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2011/03/02

ここセブも障害者の方のダイビングが年々増えてきています。体を使うスポーツとしてのダイビングは体力をそれほど必要としないため、陸上より比較的楽しめるスポーツになります。海の中に入るまではサポートは必要になりますが、いざ入ってしまえばリラックスしてダイビングをされている方が多く、障害の無い方よりも上手な場合もあるほどです。サポートをする立場として気を遣うことはすごくあるのですが、楽しそうに潜っている姿を間近で見ているとよりもっと楽しんでもらえるようにと考えをめぐらせてしまいます。とはいえなによりも海の生物たちが本当に癒しになっているのでそれをサポートするようにと考えてます。

ダイビングの器材も年々、改良を重ねてきていて誰でも安全で無理なく水中を過ごせるようになってきている今、誰にでも楽しめるスポーツになってきていますが、海のガイドとして様々な方達と一緒にダイビングをしながら始めて見えてくることも多く、サポートの行い方などまだまだ改善をしていかないといけませんが、やりがいのあることだと考えています。

中でも水中で撮るカメラも人気のあるアイテムの一つですが、あまり障害者を意識していない作りになっているものばかりで、これからは改良も必要な器材となってくるでしょう。多くの方達に、気軽に楽しめるダイビングを通して水中の世界のすばらしさを是非体験して頂きたいと思っています。

今回の写真 ニチリンダテハゼ

ショップのロゴにしているハゼの仲間で、セブには多く生息している生物です。

The Gobioid Fishes of Philippines

08:17 | nihei | 障害者ダイビング はコメントを受け付けていません
2011/02/15

年々セブに訪れるダイバーも増えてきてうれしい反面、膨大する観光客用のホテルも建設ラッシュで、海の汚染は確実に進んでいるのですが、観光が主な産業のマクタン島では仕方ないところなのでしょう。しかし、あまりに産業汚染が進むと全ての人にとって死活問題になるのであろうと思うのですが、かなり解決の難しい問題の一つなのです。

 セブに渡ってから早いもので15年が過ぎようとしていますが、年々海の色が変わってきている感じがしています。ぱっと見は綺麗な感じのする色合いで、ショップ2階から見える海の色は晴れているとエメラルド色に映えて、まさしく南国のイメージそのもの海の色をしています。

 浅い水深の所ほどはっきりとカラーが強くなるのですが、その色合いは実際には汚れが進めば進むほどエメラルドグリーンの色が強くなります。海の色から汚れの進み具合が判るのですが、本当に年々エメラルドグリーンの色が強くなってきているセブの海が心配になる今日この頃です。

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11:48 | nihei | エメラルドに輝く海 はコメントを受け付けていません
2011/02/01

ナショナルジオグラフィックのサイトに新種のザリガニが発見されたニュースが出ました。未確認「生物」は数百種以上にのぼり、学問的な意味での「新種」は、毎年数千種発見されていると言われています。地球規模で考えてみると、僅かな種だと思うのですが、海中で考えても同じことが言えると思っています。学者ではないので詳しく調べたりすることの限界もあるのですが、未だ見ぬ生物たちを探し求めてダイビングする楽しみは子どもの頃に夢見ていた世界に似ている気がしてなりません。ここフィリピンの海は海洋生物の宝庫としてちょっと有名な場所の一つに挙げられるほど生物が多い海です。普段見慣れている生物も良く観ていると、実はヒレなどに違いがあったりする場合があり、新種になる可能性はないわけではないのです。ほぼ毎日ダイビングを行っているのですが、毎回、形に違いがある生物が見られるので毎日驚きの連続です。多くの新種といわれてきている生物の多くは、普段潜らないような所か、または深い海の底に生息しているのが多く、かなりリスクを持たないといけません。新種を見つけることが仕事ではないので、これは完全に趣味の世界になるのでゲストを連れて行くことはないのですが、自分たちの生物を探す眼を鍛えるためにも欠かせないことのようにも思えます。せっかくセブの海に潜って頂くので、生物の興味深さを全ての人に伝えることと、また生物の探求が一生のテーマとしてこれからもセブの海のすばらしさを出来る限り伝えて行きたいです。metasepia-pfefferi-005.jpg今回の生物 ハナイカ

食事している時や興奮している時などに体全体の色が綺麗になるなんとも変わったイカの仲間です。写真ではなかなか表現できない綺麗な色を持っています。

Tropical Reef-Fishes Of The Philippines Sea

 

12:54 | nihei | 新種発見ニュース はコメントを受け付けていません
2011/01/13

2011年に入ってから、なぜだか天気が良くない状態が長く続いていました。こんなに長く雨模様の日はセブに来てから初めてという感じです。これもやはり異常気象に入るのでしょうか?海もちょっとおかしく、冬を迎える頃から徐々に水温が下がるのですが、昨年はなかなか水温が下がらず新年を迎えてやっと下がりはじめた感じです。今までの高かった水温によるサンゴに与える影響がどのくらいになるのかまだ解らないですが、白化現象やサンゴの産卵時期のズレ、生物の生活環境など少なくとも良いとは言えない状態のような気がしています。

 生物たちも水温の変化によって生活環境が変化し、夏と冬の水温差が全ての生物たちにとって良いサイクルで回り、環境は維持されて行くのですが、ズレが生じて来るとどこかにそのしわ寄せが来ることになり数の激減など問題になります。また、水温が下がれば普段はかなり深いところに生息している生物たちがダイビングで見られるぎりぎりの水深まで上がって来ることも多く、海全体が活性されるのです。

 ここセブでは水温の変化と言っても例年3〜5度程度なのですが、海の生物にしてみると陸上での10〜20度差に匹敵することになります。この温度差が海の中でも重要なサイクルの一環になるのでしょう。

 1月も半分を過ぎ、やっと水温も下がり一段落し始め、いままで見たことがない種が出てきています。昨年12月に絶滅種とされていたクニマスが再発見されたニュースが日本中に流れ、まだまだ奥の深い世界だと再確認させられたのを思い出しながらまだ見ぬ種を探しもとめる1年が始まりました。

 今回の写真 メタリックシュリンプゴビー

日本には生息していない外人さんのハゼになります。色鮮やかな体色で人気のあるハゼの仲間になります。

The  Gobioid Fishes of Philippines

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10:38 | nihei | まだ見ぬ魚たち はコメントを受け付けていません
2011/01/02

2011年ニューイヤーを迎えてから日本からの観光客も明日、3日ぐらいには帰国の途につくピークを迎える感じです。これからいつも通りのセブ島に入り、いつもと変わらない風景が過ぎていくのでしょう。

 ここ最近、新年の天気が良くなく雨が続いていて、せっかくセブで新年を迎える観光の方には残念な感じですが、12月31日は星が見える良い天候に恵まれて23時50分ぐらいから年明けの1時過ぎまで打ち上げ花火や爆竹等々うるさく感じるほど現地の方々は盛り上がっていました。

 我がダイブショップからだと、各ホテルが打ち上げる花火を見るのに一等地になり、毎年花火を見ながら過ごすのが恒例行事になりつつある感じです。それはそれで良いのですが、たまには日本の厳かな年明けもしてみたいものです。仕事上なかなか出来そうにはないのですが。

今回の写真 2011年新年の花火

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10:54 | nihei | 明けましておめでとうございます。 はコメントを受け付けていません
2010/12/24

12月も後半に入り、クリスマスが過ぎると一気にニューイヤーモードに入るフィリピンですが、ここでのニューイヤーは毎年の事ながら凄まじく感じます。31日は早いところでは23時を過ぎた頃から巨大な爆竹がけたたましく鳴り響きはじめてカウントダウンとともに大きいロケット花火や巨大な花火などなど、、、まるでテレビで見る湾岸戦争の映像が目の前で繰り広げられている感じです。フィリピンの人々は大半祭りが大好きな人種が多く、1年の大半は祭り気分みたいな何とも愉快な人達なのですが、度が過ぎると大変で爆竹を家で行わないとよい年を迎えられないなどと給料を前借りしてでも行うほど。

 懲りないのか毎年、事故も多く死者まで出るほどなのですが、自粛することもなく同じような光景が繰り広げられています。23時以降、車などで移動しているとその車に向かって爆竹を投げてくる酔っぱらいや命知らずなどが徘徊しているので、かなり危険な1日になるので、年越しは早めに家に帰宅してゆっくり過ごすのがここ最近の過ごし方になります。

ちょっと早いですが、今年も残り僅かとなりましたが皆さんよいお年をお迎えください。

 

03:48 | nihei | フィリピンの正月 はコメントを受け付けていません
2010/12/14

フィリピンのダイビングスタイルとして何でも全て現地スタッフがケアをする、いたれりつくせりの殿様ダイビングが確立されています。本来、ダイビングのスタートから終わりまで重たいタンクやウェイトなどを運ぶことや、装着することは各個人が行うように最初のライセンス取得時に講習を通じて教える事が普通です。世界の海で潜る場合、器材セッティングから行うことになるのですが、ここフィリピンでダイビングを行うときは、これら全てのことは現地ダイブショップ側で行う事になります。これは年配のダイバーや非力な女性にとっては重たい物を持ったりすることもないので、ストレスのない、体にも楽なダイビングが簡単に出来てしまう何ともありがたいシステムの一つです。また各国では通常1名のインストラクターなどの水中ガイドに5〜6人のお客で潜る事が普通ですが、フィリピンでは2〜3人のプロガイドに2〜3人のお客で潜るほぼマンツーマン的なダイビングが普通になっているので、水中でも楽で贅沢なシステムと言えます。

 このシステムを確立した人々は、本当にずぼらな人が多かったのではないのかと考えたりもしますが、フィリピン人のホスピタリティー精神も手伝って出来上がったスタイルなのでしょう。

 年々、ダイビングのスタイルも変わり昔みたいな体育会系のスタイルも少なくなって、誰にでも気軽にライセンスが取れる時代になってきているのですが、

自己管理が大切なスポーツになるので、ある程度はしっかり自分で行うようにしていかないといけないとも考えたりもします。しかし、私自身も体育会系の厳しいダイビングからスタートしてきたのですが、この殿様スタイルは一度体験すると密の味がするこれぞリゾートダイビングの醍醐味といったすばらしいものです。

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今回の写真 ベンケイハゼ

普段は穴の奥に潜んでいるので、なかなか見ることが出来ないハゼになります。

体中にラインが入ったとってもシャイなかわいい魚になります。

The Gobioid of  Philippines 

 

 

09:12 | nihei | フィリピンのダイビング はコメントを受け付けていません
2010/12/09

約25年ほど前、海の生物図鑑が沢山作られていましたが、日本の図鑑制作の第一人者だった益田先生が亡くなられて図鑑作りもほとんどなくなって来ています。ダイバーが海で見る生物を調べるためには凄く重要な教材なのですが、新種や海外産など日本に生息していない生物たちの名前や住んでいる環境など知り得る情報がかなり少なくなってきています。今の時代、紙の時代が終焉を迎えるような勢いでインターネットが普及してきていますが、図鑑はないと困ってしまう重要な所です。海外で制作されている図鑑も多くあるのですが、著者によって考えも違うため、かなり名前や生態などかなりバラバラな事も多く、どの図鑑を基準にしていいのか判らない物が沢山出ています。

 今まで見てきた世界の図鑑を比べてみると日本で作られている物はクオリティーが高く、魚について勉強する本として基本となっているのですが、ここセブの生物たちはとても日本の図鑑で収まる数ではなく、海外の図鑑をいれてもまだまだ追いついていないのが現状です。

 海外で活躍しているダイビングスタッフたちによる図鑑制作の話もあるにはあるのですが、簡単に図鑑を作るのは困難で、学者も巻き込まなくてはいけなくなります。壮大なことと自分たちもそこまで手が回らないので話だけでストップしているのですが、何とかゆっくりでも進めていければさらに詳しい世界が広がっていくと思うのですがまだまだ先の話になりそうです。

 もっともっとダイビングを身近に感じて貰うためにも海洋生物図鑑はその一端を持つ大切なアイテムであることは間違いないのですから。

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今回の写真 名無しのハゼの仲間

スポンジみたいな壷状の カイメンという所に住んでいるハゼの仲間。

 まだ学名も英名も 日本名もついていないウーパールーパーみたいな顔をしているかわいいハゼです。

 Tropical Reef-Fishes Of The Philippines Sea

Tropical Reef-Fishes Of The Philippines

 

11:31 | nihei | 海洋生物図鑑 はコメントを受け付けていません
2010/11/30

ちょっと前の水族館ブームに乗って、家庭でも海水魚が飼育出来るアクアリウムが流行りだしてから東南アジア圏の海から生き物たちが採取され、日本などに運ばれています。人気のある生物たちはダイバーにも人気のある種が多く、見つかると採取されていなくなってしまう事もあります。私たちダイバーが水中で発見した生物たちをなるべく見つからないように隠すこともあるのですが、現地人のフィッシャーマンたちの探す能力もすさまじいものがあり、お互いの攻防が繰り広げられている感じの今日この頃です。

 他の島などから運び込まれてくる個体数は、半端なく大きいポリ袋に満載された魚たちが山積みで運ばれているのをよく見かけますが、見ていていつか種がいなくなってしまうのではないかと心配に思うほどです。採取を全面的に禁止にすることは難しいと思うのですが、お互いの領域を侵さない範囲で適度に制限され、管理していくことが将来的にも必要でとても重要な事ではないでしょうか。

 なるべく手つかずの自然の姿が残っていくように、海の仕事の携わっている自分も含め全ての人たちが考える時期に来ているように思います。

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今回の写真

“フリソデエビ

はさみの部分が振り袖に例えら名前が付いたカラフルな色合いなどダイバーやアクアリウムに人気のあるエビです。セブでもよく見られるのですが、採取される事も多い種になります。

The Crystacea of Philippine Sea 

 

01:38 | nihei | イタチごっこ はコメントを受け付けていません
2010/11/06

海も陸上の生き物全てに言えることですが、毎日生き抜くために行動している。ダイビングを通して海の生物をほぼ毎日観察していて、外敵から危険に常に身をさらしながらも日々食べて子孫を残すことを当たり前に行っている姿が本当に凄いことに見えてきます。子孫を守るため、全身がボロボロになるまで必死に守る姿や、お互いに助け合いながら生き抜いている姿など自然の生き抜く姿勢には大いに考えられさせられます。

 セブの海では、暖かい環境もあって1年の間に1種の生物が産卵する回数は、多いもので3〜4回も行います。同じ個体がこの回数分の世話を行う事になり、その労働のために体はボロボロになるものも中には見られますが、それでもがんばる姿には感動させられます。このセブの海で卵から孵った子供たちはやがて黒潮に運ばれて運が良いものは沖縄などに流れ着いて、そこに新しいテリトリーを持つことになるのでしょう。またさらに月日を追って伊豆などに流れていくものも。海は繋がっていると再確認させられる思いを持ちながら産卵風景を観ている気がします。

 海の生物たちの生活は、私たちが考えているよりも純粋に満ちた世界なのかもしれません。

今回の写真 フタスジリュウキョウスズメダイ

一生懸命アマモに産卵している所です。

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08:14 | nihei | 生物ってすばらしい はコメントを受け付けていません

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