診療との兼ね合い

歯科の立場からこのようなものを考えたときに、まっさきに懸念が生じます。
基本的に歯科は「口腔内科・外科」的なものと「機能・形態回復」的なもの
(矯正を含む)に分けられます。

しかし、詰め物や補綴物(インプラントを含む)をはじめ「機能・形態回復」
的なものは、とくに規模の大きなものほど、すでに保険の範囲内では
満足な結果が得られないものばかりであると言っても過言ではありません。
そのような性質の処置への依存を、健康保険を使って誘導してしまうのは、
今後の予防中心の雰囲気を考えたときに、頭打ちのような気もします。

いっぽう、医科については、ほとんどの範囲で、保険と保険外の棲み分けが
明瞭に行われており、産科も実質的に公費負担といってもいいでしょう。

予防的な処置についての公費負担については、別途検討の余地があると
考えます。

 

以上、おおざっぱではありますが、現段階での見解をまとめてみました。
結果として、「病」「診」分離、の形に近づきます。

もちろん、病診連携はとても重要ですが、病院には専門性や包括性などの
病院のよさ、診療所にはフットワークの軽さや利便性などの診療所のよさ、
それぞれ持ち味を十分発揮することが、より国民利益にかなうと思います。

ただ思うのですが、現在は「診(一般外来)」のほうが、その役割を十分に
発揮できていないと思いますし、社会的な風当たりも強いものがあります。
その分、「病(病棟病院)」に強くしわ寄せが来ていて、3時間待ちの3分診療
などのような偏在に対応し切れていない点が気になります。

病院の強みは「全身麻酔・手術・入院」これらの施設面の充実と、それによる
高度な治療の実践だと思います。

何だか、専門外の医科のことについて、結構大胆なことを言ってしまいました。

【今回のまとめ】

不正請求はいけないが、全体的な制度設計が、より問題。現在はマッチポンプ状態。

08:19 | nemoto | 【自作曲あり】【閲覧注意】保険医取り消しと、制度的な問題 はコメントを受け付けていません
2012/10/06

こんにちは。根本齒科室の根本です。

じつは今後は少し文章を短くしようと思っています。
先日、どこかは忘れましたが、政治とか経済を扱っている某ブログを見ていました

(・・・ながっ)

その人の文章は、読みにくくて仕方ありませんでした。
で、ためしに、前々回の自分のコラムとスクロールの長さを比較してみました。

・・・勝ちましたよwwwしかも仏恥義理の楽勝。少しもうれしくねぇ

今回は、安倍さんが総裁選に勝ちましたので、その絡みで 少 し 書きます。
まさか、歯の話が出てくるとは思いませんでした。

それにしても、ワイドショーや新聞などのネガティブキャンペーンの問題も
久しぶりに見ましたね。
内容はともかく、品位がない言葉は、見ていても”さもしい”ものです。

 不自然な石破押し(地方の「民?」意)
 縄文顔・弥生顔
 カツカレー
 製薬会社のお抱え医師
 腹痛で辞めた

【不自然な石破押しの件】

決選投票の時のワイドショーは、どこも本当に石破さんに偏っていましたね。
今回は幹事長に就任され、政権奪還に向けて「安定した」党運営を期待できるでしょう。

【縄文顔・弥生顔の件】

縄文顔・弥生顔について言えば、大石久和先生の「国土と日本人/中公新書」という本に
詳しいのですが、結論から言えば長さでは、それこそ文字通り”ケタ”違いに

縄文 >>>>>>(越ry)>>>>>> 弥生

だそうです。だいたい1万年 対 1000年くらいの差だそうです。

 現代の文化の基礎は江戸時代の250年で作られ、
 その基礎は鎌倉から続く500年の武家統治時代に作られ、
 その基礎は聖徳太子の頃からの500年の、朝廷時代に作られました。
 その基礎は1500年~2000年程度前からの稲作、弥生文化の流入に依存し、
 その基礎は、さらに1ケタ上の10000年規模で、狩猟~雑穀栽培の縄文文化
 ということになります。

その頃に、千島・樺太、朝鮮半島が陸続きだったかは分かりませんがこれらを考えると、
「縄文」と「弥生」をあたかも対等に捉えるのはバランス感覚的に問題があるような気がします。

現代まで含めても、日本の歴史の「圧倒的な」比重は縄文だからです。

四方を海に囲まれたという幸運もあり、万年単位の非常に長い伝統・文化の熟成があって
今日につながっているわけですね。

【カツカレー】

石破さんも食べていたとのことです。「安定した」党運営を期待できるでしょう。
林さんも食べたそうですが、炭水化物ダイエット中ということで
コメには手を着けなかったとのこと。
痩せすぎて貫禄負けした、とは陣営の言葉ですが、政治家は何より健康が第一です。

私もつい先日、分厚いロースを買い込んでしまいました。経済効果は確実にありましたね。

今回ですが、麻生内閣のときに「漢字の読み間違い」「ほっけの煮付け」「ホテルのバー」
など政策と全く関係ないこと
でさんざん叩いたことを思い出し、若干の衒いを覚えた方も
少なくないのではないしょうか。
そのくせに、鳩山・菅両首相の体たらくは、ほぼ完全に見逃してきてしまいました。
毎晩の豪勢な料亭通いなども、一部ネットで叩かれたくらいでした。

このようなダブルスタンダードに対する不快感・反省が蓄積していたのだと思います。
現在は「ネットがメディアを監視する時代」になったのでしょう。
公平性・公正性の意味でも、新聞・テレビのみに情報源が偏るのは不適切です。
そして、まだまだ「報道しない自由」への対処はできていません・・・

【製薬会社のお抱え医師の件】

安倍さんの闘病生活については、「消化器のひろば」(日本消化器病学界)巻頭対談に詳しく載っています。
わが国の消化器の権威団体による、内臓の健康に対する理解を深める一般向けの広報誌です。
氏ご本人の、他人に絶対言えなかった長い忍耐・苦労がしのばれる、深い内容です。

その件について、裏を取った訳ではないですが、twitter上で不穏な空気が流れています。
マスコミが、腹痛での安倍さん叩きに失敗したので、こともあろうに学会トップの先生方を
「製薬会社のお抱え医師」として、今度は医者叩きに走り出したらしい、とのことです。

自分で言うのも難ですが、医療系は叩きやすくて、楽ですよね(’A`)

まさか、報道機関が、根拠のない「お抱え医師」妄言で、日本消化器病学会、就中、
日本の医学会そのものに対する挑戦を企てている、などということは、考えたくないし
そうでないと信じています。

しかし「製薬会社のお抱え医師 消化器」で検索してみて思うのは、すでに現在となっては
そのようなつぶやきが広がるくらい、マスコミに対する国民の不信感や警戒心が強い時代だ
と理解できます。

なかには、朝日新聞社のように「安倍の葬式はうちで出す」「社是」などという確信犯?!も
いるわけですが、往々にしてコンプライアンスやコーポレートガバナンス意識の低い
旧態然とした企業風土が、品性や意識の低い従業員(記者、コメンテーター、デスク等)
を生み出してしまうのではないでしょうか。

昨今、業種を問わず、企業の社会的責任、内部統治は最低限クリアすべきであるのは
常識です。報道会社だけがこれでいいとは到底思えません。

 もしかしたら、CIA等海外資金が広告代理店等を通じて入っているのかもしれないが
 そこは分からないので、とりあえずパス。

報道関係の方々も、以前に比べて仕事しにくい世の中になったと思われるかもしれませんが、
メデイアのあり方そのものが、その国の民度をある意味反映している面もあります。
内部統治や自己改革によって、将来的には国民の信頼を取り戻して欲しいと思います。

またぞろ「偏向報道」「報道しない自由」などのようなことで物議がかもされたときは
ネットの力で批判・情報修正が繰り返される時代が、当分は続くものと思われます。

【腹痛で辞めた の件】

そして、難病(厚労省指定 特定疾患)について軽く触れてみたいと思います。

症状から似たようなイメージを感じる方も多いですが、「ストレス性の下痢」と「潰瘍性大腸炎」
の間には、疾患分類上まったく真逆、天と地の性質があります。

ストレス性の下痢なら、政治活動などのストレスの原因を除去すればすぐに完治します。
回避も可能だし自然治癒力による復旧もします。いわゆる『グループA』です。
政治活動を控えればいいだけなので、原則的に治療は不要です。

いっぽう、難病(特定疾患)といえば、基本的に発生を回避することは困難であり、
かつ自然治癒力を頼りにした復旧が見込みにくい特徴があります。
なかには進行性のものもあります。よって『グループD』です。

安倍さんの場合は十分な緩解を得ているとはいえ、継続的対応になっていますので
やや『グループC』寄りとはいえ、『グループD』といっていいでしょう。

潰瘍性大腸炎についてWikipediaを見て驚きましたが、なんと、むし歯菌(S.Mutans)の一部で、
標準菌と異なる糖鎖を持つグルコースの側鎖を持たない高病原性株TW295(抜粋まま)
潰瘍性大腸炎の発症に関連がある
という研究が大阪大学大学院歯学研究科で行われているとのことです。

発症年齢が20代が多いとのことなので、予防歯科で潰瘍性大腸炎の発症を抑えられる展望が
十分考えられます。

幼少期、とくに1歳半~3歳の時期を重点的に、親御様や医療機関のホンキが人を救うかもしれません。
(ちなみに喫煙者には発症が少ないそうですが、子供に「タバコ吸え」とはいえないし)

少なくとも健康状態を十分に維持して政治活動を継続することで、国内に11万人いるといわれる、同じ病と闘われる方々の支えに少しでもなれば、氏の闘病活動にも大きな意義があったといえるでしょう。

もちろん、これはどのような難病にも言えることです。

なぜなら、それは難病が『グループD』であり、継続的なケアが必要だからです。
『グループB』は事前的ケア、『グループC』は事後的ケアが必要です。

私も含め、当時の軽率な報道のせいで、ストレス性の下痢だと思っていた方がほとんどだと思います。
潰瘍性大腸炎が、重症化すると腸管内壁が完全剥離して人工肛門もありえるという大変な病気であることは、恥ずかしながら私も最近知った次第です。
『グループA』~『グループD』の考えで疾患を分類することは、ほんとうに重要です。

また、じつは総理以前の10年来、森・小泉時代からずっとひどい状態に悩まされていたそうで
「消化器のひろば」で初めて知りました。まことにお気の毒としか言いようがありません。
幸い現在は十分に緩解を得ているとのことで、ぜひお大事にしていただきたいと思います。

 安倍政権の短命はじつは2007参院選による『ねじれ国会』が主因だろう。
 「美しい国日本」が「国民の生活が第一」の肩を持ったマスコミに負けた。
 (「「国民のせい」←喝が第一」は、もう外に出てしまったが)

 ねじれ国会が続くと、特例公債法などの予算関連法案や重要法案が毎年通らない。
 安倍~福田~麻生~鳩山~菅~野田(?)
 政府閉鎖だけは避けないといけないので、予算関連法案と首相の首を
 バーターで交換するという悪弊がこのところすっかり定着してしまった。
 (だからといって個人的に野田政権を支持しているわけでは全くない)

 だからこそ安倍氏は今回、ことさら健康問題を前面に押し出している面も感じる。
 総裁就任演説では、今後は小選挙区にこだわらないと力説していた。
 今回緩解維持状態で政権の座に就いた場合、ねじれ国会の予防対策を必ず取るだろう。

 このように考えると、我が国の国民性と二大政党制の相性に疑問も生じる。

 とくに民主党が単なる「批判者の集まり」「選挙互助会」になってしまい
 英米のように両院協議会がまともに機能しなかったのが痛かった。
 民主主義には最低限、力量ある野党第一党の存在が必要である。
 使える党が一国に一党では、それこそ直訳でファシズムになってしまう。

 両院協議会が機能しないのも民度とまでは言わずとも、国民性かもしれない。
 いずれにしても、機能しないなら、二大政党制の意味はない。
 二大政党制を小沢一郎を通じて日本に押し付けてきたアメリカも、やはり
 「バカでヘタレ、でもヤルときはヤル」(倉山満氏の言)なのかもしれない・・・

 とすると畢竟ヨーロッパ型の多党型の方が日本にあっているのだろうか。

 また無理なウィークジャパンポリシーで、太平洋~極東の安全保障に祖語をきたすよりも
 日本は内需中心国であり、2割に満たない外需も輸出は資本財と中間財が中心なので、
 むしろストロングジャパンポリシーで国内購買力を涵養したほうが両国の国益にも合致する。
 年次改革要望書・小選挙区・TPP等の制度変更に拘るのは、実り少ないと思われる。

≪(おまけ)スーパーコンピューター≫

安倍さんは、総裁選の演説で、くり返し『スーパーコンピューター京(けい)』の活用・投資の
推進を訴えていました。
スーパーコンピューターのおかげで、パーキンソン病、アルツハイマー、うつ病の新薬開発に
大きく貢献したことは、ご案内のとおりです。

スーパーコンピューターといえば、昨年一世を風靡した「ミスター除染」こと児玉達彦先生が
進行がんの特効薬を開発していることでも有名です。さすが児玉先生!

抗体利用の進行がんの特効薬開発!
6ページ「「京」を活用」(PDF)

そしてなんといっても、スーパーコンピューターといえば「SPEEDI」です。
パニックになるからと言って、国民には見せずにICRPIAEAだけには報告していた輩がいましたね。

「1番でなければいけないんですか?2番ではいけないんですか?」

そのようなことをいう者には何度でも言いかえしましょう!1番を目指せと!
そして、スーパーコンピューターで各種の新薬開発が進み、難病治療に大いに貢献することを心から祈っています。

【今回のまとめ】

歯科の原因菌が他科疾患に関与する例は多く、注意が必要。そして疾患分類の考えも有意義。

09:16 | nemoto | むし歯と安倍さんと潰瘍性大腸炎の奇妙な関係 はコメントを受け付けていません
2012/09/21

こんにちは。根本齒科室の根本です。

すっかり、ベストセメントが定着してきました。

ある日の午後など、全員ベストセメント関係の治療になってしまいました。
本当に、どなたも、削られたり麻酔されたりするのが、心底嫌なようです。
はっきり顔色で分かります。

「痛くない(No Pain)」
「削らない(No Drill)」
「麻酔なし(No Shot)」
のコンセプトの元
「ぬるだけ」「つめるだけ」
という、詐欺 魔法のような簡単治療。

もうひとつ、頭に「○○だけ」を付け加えると、当歯科室のコンセプトは完成します。
「○○」それは、また後日お話しできると思います。

「○○だけ」「ぬるだけ」「つめるだけ」

ところで、今日は、右翼動画かと思いきや医療系の役立つ動画のご紹介です。

ご紹介する動画は、東京MXテレビの「西部邁ゼミナール」からの抜粋です。
間奏に流れる、ドビュッシー「月の光」のジャズアレンジが、とても素敵です。
(アシスタントの小林麻子が、どうみても身長157cmには見えないのは常々疑問です)

いつもは、司会者の友人・知人の保守派の論客が出ることが多いので
「ネトウヨ」「根投与」「熱湯浴」等の巣窟と看做されることも多い番組ですが、
なぜかこの回の出演者は、東洋医学に造詣が深く、臨床でも実践されている
川田靖子先生という耳鼻科医が登場しました。

何でも、司会の西部氏が以前、体調を崩されたときに、こちらの先生にお世話になり
今では西部氏の奥様も通われているとのことです。
氏も昔は「朝まで生テレビ」などでかなり尖がっていたのですが、
(この黒々とした毛髪の司会者は誰だwww)
最近はすっかり好々爺といった感じです。

番組を通じて、人とは、健康とは、病とは・・・とても考えさせられます。
その中でも、ひとつ、川田先生のことばで非常に印象に残った言葉があります。
その言葉は、最後の最後にご紹介します。

まずは動画と文字起こしの抜粋をご覧ください。
とにかくびっくりしたのは、ケインズが歯科がらみで出てきたことです。

ケインズと言えば、最近ノーベル賞を受賞したクルーグマンや、スティグリッツ
サマーズといった、今をときめく著名な経済学者たちも注目中の、いわば
『時の人リターンズ』です。日本で言うと『高橋是清』クラスですね。
(是清の方がデフレ脱却は先に成功したようですが)

そして、新古典派(新自由主義、CSIS系など)、経済学者、グローバル資本陣営等に
目の仇にされていることからも、逆にまさに注目すべき人だと思います。

そのケインズが、まさか歯科に関して言及しているとは思いませんでした。

川;川田靖子
西;西部邁
小;小林麻子

[前半]

7m43s

西「…こんな話聞いたことございません?『神農』道って」
川「あ、はい!『神農本草経(しんのうほうぞうきょう)』ですね」
西「ええ。これ実はアレですよね、日本でいうと、例の『寅さん』の『的屋(テキヤ)』なんかに流れてきた考え方なんですよね」

8m16s

西「この先生怖いのよ。例えば僕、糖尿病なんだけど、『いいや』って食っちゃうでしょう、甘いもの。それで他の理由で、足が痛いとかで行くと、顔見てすぐ分かる!1秒で。大げさに言うと『あなたは夕べ飴玉を10個食べたでしょ』って。あれ、饅頭だったかな?」
川「いや先生、『何か昨日甘いものか何か召し上がらなかったですか?』でいうと『いやっ』『あ~』て。先生結構とぼけるのが上手だから」
小「顔色に出るんですか?」
西「甘いものはね、目の下に出るみたい」

いつもはコワモテのご意見番で、司会者としても大きな顔をしている先生が、
川田先生の前でちっちゃくなっているところが、どことなくカワイラシイけど、
むしろお茶目で素敵な感じです。

『甘いもの』を食べると、目の下に反応が出る、というのは、初めて知りました。
『甘いもの』は、人間の文化や精神状態とは切っても切り離せない問題です。
西部氏は番組中でも、かなりの糖尿病だと自白していたので、おそらく、
ショ糖とか、炭水化物の過剰摂取のことを指摘されていたのだと思います。

ただでさえ、モンゴロイド(東洋人)は、コーカソイド(白人)やネグロイド(黒人)よりも内臓が弱く、
圧倒的に糖尿病になりやすいのです。
実際アメリカなどに行くと、日本ではまず見られないような高度な肥満の方々も散見されます。
これは「糖尿病にならずに『太ることができる』」からです。
にもかかわらず、主食がコメ、とくに現在は白米中心であり、あまつさえ江戸時代以降は
1日3食が定着しています。
有意義な人生の後半戦を謳歌するためにも、炭水化物の摂取量には少し気をつけたいものです。

他にも、たとえば、何気ない顔色とか、表情とか、姿勢とか、立ち居振る舞いなども
注意深く観察すると、いろいろなトラブルの兆候が垣間見えるのかもしれません。
私共も、顔面骨格はよく観察するのですが、顔色まではあまり注意して見ていませんでした。

9m00s

西「昔、ケインズって経済学者がいまして、どうでもいい人なんだけど、彼がね、『経済学者は歯医者のようなもんだ』って言ったんですよ。それで多くの人が間違って、そのセリフだけでね…『歯医者ってのは、向こうでいうとTooth Carpenter、大工さんでしょ。(経済学者なんて)(根本註)そんなもんだ』って。そうじゃなくて彼が言ったのは歯の症状はね、それこそ食べ物とか…」
川「やーもうほんと!」
西「胃とかなんとか、もう全身が結局歯に出てくるって。だから自分たちは経済問題を、こう、財政がどうとか金融がどうとか言ってるけれども、その経済の全身症状ね、全身の状態がコレ(財政とか金融とか)(根本駐)に出ているんだ、っていう意味で言っている。普通に考えればその通りですよね」

ケ(ry 何たる慧眼!ここはとてもびっくりしました。「どうでもいい人」発言にもびっくりしましたが。ケケ(ry とは大違いですね!!
Tooth Carpenter(歯大工)という英語での言われようも、どうかと思いますorz

経済学は、新古典派を例に取るまでもなく、基本的に数式で表現しようとします。
そのため、どうしてもモデルの単純化やサンプル化、変数分離が必要になります。

ある意味、必然的に、一面的な指標になりがちです。
逆に、何とかいろいろなパラメーターを考慮に入れようとすると、こんどは
同じ指標に対する数多くの試算結果が大きくばらつくことになります。

少なくとも統計と名がつくものは、その辺をある程度割り切って見ないといけないと
思います。

そう考えると、たしかに歯や口腔には全身の状況や生活習慣・食習慣などが、
如実にあらわれます。私が見落としている兆候もたくさんあるとおもいます。

 そこに穴があるので、とりあえず削って詰める
 そこに歯石があるので、とりあえず道具で取る

まあ、西洋医学の発想の基本的なところは、このような対処療法ですが
「なぜむし歯になりやすいのか」
「なぜ歯石がつきやすいのか」
「なぜしみるのか」
などの背景をしっかり見ないと、ほんとうに意味が無いと思います。

 税収が少ないので、とりあえず消費税率を上げる
 所得や購買力が少ないので、とりあえず安い海外商品を輸入する

まさに、このような表面的な浅知恵と同じだと思います。
○○だけ見ていてもダメで、全体の流れをよく見る。
そして複雑な事象の中に、その元の元となるものをしっかり見すえていないといけません。

当時のアメリカの一般庶民は、経済学のことを
「所詮Tooth Carpenter(歯大工)と同じで、表面的なところしか見ていない机上の空論」
と誤解したようです。

自戒を込めて

16m28s

川「今『難治性』って言葉が、昔はあんまり言わなかったけど、難治性の中耳炎とか、難治性が結構つくんですね。それは何でなのかなって考えてみると、たぶんそこの部分だけを診て、耳なら耳、鼻なら鼻だけ診ていってしまうので、そこをどんどん診て行ってもなかなか治っていかない。たまたまご紹介されておいでになって、ていうと、全然診方が違うんですね、それでうすると、全体を診ていくと、あっけないほど治ってしまうというのを経験してしまう」

難知性。まさにこれも『ケインズの歯科学』と同じことだと思います。
私なりに少し整理して考えてみると、東洋でも西洋でも、医学の大前提として、
自然治癒力や恒常性(ホメオスターシス)があり、頼りにできる、という考えが
あるように思います。

しかし、西洋医学の場合は、ある臓器やある部分に疾患が発生した場合に、
他の部分や恒常性・治癒力はおおむね正常で、その局所にのみ問題がある」
と考えて、局所のみに対応した処置や投薬、という形になるのでしょう。
本当は他の部分の恒常性や治癒力の上に成り立っているのですが、やはり

「病名」⇒「診断」⇒「処置」

なので、病名などにひきづられ、他の部分の調子が軽視されがちなのかもしれません。
そのかわり、局所の処置、急性期・非待機的医療には圧倒的に強いですが。

「○○が悪い」ときに、○○以外のところに原因があることが多い、というのは、
最近では医療関係者の常識でもあり、とくに歯科の場合は顕著です。
「木を見て森を見ず」ともいうじゃないですか。
(うんうん、そのとおりだ)

・・・えっ、本当に、そう思いましたか?

これが、歯科では患者様に非常ーーに、受けが悪いんですよね。
生活指導、食事指導、歯ブラシ指導、コミュニケーションetc

「いちいち森など見るな!木だけみて、これを何とかしろ」

 例)「いちいち面倒な食事指導などしないで、 この穴だけ塞いでおけ」
 例)「いちいち面倒な歯ブラシ指導などしないで、歯石だけとっておけ」
 例)「いちいち面倒な習慣指導などしないで、 この痛みだけ取っておけ」
 例)「いちいち面倒な栄養指導などしないで、 この薬だけ出しておけ」

「木を見て森を見ず」というよりは「木を見て森を見ず」という感じですね。

このような、西洋医学的な誤謬に、国民意識のほうもついつい陥りがちなのでは
と案じます。

東洋医学の場合、「疾患」とか「病名」という概念が無い、と川田先生が
解説されていて、そのところはとても驚きました。

全体のバランスの崩れから、たまたま末端に症状が出ている、という解釈
であり、私はこのような診方には非常に共感がもてます。

ただ、経絡とか、気とかといっても、なかなか解剖学や生理学など自然科学
と合わない概念でもあるし、ラジオニクス的な雰囲気もかなり感じます。
術者間の再現性、追試可能性・・・このあたりも、東洋医学の課題かと思います。
(再現性~これは入れ歯の作成などにも言えることですが・・)

17m43s

西「お世辞じゃなくて、川田クリニックを見ていると、同情するときがあるの。たとえばうちのかみさんなんかヤスコ先生(=川)がね、2時間くらい!ほぼ付きっきり、2時間よ。ところがね、女房の弟が北海道で精神科医ですけどね、あるとき雑談してたら、ヒドイときには1日に100人患者くるっつーんですよ。8時間働いてるのか何か知らないけど、1人5分とかそこらでしょうね、ポッポッポっとね。するとこちらの先生は1人の患者に2時間、ずっとじゃないけど、よくそんなので、小さい声で言うけど、商売が成り立つなぁって、心配になるときがあるんですよ。」

川「wwwありがとうございます」
西「そりゃ、大変ですよね、2時間かけたら」
川「職人的要素がかなり強いので」
西「結局全身治療ですからね、当然時間もかかる」
川「でもあの、やはり、『立ち上げる』までって結構大事なんですね。立ち上がる時はやっぱすごく時間がかかるから」
西「今言っているのは、それは患者さんの治り方」
川「患者さんの治り方なんですけど、それだけしっかり診ていかないと、やはりうちは自費診療ですから、そうすると、やっぱりよっぽどこじらせている方が多いんですよ。そうするとどこに突破口があるかな、と思って診ていくことになるので、どうしても最初時間がかかるんですよね」

メンタルクリニックの経営で、1日100人とは、恐れ入るばかりです。
というか、羨ましい限りです。
手技を含まない内科系の場合、普通にこのような超回転状態になります。

メンタル分野の場合、医師は主に投薬管理が中心で、心情的、気分な悩みなどには
自院で雇ったり契約している「カウンセラー」が対応することが一般的です。
こちらは保険適応外で、30分5千円など、弁護士費用みたいな実費(自由診療)です。

たとえば、ご主人が精神科医で、奥様がカウンセラーだったりすることも、結構あります。

いっぽう、東洋医学を専門に生業として行うと考えると、かけられる時間があまりにもちがうことに驚きます。

全体的なバランスを診断して、治療の動きを『立ち上げて』それをサポートする。
言葉のイメージだけで言うと、歯科で言えば、非常に矯正治療に似ています。
矯正も、バネやゴムをつけて、いきなりガンガン動き出すわけではありません。
以前矯正の先生に聞いたところでは、車の加速と同じだそうで、
最初はほとんど動かなかったりもしますが、一回動き出すと、後は安定して
動き始めるとのこと。

また、悪習癖も矯正治療の大敵である点も、似た雰囲気を感じます。
咬爪癖(こうじょうへき)、舌突出癖(ぜつとっしゅつへき)など、歯ならびに悪い
癖はたくさんあります。また片側ばかり頬杖をついたり、片側ばかり傾いて寝たり
枕に顎を乗せてうつぶせで寝るのも、歯ならびや咬み合わせによくありません。

これは矯正だけでなく、顎関節症とその予防にもまったく同じことが言えます。

前半は、こんな部分がとくに印象に残りました。
後半は、さらに話が深くなっていき、私などがここで部分的な文字起こしをするのは
逆に良くないと思いますので、ぜひご自身でご覧ください。

ひとつだけ、川田先生が非常に悔しそうに語られていた部分があり、
そこの印象が強かったので、そこだけ概略を紹介します。

やはり「木を見て森を見ず」の一例ですが、患者様が、なかなか川田先生の
食習慣の改善や生活習慣・姿勢などの改善の指導を受け入れてくれないようです。
「自分の習慣を変えられることに抵抗する」のだそうです。
それも歪んだ形とはいえ、恒常性のひとつなのかもしれなせん。
(まるで、前例主義の官僚みたいですね。あれも国家の『恒常性』を担保するのか?)

[後半]

今回は、たまたま偶然ですが、非常に示唆に富む動画を発見して
個人的に、いろいろなことを考え直す機会にもなりました。

前回まで、ベストセメントが提供できる治療の低侵襲化、簡略化について
説明してきました。

ただ、このような東洋医学的なことを考えれば考えるほど、歯科については

「悪くなってから局所治療」ではなく
「悪くならないように予防」が正しい

という思いを、より強くしました。

【今回のまとめ】

東洋医学と矯正、予防は、全体のバランス、環境が大事だという点で似ている。

p.s.

ケインズ&コレキヨお得意のデフレ脱却、少しづつ近づいてきたかもしれません。
「『財』『金』協調」「名目GDP>消費増税」
政治は妥協と可能性といいます。すべての政治家が100点ではありません。
しかし、ついに財金協調と名目重視を 同 時 に 訴える候補が出現しました。
いま日本国民が何を求めているか、新聞・テレビだけではわかりません。

この何とも言えない温度差、ご案内の方も多いかと思いますが、ご紹介まで…

・・・いいのか、それで

1m32s
安倍晋”太郎” www

おまけ

http://www.nicovideo.jp/watch/sm18932519

【私が最も衝撃を受けた言葉】
(前半)4m09s
川「一生懸命臨床をやっておりまして、気が付いたら『治らない』患者さんに囲まれていた」

02:58 | nemoto | 『削るの やめた』ら、ケインズが歯科を語ってた件 はコメントを受け付けていません
2012/09/02

こんにちは。根本齒科室の根本です。

5年ほど前のことです
とある「殺菌水(微酸性電解水)」のセミナーに参加していたときに、
講師の先生が、ちらりと口にしました。

「『○○セメント』を齲窩(うか;むし歯の穴)に充填しておくと
 3Mix-MP法みたいな感じでカリエス(むし歯)が治ります」

前回触れましたが、『3Mix-MP(スリーミックスエムピー)法』というのは、
宮城県の開業医の先生が開発した、削 ら な い 画期的なむし歯の治療法で し た 。
3種類の抗生物質をある種の水溶性ワセリンに溶いて、むし歯の穴に詰めて
フタをするだけで、むし歯が無菌化・再石灰化する、という魔法のような方法です。
現在ほぼすたれましたが、5年前はまだ、今よりは信じられていました。

へぇ~、と思いながら、話しを聞いていたら、主成分は「カッパーシール」
という、銅イオンを含む仮詰め用のセメントと同じだ、ということでした。

…ネタだろ、そりゃ。

そのときははそう思いました。
仮詰め用のセメントでむし歯が無菌化するなんて、いくら何でも出来すぎた話ですw
その「ネタ」は、チラッと頭の片隅に押しやり、その場はやり過ごしました。

それから5年間、私の「闘い」の日々は、結局終わることを知りませんでした。

【1】一通のメール

勝ち目の少ない「闘い」の日々に疲れ果て、少なからぬ患者様やスタッフにも
ご苦労をおかけしてばかりのような。最近の私は途方にくれていました。

通風に痛む足を眺めながら、開業以来の体たらくを思い返し、ひとりつぶやきました。
(俺って、何やってたんだ・・・どうしたらいいんだ)

 欲しかった分院もまだできていない
 スタッフも患者様もそう増えていない
 毎月返済や支払でプレッシャーがきつい
 キャンセル率の多さは相変わらずだ
 ・・・

失意の中、メールボックスにふと目をやると、某セミナーの案内が届いていました。
見ると、例の「ネタ」のセメントの奴です。

(何だよ、ウゼー・・・でも、懐かしぃ(*゚ー゚))
捨てる前提でしたが、何かふと思うところがあり、読んでみる事にしました。

講師の先生は、5年前の殺菌水のセミナーの会場にいた、埼玉県開業のあの先生でした。
いろいろな治療法のTipsや裏技を開発することで有名な先生です。

何でも、そこの歯科医院は、そのセメントのおかげで、患者様が全国からおみえとのこと。

☆ 麻酔しない、削らないので、患者様が大変楽
☆ 窩洞形態が非常に単純化する
☆ 1回のチェアタイムが大幅に短縮

触れ込みが本当なら、ぬるま湯(殺菌水)で洗浄して、セメントを詰めるだけなので、
患者様も本当に楽ですし、術者側(歯科医師、助手)の手間もちろん半減です。
しかも、小さなむし歯なら、詰めるどころか、塗るだけでOKという手軽さ!
下世話な話ですが、これなら、数倍の回転率をたたき出すことも楽勝な感じです。

「闘い」に飽いた膠着状態を打開したい、という思いも強く、久しぶりに
受講を検討することにしました。

【2】Dentinal Fluid Tranport

冒頭のお話は、結果として、一番重要なお話でした。

それは、象牙質の中から外に、液体が染み出ている(Dentinal Fluid Tranport)
状態が健全である、という理論でした。
まるで、歯が汗をかいているwwwようなイメージです。

象牙質には象牙細管という細い穴がたくさん開いていて、神経に通じているのは
卒前学生のころに最初に習います。

通常は、約30ミリ水銀柱[mmHg]というわずかな圧力で、液体がしみ出ています。
その中の液体がpHや浸透圧、刺激などで大きく動くと、知覚過敏を起こすことを
簡単に言うと「動水力学説」と呼んでいます。
ですから、主に知覚過敏の問題とのからみで象牙細管をイメージしていました。

この理論では、通常は「象牙質から体液がゆっくりしみ出ている」わけですが
削ったり、砂糖を摂取したり、といった特定の刺激を加えると、反対に
象牙質の外から中に逆流する、すなわち、「象牙質が液体を吸い込む」
状態が発生するとしてします。

また、麻酔をすることにより血管が収縮するので、「象牙質からしみ出る」
作用を抑制する
方向に働くとしています。

 歯科用麻酔の中には、血管収縮材としてアドレナリン(エピネフリン)が
 ごく微量入っています(中にはわざと入れていない商品もあります)。

うかつに、麻酔をしてたくさん削ったとします。
このときに、直径数ミクロンしかないむし歯菌(溶連菌)が、「逆流」に乗って
容易に象牙細管の中に吸い込まれて、あるいは能動的に侵入する
危険性が高く、
むしろ再発(二次齲蝕)の原因になりかねない恐れがある、ということです。

とても恐ろしいことです。

今までの治療行為や、「闘いwww」は何だったのか orz
自分がやってきた行為の方向性を思い出してみて、背筋が寒くなる思いでした。

たとえば、麻酔して何とかぎりぎりまでていねいに削る、という治療をしたとします。
残った歯はとても薄く、ときには神経がうっすら透けて見えたりすることもあります。
(何とか神経をぎりぎり残せた!)と、そのときは自己満足に酔いしれていたとしても・・・

ここで「逆流」が起きていたら、直径数ミクロンのむし歯菌など、容易に
象牙細管~神経に入り込んでしまいます・・・

なかなか引かない知覚過敏や咬合痛は、もしや、コレが原因だったのかも・・・!!

【3】齲蝕検知液との決別?!

このことは、むし歯治療の根本を揺るがすような発想の転換につながります。

私たちは卒前に、むし歯を取り残さないように、齲蝕検知液(うしょくけんちえき)
という赤い色素で染めて水洗しろと必ず教わります。
色が残るうちはむし歯が残っている。染まらなくなったらむし歯が全部とれた、
ということです。

齲蝕検知液は、本学の大先輩でもある総山孝雄先生が考案された画期的なマテリアルで、
必要十分な齲蝕処置のためには必携であると、とくに学生時代は強く指導を受けました。

要はむし歯は、むし歯菌の出す酸で、カルシウムが溶出する([H+]→[Ca++])現象ですから
溶けたナンゾウ(感染歯質、むし歯部分)にはコラーゲンが残ったりしているわけです。
そこの残ったコラーゲンなどがあると染まるのでむし歯、ないとカルシウムが
溶出していないのでむし歯ではない、というのが簡単な原理です。

しかし、色がついているかいないかは、肉眼でしか見ることができません。
また、これはコラーゲンを染めているのであり、むし歯菌そのものを染めているのでは
ありません。

さらに、刺激による(Dentinal Fluid Tranport)の逆転に伴う「逆流」に乗って、細菌が
象牙細管に吸い込まれて入り込んでしまったら、いくらむし歯が取れたように見えても
実際は細菌に感染しているのですから、将来の再発は免れません。

治療が何年かしてダメになったりするのも、寿命ではなく、コレだったのかも・・・
正直、考えただけで手が震えます。

「削っても無理なら、削らないしかない」

そう思うまで、時間はかかりませんでした。

 ◇ むし歯の除去の面倒なトコロ

 復習になりますが、歯の表面のエナメル質は、ほぼ純粋なアパタイトの結晶で、
 とても硬い「ガチガチ」の場所です。必然的にむし歯菌の進行も鈍ります。

 いっぽう、象牙質は象牙細管の穴もたくさんあり、骨同様にコラーゲンに富んだ、
 いわば「ゆるゆる」の場所です。必然的にむし歯菌の進行も早いです。

 一番ゆるいのは、エナメル質と象牙質の境界面「エナメル象牙境(EDJ)」
 と呼ばれる部分です。
 肉眼ではエナメル質と象牙質はぴっちりついているように見えますが、
 むし歯菌にとっては、ここはほぼノーチェックで進める場所です。

 図ではわざと隙間を大きく目立たせて書いていますが、細菌の侵入には
 何の障害もない、フリーパスの場所です。

 ①エナメル質のうちは、硬くて緻密なので、むし歯菌もなかなか進行できません。
 ②エナメル質を超えた瞬間、迅速にエナメル象牙境に沿って菌が進行します。
 ③象牙質は柔らかくて隙間が多く、おもに象牙細管の方向に容易に進行します。

 必然的に、むし歯の形は、このような、中でけっこう広がった形になります。

 なるべく少なく削ろうとして、点線のような削除方向で進んだ後に、必ず
 
赤丸の部分を取り残しているものです。ここをしっかり処理しないと再発します。
 しかし無理すると歯肉縁下に入ったり、象牙質に大きなダメージを与えたりして
 トラブルの多い場所でもあります。

まずむし歯を削るときは、十中八九、表面に見える穴よりは範囲が大きいと踏んで
かからなければいけませんでした。

そして、大体取れたかな、と思っても、齲蝕検知液で染め出しすると、
エナメル象牙境に沿って赤く残ることが大半です。
(もちろん境目の空間そのものではなく、近傍の象牙質が染まっている)

現在は、フローレジンの発達・普及に伴って、薄くなって象牙質の裏打ちが失われた
フリーエナメルも、十分保存できるようになりました。

しかし、そんな複雑な形態に沿って、他人のお口の中でむし歯を削っていくことは
なかなか、やられる患者様がきゅうくつそうです。

(ここで残したら、再発する!)

そのような強迫観念に捉われて、(自称)曲芸のような仕事「闘い」に巻き込まれるときは
本当に精神的疲労が高まります。
このストレスのせいで、患者様やスタッフ、自分自身にも大きな負担をかけてきました。
きついことを言わなくてもいいときに、言ってしまったことも多々あるかもしれません。

それをすべて覆すと言うのですから、ちょっぴり期待は高まります。

【4】「黒い日の丸」~ありえない動画

講師の先生が言うには、穴(実質欠損)のないむし歯(平滑面齲蝕/裂溝齲蝕)の場合は、
釉薬(うわぐすり;Copalite Fluid)を塗るだけでよく、露髄(神経が出てしまった)症例でも、
急性化膿性歯髄炎でない限りは詰めるだけでほぼ成功する、とのことでした。

にわかには信じられません。神経が露出しているのに、痛くないのだろうか?

最中に、これまたとんでもないライブビデオを閲覧しました。

ある方のむし歯治療の一部始終です。

講師の先生の歯科医院の風景動画ですが、衛生士が歯の表面にスポンジで
釉薬をちょこっ、ちょこっ、と塗っているだけなのです。
(知覚過敏の薬だって、もっとていねいに塗るのに・・・こんなんでいいんだ)

別の方の治療風景は、さらにありえないものでした。

講師の先生の治療ですが、イスを倒して、むし歯を見ると、前歯が真っ黒でした。
そして何と、中心部が2ミリくらい赤いマルになっていて、「黒い日の丸」状態です!

先生はおもむろに、水鉄砲のシリンジを用いて、ぬるま湯の「殺菌水」で
黒い日の丸、もといむし歯を洗い流し始めました。
説明では、500ppm程度の高濃度の遊離次亜塩素酸を人肌に加温して用いていて、
pHは中性だそうです。

何回か洗い流したら、表面の汚れやぬめりは取れましたが、あいかわらず
むし歯の色そのものは黒いままで、「黒い日の丸」状態に変わりはありません。

次の瞬間、私は目を疑いました。まさかFake動画じゃねぇだろうなぁ・・・!
先生は眉ひとつ動かさずに、「黒い日の丸」状態の黒い部分と「赤い部分」全体に
釉薬をちょこっ、ちょこっ、と塗り始めたのです!

(うゎっ!痛そ~~)

・・・???
患者さんの表情を見ているのですが、少しも我慢しているそぶりを見せません。

麻酔を打った形跡もありません。麻酔を打つと、血管収縮材として添加されている
アドレナリン(エピネフリン)の作用で、歯肉が貧血を起こして白っぽくなるので
一目で分かります。
(何か悪い奇術に騙されているのでは?)既成概念が、音を立てて崩れていきます。

さらに、釉薬がちょっと乾いたら、例の「ネタ」のセメントを釉薬の上に塗り始め
数分経過したら、その上から、最終修復と称して「グラディアダイレクト」
というハイブリッドセラミック(レジンの超改良型商品。保険外)をいきなり
充填して付形しはじめました。

なんと、まったく削っていない状態で最終修復まで行ってしまいました!

どう考えても、”従来の” 方法では、麻酔をして神経を取って、根に防腐剤を充填して
それから感染歯質を完全に除去してから「グラディアダイレクト」ないしは差し歯、
というのが定石です。

正直 “従来の” 考えから言えば、あまりにも乱暴な内容と言っても過言ではありません。
・・・

精神的にかなり混乱を抱えたまま、動画は終わりました。

【5】「闘い」に終止符を!”汝の名”は…

講義の後、私は、強い葛藤を抱えていました。
従来の常識では、先ほど見た「黒い日の丸」動画は、とても信じられません。

 同じことを形式的に真似してやれと言われれば、そりゃ、簡単に再現できます。
 しかし、やりながら、心中穏やかではとてもいられなさそうな感じです。
 (大丈夫かよ、こんなんで)

あまりにも簡便な術式、あまりにも短い治療時間に、逆の意味で不安になります。
しかし、私はそれまでの無為な「闘い」に疲れすぎていました。

 ギリギリまでやった後に痛みが出たりするのは、もういやだ
 治療のためとはいえ、患者様が苦しそうなのは胸が痛む
 本来不必要な迷惑をかけてきたスタッフたちにも気の毒だ

 そして、家に帰ってからまたやけ酒を呑むのはいい加減にしたい
 何より、自分自身がこの不毛な「闘い」にケリをつけたい!

私は意を決して、とにかく、道具をそろえることにしました。
「全責任は、俺が取る」
そして、いよいよ患者様第一号の日がやってきました。

根「削らなくても、塗って詰めるだけで治る新しいセメントがあります」
患「えっ!!ほ、本当ですか?」

患者様には、予想以上の強いご興味をいただきました。
その後も、来院者の皆様にかなり強いインパクトを発揮している感じです。

根「麻酔もいりません。穴の中を人肌に暖めた殺菌水でよく流します」
  その後に、釉薬を塗って、セメントを詰めるだけです」
患「本当にそれだけでいいんですか?」
根「はい。1年程度かけて、ゆっくり無菌化されると、再石灰化してきます。
  しばらくは仮のセメントの状態で様子を見ますが、落ち着いたら仕上げます」
患「そりゃ、楽そうでいいですね!でも」

   ↓↓↓↓↓↓↓

患「有効成分はどういう成分?」根「微量の銅イオンです。10円玉触れる人なら大丈夫」
患「なんで普通の治療をすすめないの?」根「それはDentinal F(ry で歯が汗をかいて(ry」
患「上物は保険でできないの?」根「混合診療になるのでまずいので、すみません」
患「おいくら位?」根「セメントが○円、釉薬のみで○円、最終的な詰め物は●円です」

*○円の部分は、講師の先生に直接おたずねして、そちらと同価格です。●は当院の自由診療価格です。
*(Wikipediaより)一日あたりおよそ1 mgの銅が食品から摂取および排出されるのに対して、
 体内では通常一日あたりおよそ5 mgの銅が肝臓から運び出されて腸で再吸収される腸肝
 循環によって循環しており、必要であれば胆汁を通じて過剰な銅を体外へと排出できる。(以上)
*(Wikipediaより)銅換算で体重1Kgあたり30mgに相当する量の銅塩は動物に対して毒性を示す
 ⇒体重60Kgの成人で銅換算で1.8g(銅塊として約6ミリ四方。根本註)

患「じゃぁ、それにするわ」

多くの方にご賛同いただくことができましたし、現在もいただいています


患者様は、ほんとうに、「削る」ということに、強いストレスを感じておいでなんだと、改めて実感させられました。

とても勉強になりました。

そして、スタッフの表情も和らいできました。

「スタッフをいかにこき使うかが店長の力量だ」
デフレ下だからか、いまだにこんなことを言っている経営者や困猿も少なくありませんが、
デフレ下の労働者はインフレ下に比べて非常に従順にならざるをえないことも考慮しても
人間関係のストレスの除去とモチベーションの喚起こそがスタッフの生産性向上につながる
と、とくに労働集約性の高い歯科においてはそうだと私は思います。

私のストレスも減ってきたようです。

痛風後は、かなり食事制限をしたこともあって、そのこともさらにストレス増長の原因に
なっていた部分もないではありません。
それが最近、それほど気にならなくなってきました。

体重もあれ以来数キロ減ってきたので、ついでに思い切ってダイエットでも始めようか
と思っています。

では、そのセメントの名前をご紹介します。
 (まぁ、同業者の方は、半数程度は名前くらいはご存じだとは思いますが)

 [1]G・V・Blackの法則
 [2]象牙質接着システムの発達
 [3]フローレジン(フロアブルレジン ハイフロー/ローフロー)
 [4]3Mix-MP法

 [5]ドックベストセメント~小峰歯科医院(埼玉県 小峰一雄先生)らが本邦導入

 米国で70年ほどの実績
 ”ナンゾウ(感染象牙質)”を残せる
 技術的に非常に簡単(アメリカンクオリティwww)。成功率が高い
 薬効が半永久的なので、長期的な再石灰化や歯髄復活が期待できる
 名称・呼称の権利関係の問題なし 

 ☆ 麻酔しない、削らないので、患者様が大変楽
 ☆ 窩洞形態が非常に単純化する
 ☆ 1回のチェアタイムが大幅に短縮

申し遅れました。
“汝の名”は、「ドックベストセメント(Doc’s Best Cement/Copalite Co.Ltd.)」です。

p.s.

[1]

このセメントは、むし歯治療の概念を根本から覆す、画期的なセメントではあります。
マクロ的な意味で、自然治癒力という概念を初めて歯科にもたらしたといってもよいでしょう。
確かに患者様の心理的負担も、物理的な歯質の喪失も劇的に減少することでしょう。

しかし、強く思います。
もっともいけないのは、これに甘んじてしまって

「じゃぁ、予防しなくてもコレで全部OKじゃん」
「コレを保険に入れて普及すれば万事解決」

や、ちょっと待ってください。

これはあくまで、不幸にもむし歯を「やらかして」しまったときのためのものであり、
ベストセメントと、治療しない天然歯だったら、そりゃ天然歯のほうが 断 然 よ い
に決まっています。

そこは誤解しないでください。
どこまでいっても、予防こそが歯科には一番大事です。

[2]

今回、私は一つだけ大きなウソをつきました。今から白状します。

もう一度「黒い日の丸」のキャプチャー画像をご覧ください。
…そう、「キャプチャー画像」の単語で、思いっきりバレましたねwwwwww

私はじつは、セミナーに出席していません。
小峰先生が録画取りされたDVDを購入したものです。
この講義は、実際のセミナーのライブではなく、DVD用に撮り下ろしされたものです。
不明な点はたくさんありましたので、すべてメールを通じてですが
回答していただきました。

大変失礼しました。

【今回のまとめ】

「ベストセメント」の大好評を通じて、削られる側のストレス、また改めて予防の重要性を学んだ。

p.s. (2012/09/14)

小峰先生のブログ「小峰一雄プライベートブログ」も、歯科や健康問題を中心に
非常に示唆に富む内容満載です。
2歩先3歩先を見据える視点の斬新な問題提起は、ぜひおススメです。

ところで、最近とみに、北東亞細亞情勢がきな臭くなってきましたたようです。
まさかここでこんな文章に出くわすとは、少しも思いませんでした。

◆ 韓国の子供達がかわいそ過ぎる!(2012/08/28)

http://blog.goo.ne.jp/kdlsrd/e/1f5533bb953a3bffaebf5486b6b8e059

◆ やはり真実を伝えたいものです!(同日)

http://blog.goo.ne.jp/kdlsrd/e/1894d64cf672446cdd0b0566166151ef

閲覧しましたところ、非常に 懐 か し い 動画が出てきました。

「韓国へは行けなくなった。」

しみじみとおっしゃる先生。嗚呼、ついぞ先生も心をお痛めになる時が・・・
お言葉ですが、この方面には、あまり深入りなされないことを切に祈っております。
思いのほか、李明博大統領の竹島上陸、天皇陛下謝罪要求の影響は広く深いものです。

「やはり真実を~」のリンクブログは「産経新聞を応援する会」であり
三橋貴明先生の講演会の案内や、安倍晋三元総理を応援する文章が
目白押しです。

「すわ、ここにもネトウヨが?!」
いえ、ちがいます。私は思います。

今のデフレ不況に対して、改革や自由化などのデフレ促進政策ではなくて
しっかりと「金融緩和」「公共事業」の「両輪」と謳っている総裁候補が
現在のところ、安倍氏しかいないのです。

「尖閣は無人なので中国は攻めてこない」とか
「福島第一サティアン」(■原■晃)とか
旧来メディアに踊る”大きすぎる釣り針”は困ります。

そして、医師とは、基本個人商売です。
エビデンスやデータ、論拠を重視する一方、寄らば大樹とか派閥とは真逆の、
正しい情報リテラシーや探究心がないと、務まりません。

10:48 | nemoto | 闘うべきか、闘わざるべきか3 ~「闘い」に終止符を!”汝の名”は? はコメントを受け付けていません

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