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東京を拠点にフリーのフラワーデザイナーとして活動しています。
花の仕事というと花屋で働いているのか?と思いますが、僕の場合、パーティーやデパート、雑誌などに花装飾を専門に、人と空間を花でつなげる仕事をしています。花屋というよりは空間デザインに近い仕事です。
始めたきっかけは、いけばな草月流のアトリエに入社したことから始まります。
ここは、舞台 ホテル、デパート、美術館などの大型の花装飾を専門で取り扱っていて、花業界でもかなり特殊な分野を得意とする会社でした。
昔から伝わる技術やバランスのとり方、間の取り方など、この頃に得た技術が現在の僕のベースとなっています。
同時に、個人での仕事やコンクール、個展で作品を発表していました。
退社後、もっとデザインの幅を広げるためと、自分の花を見つめなおすために単身フランス・パリにわたりました。
パリでは、花屋やアトリエで働きながら、ヨーロッパの花のデザインを学びました。
また、様々な職業の人たちと交流し、モードや美術、建築の世界にも触れることができました。
この花以外の経験が、結局、僕の花のデザインにとても大きな影響を及ぼしました。
それは、パリで開催した個展の作品に色濃く出ていました。
帰国後、南青山で個展を開催し、それをスタートとして、現在に至ります。
僕の追い求める花のデザインは、空や山や川です。
つまり自然という事です。懐かしく、美しく、厳しく、そんな表情を再現したいと思っています。
花が美しいのは当たり前ですが、それを人の手で花にするのは容易ではありません。
自然を再現したいのに、生けた人の性格や気分が如実に出てきます。それは、もはや花ではなく人です。
花を花と成すことは、非常な鍛錬が必要です。
しかし、そこを目指して行きたいのです。
僕のコラムでは、花の生態についてというよりは、
空間装飾としての花の役割、人との関係を過去の作品や現在進行しているプロジェクトから考えていきたいと思います。