猛反対を恐れず書きましょう。
夏は、終わりました。
フリーダイバーはみんな海が大好き。当然夏も大好きです。なので
「冬以外は、全部夏!」
「季節には”夏”と”それ以外”がある。」
と豪語する人々も珍しくありません。
でも、正真正銘の日本の夏は実はとても短いのです!
8月2週目頃から既に夏はもうエンディングに向けて加速して行きます。
ある日ふとした瞬間に感じる「秋の気配」。それは日に日に勢力を増し、
そして8月後半のある日、「秋」と「夏」はこっそりと、完全に入れ替わります。
そしてどんなに日差しが強くてもそれはもはや夏ではなく
「まるで夏みたいな日」となるのです。
さて、ストイックなフリーダイバーの「夏」はというと。
毎週海に通ってはロープを見てひたすらまっすぐ潜り、
深度や潜行時間、耳抜きや横隔膜の柔軟性の事を考えています。
見つめるのは海ではなくあくまで「自分」という内向きなもの。
周り中に溢れる「夏」という贅沢なものに鈍感になりがちなので、
うかうかしているとロープしか見ていないうちに「夏みたいな秋」になっていた、
などという 事になりかねません。
これはいけません。というわけで、私は正しくサボって、「正しい夏」を掴みに・・^^;;
真夏というのは不思議です。
まっただ中にいるとそれは特別なものではなく、永遠にあるもののような気がします。
そして終ってしまって初めて「ああ、真夏は一瞬だったなあ」と気がつくのです。
「若さ」ってやつにも似てますね..^^;
でも身体が記憶した本物の夏のエッセンスはちょっとやそっとでは消えません。
たっぷり日差しを浴びて、真っ黒な顔で笑い合った記憶。
「正しい夏」の記憶は、細胞の一部になります。
自分の一部になった夏は、終わることがありません。一瞬で永遠の夏。
それは、季節が変わっても人をあたため、強くするものに違いないと思います。
さて、正しい夏の後には、正しい秋がやって来ます。
フリーダイビング的には海のシーズンは実はこれから。
海も気持ちも落ち着き、トレーニングも本格化する季節です。
なお、正真正銘の日本の夏はもう終わりましたが、ここから先は本人次第。
「エンドレス・サマー」を楽しみたい方、ご自由にどうぞ!
photo @ manazuru, mikura-jima, hayama
8月生まれの獅子座で良かった、と思うこと。
それは海で誕生日を迎えられる、ということです!
今年は沖縄の青い青い海のど真ん中で。
ターゲットダイブで公式自己ベストタイの-57mを申告。
なんとか無事に浮上して呼吸を整え終わると・・・・
「ハッピーバースディ♪」
とサプライズコールが!船の上からも海の中からも!
海と仲間に囲まれて本当に幸せだなあ・・と思った瞬間でした。
素晴らしい瞬間を、本当にありがとう!
今回の沖縄トレーニング合宿。
私は週末の2日間を沖縄チームと共に青い海で潜りました。
金曜日深夜便で羽田をたち、宿に到着したのは深夜3時。
一眠りして広々とした塩谷漁港へ。数時間前まで東京にいたのが嘘みたいです。
土曜日は余裕を持った軽めのダイブにとどめました。
そして日曜日に本命ダイブ、終了後にシャワーを浴びて空港へ急ぎ、また東京へ。
というまさに潜るためだけのある意味贅沢?な弾丸スケジュールでした・・・(いつもだけど・・・)
なんだか「どこでもドア」のようでした。
それにしても国内のハイレベルなダイバーが 集う貴重な価値ある機会でした。
初日の最初の一本、私は105mを申告の篠宮龍三氏のセーフティダイバーを努めました・・
これは正直自分のdiveより緊張しました・・^^;;
普段はヨーロッパにいる福田選手の美しさにも感動!
そして北原さんのノーフィン自己ベスト-45mにも感動!
どんなに弾丸スケジュールでも必ず立ち寄ってしまう「恩納の駅」
のマンゴーかき氷!自己ベストアイスのご相伴となると格別に美味しい♪
夜は渡嘉敷先生のゴッドハンドマッサージでじっくり身体のメンテナンス。トレーニング疲れというより、日頃の疲れが溜まりに溜まっていたようで・・これでは良い潜りは出来ません。
「フリーダイビングとマッサージはセット!」(篠宮選手談)と言って良いのでは・・と思うくらいメンテナンスは重要です。
さて、実は今回の私の沖縄でのダイブは自分では大満足とはいえずまだまだ宿題山盛りです。
でも本番のギリシアの一ヶ月前のひとつの山場として、何とか自己ベスト深度を
を潜ったことは、ギリシアに向けてとても良いステップになりました。
過密スケジュールの中で、いかに心身を調整しベストな調整を保つか・・
そして本番の一本を迎えるかという良いシミュレーションになりました。
そして気がつけばこの2ヶ月間、毎週ロープに沿ってストイックに潜っていました。
まだまだ夏も真っ盛り。
ちょっと、ロープなしで、思いっきり泳ぎ回りたくなって来ました^^;
Photo by Tetsuo hara, Tomohiro Noguchi
早いもので、セルビアでのプールのフリーダイビング世界選手権終了からはや一ヶ月が経ちました。そうこうしているうちに、次は海洋種目の世界大会。先日7/25、AIDA Depth World Championships 2013の代表選手が決定しました。 時期は9月、開催地はギリシアのカラマタです。
●AIDA World Championship 2013(海洋個人戦)日本代表メンバー決定!
海洋競技の世界選手権、私は2年前に初の代表選手として参加して来ました。今回は2度目のギリシア大会となります。今回私が出場する種目は
・コンスタント・ウェイト・ウィズ・フィン
(略称CWT:フィンをつけて垂直に潜る種目)
・フリーイマージョン
(略称FIM:ロープを手繰って垂直に潜る種目)
の2種目です。私の本命は何と言ってもCWT。モノフィンをつけて青い海に融けるように、吸い込まれるようにぐんぐんと潜る種目。フリーダイビングには色々な種目がありますが、私はほぼCWTのためにフリーダイビングをやっている、といって良いくらい一番大好きな種目です。
ギリシアの海は真っ青で、時に-40mほどの透明度もあります。この海で再び潜れることが、とにかく楽しみです。
(2011年カラマタでの私のトレーニングでの映像)
実は今回の選考に残った私の公式自己ベスト-57mはちょうど2年前のギリシア大会で達成した記録です。大会出場前の私の当時の公式自己ベストは-50mでしたが、現地の最終練習では-54mを何度か成功しました。ところがこの後突然風邪をひき大会当日までの3日間完全レストを余儀なくされたのです・・・。
当日朝にはどうにか回復し、「えいや!」と一発集中で潜りました。結果+3m、-57mの自己ベスト達成という、自分としては大満足の結果を得て帰ることが出来たのが、2011年の世界大会でした。詳細はこちら。
ところが、この後記録は停滞中。簡単に達成出来ると思っていたあと3m、-60mが・・未だに達成出来ていません。というわけで、この3mはおあずけのまま、再びのギリシアとなりました。
さて実は私、本業では一日の休みも惜しいITベンチャー企業で全力投球奮闘中です(意外にも?)。本当はギリシアのギの字も入り込む隙がないところ、特別なお休みを貰っての、今年一回限りの海外遠征一本勝負となります。
青い海とオリーブのカラマタまで、あと一ヶ月半。毎日がとても貴重です。トレーニングにかけられる時間は日々とても限られていますが、たった一本に向けた地道な毎日が、ギリシアに繋がっています。このプロセスを今、とても楽しんでいます。
そして今年はどんな青い色に会えるのか、楽しみにしています!
photo by Sachiko Iizuka, Sep 2011, Greece, kalamata
7月初め、今年最初の海の大会に参加しました。関西のフリーダイビングチーム「無限」主催の「ゑびす杯」。福井県若狭湾内の神子の海で7/6(土)7/7(日)の2日間に渡り開催されました。
さて、現在の日本国内のフリーダイバーの分布をとても大雑把にくくると、関東・関西・沖縄の3大拠点があげられますが(あくまで大雑把に、です)競技人口の少なさ故、全国各地のフリーダイバーは国内外の大会で顔も合わせお互い親しくしています。が、今回単身で神子を訪れて見て、これまで知らなかった”関西フリーダイバー文化圏”に触れ、いちいち驚いて参りました!
(2)恵まれすぎた環境!
私は名古屋から車でピックアップしてもらい、一路北上。そして常神半島にやって来ました。入り組んだ入り江、キラキラした穏やかな海。まさに風光明媚!・・とカメラを構えたものの、車中からの写真は一枚もありません。何故なら、入り組んだ入り江故に、陸上移動はクネクネとしており、ジープの車中は全く穏やかではなかったので。(中部圏のメンバーは車好きが多いの仕方ありませんね)
そして無事に神子に到着すると、既に前日から無限メンバーにより準備は万端整えられており、すぐに競技会場へと出発しました。ここで改めて、何と穏やかな海・・・!と見惚れていると無限メンバーたちは「あれ・・波あるよ、今日・・」とザワついています。私から見ると「え。これってさざ波・・・というかほぼ凪では」に近い海況なのですが、神子は穏やかな湾内なので殆ど荒れるということが無いようで・・・羨ましい限りです。
2日目・・・これが本来の姿とのこと・・・正に、鏡のような海面!
そしてさらに・・設備の充実。競技船は何と、湾内に常設!重いアンカーや機材を毎回運ぶ必要も上げ下ろしする必要もありません。私のホームである、真鶴での練習会とのこの違い・・。(真鶴はアンカー引き下ろしの重労働で女子の背筋が何故か発達してしまう・・・)何より羨ましいのは、風・流れ・うねりの心配がない海況です。練習中止という概念はほぼ殆どないとか。。神子のただ一つの弱点は最深深度が-50m程度なのでそれ以上のdeepダイブが出来ない、ということだけ。それ以外にはフリーダイダイバーには理想的な環境と言えるのではないでしょうか。
大会一日目、私はセーフティダイバーとしての参加でした。初めての神子の海は青く、静かで、クラゲがぷよぷよと浮かんでおり、どこまでも平和で穏やかな世界。「常神半島」「神子」という地名そのもの、神様に守られた場所なのだなあ、と感じました。

(3)夕食が超豪華!
さて、無事に大会第一日目が終了すると、、お待ちかねの夕食です。無限の定宿「ゑびす屋」さんの食事。噂でスゴいとは聞いていましたが、期待を上回る豪華さ・・・「翌日の申告深度は、夕飯のおかずを見てから考えた方が良い」(食べ過ぎてdeepに潜れなくなる)と言われていましたが・・・いや・・・これは冗談と思っていましたが、本当に、要注意です。ビールで乾杯するスタッフ達を横目に・・私は2日目に大会に出る選手なのでグッと我慢です。次回は大会は1日目に出ようと学習しました。
(4)楽しさ全開の一本!
そして翌日は大会。私はこの大会の最深深度-47mを、フィンをつけてコンスタントウェイト・ウィズ・フィン(CWT)で潜ることにしました。これは私の自己ベストより10m浅い深度です。今回の私の出場目的は、大会で記録を更新することではありません、本番慣れしたい(国内の海洋大会は非常に数が少ないため)ということ、あとは神子の海で潜ってみたい、という気持ちでした^^; もちろん「せっかく公式大会なのだから別の種目で記録更新したら」などと勧められました。(ロープを手繰るフリーイマージョン、フィンを履かないコンスタントノーフィン、など自分が普段やらない種目なら、制限深度内で自分の記録更新が十分出来るので)が、昨日一日海にいた結果「モノフィンでこの海に潜りたい!」という気持ちが決まりました。
シーズン初めのこの大会、自分としても今シーズンでは最深の深度だったので、それなりに緊張感を持って臨んだ・・つもりでした。でも、驚くくらい一つも緊張の要素も、ネガティブな要素も混じりませんでした。半年ぶりのウォーミングアップ、そしてカウント、そして潜行開始・・・しばらくぶりの感覚を思い出しながらどんどん泳ぎ・・そして神子の海底へ。緑色の柔らかそうな海底。そこは水面と同じく優しい穏やかな表情で迎えてくれました。そしてゆっくりと味わいながら浮上。
最高にリラックス。楽しくて、潜れる嬉しさ全開、という一本でした!!
これは自分のメンタルコントロールというよりも、この土地、神子の海、無限の人たち、全てが作り出す雰囲気のおかげなのだと思います。昨年の最後は何故かこんなに楽しい気持ちで潜ったダイビングはなかったので、期せずして最高のリハビリになりました^^)
そういえばあまりに穏やかな雰囲気で全くピリピリ感が皆無だったので忘れていました。この大会は、今年の世界大会の最終選考会を兼ねていたのです。男子の何人かは、この大会でギリシア行きが決定しました!おめでとうございます^^
ともあれ、本当に楽しい2日間でした。ゑびす屋のマサルさん、無限のみなさん、ありがとうございまました!8月に入ると、この穏やかな海が、さらに透明度が上がるそうです。もはや神子は「圏内」になりましたのので、また来て、透明度にビックリしたいと思います!
毎年夏になったな、と感じる瞬間はどんな時でしょう?
今年始めて冷房を入れた日
今年始めてビーサンを履いた日
今年始めて蚊にさされた日
色々予兆はありますが。
私の場合は何と言っても「海が身体に戻って来た」という感覚がやってくる日。これが夏の始まりです。
これはフリーダイバー全般に共通の感覚ではなく、私のちょっと変わった体質特有のお話です多分・・悪しからず。
深度競技には耳の圧平衡=耳抜き、が必要です。deepに潜る選手はこのためのテクニックを取得しているものなのですが、私の場合はラッキーなことに、「自動的に耳抜きが出来る」(本来意識的に行うはずの耳抜きを無意識にしている、という感じでしょうか)体質です。これは、特に肺活量が多い訳でも、息堪えが得意なわけでもない私の、唯一のフリーダイバーとしての特技(?)といえます。
一方で耳抜きが「完全に身体任せ」なので、自分の意志でコントロール出来ないという困った点があります。(はい、、テクニックも取得せねば。汗)私は、シーズン始めは耳が水圧を思い出してくれるまでは殆ど潜ることが出来ません。皆がどんどん深く潜りだす中、私はひたすら、耳に慣れてもらうまで、-5m、-10m、-15mとちょっとずつちょっとずつ、潜ります。でもこの状態だと-20mが限界。昨年平気で-50m以上潜っていた自分など想像もつかない状態です。
が、これを数週間続けていると、「その日」がやって来ます。
ちょうど先日。ウォーミングアップで軽く5-6mロープを手繰って潜っている時
「あ、海の耳になってる!」
と、すぐに気がつきました。-5mでも、この感覚の違いは明白なのです。
試しに潜ってみると、-35mのボトムプレートまでスーッと違和感無く到達しました。
久々の、海に身体が吸い込まれて行くような、
青い世界にやっと自分が入って行けたようなこの瞬間。
水圧が窮屈な場所ではなく、とても広くて、冷たいのに温かい場所に感じる瞬間。
「ああ、やっと身体が海モードになってくれた」という感じです。
この感覚は、こんな表現はおこがましいのかもしれませんが、
「自分が海に戻って来た」のではなく「海が、自分の身体に戻って来た」
とでもいう少し不思議な感覚です。
少しずつ海に通って、浅瀬で海藻を見たり、船に乗ったり、
ボートハウスで、真鶴で釣れたシメサバやアジの干物をご馳走になったり、
海帰りにアイスなど食べたり、そういう一つ一つのプロセスを経て、
いつのまにか、だんだん身体が海仕様になって来る気がしています。
テクニックではどうにもならない、自分の身体が海に馴染むための毎年のステップ。
自然に四季あるように、たぶん人間の身体にも四季があるのかもしれません。
ともあれ、こうして今年も夏が始まりました^^)
photo by Mitsuhiro Kojima
Yuko Senga
6/23(日)からいよいよ、セルビア・ベオグラードで
Individual AIDA Pool World Championships Belgrade 2013が開幕しました!
と思ったらもう既に予選が終了、いよいよ明後日から決勝
といきなりの中間報告ですがご容赦を。
通常プールの大会は「インドア」が多いのですが、このセルビア大会
屋外のプールで開催されています。ヨーロッパで一番日照時間が少ない国、
という噂を聞いていましたが、写真で見る限り、
何だかとても開放的で素敵な大会に見えます。
セルビアとの時差は-7時間と微妙・・・競技時間はちょうど
日本の午後〜夕方という感じなのでリアルタイムに応援したり
結果を知ることも出来ず、また、専門の取材班が入る訳でもないため、
選手自身がアップするfacebook情報が第一情報源、という状況。
(しかも現地の通信状況はあまり良くない・・らしい)
日本で応援する身としては微妙にソワソワしてい 歯がゆい日々です。
サッカーみたいに「今日はワールドカップ決勝だからソワソワ」
するのが市民権を得るくらいフリーダイビングがメジャーになって
ほしいものです^^;
ともあれ・・・本日で3種目の予選が終了しました!
明後日6/27からの決勝には日本人選手もかなり進出しています。
●決勝情報
6/27 (木)DNF決勝(フィンを使わず閉息して泳ぐ距離を競う種目)
女子:廣瀬花子
6/28 (金)DYN決勝(フィンをつけて閉息して泳ぐ距離を競う種目)
女子:米山美弥子
6/29 (土) STA決勝(息を止める長さを競う)
男子:
金田克己
関谷陽介(日本新記録7’24″で予選通過!!)
女子:
丸山さわ子
菅野麻貴
木下紗由里
福田朋夏
平井美鈴
決勝進出した人もしなかった人も、結果は数字でしか見えないけれど、
その数字には一つ一つの物語があります。スランプを乗り越え、
コツコツトレーニングを積んだ結果の大舞台。もう一人一人にハグしたいくらい、
超応援している私ですが・・・残念ながら遠すぎてリアルにハグができないので・・・
現地でハグする選手の写真!
・・・おっと・・失礼・・・・
お口直しに、華やかな日本女子チームの写真です。
というわけで、ひきつづき決勝も、日本からソワソワ密かに応援します!
頑張れニッポン!
●公式サイト
http://www.aidapoolworldchampionships.com/
●Individual AIDA Pool World Championships Belgrade 2013
https://www.facebook.com/IndividualAidaPoolWorldChampionshipsBelgrade2013
●2013年フリーダイビング世界選手権プール種目 日本チーム
https://www.facebook.com/belgrade2013jp?hc_location=stream
photo by Den GC & 日本選手団
2013年6月21日-30日にセルビア・ベオグラードで、フリーダイビングのプールの世界大会AIDA Pool World Championship 2013が開催されます。
代表選手の皆さん、最後の仕上げ、猛烈に頑張っています。
そんななか、5月某日、リトルブルーにて「フリーダイビングインドア世界選手権2013」特別強化練習会が開催されました!
トレーラー映像をご紹介します。
稲葉協子(DNF)、稲葉哲也(STA)、守屋滋記(DNF)、金田勝巳(STA,DNF)、関谷陽介(STA)、米山美弥子(STA,DYN)
みんなカッコいいね^^))
それにしても、セルビア、ベオグラードって一体どんなところなのでしょう・・食べ物美味しいのかな・・
などとつい周辺情報にばかり興味が行く私ですが・・
ともあれ、あと数週間後。みなさん頑張って来てくださいね!!
日本から念力、みんなで送りましょう〜!
movie & photo by miyako yoneyama
フリーダイビングは自然あってのスポーツなので、「全てが計画通りにキッチリ進む」ということは基本ないと思った方が良いのでは、と思います。まあフリーダイビングには限りませんが、むしろ計画通りにいったらラッキーくらいに思った方が多分良い・・そう思います。
というわけで。もうすぐ5月も終わりですが今のところ、私が予定していた週末のTFC(東京フリーダイビング倶楽部)の船練習は全て風のため中止。私自身はまだ一度も正規の練習が出ていません。
練習は安全第一。少しでも危うい要素があれば基本は出航中止です。とはいえ、ギリギリまで粘って海況を見極めるので、中止の決定はたいてい練習当日早朝。ある時は現地で集合して準備をして、ボートに荷物を積み込んでいる最中にどんどん波が強くなってきて、出航直前に中止が決定・・・涙・・・などということもありました。週末の予定を調整し、体調を整え、はるばる海までやってきて、潜る気満々だったのに・・急に中止、というのは正直かなり凹みます。でもなにしろ相手は海、風、雲・・・勝負を挑んでも所詮勝てる相手ではないので仕方ありません。
こんな時はサクッと「プランBに切り替える」のが正解です。というわけで、この5月の船練習中止の「プランB」をいくつかご紹介します^^;
●ウェットスーツの修理
多くのフリーダイバー御用達の、真鶴のウェットスーツ屋さん「DELFINO」 。シーズン始まったばかりですが、破けたり、破けそうだったりのウェットスーツを後藤さんに修理してもらいます。練習中止なので、ちょっとゆったりと修理作業場でおしゃべりしながら。みるみるまに、綺麗にスーツを修理してもらいました。
●ロープのマーキング
競技用ロープはフリーダイビングにとって不可欠。毎年マーキングを行いますが、一年もたつとロープの繊維の伸縮で位置がずれて来てしまいます。なので、毎年シーズン初めにはマーキングが必須です。
100mロープのマーキング。誰が見ても間違えがないように、
シンプルで規則的なマークがつけられます。アラビア数字の起源は
こんな感じだったのかな・・などと考えながら。
●しんちゃんとおしゃべり
ボートハウスの住み込み管理人しんちゃん。彼は正真正銘にワイルドな人です。海と、海岸と、「そこらへん」の植物を、自分に必要なだけ拝借して、美味しく調理し、いただきます。
そんなしんちゃんに煮物をご馳走してもらいながら、ゆっくりおしゃべりするひととき。・・ああ、海の近くに住んでるって良いなあ・・そういえば、いつでも目の前に海がある人は海にガツガツしてないな、などと思いました。
●機材購入
普段なかなか行けない、伊東の船具屋さんへ。
ロープなど練習に必要な機材を購入したり、色々な種類のアンカーを見たり。
●プールへ行く
または、荷物はそのままで急きょプール練習に切り替えというのは正当パターン。でもこういう時にプールに行くと逆に海が恋しくなったりもします。
●一日家に引きこもる
予定を180度変更してみる。のも意外とアリです。
●近くのビーチで練習する
船が出なければ、反対側の海況の良い場所で、ビーチエントリで練習!深度が浅くても、とても良い練習が出来ます。まあこれが一番正統的な「プランB」と言えますね。
モノフィンで磯エントリー・・・怪しさ満点の「人魚」です。
こうして見ると、風が吹いて練習が中止になった日は普段なかなかやらないことが出来る良い機会かもしれません。中止決定と引き換えに、ぽっかりと予定の空いた「週末の一日」が手に入るのです!
というわけで、今週末こそ船練習に期待しつつ、プランBの計画も練っている私でした。でもどうか南風、吹きませんように・・・。
photo by tetsuo hara
フリーダイビングを始めたきっかけが「イルカと泳ぎたい」だった、という人はけっこういるのですが、競技に専念するうちに、意外にその原点からかけ離れていったりもします。
というわけで、今回は御蔵ネタです。
イルカと言えば御蔵島。御蔵島といえばJunkstageでも「イルカと泳ぐということ」でおなじみの、ドルフィンスイマー鈴木あやのちゃん。(あやのちゃんに敬意を表して、タイトルパクりました)
彼女がイルカと泳ぐ姿は、この上なく優雅ですが、実は、御蔵島はかなりハードな「武者修行」な場所でもあります。
(1)往復が武者修行
伊豆七島の一画にある御蔵島。黒潮が流れる豊かな海に囲まれた島。
この島影。まさに断崖絶壁です。豊かな緑と滝と海。黒潮が流れ、沢山の海鳥が飛び交う、野生のイルカの群れが生息する大自然の島です。島中がマイナスイオンを発しています。(でもここ、東京都なのですよね。)さてこの島、見るからにハードですが、実際一筋縄ではいきません。
●なかなか辿り着けない
御蔵島には、東海汽船が毎日就航しています。が、ともかくワイルドな海域にあるため、「条件付き出航」が当たり前。すんなり行けば東京からは22時過ぎに竹芝桟橋を出発、8時間後の早朝6時前後に御蔵島到着です。が・・御蔵には着岸しないこともしばしば。この場合そのまま船で八丈島まで行き、またリターンして昼過ぎに再度御蔵島へ。
ここでもスルー、ということもしばしばあり、こうなると22時間ずっと船上のまま竹芝に逆戻り、となります。でもそんなことがあっても嘆かず、荒れた海域でどんなに船酔いしようとも「ああ、楽しいクルージングだった」と思える、タフなマインドが必要なのです。
●帰れるかどうかわからない
行けないのはともかく、帰れないのは大問題。でも常にそのリスクを考慮の上、船がダメならヘリで三宅に渡る、フェリーがダメなら漁船で三宅島に渡る、究極は漁船をチャーターして下田まで渡るなどのあらゆるバックアップ手段を取ります。
あるいは諦めて次の船が来るまで、何日でも待つか・・・。「船が来なかったので・・・」と上司得意先にタフに土下座しても通用しないことが多いのでご注意を。
(2)イルカ船もけっこうハード
ともあれ、沢山のハードルを乗り越えて御蔵島到着。大型客船から下船するやいなや、今度は小さな「イルカ船」に乗ってドルフィンスイムに繰り出すわけですが、この「イルカ船」はとても小さなボートです。風よけも雨よけも日よけもありません。御蔵島の周囲は湖のように静かなことも稀にありますが、大抵は活きの良い波がザブンザブン。なので船酔いする人にとってはかなりキツい。真夏でない限りは船上はだいたいとても冷えます。
この船に乗って約2時間、島の回りを回り、イルカの群れがいるとどぼん、と飛び込む。イルカたちは泳ぎの達人なので、彼らと一緒に夢中になって泳ぐと、あっという間に疲労困憊。体力自慢の私も最後には、ボートに上がれなくなるくらい疲労することもあります。
(3)そもそも野生のイルカと泳ぐのが一番のトレーニング!
映画「グラン・ブルー」のモデルでもある亡きジャック・マイヨールは「ホモ・デルフィナス(イルカ人間)」と称されましたが、私のフリーダイビングの大師匠である市川カズさんも半分イルカの血が流れているのではないかというくらい、不思議にイルカに懐かれる人間です。そのカズさん曰く、「イルカと泳ぐのが一番良いフリーダイビング・トレーニングだ」のこと。
確かにその通り。御蔵島の海で野生のイルカたちと出会うたびに「なんて泳ぎが上手いんだろう」という当たり前のことに感動します。この上ないイメトレです。
そして、つくづく、「人間は陸上の動物だ・・・」と思い知ります。たとえ大きなモノフィンを着けて泳いでも、イルカと比べると自分の泳ぎなど”ハイハイ”に過ぎない、と。でも、こんな人間をからかうかのように、こっちに寄って来たり、ぐるぐると水中を回ってくれるイルカ達には「うわ〜〜♪」と有頂天になってしまうんですけどね。
私は、一緒に遊んでくれるフレンドリーなイルカは大好きです。でも、同じくらい好きなのは水中で「イルカ達の世界」を遠巻きに垣間みる時間。とても人間が追いつけないようなスピードで、人間に見向きもせず、水底も見えない深い海域を自由自在に泳ぎまわる、上下左右3Dに自由な、真っ青な海の住人の世界。
(画質悪すぎ無編集映像で恐縮ですが・・・数年前の深場の映像。イルカ達の発する音はリアル。)
とてもじゃ無いけど追いつけないスピード。
そして、気がつくとあっという間に一頭のイルカもいなくなり、ぽつんと感じる海と自分の存在。
いつの間にか自分が海の一部になったような気がする瞬間です。
とてつもない青い大自然の中の、ほんの一部でしかないちっぽけな自分を感じるのです。
私にとって、御蔵島は最高にワイルドで素敵な武者修行の場所です。「もっと深く、長く潜りたい。」「もっと自由に水中を動き回りたい」という素朴な海への憧れの気持ち。自分が何故フリーダイビングに魅せられてしまうのか再認識する場所でもあります。もう10年以上、どんなにハードでもリピートしてしまう不思議な魅力がある島です。
これからいよいよ御蔵もシーズン本格化。過酷なことばかり書きましたが、実際は色々なペースでのんびり、御蔵島を楽しむことがおすすめです。
「イルカと泳ぐ」ということについて正しく知りたい方はあやのちゃんのコラムで、素敵な写真とともにイルカの生態などなど、ご覧下さい!安全に、楽しく、そして往復の覚悟を決めて、御蔵島に繰り出しましょう^^)//
*御蔵島村公式ホームページhttp://www.mikurasima.jp/
photo by miki yamashita
yosshi
館山大会の告知をしたままあっという間に時がたち、GWに突入してしまいました・・・久々の更新となりますが、なにはさておき先週のビッグニュースを。
「日本一、深く潜る夫婦」フリーダイビング界のビッグ、もとい、Deepカップルの誕生。(新婦CWT-90m、新郎FIM-53m 合わせて-143m。 byフリーダイバー米田氏の試算)
岡本耕輔(オカモチ)、美鈴(みみずん)結婚おめでとう!
東京フリーダイビング倶楽部の仲間であり、尊敬し敬愛する2人の結婚。自分にとっても、そして多くのフリーダイバーにとっても、ちょっとしたエポックメイキング、とも言える出来事でした。
昨年11月、バハマで世界4番目ともなる90mを達成したみみずん。
ここに至るまで、静かで力強いオカモチのサポートが、常にあったのです。
私は誓約式の「お盆持ち」の時点で自分もウルウルしてましたが、
親戚のおばちゃんごとく、すでに最初から号泣するフリーダイバーも。
ともかく、会場に入りきらないのでは、という位の沢山の仲間が集まりました。
司会もカメラマンもお花も映像も、全てフリーダイバー仲間。日頃は海やプールでしか会わないな仲間の、本業のプロの顔を垣間見るひとときでした。
この日の写真総数、何千枚になっているのでしょう。
世界各地、日本各地の仲間からのビデオレター、そして新旧、色々な世代のフリーダイバーが一同に会し、夜更けまでお祝いしました。
ボーズも女子も、大集合!
(※フリーダイバーは何故か世界共通で坊主頭が多いのです…)
最後は二人が出会った、真鶴の海の写真です。
昨年の「真鶴フリーダイビングクラシック」。ベテランの二人は海には一度も入らず、2日間、船の上から選手たちを見守っていました。絶大なる安心感でした。
ともあれ、
みみずん、おかもち、末永くお幸せに!!
そしてますます、深い夫婦になってね。
仲良しジジババになってね。そしてジジババになっても、みんなで一緒に潜ろうね!
photo by フリーダイバーのみんな