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2011/07/01

“スラムダンク”の閃きが運命を!

私の画期的な思いつきと閃きとは、スポーツ心理学で確立されたさまざまな理論をメンタルトレーニングとして応用するにためのわたしのオリジナルメソッドとして、あの有名な“スラムダンク”の漫画を使うことだったのです。この頃から見えない心をわかりやすく伝えるために、毎日のように朝から晩までネタを探すようになりました。

その第一弾に思いついた画期的なアイディアこそスラムダンクだったのです。あの漫画は当時、大学体育会でスポーツをする奴で読んでないものはいないほどでした。最初は漫画をコピーしてはスポーツ心理学の内容をそれに添えて慶應の体育会の連中を相手にメントレをしていました。『スラムダンク勝利学』の基となる内容はこの頃に生まれました。体育会のメンバー1人1人にコピーをして資料を作成していたのですが、著作権にも触れますし、何よりコピー代が馬鹿にならなくなってきました。

そこで思い切って井上先生にこの話をして、許可をいただこうと会うことを決めたのです。どうやったらお会いすることができるのか?考えに考えました。当時バスケ協会の仕事をしていたので、この話をどこかバスケ関係の雑誌とくっ付けてもっていったらどうだろうと。。。。バスケットボールマガジンの編集長にこのアイディアを持ちかけたところ、井上先生にアタックしてみてくれるということになったのです。そしたら何とOKが出ました。バスケットボールマガジンにスラムダンクに学ぶ勝つための勝利学なる連載が始まることになったのです。それはもうびっくりでした。連載はもちろん好評で、何より井上先生がゲラをお送りするたびに楽しみにしているとのコメントをいただくようになったのです。それは信じられないことでした。

連載も26回のうち12回位が過ぎた頃に井上先生と直接お会いすることができました。下北沢の居酒屋です。今でも覚えています。感動でした。その時に井上先生がこの連載はバスケの人たちだけじゃなくていろんな分野の多くの人たちにも読んでもらった方がいいよと言ってくださいました。

書籍を出すなど全く頭になかったのですが、まず自費出版で小冊子を作成しました。その当時ないお金をはたいて清水の舞台から飛び降りる感じでした。当時から仲良くしていた元レラカムイ北海道のヘッドコーチで現在は全日本のアシスタントコーチをしている東野コーチが新宿東口になる紀伊国屋本店に直接この小冊子を持って行ったところ、当時の店長がOKを出してくださり地道に売れ始めました。さらにそれを読まれた読売新聞の方がある日それを夕刊に取り上げてくださったんです。そしたら、その夕刊が出るかでないかの時に電話が鳴り続け多くの人に読んでもらうことになるのです。その勢いで井上先生が書籍という話をされたので、正式に出版しようと思うと伺うとぜひと言われたので書籍にすることとなりました。そこから出版までもちょっとドラマがあります。

最初は井上先生が直接ご紹介いただいた井上先生担当の集英社の方とお会いしました。でもどうしてもこの方が合わず(井上先生の凄いところと自分自身を勘違いしているような奴に思えました)、お断りしました。当時本など出したこともなかったので、とりあえず知り合いの写真家に紹介されて小学館の方に話しをしにいきました。残念ながら当時断られたんですね。わたしは無名でしたし。

そしたら、井上先生の勧めで、集英社インターナショナルで痛快シリーズを作成しているのでそのスポーツ版を執筆してほしいと・・・。それは嬉しい話だったので一つ返事で受けました。ホテルの会議室で何度も編集やライターの方々との打ち合わせをしたのを覚えています。何しろわたしにとって最初の書籍だったからです。何もわからず勢いでやっていました。しかし、その痛快シリーズの作者たちはその分野の蒼々たる方々で、有名人ばかりでした。原稿もほぼできて出版間近かのある日、わたしはどうしてもわたしが出すには気が引けると弱音を吐き、唯一の自慢はスラムダンクに学ぶ勝つための小冊子(今の半分の内容)だと編集長に伝えました。すると驚いたことに編集長がそれじゃまずその本を出しましょうと。すでに原稿は26回分ありましたし、井上先生の了解も得ているので、それからわずか1カ月半で『スラムダンク勝利学』が完成し世の中に出版されたのです。ところが当初はなかなか売れず、苦労はまだまだ続きます!そこからわたしの独立へと繋がっていきます。お楽しみに!

01:49 | tsuji | “スラムダンク”の閃きが運命を!(辻秀一物語第 13回) はコメントを受け付けていません
2011/06/06

安藤美姫が先頃のロシアで行われたフィギュアスケートの世界選手権で優勝しました。優勝後のインタビューで“日本のために滑った”と言う素晴らしい名言を残しました。

安藤美姫は16歳で全日本を優勝し、オリンピックに2回も参加しています。しかし、本番のオリンピックではプレッシャーに負けて自分の力を出すことができず、明らかに精神的に参っている様子が懐かしく思い出されます。そんな中で精神的な強さ、わたしの言葉で言えばライフスキルという脳力を磨き、フローで生き・演技できるようになるきっかけが今のニコライ・モロゾフ、コーチとの出会いであったように思います。彼がどんなメンタル的なアプロ―チを安藤美姫にしたかは不明ですが、それまでの結果エントリーの彼女から明らかに心エントリーの安藤美姫に変化したように感じます。まず勝たなければ、まず上手く滑らなくてはという考えから、まず楽しまなければ、まず集中しなければという考えになったように思えます。その事がいい結果を彼女のもたらしているのだと思います。

今回の大会はキム・ヨナの復活に注目が集まりました。彼女は素晴らしい。演技に美しさがありますね。涙が印象的でした。また浅田真央が若い時の勢いをやや失い、認知脳が邪魔をし始め苦しんでいます。彼女のスケートスキルに値するライフスキルが今こそ必要に思います。真央ちゃんこそメントレが著効すると思います。そんな中で安藤美姫はやりました。安藤美姫の通訳をしていた女性と知り合いだったので、以前彼女の練習用のコスチュームをもらったのが自慢の1つです。わたしのオフィスに飾ってあります。安藤美姫のこの言葉はライフスキル脳の成長した現れです。誰かのためにプレイするとか演技するとか滑るのがいいのではなく、何かを応援しようという脳の機能が心に揺らがず・とらわれずのフロー状態を心にもたらしてくれるのです。安藤美姫は結果エントリーしないで、フローな心を創るために応援するというライフスキルを総動員していたのだと感じました。何を応援するではなく、応援しようと脳が考えれば、そのことにより心にフローが導かれるということがスキル化されているのだなと感心しました。これからも安藤美姫頑張れ、わたしも応援しています。

10:14 | tsuji | 【ドクター辻の時代に一言 】 第1回 “安藤美姫の日本のために滑った”に一言 はコメントを受け付けていません
2011/04/04

スポ研に限界を感じていたと同時に、新しい可能性を模索していたわたしに人生のステップを踏み出すきっかけとなったことがあります。それはアメリカの応用スポーツ心理学学会に参加したことです。日本の心理学会にがっかりしていたわたしにとって人生を変えるに相応しいインパクトがあったといってもいいほどの出来事出会いになったのです。

スポーツ心理学の先生方が事例を中心に発表されていきます。優位差検定の論文発表とは明らかに違いました。あるスポーツ心理学の先生が自分はニューヨークのジュリーアード音楽院で演奏家のメンタルトレーニングをしているんだとか、オーケストラ全体にチームワークトレーニングをしているのだと言う話を聞いて今でも忘れられないくらいの衝撃だったのです。次に発表されたスポーツ心理の先生が自分は病院で最高のオペができるようにドクターとパラメディカルの方々にメンタルトレーニングをしているんだと。さらには企業の中に入り込んでスポーツ心理学者として企業パフォーマンスをエクセレンスにするためにコンサルティングをしているだ、などの発表が相次ぎ、強く感動したのを今でも覚えています。NBAでこんな目標設定トレーニングをやったら上手く行ったけど、同じやり方をNFLで今年やっているんだけれどどうもしっくりいかないのですが皆さんどう思いますか?などという発表もある。要するにスポーツ心理学の学問的背景を基にそれぞれの人がそれぞれの対象にパフォーマンス・エクセレンスを実現できるよう応用しながら独自のメソッドを展開しているのだということがわかったのです。まさにわたしがやりたいことはこれだと。わたしのライフワークに出会った瞬間でした。

それからは日本に帰っても、どのようにしたらこのような仕事をライフワークにできるのか?わたしのメソッドをどのように確立したらいいのかを朝から晩まで考えるようになったのです。まずはもっとスポーツ心理学のベーシックを学ばないといけないということで、スポーツ心理学に関する書籍を徹底的に読み始め、そこで学んだものを慶應大学の体育会の連中に実践することを繰り返していきました。それから数カ月した頃、ある画期的なことを思いつきました。それが今のわたしのすべてを支えることになったのです。その画期的な思いつきがなければ今のわたしはなかったと言っても過言ではありません。

01:14 | tsuji | 新しい世界との出会い(辻秀一物語第 12回) はコメントを受け付けていません
2010/09/02

JunkStageをご覧の皆様、こんにちは。
いつもJunkStageをご訪問いただき、ありがとうございます。

現在、「スポーツは世界を変える!」執筆中のライター・辻秀一さんが9月初旬までヨーロッパ滞在のためこちらのコラムを一時休載とさせていただいております。
再開は9月下旬です。
連載を楽しみにしてくださっている皆様には申し訳ございませんが、再開をお楽しみにお待ちくださいますよう、お願い申しあげます。

(JunkStage編集部)

12:39 | tsuji | ■コラム更新に関するお知らせ はコメントを受け付けていません
2010/07/15

Webメントレ
このコーナーは、読者やJunkStageメンバーからのご相談に対して、
スポーツドクターである辻秀一が回答をしていく連載です。
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今回の質問者:読者・25歳女性
転職の時期について

「辻先生こんにちは。私は25歳、社会人3年目を終えた女子です。先生は、転職についてどう思われますか?
友人は、2、3年以内に転職する子が多く、私は「せめて3年は」と思ってこれまでやってきたのですが、節目ともなり、会社の情勢もよくありません。この間なんて、35歳から早期退職を募集しているのです。もう会社が危ないと思い転職を考えているのですが、私のまわりは「若いうちの転職はよいイメージがなく就職がしづらくなる」という意見、「このご時世、安定なんてどうせないんだからやりたいことにチャレンジすべき」という意見が分かれます。
やりたいことはありますが、今の会社に3年いましたがとりたてて実績がつくれたとか、出来ることが増えたという実感が無く、今やめても何も手にしないうちに辞めてしまうことになるような気がします。でも、これ以上いてその状況が変わらないかもしれないと思うとその方が不安です。
私は、やりたいことがあるといっても、お医者さんの道をやめられた辻先生のようにすべてをなげうつほどの強い気持ちがあるわけではないのです。そんな状態で会社を辞めようとすることは、いけないことなのでしょうか。辻先生のお考えを聞きたいです。よろしくお願いします。」
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回答:辻秀一より

ニーズのうち、自分の優先度が高いものを考えてみる。ご質問ありがとうございます。悩み深い質問ですね。わたしも正解があるわけではありませんが、私の意見を述べさせてください。まず、2,3年は普通というのは固定概念なので、それに囚われる必要はないでしょう。やりたいことをもっともっと熟成してよく考えてみることをお勧めします。やはり、本当にやりたいのかを自問自答していかないと困るでしょう。ただし、やりたいに理由探しをしているといつまでたっても決めることはできません。やりたいに理由などありません。やりたいは、ジャストやりたいでしかないからです。理由は自分の頭の中で創り出した妄想ですから、その理由が覆ることがあります。そうやって決めたことは文句をいいたくなります。いつでも転職するにしても、残るにしても、自分が決めたからという生き方をお勧めします。こうこうこういう理由で残った、こういう理由で転職した。こういう理由でこの会社を選んだ、いずれにしても最後は自分で決めたのだとしていればフローで生きることができます。わたしの6月の辻マガでも配信したので読まれた方もいるかもしれませんが、人は感情の6ニーズというのを大事にして生きています。すなわち、安定感、わくわく感、存在感、繋がり感、成長感、そして貢献感です。このニーズのうち2つを特に大事にして、理由よりも何よりもこの感情を満たすために行動するとさえ言われているのです。もしわくわく感を大事にする人であれば、するなといっても転職するでしょうし、存在感を大事にしているのであれば独立される可能性が高いなどです。あなたの大事なニーズは何でしょうか?それも参考にしてみては如何でしょうか?それを家族や配偶者にも理解しておいてもらうのも家庭円満の秘訣です。

07:00 | tsuji | 【Webメントレvol.15】「転職の時期について」 はコメントを受け付けていません
2010/07/01

Webメントレ
このコーナーは、読者やJunkStageメンバーからのご相談に対して、
スポーツドクターである辻秀一が回答をしていく連載です。
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今回の質問者:読者・32歳男性
仕事におけるチームプレーについて

「辻先生、こんにちは。私は今年の4月から管理職になった、某メーカーの者です。
これまでは、現場で目の前の仕事をこなしていけばよかったのですが、チームのマネジメントをやらねばならず、正直言ってア タマを抱えています。
というのも、我が社は、よいことなのですが、年齢や中途・新卒といった垣根がなく、社長の意見などもダイレクトに伝わってくる風通し のよい会社です。
現場の時は非常にやりやすかったのですが、妙な上下関係などがないことが、逆にチームをマネジメントしていく上で難しいポイントに なっています。
たとえば、商品のブランディングを考える際に、とてもデキるのですが入社1年程度の者にまかせるには心配になってしまったり、プロジェクトリーダーに若い者を置いて、ベテラン社員はいやな気持ちがしないかどうか?など・・・
単なる「上下」という関係ではなく、あくまで適材適所に配置している、という考え方を持ちたいのですが、バスケチームの監 督経験もある辻先生にアドバイスをいただければ嬉しく思います!」

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回答:辻秀一より
必要なのはマネージメントよりリーダーシップ

質の高いご質問ありがとうございます。
管理職の役割はドラッカー的にはマネージメントですが、わたしは上下や階層に関係なく組織に必要なのはリーダーシップだと考えています。リーダーシップとはその組織のパフォーマンスを向上させる人間力のある人です。
パフォーマンスは常に何をとどうやって の2要素で構成されているので、何をに対しては的確な指示を、一方どうやっては心の状態なのでそこを支援して心を良い状態にでき ることが重要です。
この指示と支援のバランスがよく、支援すなわち人をフロー状態にできるコーチ力があることが必須です。
コーチ力と は人の心の普遍的原則にしたがって、わかってあげたり、見通してあげたり、応援してあげたり、見せてあげたり、楽しませてあげる力で す。
また真のリーダーは組織目線を持っているので、組織全体にミッションや理念や目標を共有させる努力をしている人です。 人はそれぞれの生き方をしてきたので、目標や理念などを言葉だけで提示しても、すぐに1つになってやる気ができるかといえばそんなに 簡単ではないのです。ミッションとは組織の存在意義、理念とは精神的ルール、そして目標はそれを社会に表現するために設定 するもの。
これらについて話し合うことをいとわず、コミュニケーションを繰り返していくことで、構成員も自分の役割を理解 し、組織にビジョンが生まれ、強く楽しい組織やチームになっていくのです。
それを自分のこととしてやり遂げる人がリーダーシップのあ る人だと思います。残念ながら日本の企業には管理する人はいますが、リーダーシップの高い人が少ないように思います。ぜひ がんばってください。応援しますよ。

07:00 | tsuji | 【Webメントレvol.14】「仕事におけるチームプレーについて」 はコメントを受け付けていません
2010/06/18

Webメントレ
このコーナーは、読者やJunkStageメンバーからのご相談に対して、
スポーツドクターである辻秀一が回答をしていく連載です。
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今回の質問者:読者・31歳女性
子どもに習わせたいスポーツでオススメは?

「辻先生こんにちは。
ライターの水野晶子さんの記事をいつも読んでいて辻先生のコラムに出会いました。
私は現在31歳、3歳の男の子と5歳の女の子を持つ母です。
今回辻先生にご相談したいのは、メンタルトレーニングとはあまり関係がないかもしれませんが子どものスポーツについてです。
辻先生は、子どもにすすめるスポーツはありますでしょうか?
娘は、バンクーバーなどの影響でフィギュアスケートをやってみたいと申しています。
息子はまだ小さいのでそこまで考えていないようなのですが、やはり球技など、チームスポーツのようなもののほうが子どもの教育上はよ ろしいのでしょうか。
それとも、水泳など、習わないとできるようにならないものをさせておくべきでしょうか?
あまり習い事をたくさんさせても良くないと考えており、先生のお考えを聞かせていただければと思います。
先生も父親としての面があるかと思いますが、子どもにさせてよかった習い事などはありますか?」

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回答:辻秀一より
好きなことに出会うまでいろいろ体験させてあげることが大事

ご質問ありがとうございます。わたしは高3と中3の娘がいます。
残念ながら2人とも体育会系ではなく、学校では ESSという英語のミュージカルの部活に入っております。
習いごとは2人ともバレエを幼稚園から小学校中ごろまでやっていま した。長女は好きで休まず練習に通ってましたが、次女はあまり好きではないようでサボり気味でした。
一方、ピアノも2人とも幼稚園で 始めましたが、長女は小学校に入ってすぐに辞めてしまい、次女は今でも続けています。しかし、先生をこれまで何回も変えま した。
わたしは子供の指導者、先生、コーチは好きにさせることが年齢が小さい頃ほど重要だと考えています。今のピアノの先生は4人目 です。次女にあったように上手く指示はしてくれますが、むしろ支援として子供の心をよくしてくれることが大事なのです。好きになれば自分でやるようになるからです。
また次女はわたしが代表を務めるキッズチアのスクールに毎週土曜日通い、今でもチアリー ディングは続けています。

いろいろなお母様からスポーツを続けたいが、コーチが勝利至上主義でどうしようというような相談を受けるこ とが本当にたくさんあります。日本のキッズに対するコーチの在り方がまだ確立されていないという大きな問題があるのだと思 います。わたしが代表を務める理念共有型スポーツクラブのバスケとチアのキッズ塾では、子供たちにまずスポーツを通じて、一 生懸命を楽しみ、感謝する心を育てることを第一義に活動しています。コーチもわたしのメンタルトレーニング受けたものなので、子 供たちのフロー状態がスポーツで実現しています。
何をという質問には子供が好きなことに出会うまでいろいろ体験させてあげるのが大事 だと思います。スポーツは競技の前に遊びですからいろいろしないと・・・。そもそもプレイですから。ただし指導者やコーチ のフィロソフィーは大事だと思いますのでよく話を聴いてから子供を預けた方がいいと思います。

07:00 | tsuji | 【Webメントレvol.13】「子どもに習わせたいスポーツでオススメは?」 はコメントを受け付けていません
2010/05/17

 体育会のチームや選手のコンディションあるいは骨粗鬆症をはじめとしたライフスタイルマネージメントをすればするほど、心、マインド、メンタルの重要性に気づくよくようになりました。どんなコンディション・メニューやライフスタイルの提言も心の状態によって全然変わってきます。そう現場で活動すればするほど感じるようになったのです。
 そこでメンタルや心理を学ばねばと・・・。日本スポーツ心理学会に参加してみたのですが、がっかりでした。それは学者さんたちがどちらかといえば論文を書くための発表をしていたからです。わたしはすでに36歳でしたし、心理学の論文を書きたいとかではなかったし、精神科になって精神を病んだ人を診たいと思っていたわけでもなかったからです。

 そんなとき2人のメンタルトレーナーの書籍に出会いこれだと感じたのです。
1人は射撃のメンタルトレーニングで有名なラニー・バッシャム氏。彼のセルフイメージ理論に感動して、いくつかのセミナーに通いました。
 今1人はキース・ベル氏。水泳のメンタルトレーニングで有名で、かつ日常のものの考え方が重要だということをわかりやすくさまざまな書籍を出されていました。そのうちの1つwin is not normalという書籍を自分の勉強を兼ねて、トレーニングジャーナルで訳して毎月発表していったのです。これが好評でしたし、自分の関わる体育会の連中にものすごく影響していったのです。みんなこんなことが大事とわかっているものの整理されていないのだと痛感したのです。

 それからはスポ研で、通常の仕事をしながらも、慶應男子バスケを中心にメンタルの基礎が始まったわけです。この頃はスポーツ心理学に関する書籍を読みまくっていました。 
 テストのために読むのではなく、現場に役立てたくて読むので頭によく入ったように思います。楽しかった・・・。このころメンタルとコンディションのつながりで起こるオーバートレーニング症候群という病態にも興味を持つようになりました。また減量をはじめスポーツのあらゆるシーンにメンタルが重要だと実感していったのです。

 慶應バスケはこの頃2部で優勝し1部昇格をはたしサポートの喜びを得ることができました。もちろん、メンタルのサポートでテニス部の主将がインカレで優勝したり・・・。
 今の活動の礎ができたのは間違いなくこの頃の思いだったように思います。しかし、一方で慶應大学スポ研では私が本当にやりたいことをするには限界があるのではないかとも疑問を持ち始めるのです。
 その後のわたしの行動については次回をお楽しみに。

01:00 | tsuji | ■スポーツ研究センター時代 その3(辻秀一物語第 11回) はコメントを受け付けていません
2010/05/07

 スポ研でやっていた仕事は大きく分けると2つあります。1つめがライフスタイル・マネージメント、特に骨粗鬆症の生活習慣に関する運動療法の研究と臨床を中心にやっていました。
 慶應病院時代の内科ではステロイド骨粗鬆症について骨代謝を研究していたので、新しい生活や運動との関係についてやるのは日々楽しかった。スポーツ医学には循環器や筋肉の専門家は多かったものの整形外科のような骨折や外傷ではなく、骨粗鬆症や骨代謝という領域は当時はまだ誰もやったことのない領域だったことと、ちょうど世の中に骨粗鬆症がブームになったことで、あっという間にその分野の第一人者的になりました。
 学会や論文はもちろん、北里研究所のスポクリも繁盛し、マスコミにも取り上げられて忙しくなりました。骨代謝関係の学会では運動との関係を、スポーツ関係の学会では骨代謝や骨粗鬆症との関係を日本だけでなく海外でも発表しまくっていました。当時は骨々体操とか患者さんでボンボンサークルなどを考えだしオリジナルな活動もしていました。

 もう1つの仕事は体育会のチームに対して、コンディションを中心にサポートしていました。運がよかったのは、ちょうどバスケ部の総監督がチームドクターとしてスポ研にサポートを依頼してきたので人生初のチームドクターがスタートしました。
コンディションサポートといっても、まだ何もできずないのでとにかく毎日体育館に行って一緒にバスケやってました。Bチームの相手でやってました。1年生と一緒にモップかけをしたり。本当に楽しかった。次第に何とか、彼らにドクターとしてもサポートしたくなって、まず勉強しはじめたのが、スポーツ栄養学です。知識を与えて具体的なコンディション創りを栄養の面からサポートしていました。
 その時に出会ったナンシークラークというアメリカで有名なスポーツ栄養学の大家の書籍を翻訳してこれがまたベストセラーになりました。
バスケ部だけでなく、次第にスキー部、テニス部、グランドホッケー部、柔道部、そしてレスリング部などのコンディションサポートをしていました。栄養だけでなく、次第にトレーニング方法などをその競技にあったもので作成することに取り組んでいきました。いろいろ工夫して競技ごとのオリジナルの体力測定を考えだしせっせとやっていました。
 その後は年間のトレーニング計画や試合に合わせたコンディション作りのメニューなどを提供する日々でした。バスケ部はその頃の学生と今でも付き合いをしています。三菱総研のコンサルタントをしている人間にはエミネクロスのバスケの会社の外部取締役になり今度はこちらがお世話になっています。

 この頃のもう1つの小さな仕事として、慶應関連の学校にスポーツドクター校医として訪問していました。慶應幼稚舎、慶應中等部、慶應志木高校、慶應女子高などです。
 スポーツ医学の知識を各保健室より配信し、運動部を中心に学校行事としてサポートしていました。この頃の幼稚舎のご父兄とは今でもお付き合いさせていただいており、その子供が今体育会で私のメントレを受けています。ありがたいことです。女子高時代に知り合った子はその後大学を卒業して私のところでも働いてくれました。心から感謝します。

  ライフスタイル・マネージメントや体育会のコンディションをしているうちにさらにやりたいことが見つかってきたのです。 

01:00 | tsuji | ■スポーツ研究センター時代 その2(辻秀一物語第 10回) はコメントを受け付けていません
2010/04/07

Webメントレ
このコーナーは、読者やJunkStageメンバーからのご相談に対して、
スポーツドクターである辻秀一が回答をしていく連載です。
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今回の質問者:読者・26歳女性
自分の感情をコントロールするには?

「辻先生こんにちは。ネガティブな悩みで恐縮なのですが、
感情のコントロール方法を伺いたく、相談に応募いたします。
3,4歳上で私の先輩にあたる方がいるのですが、
この方は会社で出世もしており家柄も学歴なども申し分ない、自他ともに認めるエリートです。
大学時代はよく遊んでいたのですが、最近は私がフリーランスになったこともあり、疎遠になっていました。
ですが、どこからか(ブログなどだと思うのですが)私の近況を知ったその先輩が毎日のようにメールをしてくるようになり、
しかもその内容が「平凡な生活をしたほうがいい」とか、「社会に貢献したほうがいい」とかなのです。
価値観の押し付けに感じましたが、軽く受け流していたところ、
私の友人などまで「あいつはダメだ」「こういう人種と一緒にいるからいけない」など攻撃対象にするのです。
フリーではありますが、私はきちんと仕事もしていますし、なぜそんなに責められるのかがわかりません。
平々凡々な私の趣味や、付き合っている人についても「別れたほうがよい」などと言うのです…。
私のことを心配してくれているのだろうとは思うのですが、ちょっとおかしいかな、と思い、メールは読まないようにし、ブログも友人だけが読めるように設定を変更したのですが、嫌な気分がずっと続いてしまい、心が晴れません。
世の中には自分と考え方が違う人が多いこともよくわかっているのですが、このようなことが起きたとき、あまり気にしない力(最近流行りの「鈍感力」とでもいうのでしょうか?)を身につけるには、どうしたらいいのでしょうか。先生のお考えをお聞かせ下さい。」

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回答:辻秀一より
嫌な気分は、自分の脳の認知の機能が作り出したのだと知る

メールありがとうございます。
世の中にはほんといろんな人がいますよね。
気になるというのは脳の認知の機能によってもたらされる感情です。鈍感力とは気にしない力ではなく、気にしないと言ってること自体気にしている人の発言ですから・・・なぜ気になるのかの根本を知れば解放されることでしょう。
嫌な気分がするのはそのひとの言動にあなたのあるいは一般的な意味付けをしているからにほかなりません。
常識的にみてそれはないでしょって感じです。この意味付けの脳を認知と呼んでいます。人間はやめろと言っても決してやめないこの認知の意味付け脳によりさまざまな感情を作りだし続けるのです。
そこで大事なことは、そもそもこの嫌な気分はあいつが作ったのではなく自分の認知が作りだしたものであると知ってることが重要なんです。
あいつが作ったものだとすればあいつが変わらない限り自分の感情は変えれれないことになります。かといって自分を変えよう変えようとしても変われるものでもありません。大事なことはとにかく自分は知っている、そして今の自分がそうなんだと気づくことなんです。
さらにはあいつが発する言動のすべてに本来はどんな意味もついていないということも知っていると便利です。人間は認知の脳がすべての現象に意味付けをするので意味がついていると思い込んでいますが、そもそもどんなものにも意味などついていないのです。
これも知っておくと嫌な気分から解放されます。変わろうとするのではなく、こういうことを知り自分自身もその例外ではない状態なんだと気づけば、結果的にあなたは変わり、結果的に気にしない自分になっているはずです。
がんばってください。応援していますよ。

08:00 | tsuji | 【Webメントレvol.12】「感情をコントロールするには?」 はコメントを受け付けていません

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