先週末、初めてのフラワーレッスンを開催しました。
ありがたいことに口コミで7名のお客様が来てくださりました。
初心者の方が多かったので制作しやすく、かつ楽しめるものをといろいろ考えましたが、
得意のナチュラルブーケを制作してもらいました。
自分の花の特徴として「くずし」ということを周りの人に言われます。
ブーケで説明すると、通常花屋さん等で見かけるブーケは、きれいな丸の形をしていて花の頭をそろえるのが普通です。
それは基本だという事を踏まえつつ、僕のスタイルは、それを崩し、花一つ一つがきれいに見える様に場所を選んで組みます。
これは下手をするととてもアンバランスになります。
しかし、でこぼこになりつつ、うまくバランスを取りながら組んでいくのが僕のスタイルです。
普段一人でオートクチュールで、ブーケでもアレンジも制作しているので、このスタイルが他の人が作った時、難しいのか簡単なのかなんてことは考えたこともありませんでした。
しかし今回、人に教えるということになり、結論から言うと、生徒さんにとっては、とても難しいレッスンとなってしまったようです。
ただそれでも楽しかったとの声をいただきありがたかったのですが、今後の課題となりました。
また、様々なフラワー教室に通っていた方からの感想で、かなり、特殊というか、他にないスタイルだったようです。
スタイル云々はともかく、生徒のみなさんには、楽しんでいただけることが一番重要なのでこれから、より一層楽しい時間を提供できたらと思います。
先日、代官山のとあるお宅で茶花を生けさせていただきました。
骨董商や画家さんやら会社の会長さんやら真菜さん美意識の高い方々がそろっていて、かなり頭を使いました。
ご依頼主様からの注文はただ一つ、ありきたりの茶花は見あきたからあっと言わせる面白いものを!
そう!そういうのが一番難しいのです!l
あーでもないこーでもないといろいろ考えていましたが、ついにパンク!
そのままノープランで生けることとなりました。
会場は、茶室というには、かなり異質な構造となっていてそれが幸いしました。
部屋と部屋の間に独特のスペースがありその空間に枝ぶりのいい雲竜梅を一本花器を使わず天井からつるしました。
当然、水が上がらないのでこの梅は、枯れていくことになります。
しかし、茶をたてるその一瞬だけの命でもよいと判断しての行為でした。
見事に咲いた白い花と隣の部屋の丸い電球、これが満月のように見え、さらに掛け軸の書のラインが枝の間から見ることができ、まるで墨で描いた梅の枝のように見えました。
その場所の人の流れや空気を感じて無心で生ける、これが本当に大事だと改めて感じました。
この梅の枝は、大絶賛だったようで、特に外国の方に受けが良かったようです。
写真は全然関係ないブーケです。
久しぶりの更新となってしまいました。
新年明けたというのにクリスマスの話から
昨年末に玉川高島屋の一部でクリスマスデコレーションを担当させていただきました。
11月17日から12月25までと長期間にわたって生花でのデコレーション。
デパート内という事で、乾燥と昼と夜の極端な温度差で花に取っては、最悪な状態でした。
メンテナンスは、深夜から朝にかけて、ほぼ毎日していたので修行のようでした。
今回の作品のタイトルは、「la ports de noel」(クリスマスの門)
これは、生花でできた門を通って、思い思いの好きなお店にレストランに行ってもらいたいと願い付けました。
テーマは、神聖な大聖堂にいる様なクリスマスで、イルミネーションでキラキラしたものとは違う雰囲気を出したかったです。
写真は、最終日25日の状態を撮ったものです。
この日のためにずっと装飾してきたようなもので、白い花を黒いアイアンと流木のフレームで包みこみさらにその外には様々なグリーンで包みこみました。ミルフィーユみたいな感じです。
使用花材は、
白い花は、
ユリ(クリスタルブランカ)
バラ(ホワイトユニバース、アバランチェ、コットンカップ)
トルコキキョウ(ボヤ―ジュ)
ユーチャリス、スイートピー、コブシ、カトレア、アマリリス
さし色に黒いチョコレートコスモス、バニラの匂いがするシャ-リーベイビー、ベルの形をしたグリーンベルです。
その中にグリーンを8種類くらい入れています。
さらにいつも大変お世話になっているバラ生産者、三輪慎太郎氏にバラを提供していただきました。
僕は、彼の育てるバラのファンで、色、形、香り、花持ち、さらには、普段捨ててしまうとげや葉っぱ、すべてが素晴らしいのです。
これだけ好きな花を使えるデコはそうそうないので興奮しました。
前面に置いてある花は、
バラ(パープルフラガンシア、シンべライン、ジュリエット)三輪慎太郎氏
ラナンキュラス(フレジス、モズ)
モクレン、チョコレートコスモス、スカビオサ、菊(クラシックココア)、イタリアンベリー、シャーリーベイビー、アジサイ(アンティ―ク)
です。
連日メンテナンス作業のため深夜の高島屋の中に入っています。
掃除の作業員や設備の作業員、工事業者など、夜の高島屋も活気があります。
朝方になるとは、パン屋さんの香ばしいにおいがして、空腹で空っぽの腹には答えます。
朝どんなに眠くても、深夜に一生懸命働いている人を見ると気が引き締まります。
11月17日~24日までの装飾の写真ができました。
現在は、山梨の小立ガーデンさんの花数が半端じゃないニゲル(クリスマスローズ)を中心に装飾しています。
また 12月25日、13:30より新南館6階ホワイトモールでデモンストレーションを行います。
他では見ることのできないデモにしたいと思っています。
是非お越しください。
始まったのはいいけど、生花をたっぷり使っているので、メンテナンスが大変です。
基本的に一人ですべてやっているので、こういう時に、フリーはつらいですね。
25日までは、蘭の女王カトレアをふんだんに使用した贅沢使用となっています。
カトレア部会のみなさんから届けられた最高品質の女王たちが優雅に舞っています。
お近くにお寄りの際は、足を運んでいただけたらと思います。
さて、いよいよ来週から玉川高島屋のクリスマス装飾が始まります。
ぎりぎりまで準備が掛かりそうですが、ここが踏ん張りどころです。
基本的に生けこみもメンテナンスもすべて深夜から早朝のうちに終わらせなければいけません。
期間中の睡眠時間は、ほとんど取れないのを覚悟で最終日まで突っ走るしかありません。
会社に在籍していた時には、毎日仕事があることが当たり前だと思って過ごしていましたが
今、フリーになり花の仕事をいただき、任せていただけることに感謝の気持ちでいっぱいです。
この気持ちを花で表現したいと思います。
タイトル『Porte de Noël』 クリスマスの門
場所、玉川高島屋 新南館6F吹き抜けエントランス
会期、11月17日~12月25日
会期中の39日間を4つの情景に分けて、クリスマス本番までを盛り上げていきます。
11月17日~24日 「異国の街並み」 カトレアを中心にヴィヴィットな色使いでパリをイメージ
11月25日~30日 「舞踏会」 バラでまとめたシックで大人のイメージ
12月01日~17日 「神秘の森」 グリーンの鉢物を中心としたゆったりとしたイメージ
12月18日~25日 「静寂の時間」 クリスマス本番は白を基調とした清楚で神々しいイメージ
デモンストレーション 12月25日 13:30より
協力、 東新開発株式会社、株式会社ATA、株式会社コマデン、有限会社グランツ、有限会社グラツィアーノ、株式会社ものがたり創造研究社 (有)オフィス・プレインズ
山野井洋蘭、布施洋蘭園、ARF(アイチ・ローズ・ファクトリー)、大井農園
デザイン小野寺衆
田舎である山形県庄内に戻っていました。
高速で月山のトンネルを抜けると一面紅葉に包まれた山々が目に入ってきてゆったりとした気分になります、これが休暇だったらとつくづく思います。
11月17日から12月25日まで玉川高島屋新南館でクリスマス装飾を担当します。
もちろん花をメインとした装飾になります。
白や赤の花の値段は、時期的に高騰するので何とかやりくりしなければいけません。
あと会場の環境により花の持ちが変わるので基本的には、毎日メンテナンスするようになります。
デッサンは、何度も書き直していますが、
実際生けるときには、そのイメージを越えられるようにデッサンを捨てフリーな自分にしておきたいです。
今までの経験から、デッサンでガチガチになった頭からはいい作品がでてこないことが多いようです。
町にもクリスマスの匂いがするようになってきました。
僕らフローリストの間でも、今年のクリスマスの装飾の話が飛び交っています。
僕も現在、とある場所のクリスマスデコレーションの準備の最佳境を迎えています。
大型のディスプレイは、花以外の資材の調達が大変です。電飾や土台の作成、鉄加工など、花に使う倍以上の時間を費やさなければいけません。
しかし、いろんな業者さんと話しすると、花以外のデザイナーさん達の今年の状況を聞くことができ、面白い情報を手に入れることが多いです。
僕は個人で活動しているので、当日手伝ってくれる人員の手配も必要なのですが、専門的な花の技術を持っている方達もクリスマスの時期は忙しいので、スケジュールを空けてもらうのに苦労します。
実際、僕の仕事は、花を使用するという事以外は、ディスプレイ業者さんと何ら変わりがないのが現実です。
今年最後の大仕事、やり遂げた後の一杯のために、今日も雨の中走ります!
さて今回から本格的にコラムをアップさせていただきます。 今回紹介させていただく作品は、今年6月4日~6日まで開催していた3人展「La Pansée Savageラ・パンセ・ソヴァージュ展」からです。この作品は、展示の顔というべき存在だったので、タイトルも「ラ・パンセ・ソヴァージュ」となっています。訳すと「野生の思考」、フランスの哲学者、レヴィ・ストロースの著書から引用させていただきました。
作品のアイデアは、僕が会社に勤めていたときに書きためていたデッサンを、会場に合わせてデザインしなおしたもので、切り花として出荷される運命の枝物や花、朽ちてしまい長い月日を川と海で過ごした流木をもう一度、木にするというコンセプトの下制作しました。高さ3メートル以上はありますが、構成する一つ一つの素材は、とても小さく、それらが合わさり空間を埋めていく。会場に来て下さったお客様にもとても喜んでいただきました。 これに使用している花材は、すべてお世話になっている生産者の方々から提供していただき、最高の品質の花材を使っています。
いずれ生産者さん達の話もここで語りたいと思います。 これよりも大きな作品は、これまでも制作してきましたが、大きくなればなるほど、色や形をくっきり出してやることが重要になります。制作しているときは、とても近くで見ているので、色を細かく散らしがちになりますが、遠くから見たときに、ぼやけてしまいます。ですから色は、分かりやすいくらい、はっきり配置することがポイントになります。
ただしこの「野生の思考」は、見る人がとても近くまで接近して見ることができるようにしたので、見る人の目線で様々な表情を出せるように作りました。葉っぱに隠れた部分には、繊細な花を配置したりといったところです。 遊びの部分ですね。シンプルで楽しいそんな作品を、また作ります。
告知10月18日(月)~24(日)まで東京、恵比寿のGallary OKURAにて開催される、「恵比寿ビエンナーレ」に花器を出展します。ゴミからアートへ!というコンセプトで建築家や画家等、様々な業種の方がゴミをインテリアに再生します。東京都渋谷区恵比寿南 3-2-903-3793-0844
東京を拠点にフリーのフラワーデザイナーとして活動しています。
花の仕事というと花屋で働いているのか?と思いますが、僕の場合、パーティーやデパート、雑誌などに花装飾を専門に、人と空間を花でつなげる仕事をしています。花屋というよりは空間デザインに近い仕事です。
始めたきっかけは、いけばな草月流のアトリエに入社したことから始まります。
ここは、舞台 ホテル、デパート、美術館などの大型の花装飾を専門で取り扱っていて、花業界でもかなり特殊な分野を得意とする会社でした。
昔から伝わる技術やバランスのとり方、間の取り方など、この頃に得た技術が現在の僕のベースとなっています。
同時に、個人での仕事やコンクール、個展で作品を発表していました。
退社後、もっとデザインの幅を広げるためと、自分の花を見つめなおすために単身フランス・パリにわたりました。
パリでは、花屋やアトリエで働きながら、ヨーロッパの花のデザインを学びました。
また、様々な職業の人たちと交流し、モードや美術、建築の世界にも触れることができました。
この花以外の経験が、結局、僕の花のデザインにとても大きな影響を及ぼしました。
それは、パリで開催した個展の作品に色濃く出ていました。
帰国後、南青山で個展を開催し、それをスタートとして、現在に至ります。
僕の追い求める花のデザインは、空や山や川です。
つまり自然という事です。懐かしく、美しく、厳しく、そんな表情を再現したいと思っています。
花が美しいのは当たり前ですが、それを人の手で花にするのは容易ではありません。
自然を再現したいのに、生けた人の性格や気分が如実に出てきます。それは、もはや花ではなく人です。
花を花と成すことは、非常な鍛錬が必要です。
しかし、そこを目指して行きたいのです。
僕のコラムでは、花の生態についてというよりは、
空間装飾としての花の役割、人との関係を過去の作品や現在進行しているプロジェクトから考えていきたいと思います。