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京都サポートハウスでは、またまた事務所の移転が決まり、
物件の契約や引越し作業に追われています。
この季節の京都は紅葉狩りのお客さんでいっぱいなんですけど、
その名所のすぐ傍に事務所を移転させます。
だから、今年は紅葉を満喫できそうです。
だけど、紅葉の木々から差し込む日差しが弱くなって、小雨なんかがちらつくようになると、
冬の訪れです。南国育ちの私には少し寂しくなる季節です。
だけど、嬉しいことが先日ありました。
京都よりもっと寒いところから、心が温まる図書カードの寄付がありました。
クリスマスシーズンに病院に居る子どもたちに絵本のプレゼントができそうです。
ありがとう。
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そう、図書カード1枚でも、幸せを感じます。
病気で入院していると、もっともっと当たり前のことで幸せを感じますよ。
たとえば、今日は天気がいいとか、病院食に出てきていた豆をお箸でつまめるようになったとか。
その程度のことで、涙が出てきたり。。。
医療の専門的な視点で、「医療上におけるクオリティ・オブ・ライフ」が色々な視点から議論されています。
これは、患者さんが(その方が望む)人間らしい生活を送れているのか?という視点から、
その患者さんに提供されている医療の中身を考えるべきだと言う考え方が広まってきているからです。
もっと簡単に言うと、「(内面の)幸せな患者生活がおくれているのか?」ということになる。
幸せの尺度は人それぞれなんですが、困難な状況にあればあるほど、ちょっとしたことで嬉しいものです。
私は、今の医療では完治しない病気を2つもっています。
だから、ちょっとしたことで滅茶苦茶幸せを感じます。
中でも、子どもの笑顔は最高ですね。他所の子どもでもいいんです。子ども達の幸せそうな笑顔に心が癒されます。
「幸せ」って、本当はそんなものなのかも知れません。
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先に述べたように、医療の世界でも、「クオリティ・オブ・ライフ・QOL(生活の質)」を、
大切にするべきだと言う考えが広まってきています。
従来は、患者さんの内面より、身体的な問題を解決するべきだと言う考えが行き過ぎて、
患者さんの内面まで心配りが不足していました。
びっくりする様な話ですが、「身体の病気は治ったが、患者の心は死んだ」なんてこともありました。
どうすれば、その問題を解決できるのか?なんですが、まだ手探りですが、 インフォームドコンセントや、
公的支援(例:医療費補助や年金等々)が少しずつ良くなってきていますから、昔に比べて、
良くなってきていると実感しています。
私が実際に目にしているところでは、京都大学病院では、過去の医療事故などの経験も踏まえ、
インフォームドコンセンが充実していると実感します。
また、患者さんが医療を選択できるように丁寧な説明と、患者さんが出した答えを尊重する姿勢は、
教授クラスの医師にもみられ、息子が入院していた17年前とは大違いです。
当時は、「天下の京大病院の言うことに異論を申し出るなんて、、、」と言う雰囲気がありましたからね。
こうやって、少しずつ患者さんの QQLを向上させてゆくしかありませんね。
多分、QQLを向上させるための手段や理論は色々あるんでしょうね。
でも、最後は、患者さんへの「愛」なんだと思います。
心が痩せ来ている今の時代に「愛」を叫ぶことには残念ながら勇気が必要です。
だけど、人間最後は、愛なんだと思います。
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ところで、みなさんは今幸せですか?
「幸せ」と言う言葉の定義付けはちょっとおいといて、
国民の幸せをはかった国があります。
それは、ブータン王国です。
国民総幸福量(GNH)と呼ばれています。
当たり前の話ですが、 物質的な豊かさではなく、
精神的な面を重視したものです。
数年前の調査で、9割の国民が幸せだと答えたそうです。
ブータンの平均寿命は、男女とも60歳代です。
日本のそれと比べると、20年近く短いわけですから、
「医学上のQQLが低い」と考えることができるかもしれませんが、
国民の9割が幸せだと感じていると言う事実は、見逃せません。
脳が幸せを感じると、身体的な抵抗力がアップすることは医学的に証明されています。
まさに、「笑う門には福来る」ですね。
何をもってして幸福なのかは人それぞれですが、
小さなことでも幸せを感じることができる人は、どうやら、素敵な人生を送れそうです。