今回は中橋とゲイのカップル(ハジメさん・仮名32歳とマサユキさん・仮名28歳)の対談です。
中「お二人はお付き合いをされてどのくらいですか?」
ハ「4年目になります」 マ「もうそんなになるんだねぇ(笑)」
中「先日、お互いのご両親に関係をカミングアウトされたそうですが、上手くいきましたか?」
ハ「長い伏線はありましたけど、上手くいきました」 マ「事前準備を慎重にしましたからね」
中「事前準備とはどういう伏線だったの?」
ハ「僕らはゲイであること自体を親にカミングアウトしていなくて、まずはそこから考えなければならず、それで、最初はお互いに仲の良い友人という形でそれぞれの親に紹介し、徐々にそれぞれの実家と仲良くなる方法で距離を縮めていきました」
中「でも、そのやり方だと、あくまで仲の良い友達ということで認知されて、ゲイであることやお二人の関係性のカミングアウトがやりにくいのではないですか?」
マ「確かにその懸念はありましたよ。でも、ゲイであるとかいうことではなくて、まずは人間性をみてもらい、人間同士の絆を作った上で、カミングアウトしようと思ったんです」
ハ「見知らぬ人を連れて来て、いきなり、恋人はこの人ですって紹介するよりも良いのではないかと考えました」
中「なるほど。わかり易く言うと、情に訴えるということでしょうか?」
ハ「そうですね」
マ「ゲイは嫌だけど、この人が相手なら仕方がないかって思ってもらえるようにしようと頑張りました」
中「そうすると、伏線はかなり長期計画だったわけですか?」
ハ「長期計画というか、カミングアウトまでの期限は決めていませんでしたので、機が熟したらカミングアウトするということで、それに向けて一歩一歩関係性を築いていきました」
中「具体的にはどのように関係性を築いていったのですか?」
マ「何度も彼の実家に遊びに行き、時には泊まったり、彼の両親を僕の両親に会わせたり、一緒に旅行に行ったりしました」
中「そんなに仲良くなると、逆にカミングアウトしにくいのではないですか?」
ハ「それがそうでもなかったです。両親たちの方が、僕たちの関係をまるで恋人同士みたいだと冗談で言ったりして、自然に受け入れ態勢が整ってしまったような感じですよ(笑)」
中「でもそれは、あくまで冗談だったわけでしょう? 実際にカミングアウトすると反応はまた違うのではないですか?」
マ「両親たちの冗談発言があってから、さらに時間をかけましたよ。本当に徐々に徐々にだったんです」
ハ「最終的には、両親から『お前たちの関係はわかっているよ』的な発言が出た時に、カミングアウトしました」
中「カミングアウト後はどうですか?」
ハ「今までと特に変わりません。ただ、父親は、お前たちもいつかは女と結婚しろよって笑いながら言ってます」
マ「ゲイであるということまでを受け入れてくれているというよりは、今の関係をとりあえず認めてくれているという状態なのかもしれません」
中「とても幸せな状況ですね」
ハ「はい。お互いの両親が良い人だったと思っています」
マ「この関係を長く保てるようにしていきたいです」
中「お二人の協力で、見事にカミングアウトを成功させ、その後も良好な関係を保っておられるということは、とても素晴らしいと思います。ゲイである以前に一人の人間として認めてもらうということを重視した結果ですね」
ハ「ありがとうございます。自分たちは本当にラッキーで恵まれていると思います。両親たちへの感謝は忘れません」
マ「僕たちの関係を認めてくれた両親たちのためにも、二人で幸せになります!!」
中「お二人のお幸せを心から祈っています。今回はありがとうございました」