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先日、久しぶりに風俗嬢時代の友人Tちゃんと会いました。
彼女は私と同じようにキャバで働いたあと、風俗に転身した女の子です。経験や業種も近かったので、現役時代から色々と相談したり、情報交換などをしていた仲。
そのTちゃんが、ついに先月で風俗の仕事を辞めることになりました。
辞める理由はいろいろあったわけですが、一番の理由として彼女があげたのは、「もう私はあの店で看板を張れない」というものでした。
看板、というのはそのお店のエースです。
顔出しが可能な場合は文字通り看板や雑誌、広告などあらゆる場面で名前と顔が露出し、お客様においては「○○ちゃんがいるお店」として認知される存在。当然、フリーのご新規のお客様の指名を頂きやすくなり、そのお店を代表する稼ぎ頭ということになります。
多くはナンバー嬢がそれに該当しますが、看板ともなれば頻繁にお店を移動するような子には任せられません。
したがって、お店での勤務態度や在籍年数、黒服さんとの関係性で決定されるのです。
Tちゃんの場合も、ナンバー上位ではありましたが一位をとったことはなく、看板だったのは5年というお店への在籍実績とまじめな勤務態度が評価されてのものだと本人は言っていました。(ちなみに風俗店への在籍は短い子で1〜3日、平均で半年程度だそう。いかにTちゃんがまじめに長く働いていたか分かります。。。)
引退を決めたのは、目標にしていた金額が溜まり、交際している相手と結婚がきまったというおめでたい理由もあるそうですが、Tちゃん曰く、それも「看板が張れない」という焦りからだったとか。
お店の顔ともなればもちろんお客様に恵まれ、週に複数回の定期的な出勤を求められます。1日でお相手する人数は現在8〜10人とのこと。20代の後半であれば、体力的にもしんどいところです。
そのうえ、お店には日々自分より圧倒的に若い女の子がどんどん入店してきます。
定着する子は少ないとはいえ、そういう女の子に指名を奪われることもあるだろう。新規のお客様より指名の気心の知れたお客様とだけすごすことも焦る、とTちゃんは言いました。
一般的には指名だけで予約が埋まるのは理想的なのですが、その状態でも不安になる…。
売れっ子は売れっ子なりの苦悩があるんだな、と聞いていてなんだか少しだけ共感してしまいました。
わたしは売れっ子というほど売れてもいませんでしたが、その時は新規ばかりで予約で埋まらないことを悩んでいた。ところが予約で埋まっても、今度は別な苦悩がある。
看板であるプレッシャーもあったと思いますが、まずはTちゃんの新しい出発を祝してささやかにお祝いしました。
恋人と一緒に始めるお店はバーだとか。オープンが今から楽しみです♪