今回は、バイセクシャルの京子さん(28歳・仮名)と中橋の対談です。
中「京子さんはバイセクシャルだそうですが、自分自身でそうだと気付いたのはいつですか?」
京子「大学生の時ですね。それまではレズビアンだと思っていました」
中「何かきっかけがあったのですか?」
京子「私はスポーツ少女で、高校生まではボーイッシュな女の子でした。学校も女子高に行ってて、そういう環境からか女子からモテて、高校時代に初めて彼女らしい彼女ができました。男子とは何ら接点がなかったというか、思春期にスポーツばかりしていたせいか、男子と恋愛する環境にはなかったのです。それが大学に入って、スポーツ漬けの生活を卒業し、男子も身の回りに多く存在する環境になって、自分自身もボーイッシュなイメージからイメチェンして女の子らしいというか、普通に女子大生をするようになって、サークル活動を通じて初めて彼氏が出来ました。でも、半年ほどで別れて、すごく好きだった彼氏なんですけど振られちゃって、次に付き合ったのは女性でした。そんなことを25歳くらいまでは数カ月単位で繰り返していたような感じです」
中「ということは、高校時代までの環境が、京子さんを一時的にレズビアンにしたということですか?」
京子「環境のせいばかりではないと思いますけど、女子からの告白を受け入れてしまうわけなので、それは自分の本能的な部分にビアン的な要素が備わっていたんだと思います」
中「男性とも女性とも同じように恋愛が出来るのですか?」
京子「私の場合は、男性と女性それぞれのいいところを欲しいといった我がままさがあって、男性に無い部分と、女性に無い部分を、反対の性別の人と付き合っている時に欲してしまって、それで恋愛が長続きしないんです」
中「確かにわがままですね(焦) 無い物ねだりというやつではないですか?」
京子「はい。でも、男性と女性の両方の良さを知っていますので、偏ってしまうことで物足りなさを感じてしまうというジレンマがあります」
中「先ほど、25歳くらいまでは、彼氏と彼女をトッカエヒッカエしていたようなことを仰っておられましたが、今はどうなんですか?」
京子「ここ3年近くは恋人がいません。恋愛に疲れたというか、年齢的な問題というか、安易な恋愛ができないんです」
中「それはどうして?」
京子「20代後半というのは、『結婚』を強く意識します。男性とお付き合いをするのはもちろん、女性とお付き合いするとしても、自分自身の将来についてどうなるんだろうという漠然とした不安というか疑問というかモヤモヤ感があって、相手に対して真剣になれないような気がして一歩前に踏み出せないんです」
中「う~ん。やはりちょっと我がままだったり贅沢な悩みであるような気がしますが・・・。京子さんは結婚したいのですか?」
京子「幸せな結婚ならしたいですね自分の子供は欲しいです」
中「それは男性とってことですよね?」
京子「そういうことになりますね。なかなか理解してもらえないとは思いますが、一度は結婚して家庭を持ちたいです。子供も」
中「結婚適齢期を意識するばかりに、女性への気持ちを抑えられるのですか?」
京子「無理して抑えている面もあるかもしれません。でも、女性には出産可能な時期が限られていますし、早くしないといけないという焦りもあるんです」
中「結局、そういうことを考え過ぎるために、今は容易に恋愛出来なくなっているわけですね」
京子「そうなんでしょうね。結婚も出産も諦めれば、恋愛に前向きになれるのかもしれませんけど」
中「京子さんの中では、結婚⇒出産が人生の中期的な目標であるように聞こえます。それならそうで、男性のパートナーを早く見つける努力をすべきではありませんか?悩んでいても時間だけが過ぎるだけで、気が付けば適齢期を過ぎちゃうのではないですか?」
京子「厳しいですね~。わかってはいるのですけど、諸々の未練というか、結婚⇒出産という生き方が自分にとって果たして良いのかどうなのかが分からないのです」
中「先を見過ぎているような気もしますよ。まずは相手探しではありませんか?」
京子「ですよね。自分にとって良いのはどういう選択肢なのかという事を考え出すと、堂々巡りの思考に陥ってしまうのです」
中「京子さんの今の悩みは、バイセクシャルに限った事ではなくて、結婚適齢期にある全ての人に共通な悩みだと思いますよ。ただ、バイセクシャルの場合、セクシャルマイノリティとしての側面と、ヘテロセクシャル(異性愛者)の側面をも持ち合わせているわけで、その振幅の大きさが、迷いや悩みに反映してしまうのでしょうね」
京子「バイセクシャルの悩みを少しはご理解いただけましたか?」
中「理解できる部分と、そうでない部分が正直あります。ただ、迷ってばかりでは先に進めませんよ。時間は確実に過ぎていきます。自分の生き方をよく考えた方がいいでしょう。自分にとって幸せとは何なのかをじっくりと考えるべきだと思います」
京子「そうですね。最後は自己責任ですからね。自分の正直な気持ちを自分自身で探ってみることから頑張ってみます」
中「1人で生きていきたいのでなければ、男性でも女性でも、人生の伴侶となれる人を頑張って見つけて下さいね」
京子「結果的に1人で生きていくことになるかもしれませんが、今はパートナー探しを頑張ります」
中「今日は、ありがとうございました」