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2012/12/11

こんにちは。根本齒科室の根本です。

まずは、笹子トンネル崩落事故の犠牲者の方に、心よりお悔やみ申し上げます。
そして、よりによって私の誕生日にM7.3の地震が!
先日も、上越新幹線も停電でストップしたようです・・・

このようなことを今後繰り返してはならない、と思い、期日前投票(5日~)に早速出向き、
『国土強靭化&デフレ脱却』に1票を投じてきました。
(ちなみに、最高裁判事の国民審査開始は5日でなくて9日からなんですね。知らなんだorz)

今回なぜこのような惨事につながってしまったのか。

前回申し上げた「歯医者への『特攻』」について考えを整理していましたが、この事故を受けて、思うところがあり、まずはそれを「ポイント篇」として簡単にお話したいと思います。
具体的な部分は、つづきで次回に書きます。
(半分以上書き終わっているので、早めに投稿できると思います)

ご案内の通り、コンクリートのインフラの寿命は、一般的に50~60年。
道路や橋、トンネルなど、放っておくと、どんどん劣化=脆弱化します。
日本全国には、高度成長時期に作られた多くの道路・橋などのインフラがあり、それらがちょうど50~60年、第1回目の更新時期を迎えています。

笹子トンネルは27年目で(しかも震度0で!)壊れてしまいました。
専門家の間でもやはり、危ない危ない、と言われていたようです。

政権与党では「仕分けはしていない」と言っていますが、民主党政権以降、NEXCOの予算が大幅に減らされていることが判明しています。
しかし、本当に3.11の東日本大震災までは、なべて「ムダは削減だ」「公共事業は悪だ、バラマキだ」と言う意見がマスコミを中心に支配的でした。橋本(龍)六大改革~小泉構造改革時代から、族議員をたたいたり、道路特定財源を取り上げたりしたことを、私たちはさも戦果のようにとらえていました。いかがしょう。

3.11~大洪水~停電~トンネルetc。そのツケがこのような形で回ってきたんですね。

ひとたび大きく崩壊すれば、復旧にも手間がかかり、なにより人命に直結します。
コンクリートもメンテナンスは『予防原則』で適切に行う必要があるのでしょう。
そのほうが、結果として安く上がります。

その他、日本の場合(国土と日本人/大石久和 中公新書 による)は、

◇ 地震が非常に多い(M6以上の地震の20%が日本)
◇ 火山が非常に多い(温泉が非常に多い、ともいえます)
◇ 地層構造が非常に複雑
◇ 台風・降水量が多い
◇ 川の流れが急で、氾濫が多い(欧米の川は水位が変化しない)
◇ 日本海側、北海道東北は積雪が非常に多い

など、欧米に比べて国土の条件が大変悪く、インフラのコストがかかる土地柄です。


だから単純に欧米と比較できないのですが、この点を下敷きにせず「公共事業は悪だ」「バラマキ」「土建国家の古い政治」「角栄」「既得権益」と、不勉強な報道を鵜呑みにして安易に溜飲を下げる向きが後を絶たず、自然災害が起こるたびに、いつも気になります。

<「治療」→「予防」を結ぶ「強靭化」>

このような厳しい条件の国土にもめげず、首都直下型とか南海トラフなどの地震・津波対策や補修・張替え以外にも、一極集中を是正するための、

◇ 第二国土軸の整備(リニア新幹線、日本海側・中四国新幹線、高速道路網)
◇ 産業・投資の地方分『散』

が強靭化の観点から大切だと、指摘されています。
(ここでは、財政効果によるデフレ脱却面には触れないでおきます)

「剛」だけでは強くない。
そのために分散型ネットワークで「すみずみ」まで手が回るようにしたり、冗長性を確保したりすることで「丈夫」になる。
京都大学の藤井聡先生は、「柳のしなやかさ」「柔よく剛を制す」に例えました。
皆様も「CRC 巡回冗長検査エラー」という嫌な単語を思い出せば、ピンと皮膚感覚で腑に落ちるのではないでしょうか。

(かなり牽強付会に聞こえる物言いですが)たとえば歯ブラシで、前歯の表面ばかりみがいていて、キレイになったつもりになっていたり、穴が開いたら補修すればいい、などの、治療という「外圧」だのみの姿勢だったりするのが、従来型の考え方なのでしょう。
この状態では歯は「脆弱」な状態ですが、他力本願の悲観論であり「治療」中心主義の世界観といえます。

いっぽう、当たりにくい下の奥歯の内側、上の奥歯の外側なども含めてしっかりすみずみまで道具が当たっている、歯の衛生がプロの管理下にある、生活習慣や食習慣にも気を配る、というのが、口としては「強靭(というか安定)」な状態、すなわち「予防」中心主義の世界観と言えるでしょう。

この二者を結び、「脆弱」→「強靭(安定)」の矢印に当たる部分こそが、「強靭化(読んで字のごとくですが)」なのでしょう。

お口の場合に、強靭な状態というのは、疾患が進行せず安定して機能する状態と言っていいと思います。

< 強靭なお口を手に入れる >

お口を覗き込まれて「あ~、むし歯があるから治療しますね~」と言われる。
おもむろにガンガン削られる。時には神経を取られる。そして銀歯を詰められる。

こうすると、治療前よりも感受性が上がり、逆に歯は脆弱化してしまいます。
次は、もっとむし歯になりやすくなってしまうのです。

確かに、最終的には、欠損部位や疾患部位は処置しなければいけません。
そこでは、ときに削ったり、神経を取ったり、充填したりもあるでしょう。

ただ、私たちが本当に得るべき果実は、「強靭(安定)化」でしたね。端的に言うと、患者様と医院側の二人三脚で、むし歯や歯周病に「なりにくく」する、ということです。

よく「治療」と「予防」が対比されます。ですが、考えてみると、治療と予防は、方向性も状態もまったくことなる別のカテゴリーです。
「治療」の状態から「予防」の状態に一足飛びに移動するのは、なかなか困難です。

◇ あまり痛くないときに電話する

ですから、基本路線としては、「あまり痛くない」すなわち、そんなに悪いと感じないレベルの段階で、歯科医院とコンタクトを取るのが大前提です。
せめて「若干しみる」程度の段階で電話したいものです。

なぜなら、歯科医院で “第一に” 得たい果実は、治療ではなく、「強靭(安定)化」だからです。
「穴」レベルでの初診だと、「ヤリましょう」といわれてしまう可能性が高いからです。
もちろんそのときは「今日は心の準備ができていないので、後日で」とことわるべきですが、まとめると

「治療(中心主義)」→「強靭(安定)化」→「予防(中心主義)」

こんな感じです。
この橋渡しを手助けしてくれる医院こそが、あなたにとって利用価値の高い医院です。

◇ ホームページの確認(参考)

ホームページは出しているところと出していないところがあります。立派なものを出していても、看板に偽りありなことも少なくありません。
ただ、各歯科医院のホームページの比較は、慣れていないと分かりにくいものです。
また、そもそも歯科に限らず「ホームページの比較」自体、普段あまりしませんね。

そんな方は、まず歯科医院はさておき、別の業種で練習しましょう。

<番外篇>

私からのオススメ練習は、何といっても「温泉旅館」のホームページです。
便利なページとして「貸切温泉どっとこむ」「じゃらん」「Googleマップ」の併用がオススメです。

まずはいくつかのシチュエーションを考えます。

 ときどき一緒に旅行する3~4名の同性の友人
 久しぶりに家族で水入らずの旅行(全員成人と想定)
 彼氏・彼女や夫婦で、思い出作り
 不倫や、ナイショの関係で、刺激作り
 etc・・・

あたりの想定が無難かと思います。想定なのであまりに複雑でなくて結構です。
つぎに、いろいろな条件を考えます。

泉質
源泉掛け流し・循環
 ~健康目的ならば気になります。にごり湯なら露天も恥ずかしくありません。
客室露天か、最低でも内湯の有無
~汗っかきの人、大浴場が苦手な人は、気になります。
~客室露天が展望か庭園か半露天かは、好みですね
雰囲気(和風or和モダンor洋風)
 ~ベッドか布団か、最近はコテージ風の温泉宿もありますね。洋風は安めです。
  ベッドなら、ツインなら気の置けない友人、キングサイズならとっておきの人?!
  食事の部屋出しは、やや割高のことが多いようです。
  むしろ、食事外出し&仲居に勝手に布団を畳まれない形式も、案外アリです。
貸切露天(有料無料、時間制限)
 ~貸切風呂は思い出に残ります。できれば浴槽が大きく、岩露天ガー ←個人的好み
離れ、別邸
 遅くまで大きな声を出しても大丈夫な状況かどうか、の判断はとても大事です。
旅館規模(客室数)の大小
 こじんまりした空間、落ち着く空間というのもぜいたくのひとつです。
 宴会を考えるのであれば逆で、ある程度の規模があるほうが安心です。
周辺観光
 ケースバイケースなので、何とも言えません。
 旅館周辺の風呂めぐりも、楽しみのひとつです(混浴マニアとかいますよね)。
などなど・・・

日本は火山が多く地層が複雑なので、わりと満遍なく温泉があります。
そのなかでもとりわけ温泉宿が多いのは

 北海道、福島、栃木、群馬、長野、静岡(伊豆箱根)、兵庫、大分

あたりでしょうか。
母集団が多いほうが、目的に沿った温泉宿を見つけるのも簡単です。

いい旅館があったら
 じゃらん「基本情報」で規模その他を確認する
 住所をGoogleマップに入れて航空写真、可能ならストリートビューを確認
も必須です。

「公式」ホームページでは得られない情報もたくさんあります。総客室数とか、バストイレ、風呂の貸切条件など、むしろじゃらん「基本情報」「フォトギャラリー」のほうがまとまっています。
内湯原理主義
(どんなに良い貸切露天があってもアウトバスはパス、の意)である根本にとっては、きわめて大事なステップです。

また、いかにもひなびた里山の離れ宿にみえても、Googleマップから見ると、すぐ近くに工場や団地があったりして「???」なこともあります。
「公式」で美しい玄関に見えたものが、Googleストリートビューで見ると、がさつで汚らしいものだったりすることも多々あります。
夢を膨らますばかりでなく、同時平行的な確認・注意も必要です。

遊びに行くのも、イオンモールばかりにいくのではなく(都会の人は別です)、たまには「温泉」「京都」などなどにも足を運び、和を堪能したいものです。

<番外篇おしまい>

温泉の検索・比較で慣れれば、歯科医院のほうは、もっと簡単でしょう。

以下は、次回に続きます。

【今回のまとめ】

歯科医院でもっとも得たい果実は、治療よりも、お口の「強靭(安定)化」のノウハウである

 

おまけ

龍ヶ崎市佐貫・馴柴界隈の皆様に朗報です。
ココでも書きましたが、ついに「ウェルシア」で、T字型(Y字型)フロスが発売されました!

奥歯に非常に便利です!佐貫・馴柴の皆様はぜひダッシュ!!
(ついでに、根本歯科が「いいね!」してたと、店員さんにつぶやいていただけると・・・)

2012/12/11 07:34 | nemoto | No Comments