はや1ヶ月です。もうちょっと今後はペースを早めて行こうと思います。
今回はブライダルに関してです。 まぁ時期がこれからなので、ご結婚を控えていらっしゃる方には参考になれば幸いです。
最近は実はクオリティーが高いとは言い難い状況です。 というのも、ブライダルの音響というものは概ねホテルでの挙式の場合はまだホテルに常駐をしているテクニカル会社がやる事が多いので、まだクオリティーというものがそんなに低いという事は有りません。
しかし、レストランウェディングであったり所謂結婚式場と呼ばれる設備の所では、正直あまり良い話を聞く事が無いのも事実です。
何故か? それは営業の体制による所も大きいのですが、本来であれば音響やテクニカルの人件費というものが例えば一人につき、1日4万円掛かるとしましょう。それが、式場→ブライダル会社→オペレータ に流れる段階でかなり目減りするのは当然の事です。
それが決して悪い事は有りません。それは受発注形態を考えれば当然の事です。
実は音響やテクニカルの専門にバイトを募集するサイトが有りまして(ここでは伏せさせて頂きますが)そこでの半数近くがブライダル音響、映像、照明、オペレーター募集というものです。お気づきの方も多いかとは思いますが、勿論打ち合わせなどは宴会担当者が行いますので良い方向に向かう事も出来るでしょう。しかし、一生に一度の結婚式当日にアルバイトのオペレーターが音を出しているなんてのはザラに有るというのは覚悟して頂いて良いと思います。
ではその下がった値段でクオリティーの高いオペレーターが手配出来るでしょうか?
そこは無理です。としか言いようがありません。
じゃぁどうすれば良い?と言われてもですが、準備段階で有る程度の回避方法は有るので少し書いてみたいと思います。
まず、当日掛けたい曲(入場、乾杯、退場、手紙朗読、などなど)は、キッカケと呼ばれタイミングに合わせて出す曲達。それと、歓談中などで掛けたい曲(BGM)は必ず別のCDに焼いて準備するようにする事。
又、曲の順番は会の進行の順番通りに事前に並べてCDに焼き込むというのが事故防止の第一歩です。
少しテクニカルの話になりますが、業務用CDプレーヤーには(それすら入って無い会場は有りますが、それはおいておいて、、)オートポーズと言って、1曲が終わると次の曲の頭で一時停止して止まれる機種が有るのです。なので、順番通りに並べておけば事故は防ぎやすいです。
後、例えばこの曲の30秒位から流したいんだけど、、、というのは、なるべく避けた方が良いかと思います。勿論事前に編集出来てCDに出来れば何も問題無いのですが、それが難しいのであれば、まずは宴会担当に相談してみるというのをお薦めします。で、「事前に編集されたものを聞かせて欲しい。」と確認はした方が良いでしょう。 それが出来ないという事で有れば無理にそこに拘りを持つよりは別の曲を探した方が安全です。(これに関しては、オペの技量にも寄りますが、結構出し間違え事故は多いからです。)
これだけでも音響に関しては演出の事故を防ぐ事が容易になります。順番がバラバラだったり当日変更したりするとそれだけ事故の確率が上がるというのは覚悟して下さい。
照明などは実はプリセットなども有るので、位置が結構決められていたりします。(挨拶はここ、乾杯はここ、高砂はここ、みたいな)でも、照明自体はそんなに問題になる事も少ないので、例えば演出でどうしても暗転したいとかが有れば、事前に相談してみて下さい。(会場暗転→曲スタート→扉開いて二人が入場)とか。
捕捉ですが、CDに焼く場合に「音楽専用CDR」とPC用のCDRのどちらが良いですか?
と聞かれる事が有りますが、音的には正直これはどちらでも一緒です。としか言いようがありません。
音楽用のCDRというのは通常のCDRに比べて値段も少し高めに設定されているのですが、それは「著作権」の費用が含まれているからです。製造工程として何が違うの?という違いは一切有りません(パッケージが専用という事位です。) これに関しては又別の機会に書きたいと思いますが、今回のような「結婚式」という場で有れば、「著作費」は会場が負担をしていますので個人的なイベントでの使用に関しての著作権費用はJASRACの包括範疇ですので、通常のCDRに焼き込む形で大丈夫です。
一生に一度の結婚式(まぁ数回目という方も居ますが)ですから、言いたい放題言ってみて下さい。
そのついでに、上に書いて来たようなちょっとした気遣いで事故は防止出来ますから、良い思い出に出来るように少しCDにする場合も気を使ってみて下さい。
では、又次回。
初めましての方、お久しぶりの方、柏で御座います。
出戻って参りました。
最後の更新が2012年の1月1日、もう2年前になりますね。何という体たらくというか、まぁその辺りは御勘弁頂ければ。
改めまして、ゆっくりじっくり書いて行こうと思います。
いやぁ、それにしても改めて自分の書いた記事を時系列で読み返してみると結構恥ずかしいものですね。 2年も経つとどうしても忘れている事も多くて、こんな事を書いていたのかとか、その時の自分の状況等少しづつ思い出すものですね。
でもこれからはもうちょっと砕けて書いて行こうかなと思っています。というのも、結構今までは「音響デザイン」というジャンル、そして「音響」と呼ばれる仕事、PA, SR, と呼ばれる仕事がどんなものなのかもっと一般に認知して貰わないとこの業界がダメになって行くんじゃないか? などという到底一人では解決出来ない事に真っ向正面から向き合って自分で追い込んでいた感じが有ったのは事実です。
でも、これからはもうちょっと、ほんの少しでも「音響」という仕事ってこんなだよ。でも仕事は秘守義務の固まりのような事も有るので、その「カケラ」が読んで頂ける皆様に届けば良いなと思っております。
この2年間、文章と向き合うという事から少し離れていたので、中々伝え切れない事も多いかと思いますが、「音」が生み出されて行く様子が少しでも伝えて行けるようにじっくり書かせて頂きますので、興味が出た方はお付き合い下さいませ。
日々の仕事の中での自分達業種の当たり前が他の方には新鮮に見える、素敵に見える事も有ると思うんです。そしてその中に居る人達がどんな事を感じ、どうやって葛藤してその「音」を生み出しているのか。 そんな事が少しでも感じ取って頂ければ幸いです。
改めまして。今後ともお付き合い下さいませ。
久しぶりに書いた所感と致しましては。。。
(そろそろプロフィールの写真と文章を変えて貰わないとですね、、、詐欺とか言われそうです。本人に興味を持って頂けた方は TwitterやFacebookなどもやっておりますので、そちらも合わせてどうぞ。あちらはもっと下らない事も多いので、五月蝿い時はスルーして頂いて大丈夫です。)
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皆様、ご無沙汰しております。柏です。
折角復活させて頂いていたのに、どうしても書く事が出来ないまま去年が過ぎてしまいました。 未だ個人ページを残して下さっている JunkStage のスタッフ皆様には感謝のしようも御座いません。 又少しづつでは有りますが、書かせて頂こうかと思っております。
昨年は本当に色々な事が有った中、震災関連の話題は未だ継続中ですし、現場は減った案件も正直有りましたが昨年後半にシフトした案件なども多く、年末まで例年に無い程復興しようという気持ちが感じられる一年でした。
その中で自分のスタイルもスタンスも昨年は変化をして、社名が変更になったり、取り扱う内容が変化したりと、最近現場でも良く聞かれる事も多くなって来ましたので、その辺りを再度書き綴りたいと思います。
昨年4月末に今までの「ティーズサウンド」から社名が変更になって、
「インタースカイプロモーション」
と、社名が変更になりました。
やはり色々思う所も有り今回の社名変更、そして業態変更という事になったのですが、震災の影響が無かったかというと嘘になります。
震災の時に色々と思う所が有りました。
あの3.11から2日後、それまでに入っていたそれ以降のスケジュール、それが全て白紙になってしまいました。
うちはとても小さな会社です。が、やはり少なからずスタッフを抱えている。そのプレッシャーや金銭的な見通し、それが一度にこうして崩れてしまうという事の怖さを同時に経験する事になりました。
そんな事も有り、以前からこの社名にしようと大事な人や親しい人と準備はしていたのですが、震災をキッカケに一気に変えてしまおうと思った訳です。
勿論、それまでJunkStageで書かせて頂いてきた現場の事や、お付き合いの有る協力会社様とのリレーションも考えて、プラスアルファで何が出来るかという事を念頭に置いての変更でした。
何故変える必要が有ったのか。それは多分、その当時というよりも今現在の動き方。 具体的にはテクニカルを取り纏めるクリエイティビティーというものをもっと具現化出来ないかという事。
じゃぁ、今まで存在している制作業務と何が違うのか? という所も有るかと思います。
自身含め弊社スタッフはそれまでの業務の中で、音響(これが一番の軸)、そして映像照明の現場的オペレート、進行スタッフ、制作補助、パネルデザイン、設備施工、などなど。テクニカル以外も有りますが、テクニカルという大きな器で見た時にある程度の音響以外の経験値と空気を読むスタッフィングは経験してさせて頂いて来ていました。(勿論、専業の方の下に付いて勉強させて頂いた経緯も大きい訳です。)
そんな経験値、そして音響だけという業務の不安定さというのを震災で経験した事によって、現在のインタースカイプロモーションを立ち上げるキッカケとしました。
今は、「音が軸」というのは変わって居ないのですが、もっとフレキシブルに様々なクリエイティブに携わりたいという気持ちと、営利だけを追求するのでは無くて、もっと今までの経験値を生かして、トータルでテクニカルというのを見ていきたいという気持ちが強くなっています。
ですから、音響、照明、映像、写真、デザイン、全てを現場レベルでトータルに見る事が出来る。 そんな事をやり始めています。
少しずつですが、昨年もこうしてお仕事をさせて頂いている中で、音響だけでは見えなかった他のセクションの苦労、そして、代理店様、制作会社様の苦労というのも、少しずつ理解出来るようになり、自身達の視野も広がってきています。
やはりテクニカルの良い所というのは、専業だからこそ専門的な知識と技術で貢献出来るという所だと思うのです。
しかし逆を返すと、「井の中の蛙」になりがちという所。どんなにその業界の中で知名度が有っても技術が有っても、その論法を現場レベルで上から目線になりがちの人も多いのだなと改めて感じています。
だから、今は音響という仕事の悪い所も良く見え始めて居ます。
しかし自分の軸は音響という事は変わりません。それは多分これからも同じだと思います。 今まで以上に見えてきた弊害や良い所、そこをもっと変えていきたい。小さな事かもしれませんし、自身達だけで成し得る事も厳しいかもしれません。
でも、確かにテクニカルにはテクニカルの歴史が有ります。それをひっくり返そうというのでは無くて、悪い所は悪いと声を今まで以上に上げていこうと思っています。
そうしないと、やはり若手の就労状況の改善や、大げさでは無くてイベント業などではやはりテクニカルというのは事実底辺の扱いを受けてるのは事実です。そこはお金の流れなどを考えれば当然なのですが、その扱いというのを変えて行きたいと思っています。
まだまだ始まったばかりで、昨年はひたすら走り続けて来ました。今年も続いて行きます。
正直、今までここJunkStageで色々書いて来た中で、苦言を頂く事も有りましたし、それを言うと言う事は、業界の先輩達を否定する事になるから控えたほうが良いなど、色々ご意見も頂く事も有りました。
確かにそれも一理ですし、諸先輩方を蔑ろにしようというのでは無くて。 時代が変わってきている中で、音響業界を始めテクニカルの業界も変革して行くべきだと感じている自身の気持ちは否定するつもりが無いのです。
又、勿論全てでは有りませんが、仕事を上から下にスルーするだけでお金を得る代理店や制作会社、自身達の都合で進行しようとするテクニカル、などなど、そんな悪循環を無くしたいという事です。
少しつづでは有りますが、具現化していけているのは嬉しい事です。
ソフト面のクリエイティビティー、そして、ハード面のクリエイティビティー。それが融合した時にどんな事が起きてくるか、そんな事を目指しています。
2012年 再度スタートしたいと思います。
本年も皆様、宜しくお願い申し上げます。
柏 環樹
今回はやはりあの話題からは避けて通れないのも解っていたので、震災の時の事、そして音響に関して影響の有った事、そしてこれからを書いてみようと思います。
正直、あの震災の事は書く事を躊躇っていたのも事実で、今こうして書いていても自分が個人の事として、そして音響として書く事が正しいのかは解りません。 でも、それでも書いておかないといけないという気持ちが有るのも事実なので、読んで頂いている皆様に少し共有をさせて頂ければ幸いです。
あの日、震災の有った時。自分は事務所に居りました。スタッフと先の現場の打ち合わせと、そろそろ遅いお昼ご飯を食べようとしていた自分、そして埼玉スーパーアリーナで翌日からの別の現場の仕込みをしていたスタッフ達。
その瞬間、スーパーアリーナのスタッフの事、子供の小学校に丁度出かけていた経理さん、機材の事、事務所の入っているマンションの事、色々な事が一気に気にかかりましたが、誰も連絡が取れませんでした。
有る程度落ち着いて来た頃に、ようやくスーパーアリーナのスタッフ達と連絡が取れて一応開催が不明だけれども仕込みはしないといけない状況で有るとの事、こちらはこちらで他のスタッフ達は事務所でラジオやテレビ、そしてツイッターなどで情報をかき集めていました。
しかし、翌日からの仕事の予定も立てられないので、電話が繋がらない状況の中、歩いて行ける得意先には徒歩で翌日からの予定などの確認に奔走し、やっと夕方に仕込みから解放されたスタッフ達が帰ろうとした頃には帰宅困難という事態、徒歩やバス、深夜に再開した地下鉄などを駆使してスーパーアリーナから事務所に戻って来れたのは翌日の朝4時でした。
状況ばかり書いて行くとキリが無くなってしまうのでこの程度に留めますが、全員が無事に何とか翌日には帰宅出来た事がせめてもの救いでした。
その後相次ぐ仕事のキャンセルの嵐。
翌日からキャンセルの連絡が入り始めて、数日の間に3月、4月、5月の案件関係は全てキャンセルされました。
やはりイベントというのは社会が健全であるからこそ出来る事、そしてPR活動も然りでCMがACで埋め尽くされたように企業の自粛ムード、そして社会の空気は非生活必需産業で有る自分達にはとても重くのしかかっています。
正直、今この原稿を書いている時点でもキャンセルや延期の声は届いて来ます。そして、恐れていた「倒産」の二文字が自分の周りでも起きています。
今回の事で自分は「音響」という仕事の強さと脆さを両方感じる事が出来ました。
生活に絶対的に必要で無い職業で有るからこその脆さ
アーティストなどが日本の為に声を届ける事を直接手伝える強さ
改めて、自分はこの仕事をしていて良かったと思える事や出会いが有った事も事実です。
しかし自社の中でスタッフ達の生活を考えると、あまりにも脆い部分が多く(これは音響に限った事では無いのですが)このままで良いのかと自問自答する日々が続いていました。
結果、自分の選択肢は「人に何かを届ける事が出来るなら、伝え続けよう」そう思い続けて行く事を選択しました。
そして自分の手の届く所だけでも、例えそれが小さな範囲だったとしても守りたいと思えるスタッフ達に恵まれた事に感謝をしています。
柏は新たなステージに立つ事を選択させて頂きました。
「音響デザイン」からもっと広がれる様に、自分のしている事が人にきちんと届く様に会社の形態、そして10年以上使って来た社名を音響ブランドとし、もっと広いステージの為の社名を変更しました。
この変更は前から構想はしていた事だったのですが、自分だけでは無く、大事な人達とのお付き合いの中から実際に進行していた事を形にする事でした。
震災がキッカケという部分も勿論有ります。もっと深い所で自分の守りたい人を守れる環境は自分自身でしか作り出せないというのを見直せた事でも有るからです。
大事な人を守る為に10年以上続けて来た事を更に発展させていく事、そして新たなステージに立つ事、不安も有りますが続けて行こうと思います。
人と人が気持ちで繋がって行く、綺麗事かもしれませんがそんな事が現実に出来る環境を残して行きたい。 そう思っています。
これからはもっと進化して深化する自分を、愛すべきスタッフ、そして大事な人達。
新たな名前はそんな人の為に、その意味を愛し、その人の為に残して行こうと。
「音響デザイン」からもっともっと前へ。
次回はもっと軽い?ネタで、バンドとの付き合いについて書きたいと思います。
長らくの休養を頂き、この5月から復帰をさせて頂きました。お久しぶりです、柏です。
このお休みを頂いている間に、東日本大震災という未曾有の大災害が起きて、未だ収束の糸口すら微かな糸のように細い状況では有りますが、やはりそんな中でも又こうして書かせて頂ける事が励みになっております。
この長いお休みの間、実は色々な事を体現して参りました。これから書いて行く事になるであろう事、そして自分にとっても一つステップを上がる事が出来たのでは無いかなと感じております。
今まで通りの事を書ければ良いのかなと、今回再開をさせて頂くに当たって考えていたのですが、これからはもっと違う側面も書ければなと思っていますので、又お付合い頂ければ幸いです。
Weekly ライターという肩書きも頂いてしまったので、そのJunkStageのスタッフをして頂いてる方々や、これをお読み頂いてる方々に何かしら少しでも届けば良いなと、改めて感じてちょっと緊張したりしています。
正直、震災に関連する事も書かねばならないと思っていますが、それは次回以降からスタートさせて下さい。
今回はこうして皆様に改めてご挨拶させて頂ける場が出来ただけでも、感謝の気持ちで一杯です。
改めまして、「音響デザイン」始めました!
宜しくお願いします。
JunkStageをご覧の皆様、こんばんは。
いつもJunkStageをご訪問いただき、ありがとうございます。
現在、「音が見えるデザイン」執筆中のライター・柏環樹さんが私事多忙のため、こちらのコラムを一時休載とさせていただいております。
再開は3月初旬です。
連載を楽しみにしてくださっている皆様には申し訳ございませんが、再開をお楽しみにお待ちくださいますよう、お願い申しあげます。
(JunkStage編集部)
2011年、遅まきながら今年も宜しくお願い致します。
という訳で、新年が明けて暫くコラムを書けずにいた所、某代表理事からお叱りをTwitter上で晒されてしまったので、お待たせして申し訳ありません。
昨年は何かと色々な話題も豊富な年となりました。 何より、ワイヤレスマイクの環境に関する記事には自分が思っていた以上の反響を頂いて、舞台芸術に対するお読み頂いている方々の関心の高さを実感する事が出来た次第です。
こうした小さな動きがこの先の舞台芸術の環境整備に少しでも尽力出来ればと痛感しています。
又、実際に現在のワイヤレスマイクの周波数帯とは違うデジタルワイヤレスシステムを導入するきっかけにもなった事が、昨年末から今年へかけての出来事という感じです。
さて、表題にも有りましたが、この度 「JunkStage アワード 2010」の功労賞を受賞する事が出来ました。
裏方としてこのような名誉を頂く事は、他のライターさん達に申し訳無いなと感じる反面、もっと尽力せねばいかんなと気を引き締める次第です。
受賞は某日に頂いたのですが、仕事の関係で本当に一瞬だけ顔を出した場で頂く事になってしまいました。
その場にいらっしゃった他のライターさん達とお話しする間もなく、現場へととんぼ返りしたのですが、まるで不審者のように頂くものだけ頂いて帰ってしまったのが心残りです。
そんな受賞の仕方をしてしまいましたが、今回こうして受賞させて頂いて感じたのは「必要とされる」という喜びだなと。
いや、決して某ライターさん達が心配しているような、柏は某代表理事にどんな弱みを握られているんだ、という事は一切御座いません。
これは現場でも仕事でもこうした場に於いても同じなのですが、自分の力が役に立つので有れば出し惜しみをせずにやろう、という一言に尽きます。
「必要とされるうちが華」であります。
そして、これはうちのスタッフ達にも言い続けている事でもあります。
自分が出来る事、出来ない事の線引きは大事かもしれないけれど、出来る事を出し惜しみする程、自分は偉くも何とも無いのだから、精一杯出来る事をやろうと。
そしてそれが何か(誰か)の助けになるので有れば、出し惜しみをするな、と。
JunkStage に自分が何が出来かを理解させて貰っているからこそこうして色々イベントなどで動ける訳です。
そうした人の魅力やパワーを引き出す事の出来る JunkStage のスタッフ達を、ライターとはまた少し違う目線と志しを持っている魅力有るスタッフ達が居てくれるからこそ、 こうして「功労賞」という形で自分が 受賞させて頂いたのだと感じています。
受賞に当たってはスタッフからの、暖かい手紙、そして綺麗な花(写真)。
ありがとうございました。
前回、ワイヤレスマイクに関して書いたのですが、思った以上に反響が有ってこうした小さな動きが先々に繋がれば良いなと本当に思いました。
今回はそれをいい事に、ワイヤレスマイクに関してちょっと続きを書きたいと思いますが、どちらかというと今回の内容は周波数というよりもワイヤレスマイクの怖さとでも言いましょうか、電波を使うってのは結構大変なんですという話しです。
単純に分類して、有線マイクと無線(ワイヤレス)マイクが有ります。
有線マイクは書いて時の如く、ケーブルで繋がっているマイクですが、このケーブルが結構くせ者で、特に講演会などで動き回りたい講演者の方などにはかなり不評です。
では、一方でワイヤレスマイクですが。 動きが制限されない、機材にもよりますが持って移動出来るので質疑応答用などにも向いている。
こうして書くと、さもワイヤレスマイクは優秀のように捉えられがちなのですが、実はワイヤレスマイクはデメリットとして、混線、電波の途切れ、電池切れ、などが起りやすいマイクです。 又、たまにですがトラックの無線、トランシーバーの無線、などが混線する場合も有ります。
ですが、意外とこの事実はお客様などにはあまり認知されていなくて、ワイヤレスマイクを使いたいのです、というご要望をよく頂きます。
本当に大事な講演者の先生などでは有線マイクの方が途切れるという心配は無いので、出来る限り有線マイクの方が良いかもしれません。
前回書いた内容で、コンサートなどでワイヤレスマイクが使えないとパフォーマンスに支障をきたす場合が有ると書きましたが、それは事実としても有線マイクで出来る事も多いと思うのも又事実です。
自分が仕事でワイヤレスマイクを使っていても、例えば繁華街(銀座、新宿、渋谷など)の映画館などでの舞台挨拶では、ほぼ必ず前回記事に書いた「要免許帯」を使います。 勿論事前申請をして、他に近所で同じ帯域のワイヤレスマイクを使っていないかというのを確かめるのです。
何故そうするかと言うと、それとは別に一般の方も使えるワイヤレスとして紹介をしたB帯と呼ばれる帯域のマイクは、「パチンコ屋さんの呼び込み」「デパートのアナウンス」などなど上げればキリが無いほど街に電波が溢れています。
こちらもB帯でやるとそこと混線する場合も多いからです。
又、会場によっては有線マイクでお願いをする場合も有ります。
それはどうしても電波塔が近くて、ワイヤレスマイクの電波に信頼性の不安を感じる場合などです。
これは各社様々な会場、時間帯、地域、でワイヤレスマイクを使ってみた実績でここはこれだとダメなどのデータの蓄積がなされているので、それを参考にもしたりします。
前回書いた、電波使用に於ける構築がゼロからになってしまうというのは、こうゆう側面も有る訳です。 長年掛けて培って来た、実験とも言えるデータ蓄積は伊達ではありませんから。
じゃぁ、前回書いたデジタルワイヤレスというのはどうなの? という所ですが。
正直もう仕方が無いので、試しに導入を始めてみる事にしました。
今までのワイヤレスの周波数帯域(770~806Mhz帯域)とは完全に別の、2.4Ghz帯域のワイヤレスマイクが発売になったのでテスト使用を開始しています。
まぁ使い勝手がどうなんてのはここで書くべき内容では無いので割愛しますが、2.4Ghz帯域は wifi やデジタルサービスなどで使われている帯域(2010年現在)で、全世界で免許や許可申請のいらないという帯域です。
正直これがワイヤレスの救世主になるかどうかは別として(現在同時使用は某メーカー発表値で12本同時使用まで)、今のトータル30本程度同時使用出来る環境にはまだまだほど遠いのです。
ですから、後2年で何とかしようとしている総務省のやり方には疑問だらけです。
と、2回に渡って同じ話題で書いてしましたが、それだけ重要だという事がもっと認知されたら良いなと考えているので、ご勘弁下さいませ。
次回は来週にでも。
今度はもうちょっと明るい話題でお届けしたいと思ってます。
では。
柏
先月末、総務省がとうとう電波利用帯域の再編で現在ワイヤレスマイクなどに使用している帯域を携帯電話に割り当てる事がほぼ確定となってしまいました。
これは現在自分達が現場で使用している 770~806Mhz帯域を携帯用に明け渡さなければならないという事なのですが。
これは以前に一度書きましたが、とうとう動き出したという所でしょうか。
しかしこれはどうにも納得がいかないというのが、放送業、音響業務に関わる身としては感じる所です。
周波数を変更、移動するという事は、今まで所有使用してきている要免許帯のワイヤレスマイクは全て買い替えないといけないという事になるからです。 単に買い替えれば済むという考え方は軽卒な考え方で、要免許帯は「特定ラジオマイク利用者連盟」(通称:特ラ連)に利用申請をして、入会費、年会費、運用調整費、免許申請手数料、免許関係書類取扱費、や電波利用料などが掛かっています。
今回の総務省の方針では、買い替えに必要な経費を電波が空いた後にその帯域を使う携帯業者に負担してもらうとなっていますが、果たしてそう上手くいくのでしょうか?
例えばテレビ局などで使用されているマイクを全て入れ替えるとなると、数億円の規模になるはずですし、自分達のような中小業者でも数百万~数千万の負担になります。
現在のアナログラジオマイクからデジタルマイクへの変更を総務省は促していますが、現在有るデジタルマイクの音の遅延(マイクで喋ってから機器が音を出力するまでの時間)の問題が未だ完全には解決していません、それを2年で開発を進めると方針を発表していますが、メーカー主導なこの部分をどう改善するのでしょうか?
又、その2年の猶予の後に移行調整するとなっていますが、今までのワイヤレスマイクからの買い替えの期間を考えると到底その期間で対応出来る事では無いと思います。
そして一番の問題は、今まで全業者が「特ラ連」を通じてコンサートやテレビ番組などでワイヤレスマイクを同時に数十本使う場合でも、周波数の計算式やアンテナの位置による安全確保のノウハウなどが、全部周波数が変わる事によって「無」になってしまうからです。
技術的な問題としては、今までの帯域から短波かデジタルテレビで空いたホワイトスペースへ追いやられると、特に電波の届きにくい短波ではアンテナなどを調整したとしても演出的に距離や死角などかなりの制約が出る事が懸念されています。
ちょっと小難しい事ばかり書きましたが、簡単に言えば。
AKB48のライブは出来ません。劇団四季のミュージカルも出来ません。芸人さん達が大勢出る収録も出来ません。
ぜーんぶ、有線マイクで動き無しでお願いします。
と、総務省は言っているようなもんです。
何故今回こうして声を大にして言うかというと。
今回のこの決定は、原口前総務相が指示をして作業部会が5月に発足、そして11月には最終報告で決定という短期間の議論で我々の仕事に携わる人間でも知らない人はまだ居ますし、移行後の問題なども十分に議論もされないまま政府主導で一方的に行われた感が否めないからです。
勿論、未だ納得がいかない部分も数多く、放送関係、劇場関係、などから上申は行われるのでしょうが、どうなって行くのか次第で様々な部分に影響が出る事が予想されます。
確かにワイヤレスマイクが全てでは無いですが、一般の方でも簡単に会社のプレゼンテーションなどでワイヤレスマイクをお使いの事と思います。 今回はB帯と呼ばれる免許の必要ない帯域はそのまま確保されていますので、一般の方もお持ちのポータブルアンプなどの帯域は問題にはなっていません。
これはそこまでを移行するとなると、どれだけの買替え費用が必要になるのか目も当てられなくなるからなのでしょうか。 要免許帯域は一般の方が所有される事はほぼ無いとは思いますが、実はホールなどでの講演の際には知らず知らず使っていらっしゃるかもしれません。
今回のこの動きは、検証も無しに移行が決定すると、文化芸術にも多大なる影響を及ぼしかねないという事を十分に政府は理解をして頂きたい。
海外でも周波数の移行や制限は厳しいですが、日本は特に使用出来る限度が今でも少ない位です。
改革も良いですが、制約ばかり増えて費用も掛かりすぎて、こんな事では日本の芸術文化に関わる仕事の行く末が本当に暗雲に覆われていくようです。
だんだん寒くなって来て、そろそろ冬の訪れなのかなと感じる今日この頃です。
また間が開いてしまっているので、編集さんに怒られる前にちゃんと書かなくてはと思いつつ今年はこの秋口はAPEC進行も有ったお陰で中々時間のマネージメントが難しいですが、やっと落ち着いたのできちんと書きたい事が一杯です。
さて、今回は「学術会議」と「音」というテーマです。
「学術会議」と一括りにしてしまっていますが、「医学」「薬学」and more.. と様々な会議が日々行われています。
そんなちょっと一般的に見ればお固い感じを受けるかもしれませんが、そこにも音は必須な要素だったりする訳です。 発表者の先生の講演、質問者の声、進行役の先生、会を進行するMC、と様々な人の声を綺麗に拡声する事がこの仕事の最たる目的です。
ちょっと別所では、同時通訳も有りますがそれはまた別の機会に。
実はあまり一般には知られていませんが、病院などで「~先生は学術総会の為、~まで休診です。」なんて張り紙や看護士さんに言われた事は有りませんか?
そんな時に先生達は実は全国から一カ所に集まって「学術総会」に参加されている訳です。 じゃぁ、「学術総会」って何? というと、年に1回程度~数回の頻度で先生達は集まって症例の報告会や勉強会をやっている訳です。
この会のお陰で最先端医療の報告や症例報告、様々なディスカッションを行って次の世代に繋がる医療の方向性を示す事が出来て来ている訳です。
じゃぁ、音はどうなの?と。
実際の会場では、演台と呼ばれる発表者の為のマイクの拡声などが主な仕事ですが、客席会場内に質問用のマイクを立てたり、会場にもよりますが結構な量のマイクや引き回しが必要になってきます。
これが全国規模の会になると、東京国際フォーラム全棟貸し切りや先日APECが行われたパシフィコ横浜の全棟など、かなりの量になります。
会自体は、一つの会場だけでは無くて第1会場~第○○会場など様々な会場に分かれてディスカッションや発表が行われます。 普段、こうして仕事をしていると様々な業種の方々とご一緒する事も多いのですが、この「学術総会」はいつも気にする仕事の一つであります。
様々な先生が発表を行う内容を拝見しながら新しい医療の事を勉強出来たりする訳です。勿論、内容は専門的な事が多く全ては解りませんが、聞いていてとても勉強になります。
そして自分達はその大事な情報を会場にいらっしゃる先生達にクリアに声を届ける為に様々な調整やスピーカーの置き位置などを考えるのですが、日本人の先生が講演をされる場合と海外の方が講演される場合には多少調整の仕方が違うのです。
日本語は「母音」の言語ですが、例えば英語は「子音」の言語というのも良く解ります。 特に日本人の声は母音~(あ、い、う、え、お)が主体で音の周波数要素が低いのですが、英語は(さ、し、す、せ、そ)が綺麗に聞こえないと単語を判別するのが難しくなるんです。
ですから、自ずとマイクの調整方法も変わって来ます。
そんな講演者一人一人に気を使いながら、今日も学術総会現場でオペレートしております。