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2015/08/20

こんばんは、笠原です。
諸事情がありまして前回の更新よりだいぶ時間があいてしまいましたが、今週からまた少しずつ書ける範囲で更新を続けていきたいと思います!

ところで休んでいる間に、キャバ嬢をしている後輩からこんな相談を受けました。
「結婚を前提に付き合っている彼がいるのですが、友人から身上調査をされる可能性があるから、やましい仕事はしないほうがいいと言われました。先輩はどう思いますか?」
というわけで、今回はこの話をしたいと思います。

まず、この質問から引き出されるトピックは二つです。
一つ目は、結婚を前提とした身上調査が実際にありうるのか。
二つ目は、キャバ嬢という職業はやましい仕事に該当するのか。

一つ目でいえば、可能性としては十分にあり得るでしょう。
新人採用にあたり就職活動に来た学生のSNSでの情報発信履歴をチェックしたりエゴサーチならぬお名前検索、メアド検索くらいは企業だって当然のようにしている昨今、なにも結婚相手だけが調査対象になるわけではありません。

息子あるいは娘の人格的信用に基づいてサーチすることそのもの考えないご家庭もあるでしょうが、普通はどんな娘さんなのかしら?程度の好奇心と安心料はほしいもの。企業の採用担当者よろしく話を聞きまくったり食事会という名の面接をしたりすることは普通にあることです。とすれば、興信所を用いて身上調査をするご家庭だってあるということです。

ここで二つ目の問題になるわけですが、やましいかどうかというのは主観による判断です。

自分でキャバ嬢をしつつその仕事を疚しいと思う人は、調査書で見たら疚しいと感じるわけですし、また、全くそうは思わないという感じ方もある。主観はその判断を下す人の価値基準が大きく反映されますから、「疚しい」というのは絶対的な価値観にはなりません。
飲食店を経営しているご家庭などではキャバ嬢だったことで接客技術が結果としてよくなっているのなら問題にしないでしょうし、あるいは法律家などクリーンなイメージが必須のご家庭では「とんでもない!」という反応が帰ってくることは予想されます。
キャバクラ、クラブ、スナック、ガールズバーなど様々な水商売がありますが、そのなかでどこからが疚しくてどこまでが疚しくないっていう線引きだって人によって全然違うのですから。

ですから、わたしとしては冒頭の質問の答えは「可能性はある。だから、なんであなたはキャバで働いているのかという理由はとても大切」ということになります。
その仕事をするだけの理由や必然性が、自分にとってあるのかどうか。
その仕事で得られるものは、身上調査の可能性より大きいのかどうか。
もちろん交際相手やそのご家庭の価値観によってもその可能性は異なるでしょうし、リスクの増減はあるでしょう。だからこそ、なぜ自分がそこで働いているのか、ということは本当に大切なのだと思うのです。

06:00 | chica | “やましい”仕事にするのは誰か はコメントを受け付けていません
2015/06/25

こんばんは。最近梅雨なので毎日髪の毛が跳ねて困っている笠原です。
ところで今日の話題は風俗店での講習についてです。

先日、お店を移ったばかりという風俗嬢の子のツイートを見ていたら「今度は講習がある店だった」という趣旨の発言がありました。ということは、その前のお店はなかったんだと推察されます。

以前も書いたような気もしますが、風俗店では基本的に「講習」制度があります。
ただし、その内容が若干ですが変化しています。また、完全な業界初心者以外は奨められない講習ですが、経験者であってもお店ごとに講習があるなら受けたほうがいいと思っています。

では講習では何をするのか。
内容はお店ごとに違いますが、基本的にはプレイの内容を一通り体験する、ということが多いです。
要するにお店の男性スタッフがお客様の役になり、入店希望者の女の子が風俗嬢となってお客様がついたときの出迎え、プレイ内容、シャワー、送り出しまでの一連の流れと大体のタイムテーブル作りを行うのです。

ですが、今はここまできっちり行うお店は少数派のようです。やはり今後一緒に仕事をするお店のスタッフと裸になるのはいかがなものか…と思う女の子も多いからでしょう。
かわりに増えたDVDでの講習で、これは上記の内容をお店のほうで映像化したものを見ます。映像は服を着たままのものが多いので、あくまでもシュミレーションとしての講習になります。で、この場合はいきなり本当のお客様に接客するのがスタートになります。

ところでこの講習、経験者は基本的に省かれます。ソープランドはマットプレイが、おっパブなどは着衣のままですのでこの二つは別でしょうが、ほかの風俗業種ではほとんど仕事内容に差がないためです。
ですが、わたしはやはり講習があるなら受けておいたほうがいいと思います。

理由としては二つあります。

ひとつには、直接講習ならお店のスタッフから、DVDならつくりかたを通して、そのお店の考える「望ましい接客」が分かるから。お店のスタッフも女の子に稼いでほしい/稼がせたいので、売れている女の子や人気のある女の子の接遇を新人に積極的に教えてくれます。そのお店ではどういうタイプの女の子に人気があるのかを知ることができれば、真似できるというメリットがあるわけです。

二つ目は、講習を受けることで本当にこの仕事をできるのか、という判断や覚悟が出来るからです。ある意味で、新人の時期は安易な気持ちである子も多い。ですから、実際に疑似的な経験をすることで(そして、HP等に写真が掲載される前に)自分が本当に仕事として風俗で働くのかどうかを体験的に確認できます。実際、知人にこの講習で「どうしても無理」と辞めた子もいます。それはそれで賢明な判断です。

一般の企業とはいろいろな意味で違う講習ですが、わたしは結構いい制度だと思います。
お店を移ろうかな…と考えている子は、ぜひ新しいお店でも講習を受けてみてください!

09:26 | chica | 風俗店における講習とは!? はコメントを受け付けていません
2015/06/18

先日、日テレの女子アナ内定取り消し問題の話題を話していた際に同席していた男性から聞かれた質問です。
「なんで女の子はクラブで働きたいと思うの?」

というわけで、本日はそのご質問に回答しようと思います。

水商売、とりわけクラブなど高級店で働く女性の動機は、一般の会社に勤める方同様に様々です。スカウトされたから、という理由もあれば時間的に夜しか働けないという事情のある方もいるでしょうし、単純に興味があったから、という女性もいるでしょう。

 

わたしの友人で、銀座のクラブで現役で売掛をしている子がいるのですが、彼女もまた四大卒。
有名どころの大学に在籍している間からそのお店で働いており、30歳になったら独立したいとのことです。
その彼女が昔、同じような質問に答えていた言葉がとても印象的でした。

「普通のバイトより高い報酬も魅力だけど、一番は社会的ステイタスの高い層と交流できるところがいい。知らない場所にもエスコートしてもらって連れて行ってもらえるし、いろんなことを教えてもらえる。」

これは確かにあるだろうなあ、とわたしも納得してしまいました。

 

クラブの売掛けともなれば、キャバ以上に出勤が厳しく、知性や礼儀作法も求められます。
もちろん容姿にもシビア。一般的に身長は最低でも160㎝と言われていますし、やはり一般的に「かわいい」より「きれい」な女性が働く職場です。

だからこそ、キャバ以上に自らの商品価値を高めるべく、美容、知識の向上に余念がない女性も多々存在する、それがクラブ。もちろんそこには相応の出費も伴いますし、キャバなどに比べると時間的拘束も大きいのですが、だからこそ得られる「体験」は沢山あるのです。

20歳そこそこの女の子が社会的ステイタスの高い層と知り合う機会は、意外とありません。
だからこそ、それは大きな価値になります。
たとえばフレンチの名店に行くことでマナーを覚える。接待ゴルフや乗馬など小娘の分際ではなかなか手を出しにくい趣味への挑戦。新しいものの見方、それに伴う会話術。パーティのドレスコード、TPOにあった服の着こなし。

なんだかマイ・フェア・レディのような話ですが、こういうことは結構聴く話です。
前述の友人も最初はエルメスのお店に入るときに手汗をかくほど緊張したそうですが、今は平然と入れるそうです。別に買う、買わないは別として、気後れはしなくなったそうなんです。
これはわたしにも経験があるので、体感的に納得感を感じたエピソードでした。

04:56 | chica | クラブで働く積極的な理由 はコメントを受け付けていません
2015/06/04

最近急に暑くなってきたこともあり、衣替えをされたかたも多いかと思います。
昨日銀行に行ったら行員さんの制服が夏仕様になっていたり、街にはクールビスが定着しているのか半袖ワイシャツの男性も増えてきました。

が、わたしは長らく夏が嫌いでした。
暑いし、薄着になってコンプレックスの一つである体型を隠す衣類が少なく、薄くなってくるからです。

スナックは比較的ドレスコードが緩く、女の子はスカートだったらいいとか、おおらかなところだとジーンズでもいい、というお店もありますが、いわゆる水商売は基本的に薄着が制服のようなものです。
ロングドレスでも胸元は程度の差こそあれ開いていますし、多くの場合袖はない。ということで布の面積自体が少ないので、隠したいところも隠しようがない。

わたしは背が低い・くびれのすくない幼児体型で、キャバ勤めでドレスを着ることが最初は本当に嫌で嫌で仕方ありませんでした。背が低いから高いヒールの靴を履かないとドレスのバランスが崩れてますます小さく見えるし、似合わない……本当に嫌でした。

でも、着ている間にお客様からいろいろアドバイスも受けまして、自分のコンプレックスである体型でも似合うドレスの形がだんだん分かるようになってきました。

たとえばわたしはバストが小さいので、胸元にボリュームのある飾りがあるほうがバランスよく見えるとか、逆に下半身はストンとしたカッコいい感じのデザインを選んで潔く脚を出すとか。
いまだに体型に関しては全身整形を受けたいと思うほど悩んでしまうときもあり、ダイエットなどもしなければならないという強迫観念に駆られたりもするのですが、痩せるにしても限度があります。あまりにガリガリだと女性らしさも消えますし。

というわけで、わたしは服装のほうをなんとかすることで自分の嫌いな自分の身体の部位をカモフラージュする方向に走りました。そしてお客様にも、それはフリーのお客様から指名を頂く回数が増えたことでちゃんと効果が出たんだなと思うようになりました。

でも、よく考えるとナンバーの先輩方もみんな凄くスタイルがいいわけじゃなかった。
だけど、自分のコンプレックス(だろう部分)をちゃんと魅力的に見せる能力にたけていた。

当時は自慢としか思えなかった「胸が大きくて服が似合わない」発言をしていた方がバストを強調する、でもシンプルな形のドレスを選んでいたり、「お尻が大きくて嫌」と言っていた方が丸みのあるやさしいラインのドレスだけどしっかりくびれを強調するドレスを選んだり。
そういう方々はコンプレックスだから隠す、の一歩先、つまりコンプレックスを魅力に変えるための服選びをしていました。
それは、嫌だってただ言っているわたしより数段かっこよく、センスのある行為に思えます。
実際、そういう考え方は自分に自信をくれるものですし、先輩方は凄く魅力的でした。
だからこそ僻みもあって、「先輩は胸も大きいし」「くびれてるし」とか思っていたわけですが、ひがんでいても自分の体型は一向に変わりません。
だったら、そんな意味のないことをしている間に努力したほうがよっぽど賢いとようやく分かってきたんです。

ひるがえって、今年の夏。
わたしもコンプレックスをまず知って、それを魅力に変える方法をなんとか探したいと思います。自信を持って水着を着られるように、まずはそこから(と言い聞かせてます)!

 

06:14 | chica | コンプレックスは魅力にもなる はコメントを受け付けていません
2015/05/28

今日、ネットを見ていたらこんなニュースを見つけました。

▼銀座のクラブママが夫に「枕営業」 妻の賠償請求を棄却

事件の内容としては銀座のクラブのママが客に対し枕営業を含む営業活動を展開、それに対して客の妻側が精神的苦痛を理由とした損害賠償を請求して争ったもの。法廷では「枕営業は売春と同じく職業として性交渉をしていた」ものであり「結婚生活の平和を乱さない」とされ、賠償請求は棄却されました。

この記事にもありますが、通常、婚姻している男女の一方とそれと知りながら性交渉をしている第三者がいる関係は不倫とされ、されていないほうに対して共同で損害賠償を追うというのが通例です。
……ですから、この判例は水商売経験者としても正直びっくりしてしまいました。

で、枕営業は果たして不倫なのかどうなのか?
わたしは職業としての売春を肯定していますし、枕営業についても同様に考えます。
でも、それが「不倫」になるかどうかは人によってさまざまかなとも思うのです。

個人的な見解ですが、「不倫」って感情としての根拠があるような気がするんです。
結婚してるけどAさんが好き、というような、ちゃんと恋愛感情がある気がする。
風俗嬢は基本的にそこまでお客様に入れこまないように自分の感情をコントロールしようとする心理が働きますし、水商売であれば余計でしょう。
水商売においては「枕営業」は取っておきの切り札でもあるので、やはり安易に使わない。
なぜなら、「体で釣った」というのは水商売の倫理からすれば反則ですし、それを持って非難されることは往々にしてあるからです。

もちろん、水商売をしていたってお客を好きになってしまうことはあるでしょうし、その結果恋愛に陥ることもあるだろうけれど、それは職業的打算を超えた感情でしょう。
そこまで行けば、不倫とされるのも納得です。
だって、「妻がいる」ことを知っていて好きになったのだから。
同じ女性として、妻である女性に対して葛藤も生まれる。そういう関係はまさに恋愛状態なわけで、それは不倫であると思うのです。

でも、職業的に性行為をする女性に通い続ける男性はどうなんでしょう?
それは不倫じゃないのか?
風俗嬢としては職業だけれど、通う男性の意識が不倫状態であることもありえます。また、逆に風俗嬢のほうがお客様に惚れてしまうこともあり得る。

元風俗嬢として、そして一人の女としてもしばらくこの問題で悩んでみたいと思います。

06:13 | chica | 枕営業は不倫なのか はコメントを受け付けていません
2015/05/21

こんばんは。
いわゆる昼職に代わってもう1年半、そろそろ女子力の低下が如実に感じられる今日この頃です。

ところで、女子力とは何でしょう?
わたしや、キャバや風俗などで働いている女の子のなかのうすぼんやりした定義では、「指名を取り続けることが出来る外見と内面を維持すること」になると思います。

外見的な女子力といえる部分だとヘアケア、肌ケアにはじまる美容全般。
いかにして清潔感のある外見を維持していけるか、というのは男性から常に外見を査定される仕事では必須の努力項目です。ダイエットは当然の義務だとみんながなんとなく認識しているところもありますし、男性受けのいい服を買ったり、睫毛も自然に見えるように付けまつげではなくエクステを装着したり、過剰なデザインのネイルはしないように心がけたり。

特定の恋人がいる女の子と違うのは、彼氏に一人に「かわいいね」と言ってもらうためではなく、不特定多数に肯定的な評価を得るために努力するところです。全方向的な清潔感の獲得とその成果を形にすることが、キャバ&風俗的な外見的女子力と言えるでしょう。

内面的な部分でいうと、こちらは連絡のマメさから始まって、会話の引き出しを増やすために情報収集したり、お客様それぞれにあった接遇を出来るようにお店をリサーチしたり、と様々です。
正直、これが本当に難しい。
基本は、お客様を立てる、に尽きるのですが、立て方の好みは人それぞれですし、立てると一口に言ってもとっさには出来ないものです。

特にわたしは脊髄反射で話をしてしまうほうなので、お客様の前では脳内で「わたしはトロい子!おっとりしている子!」などと必死に言い聞かせ、常にワンテンポ、あるいは半テンポくらい通常時から遅れるように話したり。そこまでしてやっと通常の女性の会話のテンポになるのも切ないですが、おかげで失言の割合は減ったのではないかと思いたい。

この辺の努力は人それぞれですが、やはり引き出しの多い女性のほうがお客様の話題についていきやすいのではないかと思う女性も多いらしく、出勤前に携帯でニュースを見たりしている同僚は沢山いました。

で、昼職になって女性誌を眺めていると、女子力という言葉で語られるものは「女性目線で女性らしい行為、能力」に与えられる言葉のような気がするのです。
それはそれで悪くないと思います。
実際、女子力を磨いている感ってテンション上がりますし、ちゃんと評価してくれるのも女友達だったりしますし。

でも、目的が恋人探しだったりする子までこちらの女子力を磨きまくっているのを見ると、もはや男性には手が届かない女性になっているような気もしなくはありません。手の込んだ料理はおいしいけど毎日作り続けるのは大変だろうし、プリザーブドフラワー作りは楽しそうだけど男性はたぶんその楽しさを分かち合えない。

もちろん、その行為自体が楽しければなんら問題はありません。
なんのために自分が女子力を磨くのか。その答えは、見つけておいたほうがいいと思います。
とりあえずわたしは去年の夏に買ったスリムジーンズが履けるように頑張ります!

06:00 | chica | 女子力を磨いた先にあるもの はコメントを受け付けていません
2015/05/14

先日、久しぶりに風俗嬢時代の友人Tちゃんと会いました。
彼女は私と同じようにキャバで働いたあと、風俗に転身した女の子です。経験や業種も近かったので、現役時代から色々と相談したり、情報交換などをしていた仲。
そのTちゃんが、ついに先月で風俗の仕事を辞めることになりました。
辞める理由はいろいろあったわけですが、一番の理由として彼女があげたのは、「もう私はあの店で看板を張れない」というものでした。

看板、というのはそのお店のエースです。
顔出しが可能な場合は文字通り看板や雑誌、広告などあらゆる場面で名前と顔が露出し、お客様においては「○○ちゃんがいるお店」として認知される存在。当然、フリーのご新規のお客様の指名を頂きやすくなり、そのお店を代表する稼ぎ頭ということになります。
多くはナンバー嬢がそれに該当しますが、看板ともなれば頻繁にお店を移動するような子には任せられません。
したがって、お店での勤務態度や在籍年数、黒服さんとの関係性で決定されるのです。

Tちゃんの場合も、ナンバー上位ではありましたが一位をとったことはなく、看板だったのは5年というお店への在籍実績とまじめな勤務態度が評価されてのものだと本人は言っていました。(ちなみに風俗店への在籍は短い子で1〜3日、平均で半年程度だそう。いかにTちゃんがまじめに長く働いていたか分かります。。。)

引退を決めたのは、目標にしていた金額が溜まり、交際している相手と結婚がきまったというおめでたい理由もあるそうですが、Tちゃん曰く、それも「看板が張れない」という焦りからだったとか。
お店の顔ともなればもちろんお客様に恵まれ、週に複数回の定期的な出勤を求められます。1日でお相手する人数は現在8〜10人とのこと。20代の後半であれば、体力的にもしんどいところです。
そのうえ、お店には日々自分より圧倒的に若い女の子がどんどん入店してきます。
定着する子は少ないとはいえ、そういう女の子に指名を奪われることもあるだろう。新規のお客様より指名の気心の知れたお客様とだけすごすことも焦る、とTちゃんは言いました。

一般的には指名だけで予約が埋まるのは理想的なのですが、その状態でも不安になる…。
売れっ子は売れっ子なりの苦悩があるんだな、と聞いていてなんだか少しだけ共感してしまいました。
わたしは売れっ子というほど売れてもいませんでしたが、その時は新規ばかりで予約で埋まらないことを悩んでいた。ところが予約で埋まっても、今度は別な苦悩がある。

看板であるプレッシャーもあったと思いますが、まずはTちゃんの新しい出発を祝してささやかにお祝いしました。
恋人と一緒に始めるお店はバーだとか。オープンが今から楽しみです♪

06:00 | chica | 看板嬢のプライドと苦悩 はコメントを受け付けていません
2015/05/07

キャバクラで働いていたことを話すと、大体の方の反応は下記のどれかになります。

A「あの仕事ってやっぱり稼げるの?(ポジティブ好奇心派)」
B「ドラマで見たけどいじめとか凄いんでしょ?(ネガティブドラマ影響派)」
C「絶句(しつつも内心ではえ、お前が…!?などといろいろ考えちゃう派)」

風俗嬢だったことをカミングアウトするときはBの反応は殆どでないので、これはキャバ嬢に固有のイメージなのかもしれません。

ところで、Bの回答ですがそうでもあり、そうでもなし、というところです。
キャバクラは、言わずとしれた女の職場です。
もちろん、男性スタッフもいるのですが圧倒的に女社会。男性は裏方や管理をするだけなので、いわゆる普通の会社のように社長が一番偉い、ということにはなりません。
一番偉いのは、稼ぎをたたきだせるナンバー嬢なのです。

このように書くと、やっぱり女性特有の物凄いヒエラルキーが出来てくるのか?と思われる方も多いでしょう。

実際のところ、ヒエラルキーは厳然としてあります。
ナンバー嬢は「おなかがすいたから休憩」なんてことも言えますし、帰りの車も一番最初に送ってもらえたりします。逆に、底辺にいるヘルプ専用の女の子は自分勝手に休憩を取ることはできませんし、送迎は一番最後になっても文句は言えません。
この理不尽なほどの扱いの差は、すべて稼ぎに集約されます。
毎日書き足される指名の棒グラフの長さで、お店における女の子の立場は恐ろしいほど変化するのです。

が、ドラマで描かれるほどの激烈なイジメはありません。
もちろん、お客さんをとった、ドレスが被ったなど理由がある場合は別ですが、そうではない場合は女の子同士も立てあうのが基本です。

たとえば自分の指名テーブルでドリンクをもらえたときは、同席しているヘルプの子の分もお願いする。
ヘルプの女の子はバックヤードできちんとお礼をして、その分お客様の前で指名嬢のことを褒めちぎる。
これはビジネス上の演出だけではなく、実際にそのヘルプの子が指名されたテーブルでドリンクを回してもらうこともあり得るため、基本的には女の子同士の仲はケンカするほどでもなく、親しすぎるということもなく保たれているのです。

だからこそ、ナンバー嬢の子はお店に大事にされるのです。
極端な話、一晩で50万円売り上げてくれる女の子Aは一晩5万売り上げの女の子Bより厚遇を受けます。が、A嬢がすべて自分の指名客を一人で相手できるわけでありません。
その間を取り持つのがB嬢で、すべてのテーブルでB嬢もドリンクをもらえた場合、お店の売り上げはA嬢一人の時よりも伸びます。また、B嬢がきちんとお客様の相手をしてくれるからこそA嬢は指名をとり続けることが出来るわけで、A嬢はB嬢のことをドリンクなども含めてケアしていきます。
B嬢はそれに感謝するという好循環で、お店はナンバー嬢を大事にするのですがナンバー嬢も同僚を大事に思うことが多いのです。

女ばかりの職場だからこそ存在する、WinWinの気遣いの連鎖。
ビジネスとしての気遣いは案外こういう物なのかも、と最近では感じるわたしです。

07:11 | chica | キャバ的ヒエラルキー論 はコメントを受け付けていません
2015/04/23

キャバ、風俗などで働いていると、時々意地悪なお客様に遭遇することがあります。

たとえばありえない無理難題を言ってくるお客様。あるいは容姿をバカにするお客様。暴言を吐くお客様、当たり前のように「お前ブスだもんな」などと言ってくる方……本当にたくさんいらっしゃいます。
もう、「様」をつける必要はないと思える方はアリのように沢山いるのです。

が、そこでキレていたら当然仕事になりません。
内心では軽くブチ切れているんですが、それを表に出したら接客業としては失格です。ですので、長く勤めている間に表情筋を笑顔の形に固定しつつ、「またまた〜」などと軽くスルーする技術を身に着けていくのです。
もちろん、内心は腹立たしいのですが、ものは考えようで、そのように言ってくる方は本当に弱い方なのだと思えば虫も収まるようになってきます。

人は、弱いものに向かって威張ります。
というか、正しくは自分が「弱い」と主観的に判断することで威張ることができます。相対的に、自分を強い立場にあげることが出来るからです。

けれど、皆様もご存知の通り、本当に強い方はむやみに威張りません。
相対的に持ち上げられるまでもなく、地位や収入などによって確固たる基盤をお持ちだからです。
むしろ、そのような方ほど私たちのような立場にも非常に細やかな気遣いをしてくださる場合が多く、「こういう人だから成功しているんだろうなあ」と思わずにはいられない。

だから、私たちに暴言を吐いたりむやみに威張る方は、本当は社会で成功できていない方なのです。
誰からも一目置いてもらえないから、相対でしか自分を誇れないのです。そして、そうすることでしか、自分の価値を確認できない方なのです。
気の毒なことだと思います。

ここまで読んで、お前ごときに何が分かる、とおっしゃる方もいるでしょう。
確かに、そうおっしゃる方々の鬱屈すべてが理解できるわけではありません。
そして、理解する必要もないと思います。

私たちに必要なのは接客業として最低限の、そのような言葉や態度をやり過ごす能力です。
わたしたちがそれを真に受けて傷つく必要はみじんもないし、まして自問自答する必要はありません。もちろん、こちらに落ち度がある場合は反省も必要ですが、そうでない場合に過剰なほど自己防衛して反撃したり、逆に過剰なほど落ち込む必要もないのです。

働く女性たちのすべてに、わたしはエールを送ります。
がんばれ、女の子。

06:00 | chica | カチンと来る一言への対処法 はコメントを受け付けていません
2015/04/16

キャバクラ、クラブ、バー…それらのナイトスポットは大人の社交場としての機能があります。

もともとは、「仕事の話をするときに男性だけではなく女性がいたほうが円滑に話がまとまる」という考えから女性のいるお店を男性が商談で使うようになったのがスタートだとか。
確かにそのような場合であればお互い会社を背負ってその場に臨んでるわけで、女性の前で見苦しいふるまいはしないという期待や場があれても女性がとりなしてくれるだろうという効果を見込んでの用途なのでしょう。
そのような用途から口の堅い女性のほうが望ましいということで、高級クラブなどプロの職能が求められるようになりました。

つまり、水商売の中でもクラブホステスや高級キャバクラのホステスはファシリテーター的な役割も求められる。
これはまさしくプロの仕事だと思います。
わたしは残念ながら高級と呼ばれるクラブでの勤務経験がないので先達の話を聞くだけですが、あるお客様はここぞというときに必ず使うお店があるのだとか。
そのお客様曰く、“どんなギスギスしそうな相手でもクラブに行くところまでこぎつければ100%纏められる”のだそうで、そのお客様と指名ホステスの方は商売上のパートナー性さえ感じさせます。当然、そのお客様はホステスさんに頭が上がらないそうです^^

逆に、女性が女性のクライアントに対し、ホストクラブで商談するという話は今のところ聞いたことがありません。
ホストがそこまでの職能を要求されていないのか、あるいは女性が潤滑剤として男性を必要としないのか。
女性の中に男性を放り込むと、その男性をめぐっての心理的な駆け引きが出がちなので、わたしは後者だと思いますが面白いことだなと思います。

女性は異性を仕事の場にそこまで必要としないけれど、男性は異性の存在を必要とする
逆に女性はホストクラブに限らずバーなどのナイトスポットはリラックスの場として使うことが多いわけで、これは性差なのか仕事上の職務差なのか。

自分には覗けなかったクラブの話はいろいろと興味深く、やはりプロの仕事場なのだなあと強く感じた一件でした。

06:00 | chica | ファシリテーターとしてのクラブホステス はコメントを受け付けていません

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