節分の頃は一年で一番寒いのですが、今年は穏やかな気候で助かっています。
難病の治療で入院されていますハウスの利用者さんに、どうか福が来ますように。。。
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人口減少に関わる医療からみた問題について2回目です。
このままでは、「超高齢化」が進み、財政的赤字ものしかかり、
社会保障制度は崩壊してしまうのは目に見えています。
だけど、指を咥えてボーっとして時を過ごすわけにはいきません。
この問題に関して、(ここ1年くらいで)私が感じたことをお話しさせて頂きます。
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ソフトバンク社の孫正義社長の講演が面白い。
民主党「情報通信議員連盟」総会
(孫正義 講演「わが国の情報通信戦略について)
http://www.ustream.tv/recorded/10757386?lang=ja_JP
相手が与党議員なので孫社長、かなり力が入っています。
彼はここで、将来、日本はGDP8位まで落ちると予測。(現3位)
その憂いを、払拭するには、(成長産業である)IT立国を、
基本に置いた長期ビジョンが大切だと力説。
現状では、GDP1%成長しか見込まれないという。
だが、3%にすればGDP4位になり、国民ひとりあたりでみると、
先進国の中では1位になるので、これを目標にしたらどうか?と問いかける。
そこで、3%にするためにはITしかない。とのこと。
少しGDPの話に逸れちゃいました。(GDPの順位は私はどうでもいいです)
ITの充実は、人口の減少に悩む国民にとっては朗報です。
特に医療面では、緊急時の対応も含め患者さんのカルテの共有 ができます。
すぐに治療に入れますね。それに、今までなら同じ医療行為(初診時は特に)を繰り返す必要があり、
費用がかさみましたが、その費用負担がなくなります。なぜならばITの充実でカルテが共有できるからです。
ITの充実と、医療業界の前向きな取り組みとが合わされば、そういうことも十分可能です。
一方、人口減少は医師・看護師の不足を招きますので、その確保と育成には、国家的な取り組みが必要です。
そのためには、やはりお金が必要になります。でも、労働者人口は減少している。。。
ここで、私は、「21世紀の歴史―未来の人類から見た世界」の著者である、
ジャックアタリ氏(http://bit.ly/aajoBg)の意見を紹介したいと思います。
彼は、日本は1千万人の移民を受け入れなければ、(日本は)今の国力を維持するのは
無理だろうと予測しています。私もこの意見に賛同しています。
幕末に開国し、先進国に追いつけ追い越せで、様々な国のシステムを改革した人々の
精神をもう一度取り戻すくらいの気合が必要なのかもしれません。
移民を受け入れるということはそういうことになります。
何せ、国民の10人に1人は移民(異国)の人々になるんですから。
今の日本の地方都市でも、日系ブラジル人の方、中国の方など等、
そういう方たちの街ができる規模になっていますが、
それが日本全土に広がるわけです。
—–
私がここで国に提案したいことは2点です。
1)ITなどハード面やシステムの変更により、人口減少であっても、その欠点を補える面があるので、取り組んで欲しい。
2)移民を受け入れるための法整備を進めて欲しい。
それにともない、一般の市民には、2回目の開国をするつもりで、
移民の人々ともに暮らしやすい日本を築く為の覚悟をする時期に来ていると
私は、呼びかけたいと思います。
日本には在日の朝鮮、韓国、中国の人々への偏見や差別意識がある方が、
今もたくさんいますが、そんなことをしている場合ではなくなっています。
—–
今の日本は、財政的には破綻状態です。
そうなると、社会福祉が必ず低下し、
モラルも比例して低下してゆきます。
日本が荒れて修復不可能な国になる前に、
手を打たねばなりません。
でも、ピンチはチャンスというではありませんか。
今までに無かった取り組みを始める良い機会です。
100年後の日本に住む人々から、「良い選択をした!」と
言われるような、取り組みを私達は始める時期に来ています。
もう滅茶苦茶ベタなネーミングにドン引きですが、
いま、日本でもっとも人気のある人は「伊達直人」です。
彼は、プロレスラーの「タイガーマスク」として活躍し、そのお金で、
孤児院ちびっこハウスの子ども達に善意の手を差し伸べるわけです。
中年以上の方なら、説明が不要なくらい有名なこのアニメの精神が今、巷を騒がせています。
なんと、1月17日には金塊と思われる(約100万円)ものまで届いたそうです。
mixiのコミュでは、11年1月8日に開設したばかりなのに、すでに6千人近くが参加しています。
なぜ、こんなに ウケているのでしょうか。
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ランドセルやおもちゃ、文具にお金など様々な支援が届いています。
まさに、運動と呼んで良いほどの広がりをみせています。
受けとる側にすると、急な広がりに戸惑いもあるのでしょうか、
(ある施設の方には)近くに適当な募金先がない場合は、赤い羽根募金などがあるので、
そちらを利用する様に、異例のお願いをするところまで現れました。
私も平素から善意の寄付があればこそ成り立っていますので、
この運動は大歓迎ですが、ここで冷静になって観察してみたいことがあります。
—–
赤い羽根募金や国際支援のユニセフなどの大きな組織になると、
一人一人の善意が結局何にどう使われたのか、実感することはとても難しい。
でも、今回の様に一つ一つは小さな支援ではありますが、(マスコミが取り上げ影響もあるが)
支援を受けた側の喜ぶ姿が映し出されると、全国の「伊達直人」さんは、
自分の支援が、役に立っていると、実感することができます。
その「実感」は「快感」であり、また、その快感を得る為に、様々な支援を。。。。
この「実感」を得る事ができるのが、今回の「タイガーマスク運動」ではないでしょうか。
赤い羽根、ユニセフへの寄付では味わえない快感が、そこにあるのです。
—–
ところで、私は、その善意は、昔から皆が持っていて、その善意はきっと当たり前にあったんだと思うのです。
ただ、何かの弾みでピョンと表に出てきただけなのではないかと思っています。
どこかの人がなんとなく始めた「タイガーマスク運動」は、
埋蔵されていた善意財を発掘することに成功した。
そういうことではないかと思います。
単なる一時の騒ぎに終わらず、毎年恒例に、いや、通年がいいかな(笑)、
フツーの人の、当たり前の支援としてこの運動が続くことを願ってやみません。
世知辛い世の中に素敵なお話です。
「伊達直人」さん、寒い日が続きますがお体をご自愛ください。
そして、運動に頑張ってください。
私も、頑張りますね!
—–
前回からの引き続きの記事は次回アップします。
今回は、時節ネタということで(笑)
こんばんは。
寒い寒い京都です。
だけど、そんなことを言ってると、
「寒いといっても、マイナス2,3度でしょ?大したことない」と言う声が聞こえてきそうです。
私には、冬季はマイナス20度くらいになるカナダで暮らしている従妹がいます。
彼女が、京都に来てカナダより寒いと言っていたのを思い出します。
その原因は、京都の家の造りが猛暑をしのぐためのものであって、
冬用には造っていないからでしょうね。
ああ、早く春にならんかな。。。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
12月6日、日本経団連は『サンライズ・レポート』と題された文書を発表した。
読んだ感想として、人口の減少が続く日本で、企業がどうやって生き延びてゆくのかと言うことを、
まとめあげたものと言えると思います。
ただ、そのレポートの中身を詳しく話すコーナーにするつもりは無くって、
人口減少が医療の世界に与える影響を考えてみたいと思います。
2回にわけて記事をアップする予定です。
—–
人口問題を専門とする土居英二・静岡大学名誉教授が作成した、
2050年までの各都道府県の人口予測を見てみると面白い。
(許可を得ていないので掲載できないのが残念)
20年後の2030年も、相変わらず人口は減少し続けます。
東京都、神奈川県、沖縄県の3つは例外的に2000年より人口は増えますが、
他の道府県で人口の減少が見られる。
ただ、びっくりする程の減少の地域はない。
これが、2050年になると(2000年から見て)大幅な人口の減少となる。
たとえば、私の実家の和歌山県では、107万人から50万人に現象する。(半分以下!!)
今住んでいる京都府でも、263万人から191万人に減少。
2000年から人口が増えていると思われるのは、東京都と沖縄だけです。
あとは、2000年の9割から6割あたりまで減少しています。
それに、(これは世界的な傾向でもあるんですが)都市部はまだ健闘していますが、
先にあげた和歌山県の様な、今でも過疎地域を多くかかえる地域は、
わずか50年で半分程度の人口になってしまう見込みです。
——
「人口が減ると何か問題でも?」とおっしゃる方は、ある意味幸せです。
今の社会保障は、すべて一定の労働者数が存在することが絶対的条件です。
少子高齢化の今は、このバランスが崩れてきています。(高齢者が多くて、逆三角形)
労働者減少は、食料、年金、医療、福祉、教育、治安の予算を直撃していきます。
以前は国家予算の半分は公共事業でした。
もちろん公共事業は大切な基幹産業ですが、命に直結する問題となると
食料、年金、医療、福祉、教育、治安>公共事業となるでしょう。
労働者減は、税収の減少をまねき、命が危険にさらされるということになります。
—–
話は、医療の現場にしぼりますと、
医師の不足からはじめり、看護師なども(今でも不足しているのに)同様です。
人手不足から、救急車を呼んでもなかなか到着しないかもしれません。
(そもそも、過疎地域には救急車が来ない可能性もあります)
ドクターヘリなど医療の技術やその周辺の装備は進歩はするでしょうが、
所詮、人間が操作することが前提(医療現場のロボット化が難しいから)ですから、
肝心の人間が居ないのでは、宝の持ち腐れになりかねませんね。
年金は減り、一方、医療費の自己負担は増えるでしょうから、
「お金の切れ目は命の切れ目」と言う事で、
モラルの低下や、自死の確率が高くなります。
高齢者で構成されたギャング組織ができるかもしれません。
私がサラリーマンだとして、現在、44歳の私はあと16年でいわゆる定年を迎えます。
そこから、平均寿命まで生きたとして約20年(すなわち80歳で死ぬとして)は、大した収入はないのに、
医療費や、社会保障の後退による支出増加で、過酷な20年間を過ごすことになります。
—–
「この年末に暗い話をするな!」と、ヤジが飛んできそうですね。
そう、私も明るい話で一年を締めくくりたかった。
だけど皆さん、少子高齢化の先にある世の中って、こういうことなんですよ。
30数兆円しかない税収にたいして、90兆円を超える予算を組み、
月まで届く一万円札の橋ができるだけの借金を抱え、
少子高齢化の日本は、まさに、破綻寸前の徳川幕府です。
変わらないといけない時期に来ています。
「忘年会」でイヤなことを忘れるのもいいでしょうが、
できれば、「望年会」として希望が持てる良い新年を迎えたいですね。
その為にも、皆さんが60歳を超えてからの日本や、あなた自身の生活を
考えて欲しいなと思います。もちろん、私も考えて行きます。
—–
さて、この続きは次回へ。
年内、あと1回記事をアップする予定ですが、
簡単なご挨拶で終わります。
1年と半年続けてまいりましたが、最近、そもそも何で医療や、福祉やボランティアのことばかり書いているのか?と、尋ねられるようになりました。
実際にあった質問です。
「何でもっと普段(プライベートのブログ)の様に京都観光ネタとかないの?」
「サポートハウスってなんのこと?」
「政治や社会問題、医療の話ばかりではなく、趣味や家族の話は?」
・・・等等
きっと、初めて私の記事を読んだ人は、上記の様な質問以上に、
「言うてはることは判るねんけど、浜本って結局誰で、何をしてはる人?」となるでしょうから、
そもそも、このコラムの総合的な案内が常時いつでも確認できるようにしておきたいと思い、
この記事をアップしました。中身の改廃もできるだけ行い、より良く「善意の輪をつくる」 を
ご理解いただければと思います。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
ここでもう一度、私がjunkstageで、書きたいこと、(主催者から)期待されている中身について整理をしておきます。私がjunkstageでのカテゴリーは、「地域・社会」です。
このカテゴリーに添う内容でかつ、サポートハウス運営者としての感じることを発信しています。
よって、他のライターも同様に、担当の様な分野があってそれに合致する内容の記事をアップしています。
ここが、自由に何でもかけるブログや日記とは大きく違う点です。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
私の、自己紹介はこちらの記事です。
http://www.junkstage.com/hamamoto/wp-trackback.php?p=3
私が運営している京都サポートハウスの設立趣旨です。
http://blogs.yahoo.co.jp/ryhnk143/51050489.html
サポートハウスとは何か?
地元で治療ができない病気の患者さんが、京都大学病院や京都府立医大病院に治療のため来られた際に、患者さんや、付き添いのご家族が安心して利用できる病院近くの滞在施設のことです。ファミリールームや、ペアレンツハウスなどとも呼ばれいます。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
私のコラムの説明をさせていただきます。
junkstageでは、どんなことを書いているのか?
(順番には意味はありません)
① 社会的問題とは何か?
② 難病患者さんの事
③ 患者さんの付添いさんの事
④ サポートハウスの事
⑤ ボランティアの世界の事
⑥ 社会全般からみた、医療現場(技術や労働)の事
⑦ 生きるとは、死ぬとはどういうことなのか
大体こんな感じになると思います。コラムタイトルの、
「善意の輪をつくる」のイメージは、次の様な感じです。
輪と言うと完全な円形をイメージされるかもしれませんが、
形にはこだわりはありません。
輪ですから、切れていない、繋がっているということです。
出発したところに戻ってくると言うことでもあります。
ですから回りくどい言い方をするとこうなります。
「善意の力をもとに、難病患者さんやそのご家族を支えたい。
そして、その善意が色々な人の手を経て最終的には自分に戻ってくる」となります。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
私がjunkstageでどうしても訴えたいこことは次の通りです。
難病を抱え苦しんでいる方がたくさんいること。
また、その患者さんやそのご家族には、十分な支援がなされていないこと。
実際にその問題を解決する手立ては、国や行政だけではなく、
私たちにもたくさんあること。そして、それは、私たちの意識を変えるだけで、
少なくとも解決のスタートラインには立てると言うことです。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
2週間に1回のペースで更新しています。
細々とですが、長く続けて行ければと思っています。
今後ともどうか宜しくお願い致します。
今朝は、この冬一番の寒さのようです。
確かに寒かった。風邪ひかないようにしなきゃね。
だって、風邪はハウスの関わる人間には天敵ですから。
利用者さんに感染してしまうと大変ですからね。
——
皆さんの周りで、子どもが欲しいのに授からないと言う夫婦(またはカップル)は居ませんか?
ある調査では、(法律上認められた夫婦で)約2割、不妊症(や不育症)で悩んでいるそうです。
不妊症の治療の辛さは、ごく自然に妊娠、出産を終えた方には、
なかなか実感できない症状のひとつではないでしょうか。私たち夫婦も、
生まれた子が難病だったりで何かと大変ではありましたが、
こと不妊症や不育症に限ってはそういう苦労を味わうことはありませんでした。
先日、新しい移植法のもとで行われた手術で、移植を受けた利用者さんが、
無事にリハビリを終え、家族が待つご自宅にお帰りになられました。
びっくりする位の回復スピードに、「移植ってすごいなあ」とシミジミ感じた次第です。
移植の基本理念は、「(臓器が原因で)命に関わる症状の方に、健康な臓器を」
言うことになると思います。だから、子宮の移植はその理念から外れてしまうと言うのが理由でしょうか。
子宮の移植って、聞きませんね。ちょっと調べてみました。
動物実験は行われているようで、人体での移植でも何例か行われているようです。
だけど出産には及んでいませんし、まだ技術的な問題が完全に解決されているわけではありませんが、
そこをクリアすれば、移植の回数が増え、医療的な問題は解決されるでしょう。
将来的には男性に子宮を移植すれば、出産もできるかもしれません。
—–
わざわざ移植しなくても、子宮は無くても生きていけるし、実の子が居なくても問題は無い。
ただ、子どもが欲しいと言う夫婦にとっては、不妊症はとても深刻な問題です。
不妊症治療の苦しさや、子どもなしで組む夫婦の人生設計は
なかなか難しいものがあります(特に老後や病気の時)。もちろん、子どもが居れば総ての
問題が解決すると言うことではないし、子どもが居るばかりに、
破綻する夫婦もあるでしょうが。
ところで、国家的な視点から言うと、子どもが少ないと言うことは、「その国に未来が無い」
という事と同じです。リタイアされた方と、現役世代、子ども達のバランスが良くないといけません。
中国のような一人っ子政策は、人口の増加を抑制する面では効果があるでしょうが、
少子高齢化は、国家にとっては歓迎できるものではありません。
そこで、私は体外受精や従来からある不妊治療に加えて、子宮の移植を皆で、
議論してはどうかと考えています。
医療の技術的な問題がクリアされたならば、最終的な手段のひとつとして、
移植が選択できる様にしておきけば、(少しずつでしょうが)子どもが欲しいのに、
授からないと言う問題からは開放される方向に向かうでしょうし、少子高齢化の
対策にも役立つのではないかと思います。
—–
昔、いわゆる生活相談の担当者をしていました。
相談内容で多いのがお金(借金)なんですが、子どもが居ない老夫婦の問い合わせも、
多かったことを覚えています。もちろん、子どもが居れば(何でもかんでも)良いと言うことではないのですが、
老夫婦の話を伺うと、「それは普通は家族(子ども)が対応することだなあ」と感じる事が、
たくさんありました。また、子が居ないばかりに離婚がし易いと考えるのか、あっさり別れる夫婦に、
「子どもが居ればまた違った夫婦生活もあっただろうに」と思いました。
「子は宝」とか、「子は鎹」なんて良く言いますけど、
子どもが欲しいのに授からない夫婦には耳の痛い諺です。
私は、同性愛者のカップルであっても子を授かり育てて行って欲しいと考える人間です。
ぜひ、移植も含めてもっとオープンに議論して欲しいですね。
「社会全体で 子育てする」と言う理念をもっともっと活かして欲しい思います。
国家の行く末を考えれば、子どもが欲しい夫婦には確実に子が授かると言う状態が先ずもって大切です。
京都サポートハウスでは、またまた事務所の移転が決まり、
物件の契約や引越し作業に追われています。
この季節の京都は紅葉狩りのお客さんでいっぱいなんですけど、
その名所のすぐ傍に事務所を移転させます。
だから、今年は紅葉を満喫できそうです。
だけど、紅葉の木々から差し込む日差しが弱くなって、小雨なんかがちらつくようになると、
冬の訪れです。南国育ちの私には少し寂しくなる季節です。
だけど、嬉しいことが先日ありました。
京都よりもっと寒いところから、心が温まる図書カードの寄付がありました。
クリスマスシーズンに病院に居る子どもたちに絵本のプレゼントができそうです。
ありがとう。
—–
そう、図書カード1枚でも、幸せを感じます。
病気で入院していると、もっともっと当たり前のことで幸せを感じますよ。
たとえば、今日は天気がいいとか、病院食に出てきていた豆をお箸でつまめるようになったとか。
その程度のことで、涙が出てきたり。。。
医療の専門的な視点で、「医療上におけるクオリティ・オブ・ライフ」が色々な視点から議論されています。
これは、患者さんが(その方が望む)人間らしい生活を送れているのか?という視点から、
その患者さんに提供されている医療の中身を考えるべきだと言う考え方が広まってきているからです。
もっと簡単に言うと、「(内面の)幸せな患者生活がおくれているのか?」ということになる。
幸せの尺度は人それぞれなんですが、困難な状況にあればあるほど、ちょっとしたことで嬉しいものです。
私は、今の医療では完治しない病気を2つもっています。
だから、ちょっとしたことで滅茶苦茶幸せを感じます。
中でも、子どもの笑顔は最高ですね。他所の子どもでもいいんです。子ども達の幸せそうな笑顔に心が癒されます。
「幸せ」って、本当はそんなものなのかも知れません。
—–
先に述べたように、医療の世界でも、「クオリティ・オブ・ライフ・QOL(生活の質)」を、
大切にするべきだと言う考えが広まってきています。
従来は、患者さんの内面より、身体的な問題を解決するべきだと言う考えが行き過ぎて、
患者さんの内面まで心配りが不足していました。
びっくりする様な話ですが、「身体の病気は治ったが、患者の心は死んだ」なんてこともありました。
どうすれば、その問題を解決できるのか?なんですが、まだ手探りですが、 インフォームドコンセントや、
公的支援(例:医療費補助や年金等々)が少しずつ良くなってきていますから、昔に比べて、
良くなってきていると実感しています。
私が実際に目にしているところでは、京都大学病院では、過去の医療事故などの経験も踏まえ、
インフォームドコンセンが充実していると実感します。
また、患者さんが医療を選択できるように丁寧な説明と、患者さんが出した答えを尊重する姿勢は、
教授クラスの医師にもみられ、息子が入院していた17年前とは大違いです。
当時は、「天下の京大病院の言うことに異論を申し出るなんて、、、」と言う雰囲気がありましたからね。
こうやって、少しずつ患者さんの QQLを向上させてゆくしかありませんね。
多分、QQLを向上させるための手段や理論は色々あるんでしょうね。
でも、最後は、患者さんへの「愛」なんだと思います。
心が痩せ来ている今の時代に「愛」を叫ぶことには残念ながら勇気が必要です。
だけど、人間最後は、愛なんだと思います。
—–
ところで、みなさんは今幸せですか?
「幸せ」と言う言葉の定義付けはちょっとおいといて、
国民の幸せをはかった国があります。
それは、ブータン王国です。
国民総幸福量(GNH)と呼ばれています。
当たり前の話ですが、 物質的な豊かさではなく、
精神的な面を重視したものです。
数年前の調査で、9割の国民が幸せだと答えたそうです。
ブータンの平均寿命は、男女とも60歳代です。
日本のそれと比べると、20年近く短いわけですから、
「医学上のQQLが低い」と考えることができるかもしれませんが、
国民の9割が幸せだと感じていると言う事実は、見逃せません。
脳が幸せを感じると、身体的な抵抗力がアップすることは医学的に証明されています。
まさに、「笑う門には福来る」ですね。
何をもってして幸福なのかは人それぞれですが、
小さなことでも幸せを感じることができる人は、どうやら、素敵な人生を送れそうです。
タイトル、めちゃくちゃ立派なんですが、そう難しい話をするつもりはありません。
若い夫婦が子どもの難病と言う困難に直面したとき、
その困難を乗り越えるの必要なのは「母親の子どもへの愛情」だと私は考えています。
自身の付き添いの経験や、ハウスの運営を始めた7年前から現在に至る中で感じたことをお話できればと思います。
(注:京都サポートハウスの利用者さんのことだけを話題にしているのではありません)
お子さんが入院した場合、その付き添いには大抵お母さんが来られます。
お父さんは、お仕事の関係もあり週に1日か2日が精一杯のようです。
広島県知事が「育児休暇」の取得をすると言うニュースが話題になっていますが、
一般企業では、「育児休暇」の取得を含め、子どもが難病だからと言って何らかの支援が
受けられることは極めて稀です。闘病生活にはどうしてもたくさんのお金が必要です。
だから(母親の様に)看病はできないけど、お父さんが仕事をして経済面で家族を支えるのは
当然のことでしょうね。 父親と母親がその役割をきちんとこなせば、闘病生活にも張りが出てきます。
——
ところで、父親と母親がきちんと役割をこなすって当たり前で、普通の事なんですが、実は簡単なことではありません。
患者さんが小学生以下となると、親は若く未熟な場合があります。
よって、その精神的な未熟さゆえに「子どもの病気」という現実に上手く対応できない夫婦も出てきます。
経済的な問題はある意味なんとでもなるんですが、精神的な未熟さは、急にどうこうなるものではありません。
私の経験から申し上げても、こういう状況には父親は弱いようです。
もちろん、子どもが病気(や障がい)を抱えていても、ど~~んと構えることができる立派な父親はいますが、
母親の最後の最後まで子どものことを思い、 必死になってくらいつくその執念は父親のそれよりはるかに強い。
たくさんの病気のご家族を見てきて感じるのは、母親がタフな家族は、
たとえ遠回りしていても幸せのゴールに到達する確率が高いように思います。
—–
母親の子どもへの愛情がどこから来ているのか、私が正確に語ることは無理ですが、
父親から見て感じるのは、「出産」をしているという事実です。
リスクを犯してでも、出産すると言う事実が、子どもへの愛情の支えになっているのは
間違いないと思います。ですから、もし、まったくリスクがなく、ましてや自分が産まなくてすむ時代が来た場合、
母親が普通に持っているはずの子どもへの愛情を確保することが困難な時代が来るのではないかと危惧しています。
子どもへの虐待がニュースに頻繁に取り上げられています。
3日1人は、子どもが親に殺されている現実があります。
虐待の原因は色々あるのですが、私は、我が子に強い愛情を感じない親が増えて来ている事が原因のひとつだと考えています。
——
17年前、私の子どもが難病治療のため入院し、長期間付き添いをしていましたが、
その間の辛い経験は、後にも先にもありません。
たまたま、職場の経営者や同僚、組合の支援を受けられ看病に専念できましたが、
こんなことは極めて稀であります。お蔭様で父親としての最低限のことはできたと思っていますが、
もし、無援の職場だったなら、どうなっていた事でしょう。そして、妻が母親としての役割をきちんとこなせる人間でなかったとき、
私たち一家は、「家族」として存在することができたでしょうか。
子どもは不幸にして天国に召されましたが、夫婦が固い絆で結ばれ、幸せに暮らせていることを思えば、
無駄な経験ではなかったと思います。
でも、あの時は真っ暗闇を細い綱に寄り添いながら渡る様な毎日でした。
もし、どちらかが足を踏み外していたら、2人とも奈落の底に落ちていたことでしょう。
そう、たまたま上手く渡れただけなんです。
きっと、妻の子を思う強さが、弱い私の心を最後まで支えてくれたんだと思います。
夫婦には役割が色々とありますから、時に父親が母親の役割をせねばならないときもありますが、
子を思う母の強さだけは真似ができないですね。
ノーベル賞委員会は10月4日、ノーベル医学生理学賞を体外受精技術を開発したロバート・エドワーズ氏に贈ると発表した。
1978年に英国で世界初の体外受精児を誕生させた功績が認められた。(CNN)
同委員会は、体外受精の開発における同氏の貢献を「現代医学の発展の一里塚である」と評価。同氏の功績を受け、
これまでに約400万人の体外受精児が誕生したとし、現在、体外受精は世界の約10%のカップルに影響を与えていると述べた。
—–
このニュースを見て、78年の当時、私は、体外受精を「試験管ベービー」と呼んでいたことを思い出しました。
今、この言葉を使うと(聞くと)随分違和感を覚えますね。「体外受精」と言う言葉は、
21万人を超える子どもがその技術を使って生まれている日本では定着していると思う。
統計では、10組に1組程度の割合で、子どもが欲しくても、授かることができないとようです。
そういうカップルには、体外受精は最後の希望と言えます。
—–
体外受精で生まれる命もあれば、 守ってくれるはずの親に命を奪われる子どももいます。
日本では、3日に1人の割合で、親が子の命を奪っています。
(その原因や、「赤ちゃんポスト」については、またいつか書いてみたいと思っています)
一方、日本でも、年齢に関わらず移植を受けられるようになり、
臓器移植法の改正により、件数も増加しています。
私どものハウスの利用者さんの中にも、移植の方が増えてまいりました。
移植後の経過の良い方は、あっと言う間に退院されます。
今のところ、国内での小学生以下の子どもの移植手術の話は聞きませんが、
そのうちに、珍しい治療法ではなくなるかもしれません。
今までなら助からなかった命が、助かる場合もあれば、守ってくれる親に命を奪われる健康な子もいます。
命ってなんだろう。
—–
相変わらず、戦争は各地で起こっていて、そこでは子どもの死が当たり前の日常として存在しています。
戦闘行為で死ぬ子もいれば、誤爆などで死ぬ子もいるでしょうし、戦争がもたらす、飢えや貧困が原因で、
命を奪われる子もいるでしょう。
昨日の、NHKスペシャル「貧者の武器とロボット兵器」では、アメリカ軍のハイテク兵器が、アフガニスタンのテロ集団と
思われる人々を攻撃している姿が映し出されていました。きっと、子どももたくさん巻き添えになっているでしょうね。
少し前の数字ですが、イラク戦争では、03年からわずか3年間で65万人のイラク人が亡くなっています。
その中に、子どもの命もたくさん含まれているでしょう。
悲しく、重い数字です。
—–
臓器移植が始まって、移植を受けた患者さんとお話をさせて頂く中で、
「命ってなんだろう」と強く考えるようになりました。
本来なら生まれて来なかったと思われる命。
本来なら助からなかったと思われる命。
一方、本来ならまだ何の問題も無く、そこに存在していたはずの命。
きっと、私が死ぬまで考えても答えはでない。
ただ、最近ふと思うことがあります。
「天寿 」を決めるのは神ですが、その領域に人間が手出しするようになってから、
問題が増えたように思うのです。
命とは、もっと自然と密着したものであるはずなのに、私たちは何時からか、
本来持っていたヒトとして生きてゆくために予め用意されている力を、
手放してしまったと感じています。
そういう想いをもつようになってから、もうひとつ考えるようになりました。
そもそも、子ども(生命)はどこから来ているのか?
子を産むとはどういうことなのか?
この秋、この問いに答えのひとつをくれそうな映画があります。
玄牝(げんぴん)・・・http://www.genpin.net/
—–
体外受精や、代理母出産、卵子・精子提供による子どもの誕生も含め、
生まれてくる子ども達に私は、「生まれてきてくれてありがとう」と言いたい。
これからも、ずっと大切にしてゆきたいですね、その想い。
京都はかなり秋めいてまいりました。
紅葉にはまだまだですけど、
雑誌では、京都の紅葉特集が始まりそうです。
深秋を迎える頃は、四季で一番観光客の多い京都です。
—-
今日は、子どものワクチン接種についてお話をします。
だけど、ワクチンそのものの説明より、ワクチン接種の問題点から、
今の子育てや社会の問題点を探ってみたいと思います。
—–
乳幼児の主な予防接種です。
BCG 予防接種、DPT・3種混合、MRワクチン
ポリオ(急性灰白髄炎)、日本脳炎、おたふくかぜ
水ぼうそう(水痘)、Hibヒブワクチン、B型肝炎ワクチン
肺炎球菌ワクチン、インフルエンザワクチンなど
定期的なものから、任意のものまで色々あります。
アメリカはもっと多いようですが、基本は一緒だと認識しています。
ワクチン接種にはいくつか問題がありますが、
大きくわけて3つに分けられるのではないかと思います。
1つ目は、副作用(副反応)が報告されていること
2つ目は、(病気によっては)本当に必要なのか?という議論
3つ目は、(大した事情も無いのに)接種を受けない人と、受けたいけど(事情があって)受けられない人の間で起こる対立。
1つ目は、接種が原因で、重い後遺症や、中には死亡するケースもあり、深刻な問題になっています。
接種を受けずに、パンデミック状態になったことを想像すると、 接種は必要だとは思いますが、
新型インフルエンザのワクチン接種でも、大人も子どもにも深刻な副作用が報告されています。
また、子どものワクチン接種が原因ではないかと言われている自閉症の問題があります。
先天的な障がいが原因である、自閉症の子どもが多数なのですが、自閉症児が増えている現在、
ワクチン接種が原因なのではないかといわれています。
2つ目の議論は、今回は割愛します。
3つ目の議論ですが、問題になっているケースはこの様なものがあります。
Aくんは、ある病気のワクチンの接種を受けていません。それは親が副作用が怖いのと、
この国ではもうその病気が発生するなんてありえないと思っているからです。
Bくんは、同じ様に、その病気のワクチン接種を受けていません。でも、Aくんとは違って、
本当は受けたいのですが、成長が遅いのでもう少ししてからと医師に言われています。
Cくんも予防接種を受けていません。理由はAくんと同じです。
Cくんは、家族である国に旅行に行きました。Cくんはその旅先である病気に感染してしまいました。
Cくんは何も知らず、学校へ行き、AくんとCくんが感染してしまいました。
ここで問題なのは、Aくんの親はある意味仕方がないと諦められるでしょうが、Bくんはそういうわけにいきません。
あと、そういう感情論では済まない問題が発生します。それは、その国では珍しい病気になってるので、経験不足から、
病院や医師の対応が遅れると言うことです。
例えば日本では、DPT・3種混合予防接種で予防できるジフテリアは、治療の経験がある医師が殆ど居ません。
もう、過去の病気、撲滅したはずになっている病気で、とんでもないことが起こる可能性があるんです。
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話が横道にそれますが、サッカーを6年間やっていた私は今もサッカーの大ファンです。
サッカーはボールばかりを追って観ているとさほど面白いスポーツではありません。
ボールの周辺で、直接ボールに触れることは無いけど、重要な動きをしているプレーヤーが必ずいます。
そういう動きができる選手を育てて、戦術として浸透させるのが監督の役割なんですが、
その動きは、非常に地味で献身的な行為なので、目立ちたがりの選手は嫌がります。
ワールドカップクラスになっても、 同じことが言えます。
「なんでアイツのためにフォローに入らないといけないのか!」なんて言う選手がいたら、
あっと言う間に得点が相手に入ります。
攻める選手がいれば、動きやすいようにスペースを作る選手と、攻めに入った選手のバックアップの選手が必要です。
攻める選手がゴールを決めれば、新聞の一面を飾るのはその選手ですが、
勝利は、その選手一人で得られるものではありません。
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ワクチンの接種を受けない理由に、「自分の子さえよければ良い」と言う親が居ます。
また、「自分の命は自分で守る」と言う親にも出会ったことがあります。
基本はそうだと思いますが、実際はそんな簡単なものではありません。
自分の命を守ると言うことは、実は、「他所の子のために、自分は何ができるのか?」を、
考えると言う事に気付いて欲しいのです。
サッカーの様に勝利のため、どれだけ地味で献身的な行動ができるのかが問われています。
もうすぐインフルエンザの季節です。
ワクチンの接種について、一度ご家族で話し合ってみて下さいね。
あなたとそのご家族の健康、命を守ると言うことは、世界のことを考えると言う事ではないでしょうか。
今日の京都は、秋の気配も感じつつも、日差しがきついです。
午前中は、雨が降ったりで、台風の影響もあるんでしょうね。
私は、ここ数日は、体調不良でしたが、少し元気になってまいりました。
しばらくはこんな感じの体調が続きそうです。
でもいつかきっと治ると信じての闘病です。
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7月17日に改正臓器移植法が全面施行されました。
約2ヶ月で、臓器提供がすでに9件行われています。
これは、改正前にくらべると大幅な件数アップです。
今日、お話をしたいのは、改正のポイントと、家族の絆です。
改正前は、本人の意思表示(書面)が絶対的な前提でしたが、
改正後は、家族が承諾さえすれば、移植が可能になりました。
当ハウスの利用者さんには、早速移植を受けられた方がいらっしゃいます。
移植後患者さんの笑顔に触れて私は、(臓器移植には色々賛否はありますが)、
移植が国内でできるようになって良かったとしみじみ感じました。
利用者さんの「はやく臓器移植法が改正されないか待遠しかった」と言う声には、
移植が成功した安堵感と、移植ができるのかどうか不安な毎日が、いかに大変なものだったのかを
実感させてくれました。
私が、「目指せ100歳ですね!」と声をかけると、素敵な笑顔で「はい!」と答えてくださいました。
ドナーの方のご冥福とその善意に心から感謝を申し上げたいと思います。
さて、ハウスの利用者さんの移植の話をたくさんしたいのですが、
プライバシーの事もあり、これ以上は申し上げられません。
そこで、視点をかえて、今話題の高齢者行方不明問題と絡ませて移植の問題を考えてみたいと思います。
高齢者の行方不明が巷を賑わすようになってもう2ヶ月くらい経つのでしょうか。
年金の不正受給や、役所の怠慢?な台帳管理で、「いったいどうなってんだ??」と言うような話が全国から出てきましたね。
行方不明になっている理由は、事件性や、役所のミスを排除すると、
残るのは、家族の絆が失われている世帯の実体です。
今回の、臓器移植法では、本人の意思をその家族がきちんと掴んでいることが絶対的な条件です。
これが、絆の失われた家族間では、本人の意思などは大して考慮されず、
周りにいる(絆の切れた)家族によって安易に臓器移植になるのではないか。
その際にブレーキがかかる仕掛けが無い様にみえる、この改正臓器移植法です。
個人的には、移植には賛成ですが、ドナーの方の意思が十分に反映されない移植は、
いつか大きな問題を引き起こす原因になると考えています。
究極のボランティア、臓器移植。
まだまだ色々と議論を尽くさねばならないようです。