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2011/12/29

漸くクリスマスイブになって今年の米の収穫後の調整作業(脱穀、唐箕による籾選別、袋詰めと貯蔵)を終え、ほっとしている百姓になりたい、川口です。

冬至、すなわち、陰が極まる頃となりましたが、今頃に頂く籾摺りしたての新玄米には、殊の外身体を芯から温めてくれて得も言われぬ美味しさがあります。毎日のご飯が文字通り幸せを噛み締めるようなときとなるのです。

今年もお米は「自然農」の田で見事な実りを結んでくれました。

自家採取の種籾を田の一角の苗代に降ろした5月以来、草刈り水管理稲刈りを経て、一ヶ月稲木で天日に干した米を脱穀、唐箕掛けして袋詰めするまで、長いようで短い半年と少しの間でした。

* 耕さず、
* 肥料を作って持ち込むことなく、
* 草、虫を敵とすることなく(農薬などを用いることなく)

そして、最小限の道具と身体を使うだけで、一銭のお金を費やすことも無くして、完全な生命を宿した健康なお米の実りを、今年も得ることができました。

この極めて単純な事実を我が身をもって知る事が出来たことは、僕のこれまでの暮らしの中でも最も驚嘆と歓びに値する経験で、三年目のお米作りをおえた今となっては、この仕事無しに暮らす事など考えられない、そんな風になりました。

4年前まで都市での暮らししか知らなかった私なのに、人間、まことに大いに変わるものであります。

年越しを迎えるにあたって、この田の豊かな実りに心から感謝するのです。

 

脱穀を終えた稲藁を戻して振り撒いた田は、まるで絨毯を敷き詰めたようです。一見すると、生命の姿の無い冬枯れの景色ですが、実は、この藁の下では既に小麦、大麦が芽を出して春を待っているのです。

彼らと共に、またこの田で新しい年を迎えたいと思っています。

2011/12/29 05:14 | kawaguchi | No Comments