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2010/09/21

今日の京都は、秋の気配も感じつつも、日差しがきついです。

午前中は、雨が降ったりで、台風の影響もあるんでしょうね。

私は、ここ数日は、体調不良でしたが、少し元気になってまいりました。

しばらくはこんな感じの体調が続きそうです。

でもいつかきっと治ると信じての闘病です。

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7月17日に改正臓器移植法が全面施行されました。

約2ヶ月で、臓器提供がすでに9件行われています。

これは、改正前にくらべると大幅な件数アップです。

今日、お話をしたいのは、改正のポイントと、家族の絆です。

改正前は、本人の意思表示(書面)が絶対的な前提でしたが、

改正後は、家族が承諾さえすれば、移植が可能になりました。

当ハウスの利用者さんには、早速移植を受けられた方がいらっしゃいます。

移植後患者さんの笑顔に触れて私は、(臓器移植には色々賛否はありますが)、

移植が国内でできるようになって良かったとしみじみ感じました。

利用者さんの「はやく臓器移植法が改正されないか待遠しかった」と言う声には、

移植が成功した安堵感と、移植ができるのかどうか不安な毎日が、いかに大変なものだったのかを

実感させてくれました。

私が、「目指せ100歳ですね!」と声をかけると、素敵な笑顔で「はい!」と答えてくださいました。

ドナーの方のご冥福とその善意に心から感謝を申し上げたいと思います。

さて、ハウスの利用者さんの移植の話をたくさんしたいのですが、

プライバシーの事もあり、これ以上は申し上げられません。

そこで、視点をかえて、今話題の高齢者行方不明問題と絡ませて移植の問題を考えてみたいと思います。

高齢者の行方不明が巷を賑わすようになってもう2ヶ月くらい経つのでしょうか。

年金の不正受給や、役所の怠慢?な台帳管理で、「いったいどうなってんだ??」と言うような話が全国から出てきましたね。

行方不明になっている理由は、事件性や、役所のミスを排除すると、

残るのは、家族の絆が失われている世帯の実体です。

今回の、臓器移植法では、本人の意思をその家族がきちんと掴んでいることが絶対的な条件です。

これが、絆の失われた家族間では、本人の意思などは大して考慮されず、

周りにいる(絆の切れた)家族によって安易に臓器移植になるのではないか。

その際にブレーキがかかる仕掛けが無い様にみえる、この改正臓器移植法です。

個人的には、移植には賛成ですが、ドナーの方の意思が十分に反映されない移植は、

いつか大きな問題を引き起こす原因になると考えています。

究極のボランティア、臓器移植。

まだまだ色々と議論を尽くさねばならないようです。

2010/09/21 12:47 | hamamoto | No Comments