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今回は中橋と、政治家志望のRさん(26歳・ゲイ)の対談です。
中「ここのところ、政治の動きが慌しくなってきましたが、そろそろRさんの出番ですか?」
R「はい。今度の衆院選に出馬を…と言いたいところですが、僕はまだそのステージには立てないです」
中「どうしてですか?」
R「僕は政治家志望ではありますが、今はまだ勉強中です」
中「どういうタイミングで選挙に出るおつもりですか?」
R「出るからには当選したいので、まずは裏方の実務を経験してみようと思っています」
中「裏方というのは、ウグイス嬢みたいな?」
R「それも裏方ですが、秘書とかです」
中「あてはあるのですか?」
R「具体的には無いですが、意外と求人してたりするそうです」
中「Rさんは、既成政党からの出馬を目指しているのですか?」
R「はい。できれば」
中「自分でLGBTの政党を作ってみては?」
R「それも考えたことはありますが、LGBTの皆さんの中にも様々な政治的考えがあり、セクシャルマイノリティであることだけをもって政治的に団結できるわけではないと思うのです。僕は既成政党の内側から、LGBTに対する様々な政策を考えていきたいのです」
中「確かに、LGBTであることだけをもって、全てのLGBTの支持が得られるわけではないでしょうし、LGBTでない人の支持も得ることができなければ、どんな選挙でも勝てないでしょうね」
R「同性婚制度にしても、全てのLGBTが団結して是としているわけではないと思いますし、セクシャルマイノリティの内部でも意見が分かれる事柄が多くあります」
中「Rさんは、どうして政治家を目指そうとしているのですか?」
R「最初は法律家を目指していました。でも、大学で法律を学ぶうちに、LGBTである自分にとって最もやりたいことは、LGBTとして生きていくことがストレスにならない社会を作っていくことだと気がついたのです。法律を使う側じゃなくて、作る側に回りたいと」
中「なるほど。では、Rさんは、自分がゲイであることを公にカミングアウトして選挙に出るのですか?」
R「それはわかりません」
中「なぜ?」
R「仮に、選挙に出る条件が整い、出馬できたとします。この時点でかなり恵まれていると思うのですが、敢えてカミングアウトすることで、得られる支持が得られなくなるのは正直怖いです」
中「では、有権者を欺いて立候補するつもりですか?」
R「セクシャリティについて触れなければ、欺いたことにはならないでしょう」
中「そして当選したとして、実際に政治家になった後はどうするんですか?カミングアウトするの?」
R「ある程度、力のある政治家になれたら、カミングアウトしようと思います」
中「何だかちょっと合点がいかないのですが… セクシャルマイノリティのために政治家になりたいと願うのに、その動機や自分自身がゲイであることは隠し続けるということですよね。それって、有権者にも自分自身にも嘘をついているように聞こえてしまいます」
R「卑怯なのはわかっています。でも信じて欲しいのです。政治家になった暁には、LGBTのための政策を必ずや進めていき、しかるべき時期にカミングアウトします」
中「今の日本では、LGBTであるということをカミングアウトするのは、社会的にはとても不利になるということなんですね」
R「残念ながら、それが現実だと思います」
中「でももしかしたら、既に国会の中にも、セクシャルマイノリティの先生は存在するかもしれませんよ?」
R「本当ですか!?」
中「その人が、セクシャルマイノリティのために活動しているかどうかはわかりませんけど、存在していても不思議ではないでしょう」
R「確かにそうですね」
中「LGBTのための政治家を目指すRさんに是非やって頂きたいのは、LGBTの皆さんの声を集めるという仕事です。LGBT当事者が、政治に何を求めているのかということを、しっかり把握して欲しいのです。そういう調査こそが、今、Rさんのすべきことではないでしょうか?」
R「わかりました。やってみます」
中「総理大臣目指して頑張って下さい」
R「ありがとうございます。がんばります!」