あけましておめでとうございます。
2011年謹賀新年
民國100年新年快樂
その帰路に己れを焼きし「はやぶさ」の光輝かに明かるかりしと
(皇后陛下の御歌より)
昨年は「はやぶさ」地球帰還という一大イベントがあり、2001年から関わってきたミッションの最後の場面にも立ち会う機会に恵まれました。「はやぶさ」は地球の一部となりましたが、「はやぶさ」を通して素晴らしい人々との繋がりが生まれました。今年はまず、「はやぶさ」との約束であるイトカワ探査の残された研究課題と、地球再突入光学観測の成果を世に出すことが任務です。また、2008年春に台湾へ渡り携わってきたパン・スターズ(Pan-STARRS)全天サーベイ国際プロジェクトが、ようやく軌道に乗り始めました。台湾の科学研究費を貰って行っていることもあり、成果を出すことが求められています。そして、いよいよ「はやぶさ2」が本格的に始動します。台湾に来て3年目になる2011年は、國語のレベルアップも必須です。台湾は建国100年という節目の年。今年もどうぞよろしくお願いいたします。
2010年5月21日、宇宙航空研究開発機構(JAXA)よって打ち上げられた金星探査機「あかつき」は、金星周回軌道へ減速させて投入するため、12月7日8時49分(JST)に軌道制御エンジン(OME)の逆噴射を開始した。しかし、噴射開始から2分23秒後2分32秒(152秒)後に姿勢を崩して(ひっくり返って回転を始めた X軸周りに42度回転)、自動的に噴射を中断しセーフホールドモード*に移行。その結果、当初予定されていた12分間の2割程度しかOME噴射が実施されず、十分な減加速度を得ることができず、金星を通り過ぎてしまった。イオンエンジンを使った「はやぶさ」と違い、ホーマン軌道で惑星へ向う場合、決められた時間と場所で、決められた継続時間だけ加速できなければ周回軌道に入れないという難しさがある。火星探査機「のぞみ」(1998-2003年)が、火星周回軌道に入れなかったリベンジでもあった。
- ※セーフ・ホールド・モード(Safe-hold mode)
宇宙機の安全を最優先とした自律判断で移行するモードで、宇宙機に何らかの致命的な問題が発生したときに、通信などの必要最小限の機器を除き全ての機能が停止状態となり、スピンして姿勢を安定させながら、電力確保のため太陽電池パドルを太陽に向けている状態。 - 以下の記事が詳しい;
- 金星探査機「あかつき」に新情報、燃料タンクの圧力が異常低下していた
http://journal.mycom.co.jp/articles/2010/12/10/planet-c_venus/index.html
- あかつき金星周回軌道投入失敗、12月10日午前11時からの記者会見
http://smatsu.air-nifty.com/lbyd/2010/12/121011-303f.html
しかし、探査機が失われた訳ではなく、6年後に再び金星に接近したときに、金星周回軌道に乗るチャンスがあることが分かった。今回、金星周回軌道に乗ることには失敗したものの、「あかつき」ミッションが失敗に終わった訳ではない。一部の報道では、日本の惑星探査に暗雲の兆しと報じられているが、その解釈は間違っており誤解を生む。単純に比較はできないが、例えば米・旧ソ連が火星を争ったときなどは、およそ30機の探査機が向かい、約20機が失敗している。失敗が許される訳ではない。今回の問題点を解決して、「あかつき」は日本初の惑星周回探査機になって欲しい。また、「あかつき」に搭載されているIR2という赤外線カメラは、黄道面を漂う塵(黄道光ダスト)の観測を行う設計にもなっており(金星の軌道傾斜角が僅かに高いため、黄道面の上から塵の外にでて観測できるメリットがあかつき軌道にある)、金星到着までの間はこちらの観測も行う予定になっている。
さて問題は、これから6年間どうやって探査機を延命させるかだけではない。現在ミッションに携わっている主力は、明らかにポスドクや研究員、あるいは大学院生達である。彼ら彼女らをどうやって継続雇用していくのだろうか? プロジェクトの長期化にともない予算が削減されるのは明白なので、真っ先に首を切られるのはポスドク・研究員達である。「はやぶさ」による小惑星イトカワ探査の時も、ポスドクらが主力となっていた。小生も「はやぶさ・ポスドク」の時は、ロケット打ち上げ後に首を切られ(任期満了で延長契約できず)、欧州で2年間をポスドクとして過ごし、小惑星到着後に再び「はやぶさ・ポスドク」に採用された経緯がある。ミッションの主力でありながら危うい橋を渡っているポスドク達は、まさに探査機と運命共同体なのである。
「あかつき」だけでなく、彼ら彼女らがこれから6年間を生き延びて、再び金星と巡り会えるように応援したい。ファイト!
「あかつき」特設サイト
http://www.jaxa.jp/countdown/f17/index_j.html
- ※ポスドク研究員, Postdoctral fellow
博士号を取得したが、パーマネントな研究職、教育職についていない大学等研究機関の研究員。
追記;
金星通過後の12月9日午前9時頃、「あかつき」は、約60万km(地球と月の距離の1.5倍ほどの距離)から金星を撮影した。「あかつき」が一瞬でも金星探査機になった証拠だ。距離は遠いが見事な画像だけに、金星周回軌道に入れなかったことが悔まれる。「あかつき」が暫しの別れの前に「6年後に再び会おう!」と女神(ヴィーナス)に誓っているような印象を受ける。
「あかつき」金星探査機搭載のUVIカメラ(波長365nm,視野12°x12°)、IR1カメラ(波長900nm,視野12°x12°)とLIRカメラ(波長10μm,視野16.4°x12.4°)画像で撮影した金星。
提供;JAXA
画像は人工的に着色(UVI画像:青色 IR1画像:橙色)
素朴な質問
- IR1カメラで見るリムが二重に見えているのは何故?
- UVIカメラだと金星大気が大きく見えるのは高層大気を観ている?(単に時刻が違うから?)
- 赤外線で金星の雲を通して地形(山脈?)の様子がムラムラと見えているのが凄い!左上の黒い影とか右下の白いスポットとか、ムラムラが何なのかが気になる。
小惑星に由来する物質を地球に持ち帰った世界初の快挙を称えて、 2010年12月2日、内閣府にて、はやぶさプロジェクト(宇宙航空研究開発機構、JAXA)及び約120の企業・大学等から構成された支援チームに、宇宙開発担当相、文部科学相からそれぞれ感謝状が贈呈されました。神戸大学の中村昭子准教授が、(我々)支援チーム代表として賞を頂いたそうです。
私は2001年よりJAXA/ISASにて、はやぶさ搭載機器の開発より携わってきましたが、実際に小惑星に到着した2005年当時は、神戸大学大学院自然科学研究科にポスドクとして所属していましたので、神戸大学チームとして受賞しました。神戸大学は、はやぶさ搭載のLIDAR(レーザ高度計; 小惑星までの距離を測り探査機の位置を計測したり,小惑星表面の粗さ凸凹を調べる装置)のサイエンス代表を向井正教授(現名誉教授)が担当しており(LIDARの開発・工学代表はJAXA/ISAS 水野貴秀教授)、私もLIDARおよび開発より携わってきたNIRS(赤外線分光器; 小惑星表面の鉱物組成を調べる装置; 代表JAXA/ISAS 安部正真准教授)を担当しました。神戸大学が筆頭著者になったLIDAR論文も HAYABUSA SCIENCE特集号(2006年)に出版されています。
神戸大学&会津大学&JAXA/ISAS&NECメンバーで構成されたLIDARチーム。下線は神戸大学関係者。
また、LIDARデータを、NASA惑星科学データシステム PDS(Planetary Data System)準拠に対応させる作業も我々のチームで行い、NASAに無事に受理されて2008年より公開されています。
感謝状。宇宙担当開発相(左)、文部科学省(右)
このような賞を頂けることになったのは、最後まで諦めずに探査機を地球帰還へ導いた「はやぶさチーム」の粘り強い努力と、取得された極微量の塵が小惑星イトカワ由来だと特定したサンプル分析チームの成果によるものだと思います。大変ありがたい賞を頂き、本プロジェクトに携われたことを誇りに思います。この経験が、今後の太陽系小天体探査プロジェクト(ポストはやぶさミッション)へ速やかに繋がり世界をリードし続けると共に、我々が得たモノを次の世代に引き継いで行ける機会が得られることを心より願います。
20年前、小惑星は惑星に成れなかったただの路傍の石ころだと思われていましたが(少なくとも自分はそう思っていた)、最近の研究からは力学的にも物質的にも波乱に満ちた変化を現在も受け続けている、太陽系の太古の記憶を秘めた宝石(ロゼッタ・ストーン)であることが分かってきました。宇宙船での往復技術を手にした我々日本人は、いままさに黄金期を迎えようとしている太陽系大航海時代の先駆者になろうとしているのです。益々の応援をよろしくお願いいたします。
夏威夷のオアフ島には、ダイヤモンドヘッド・クレータ以外にも見事なクレータがあるって知ってますか?
Google Earthで見てみよう。
オアフ島の北西から南東へ伸びるコオラウ山脈(Koʻolau Range)は、過去50万年の間に13回程度の噴火をお起こし、ダイヤモンド・ヘッド、ハナウマ・ベイ、ココ・ヘッド、パンチボウルなどの、今日のオアフ島東部地域のクレータが形成された。
Crater(クレータ)とは、地下のマグマや火山ガスによって運ばれた岩塊などが、固体や液体となって地表に噴出する(または過去に噴出した)穴のことを呼ぶ。また、天体が衝突した時にできる孔もクレータと呼ぶ。両者は一見似ているが、成因は中か外と大きく異なってくる。
さて、Google Earthをもう一度良く見ると、コオラウ山脈の中に立派なクレータがあるではないか!それも、現在小生が滞在しているマノアの山の向こうだ。その名は、カアウ・クレータ(Ka’au Crater).
ということで探検に行くことにした。参加者は、ハワイ大学に在籍する院生とポスドク、小生以外は台湾人と中国人で構成され、共通語は英語と中国語である。
ほな出発。
ところが、探せど入り口が無い。それもそのはず、ここは、ハワイのTrail Mapにも掲載されていない穴場だから。
発見!
ところが小生が乗り越えた柵には、「あなたの犯した罪により訴えられます」と書いてある。(帰りは、結局ここに出てきた)
ようやく、それらしき入り口を藪小木の中に見つけた。看板も何もないよ。
このトレールは、滝が見所と聞いていたので期待していると、
常夏の常緑林の中を突き進む。
滝の上に再び攀じ登る。
続いて第四の滝!これまたお見事!
標高750mからは、ダイヤモンドヘッド(標高232m)とワイキキのビル群が眼下に見えた。
数十万年年前形成されたクレータは、周囲を山に囲まれており、貯水池の役目を果たしているようだ。このクレータこそが、我々が登ってきた数々の滝を織りなす渓流の源であった。水が赤錆色をしているのは、噴火の際に溶岩として噴出された地球内部の鉄が河床を形成しているからなのだろう。
往復5時間の快適なトレッキングだった。ハワイは、海と山、両方とも楽しめます!
2010年11月20日、台北からチャイナエアーの直行便(成田経由)にてハワイ=Hawaii=夏威夷、ホノルルへ到着した。1年振りのハワイである。
今回のハワイ1ヶ月の出張「プロジェクトX」は、3週間ほど前に急遽決まった。世界で最も権威ある論文誌に我々が発見した小惑星に関する研究論文を、小生が筆頭著者になって昨月投稿した。無事に査読が行われ(この段階で7-8割の論文はリジェクトされ不受理になる)、2週間ほどで3名の査読者(レフリー)らのコメントが返って来た。共著者らとレフリーコメントを精査したところ、頑張れば論文が受理される見込みがあると判断。しかし、作業が込み入っていて追加計算なども必要なことから、第二〜第六共著者がいるハワイ大学・天文学研究所で作業することをハワイの共同研究者から強く薦められ、ハワイ大学(Institute for Astronomy)と台湾國立中央大(Institute of Astronomy)のサポートで1ヶ月間のハワイ出張と相成った。
台湾はジメジメした寒い冬を迎えつつあり、耳石症もまだ治っていなくて目眩が取れないので、ハワイは良い気分転換になるだろうとやってきた。研究はもちろんだが、ハワイにはお楽しみが一杯ある。仕事を開始した昨日の夜は、手始めに夜のムーンライトサーフィンをハワイアン天文学者らと楽しんだ。1年振りの波に揉まれながらの超初心者サーファーだが、夏の大三角とオリオン座を背景に、満月に照らされるダイヤモンドヘッドと足下でキラキラと輝く珊瑚礁に抱かれながら波に漂っているだけで、気分爽快だ!
さて、丘にもお楽しみがないかと検索すると、ホノルル・マラソンなる世界の一大イベントが、12月12日に当地で開催されるではないか!
ということで、10kmも走ったことがない初心者だが、マラソンにも挑戦してみることにした。
自戒も込めて、今回の目標を宣言しておこう。
1)論文のリバイズを完了させて、ハワイを経つ前にサブミットする。
2)ホノルル(フル)マラソンを完走する。
12月17日までハワイにいますので、ホノルルへ来る場合はご連絡くださいませ。
ムーンライトサーフィン。ワイキキビーチの沖合300mほどから、持参した水中カメラで撮影。10名ぐらいのサーファーが波と戯れていた。夜のサーフィンは、丘から恥ずかしい姿を見られなくて良い反面、押し寄せる波が見え難いのでちょっと怖いが、人間の目は感度が良いので、満月で天気が良ければ全く問題ない。前回(昨年)の満月サーフィンは、ドン曇りで波が見えずに怖かった。
共同研究者で、今回小生をハワイへ招待してくれたカナダ人ロブ。太陽系をリードするハワイ大教授だが、元プロ・フットボールプレーヤーでもある巨漢(~195cm)。我々は、体育会系アステロイド・チームである。ワイキキの夜景と満月の背景には、登りつつある冬の星座であるオリオン座が見える。水温はまるで温室プールのようで、冬なのに不思議な気分。
これまでのサンプル回収作業では、直径が0.01mm以下の粒子が大半だったので、ほとんどが打ち上げ前のコンタミだと半分諦めていたところ、なんとその大半がイトカワ起源らしいとの証拠が示されかなり驚きました。分析チームの粘りに感謝します!
これで、詳細分析結果が楽しみになってきた。ハヤブサは、最後まで私達に希望を与えてくれます。
ハヤブサ2への大きな前進となることを願って!
ISASプレスリリース http://www.isas.jaxa.jp/j/topics/topics/2010/1116.shtml
■ JAXA プレスリリース配信サービス
━━━━━━━━━━━━━━━━━ 携帯からは→ http://mobile.jaxa.jp/
はやぶさカプセル内の微粒子の起源の判明について
http://www.jaxa.jp/press/2010/11/20101116_hayabusa_j.html宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、はやぶさ搭載の帰還カプセルにより持ち帰られた、サンプル収納容器(※)からの微粒子の採集とカタログ化を進めています。
サンプルキャッチャーA室から特殊形状のヘラで採集された微粒子をSEM(走査型電子顕微鏡)にて観察および分析の上、1,500個程度の微粒子を岩石質と同定いたしました。更に、その分析結果を検討したところ、そのほぼ全てが地球外物質であり、小惑星イトカワ由来であると判断するに至りました。
採集された微粒子のほとんどは、サイズが10ミクロン以下の極微粒子であるため取扱技術について特別なスキルと技術が必要な状況です。JAXAは、初期分析(より詳細な分析)のために必要な取扱技術と関連装置の準備を進めています。
※サンプル収納容器内部は、サンプルキャッチャーA室及びB室と呼ばれる2つの部屋に分かれています。
添付資料1:はやぶさ帰還カプセルの試料容器から回収された微粒子がイトカワ起源であると判断する根拠
http://www.jaxa.jp/press/2010/11/20101116_hayabusa_j.html#at01添付資料2:掻き出しヘラの電子顕微鏡写真
http://www.jaxa.jp/press/2010/11/20101116_hayabusa_j.html#at02添付資料3:ヘラによるキャッチャーA室掻き出しの様子
http://www.jaxa.jp/press/2010/11/20101116_hayabusa_j.html#at03添付資料4:使用した電子顕微鏡FE-SEM(S-4300SE/N)
http://www.jaxa.jp/press/2010/11/20101116_hayabusa_j.html#at04宇宙航空研究開発機構 理事長談話
http://www.jaxa.jp/press/2010/11/20101116_hayabusa_j.html#at05発表日:平成22年11月16日 発表:宇宙航空研究開発機構
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関連リンク
小惑星探査機「はやぶさ」(MUSES-C)
http://www.jaxa.jp/projects/sat/muses_c/index_j.htmlはやぶさ、地球へ~帰還カウントダウン~特設サイト
http://hayabusa.jaxa.jp/
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
発行:JAXA(宇宙航空研究開発機構)広報部 http://www.jaxa.jp※ ご意見などの受付フォーム http://www.jaxa.jp/pr/qa/inquiry_j.html
※ 受信アドレス変更・登録解除 http://www.jaxa.jp/pr/mail/index_j.html
※ 本文の表示は「等幅フォント」に最適化されています。
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イトカワのミューゼスの海の高解像度写真からは、cmサイズの砂利が敷き詰められていることは分かっていますが、それよりも小さなダストが存在している証拠は見つかっていません。ここで一つの疑問が生じます。ハヤブサ探査機は弾丸を撃っていないのに(打った証拠はない)、大量の微粒子が入っていたということは、イトカワ表面にはミクロンサイズの粒子が付着している、あるいは表面付近に浮遊しているとしか考えられません。10万分の1G(スペースシャトルの内部よりも小さい重力)で微粒子を留めておく力が働いていることになります。
小惑星イトカワ表面のクローズアップ画像 (JAXA/ISAS)
NASAのNEAE探査機が小惑星エロス上で見つけたポンド(砂の池)とか、アポロ宇宙飛行士が月面で見たという月の地平線上に浮かぶ砂嵐とか、未だによく分かっていない静電気力と思われる浮遊ダストや、ダスト移動説を真面目に確かめる必要があるのではないか。。。?
はやぶさ2で小惑星に降ろすローバなどにその機能を持たせることを検討してみる価値はありそうです。
(JAXA/ISAS)
アポロ17号の宇宙飛行士が月面上で見たスケッチ(1972年)。アポロ10号など(恐らく8号、15号でも)同じ現象が目撃されている。太陽が月の地平線に昇る(T=0) 数分前から反射光で光る浮遊ダストと思われる光の帯が目視されている。これらのダストもハヤブサが持ち帰ったダストと同じサイズであると見積もられている。
湾の土産と言えば「高山茶」と「鳳梨酥( feng4 li2 su1 )」。パイナップルケーキである。
海外の共同研究者らには毎回台湾の珍味をお土産に持っていくのだが、そろそろ飽きてきたと思うので、今回は極上の「鳳梨酥」を献上しようと考えた。
台北の「吉軒茶語」は、桃園在住の日本人Kさんのお薦めの店であって、以前1個だけ頂いたことがあり、「おっこれは!! むほむほ。。」という味だったの思い出した。ところが、台北在住の日本人が、「吉軒茶語」は小出しの店で「微熱山丘・台北話會」が直営店だと教えてくれた。
週末に、Kさんと中壢を出発。「微熱山丘・台北話會」に乗り込んだ。店は住宅街の中にあり、看板もないのにお客さんで賑わっていたのですぐに分かった。顧客が多いのだろう。
気さくな店員さんとやり取りしながら、お茶と鳳梨酥を出して頂き試食。
「これまで食べてきた台湾の数々の鳳梨酥の甘ったるさではなく絶妙な甘味。パイナップルの繊維質が残っているところも良い。そして、シンプルなモノリスを彷彿させる形も、実は崩れ易い中味の型くずれを最小限に押さえて食すに最適な形状だ。さらに貴賓があるパッケージは、献上品としても失礼がない。」
賞味期限が2週間で、2週間後にハワイへ出張で行くので、南投の本店に注文して大學宛に送ってもらうことにした。台北の「吉軒茶語」でも購入可能とのことだが、15個、20個入りの大きいパッケージは扱っていないようだ。
さて、その後、北投にある高級温泉「三二館」に行く予定だったのだが、台北から電話をかけると、18時まで予約で一杯で入浴ができないことが判明。ちなみにこの温泉は、日本では考えられないようなサービス最高の温泉で、人目を気にせずにゆったり寛ぐため、人数制限も行っている。
仕方なく陽明山へ向った。ところが、台北の東側から車で1時間近くかけて登ったのは、巨大な墓地が山頂に広がる鳥塗山という向いの山だった。陽明山へ抜ける路は無かったので、墓地を後にして北の海側へ下山。途中、耳石症の目眩がして、ちょっと危なかった。
金山という温泉街へ向った。温泉街を一巡して、よさげな温泉「金湧泉SPA温泉會館」に御入店。水着着用の混浴室外温泉は、10種類ほどの温泉があり、男女別の室内温泉もある宏大な温泉施設だった。我々は、火鍋付きのコース(700NTD、平日だと550NTD)で入浴。ここは、カップルや家族と来ると非常に良いと感じた。
往復220kmの雨天走行。
ここ3週間、目眩が取れずに悩まされている。
肩こりだと思い地元の中國式医院に行った。吸い玉とゴリゴリで肩と背中がアザだらけになるが、これはすごく効く。大きな病院に行って診断した方が良いと言われたので、地元では一番大きな壢新醫院に行った。台湾の病院や歯科は、夜10-11時頃までやっており、保険で格安で診断できるのでいつ行っても黒山の人だかり。この病院はネットから予約できるので、時間通りに行くと、結局1時間遅れで名前が呼ばれた。診断は、中国語で質問されて、中国語でなんとか最初は答えた。すると途中から英語になった。なんだ試されていたんかい!
ベッドに寝て、頭を動かしながら、眼球の動きを観察するゴーグルを付けて精査。診断結果は、「耳石症」と言われた(紙に書いてもらった)。内耳前庭にある耳石がはがれ、三半規管に入りめまいが起こる「良性発作性頭位めまい症」という病気とのことで、脳には異常はことが分かった。
不規則な生活に関係していると言われたが、確かに目眩は鹿林天文台での観測の直後から始まった。ちょうど、はやぶさのリアクションホイールが2個壊れた感覚。朝は酷い時は、起き上がれなかったりする。応急回復方法は教わったので、その方法を1週間試したところ、随分改善された。
取りあえず脳には異常がないことが分かったので仕事には問題ないが、目眩が酷いので気分も滅入る。しばらくは、無理しないようにしなくては。。。
台湾按摩の跡。虐待に見える?