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2014/02/28

日本では、難病患者の子どもたちの多くは、それ相応の医療を受けられています。
これって、サラって言ってしまうと、「当たり前じゃない」って返事が返ってきそうです。
確かに、当たり前なんです。でも、何事も例外があって、
(例外が、)ひどい場合死に至るようなケースもあるんです。
そんな状況を、今こんな風に呼んでいます。

「医療ネグレクト」

難病はちょっと横に置いといて、日常当たり前にある病気の話ですが、過度な、自然治癒力への期待や、偏った宗教感や思想信条が災いをして、
苦しんでいる我が子に当たり前の医療を受けさせない親が出てきています。

この「ネグレクト」という言葉は、子育てに無関心な親に付けられていますが、
今は、この医療ネグレクトのほかに、障がいがある人やご高齢の方への介護ネグレクトも多く報告されています。

今、日本ではこのネグレクトが幅を利かせています。

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私は、人間誰しもが常に万全な状態で生きているわけではないと思うのです。
体調が悪いときもあるでしょうし、お金や精神的に余裕の無いことも普通にあります。
だから、ある瞬間、他者への対応が、「ネグレクト」になってしまうこともありえると思います。ですから、あまりご自身を責めずに、先ずは出来る事はするとして、出来ないことは、様々な支援を行っているボランティア団体や、もちろん、ご家族、行政、医療施設を頼ることをお勧めします。

私は極度のストレスに長時間さらされると人間どういう心境になるかを良く知っています。
私の長男が難病の治療の末、脳死状態になった際、そのストレスと長期間にわたる看護で、疲れ果て「早く死んで欲しい」と願ったものです。
その願いが通じたのか、結局、息子は早々に天国に召されましたが、私は自責の念で長年苦しみました。
ですから、私が申し上げたいのでは、「極端なネグレクト状態が始まる前に、誰かに相談すること」であります。「苦しい、助けて欲しい」とはっきり言うことです

それができない人は、最終的にはこうなります。

「セルフネグレクト」

自身のことに関心を持たなくなり、人間としての生命維持のための意欲を失うことです。
自分自身を愛せないひとは、他者も愛せません。
完璧に何事もこなせる人なんていませんから、介護、子育て、看護などストレスを感じるようなら、自身で反省や工夫ができる範囲を超えたと感じた場合は、誰にでもいい、「助けて欲しい」と言える余裕は最後の最後まで残しておきましょう。

私は、セルフネグレクトが今の日本に暗い影を落としていると感じています。

多くの人がこの危険の一歩手前にあると、強い危機感があります。

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2014/02/28 07:39 | hamamoto | No Comments