(先月も休載でした)
先週から家族に重篤な状況になっているものがおり、
更新している余裕がありません。
来月は更新をと考えています。
今しばらくお待ちくださいませ。
よろしくお願いします。
事務所の移転作業にともない、今月のコラムはお休みさせていただきます。
来月からは、伏見稲荷大社のすぐそばの事務所からアップさせていただきます。
宜しくお願いします!
京都サポートハウス
浜本 靖
2004年からスタートした、難病患者さん支援ボランティア組織、
「京都サポートハウス」ですが、いよいよ10年目を迎えます。
簡単ではありますが、今までご支援を頂いた皆さんへ
心からお礼を申し上げます。
今日はそのご報告と一緒に、病気の家族を抱え大変困難な状況にある方の、
心の中を少しですがお話をさせてください。
——-
タイトルにある、嫉妬とは、仏教的な意味合いで行くと「煩悩」のひとつなのかも知れません。
ただ、平素は嫉妬と言っても、「ああ、羨ましい」程度の話なので、
当の本人も、嫉妬していたことすら忘れているものです。
——
サポートハウス(*画面右にあるカテゴリー「TOP」参照)は、
マクドナルドハウスをはじめ、いわゆる集合住宅の形のところと、
私が責任者を務めている京都サポートハウスのように、
一つひとつのハウスを別々に用意しているものもあります。
それぞれのメリットデメリットを紹介は、今回は割愛しますが、
私がなぜハウスを個別に用意しているのかをお話します。
—–
ハウスが離れていると、全体の管理や清掃などが大変です。
ハウスとハウスの間を移動せねばなりませんからね。
集合住宅なら移動する距離はしれています。
だけど、私は集合住宅にはしません。
なぜならば、利用者さん同士の関係で何かとトラブルが発生する場合があるからです。
特に私が精神面で重視しているのが、「嫉妬」であります。
——
自分の家族、とくに子どもが患者の場合、親の心中は、穏やかなものではありません。
大部屋の場合は、特にそう。自分の子どもの体調が悪くなる一方で、
同じ病気の隣のベッドにいる他所の子が、回復しているときは、
とても辛く、嫉妬に良く似た心境になるものです。
「どうして我が子は良くならないのか」
私は、長男が入院しているとき、調理室で自身の夕食を用意していましたが、
ここで知り合ったご家族との会話が苦痛でした。
相手に何か非があるわけではありませんが、我が子が脳死状態で、
一方同年齢の子どもさんを看病しているお母さんのウキウキした様子は
私の神経を逆撫でするものでした。
—–
ハウスでも病室と同様な事案が発生する可能性があるのが、集合住宅の欠点です。
本来ハウスは、心休めることを目的の一つにしていますが、
ハウスを利用することが苦痛になる可能性があるのです。
その原因が「嫉妬」であります。
病院にいる患者さんが、皆それぞれ快方にむかっているなら何の問題も無いのですが、
そういうわけにはいきません。
看病するとき、お見舞いにゆくときは、周りに十分な配慮が必要です。
ハウスの運営についても、そういう配慮ができないと、「泊めてあげている」だけで、何の値打ちもありません。
ハウスの運営を始めて10年目になりますが、まだまだ至らない自分を恥じ入るばかりであります。
しかし、多くの利用者さんから大きな感謝の気持ちを頂き、この事実が心の支えになっています。
「我が子の死を無駄にしたくない」という想いから始めたサポートハウス運営ですが、
これからも、初心を忘れず、患者さんとそのご家族に寄り添いながら活動をすすめたいと思います。
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私の自己紹介や、なぜ社会福祉や市民活動の事に話題にしているのか?と感じた方は、
画面右横にある、「TOP(初めての方は此方へ」)と、「過去記事一覧」もあわせてご覧下さいませ。
日本では、難病患者の子どもたちの多くは、それ相応の医療を受けられています。
これって、サラって言ってしまうと、「当たり前じゃない」って返事が返ってきそうです。
確かに、当たり前なんです。でも、何事も例外があって、
(例外が、)ひどい場合死に至るようなケースもあるんです。
そんな状況を、今こんな風に呼んでいます。
「医療ネグレクト」
難病はちょっと横に置いといて、日常当たり前にある病気の話ですが、過度な、自然治癒力への期待や、偏った宗教感や思想信条が災いをして、
苦しんでいる我が子に当たり前の医療を受けさせない親が出てきています。
この「ネグレクト」という言葉は、子育てに無関心な親に付けられていますが、
今は、この医療ネグレクトのほかに、障がいがある人やご高齢の方への介護ネグレクトも多く報告されています。
今、日本ではこのネグレクトが幅を利かせています。
————-
私は、人間誰しもが常に万全な状態で生きているわけではないと思うのです。
体調が悪いときもあるでしょうし、お金や精神的に余裕の無いことも普通にあります。
だから、ある瞬間、他者への対応が、「ネグレクト」になってしまうこともありえると思います。ですから、あまりご自身を責めずに、先ずは出来る事はするとして、出来ないことは、様々な支援を行っているボランティア団体や、もちろん、ご家族、行政、医療施設を頼ることをお勧めします。
私は極度のストレスに長時間さらされると人間どういう心境になるかを良く知っています。
私の長男が難病の治療の末、脳死状態になった際、そのストレスと長期間にわたる看護で、疲れ果て「早く死んで欲しい」と願ったものです。
その願いが通じたのか、結局、息子は早々に天国に召されましたが、私は自責の念で長年苦しみました。
ですから、私が申し上げたいのでは、「極端なネグレクト状態が始まる前に、誰かに相談すること」であります。「苦しい、助けて欲しい」とはっきり言うことです
それができない人は、最終的にはこうなります。
「セルフネグレクト」
自身のことに関心を持たなくなり、人間としての生命維持のための意欲を失うことです。
自分自身を愛せないひとは、他者も愛せません。
完璧に何事もこなせる人なんていませんから、介護、子育て、看護などストレスを感じるようなら、自身で反省や工夫ができる範囲を超えたと感じた場合は、誰にでもいい、「助けて欲しい」と言える余裕は最後の最後まで残しておきましょう。
私は、セルフネグレクトが今の日本に暗い影を落としていると感じています。
多くの人がこの危険の一歩手前にあると、強い危機感があります。
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私の自己紹介や、なぜ社会福祉や市民活動の事に話題にしているのか?と感じた方は、
画面右横にある、「TOP(初めての方は此方へ」)と、「過去記事一覧」もあわせてご覧下さいませ。
ボランティア団体で仕事をしたいという人が増えています。
もちろん、ここでいう仕事とは生活ができる給与を得ながら、というとです。
残念なことに折角就職しても短期間で辞める人も多く、私の身の回りの話だけですが平均的な就労期間は2年~3年です。
基本、関係者の多くが無報酬が当たり前の組織の中で給与を貰っている人という立場は微妙なものです。
例えば実社会で言うと、同じ労働時間で同じ仕事内容。
でも、片方は正規職員で、もう片方はパートタイマーなんていう現場はいくらでもあるでしょう。
下手をすると、パートタイマーさんの方が仕事に精通している場合もある。
そうなると、パートタイマーさんにすれば面白くないわけです。
やはり、責任はもちろん、少なくとも労働時間は、正規職員のほうが長い位の客観的な差がないといけない。
これがボランティア団体だと曖昧になりがちで、片方は有給で、片方は無償奉仕。
短期間では問題は無いけど、長期間になると結構キツイものがあります。
ここで、ボランティア団体で働きたい人にアドバイスです。
賃金を貰うからには、無償で頑張っている人達から見て、
「あの人には賃金を支払う価値がある」と思わせないといけません。
その為には、「ある技術」が必要となります。
では、その「ある技術」とは何か。
それは、「善意を組織の力に変えられる技術」です。
そのあたりに転がっている善意とは自然発生的で無秩序で、とてもいい加減な面があります。
ですから、それらを束ねることはとても難しいし、最終的には、団体の目的である支援活動に結び付けなければなりません。
そのために必要なお金や人や情報も調達し、組織に合う様に組み立てて行かねばなりません。
その技術に、私の様な運営責任者は魅力を感じ「賃金を支払っている」のであります。
もっと言うと、営利企業より厳しい「究極の成果主義」が待っているわけです。
ここを理解していないと継続して賃金を得ながら働くことは難しいのです。
「善意」の押し売りで賃金を得られるならば、世の中なんの苦労もありません。
しかしながら、いきなりそういう技術を習得し、発揮できる人はいません。
ですから、そういう技術が身につくまでは、辛い時期を乗り越える、
精神的にも、肉体的にもタフさが必要になります。
また、離職率が高い問題として、低賃金があげられます。
就労の条件も悪く、これでは、「ボランティア団体と言う名のブラック企業」なんてことになりかねません。
この点については、私も運営責任者の一人として、十分な配慮と計画性が必要となります。
大学生の方を中心に申し上げたいのは、先ずは、数年は営利企業などでしっかりと働き、
その中で、ある程度の成果や達成感を得てから、ボランティア団体でお仕事をされることをお勧めします。
情熱と行動力だけでは何ともならないことがあります。やはり経験も技術も必要です。
そのあたりも考慮して、就職先としてのボランティア団体と向き合ってください。
優秀な人材が多く集まる傾向にある今だからこそ、定着率を上げ、
もっともっと素敵なボランティア団体を作って、大きくして行こうじゃありませんか!!
今日は大晦日。
タイトルに相応しい日です。
私が代表を務めさせて頂いている「京都サポートハウス」の活動を
振り返りながら、話をすすめます。
—–
京都サポートハウスは今年も、サポートハウスの運営と通して、
難病患者さんへの支援を一年通じて行いました。
(サポートハウスとは?→右側の「カテゴリ」にある、「TOP」をまずご拝読願いします)
ハウスの入室条件を、長期の利用者さんを重点的にお引き受けした関係で、
稼働率は、70%程度でしたが、やはり夏休みのピーク時にはお断りするケースが多く、
部屋不足を感じています。ただ、他のハウス運営団体のお部屋もあわせると、
20部屋以上はありますので、閑散期は、部屋が空くこともありますね。
この仕事は非営利なので、空室でも問題は無いのですが、
これからは、単純に部屋数を増やすということより、ファミリータイプの部屋など、
大勢が一同に利用できる広さと機能を持ち合せた、ハウスが求められていると感じています。
特に、臓器移植が増える傾向があるので、そういうケースにも対応できるハウスが今求められています。
—–
難病を「不治の病ではなく、治る病にするには?」
世界中が今このテーマで、懸命に取り組んでいる一方、医療技術の発展が思わぬトラブルや価値観の相違を引き起こしています。
最も多いのが、遺伝子解析装置(シーケンサー)の読み取り速度が格段に高まった、究極の個人情報である、
「ヒトゲノム」がもたらすケースです。例えば、アメリカでは皆保険制度がありませんので、(全員ではありませんが)この技術を用いて、
民間の医療保険に加入できるかどうか判断されます。知らなければそれで済んだことも、不治の病の発症率まで教えてくれるわけです。
そうなると、保険に入れなかったり、仕事(要は出世など)にも響きますね。
難病発症の確率が高い人と付き合い、結婚を考える人の中には、(結婚を)躊躇する人も出てくるでしょう。
検査の費用が安くなっていることも拍車をかけている。(費用は1人当た100万円程度 1週間程度)
また、この技術を逆手?にとって、早期発見早期治療ではなく「青田刈り発見、青田刈り治療」とでも言うのか、
発症する確率があるというだけで、手術(予防?整形?肉体改造?)をする人まで現れました。
有名なところでは、今年の5月、女優アンジェリーナ・ジョリーが公表した、予防的な乳房切除手術です。
このお話のウラには、乳房をインプラントで復元する技術の向上もあったわけですが、彼女はリスクを減らすため、
今は健康な肉体にメスを入れたわけです。こんなこと、数年前までは考えられませんでしたよね。
—–
京都サポートハウスでは、ハウスの運営とその費用を賄うため、収益事業を行っていますので、一年中忙しくしていますが、
ハウスの利用者さんとのふれ合いや、感謝の言葉に支えられながら、来年4月についに10年目を迎えます。
(上記の様な)医療技術の発展や、人間の価値観の変化、経済動向など日々大きな変化がありますが、
私達は、初心を忘れず今できることを精一杯やってゆこうと決意も新たにしています。
皆さんにとってこの一年如何でしたか?
私にとっては、当たり前の幸せを実感できる素敵な一年でしたよ。
来年もサポートハウスの運営頑張ります!!
応援宜しくお願い致します!!
こんばんは。
寒くなりましたね。
京都の紅葉は真っ盛りで、一年で一番観光客の多い季節です。
さて、今月はお休みさせていただき、来月に記事をアップしたいと思います。
難病患者さんの支援だけではなく、海外支援の方も始めますので、
その内容もアップできればと思っています。
しばらくの間ですが、お休みさせていただきますね。
では、また!!
私が代表を務めさせて頂いている京都サポートハウスでは、難病患者さんの付き添いのご家族が安心して滞在できるハウスを運営しています。
家族が病気になると、家族(ケースによっては一族)が金銭的にも、精神的にも大きな負担を抱えますから、そういう方の負担を少しでも軽減したいと考え、利用料を1泊1000円に設定しています。社会全体からみれば小さな取り組みだとは思いますが、少しでも負担軽減に繋がればと思っています。
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今、40~50歳代の働き盛りの人が、親の介護を理由に離職するケースが増えています。
先にお話をした「難病」とは違い、「老い」はごくありふえた現象です。ですから、社会全体でこういう傾向が強くなっているということです。
2011年の政府の資料によると、介護をしながら働いている人は291万人です。そのうち40~50歳代は全体の6割。そのうち男性は4割です。
介護が原因で離職した人は10万人ですが、今後、増えることは間違いないでしょう。この年代は企業の中心をなしていますが、一旦離職してしまうと、再就職は困難です。また、介護中の収入はほとんど無い状態になりますから、結局社会全体で生活保護などの社会保障制度で、その家族を支えてゆかねばなりません。
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老いはごく自然なことなので、老いることを止めることはできません。今後、子どもの人数も減りますから介護の問題は今よりもっと深刻になるでしょう。それに、寿命は延びているので、例えば今から10年後の話としても、40~50歳代の人の介護はそのまま継続し、現在30歳代などの介護などは無縁の年代もそのうちに、同じような状況になることは明白です。
では、どうすればこういう状況を改善できるのでしょうか
ひとつは、介護保険制度をはじめ社会保障制度の充実を図ることはもっとも効果が大きいと思います。具体的には、介護をサポートしてくれるヘルパーやデイケアなどのサービスを提供してくれる事業への十分な支援を国がしてくれることが大切です。現在、介護度の低い(5段階で1~2)方を事業所が受け入れても、国からの報酬は最も重い要介護5の方にくらべ半分以下です。そのあたりを改善し、ヘルパーや職員への十分な給与保障も取り付ける必要があります。
また、今回私が訴えたいのは、「働く意味と働き方」の意識を変えるということです。ここで参考にしたいのが地方の農村部での事業所での働き方です。農村部では、サラリーマンとして働いている人の大半は、兼業農家です。従業員には農家としての役割もあり、その役割や立場に事業所は配慮しています。特に農繁期には、休みを取りやすいようにワーキングシェアリングの様な労働形態ががあたりまえに行われています。
介護が必要な親を持つ従業員に辞められて、大きな損失が発生してからでは遅いと思いますから、企業もこの問題については真剣に対策を練らないといけません。先に紹介した農村部での取り組みなどもそうですが、介護や子育て、病気の家族の付き添いなど当たり前に発生する人生のイベントに対処できるように社会全体で備えてゆく事と同時に、一部の家族(昭和は嫁と呼ばれる存在に丸投げ状態だったが)過重負担にならないよう、個人もきちんと対処する問題でもある。そういう意味で行くと、社会から孤立しないよう、普段から地域との結びつきを取ってゆかないと、事業所からも地域からもそして家族からも孤立した状態の中で介護をせねばならない。私はこういう状態を「孤立無援のロンリー介護」と呼んでいます。
あなたの老後の前に、親の老後をどう受け止めますか?
そのとき、あなたの会社や家族や地域の支援は期待できますか?
まずは、身近な人とそういう話をしてみましょう。
そこからスタートです。
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私の自己紹介や、なぜ社会福祉や市民活動の事に話題にしているのか?と感じた方は、
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私の「難病患者さんを支援するボランティア団体の責任者」なんて言う肩書を知っている人は極わずかですが、
私の知らないところで、その情報を入手し、(変な)商売をしたいがため、DMや携帯に電話がたまにあります。
大抵、「医者が匙を投げた末期のがん患者の癌が消えた!」なんていうやつです。
皆さんも、新聞や雑誌などの広告で一度はみたことありますよね?
私の友人が、そのセミナーに参加したいので、一緒に付添って欲しいと言われ、参加してきましたのでご報告します。
********
友人はある病気を患っていますので、真剣そのもの。
私は、「そういうので治ったなんて聞いたことないよ」とは忠告したのですが、実は、興味もあったので同行しました。
大阪梅田のとある有名なホテルのホールを貸しきっての説明会です。
大勢の人が参加していますが、どうみても元気そうだ。
受付(偽名)を済ましたあとに、友人と席に座って始まるのを待っていましたが、異様な雰囲気だ。
病気云々というより、「ひと山あてたい」的な人が多くないか?
居心地の悪さに、ちょっと気が引けてきたとき、セミナーは開始された。
「なんでも治る水」ですから、どんな医学的根拠が示されるかとちょっとは期待したのですが、
インチキ商売であることがのっけからばれる始末。
それは、セミナーが開始され、簡単なビデオを見せられたあとにいきなりこの発言です。
「この水が普通に誰にでも飲めるようになったら、製薬会社は困るから、どんな嫌がらせを受けるかわからない。
よって、公に販売することはできない!」とのことです。
おいおい。。。
「そんなに凄い水ならば、厚生省から認可を受けて、誰しもが安価で(保険で)安心して飲めるようにするべきだろ!」と怒りが。
そのあとダラダラと医師と思われる白衣のおじさんが、どうでもいい説明を10分くらいありました。
癌、成人病をはじめ鬱病や水虫まで効くそうです(笑)
**********
少しの休憩を挟み、いよいよそのインチキ振りに拍車がかかってきました。
二部は、「水の飲み方」です。
皆さん、何にでも効く水ですよ。どんな飲み方をするのか気になりませんか?
私かなり真剣に観ていました。
そしたら、いかにもいい加減そうな背広姿の若者(男性)が、
「皆さん、この水の飲み方の説明を始めます」
「まず、コップとこの水を用意してください」
「コップに思い切り水を注いでください」
「そして、右手を腰にあて、コップに注いだ水を一気に飲んでください!」
場内からは苦笑いの声が少々あっただけで、大した問題は起こらず、
そのスタッフは、「次にいよいよ手数料などの説明です」と大きな声で言ったとたん、
場内の雰囲気は一変し、「おお、待っていました!」っていう空気に支配されました。
私は、腹立たしい気持ちがあふれ、「手数料とはどういうことですか?」と質問しました。
「今から、販売店の方にどうすればこの水で儲けて頂けるかを説明するのです」
私は開いた口がふさがらず、あっけに取られました。
それからは、この水を販売して儲けをだしている販売店の話が数名続き、
料金が、ペットボトル2リットルで2万円で卸ますとか、もう、なんでもアリだな的な話が続き、
いかにも、「人生金でっせ!」という感じのおじさんが、熱心にモラルに反する質問を平気でしていました。
私は立ちくらみを覚えながら友人とホテルをあとにしました。友人の目にも怒りがこみ上げていました。
*********
こういう記事を読んで、「だまされる奴がわるい」と思っている人がいるでしょうね。
しかし、「よし、今から私はだまされますよ!」なんて言う人はいないです。
病気で苦しみ、余裕がなくなり、藁にもすがる思いなったとき、
こういうインチキ商売や、インチキ宗教が忍び寄ってくるのです。
私はこういう人に会ったことがります。
息子が癌になったのは墓石にヒビがあるからだといわれて、
「100万円かけて、新品にしました!」っていうことを熱心に話す人を。
「もうこれで安心だ!息子は治る」ともおっしゃっていました。
それからすぐに息子さんは天国に召されたのですが・・・
*********
人の幸せに形はありません。
墓石を新品に交換した人は、大きな幸福に一瞬ですが包まれたでしょう。
これはこれで良かったのかも知れません。
右手を腰に手をあて、水を一気に飲み干し、「これで俺は大丈夫だ!」と、
一瞬でも幸福感に包まれたのなら、インチキとは言えないのかも知れません。
ただ、私はサービスを提供する人が、あきらかにお金を目的にしている時、そして、
患者さんの行く末にまったく責任を持たないのならば、それはあまりにも惨いと思います。
藁にもすがる想いをしたことがない人には、そういう状況の人の苦しみは理解できないでしょう。
でも、そういう惨い行動はいつか必ず形をかえて、その人に災難がふりかかる。
そう、「因果応報」です。
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今月は、夏休みと言うことで簡単な内容で終わらせて頂きます。
書きかけの記事がたくさんあるので、しっかり仕上げて来月からは、
文化の秋にふさわしい中身で、寄稿してゆきたいと思いますので、
宜しくお願いします。
—–
今月の収益事業の売り上げは、過去最高です。
新しいサポートハウス用の物件を購入するに弾みがつきそう。
猛暑の中、クーラーのない事務所での作業はまさに格闘でした。
疲れが出ないようにしないといけませんね。
ところで、皆さん病気ってどこから来るんでしょうかね?
仏教の基本の教えは、生きることは「苦」であるという事から入る。
その基本は四苦です。四苦とは「生、老、病、死」です。
では、とくに「病」とは何なのでしょうか?
最近の医学の進歩の中で色々なことが分かってきました。
興味深い番組をご紹介して、今月は終わらせていただきます。
http://www.nhk.or.jp/special/yamai/index.html
「NHKスペシャル 病の起源」
5月18日 「人類進化 700万年の宿命」
5月19日 「がん」
5月26日 「脳卒中」
10月予定 「心臓病」「うつ」
関連放送(放送済み)
- 第1集 睡眠時無呼吸症 ~石器が生んだ病~
- 第2集 骨と皮膚の病 ~それは“出アフリカ”に始まった~
- 第3集 腰痛 ~それは二足歩行の宿命か?~
- 第4集 読字障害 ~文字が生んだ病~
- 第5集 糖尿病 ~想定外の“ぜいたく”~
- 第6集 アレルギー ~2億年目の免疫異変~
進化を遂げる中で、様々な病気の原因を私たちは背負ってきたようです。
まさに、人生は四苦「生、老、病、死」に満ちている。
ただ、その苦しみを単に業(宿命)とはせず、医学の進歩の紹介も含め、
元気が出る番組内容になっています。
NHKオンデマンドで観られるものもあるようなで、
是非ご覧ください。
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