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2010/12/20

ようやく今年の米作りの作業をほぼ終えて、やや脱力している、百姓になりたい、川口です。

先日、脱穀作業について書きましたが、この週末ようやく全ての稲の脱穀を終えました。こちらが私が使っている足踏み式脱穀機。

足踏み式脱穀機を廻すの図 

昨年、初めてのお米作りをした際に、どうして脱穀しようかと困っていた私にご親切な知り合いの方が譲って下さったものです。既に木枠が虫に喰われてガタガタになっているご老体ではありますが、何とか今年も無事働いてくれました。

足踏み式脱穀機は鋳鉄で出来た頑丈な回転ドラムにUの字形をした突起を沢山付けたものです。踏み板を足で踏むと、はずみ車に連結されている歯車がこの突起付きドラムをグルグルと廻す仕組みになっています。回転するU字の突起部分に稲束を接触させて穂先から籾を弾き飛ばす訳です。弾み車を廻す音がなんだか機関車のようで愉しいものです。(ただし、少しだけならですが。)

足踏み脱穀機で弾き飛ばした籾には藁の破片などが沢山混じっていますので、篩(ふるい)にかけて大きな藁屑などを取り除きます。
それでも、細かな藁屑や、籾の成りはしていても米が入っていない未成熟の籾や小さなお米が混ざっていてそのままでは籾摺りが出来ません。
そこで、これらの細かい屑を取り除いてきれいな粒揃いの籾米だけを取り出す作業を行います。

それが唐箕かけ(唐箕選)です。
こちらがその様子です。

唐箕を廻すの図

1) ハンドルを廻すとドラムの内部にある大きな羽が廻って風を起こします。
2) ハンドルを廻しながら(風を送りながら)、上部のスタッカーからレバーで開口部の大きさを調整しながら脱穀した藁屑入りの籾をすこしずつ落としてゆきます。
3) 風が藁屑や軽い籾を吹き飛ばし、重い実が入った籾だけが排出口から出てきます。

こうしてようやく粒揃いの籾米を手にすることが出来るのです。

後は、年末年始の間、天気の良い日に庭にこの籾米を拡げて良く乾かします。(私は年末年始は留守にするので家の縁側に干しっ放しにしておきますが。)

籾がよく乾いたら来年の種籾を取り分け、食べる分は米袋に入れて保存し、食べる時に籾摺りして玄米にしては食べてゆきます。

他方、穂先の籾を外した稲藁はそのまま田にばら撒いて戻しておきます。

田ではこのように稲架も空になり、一面に藁が振りまかれています。

 空になった稲架と振りまかれた藁の図

そうしておくだけで、冬の間に田の土壌に棲む微生物が藁を分解して、再び来年稲が育つ為の栄養に変えて行ってくれます。
稲が、田の土壌、生き物達、そして山からの水によってもたらされる様々な栄養を原料とし、太陽のエネルギーを使って半年かけて作ってくれたお米という実りを私が頂き、それ以外の部分は再び田に戻すのです。すると、それらの「親の亡骸」が、他の生き物達の力で、翌年に子が育つ為のいのちの源となってゆきます。

そんな生命の巡りからのお零れとして、私はお米を頂いて生きてゆくのです。

また、これだけの手間をかけていますから、本人にとっては絶対に本当にこれ以上というものはない、何よりも美味しいお米になるのですね。

さて、この冬の間には山で伐った木でご老体の脱穀機の枠を修理して若返らせてあげたいものです。

2010/12/20 03:07 | お米作り | 2 Comments

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