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2012/06/29

何かの話の途中に、不意にレインボーサポートネットの話になり、LGBTについて話をすることがありますが、相手によっては、LGBTに対してそんなに詳しいわけではないのに、知っているLGBTに関する知識を披露しようとして、間違った認識を露呈してしまう方がいらっしゃいます。

ただそれは、悪意があるわけではなくて、自分はLGBTに対して正しい理解があって、受け入れていますよというアピールであったり、過度な拒否感は持っていませんよという姿勢の表明であったりします。

ただどうしても看過できない誤解もあり、そういう時にはなるべく修正をしてあげるようにしていますが、相手によってはそれすら難しいほどの誤解・曲解をしている場合もあって、そういう時には苦笑いするしかない状況です。

例えば、ゲイもレズビアンも全て「ニューハーフ」だと思っている方。そしてその代名詞は、はるな愛さん。確かに、はるな愛さんはニューハーフですが、少なくともレズビアンではありません。こういう方は、ビジュアルでLGBTを理解していて、男性なのに女性の格好をする・女性なのに男性の格好をするという部分を中心において理解してしまっています。

セクシャルマイノリティの区別を考える上で大切なのは、①体の性 ②心の性 ③恋愛対象の性 この3つに注目しなければなりません。①男②男③女であるならヘテロセクシャル(異性愛者)の男性ですし、①女②女③女であるならレズビアンの女性ということになります。

この①②③の分類は、パズル的な遊びが好きな方なら、かなり興味をもってご自分で組み合わせを試して、その結果を考えた上で、それが正解かどうかを私に聞いてきます。LGBTに誤解を持っている全ての人がパズル好きだといいのですが、そうはいかないのが現状です。

ただ、誤解を修正してあげて、それをきちんと理解した後に、根本的な疑問である「なぜLGBTが存在するのか?」という疑問について話をする方がおられます。存在については認知・理解をしたのだけども、その存在の理由にまで迫りたいという探究心豊かな方です。

しかし、こうなると私にはもう確たる答えを示すことはできません。お互いに、様々な意見をぶつけることになりますが、突然変異だとか、進化の過程なのではないかとか、逆に退化ではないかという方もおられます。

少々の誤解は問題ではありません。大切なのは、決めつけることをせずに、興味と関心をもって正しく理解しようとする姿勢です。

LGBTの社会的露出が、メディアを通して活発になることは、存在の認知そのものには貢献することですが、偏ったメンバーばかりが露出することで、全LGBTがその偏りと同一視されるという危険性があります。

悪気のない誤解を、少しずつ紐解いて、正しい理解へとつなげる必要がありますが、その手段がどうしても不足しているのです。せっかくの興味や関心を、誤解や曲解で終わらせてはいけません。

もし、悪気のない誤解をしている方と接することがあれば、是非、正しい理解へと導いてあげて下さい。ひとりひとりの正しい理解が連鎖すれば、社会全体の正しい理解につながるはずです。

12:02 | nakahashi | 悪気のない誤解 はコメントを受け付けていません
2012/06/15

今回は中橋と元ゲイバーオーナーの小林さん(仮名・48歳)の対談です。

中「小林さんは、ゲイバーのオーナーを10年以上されて、このほどお店を閉店されましたが、これまでのお店の歴史を振り返ってみてどのような感慨をお持ちですか?」

小「あっという間でしたね。お客さん、スタッフ、何人もの人が私の前を通り過ぎて行きました。それを毎日同じ場所で出迎え見送るという日々が、私の日常でした。開店当初から閉店時まで通い続けてくれたお客様もおられますし、一度来て忘れたころにやって来るというお客さまもいたり、一時期毎日のように通い詰めていたのに、ある時パタッと来なくなったお客さん、私が密かに恋心を抱いたお客さん、お客さん同士やスタッフ同士の色恋沙汰など、本当に色々な人や出来事が私の店で発生していました(笑)」

中「なかなか語りつくせない思い出がいっぱいといったところでしょうか?」

小「そうですね。当時は嫌な思いもたくさんしましたが、今となっては良い思い出で、私の財産でもあります」

中「その一つ一つの思い出をお聞きしたいところですが、今日は、ゲイバーの経営という観点でのお話しを中心にお聞きします」

小「ゲイバー経営学ですか? 私は失敗した人間ですので、教えられることは何もないですが、まあ反面教師ならかって出ましょうか(笑)」

中「失敗だなんて、とんでもない。小林さんのお店の経営状態は決して悪いわけじゃなかったでしょう?」

小「う~ん、しかし良くもないですよ。日々回してくのはいいですけど、将来的な展望はありませんでしたね。オーナー業に専念した時期も一時期ありましたが、結局、オーナー店長に戻りましたし、体力的にもボロボロでしたよ」

中「そもそもなぜゲイバーを始めたのですか?」

小「私は飲食業に興味があって、高卒後すぐに一般の飲食業界に飛び込みました。その後、一度社会人を辞めて、専門学校に入って調理師の免許を取り、自分のお店を持つことを目標に修業をしていたのですが、たまたま地元の近くの繁華街にあるゲイバーの多い一角に空き店舗が出たことを知り、若干安易にですが、そこで最初の自分の店を持つことにしました」

中「料理の修業を本格的にしていた調理師さんにとっては、ゲイバーというのはちょっと趣旨が違うような気がしますが…(焦)」

小「若気の至りです(爆)料理のおいしいゲイバーがあってもいいかなと」

中「面白いとは思いますが、それで当初の客入りはどうでしたか?」

小「ゲイ業界の友人知人などの応援もあって、客入りは良かったですよ。平日でも小さいカウンターと少ないボックス席だけの我が店は満員御礼になりました」

中「良いスタートだったわけですね」

小「はい。でも売り上げにはなかなか反映しないわけです」

中「よく聞く話ですが、客単価が安いおまけに、長居するので回転率が悪く、客でごった返しているのに利益が上がらないということでしょうか?」

小「そうです。凝った料理メニューもあったのですが、うちの店でそれを注文する人は希でした。望まれているのは、軽食とアルコールとカラオケですからね。お客のニーズを履き違えていたわけです」

中「それに気付いたとき、お店の将来をどう考えましたか?」

小「うっ、厳しい質問ですね。若干悲観的にはなりましたが、今さら後には引けないという思いで、私の料理人としてのポリシーよりも、ゲイバー経営者としてゲイのお客様のニーズに応える方を選びました」

中「お客のニーズに応えるように努力をされた後はどうなりました?」

小「無駄なメニューを無くしたおかげで、食材のロスなども減り、無駄な経費節減になりましたが、結局、どこにでもあるゲイバーと大差ない個性のないお店になった感がありました」

中「ウリであった料理を廃したせいで、お店の個性まで失った感じがしたわけですね。その後はどうなりました?」

小「周囲に新規のゲイバーの出店などもあり、固定客を奪われてしまったり、スタッフ不足で私がてんてこ舞いで働いたり、大御所への挨拶を怠って大目玉を食らったり、不幸というか不運というか、そういうこともありました」

中「ゲイバーには業界の横のつながりはあるのですか?」

小「地域によって多少はあるとは思いますが、横というより、その地元で古くから営業しているお店には礼を尽くさなければならないみたいな縦のつながりの方が強いかもしれません。でも、協力するとかいうより、どちらかといえば、潰し合いですかね(爆)」

中「その話は聞いたことがあります。結束が強いように思えて、実はそうでないのですね」

小「はい。個性豊かすぎる人が多いから、まとまらないですよ絶対に。どの店も必死に営業しているので、余所に協力する余裕なんて無いんじゃないですか?」

中「小林さんがお店を閉店することにした最も大きな理由は何ですか?」

小「体力的な問題です。自分がお店に出なければならないような経営状態が悪いのでしょうが、それにしても体力、精神力共に擦り減らしてしまいました」

中「でも、まだお若いと思いますが?」

小「今はまだ頑張れますが、将来もずっとこのままだと思うと、もう無理でした。いずれは店を譲りたいと思えるような人を育成できなかったのも自分の責任です」

中「事業承継ですね。難しい問題です」

小「はい。誰かにお店を任せるということをやってみた時期もありましたが、上手くいかなかったんです。どうしても売り上げが伸びない。景気のせいもあるかもしれませんが、ゲイバーが出会いの場として新鮮なものでなくなってしまっていますし、ゲイバーも潰れる店があれば、新規に開業する店もそれなりにあります。お客様にとっては、ゲイバーの選択肢はけっこうあって、その中での競争ですから、気が休まりません」

中「これからどうするのですか?」

小「原点に立ち戻って、料理人としての人生に転換していきたいと考えています。少ないですけど、新しい夢にチャレンジする資金もできましたので、第2の人生に向けて頑張ります」

中「チャレンジする心、素晴らしいですね。是非、頑張って下さい。成功を心からお祈りします」

小「ありがとうございます」

中「こちらこそ、ありがとうございました」

12:01 | nakahashi | 元ゲイバーオーナーに聞く(ある対談・23) はコメントを受け付けていません
2012/06/01

レズビアンの加奈さん(仮名・26歳)は、パートナーの智子さん(仮名・24歳)と同棲生活を始めました。

東京と大阪の遠距離恋愛でスタートした二人の関係は、交際2年目に大阪の智子さんが加奈さんの東京のマンションに引っ越して、同棲生活へと移行したのでした。

同棲生活を始めて間もないある日、二人はまだ片付けの終わらない智子さんの引っ越し荷物を一緒に整理していました。

そして、たまたま加奈さんが手にしたのは、智子さんのアルバムでした。

何気なくそのアルバムを開けてみると、今より少し若いころの智子さんの姿が写っています。加奈さんは興味津津にそのアルバムをめくっていくと、1人の女性とのツーショット写真がいくつか出てきました。大変仲の良い様子で、お互いの顔を密着させたり、温泉旅行やテーマパークへ一緒に出かけたと思われる写真等がありました。

「この人が元カノかぁ」加奈さんは、話には聞いていた元カノの写真を目にしたのでした。

そして、写真の中には二人のキスシーンなどもあり、加奈さんは、だんだんと気分を害していきました。

たまたま他の部屋に行っていた智子さんが戻ってきて、アルバムを手にして突っ立っている加奈さんに「どうしたの?」と声をかけました。

加奈さんは、過去の事だとはわかっていても、元カノの写真を発見してしまって気分を害した事、なぜ元カノの写真を今でも保管しているのかという事、元カノに未練があるのではないかという事を、智子さんに吐き出すようにして言葉をぶつけました。

智子さんから帰ってきた返事は、元カノとの思い出の物は全部捨てたと思っていたが、たまたま残っていたアルバムを加奈さんが発見してしまったので、それは、すぐに処分するというものでした。そして、未練などは一切なく、別れてからは連絡を取ったこともないし、二度と会うことはないと言うのです。

智子さんの説明を聞いて、加奈さんの動揺は少しは治まりましたが、どうも釈然としません。ふとした瞬間に、智子さんが元カノとラブラブ状態で写っていた写真の事が脳裏に浮かんで、怒りというか、悲しみというか、まるで現在進行形で浮気でもされているような気分になるのでした。

過去に嫉妬する自分はおかしいと思いながらも、その気持ちを上手く整理することができずに、レインボーサポートネットへ相談のメールを寄せられたのでした。

さて、実は、この加奈さんのような相談は少なくありません。

加奈さんの場合は、彼女の元カノの写真を発見しただけでしたが、他の方の相談では、彼女(彼氏)が、元カノ(元カレ)と友達として頻繁に会っているのが嫌だというものがありました。

どういう事かというと、ビアンバー(ゲイバー)で知り合ったカップルが別れた場合、そのバー通いだけはそれぞれ止められず、新しい恋人ができても、そのバーに通い続けるので、バーの中で元恋人に再会しているという状況です。そして、別れた元恋人とは友達になっていて、恋人ではなく友達関係は継続しているという場合です。

恋人の過去の人への嫉妬は、アリかナシか?

相談者の一番の希望は、『嫉妬心の処理の方法を教えて欲しい』というものです。

中には、嫉妬心を持つこと自体に罪悪感を感じていて、嫉妬をする自分を責めてしまっている場合もあります。悪いことと思っているのに、嫉妬心を拭い去ることはできずに困っているという状態なわけです。

さて、嫉妬心というのは、自然に湧き上がってくる感情なわけで、それを感じてしまう事自体を防ぐ事はおそらく不可能なのでしょう。

恋人への嫉妬は、愛情への裏返しでもあります。それだけ相手の事を愛しているという証拠でもあります。

度を超えた束縛や嫉妬で、実際に恋人を傷つけてしまうことは大いに問題ですが、内心の段階で止まっているのであれば、それは許されるものでしょう。

嫉妬心の処理の方法としては、そういう感情を抱いているという事を、穏やかに恋人に相談してみることで、かなり解決できます。

嫉妬心を抱いた人だけの問題にせずに、カップル2人の問題としてとらえて、そのカップルなりの解決方法を見つけるということです。

それでも解決できないときは、お互いの価値観などの考え方の違いを再認識するわけで、それが原因で別れが訪れることはあり得るでしょう。

人は、過去の経験を踏まえて現在があるわけで、未来志向的な言い方をすれば、過去の事は問わずに、今の二人の関係を築いていく心構えが必要です。

しかし、過去を知って今を疑うような状況から抜け出せないときは、未来に向けた関係を諦める(別れる)覚悟も必要でしょう。

過去へのこだわりを持ち続けるのか、未来に向けて今これからを見ていくのか、この選択は自分自身でしなければなりません。

過去への嫉妬はアリだと思いますが、その事を今現在の二人の関係にどの程度影響させるかは、当事者自身に課された試練です。

相手の全てを自分のものにしたいという支配欲・独占欲は、強度な愛情の裏返しでもありますが、戻ることのできない過去の事実に関しては絶対的に及ぶことのできないことなのです。

自分の力ではどうすることもできないから、そのこと自体がストレスになり、恋人の過去の事実の存在へのショックとも相まって、嫉妬の炎は燃えるわけです。

恋人と話し合う等のコミュニケーションと、二人で過ごしていく時間の経過の二つをもって解決するしかない問題です。

それほど人を好きになるのは、素晴らしいことでもありますね。ただ、自分勝手な恋愛はNGです。悩める恋人たちに、永遠の幸せが訪れる事を祈っています。

12:01 | nakahashi | 過去への嫉妬はアリかナシか? はコメントを受け付けていません
2012/05/18

今月は同性婚に関する大きなニュースが2つ飛び込んできました。

一つは、アメリカのオバマ大統領が同性婚を支持する声明を発表したというニュース。

このニュースは、秋の大統領選挙を意識した政治的なアピールであるとみる人が多いようですが、オバマ大統領は就任演説でセクシャルマイノリティに触れる発言をしたことからもわかるように、親LGBT的なスタンスをとっているので、今回の同性婚支持の声明はある程度予想できたことかもしれません。

アメリカでは、州によっては、同性婚制度を法制化している所もありますが、全米で導入されているわけではありません。オバマ大統領がどこまでの本気度で同性婚制度の構築に取り組んでいくのか、今後の推移が気になるところです。

さて、二つ目のニュースは、東京ディズニーランド(ホテル)において、同性婚の挙式を行うことが可能になったというものでした。

日本では法律上、同性婚は認められていません。禁止されているという趣旨ではなくて、法律の想定外です。ですから、ここでいう同性婚というのはセレモニー的な意味のものに限ったことです。挙式を行ったからといって、法律上の手続(婚姻届の提出)ができないので、法的な夫婦になれるわけではありません。

しかし、レインボーサポートネットにも、同性婚をするので、挙式の際に使用する「結婚誓約書」等の作成のご依頼が時折寄せられます。法的な効力を求めることはできないので、その点は十分に理解して頂いたうえで書面を作成しています。

中には、その誓約書を掲げて、挙式の前撮り写真を撮ったり、人前式の最中に誓約書読み上げて署名するパフォーマンスをしたりと、当事者の皆さんにとっては大変意味のある書面として扱って頂いております。

今回の東京デイズニーランドの件は大きく報道されましたが、実は既に各地の結婚式場やホテルなどにおいて、同性カップルによる挙式や披露宴の開催に応じるところが現れ始めています。

レインボーサポートネットでは、こうした冠婚関連企業に対しても、LGBTの皆さんの接遇に関するセミナーや教育訓練を行っていますが、やはり様々な事情を抱えるお客様を相手にする職業柄か、スタッフの飲み込みは大変早く、理解度も非常に高いです。

東京ディズニーランドのような有名なところで、こうしたビジネスへの取り組みがニュースにされると、おそらく追随してくるサービス関連事業者も多く出るのではないかと思います。

4兆円規模はあると思われる我が国のLGBT市場、手付かずの眠れる財宝に気付いた方も多いニュースだったのかもしれません。

同性婚やそれに準じた法制度が日本にも創設されるきっかけは、ビジネス界のLGBTというカテゴリーの顧客獲得合戦で生じる各種サービスからの後押しであるのかもしれません。

法的な結婚ではないけれど、同性婚の挙式を行ったカップルが増えてくれば、その既成事実自体が、法的な結婚への道を切り開いていく可能性は十分にあるでしょう。

ただ注意が必要なのは、同性カップルが皆結婚をしたいと考えているとは限らないということです。男女のカップルであっても結婚するとは限らないのと同じです。

LGBTの皆さんにとって、同性婚制度を歓迎する意見が多いのか少ないのか、そしてそれぞれの理由は何なのか、非常に興味深いことです。

ともあれ、挙式行いケジメをつけて新たな人生の旅立ちを迎えようとするカップルには、セクシャリティの区別を問わず、心から祝福を送りたいと思います。

12:03 | nakahashi | 同性婚、始まる!? はコメントを受け付けていません
2012/05/04

「浮気がバレました!!」「浮気がバレそうです(泣)」
切羽詰まった文面でのメール相談が寄せられることがあります。
浮気をしてしまった方からの相談にどのように答えるのか、意外と難しいものです。

まず、①浮気相手との関係を清算した上で、恋人と関係を続けたいか否か? ②浮気相手と恋人は面識があるか? ③浮気の期間・頻度 の3点について詳しく伺います。
『浮気』と表しているということは、本気ではないわけですよね。
だから、発覚すると後悔して狼狽する。
悪い事とは分かっていたが…。言い訳、後悔、懺悔、弁解、逆切れ、開き直りなど、訪れたピンチをあの手この手で乗り越えようと必死です。

浮気発覚後も恋人との関係を続けたいと思う人(浮気した側)は、結構多いです。
しかし、恋人がそれを受け付けないので、相談をしてきたというパターン。
自業自得と突き放すのは簡単ですが、それもわかってあえて相談されているのでしょうから、少ない可能性を最大限広げれるようにこちらも全力で相談に応じます。
とにかくまず謝ること。決して弁解や逆切れはせずに。必要なら距離や時間を空けること。焦らないことが肝要です。

恋人との浮気発覚時までの関係性も重要です。
夫婦のように生活を共にして「お互いに居ることが当たり前」のような状態の人、実は既婚者な人、恋人関係が破綻寸前だった人など、様々な状況に応じたアドバイスが必要になります。

おそらく、バレることを前提に浮気をする人はいないでしょう。
「バレない」と思って浮気をするわけですから、バレてしまったという現実自体を受け入れることが出来ていない相談者もいます。
まずは、自分の置かれた現状を理解してもらわなければなりません。
自分が『加害者・悪者』であること。許してもらえるか否かは別として、恋人に対して誠心誠意、謝罪をしなければならないということ。恋人に去られても文句を言える立場にないということ。

また、浮気相手に対するフォローが必要な場合もあります。
それは、①浮気相手が浮気だとは知っているものの、略奪系の意図を持っており、浮気発覚後も関係を続けようとする場合。②浮気相手が浮気だということを知らず本気で付き合っていた場合。などです。
②に至っては、いわゆる二股状態なわけですが、中には三股やそれ以上といった呆れた相談者もいます。

人を傷つける行為をしていて、自分だけ傷つきたくないという身勝手な人は非常に多いのだと感じることがあります。
皆、自分自身は可愛いのです。それは大前提なのかもしれません。
その上で、可愛い自分のためなら、他人を犠牲にしても良いという独自理論の持ち主が増えているような気がします。

ただ、自分が浮気をしている場合、自分もパートナーから浮気をされているという可能性が高いということを忘れてはいけません。
インターネットを軸にした様々なITツールのおかげで、見知らぬ人と気軽にやり取りをして出会うことが簡単になったこの時代、恋人やパートナーといった自分に近しい人間関係の在り方自体が、もしかすると変化しているのかもしれません。
特定の人とずっと人生を共にするという考え方は、出会いの機会が増えれば増えるほど、限られた人生の「時間」を有意義に過ごすことの障害にすら思えてしまう人がいるのかもしれません。
ゲイやレズビアンは、結婚という制度に縛られないため、恋人との関係性は、ヘテロセクシャル(異性愛者)よりも脆弱な基盤の上に成り立っています。
しかしそれは、真に愛情だけで繋がる関係だとも言えるでしょう。
浮気相談は『愛』を真剣に考えてもらうための相談でもあります。

12:01 | nakahashi | 浮気相談 はコメントを受け付けていません
2012/04/20

今回は、バイセクシャルの京子さん(28歳・仮名)と中橋の対談です。

中「京子さんはバイセクシャルだそうですが、自分自身でそうだと気付いたのはいつですか?」

京子「大学生の時ですね。それまではレズビアンだと思っていました」

中「何かきっかけがあったのですか?」

京子「私はスポーツ少女で、高校生まではボーイッシュな女の子でした。学校も女子高に行ってて、そういう環境からか女子からモテて、高校時代に初めて彼女らしい彼女ができました。男子とは何ら接点がなかったというか、思春期にスポーツばかりしていたせいか、男子と恋愛する環境にはなかったのです。それが大学に入って、スポーツ漬けの生活を卒業し、男子も身の回りに多く存在する環境になって、自分自身もボーイッシュなイメージからイメチェンして女の子らしいというか、普通に女子大生をするようになって、サークル活動を通じて初めて彼氏が出来ました。でも、半年ほどで別れて、すごく好きだった彼氏なんですけど振られちゃって、次に付き合ったのは女性でした。そんなことを25歳くらいまでは数カ月単位で繰り返していたような感じです」

中「ということは、高校時代までの環境が、京子さんを一時的にレズビアンにしたということですか?」

京子「環境のせいばかりではないと思いますけど、女子からの告白を受け入れてしまうわけなので、それは自分の本能的な部分にビアン的な要素が備わっていたんだと思います」

中「男性とも女性とも同じように恋愛が出来るのですか?」

京子「私の場合は、男性と女性それぞれのいいところを欲しいといった我がままさがあって、男性に無い部分と、女性に無い部分を、反対の性別の人と付き合っている時に欲してしまって、それで恋愛が長続きしないんです」

中「確かにわがままですね(焦) 無い物ねだりというやつではないですか?」

京子「はい。でも、男性と女性の両方の良さを知っていますので、偏ってしまうことで物足りなさを感じてしまうというジレンマがあります」

中「先ほど、25歳くらいまでは、彼氏と彼女をトッカエヒッカエしていたようなことを仰っておられましたが、今はどうなんですか?」

京子「ここ3年近くは恋人がいません。恋愛に疲れたというか、年齢的な問題というか、安易な恋愛ができないんです」

中「それはどうして?」

京子「20代後半というのは、『結婚』を強く意識します。男性とお付き合いをするのはもちろん、女性とお付き合いするとしても、自分自身の将来についてどうなるんだろうという漠然とした不安というか疑問というかモヤモヤ感があって、相手に対して真剣になれないような気がして一歩前に踏み出せないんです」

中「う~ん。やはりちょっと我がままだったり贅沢な悩みであるような気がしますが・・・。京子さんは結婚したいのですか?」

京子「幸せな結婚ならしたいですね自分の子供は欲しいです」

中「それは男性とってことですよね?」

京子「そういうことになりますね。なかなか理解してもらえないとは思いますが、一度は結婚して家庭を持ちたいです。子供も」

中「結婚適齢期を意識するばかりに、女性への気持ちを抑えられるのですか?」

京子「無理して抑えている面もあるかもしれません。でも、女性には出産可能な時期が限られていますし、早くしないといけないという焦りもあるんです」

中「結局、そういうことを考え過ぎるために、今は容易に恋愛出来なくなっているわけですね」

京子「そうなんでしょうね。結婚も出産も諦めれば、恋愛に前向きになれるのかもしれませんけど」

中「京子さんの中では、結婚⇒出産が人生の中期的な目標であるように聞こえます。それならそうで、男性のパートナーを早く見つける努力をすべきではありませんか?悩んでいても時間だけが過ぎるだけで、気が付けば適齢期を過ぎちゃうのではないですか?」

京子「厳しいですね~。わかってはいるのですけど、諸々の未練というか、結婚⇒出産という生き方が自分にとって果たして良いのかどうなのかが分からないのです」

中「先を見過ぎているような気もしますよ。まずは相手探しではありませんか?」

京子「ですよね。自分にとって良いのはどういう選択肢なのかという事を考え出すと、堂々巡りの思考に陥ってしまうのです」

中「京子さんの今の悩みは、バイセクシャルに限った事ではなくて、結婚適齢期にある全ての人に共通な悩みだと思いますよ。ただ、バイセクシャルの場合、セクシャルマイノリティとしての側面と、ヘテロセクシャル(異性愛者)の側面をも持ち合わせているわけで、その振幅の大きさが、迷いや悩みに反映してしまうのでしょうね」

京子「バイセクシャルの悩みを少しはご理解いただけましたか?」

中「理解できる部分と、そうでない部分が正直あります。ただ、迷ってばかりでは先に進めませんよ。時間は確実に過ぎていきます。自分の生き方をよく考えた方がいいでしょう。自分にとって幸せとは何なのかをじっくりと考えるべきだと思います」

京子「そうですね。最後は自己責任ですからね。自分の正直な気持ちを自分自身で探ってみることから頑張ってみます」

中「1人で生きていきたいのでなければ、男性でも女性でも、人生の伴侶となれる人を頑張って見つけて下さいね」

京子「結果的に1人で生きていくことになるかもしれませんが、今はパートナー探しを頑張ります」

中「今日は、ありがとうございました」

12:01 | nakahashi | 結婚適齢期のバイセクシャル(ある対談・22) はコメントを受け付けていません
2012/04/06

性別変更の手続を済ませた男性(誕生時の身体的性別は女性)が、女性と結婚し夫婦となり、妻である女性がAID(非配偶者間人工授精)を利用して妊娠出産し、その子供の父親として夫を出生届に記載して役所に提出したところ、その記載は認められないとして退けられたという出来事があります。

実は、このケースは珍しいものではありません。以前から試みたことのあるカップルは複数ありました。最近大きく報道されたケースは、裁判に訴えたからだと思われます。

さて、手続面を詳しく解説してみましょう。

出生届は、子供が誕生後14日以内に役所へ届け出なければなりません。出生届は出生証明書とセットになっており、この出生証明書には出産に立ち会った医師などが母親の氏名などを記載して出生を証明するのですが、父親を記載する欄はありません。父親の氏名は出生届に届出者が記載するのです。つまり、母親の証明は医師などが行う(出産した女性の氏名を書くだけですから当たり前に母親であると証明できます)のですが、父親であるという証明は特になくて、出生届の父親欄に記載された人が、父親として戸籍に記載されることになります。

このことから、何らかの理由で真実は父親ではないのに、出生届に父親として名前を記載してしまうという行為が行われています。

具体的には、①妻の不倫で生まれた子供の父親を夫として届出した例 ②夫が不妊症であるのでAID(非配偶者間人工授精)を行い出産の後、夫を父親として届出した例などがあります。

特にAIDに関しては、かなり以前から多くの届出が行われています。

こうした届出は、生物学的に父親でない人物を父親として公簿である戸籍に記載させる行為であり、公正証書原本不実記載罪に該当する可能性が高いと言えます。

しかし、実際に摘発されたという例は聞きません。

生まれつき男であるならば、不妊症等で生殖能力がなかったとしても、父親と記載することが黙認されてしまうという現実があります。もちろん、役所側がそれを確かめる手段がないということも忘れてはいけません。

性別変更を行っているということは、現行の制度では、生殖機能を失っているということになっています。それは、戸籍により性別変更の履歴が残るので、役所としては簡単に把握する事が出来ます。ゆえに、父親として出生届に記載することを拒否されるわけです。

あくまでも、出生届に記載される父親は、その子供の実の父親でなければならないのです。

AIDというのは、男性不妊症の方にとっては、子供を持つ唯一の手段かもしれません。しかし、そこに実親子関係を認めるのは違和感があります。

子供にとって「実親」とは、やはり自分の遺伝子の源となる男性と女性であって、自分のルーツを知る権利を不当に奪ってはならないのです。

法律上の親子になる方法であるならば、養子縁組という方法もあります。戸籍上の続柄を気にするばかりに、子供の知る権利を不当に侵害したり、虚偽の情報で出生を装ってはならないのではないでしょうか?

「親になりたい」という気持ちは理解できます。しかし、偽りの実親となることが許されるわけではないはずです。戸籍に拘らず、気持ちで実の親と思ってもらえるような関係を築くことの方が重要であると思います。

今のような出生届の盲点は改善されなければなりません。父性の証明のためには、DNA鑑定を出生届時に取り入れても良いのではないでしょうか?

私はLGBTが子供を持つ事に決して否定的なわけではありません。ただ、真実を歪めるような行為によって、子供のルーツを知る権利の侵害や手続の形骸化を危惧しているのです。

子を持つことは、いわゆる「権利」ではないと私は思います。事実行為としての「現象」だと思うのです。だからこそ、自然の摂理に反してはならないのではないでしょうか?

12:15 | nakahashi | 子を持つ「権利」? はコメントを受け付けていません
2012/04/06

性別変更の手続を済ませた男性(誕生時の身体的性別は女性)が、女性と結婚し夫婦となり、妻である女性がAID(非配偶者間人工授精)を利用して妊娠出産し、その子供の父親として夫を出生届に記載して役所に提出したところ、その記載は認められないとして退けられたという出来事があります。

実は、このケースは珍しいものではありません。以前から試みたことのあるカップルは複数ありました。最近大きく報道されたケースは、裁判に訴えたからだと思われます。

さて、手続面を詳しく解説してみましょう。

出生届は、子供が誕生後14日以内に役所へ届け出なければなりません。出生届は出生証明書とセットになっており、この出生証明書には出産に立ち会った医師などが母親の氏名などを記載して出生を証明するのですが、父親を記載する欄はありません。父親の氏名は出生届に届出者が記載するのです。つまり、母親の証明は医師などが行う(出産した女性の氏名を書くだけですから当たり前に母親であると証明できます)のですが、父親であるという証明は特になくて、出生届の父親欄に記載された人が、父親として戸籍に記載されることになります。

このことから、何らかの理由で真実は父親ではないのに、出生届に父親として名前を記載してしまうという行為が行われています。

具体的には、①妻の不倫で生まれた子供の父親を夫として届出した例 ②夫が不妊症であるのでAID(非配偶者間人工授精)を行い出産の後、夫を父親として届出した例などがあります。

特にAIDに関しては、かなり以前から多くの届出が行われています。

こうした届出は、生物学的に父親でない人物を父親として公簿である戸籍に記載させる行為であり、公正証書原本不実記載罪に該当する可能性が高いと言えます。

しかし、実際に摘発されたという例は聞きません。

生まれつき男であるならば、不妊症等で生殖能力がなかったとしても、父親と記載することが黙認されてしまうという現実があります。もちろん、役所側がそれを確かめる手段がないということも忘れてはいけません。

性別変更を行っているということは、現行の制度では、生殖機能を失っているということになっています。それは、戸籍により性別変更の履歴が残るので、役所としては簡単に把握する事が出来ます。ゆえに、父親として出生届に記載することを拒否されるわけです。

あくまでも、出生届に記載される父親は、その子供の実の父親でなければならないのです。

AIDというのは、男性不妊症の方にとっては、子供を持つ唯一の手段かもしれません。しかし、そこに実親子関係を認めるのは違和感があります。

子供にとって「実親」とは、やはり自分の遺伝子の源となる男性と女性であって、自分のルーツを知る権利を不当に奪ってはならないのです。

法律上の親子になる方法であるならば、養子縁組という方法もあります。戸籍上の続柄を気にするばかりに、子供の知る権利を不当に侵害したり、虚偽の情報で出生を装ってはならないのではないでしょうか?

「親になりたい」という気持ちは理解できます。しかし、偽りの実親となることが許されるわけではないはずです。戸籍に拘らず、気持ちで実の親と思ってもらえるような関係を築くことの方が重要であると思います。

今のような出生届の盲点は改善されなければなりません。父性の証明のためには、DNA鑑定を出生届時に取り入れても良いのではないでしょうか?

私はLGBTが子供を持つ事に決して否定的なわけではありません。ただ、真実を歪めるような行為によって、子供のルーツを知る権利の侵害や手続の形骸化を危惧しているのです。

子を持つことは、いわゆる「権利」ではないと私は思います。事実行為としての「現象」だと思うのです。だからこそ、自然の摂理に反してはならないのではないでしょうか?

12:15 | nakahashi | 子を持つ「権利」? はコメントを受け付けていません
2012/04/06

性別変更の手続を済ませた男性(誕生時の身体的性別は女性)が、女性と結婚し夫婦となり、妻である女性がAID(非配偶者間人工授精)を利用して妊娠出産し、その子供の父親として夫を出生届に記載して役所に提出したところ、その記載は認められないとして退けられたという出来事があります。

実は、このケースは珍しいものではありません。以前から試みたことのあるカップルは複数ありました。最近大きく報道されたケースは、裁判に訴えたからだと思われます。

さて、手続面を詳しく解説してみましょう。

出生届は、子供が誕生後14日以内に役所へ届け出なければなりません。出生届は出生証明書とセットになっており、この出生証明書には出産に立ち会った医師などが母親の氏名などを記載して出生を証明するのですが、父親を記載する欄はありません。父親の氏名は出生届に届出者が記載するのです。つまり、母親の証明は医師などが行う(出産した女性の氏名を書くだけですから当たり前に母親であると証明できます)のですが、父親であるという証明は特になくて、出生届の父親欄に記載された人が、父親として戸籍に記載されることになります。

このことから、何らかの理由で真実は父親ではないのに、出生届に父親として名前を記載してしまうという行為が行われています。

具体的には、①妻の不倫で生まれた子供の父親を夫として届出した例 ②夫が不妊症であるのでAID(非配偶者間人工授精)を行い出産の後、夫を父親として届出した例などがあります。

特にAIDに関しては、かなり以前から多くの届出が行われています。

こうした届出は、生物学的に父親でない人物を父親として公簿である戸籍に記載させる行為であり、公正証書原本不実記載罪に該当する可能性が高いと言えます。

しかし、実際に摘発されたという例は聞きません。

生まれつき男であるならば、不妊症等で生殖能力がなかったとしても、父親と記載することが黙認されてしまうという現実があります。もちろん、役所側がそれを確かめる手段がないということも忘れてはいけません。

性別変更を行っているということは、現行の制度では、生殖機能を失っているということになっています。それは、戸籍により性別変更の履歴が残るので、役所としては簡単に把握する事が出来ます。ゆえに、父親として出生届に記載することを拒否されるわけです。

あくまでも、出生届に記載される父親は、その子供の実の父親でなければならないのです。

AIDというのは、男性不妊症の方にとっては、子供を持つ唯一の手段かもしれません。しかし、そこに実親子関係を認めるのは違和感があります。

子供にとって「実親」とは、やはり自分の遺伝子の源となる男性と女性であって、自分のルーツを知る権利を不当に奪ってはならないのです。

法律上の親子になる方法であるならば、養子縁組という方法もあります。戸籍上の続柄を気にするばかりに、子供の知る権利を不当に侵害したり、虚偽の情報で出生を装ってはならないのではないでしょうか?

「親になりたい」という気持ちは理解できます。しかし、偽りの実親となることが許されるわけではないはずです。戸籍に拘らず、気持ちで実の親と思ってもらえるような関係を築くことの方が重要であると思います。

今のような出生届の盲点は改善されなければなりません。父性の証明のためには、DNA鑑定を出生届時に取り入れても良いのではないでしょうか?

私はLGBTが子供を持つ事に決して否定的なわけではありません。ただ、真実を歪めるような行為によって、子供のルーツを知る権利の侵害や手続の形骸化を危惧しているのです。

子を持つことは、いわゆる「権利」ではないと私は思います。事実行為としての「現象」だと思うのです。だからこそ、自然の摂理に反してはならないのではないでしょうか?

12:15 | nakahashi | 子を持つ「権利」? はコメントを受け付けていません
2012/03/23

この季節、レインボーサポートネットに寄せられる相談の中に、年度末特有の相談があります。

Q:息子の仲の良い同級生にゲイの子がいるのですが、また新年度も同じクラスになってしまうと勉強の妨げになるのではないかと心配しています。学校にお願いして別々のクラスになるようにしてもらうべきでしょうか?

Q:転勤の辞令が出て、恋人と離れ離れになりそうです。転勤の辞令を覆す方法はありませんか?

Q:大学進学で地方から都会に出るのですが、年下の恋人が学校を中退してついてくると言っています。親の同意なしに都会で一緒に暮らせますか?

Q:夫がゲイであることは薄々気付いていましたが、この春に夫が定年退職をするのを機に離婚しようと思います。離婚手続と年金分割について教えて下さい。退職金が出たらすぐに離婚手続をしたいです。

出会いと別れの季節であるこの時期特有の相談が寄せられるようになってくると、相談件数は増加していきます。そして、夏にピークを迎え、秋に収束向かい、冬にはグッと減ります。実に不思議な現象です。

さて、上記の相談にもありますが、親が子供の交友関係の中に、LGBTがいることを知り、過剰に心配するというケースがあります。

子供自身は何も問題なく友人として接しているのに、その親が自分の子供に何らかの悪影響があるのではないかと心配してしまうケースです。

ここでいう悪影響というのは、①自分の子供がLGBTになってしまうのではないか? ②自分の子供がLGBTに誘惑されるのではないか? ③自分の子供がディープなLGBTの世界に興味を持って勉強に身が入らないのではないか? なとです。

「LGBTを否定するつもりはないけれど、自分の子供とは関わらないで欲しい」というのです。

若い世代ほど、LGBT当事者と直接の友達であるという人たちが増えてきました。早い人では、中学時代からLGBTの友達がいたという人もいます。今や、自分の周りにLGBT当事者がいるのが当たり前と言ってもいい時代になりました。

子供が知るLGBT当事者は、友達の1人であって、それはたまたま友達がLGBTだったということに過ぎません。LGBTだから友達になったわけではなくて、逆にLGBTだから友達にならなかったわけでもなくて、セクシャリティ云々ではなく、人間同士の交流の成果として友情を他の友人たちと同様に育んでいるのです。

親にしてみると、LGBTと言えば、テレビ番組に出てくる個性の強い面々のことを1番に想起します。非常に強烈な先入観でLGBTをひとくくりにしてしまっているのです。

親が子供を心配するのは当然ですが、子供の交友関係に不要な介入をしようとすることで、逆に子供の健全な人間関係の構築を疎外してしまうケースもあるのではないでしょうか。過保護な親が増えてきているような気もします。子供の方が柔軟に良い対応をしている場合が多いと思います。

年度末という1年の締めくくりの時期、人生の岐路となるこの季節、様々な人生の選択に悩む人々や、新しい環境へと旅立つために過去を清算しようとする人々などからの相談が寄せられています。

12:01 | nakahashi | 年度末の相談に思う はコメントを受け付けていません

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