世の中に『割り切った関係』という名のもとに、浮気を正当化しようとする人が少なからず存在します。
この「割り切る」とは、どういうことでしょうか?
一番大切な人とは別に、肉体関係だけを持つことを自分の倫理観の中で許容するという思考回路の構築を意味するのでしょうか?
あくまで浮気の領域を出ないという前提を当事者同士が持つことを意味するのでしょうか?
そんな都合の良い事がまかり通るとすれば、それは、一番大切な人を裏切ることを許容してしまうことになります。
割り切った関係だから、裏切りにはならないと反論する人もいるでしょう。
でも、そうだとしたら、一番大切な人に、割り切った関係を余所で持っていることを告白し、許してもらった上での話です。
大多数の恋愛は、お互い以外の相手に向けた恋愛行動(性衝動も含む)を制限し束縛し合うことで成り立っています。
お互いがお互いのオンリーワンになることが、恋愛関係の成就の根本にあるわけです。
この時期、暑い夏の浮気がバレて、関係性が破綻寸前のカップルからの相談がよく舞い込みます。
浮気した方は、どうやったら許してもらえるかを問い、浮気された方は、どうにかして懲らしめる方法を問います。
浮気が発覚してしまうと、割り切った関係だったから許してくれ!というのは、どうも通用しづらいようです。
浮気へ一歩踏み込む時の自分自身への言い訳が「割り切った~」なだけで、それは行動を正当化する魔法の言葉にはなり得ません。
結局のところ、恋愛関係を維持していくためには、根本にお互いの信頼関係が必要です。
付き合いが長くなればなるほど、お互いのことを良く知り、信頼関係も深まってきますが、1度でも裏切ると、せっかく長い時間かけて構築してきた信頼関係はいとも簡単に破綻してしまいます。
割り切った関係を正当化しようとする人ほど、単に自分大好きのわがままな人であったりします。
欲望のままに生きるなら、特定の恋人は作らない方が幸せでしょう。
あるいは、全てを受け入れてくれるような数少ない理解者を恋人に持つべきでしょう。
「バレなければいいや」という風潮。ちょっと多すぎるような気がします。
暑い夏は終わりました。これから寒くなりますが、恋の炎で2人の関係を暖める大切な季節になります。
レズビアンの遥さん(仮名・30歳)は、ある夏に留学先のアメリカから帰国しました。
遥さんには、アメリカに彼女がいましたが、留学の期間が終了し、その後、アメリカに留まる事が出来なくなったので、後ろ髪を引かれる思いで帰国したのでした。
今後は、アメリカでの就職先を何とか見つけて、また彼女の元に戻りたいと考えていました。
遥さんが帰国後、遥さんの両親は遥さんに2つの選択肢を突き付けました。それは、①就職活動をすること。②婚活をすること。
なるべく早くアメリカの彼女の元に戻りたい遥さんにとっては、どちらの選択肢も受け入れがたいものでした。
そこで、婚活をすると宣言して、アルバイトをしながらアメリカへの渡航費用を貯めることにしました。
遥さんは、両親にカミングアウトをしていなかったので、遥さんの両親は遥さんの婚活宣言を信じたのでした。
遥さんは、半年ほどアルバイトをしながら、渡航費用を貯金し、家出覚悟でアメリカへ渡るつもりでした。
ところが、帰国して3ヵ月が経った頃、アメリカの彼女から別れを告げられたのでした。別れの理由は「2人の将来に希望が持てない」というものでした。
遥さんは説得を試みましたが、一時旅行でアメリカへ行く費用も持ち合わせていなかった遥さんには、説得の手段が限られていました。電話やメールで何度も連絡をしましたが、遥さんの彼女の別れの意思は強く、2人の別れは決定的なものになりました。
それ以来、遥さんは、何をやってもやる気が起きず、鬱気味な日々を送るようになりました。
そんな中、遥さんにお見合い話が持ち上がりました。お相手は、遥さんの父親の友人の息子さんでした。このお見合いで、お相手の男性は遥さんのことを気に入り、結婚を前提にお付き合いをして欲しいとの申し入れをしてきました。心の拠り所であった彼女を失った遥さんは、半ば自暴自棄気味に、この申し出を受け入れ、あれよあれよという間に結婚式の段取りをするようにまでになりました。
遥さんは、結婚式の準備に取り組む忙しさで、自分の心の隙間を埋めようとしたのか、不本意なはずの結婚のためのセレモニーを完璧なものにすべく、準備に全力を傾けていました。
そして、結婚式当日、披露宴の席には、アメリカ留学時代の日本人留学生仲間も出席していました。
披露宴の余興で、日本人留学生仲間は、留学先の思い出深い場所をビデオに撮った映像を披露しました。
その映像に写った留学先の様々な光景には、遥さんが彼女と一緒に歩き、食事をし、アルコールを飲み、ショッピングを楽しんだ場所も含まれていました。遥さんは、日本人留学生仲間にもカミングアウトはしておらず、彼女のことは友人として紹介していた程度でした。
何も知らない留学生仲間は、全く悪気なく、遥さんがアメリカに留学して多くのことを学んだ才女であるという事実を披露宴の出席者に知らしめると共に、自分たちとの楽しい思い出を遥さんに振り返ってもらおうという意図しかありませんでした。
映像を見た遥さんの目からは、次々に大粒の涙が流れます。ほどなく嗚咽しはじめ、取り乱し始めます。
最初は、感動のあまりにそのような状況になっていると誤解されていましたが、あまりにも取り乱し方が異常なので、新郎や会場のスタッフから「大丈夫?少し休もうか?」と声をかけられる始末です。
遥さんは、過呼吸のような状況に陥ったところで意識をなくし、披露宴会場から控室へ運ばれた後、救急車で病院へ搬送されました。披露宴会場では、遥さん不在のまま披露宴が進行したのでした。
披露宴から3日後、遥さん、婚約を解消すべくレインボーサポートネットに相談を寄せられたのでした。
遥さんは、披露宴から約1カ月後の誕生日を入籍日と決めていて、婚姻届の提出はまだ行っていませんでした。
本件では、婚約不履行(結婚するという約束を守らないこと)の責任は全面的に遥さんにあります。そのことを遥さんにお話ししましたが、遥さんは、そもそもアメリカに再び戻ることを許してくれなかった両親が悪いのだとして、自分の非を一切認めません。新郎に対しては、自分と出会ったのが運命だったのだから、婚約不履行も運命なので、諦めるべきだというのです。
これにはさずがに閉口しました。
結局、披露宴までにかかった結婚準備に関する費用の全てを、遥さんのご両親が支払うことで新郎側が納得してくれました。
遥さんが結婚をしなかった本当の理由は、最後まで露呈することはありませんでした。披露宴での遥さんのあまりに酷い取り乱し具合に、新郎側がドン引きしていたからでした。おそらく、新郎の気持ちも一気に冷めてしまったのでしょう。
実は、この遥さんのような人は、少なくないのです。
そもそも、アメリカ滞在時に、現地の彼女との将来を考えているのならば、留学終了後も引き続きアメリカへ滞在できるように就職先を探しておくとか、それに必要なスキルをきちんと身につけておくとか、自分自身で努力をしておくべきでした。遥さんは彼女から両親に引き離されたわけではなく、自分自身のせいで彼女と別れることになったのです。
「気がついた時にはもう遅い」という人。様々なケースで増えているような気がします。自分に都合の良い解釈ばかりで、大切なタイミングを逃している人が多いです。人生は有限な時間を過ごすことで成り立っています。そして、若い時期はあっという間に過ぎてしまいます。今が良ければ良いという考え方は、悪い今が来てしまった時に脆く崩壊してしまうのです。
レズビアンの遥さん(仮名・30歳)は、ある夏に留学先のアメリカから帰国しました。
遥さんには、アメリカに彼女がいましたが、留学の期間が終了し、その後、アメリカに留まる事が出来なくなったので、後ろ髪を引かれる思いで帰国したのでした。
今後は、アメリカでの就職先を何とか見つけて、また彼女の元に戻りたいと考えていました。
遥さんが帰国後、遥さんの両親は遥さんに2つの選択肢を突き付けました。それは、①就職活動をすること。②婚活をすること。
なるべく早くアメリカの彼女の元に戻りたい遥さんにとっては、どちらの選択肢も受け入れがたいものでした。
そこで、婚活をすると宣言して、アルバイトをしながらアメリカへの渡航費用を貯めることにしました。
遥さんは、両親にカミングアウトをしていなかったので、遥さんの両親は遥さんの婚活宣言を信じたのでした。
遥さんは、半年ほどアルバイトをしながら、渡航費用を貯金し、家出覚悟でアメリカへ渡るつもりでした。
ところが、帰国して3ヵ月が経った頃、アメリカの彼女から別れを告げられたのでした。別れの理由は「2人の将来に希望が持てない」というものでした。
遥さんは説得を試みましたが、一時旅行でアメリカへ行く費用も持ち合わせていなかった遥さんには、説得の手段が限られていました。電話やメールで何度も連絡をしましたが、遥さんの彼女の別れの意思は強く、2人の別れは決定的なものになりました。
それ以来、遥さんは、何をやってもやる気が起きず、鬱気味な日々を送るようになりました。
そんな中、遥さんにお見合い話が持ち上がりました。お相手は、遥さんの父親の友人の息子さんでした。このお見合いで、お相手の男性は遥さんのことを気に入り、結婚を前提にお付き合いをして欲しいとの申し入れをしてきました。心の拠り所であった彼女を失った遥さんは、半ば自暴自棄気味に、この申し出を受け入れ、あれよあれよという間に結婚式の段取りをするようにまでになりました。
遥さんは、結婚式の準備に取り組む忙しさで、自分の心の隙間を埋めようとしたのか、不本意なはずの結婚のためのセレモニーを完璧なものにすべく、準備に全力を傾けていました。
そして、結婚式当日、披露宴の席には、アメリカ留学時代の日本人留学生仲間も出席していました。
披露宴の余興で、日本人留学生仲間は、留学先の思い出深い場所をビデオに撮った映像を披露しました。
その映像に写った留学先の様々な光景には、遥さんが彼女と一緒に歩き、食事をし、アルコールを飲み、ショッピングを楽しんだ場所も含まれていました。遥さんは、日本人留学生仲間にもカミングアウトはしておらず、彼女のことは友人として紹介していた程度でした。
何も知らない留学生仲間は、全く悪気なく、遥さんがアメリカに留学して多くのことを学んだ才女であるという事実を披露宴の出席者に知らしめると共に、自分たちとの楽しい思い出を遥さんに振り返ってもらおうという意図しかありませんでした。
映像を見た遥さんの目からは、次々に大粒の涙が流れます。ほどなく嗚咽しはじめ、取り乱し始めます。
最初は、感動のあまりにそのような状況になっていると誤解されていましたが、あまりにも取り乱し方が異常なので、新郎や会場のスタッフから「大丈夫?少し休もうか?」と声をかけられる始末です。
遥さんは、過呼吸のような状況に陥ったところで意識をなくし、披露宴会場から控室へ運ばれた後、救急車で病院へ搬送されました。披露宴会場では、遥さん不在のまま披露宴が進行したのでした。
披露宴から3日後、遥さん、婚約を解消すべくレインボーサポートネットに相談を寄せられたのでした。
遥さんは、披露宴から約1カ月後の誕生日を入籍日と決めていて、婚姻届の提出はまだ行っていませんでした。
本件では、婚約不履行(結婚するという約束を守らないこと)の責任は全面的に遥さんにあります。そのことを遥さんにお話ししましたが、遥さんは、そもそもアメリカに再び戻ることを許してくれなかった両親が悪いのだとして、自分の非を一切認めません。新郎に対しては、自分と出会ったのが運命だったのだから、婚約不履行も運命なので、諦めるべきだというのです。
これにはさずがに閉口しました。
結局、披露宴までにかかった結婚準備に関する費用の全てを、遥さんのご両親が支払うことで新郎側が納得してくれました。
遥さんが結婚をしなかった本当の理由は、最後まで露呈することはありませんでした。披露宴での遥さんのあまりに酷い取り乱し具合に、新郎側がドン引きしていたからでした。おそらく、新郎の気持ちも一気に冷めてしまったのでしょう。
実は、この遥さんのような人は、少なくないのです。
そもそも、アメリカ滞在時に、現地の彼女との将来を考えているのならば、留学終了後も引き続きアメリカへ滞在できるように就職先を探しておくとか、それに必要なスキルをきちんと身につけておくとか、自分自身で努力をしておくべきでした。遥さんは彼女から両親に引き離されたわけではなく、自分自身のせいで彼女と別れることになったのです。
「気がついた時にはもう遅い」という人。様々なケースで増えているような気がします。自分に都合の良い解釈ばかりで、大切なタイミングを逃している人が多いです。人生は有限な時間を過ごすことで成り立っています。そして、若い時期はあっという間に過ぎてしまいます。今が良ければ良いという考え方は、悪い今が来てしまった時に脆く崩壊してしまうのです。
今回は中橋と、政治家志望のRさん(26歳・ゲイ)の対談です。
中「ここのところ、政治の動きが慌しくなってきましたが、そろそろRさんの出番ですか?」
R「はい。今度の衆院選に出馬を…と言いたいところですが、僕はまだそのステージには立てないです」
中「どうしてですか?」
R「僕は政治家志望ではありますが、今はまだ勉強中です」
中「どういうタイミングで選挙に出るおつもりですか?」
R「出るからには当選したいので、まずは裏方の実務を経験してみようと思っています」
中「裏方というのは、ウグイス嬢みたいな?」
R「それも裏方ですが、秘書とかです」
中「あてはあるのですか?」
R「具体的には無いですが、意外と求人してたりするそうです」
中「Rさんは、既成政党からの出馬を目指しているのですか?」
R「はい。できれば」
中「自分でLGBTの政党を作ってみては?」
R「それも考えたことはありますが、LGBTの皆さんの中にも様々な政治的考えがあり、セクシャルマイノリティであることだけをもって政治的に団結できるわけではないと思うのです。僕は既成政党の内側から、LGBTに対する様々な政策を考えていきたいのです」
中「確かに、LGBTであることだけをもって、全てのLGBTの支持が得られるわけではないでしょうし、LGBTでない人の支持も得ることができなければ、どんな選挙でも勝てないでしょうね」
R「同性婚制度にしても、全てのLGBTが団結して是としているわけではないと思いますし、セクシャルマイノリティの内部でも意見が分かれる事柄が多くあります」
中「Rさんは、どうして政治家を目指そうとしているのですか?」
R「最初は法律家を目指していました。でも、大学で法律を学ぶうちに、LGBTである自分にとって最もやりたいことは、LGBTとして生きていくことがストレスにならない社会を作っていくことだと気がついたのです。法律を使う側じゃなくて、作る側に回りたいと」
中「なるほど。では、Rさんは、自分がゲイであることを公にカミングアウトして選挙に出るのですか?」
R「それはわかりません」
中「なぜ?」
R「仮に、選挙に出る条件が整い、出馬できたとします。この時点でかなり恵まれていると思うのですが、敢えてカミングアウトすることで、得られる支持が得られなくなるのは正直怖いです」
中「では、有権者を欺いて立候補するつもりですか?」
R「セクシャリティについて触れなければ、欺いたことにはならないでしょう」
中「そして当選したとして、実際に政治家になった後はどうするんですか?カミングアウトするの?」
R「ある程度、力のある政治家になれたら、カミングアウトしようと思います」
中「何だかちょっと合点がいかないのですが… セクシャルマイノリティのために政治家になりたいと願うのに、その動機や自分自身がゲイであることは隠し続けるということですよね。それって、有権者にも自分自身にも嘘をついているように聞こえてしまいます」
R「卑怯なのはわかっています。でも信じて欲しいのです。政治家になった暁には、LGBTのための政策を必ずや進めていき、しかるべき時期にカミングアウトします」
中「今の日本では、LGBTであるということをカミングアウトするのは、社会的にはとても不利になるということなんですね」
R「残念ながら、それが現実だと思います」
中「でももしかしたら、既に国会の中にも、セクシャルマイノリティの先生は存在するかもしれませんよ?」
R「本当ですか!?」
中「その人が、セクシャルマイノリティのために活動しているかどうかはわかりませんけど、存在していても不思議ではないでしょう」
R「確かにそうですね」
中「LGBTのための政治家を目指すRさんに是非やって頂きたいのは、LGBTの皆さんの声を集めるという仕事です。LGBT当事者が、政治に何を求めているのかということを、しっかり把握して欲しいのです。そういう調査こそが、今、Rさんのすべきことではないでしょうか?」
R「わかりました。やってみます」
中「総理大臣目指して頑張って下さい」
R「ありがとうございます。がんばります!」
セクシャルマイノリティの数は、人口の3~5%と言われています。
その根拠は諸説あるのですが、有力なのは、海外の国勢調査の際にセクシャリティに関する設問があり、その統計結果を元にしているというのです。
また、学者の中には、人口の10%程度は存在すると主張する人もいて、かなり幅のある状況となっています。
私はわかりやすく説明するために「1クラスに1人はいる計算ですよ」と答えています。
そうすると、「あ~、確かにそういう人いたかも…」と自分自身の過去の記憶を辿り出す人もいます。
ただ最近は少子化のせいで、1クラスの人数も減っており、私のような表現は不適切になってきているのかもしれません。
セクシャルマイノリティが正確に何人いるのかを知ることは、実際には無理でしょう。
もし、そのような調査をしたとしても、今の日本で、正直に調査上のカミングアウトをする人が多いとは思えません。
セクシャルマイノリティの数が、昔よりも今の方が増加しているのではないかという話もよく聞きます。
確かに、レインボーサポートネットに相談を寄せられる相談者は、ご年配の方よりも若い方の方が圧倒的に多いです。
実際に、その総数が増加している傾向はあるのかもしれませんが、それは、セクシャルマイノリティとして生きていく環境が、昔に比べて整っているため、自分のセクシャリティに正直に生きていく人が増えている結果ではないかと推測します。
セクシャルマイノリティの増加といっても、L・G・B・Tのそれぞれについて考えなければなりません。
私が、増加傾向が顕著なのではないかと思うのは、B(バイセクシャル)についてです。
レインボーサポートネットに寄せられる相談には、バイセクシャル本人からの相談というのは少ないのですが、バイセクシャルと関係したゲイやレズビアンの方からの相談は多いです。
バイセクシャルという存在は、ゲイやレズビアンの方からすると、煩わしいものである場合も少なくないのですが、恋愛関係に至り、やがて破局した場合に、その原因に異性の存在があると、ゲイやレズビアンは大きな精神的なショックを受けることになります。
そういうちょっと厄介な存在が増えているのは、最近の若者のセクシャリティ感がとても曖昧な感覚になりつつあるからなのではないかと思うのです。
『どっぷりハマル』という感じではなく、ファッション感覚というか、興味本位というか、少しセクシャルマイノリティの世界を覗いてみるといった感覚の人が増えています。
ただ、セクシャリティの分類の時に、例えば、興味本位で一度だけ同性と肉体関係を持ったような人を、バイセクシャルと定義して良いのかという問題があります。
これに対しては、そもそもヘテロセクシャルならば、同性に興味本位で肉体関係を持つといった行動に出るわけがないという意見がぶつけられます。
しかし、実際の若い人のセクシャリティの悩みに関する相談では、「興味本位で~」とか「成り行きで~」とか「なんとなく~」といった非常に曖昧な動機で一線を越える人もいるわけです。
また、恋愛関係ではなく、肉体関係だけの行動をセクシャリティの分類に反映しても良いのかという問題もあります。
時々、付き合う(恋愛)のは考えられないけど、体は同性を求めてしまうという方がいます。
セックスの対象と恋愛対象が異なるような特殊事例もあるわけです。
前々から書いていることですが、セクシャリティを分類することの意味が、どうも薄れてきてしまっているような気がします。
あるいは、現在のざっくりとした分類ではなく、さらに細かく分類していく必要があるのかもしれません。
しかし、こうした分類は、講学上の便宜のためであり、当事者の福祉を考えたものであるとは、必ずしも言い切れません。
そうすると、純粋なヘテロセクシャル(恋愛対象もセックスの対象も異性であって、生まれつきの性別に違和感のない者)以外の者を全てセクシャルマイノリティとしてしまえば良いのではないかという「大きな括り論」が発生します。
セクシャリティの話は、マイナー事例を取り上げると、非常に複雑で難解なパズルのようになってしまいます。
確固たるセクシャリティを持つ人と、そうでない人が混在するような現在の社会では、統計学的に正確な数字でセクシャルマイノリティを把握するのは無理なのかもしれません。
セクシャリティは、それ自体がある程度曖昧な要素を包含しているということを知って頂きたいと思います。
今回は、レズビアンのミカさん(仮名・17歳)と中橋の対談です。
中「ミカさんは、現在高校生ですが、自分がビアンだということに気付いたのはいつ頃ですか?」
ミカ「中学の頃には、はっきりと気付いていましたね。初めての彼女が出来たのも中学の頃だし」
中「早い方なんですか?恋人ができるのが中学時代ってのは?」
ミカ「全然(笑) 小学生同士の恋人もいますよ普通に。ビアンやゲイって意味じゃなくてですよ。異性同士のカップルって、中学生なんて普通ですよ。ドロドロ恋愛もあったり。高校生なんて、もう、おばさんですよ(爆笑)」
中「おじさんには、考えられない世界です(焦) まぁ、現代っ子は何でも早いんですね。ところで、レズビアンであることを周囲にはカミングアウトしているの?」
ミカ「姉と仲の良い友達には話しています」
中「カミングアウトした時の反応はどうでしたか?」
ミカ「姉からは、親には言うなと言われましたが、姉自身は受け入れてくれましたね。友達は、以前よりもっと仲良くなりました」
中「お姉さんの心配はわかるような気がします。友達は良い人たちで良かったですね」
ミカ「親にはいつか言おうと思っていますが、将来お見合いさせられそうになった時とか…、友達は本当に今の私には最高の宝物です」
中「意地悪な質問かもしれませんが…、ミカさんは、まだ17歳だから、今後もしかしたら、恋愛しても良いかなって思う男性が現れたりすることも否定できないのでは?」
ミカ「自分がビアンだってことは変わらないと思いますよ。興味本位って言ったら相手に失礼かもしれないけど、男子と付き合ったこともあるんです。でもやっぱり無理だった。友達ならいいけど、恋愛は完全に無理。気持ちが全然違うんです。これってもう、生まれつきじゃないかな」
中「そうでしたか(焦) お若いのに達観していらっしゃる(笑) 確かに、ビアンやゲイの方の中には、自分のセクシャリティは生まれつき決まっていたんだと言われる方が多くいらっしゃいます。ミカさんは、経験を踏まえて、自分のセクシャリティに確信を持ったんですね」
ミカ「難しい理屈はよくわからないけれど、同性が好きで、友達じゃなくて、恋人として付き合いたいっていう気持ちが100%正直な気持ちです」
中「若い人に是非聞いてみたいのですが、同性婚についてどう思いますか?」
ミカ「したいです!将来は絶対、好きな人と結婚したいです。何で日本はダメなんですかね。男女は結婚できるのに、どうしてビアンやゲイは結婚しちゃだめなんですか?外国ではできるのに、どうして日本ではダメなんですか?日本は色んなことで外国より進んでると思っていたけれど、どうしてこれは遅れているのでしょう。私が大人になる頃には、結婚できるようになって欲しいです」
中「とても素直で自然な感覚ですね。大人の事情というか、様々な障害はあるのですが、日本でも同性婚やそれに類似した制度は、将来的には必ずできると思います」
ミカ「その時までに、結婚相手をゲットしておきます(笑)」
中「自分のセクシャリティに正直に生きながら、高校生活を謳歌しているミカさんに爽やかさを感じました。楽しい10代を満喫して下さいね。まだまだオバさんではありませんから(焦)」
ミカ「ありがとうございます。そろそろ受験とかで息苦しくなりますが頑張ります!」
中「頑張って下さい。今日はありがとうございました」
ミカ「こちらこそ」
8月2日(木)・3日(金)の午後4時25分から約5分間、RKBラジオの「ウイ ラブ ヒューマン」に出演します。
このラジオ番組は、福岡県の人権啓発番組で、上記の二日間はLGBTについて取り上げられます。
なお、福岡県域でしか聴けませんので、あしからず(焦)
RKBラジオ:福岡:1278kHz/北九州:1197kHz/大牟田・行橋:1062kHz
8月2日(木)・3日(金)の午後4時25分から約5分間、RKBラジオの「ウイ ラブ ヒューマン」に出演します。
このラジオ番組は、福岡県の人権啓発番組で、上記の二日間はLGBTについて取り上げられます。
なお、福岡県域でしか聴けませんので、あしからず(焦)
RKBラジオ:福岡:1278kHz/北九州:1197kHz/大牟田・行橋:1062kHz
今回は、LGBTに限った話ではありません。恋する人々、全員に該当する話です。
恋人同士で写真を撮ることはよくあると思います。日頃の日常から、旅行先の思い出のために名所の前でカシャっと。デジタル1眼の少し大きめのカメラも流行っているので、本格的な人はそういうカメラを使って高画質でカシャっと撮影。携帯・スマホのカメラ機能もデジカメ並みに向上しており、いつでもどこでも簡単に写真を撮ることができる世の中になりました。
そして、撮影した画像は、データとして様々な媒体に保存され、複製や編集も自由自在。本当に便利です。
彼氏(彼女)との様々な思い出を写真に記録するのは、今も昔も変わらないでしょうが、昔のように写真を写真屋さんに現像に出して第三者に見られるわけではないので、門外不出のプライベートショットを撮影して、秘蔵画像として保存する人も多いわけです。
そしてその画像が何らかの理由で流出してしまい、インターネット上の掲示板に掲載されてしまったり、個人情報が漏れてしまったりと、大変な被害をもたらしてしまうことがあります。
恐らく、他人に見られては困るような写真を撮影する瞬間は、まさかその写真が流出するとは思わずに、とても高いテンションで二人の世界を楽しんでいる事でしょう。
流出するパターンとしては、①不注意で流出させてしまった。(コンピュータのウイルス感染や操作ミス、記録メディアの紛失など) ②意図的に流出させた。(別れた後に意趣返しで流出させる。恋人に無断で画像掲示板に投稿するなど)というものが考えられます。
意図的に流出させるのは論外ですが、不注意で流出する可能性は誰にでもあると考えられます。
究極の個人情報とも言うべき自分自身の画像を流出させないためには、そもそも流出して困るような写真は撮らないという事に尽きます。
ところが、いつまで経っても・・・いやむしろ増加傾向にありますが、過去の画像をどうしたら回収できるのかといった相談が寄せられます。
実際に流出していなくても、元カレや元カノが保存しているデータの流出を恐れて、それを回収したいというのです。
フイルムであれば、ネガを回収すれば、ある程度、流出の危険性は消えるでしょうが、データの場合はいくらでも複製が可能なので、データを回収できたとしても、複製データの存在を否定できない以上、安心はできません。
最近は、写真だけではなくて、動画である場合もあります。
撮影する時は、お互いに同意の上で盛り上がっているでしょうから、それも一興として、撮影後はすぐに二人が確認をしながらデータを消去することをお勧めします。
もし、今、この記事を読んで、「もしかして自分も過去にそういう写真を…」と思われた方、そのデータを誰がどのように保存しているのか考えてみて下さい。もし、自分自身が保存しているのなら、惜しくても消去した方が無難です。棺桶の中までデータを持ち込むことはできないわけですから。
昨今は、そうした画像や動画を買い取る業者まで出てきています。
自分の秘蔵画像や動画が、いつの間にか販売されていたら、たまったものではありませんね。
ちょっとした遊び心が、人生を破壊するような大事件になってしまいかねない恐ろしい結果を招いてしまうということを、肝に銘じて下さい。
また、撮影される事が嫌なら、パートナーが撮影を望んでも、毅然とした態度で断る勇気も必要です。
季節は夏。解放的な気分になるこの季節。どうぞお気を付け下さい。
今回は中橋とゲイのカップル(ハジメさん・仮名32歳とマサユキさん・仮名28歳)の対談です。
中「お二人はお付き合いをされてどのくらいですか?」
ハ「4年目になります」 マ「もうそんなになるんだねぇ(笑)」
中「先日、お互いのご両親に関係をカミングアウトされたそうですが、上手くいきましたか?」
ハ「長い伏線はありましたけど、上手くいきました」 マ「事前準備を慎重にしましたからね」
中「事前準備とはどういう伏線だったの?」
ハ「僕らはゲイであること自体を親にカミングアウトしていなくて、まずはそこから考えなければならず、それで、最初はお互いに仲の良い友人という形でそれぞれの親に紹介し、徐々にそれぞれの実家と仲良くなる方法で距離を縮めていきました」
中「でも、そのやり方だと、あくまで仲の良い友達ということで認知されて、ゲイであることやお二人の関係性のカミングアウトがやりにくいのではないですか?」
マ「確かにその懸念はありましたよ。でも、ゲイであるとかいうことではなくて、まずは人間性をみてもらい、人間同士の絆を作った上で、カミングアウトしようと思ったんです」
ハ「見知らぬ人を連れて来て、いきなり、恋人はこの人ですって紹介するよりも良いのではないかと考えました」
中「なるほど。わかり易く言うと、情に訴えるということでしょうか?」
ハ「そうですね」
マ「ゲイは嫌だけど、この人が相手なら仕方がないかって思ってもらえるようにしようと頑張りました」
中「そうすると、伏線はかなり長期計画だったわけですか?」
ハ「長期計画というか、カミングアウトまでの期限は決めていませんでしたので、機が熟したらカミングアウトするということで、それに向けて一歩一歩関係性を築いていきました」
中「具体的にはどのように関係性を築いていったのですか?」
マ「何度も彼の実家に遊びに行き、時には泊まったり、彼の両親を僕の両親に会わせたり、一緒に旅行に行ったりしました」
中「そんなに仲良くなると、逆にカミングアウトしにくいのではないですか?」
ハ「それがそうでもなかったです。両親たちの方が、僕たちの関係をまるで恋人同士みたいだと冗談で言ったりして、自然に受け入れ態勢が整ってしまったような感じですよ(笑)」
中「でもそれは、あくまで冗談だったわけでしょう? 実際にカミングアウトすると反応はまた違うのではないですか?」
マ「両親たちの冗談発言があってから、さらに時間をかけましたよ。本当に徐々に徐々にだったんです」
ハ「最終的には、両親から『お前たちの関係はわかっているよ』的な発言が出た時に、カミングアウトしました」
中「カミングアウト後はどうですか?」
ハ「今までと特に変わりません。ただ、父親は、お前たちもいつかは女と結婚しろよって笑いながら言ってます」
マ「ゲイであるということまでを受け入れてくれているというよりは、今の関係をとりあえず認めてくれているという状態なのかもしれません」
中「とても幸せな状況ですね」
ハ「はい。お互いの両親が良い人だったと思っています」
マ「この関係を長く保てるようにしていきたいです」
中「お二人の協力で、見事にカミングアウトを成功させ、その後も良好な関係を保っておられるということは、とても素晴らしいと思います。ゲイである以前に一人の人間として認めてもらうということを重視した結果ですね」
ハ「ありがとうございます。自分たちは本当にラッキーで恵まれていると思います。両親たちへの感謝は忘れません」
マ「僕たちの関係を認めてくれた両親たちのためにも、二人で幸せになります!!」
中「お二人のお幸せを心から祈っています。今回はありがとうございました」