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2014/01/13

ボランティア団体で仕事をしたいという人が増えています。
もちろん、ここでいう仕事とは生活ができる給与を得ながら、というとです。
残念なことに折角就職しても短期間で辞める人も多く、私の身の回りの話だけですが平均的な就労期間は2年~3年です。
基本、関係者の多くが無報酬が当たり前の組織の中で給与を貰っている人という立場は微妙なものです。

例えば実社会で言うと、同じ労働時間で同じ仕事内容。
でも、片方は正規職員で、もう片方はパートタイマーなんていう現場はいくらでもあるでしょう。
下手をすると、パートタイマーさんの方が仕事に精通している場合もある。
そうなると、パートタイマーさんにすれば面白くないわけです。
やはり、責任はもちろん、少なくとも労働時間は、正規職員のほうが長い位の客観的な差がないといけない。
これがボランティア団体だと曖昧になりがちで、片方は有給で、片方は無償奉仕。
短期間では問題は無いけど、長期間になると結構キツイものがあります。

ここで、ボランティア団体で働きたい人にアドバイスです。
賃金を貰うからには、無償で頑張っている人達から見て、
「あの人には賃金を支払う価値がある」と思わせないといけません。
その為には、「ある技術」が必要となります。
では、その「ある技術」とは何か。
それは、「善意を組織の力に変えられる技術」です。

そのあたりに転がっている善意とは自然発生的で無秩序で、とてもいい加減な面があります。
ですから、それらを束ねることはとても難しいし、最終的には、団体の目的である支援活動に結び付けなければなりません。
そのために必要なお金や人や情報も調達し、組織に合う様に組み立てて行かねばなりません。

その技術に、私の様な運営責任者は魅力を感じ「賃金を支払っている」のであります。
もっと言うと、営利企業より厳しい「究極の成果主義」が待っているわけです。
ここを理解していないと継続して賃金を得ながら働くことは難しいのです。
「善意」の押し売りで賃金を得られるならば、世の中なんの苦労もありません。
しかしながら、いきなりそういう技術を習得し、発揮できる人はいません。
ですから、そういう技術が身につくまでは、辛い時期を乗り越える、
精神的にも、肉体的にもタフさが必要になります。

また、離職率が高い問題として、低賃金があげられます。
就労の条件も悪く、これでは、「ボランティア団体と言う名のブラック企業」なんてことになりかねません。
この点については、私も運営責任者の一人として、十分な配慮と計画性が必要となります。

大学生の方を中心に申し上げたいのは、先ずは、数年は営利企業などでしっかりと働き、
その中で、ある程度の成果や達成感を得てから、ボランティア団体でお仕事をされることをお勧めします。
情熱と行動力だけでは何ともならないことがあります。やはり経験も技術も必要です。
そのあたりも考慮して、就職先としてのボランティア団体と向き合ってください。
優秀な人材が多く集まる傾向にある今だからこそ、定着率を上げ、
もっともっと素敵なボランティア団体を作って、大きくして行こうじゃありませんか!!

2014/01/13 08:08 | hamamoto | No Comments